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技術 工作機械における切削負荷状態の監視方法及びその装置

出願人 日立精機株式会社
発明者 長島聡
出願日 1995年6月14日 (25年6ヶ月経過) 出願番号 1995-171511
公開日 1997年1月7日 (23年11ヶ月経過) 公開番号 1997-001444
状態 未査定
技術分野 数値制御 工作機械の検出装置 数値制御 数値制御(位置指令の作成・出力)
主要キーワード 取付けミス 基準傾き プログラミングミス 監視区間内 経時変化率 無負荷検出 状態監視用 工具状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

目的

切削負荷無負荷設定値より下がった場合に、これが正常な切削によるものかチッピングなど異常な切削状態の発生によるものかの判別をすることができる工作機械における切削負荷状態の監視方法及びその装置を提供する。

構成

工作機械における実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合に、前記実切削負荷の下降経時変化率の大小と、前記実切削負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な切削状態とを判別する。

概要

背景

NC旋盤マシニングセンタなど工作機械数値制御装置(以下、NC装置と記載)は、各種加工を行うためのNCプログラム加工プログラムメモリに記憶させておき、加工作業を行う場合には必要なNCプログラムをこの加工プログラムメモリから呼び出して加工動作を制御する。NC旋盤の主軸チャッキングされたワーク(工作物)を刃物台取付けられた工具切削する加工動作中には、ワーク及び主軸を駆動する主軸モータと、刃物台を送り軸を介して駆動する送り軸用サーボモータに、それぞれ切削負荷がかかる。これらの切削負荷をそれぞれ検出して、NC旋盤における切削負荷状態を監視している。

切削負荷状態を監視する場合に、切削負荷状態が無負荷の状態になっているか否かの判断の基準として、無負荷設定値を予め設定しておく場合がある。正常な状態で工具がワークを常に切削し続けている時には、実切削負荷が無負荷設定値より下がることはない。

ところが、切削中に工具の切れ刃チッピング等が生じる場合や、ワーク又は工具の種類を間違えて取付けたり,ワークや工具が取付けられていない等取付けミスが生じることがある。このようなことが発生すると、実切削負荷が無負荷設定値より下がったり、監視区間中に実切削負荷が無負荷設定値を越えない状態が続くことになる。ところで、NC旋盤により鉄道車両用車輪等を切削する場合には、一つの車輪(ワーク)に対して切り込み量を変えながら複数回切削するので、切り込み量が殆どになる時がある。このような切削では、正常な切削を行っているにも拘らず、実切削負荷が無負荷設定値とほぼ等しくなる。

概要

実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合に、これが正常な切削によるものかチッピングなど異常な切削状態の発生によるものかの判別をすることができる工作機械における切削負荷状態の監視方法及びその装置を提供する。

工作機械における実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合に、前記実切削負荷の下降経時変化率の大小と、前記実切削負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な切削状態とを判別する。

目的

本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合に、これが正常な切削によるものかチッピングなど異常な切削状態の発生によるものかの判別をすることができる工作機械における切削負荷状態の監視方法及びその装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

工作機械における実切削負荷無負荷設定値より下がった場合に、前記実切削負荷の下降経時変化率の大小と、前記実切削負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な切削状態とを判別することを特徴とする工作機械における切削負荷状態の監視方法

請求項2

工作機械における実切削負荷が無負荷設定値より小さい場合に、監視中に前記実切削負荷が前記無負荷設定値を越えたことがあるか否かと、前記実切削負荷の下降経時変化率の大小と、前記実切削負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な切削状態とを判別することを特徴とする工作機械における切削負荷状態の監視方法。

請求項3

前記実切削負荷の下降経時変化の傾きと、記憶部に予め記憶され且つ実切削負荷基準値に対応する所定の基準傾きとを比較することにより、前記下降経時変化率の大小を判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械における切削負荷状態の監視方法。

請求項4

前記実切削負荷の下降経時変化の傾きと、前記実切削負荷が前記無負荷設定値以下になる直前の実切削負荷平均値に基づく下降経時変化の基準傾きとを比較することにより、前記下降経時変化率の大小を判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械における切削負荷状態の監視方法。

請求項5

工作機械における実切削負荷を算出して読込む実切削負荷読込み部と、この実切削負荷読込み部から出力される前記実切削負荷が所定の無負荷設定値より小さいか否かを判定する切削負荷無負荷大小判定部と、前記実切削負荷の下降経時変化率の大小を判定する下降経時変化率大小判定部と、前記実切削負荷が前記無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間が所定の設定時間より長いか否かを判定する無負荷時間判定部と、前記3つの判定部の各判定結果に基づいて正常な切削状態と異常な切削状態とを判別してアラーム出力部に信号を出力する演算部とを備えたことを特徴とする工作機械における切削負荷状態監視装置

請求項6

前記切削負荷無負荷大小判定部は、監視中に前記実切削負荷が前記無負荷設定値を越えたことがあるか否かの判定も行うことを特徴とする請求項5に記載の工作機械における切削負荷状態監視装置。

請求項7

前記下降経時変化率大小判定部は、前記実切削負荷の下降経時変化の傾きを計算する実切削負荷傾き計算部と、基準傾きを計算する基準傾き計算部と、前記実切削負荷傾き計算部により算出された下降経時変化の傾きと前記基準傾き計算部により算出された前記基準傾きとを比較する傾き大小判定部とを備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の工作機械における切削負荷状態監視装置。

技術分野

0001

本発明は、数値制御NC旋盤など工作機械における切削負荷状態を監視する監視方法及びその装置に関する。

背景技術

0002

NC旋盤マシニングセンタなど工作機械の数値制御装置(以下、NC装置と記載)は、各種加工を行うためのNCプログラム加工プログラムメモリに記憶させておき、加工作業を行う場合には必要なNCプログラムをこの加工プログラムメモリから呼び出して加工動作を制御する。NC旋盤の主軸チャッキングされたワーク(工作物)を刃物台取付けられた工具切削する加工動作中には、ワーク及び主軸を駆動する主軸モータと、刃物台を送り軸を介して駆動する送り軸用サーボモータに、それぞれ切削負荷がかかる。これらの切削負荷をそれぞれ検出して、NC旋盤における切削負荷状態を監視している。

0003

切削負荷状態を監視する場合に、切削負荷状態が無負荷の状態になっているか否かの判断の基準として、無負荷設定値を予め設定しておく場合がある。正常な状態で工具がワークを常に切削し続けている時には、実切削負荷が無負荷設定値より下がることはない。

0004

ところが、切削中に工具の切れ刃チッピング等が生じる場合や、ワーク又は工具の種類を間違えて取付けたり,ワークや工具が取付けられていない等取付けミスが生じることがある。このようなことが発生すると、実切削負荷が無負荷設定値より下がったり、監視区間中に実切削負荷が無負荷設定値を越えない状態が続くことになる。ところで、NC旋盤により鉄道車両用車輪等を切削する場合には、一つの車輪(ワーク)に対して切り込み量を変えながら複数回切削するので、切り込み量が殆どになる時がある。このような切削では、正常な切削を行っているにも拘らず、実切削負荷が無負荷設定値とほぼ等しくなる。

発明が解決しようとする課題

0005

このように、実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合の原因には、切り込み量が小さい正常な切削によるものと、工具の切れ刃のチッピングなど異常な切削状態の発生によるものとがある。特に、NC旋盤により車輪を切削する場合には、実切削負荷が切削監視区間内で無負荷設定値を越えない切削があった場合に異常な切削状態の発生と判断して直ちに無負荷のアラームを出すと、正常な切削にも拘らず機械の停止等の事態に至る。かかる事態を防止するために、実切削負荷の急下降によるアラームは出力せずに、取付けミスの場合にのみアラームを出力すれば、工具のチッピング等の異常切削状態の発生を検出することができなくなってしまう。このように、従来の切削負荷状態の監視方法では、前記正常な切削状態とチッピングなど異常な切削状態の発生との判別をすることができなかった。

0006

特開平3−178752号公報には、工具負荷監視制御方式に関する技術が開示されているが、このものは、切削監視区間の判別を行う技術であり、切削負荷状態のうち無負荷状態が正常な切削状態か異常な切削状態の発生によるものかを判別する技術とは異なるものである。

0007

本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合に、これが正常な切削によるものかチッピングなど異常な切削状態の発生によるものかの判別をすることができる工作機械における切削負荷状態の監視方法及びその装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上述の目的を達成するため、本発明に係る工作機械における切削負荷状態の監視方法は、工作機械における実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合に、前記実切削負荷の下降経時変化率の大小と、前記実切削負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な切削状態とを判別している。

0009

また、工作機械における実切削負荷が無負荷設定値より小さい場合に、監視中に前記実切削負荷が前記無負荷設定値を越えたことがあるか否かと、前記実切削負荷の下降経時変化率の大小と、前記実切削負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な切削状態とを判別することが好ましい。

0010

なお、前記実切削負荷の下降経時変化の傾きと、記憶部に予め記憶され且つ実切削負荷基準値に対応する所定の基準傾きとを比較することにより、前記下降経時変化率の大小を判断してもよい。または、これに代えて、前記実切削負荷の下降経時変化の傾きと、前記実切削負荷が前記無負荷設定値以下になる直前の実切削負荷平均値に基づく下降経時変化の基準傾きとを比較することにより、前記下降経時変化率の大小を判断してもよい。

0011

前記監視方法を実現するための本発明に係る切削負荷状態監視装置は、工作機械における実切削負荷を算出して読込む実切削負荷読込み部と、この実切削負荷読込み部から出力される前記実切削負荷が所定の無負荷設定値より小さいか否かを判定する切削負荷無負荷大小判定部と、前記実切削負荷の下降経時変化率の大小を判定する下降経時変化率大小判定部と、前記実切削負荷が前記無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間が所定の設定時間より長いか否かを判定する無負荷時間判定部と、前記3つの判定部の各判定結果に基づいて正常な切削状態と異常な切削状態とを判別してアラーム出力部に信号を出力する演算部とを備えている。なお、前記切削負荷無負荷大小判定部は、監視中に前記実切削負荷が前記無負荷設定値を越えたことがあるか否かの判定も行うことが好ましい。

0012

また、好ましい一態様として、前記下降経時変化率大小判定部は、前記実切削負荷の下降経時変化の傾きを計算する実切削負荷傾き計算部と、基準傾きを計算する基準傾き計算部と、前記実切削負荷傾き計算部により算出された下降経時変化の傾きと前記基準傾き計算部により算出された前記基準傾きとを比較する傾き大小判定部とを備えている。

0013

前述のように、車輪などワークに対して切り込み量を変えて切削をする途中で切り込み量がほぼ零になる場合には、これは正常な切削である。このような場合には実切削負荷は通常ゆっくりと下降するので、その下降経時変化率は小さくなり、下降経時変化の傾きも小さい。

0014

これに対して、切削途中でチッピングなど異常が発生すると、実切削負荷は急激に下降する。そのため、下降経時変化率は大きくなってその下降経時変化の傾きも大きくなり、且つ実切削負荷が無負荷設定値以下になる状態が長い時間続くことになる。そこで、前記下降経時変化の傾きの大小と前記無負荷検出時間とにより、現在正常な状態で切削が行われているか異常状態が発生したかの判別をしている。

0015

以下、本発明の一実施例を図1乃至図7を参照して説明する。

0016

図1は切削状態を示すワークの部分断面図である。本実施例では、ワーク1が例えば鉄道車両用の車輪の場合に、これをNC工作機械としてのNC旋盤により切削加工する場合について説明する。通常、NC旋盤はワーク1に対して切り込み量を変えて複数回切削する。例えば、車輪の加工の場合には軌跡2に従って1回目の切削をし、次いで軌跡3に従って2回目の切削をする。この時、加工部分4で両軌跡2,3がほぼ接している場合には、この加工部分4では2回目の切削における切り込み量は殆ど零か例えば1[mm]未満になる。したがって、2回目の切削時に加工部分4を切削している間は、実切削負荷が無負荷設定値とほぼ等しくなる。

0017

図2は実切削負荷と時間との関係を示すグラフである。図中、符号B,Cは、それぞれ実切削負荷の基準値及び無負荷設定値を示している。なお、基準値Bは、実切削負荷の値を平均することにより算出される。無負荷設定値Cは、無負荷状態で主軸が回転した場合、及び刃物台,送り軸等が移動した場合の、主軸モータ及び送り軸用サーボモータの負荷に基づいて決められる。軌跡2に従う1回目の切削の実切削負荷は曲線5で表され、軌跡3に従う2回目の切削時の実切削負荷は曲線6により表されている。即ち、曲線5,6は正常な切削が行われている場合を示している。曲線6で示す2回目の切削では、加工部分4で切り込み量がほぼ零になる無負荷部分があり、実切削負荷が無負荷設定値Cより下がった範囲Dが加工部分4の切削にほぼ対応している。

0018

曲線7は、基準値Bに沿って正常な切削が行われている途中で、何らかの原因で瞬間的に実切削負荷が無負荷設定値Cより下がったが直ちに基準値Bに回復した場合を示しているので、この場合は正常な切削と判断して無負荷アラームを出力しない方が望ましい。曲線8は、切削中に工具の切れ刃にチッピングが生じて実切削負荷が無負荷設定値Cより下がった場合を示している。線9は、工具又はワークの取付けミスにより、実切削負荷が無負荷設定値C以下の状態で続いている場合を示している。前記取付けミスとしては、工具又はワークの種類を間違った場合,工具又はワークが取付けられていない場合,NCプログラムにプログラミングミス選択ミス等の間違いがある場合等がある。

0019

図3は本発明に係る切削負荷状態監視装置のブロック図、図4は前記切削負荷状態監視装置の概略構成図、図5は本発明に係る切削負荷状態の監視方法を示すフローチャートである。図3に示すように、切削負荷状態監視装置10の制御部において、CPU(中央処理装置)20にはバスライン21が接続されている。バスライン21には、切削負荷状態監視プログラムを記憶しているプログラムメモリ22と、演算データを記憶するRAM23と、パラメータなどデータを記憶するパラメータメモリ24と、切削に使用される工具の状態を記憶する工具状態メモリ25と、切削負荷状態を監視するために演算処理する切削監視部26とが接続されている。

0020

また、キーボード27から入力されたデータ,及びバスライン21を介して入力されたデータを表示するためのCRT28と、監視条件を設定してパラメータメモリ24に記憶させるための監視条件設定部29と、実切削負荷読込み部30とが、バスライン21に接続されている。監視条件設定部29では、監視のための測定時間,判定時間T,Tn ,所定の設定時間T0 ,実切削負荷の基準値B,無負荷設定値Cなど監視条件が設定される。実切削負荷読込み部30は、ワーク1が取付けられた主軸を駆動する主軸モータ,主軸に対して主軸軸線方向(Z軸方向)及び主軸軸線と直交する方向(X軸方向)に相対移動する工具が取付けられた刃物台を駆動する送り軸用サーボモータの負荷電流を検知し、これをA/D変換することにより実切削負荷を算出して読込んでいる。そして、この切削負荷状態監視装置10はCPU20により統括制御される。

0021

図4に示すように、切削負荷状態監視装置10は、工作機械における実切削負荷を算出して読込む実切削負荷読込み部30と、この実切削負荷読込み部30から出力される実切削負荷が所定の無負荷設定値Cより小さいか否かを判定する切削負荷無負荷大小判定部40と、実切削負荷の下降経時変化率の大小を判定する下降経時変化率大小判定部41と、実切削負荷が無負荷設定値C以下の状態になる無負荷検出時間が所定の設定時間より長いか否かを判定する無負荷時間判定部42と、前記3つの判定部40,41,42の各判定結果に基づいて正常な切削状態と異常な切削状態とを判別してアラーム出力部43に信号を出力する演算部44とを備えている。

0022

図3図4に示すように、判定部40,41,42と演算部44とアラーム出力部43は、切削監視部26に含まれている。なお、CPU20が演算部44を兼ねる場合でもよい。下降経時変化率大小判定部41は、実切削負荷の下降経時変化の傾きを計算する実切削負荷傾き計算部45と、基準傾きを計算する基準傾き計算部46と、実切削負荷傾き計算部45により算出された下降経時変化の傾きと基準傾き計算部46により算出された基準傾きとを比較する傾き大小判定部47とを備えている。

0023

次に、切削負荷状態を監視する方法について説明する。図6及び図7は、本発明の監視方法の一実施例及び他の実施例をそれぞれ示すグラフである。

0024

本発明の切削負荷状態の監視方法は、工作機械(NC旋盤)における実切削負荷が、パラメータメモリ24に記憶されている無負荷設定値Cより下がった場合に、実切削負荷の下降経時変化率の大小と、実切削負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な切削状態との判別を行っている。また、切削負荷無負荷大小判定部40は、監視中に実切削負荷が無負荷設定値Cを越えたことがあるか否かについても判断する場合がある。

0025

具体的には、下記の条件乃至を判別し、工具のチッピング等を検出し、無負荷アラームの出力を行う。
実切削負荷の下降経時変化率が大。
実切削負荷が無負荷設定値以下の状態になる無負荷検出時間が、所定の設定時間より長い。
監視区間中に実切削負荷が無負荷設定値を越えたことがある。

0026

下降経時変化率大小判定部41は、図6に示すように、実切削負荷の下降経時変化の傾きS1 ,S1aと、記憶部であるパラメータメモリ24に予め記憶され且つ実切削負荷の基準値Bに対応する所定の基準傾きS2 とを比較することにより、下降経時変化率の大小を判断している。下降経時変化率の大小を判定する判定時間Tは、主軸の回転数指令と主軸オーバーライドの指令とにより主軸回転数を算出し、主軸の一回転に必要な時間の算出値に、パラメータメモリ24に予め記憶されているパラメータデータ係数)を乗算して求めている。もちろん、主軸の一回転に必要な時間の算出値を判定時間Tにしてもよい。

0027

図6の傾きS1 は、曲線8(図2)に示された傾きに基づくものであり、チッピングによる異常な切削状態の発生を示している。実切削負荷傾き計算部45は、実切削負荷読込み部30から入力する実切削負荷に基づいて、傾きS1 を計算する。傾き大小判定部47は、この傾きS1 と所定の基準傾きS2 の大小を判定するために、基準傾き計算部46及び実切削負荷傾き計算部45からそれぞれ入力する信号に基づいて、基準傾きS2 を含む三角形b,c,dの面積Fと、傾きS1を含む台形b,c,e,dの面積Gとを比較している。基準傾き計算部46は、実切削負荷基準値Bを判定時間Tで除した次式により、この場合の基準傾きS2 を算出する。
基準傾きS2 =実切削負荷基準値B/判定時間T
そして、面積がG>Fであれば傾きがS1 >S2 となって、実切削負荷の下降経時変化率が大きいので、傾き大小判定部47は、実切削負荷が急下降したと判定する。

0028

これとは逆に、曲線6(図2)に示す正常な切削の場合には、図6破線で示す傾きS1aを含む三角形b,c,d1 の面積Ga と、面積Fを比較する。そして、面積がGa <Fの場合には傾きはS1a<S2 となり、下降経時変化率は小になるので、傾き大小判定部47は、実切削負荷がゆっくりと下降したと判定する。

0029

図7の場合に、傾き大小判定部47は、実切削負荷の下降経時変化の傾きS1と、実切削負荷が無負荷設定値C以下になる直前の実切削負荷平均値B1 に基づく下降経時変化の基準傾きS3 とを比較することにより、下降経時変化率の大小を判断している。したがって、基準傾き計算部46により計算されるこの基準傾きS3 の値は常に更新されている。この場合の基準傾きS3 は、判定時間Tn の直前の判定時間Tn-1 ,Tn-2 における実切削負荷の平均値B1 を判定時間Tn で除した次式により算出される。図7中の判定時間Tn は、主軸一回転の時間から、又は主軸一回転の時間に所定のパラメータデータ(係数)を乗算した時間から、求めている。
基準傾きS3 =直前の実切削負荷平均値B1 /判定時間Tn

0030

そして、図6と同様にして、基準傾きS3 を含む三角形b,c,dの面積Hと、実切削負荷の下降経時変化の傾きS1 を含む三角形b,c,eの面積Iとを比較することにより、傾きS3 ,S1 を比較している。図7に示す傾きS1 は、曲線6(図2)に示す正常な切削に基づくものである。この場合には、面積はH>Iなので、傾きはS1 <S3 となるので、実切削負荷の下降経時変化率は小となり、急下降とは判定しない。図7では直前のデータに基づいて基準傾きS3 を演算しているので、実切削負荷に変動がある場合に正確に監視できることになり好ましい。

0031

次に、図5のフローチャートを参照して切削負荷状態を監視する手順について説明する。切削負荷状態監視用のプログラムはプログラムメモリ22に記憶されており、監視条件はキーボード27から入力されて、監視条件設定部29で設定される。

0032

まず最初に、切削監視部26は、実切削負荷のバッファリングを行う(ステップ101)。次に、実切削負荷読込み部30により実切削負荷を読込んで、実切削負荷が、監視条件設定部29で設定された無負荷設定値Cより下がったか否かを、切削負荷無負荷大小判定部40により判別する(ステップ102)。曲線5に示すように、実切削負荷の方が無負荷設定値Cより常に大きい場合には、条件,に該当しないので、正常な切削がなされているものとしてステップ101に戻る。一方、実切削負荷が無負荷設定値Cより小さい場合には、監視区間中に実切削負荷が無負荷設定値Cを越えたことがあるか否か,即ち条件を判断する(ステップ103)。一度でも越えたことがあれば、ステップ104に移行する。次に、実切削負荷傾き計算部45は、実切削負荷の下降経時変化の傾きS1 ,S1a(図6図7)を計算する(ステップ104)。

0033

次いで、基準傾き計算部46は、実切削負荷基準値Bに対応する所定の基準傾きS2 (図6)を計算する。この計算結果S2 をパラメータメモリ24に一旦記憶しておくのが好ましい。一方、基準傾き計算部46は、この計算に代えて、図7に示すように、実切削負荷が無負荷設定値C以下になる直前の実切削負荷平均値B1 に基づく下降経時変化の基準傾きS3 を計算してもよい(ステップ105)。なお、例えば同種の多数のワークを切削する場合には基準値Bもほぼ一定になる。したがって、基準値Bや実切削負荷平均値B1 に拘らず、そのワークに関する基準傾きS2 の値を一定値にしてパラメータメモリ24に予め記憶しておいてもよく、この場合にはステップ105の計算が省略できる。

0034

次に、傾き大小判定部47は、実切削負荷傾き計算部45と、基準傾き計算部46又はパラメータメモリ24からの出力により、実切削負荷の下降経時変化の傾きS1 (又はS1a)と基準傾きS2 (又はS3 )とを比較して、条件を判断する(ステップ106)。傾きがS1 (又はS1a)<S2 (又はS3 )の場合には条件に該当しないので、ステップ101に戻る。

0035

ステップ106において傾きがS1 (又はS1a)>S2 (又はS3 )と判断された場合は、無負荷時間判定部42は、実切削負荷読込み部30から出力される実切削負荷が無負荷設定値C以下の状態になる無負荷検出時間T3 が、パラメータメモリ24に予め記憶された所定の設定時間T0 より長いか否か、即ち条件を判断する(ステップ107)。時間がT3 <T0 の場合には、曲線7に示すように、何らかの理由により瞬間的に実切削負荷が変動して無負荷設定値Cより下がったが、その後直ぐに正常な切削の状態に戻っている。したがって、演算部44は、条件には該当するが条件に該当しないので正常な切削と判断して、無負荷アラームを出さないでステップ101に戻る。

0036

ステップ107で時間がT3 >T0 の場合には、条件,,に該当する曲線8に示すようなチッピング等が生じたと推定される。したがって、この場合には、演算部44は、切削状態に異常が発生したと判断して、アラーム出力部43に無負荷アラームを出力して、CRT28にその旨表示するとともに、NC装置48を介してNC旋盤の送り軸サーボモータに続いて主軸モータを停止させる(ステップ108)。

0037

ステップ103において、切削負荷無負荷大小判定部40が、監視区間中に実切削負荷が無負荷設定値Cを越えたことがないと判断した場合にはステップ109に移行し、切削監視区間が終了したか否かを判断する。切削監視区間が終了していた場合には、図2の線9に示したような工具又はワークの取付けミス,NCプログラムのプログラミングミス,選択ミス等が生じたと推定できる。即ち、この場合にも、演算部44はアラーム出力部43を介して無負荷アラームを出力し(ステップ110)、CRT28に表示するとともに、NC装置48により工作機械をアラーム状態にし停止させる。これにより、切削負荷状態を監視する手順を終了するが、この一連の手順を、例えば100[msec]毎に実行するのが好ましい。

0038

実切削負荷が無負荷設定値Cより下がった場合に常に無負荷アラームを出力すれば、通常の切削を示す曲線5以外の曲線の場合にはすべてアラームが出力されてしまう。すると、曲線6,7のように正常な切削を行っている場合に不都合であるとともに、曲線8,線9に示すような異常の発生の区別が付かない。

0039

これに対して、本発明では、実切削負荷の下降経時変化率の大小と無負荷検出時間とにより、正常な切削状態と異常な切削状態との区別を確実に行うことができる。また、実切削負荷が無負荷設定値Cより小さい場合に、監視区間中に実切削負荷が無負荷設定値Cを越えたことがあるか否かを判断することにより、線9に示すような取付けミスの場合を確実に判別できる。

0040

従来は、線9に示す如く監視区間全域で実切削負荷が無負荷設定値C以下の状態が続く場合にのみ無負荷アラームを出力していた。そのため、チッピングなど異常が発生した場合の検出ができなかった。これに対して、本発明によれば、切削加工開始後、実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合に、これが正常な切削によるものか異常な切削状態の発生によるものかの判別を行うことができ、無負荷検知を確実に行うことができる。

0041

前述の車輪の切削のように、殆ど無負荷状態にほぼ等しい切削状態が途中に存在するようなワークの加工では、正常な切削による切り込み量ほぼ零の時の実切削負荷の変動はゆっくりと生じるのに対して、切削の途中でチッピングが生じると実切削負荷は急激に下降する。本発明では、このような、切削の途中で実切削負荷が殆ど零になるように変化する加工を行う場合に、実切削負荷の変動の差を下降経時変化率の大小により判別した。したがって、実切削負荷が無負荷設定値より下がったのが正常な切削によるものか異常な切削状態の発生によるものかの判別を確実且つ正確に行うことができる。

0042

このように、切削負荷状態の正確な監視ができるので、工場が自動化されて昼夜間の無人運転がなされる場合でも対応できる。この実施例では、刃物台がX軸方向,Z軸方向に移動するNC旋盤で説明を行っているが、どちらか一方又は両方の軸方向主軸台が移動するNC旋盤であってもよい。また、刃物台に回転工具主軸を有する場合には、回転主軸モータの負荷状態を監視してもよい。さらに、NC旋盤の他に、マシニングセンタ,ターニングセンタ等の工作機械であってもよい。なお、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

発明の効果

0043

本発明は、上述のように構成したので、実切削負荷が無負荷設定値より下がった場合に、これが正常な切削によるものかチッピングなど異常な切削状態の発生によるものかの判別をすることができる。

図面の簡単な説明

0044

図1図1乃至図7は本発明を説明するための図で、図1は切削状態を示すワークの部分断面図である。
図2実切削負荷と時間との関係を示すグラフである。
図3切削負荷状態監視装置のブロック図である。
図4切削負荷状態監視装置の概略構成図である。
図5本発明に係る切削負荷状態の監視方法を示すフローチャートである。
図6本発明の監視方法の一実施例を示すグラフである。
図7本発明の監視方法の他の実施例を示すグラフである。

--

0045

24パラメータメモリ(記憶部)
30 実切削負荷読込み部
40 切削負荷無負荷大小判定部
41下降経時変化率大小判定部
42 無負荷時間判定部
43アラーム出力部
44演算部
45 実切削負荷傾き計算部
46基準傾き計算部
47 傾き大小判定部
B 実切削負荷基準値
B1直前の実切削負荷平均値
C 無負荷設定値
S1 ,S1a 下降経時変化の傾き
S2 所定の基準傾き
S3 基準傾き
T0 所定の設定時間
T3無負荷検出時間

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