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技術 シリコン単結晶ウェーハおよびその製造方法

出願人 住友金属工業株式会社
発明者 宝来正隆梶田栄治
出願日 1995年5月31日 (24年9ヶ月経過) 出願番号 1995-158458
公開日 1996年12月13日 (23年3ヶ月経過) 公開番号 1996-330316
状態 特許登録済
技術分野 固相または液相からの単結晶成長 結晶、結晶のための後処理 アニール
主要キーワード 半円錐形 引き上げ量 リング外側 断熱材構造 調査解析 軸方向部位 ヒーターパワー 結晶部位
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年12月13日)のものです。
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図面 (6)

目的

全面にGrown-in欠陥のないシリコン単結晶ウェーハを提供する。

構成

チョクラルスキー法シリコン単結晶育成する際に、引き上げ速度をV(mm/min )とし、シリコン融点から1300℃までの温度範囲における引き上げ軸方向結晶温度勾配平均値をG(℃/mm)とするとき、V/G値結晶中心位置と結晶外周から30mmまでの位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とし、結晶外周から30mmまでの位置と結晶外周位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とするか若しくは結晶外周に向かって漸次増加させる。OSFリングウェーハ中心部で消滅し、且つリングの外側に生じるはずの転位クラスタも発生しない。

概要

背景

半導体素子の製造に用いられるシリコン単結晶ウェーハは主にCZ法により製造されている。CZ法とは周知の如く石英坩堝内のシリコン融液種結晶漬け、石英坩堝および種結晶を回転させながら種結晶を引き上げることにより、円柱状のシリコン単結晶育成するものである。このときの引き上げ速度、すなわち単結晶育成速度は通常1.0〜2.0mm/min である。

ところで、このようなCZ法により育成したシリコン単結晶ウェーハは、熱酸化処理(例えば1000〜1200℃×1〜10時間)を受けたときに、リング状に発生するOSFと呼ばれる酸化誘起積層欠陥を生じることがある。このOSFリングは引き上げ速度が速くなるにつれて単結晶の外周側へ移動することが知られており、現在LSIの製造には、OSFリングが単結晶の最外周に分布するように比較的高速の引き上げ速度、すなわち1.0〜2.0mm/min で育成された高速育成ウェーハが用いられている。

しかしながら、このような高速で育成されたシリコン単結晶ウェーハには数種の微小欠陥(以下Grown-in欠陥と称す)が存在し、MOSデバイスゲート酸化膜耐圧特性劣化させることが明らかになってきた。また、これらのGrown-in欠陥は熱的に極めて安定であることから、デバイスの製造プロセス中においても消滅せず、ウェーハ表面近傍活性領域に残留し、酸化膜耐圧特性だけでなく接合リーク特性を劣化させることも明らかになってきた(例えばM.Horikawa et al.Semiconductor Silicon 1994,p987)。

近年LSI等のMOS型高集積半導体素子集積度増大に伴ってゲート酸化膜薄膜化され、ソースドレイン等の拡散層深さが浅くなったため、ゲート酸化膜の絶縁耐圧特性の向上および接合リーク電流の低減が強く要請されているが、現在LSIの製造に使用されている高速育成ウェーハは、これらの特性が劣るため、最近の特に高い集積度に対しては対応が困難になってきた。

そこで最近になって、引き上げ速度が0.8mm/min 以下の中速または低速でシリコン単結晶を育成する方法が特開平2−267195号公報により提案された。しかしながら、このような中速〜低速で育成したシリコン単結晶ウェーハにも下記のような結晶品質上の問題点がある。

概要

全面にGrown-in欠陥のないシリコン単結晶ウェーハを提供する。

チョクラルスキー法でシリコン単結晶を育成する際に、引き上げ速度をV(mm/min )とし、シリコン融点から1300℃までの温度範囲における引き上げ軸方向の結晶内温度勾配平均値をG(℃/mm)とするとき、V/G値結晶中心位置と結晶外周から30mmまでの位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とし、結晶外周から30mmまでの位置と結晶外周位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とするか若しくは結晶外周に向かって漸次増加させる。OSFリングがウェーハ中心部で消滅し、且つリングの外側に生じるはずの転位クラスタも発生しない。

目的

本発明の目的は、全面にわたって有害欠陥がない高品質なCZ法育成のシリコン単結晶ウェーハおよびその製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
23件
牽制数
75件

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請求項1

チョクラルスキー法により育成されたシリコン単結晶ウェーハであって、熱酸化処理をした際にリング状に発生する酸化誘起積層欠陥ウェーハ中心部で消滅した低速育成ウェーハであり、且つウェーハ全面から転位クラスタが排除されていることを特徴とするシリコン単結晶ウェーハ。

請求項2

チョクラルスキー法でシリコン単結晶を育成する際に、引き上げ速度をV(mm/min )とし、シリコン融点から1300℃までの温度範囲における引き上げ軸方向結晶温度勾配平均値をG(℃/mm)とするとき、V/G値結晶中心位置と結晶外周から30mmまでの位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とし、結晶外周から30mmまでの位置と結晶外周位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とするか若しくは結晶外周に向かって漸次増加させることを特徴とするシリコン単結晶ウェーハ製造方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体素子等の製造に用いられるシリコン単結晶ウェーハ、特にチョクラルスキー法(以下CZ法という)により育成されたシリコン単結晶ウェーハおよびその製造方法に関する。

背景技術

0002

半導体素子の製造に用いられるシリコン単結晶ウェーハは主にCZ法により製造されている。CZ法とは周知の如く石英坩堝内のシリコン融液種結晶漬け、石英坩堝および種結晶を回転させながら種結晶を引き上げることにより、円柱状のシリコン単結晶を育成するものである。このときの引き上げ速度、すなわち単結晶育成速度は通常1.0〜2.0mm/min である。

0003

ところで、このようなCZ法により育成したシリコン単結晶ウェーハは、熱酸化処理(例えば1000〜1200℃×1〜10時間)を受けたときに、リング状に発生するOSFと呼ばれる酸化誘起積層欠陥を生じることがある。このOSFリングは引き上げ速度が速くなるにつれて単結晶の外周側へ移動することが知られており、現在LSIの製造には、OSFリングが単結晶の最外周に分布するように比較的高速の引き上げ速度、すなわち1.0〜2.0mm/min で育成された高速育成ウェーハが用いられている。

0004

しかしながら、このような高速で育成されたシリコン単結晶ウェーハには数種の微小欠陥(以下Grown-in欠陥と称す)が存在し、MOSデバイスゲート酸化膜耐圧特性劣化させることが明らかになってきた。また、これらのGrown-in欠陥は熱的に極めて安定であることから、デバイスの製造プロセス中においても消滅せず、ウェーハ表面近傍活性領域に残留し、酸化膜耐圧特性だけでなく接合リーク特性を劣化させることも明らかになってきた(例えばM.Horikawa et al.Semiconductor Silicon 1994,p987)。

0005

近年LSI等のMOS型高集積半導体素子集積度増大に伴ってゲート酸化膜薄膜化され、ソースドレイン等の拡散層深さが浅くなったため、ゲート酸化膜の絶縁耐圧特性の向上および接合リーク電流の低減が強く要請されているが、現在LSIの製造に使用されている高速育成ウェーハは、これらの特性が劣るため、最近の特に高い集積度に対しては対応が困難になってきた。

0006

そこで最近になって、引き上げ速度が0.8mm/min 以下の中速または低速でシリコン単結晶を育成する方法が特開平2−267195号公報により提案された。しかしながら、このような中速〜低速で育成したシリコン単結晶ウェーハにも下記のような結晶品質上の問題点がある。

発明が解決しようとする課題

0007

一般に、単結晶内の温度分布CZ炉内の構造に依存しており、引き上げ速度が変化しても、その分布は大きくは変わらない。そのため、同じ構造を有する装置により、引き上げ速度を変化させて単結晶を育成すると、図1に示すような引き上げ速度と欠陥発生分布との関係が見られる。装置が異なるとこの関係は若干変化するが、傾向まで変化することはない。

0008

引き上げ速度が0.8〜0.6mm/min の中速育成の場合には、同図(A)に示すように、シリコン単結晶ウェーハの半径の1/2付近にOSFリングが発生する。リングの外側と内側とでは物性が異なり、OSFリングより外側の領域では、ゲート酸化膜の耐圧特性は良好である。

0009

しかし、リングより内側の領域では、いくつかの種類のGrown-in欠陥が存在するため、その耐圧特性は良好でない。なかでも結晶育成中に形成されas-grown状態で赤外トモグラフ法で観察される赤外散乱欠陥が約106 個/cm3 の密度で発生する。酸素析出物と考えられるこの欠陥は熱的に極めて安定であるので、デバイスの熱処理プロセスでも消滅することはなく、デバイス活性領域に残留して接合リーク特性も劣化させる。

0010

またOSFリング自体は、数mm〜10mm程度の幅で発生し、約104 個/cm2 の高密度でOSFを含むことから、半導体素子の特性、例えば接合リーク特性を悪化させる原因になる。更に、この領域には、ウェーハを熱処理した際に108 〜109 cm-3の密度で酸素析出物が発生する。この酸素析出物の核も熱的に安定であり、1250℃の熱処理でも成長する。従って、OSFリング自体もデバイスプロセス後の特性を劣化させる原因になる。

0011

シリコン単結晶の引き上げ速度を0.6〜0.5mm/min に低下させた場合には、図1(B)に示すように、OSFリングの直径が更に小さくなり、ウェーハの中心付近にリング状または円盤状にOSFが発生する。リングより外側の面積が増大するために、酸化膜耐圧特性は向上するが、代わってリング外側の外周部に転位クラスタが発生する。この転位クラスタは大きさが約10〜20μmで密度が約103 個/cm2 程度であり、これも半導体素子の特性を劣化させる原因になることは周知の通りである。

0012

また、CZ法で育成されたシリコン単結晶ウェーハには、酸素不純物が1〜2×1018 atoms/cm3 の濃度で含まれている。そして、この酸素不純物のためにデバイスプロセスでの熱処理(例えば600〜1150℃×数十時間)により酸素析出が起こることは上述した通りである。この酸素析出物はデバイス活性領域に発生してデバイスの特性を劣化させる一方で、デバイスプロセス中に発生する重金属汚染ゲッタリングするサイトとして作用する。

0013

OSFリングより内側の領域では酸素析出が強く起こるため、通常のイントリンシックゲッタリング能(以下IG能という)が得られるが、OSFリングより外側の転位クラスタが発生する領域では、この酸素析出が起こりにくいためIG能は低下する。

0014

このように、引き上げ速度が0.8〜0.5mm/min の中速で育成されたウェーハは、OSFリングが残り、そのリング自体が欠陥発生領域であるだけなく、リングの内外にも欠陥が発生するため、高集積度の半導体素子の製造には適さない。

0015

一方、引き上げ速度が0.5mm/min 以下の低速で育成されたウェーハでは、図1(C)に示すように、OSFリング領域はウェーハの中央部で消滅し、これに伴いリングより内側の赤外散乱欠陥が発生する領域も消える。しかし、ウェーハの全面に転位クラスタが発生する。転位クラスタの発生がデバイス特性の低下やIG能の低下の原因になることは上述した通りである。従って、低速育成ウェーハも高集積度半導体素子の製造に適さない。

0016

以上のように、現状のCZ法によるシリコン単結晶の育成では、引き上げ速度をいかに調整しても結晶径方向の少なくとも一部に有害欠陥が生じ、全面無欠陥のウェーハは製造されない。

0017

本発明の目的は、全面にわたって有害欠陥がない高品質なCZ法育成のシリコン単結晶ウェーハおよびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0018

ところで本発明者らは先にOSFリングの発生位置に関し次のような重要な事実を得た。

0019

同一の構造を有する結晶育成装置では、OSFリングの径は結晶の引き上げ速度に依存して変化し、引き上げ速度の低下と共にその径は減少するが、育成装置相違し、ホットゾーン構造が変化すると、同一の引き上げ速度であってもOSFリングの径は異なる。しかし、単結晶の引き上げ速度をV(mm/min )とし、シリコン融点から1300℃までの高温域における引き上げ軸方向の結晶内温度勾配平均値をG(℃/mm)とするとき、V/Gで表わされる比によりOSFリングの径は一義的に決定される。つまり、V/G値を制御することにより、OSFリングを狙いとする位置に発生させることができ、また消滅させることも可能となる。

0020

しかしながら、V/G値の制御によりOSFリングの発生位置を制御しても赤外散乱欠陥、転位クラスタ等のGrown-in欠陥まで消滅させることはできない。

0021

そこで本発明者らは欠陥分布に及ぼすV/G値の影響を次のようにして調査した。単結晶の肩からそれぞれ100,200,300,400mmの各位置に固液界面がある場合の温度分布を総合伝熱解析により求めた。この伝熱解析においては、融液内対流による温度分布の効果が考慮されていないと、実際と異なる固液界面形状が得られ、またこれによって結晶内の特に固液界面に近い高温部での温度分布が実際のものと若干異なることが懸念される。この計算上の問題を改善し、高温部におけるより正確な温度分布を得るために、さらに上記各位置での固液界面の形状を実結晶から計測し、界面での温度をシリコンの融点として、これと上記伝熱計算による結晶表面での温度を境界条件として再び結晶内部の軸方向温度分布を計算し、これから軸方向温度勾配径方向分布を計算した。径方向位置横軸とし、V/G値を縦軸として欠陥分布を示したのが図2である。

0022

図2から分かるように、V/G値が0.20mm2 /℃・min 未満の場合、径方向全域において転位クラスタが発生する。V/G値が0.20mm2 /℃・min より大きくなるに連れ無欠陥領域、OSFリング発生領域、赤外散乱欠陥発生領域の順に領域が変化する。ここで無欠陥領域の下限は径方向位置に関係なく一定(0.20mm2 /℃・min )であるが、上限は結晶中心と結晶外周から30mmまでの位置との間では一定(0.22mm2 /℃・min )となり、結晶外周から30mmまでの位置と結晶外周位置との間では、結晶外周に近づくに連れて大となる。そして、ホットゾーン構造が異なる場合でも各種欠陥はこの図に従って分布する。

0023

すなわち、ホットゾーン構造と引き上げ速度が決まると、その育成装置が持つ結晶径方向でのV/G値が破線のように決定される。引き上げ速度がV1 の場合、そのV/G曲線が赤外散乱欠陥発生領域を横切る結晶部位で赤外散乱欠陥が生じ、OSFリング発生領域を横切る結晶部位でOSFリングが発生する。よって引き上げ速度がV1 の場合はウェーハの最外周部にOSFリングが発生し、その内側の領域には赤外散乱欠陥が生じる。引き上げ速度が低下するとV/G曲線はV2 ,V3 ,V4 ,V5 のように移動し、結晶に発生する欠陥の径方向分布が変化する。

0024

ここで注目すべきことは、CZ法によるシリコン単結晶の育成では単結晶の径方向全域において無欠陥となるV/Gが存在すること、換言すればV/Gによっては単結晶の径方向全域において欠陥を無くすのが可能であること、しかし従来の育成では単結晶の引き上げ速度に関係なくV/G曲線が一般に右下がりとなるため径方向全域において無欠陥とするのができないことの2点である。

0025

V/G曲線が右下がりとなるのは、後で詳しく述べるが、結晶内の軸方向温度勾配が中心部に比して外周部で大きいことによる。すなわち、Vが一定の状態でGが中心から外周へ向かうに連れて増大するためにV/G曲線は右下がりとなる。そのため径方向の全域において無欠陥となるV/Gが存在するにもかかわらず、ウェーハ全面を無欠陥にすることはできない。

0026

例えばVがV1 の場合はウェーハの最外周部にOSFリングが発生し、その内側に赤外散乱欠陥が発生する。これは従来一般の高速育成である。VがV1 より遅いV2 ,V3 になると、ウェーハの径方向中間部にOSFリングが発生し、その外側は無欠陥領域となるが、内側には赤外散乱欠陥が発生する。これは中速育成であり図1(A)に相当する。Vが更に遅いV4 になると、ウェーハ中心部にOSFリングが発生し、その外側に無欠陥領域が残るが、最外周部には転位クラスタが発生する。これは図1(B)に相当する中速育成である。Vが更に遅いV5 になると、OSFリングは中心部で消滅するが、ウェーハ全面に転位クラスタが発生する。これは図1(C)に相当する低速育成である。また仮に、結晶中心部でV/Gを欠陥が生じない0.20〜0.22mm2 /℃・min に管理しても、結晶中心部から外れるに連れてV/Gが低下するために、中心部以外は転位クラスタを生じる。

0027

このように、CZ法によるシリコン単結晶の育成では、単結晶の径方向全域において無欠陥領域を形成し得るV/Gが存在するにもかかわらず、V/Gが右下がりの曲線であるために、ウェーハ全面を無欠陥とすることができない。

0028

しかしながら、もし仮に、単結晶の径方向においてV/Gを径方向に一定の直線、あるいは外周部において漸増する右上りの曲線とすることができれば、径方向の全域において欠陥の発生を防止することができる。この仮定に基づき本発明者らは更なる調査解析を行なった。その結果、結晶育成装置のホットゾーンの構造によってはV/Gを図2実線で示すような直線乃至は右上りの曲線とすることができ、その結果、単結晶の径方向全域において無欠陥領域が形成され、ここにこれまで不可能であった全面無欠陥ウェーハの製造が可能になることを知見し、本発明を完成させるに至った。

0029

本発明のシリコン単結晶ウェーハは、CZ法により育成されたシリコン単結晶ウェーハであって、熱酸化処理をした際にリング状に発生する酸化誘起積層欠陥(OSF)がウェーハ中心部で消滅した低速育成ウェーハであり、且つウェーハ全面から転位クラスタが排除されていることを特徴とする。

0030

また本発明のウェーハ製造方法は、CZ法でシリコン単結晶を育成する際に、引き上げ速度をV(mm/min )とし、シリコン融点から1300℃までの温度範囲における引き上げ軸方向の結晶内温度勾配の平均値をG(℃/min )とするとき、V/G値を結晶中心位置と結晶外周から30mmまでの位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とし、結晶外周から30mmまでの位置と結晶外周位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とするか若しくは結晶外周に向かって漸次増加させることを特徴とする。

0031

本発明のウェーハは、OSFリングがウェーハ中心部で消滅した低速育成ウェーハであるので、OSFおよびその内側に発生する赤外散乱欠陥を含まない。そして、外側に発生するはずの転位クラスタも排除されている。よって全面にわたり有害欠陥のない高品質ウェーハとなる。

0032

また、本発明のウェーハ製造方法では、結晶径方向でV/G値が無欠陥領域のみを横切るようにCZ炉の温度分布を調節する。ここで無欠陥領域の下限値は、0.20mm2 /℃・min で一定であり、上限値は、外周から30mmを除く部分においては、0.22mm2 /℃・min で一定であり、外周から30mmまでの部分においては外周に向かって漸次増大している。従って、V/G値を結晶中心位置と結晶外周から30mmまでの位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とし、結晶外周から30mmまでの位置と結晶外周位置との間では0.20〜0.22mm2 /℃・min とするか若しくは結晶外周に向かって漸次増加させることにより、OSFリングが結晶中心部で消滅し、且つ転位クラスタを含まない低速育成結晶が得られる。

0033

一般に結晶内の軸方向温度勾配は中心部に比較して外周部が大きい。これは、CZ炉内の発熱部が結晶よりも下にあり、結晶の上方と周囲が低温部であることから、固液界面から流入した熱流が結晶中を引き上げ軸にそって上方及び結晶の表面方向(外周)に向かって流れることで、結晶が冷却されるためであり、結晶が冷却され易い炉ほど結晶表面からの放熱が大きく、外周部での温度勾配は大きくなる傾向がある。従って、結晶冷却能の大きい構造を有する一般のCZ炉では、一定の引き上げ速度で成長中の結晶内のV/Gの径方向分布は、中心から外周に向かって低下する傾向がある。このようなCZ炉では、中心部でV/G値が図2の無欠陥領域にあったとしても、外周に近づくとこの領域から外れ、転位クラスタが発生する領域を横切るため、転位クラスタの発生は避けられない。

0034

しかし逆に、結晶が冷却されにくいCZ炉は、熱流の方向が外周よりも主に上方に向かって流れ、逆に融点に近い高温部の結晶表面は、融液や石英坩堝、ヒーター等からの輻射によって、温度が相対的に高くなる傾向があるため、温度勾配は中心よりも若干低くなる。ただし、結晶表面からの放熱も少なからずあるため、無制限に温度勾配が小さくなることはない。このことから、結晶が冷却されにくい構造を有するCZ炉では、V/G値は径方向に一定か、もしくは若干増大し、無制限に増大しない傾向となる。従って、このようなCZ炉を使用し、且つ結晶中心部でV/G値を無欠陥領域に存在させておけば、V/G値は径方向全域において無欠陥領域から外れることはない。その結果、OSFリングが結晶の中心部で消滅した低速育成結晶でありながら、転位クラスタが発生しない単結晶が得られる。

0035

結晶内の融点に近い高温部における温度勾配は、結晶軸方向で必ずしも一定ではなく、トップ部からテイル部にかけて若干変化する。これは、結晶成長時に一定の直径を維持するためにヒーターパワーが変化することや、結晶長残融液量等の変化によってCZ炉内の熱的な環境が徐々に変化することによって、結晶に流入流出する熱流が変化するためである。従って、従来のCZ法においては、引き上げ量の増大に伴う結晶軸方向の温度勾配の変化によってV/G値も変化し、発生する欠陥分布も軸方向にわずかずつ変化する(図3参照)。

0036

そこで、結晶軸方向の温度勾配Gの変化に対して、V/Gが一定になるように引き上げ速度Vを調整する(図5参照)。そうすることにより、軸方向全域においても全面無欠陥とすることが可能となる。このように、欠陥制御の目的で引き上げ速度を制御したとしても、結晶の直径制御は従来と同様に可能である。すなわち、ヒーターパワーの制御とそれと連動または独立に、欠陥制御のために必要な目標引上速度周りで、数秒の時間毎に一定のスパンで引き上げ速度を変動させたとしても、平均の引き上げ速度Vは変わらず、目的とするV/G値は維持される。これは、このような短時間の引き上げ速度の変動に対して、欠陥の発生が影響されないためである。

0037

以下に本発明の実施例を説明する。

0038

18”石英坩堝及びカーボン坩堝が設置された6”単結晶の育成可能なCZ炉において、坩堝の周囲に設置された円筒状のカーボンヒーターと坩堝との相対位置、育成結晶の周囲に設置されたカーボンからなる厚さ5mm、開口径200mmの半円錐形状の輻射遮蔽体の先端と融液表面との距離、ヒータ周囲の断熱材構造等の種々条件を総合伝熱計算によって種々検討し、結晶外周から30mmまでの領域を除く部分においてはV/Gがほぼ一定で、外周から30mmまでの領域においては外周に向かってV/Gが単調に増大するように、上記条件を決定した。計算結果図3に示す。図中の0,100…700mmは結晶引き上げ量である。

0039

上記条件を決定した後、18”石英坩堝に高純度多結晶シリコンを65kg入れ、ボロンをドープして、多結晶シリコン加熱溶解し、直径が150mmで結晶成長方位が〈100〉の単結晶を引き上げ速度が0.45mm/min の低速で長さ1300mmまで育成した。

0040

育成後の結晶を結晶軸方向と平行に厚さ1.5mmで切り出し、HFおよびHNO3 からなる混酸溶液中で加工歪溶解除去し、さらに希HF溶液中に浸漬し、その後超純水リンスし乾燥させた。このサンプルを800℃/4hr+1000℃/16hr乾燥酸素中で熱処理した後、X線トポグラフによって欠陥の発生分布を調べた。欠陥の分布を図4に示すが、調べた欠陥の分布は以下のように図3の計算結果に対応するものとなった。なお、図4中の数字は単結晶の肩からの長さで、図3中の引き上げ量に対応する。

0041

引き上げ速度Vと融点から1300℃までの結晶軸方向温度勾配の平均値Gとの比V/Gは、結晶の径方向に中心から45mmの位置まではほぼ一定値で、45mmの位置からは外周部に向かって単調に増大している。なお、中心から45mmの位置は外周から30mmの位置である。

0042

V/Gをこのように管理した結果、結晶トップから200mmまでの軸方向部位では、結晶中心部でのV/Gが0.20mm2 /℃・min 未満であり、径方向全域に転位クラスタが発生した。200mmから500mmにかけては、結晶中心部でのV/Gが0.22〜0.20mm2 /℃・min となっており、特に400mm近傍では結晶中心から45mmまでの領域でV/Gが0.22〜0.20mm2 /℃・min に維持され、45mmから外側の領域でV/Gが単調に増加し、これらにより径方向全域でV/Gが無欠陥領域内に管理されたため、径方向全域でOSFリングや赤外散乱欠陥等のその他の有害なGrown-in欠陥の発生は見られなかった。500mmから結晶テールにかけての部位では、結晶中心部でのV/Gが0.22mm2 /℃・min を超えたため、OSFリングが発生し、その内側には赤外散乱欠陥が発生した。

0043

このような結果をふまえて次に、図5に示すように、前記実施例における400mm近傍でのV/G曲線を結晶軸方向の全長において再現した。すなわち、結晶中心から45mmまでの領域でV/Gが0.22〜0.20mm2 /℃・min に維持され、45mmから外側の領域でV/Gが単調に増加するように結晶軸方向での目標引き上げ速度を設定した。引き上げ速度を除く他の操業条件は前記実施例と同様に設定し、6”Bドープ〈100〉、結晶長1300mmの単結晶を育成した。前記実施例と同様の方法によってこの結晶内の欠陥の発生分布を調べた。トップ部からテイル部にかけての全長において、OSFリング、赤外散乱欠陥、転位クラスタの発生は見られなかった。

発明の効果

0044

以上に説明した通り、本発明のシリコン単結晶ウェーハは、熱的に極めて安定でデバイス活性領域に残留または成長し、ゲート酸化膜の信頼性や接合リーグ特性を劣化させる有害なGrown-in欠陥(赤外散乱欠陥、OSFリング、転位クラスタ)を全面にわたって含まないために、高集積半導体素子に使用してその特性劣化を防ぎ、素子製造歩留の向上に寄与する。また、本発明のウェーハ製造方法によってこのような高品質のCZシリコン単結晶ウェーハが容易に製造可能となる。

図面の簡単な説明

0045

図1CZ法で育成したシリコン単結晶ウェーハの欠陥分布を示す模式図である。
図2横軸を結晶径方向位置とし縦軸をV/Gとしたときの両者の関係(V/G曲線)および欠陥分布を示す図表で、V/G曲線の傾きが欠陥の発生に及ぼす影響を示す。
図3横軸を結晶径方向位置とし縦軸をV/Gとしたときの両者の関係(V/G曲線)および欠陥分布を示す図表で、V/G曲線のレベルが欠陥の発生に及ぼす影響を示す。
図4結晶軸を含む平面での欠陥分布を示す模式図である。
図5横軸を結晶径方向位置とし縦軸をV/Gとしたときの両者の関係(V/G曲線)および欠陥分布を示す図表で、軸方向全長にわたって欠陥の発生を防止する場合を示す。

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