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技術 無段変速機の変速制御装置

出願人 スズキ株式会社
発明者 山下佳宣森達治
出願日 1995年5月31日 (25年5ヶ月経過) 出願番号 1995-156888
公開日 1996年12月10日 (23年11ヶ月経過) 公開番号 1996-326858
状態 特許登録済
技術分野 巻き掛け変速機 伝動装置(歯車、巻掛、摩擦)の制御 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御
主要キーワード レートリミット 修正状態 動側クラッチ板 駆動側クラッチ板 シフトレバ 被動軸 被動プーリ 修正係数
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年12月10日)のものです。
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図面 (15)

目的

この発明の目的は、ショック変速遅れを発生することなく、運転操作及び走行状態忠実に反映した変速制御を実現し得て、ドライバビリティ動力性能省燃費特性部品耐久性等の向上を果たし得て、プログラムのわずかの追加により対応実施し得て、コストの増加を極めて少なくすることにある。

構成

このため、この発明は、無段変速機過渡時に少なくともエンジン要求負荷量と車速とより求められる定常状態目標エンジン回転速度に過渡修正を施して得られる最終目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致するよう変速制御し、この過渡修正時には単位時間当りの前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限するよう変速制御するとともに、この制限値を少なくとも前記無段変速機の変速比案して設定するよう変速制御する制御手段を設けたことを特徴とする。

概要

背景

車両には、搭載される内燃機関駆動力走行条件合致させて取り出すために、変速機を設けている。この変速機には、駆動プーリ被動プーリ部とに巻掛けられたベルト回転半径を相対的に増減させて変速比を連続的に変化させる無段変速機がある。

この無段変速機には、油圧により駆動力を断続するクラッチを有するものがある。このクラッチは、エンジン回転速度やエンジン要求負荷量であるスロットル開度等の信号に基づいて、各種の制御モードにより制御されている。

前記無段変速機には、変速比を連続的に変化させるよう変速制御する制御手段を備えたものがある。無段変速機は、制御手段によって、過渡時に定常状態目標エンジン回転速度に過渡修正を施して得た最終目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致するよう変速制御し、この過渡修正時に単位時間当りの前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限するよう変速制御するとともに、この制限値をスロットル開度の急増時やシフト操作時に通常よりも大なる制限値に設定して変速制御を行うものもある。

このような無段変速機の制御装置としては、特開昭59−212565号公報や特開昭60−88259号公報に開示されるものがある。

特開昭59−212565号公報に開示される制御装置は、無段変速機の変速速度時間経過連れて徐々に増大させるとともにその増大特性を車速に応じて設定するものである。

特開昭60−88259号公報に開示される制御装置は、過渡時の目標エンジン回転速度の変化速度加速ペダル操作速度に関係して設定するものである。

概要

この発明の目的は、ショック変速遅れを発生することなく、運転操作及び走行状態忠実に反映した変速制御を実現し得て、ドライバビリティ動力性能省燃費特性部品耐久性等の向上を果たし得て、プログラムのわずかの追加により対応実施し得て、コストの増加を極めて少なくすることにある。

このため、この発明は、無段変速機の過渡時に少なくともエンジン要求負荷量と車速とより求められる定常状態の目標エンジン回転速度に過渡修正を施して得られる最終目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致するよう変速制御し、この過渡修正時には単位時間当りの前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限するよう変速制御するとともに、この制限値を少なくとも前記無段変速機の変速比を案して設定するよう変速制御する制御手段を設けたことを特徴とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

駆動プーリ被動プーリとに巻掛けられたベルト回転半径を相対的に増減させて変速比を連続的に変化させる無段変速機を設け、この無段変速機の過渡時に少なくともエンジン要求負荷量と車速とより求められる定常状態目標エンジン回転速度に過渡修正を施して最終目標エンジン回転速度を得て、この最終目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致するよう変速制御し、この過渡修正時には単位時間当りの前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限するよう変速制御するとともに、この制限値を少なくとも前記無段変速機の変速比を案して設定するよう変速制御する制御手段を設けたことを特徴とする無段変速機の変速制御装置

技術分野

0001

この発明は無段変速機変速制御装置係り、特に、ショック変速遅れを発生することなく、運転者運転操作及び車両の走行状態忠実に反映した変速制御を実現し得て、ドライバビリティ動力性能省燃費特性部品耐久性等の向上を果たし得て、プログラムのわずかの追加により対応実施し得て、コストの増加を極めて少なくし得る無段変速機の変速制御装置に関する。

背景技術

0002

車両には、搭載される内燃機関駆動力走行条件合致させて取り出すために、変速機を設けている。この変速機には、駆動プーリ被動プーリ部とに巻掛けられたベルト回転半径を相対的に増減させて変速比を連続的に変化させる無段変速機がある。

0003

この無段変速機には、油圧により駆動力を断続するクラッチを有するものがある。このクラッチは、エンジン回転速度やエンジン要求負荷量であるスロットル開度等の信号に基づいて、各種の制御モードにより制御されている。

0004

前記無段変速機には、変速比を連続的に変化させるよう変速制御する制御手段を備えたものがある。無段変速機は、制御手段によって、過渡時に定常状態目標エンジン回転速度に過渡修正を施して得た最終目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致するよう変速制御し、この過渡修正時に単位時間当りの前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限するよう変速制御するとともに、この制限値をスロットル開度の急増時やシフト操作時に通常よりも大なる制限値に設定して変速制御を行うものもある。

0005

このような無段変速機の制御装置としては、特開昭59−212565号公報や特開昭60−88259号公報に開示されるものがある。

0006

特開昭59−212565号公報に開示される制御装置は、無段変速機の変速速度時間経過連れて徐々に増大させるとともにその増大特性を車速に応じて設定するものである。

0007

特開昭60−88259号公報に開示される制御装置は、過渡時の目標エンジン回転速度の変化速度加速ペダル操作速度に関係して設定するものである。

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、従来の無段変速機の変速制御装置には、過渡時の変速制御として、前記のように、最終目標エンジン回転速度の制限値をスロットル開度やシフト操作状態に応じて設定するものや、変速速度の時間経過増大特性を車速に応じて設定するもの、目標エンジン回転速度の変化速度を加速ペダルの操作速度に関係して設定するもの等がある。

0009

しかし、これら従来の無段変速機の過渡時の変速制御によっては、運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映できない場面が発生することがある。

0010

例えば、駆動プーリと被動プーリとに巻掛けられたベルトの回転半径を相対的に増減させて変速比を連続的に変化させる無段変速機には、出力側トルク容量を調整可能なクラッチを設けたものがある。この無段変速機の変速制御装置は、制御手段によって、過渡時に単位時間当りの最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値(過渡修正量)により制限するよう変速制御している。

0011

この変速制御装置においては、図14に示す如く、車速(クラッチ出力回転速度:NCOに相当)が高速(高NCO)時に適した過渡修正量(レートリミット値:RATUP・RATLO)を、そのまま低速(低NCO)時に使用して過渡修正を行なうと、前記の運転操作や走行状態を忠実に反映できない場面の発生が顕著となる不都合がある。

0012

特に、走行モードをエコノミー(ECONOMY)からロー(LOW)に切換えた場合(シフトトランジェント制御時)は、ショックが発生する場合がある。

0013

逆に、車速が低速(低NCO)時に適した過渡修正量を、そのまま高速(高NCO)時に使用して過渡修正を行なうと、変速遅れが大きいという不都合がある。

0014

このようなことから、従来は、過渡修正量である制限値を、低速時と高速時との夫々において、ある程度の性能を満足し得るような値に設定することに甘んじいる。

0015

このような不都合に対しては、過渡修正量を車速に応じて設定する方法が提案されている。しかし、同じ車速であっても、変速比の違いよってショックが発生したり、変速遅れが発生する場合があり、改善が望まれている。

課題を解決するための手段

0016

そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、駆動プーリと被動プーリとに巻掛けられたベルトの回転半径を相対的に増減させて変速比を連続的に変化させる無段変速機を設け、この無段変速機の過渡時に少なくともエンジン要求負荷量と車速とより求められる定常状態の目標エンジン回転速度に過渡修正を施して最終目標エンジン回転速度を得て、この最終目標エンジン回転速度に実際のエンジン回転速度が一致するよう変速制御し、この過渡修正時には単位時間当りの前記最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限するよう変速制御するとともに、この制限値を少なくとも前記無段変速機の変速比を案して設定するよう変速制御する制御手段を設けたことを特徴とする。

0017

この発明の構成によれば、変速制御装置は、制御手段によって、過渡修正時には単位時間当りの最終目標エンジン回転速度の変化量を制限値により制限するよう変速制御するとともに、この制限値を少なくとも無段変速機の変速比を勘案して設定するよう変速制御することにより、変速比に応じて最終目標エンジン回転速度を変化させることができるため、従来の車速による設定のように同じ車速でショックを発生したり変速遅れを発生することがなく、また、従来のように異なる車速でショックを発生したり変速遅れを発生することを防止でき、運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映させることができる。

0018

下図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。図1図13は、この発明の実施例を示すものである。図6において、2はエンジン、4はクランク軸、6は無段変速機である。無段変速機6は、クランク軸4により回転される駆動軸8とこの駆動軸8に平行な被動軸10とに夫々駆動プーリ12と被動プーリ14とを設け、駆動プーリ12と被動プーリ14とにベルト16を巻掛けている。

0019

前記駆動プーリ12は、駆動軸8に固定した駆動側固定プーリ部片18と、駆動軸8に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した駆動側可動プーリ部片20と、を有する。前記被動プーリ14は、被動軸10に固定した被動側固定プーリ部片22と、被動軸10に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した被動側可動プーリ部片24と、を有する。

0020

無段変速機6は、前記駆動側可動プーリ部片20と被駆動側可動プーリ部片24とを駆動側固定プーリ部片18と被動側固定プーリ部片22とに対して図示しない油圧等により軸方向移動させ、駆動プーリ12と被動プーリ14との各溝幅を相対的に増減させて巻掛けられたベルト16の回転半径を相対的に増減させ、変速比を連続的に変化させる。

0021

この無段変速機6の被動軸10の出力側には、クラッチ26を設けている。クラッチ26は、油圧等によりトルク容量を調整可能であり、駆動側クラッチ板28と被動側クラッチ板30とを有している。クラッチ26は、歯車機構32を介して車輪等の負荷34に連絡されている。

0022

前記無段変速機6は、変速比調整装置36により駆動側可動プーリ部片20と被駆動側可動プーリ部片24とを軸方向移動され、変速比を調整される。前記クラッチ26は、トルク容量調整装置38により駆動側クラッチ板28と被動側クラッチ板30とを接離され、トルク容量を調整される。

0023

変速比調整装置36とトルク容量調整装置38とは、変速制御装置40の制御手段42に接続されている。制御手段42には、エンジン2のスロットル弁(図示せず)のスロットル開度THRを検出するスロットルセンサ44と、無段変速機6のシフトレバー(図示せず)のシフト位置を検出するシフト位置センサ46と、無段変速機6の駆動軸8の回転速度をエンジン回転速度NEとして検出するエンジン回転速度センサ48と、無段変速機6の変速比Rcを検出する変速比センサ50と、無段変速機6の被動軸10の回転速度を車速NCOとして検出する車速センサ52と、を接続している。

0024

制御手段42は、各センサ44〜52から信号を入力し、変速比調整装置36により無段変速機6の変速比Rcを連続的に変化させるよう変速制御し、また、トルク容量調整装置38によりクラッチの26のトルク容量を調整する。

0025

この無段変速機6の変速制御装置40は、制御手段42によって、過渡時に少なくともエンジン要求負荷量たるスロットル開度THRと車速NCOとより求められる定常状態の目標エンジン回転速度NESPRに過渡修正を施して最終目標エンジン回転速度NESPRFを得て、この最終目標エンジン回転速度NESPRFに実際のエンジン回転速度NEが一致するよう変速制御し、この過渡修正時には単位時間当りの前記最終目標エンジン回転速度NESPRFの変化量を制限値RATUP・RATLOにより制限するよう変速制御するとともに、この制限値RATUP・RATLOを少なくとも前記無段変速機6の変速比Rcを勘案して設定するよう変速制御する。

0026

次に作用を説明する。

0027

無段変速機6は、図7に示す如く、変速制御される。変速制御装置40は、まず目標値である最終目標エンジン回転速度NESPRFを設定する(101)。

0028

最終目標エンジン回転速度NESPRFの設定(101)は、スロットル開度THRと車速NCOとシフト操作位置とを基に定常状態の目標エンジン回転速度NESPRを算出し(102)、求められた目標エンジン回転速度NESPRに運転者の運転操作と車両の走行状態とによって過渡修正を施し(103)、最終目標エンジン回転速度NESPRFを得る。

0029

この過渡修正を施した最終目標エンジン回転速度NESPRFに、実際のエンジン回転速度NEが一致するように変速比Rcを調整し、エンジン回転制御、つまり変速制御を行う。

0030

前記最終目標エンジン回転速度NESPRFに実際のエンジン回転速度NEを一致させるための演算をし(104)、得られた値をPI制御による演算をし(105)、ベルトスリップ防止の演算をし(106)、この演算により得られた値にレシオソレノイドデューティUrの中立値Unを加算してレシオソレノイドデューティUrとし(107)、このレシオソレノイドデューティUrにより変速比Rcを調整する。

0031

前記図7の定常状態の目標エンジン回転速度NESPRの算出(102)は、図8に示す如く、スロットル開度THRを因子とするマップACRVTよりスロットル開度THRに対するエンジン回転速度NESPRTを求め、図9に示す如く、車速NCOを因子とするマップRACRVH・RACRVLより車速NCOに対する前記エンジン回転速度NESPRTの上限値NESPRH及び下限値NESPRLを求め、エンジン回転速度NESPRTを上限値NESPRH及び下限値NESPRLで制限することにより求める。

0032

詳述すると、定常状態の目標エンジン回転速度NESPRの算出は、図10に示す如く、制御がスタートすると(ステップ201)、図8のマップRACRVTよりスロットル開度THRに対するエンジン回転速度NESPRTを求め、図9に示すマップRACRVH・RACRVLよりNCOに対するエンジン回転速度NESPRTの上限値NESPRH及び下限値NESPRLを求める(ステップ202)。

0033

次いで、前記エンジン回転速度NESPRTと上限値NESPRHとを比較判断する(ステップ203)。この判断(203)において、NESPRT<NESPRHの場合は、エンジン回転速度NESPRTと下限値NESPRLとを比較判断する(ステップ204)。

0034

前記判断(203)において、NESPRT>NESPRLの場合は、エンジン回転速度NESPRTを定常状態の目標エンジン回転速度NESPRとし(ステップ205)、終了する(ステップ206)。

0035

前記判断(ステップ204)において、NESPRT≦NESPRLの場合は、下限値NESPRLを定常状態の目標エンジン回転速度NESPRとし(ステップ207)、終了する(ステップ206)。

0036

前記判断(ステップ203)において、NESPRT≧NESPRHの場合は、上限値NESPRHを定常状態の目標エンジン回転速度NESPRとし(ステップ208)、終了する(ステップ206)。

0037

なお、前記スロットル開度THRを因子とするマップRACRVTや車速NCOを因子とするマップRACRVH・RACRVLは、シフト位置毎に夫々設けられている。同じスロットル開度THRや車速NCOであっても、シフト位置が異なる場合には、目標エンジン回転速度NESPRの値が異なる。

0038

また、前記図7の目標エンジン回転速度NESPRの過渡修正(103)は、図11に示す如く、目標エンジン回転速度NESPRにフィルタ処理を施してフィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを求め(301)、図12に示す如く、目標エンジン回転速度NESPFの変化量を制限値RATUP・RATLOにより制限するレートリミット制御(過渡修正)を行なう(302)。

0039

レートリミット制御(302)においては、運転者の運転操作と車両の走行状態とにより制限値の下限値RATLOを設定する(303)とともに、運転者の運転操作と車両の走行状態とにより制限値の上限値RATUPを設定する(304)。

0040

次いで、最終目標エンジン回転速度NESPRFの前回値Z-1(305)から下限値RATLOを減算(306)した値とフィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを比較して大きな値MAXを選択する(307)とともに、この選択された値MAXと最終目標エンジン回転速度NESPRFの前回値Z-1(305)に上限値RATUPを加算(308)した値とを比較して小さな値MINを選択し(309)、最終目標エンジン回転速度NESPRFとする。

0041

また、このレートリミット制御においては、運転操作によってスロットル開度THRを急増した場合やシフト操作を行う場合には、通常の制限値よりも大なる制限値でレートリミット制御(トランジェント制御)する。

0042

ところで、従来の過渡時の変速制御における運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映できない問題について原因を解析したところ、変速比Rcの大きさが影響していることが判明した。

0043

つまり、無段変速機6の変速入力回転速度であるエンジン回転速度NEの変化に対する無段変速機6の出力トルクToの変化は、図6に示す如く、概略、以下の式で現わされる。

0044

To=Rg*Rc*Te(THR,NE)
=Rg*(NE/NCO)*Te(THR,NE)
∴(dTo/dt)=Rg*{Rc*〔dTE (THR,NE)/dt〕+〔TE (THR,NE)/NCO〕*〔dNE/dt〕}

0045

なお、エンジン発生トルクTE は、図5に示す如く、スロットル開度THRとエンジン回転速度NEとより求められる。

0046

前記式中の〔TE (THR,NE)/NCO〕*〔dNE/dt〕による出力トルクToへの影響を考えると、エンジン回転速度NEが変化しても、車速NCOが大きいほど、出力トルクToの変化が小さい。

0047

前記式中のRc*〔dTE (THR,NE)/dt〕による出力トルクToへの影響を考えると、エンジン回転速度NEの変化に対し、TE (THR,NE)の変化が大きいほど、出力トルクToの変化が大きく、変速比Rcが大きいほど、出力トルクToの変化が大きい。

0048

また、無段変速機6の変速制御においては、概して、車速NCOが低いほど、変速比Rcが大きくなる。

0049

よって、無段変速機6の変速制御においては、車速NCOが低いと変速比Rcが大きくなり、エンジン回転速度NEの変化によるTE (THR,NE)の変化が、出力トルクToの変化に現われるため、異なる車速でのショックや変速遅れの発生により前記の運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映できない問題がある。

0050

また、同じ車速NCOであっても、変速比Rcが異なれば、出力トルクToの変化が異なることにより、この出力トルクToの違いよってショックや変速遅れが発生することにより、前記の運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映できない問題がある。

0051

そこで、この無段変速機6の変速制御装置40は、制御手段42によって、定常状態の目標エンジン回転速度NESPRに過渡修正を施して最終目標エンジン回転速度NESPRFを得る際の過渡修正時には、単位時間当りの最終目標エンジン回転速度NESPRFの変化量を制限値RATUP・RATLOにより制限するよう変速制御するとともに、この制限値RATUP・RATLOを少なくとも無段変速機6の変速比Rcを勘案して設定するよう変速制御する。

0052

この目標エンジン回転速度NESPRの過渡修正は、図1に示す如く、制御が開始されると(ステップ401)、定常状態の目標エンジン回転速度NESPRにフィルタ処理を施してフィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを求め(402)、フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFの変化量に対する制限値である上限値RATUPと下限値RATLOとを設定する(403)。

0053

上限値RATUP及び下限値RATLOの設定(403)は、図2に示す如く、設定が開始されると(ステップ403−1)、フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFと最終目標エンジン回転速度NESPRFSとの差ERRを求め(403−2)、図3に示すレートリミットマップRUCRV・RLCRVより差ERRに応じた修正前の上限値RATUPNと下限値RATLONとを求める(ステップ403−3)。

0054

次いで、図4に示す修正係数マップKrCRVより修正係数Krを求め(ステップ403−4)、修正前の上限値RATUPNと下限値RATLONとに夫々修正係数Krを乗算して修正後の上限値RATUPと下限値RATLOとを得て(ステップ403−5)、終了する(ステップ403−6)。

0055

このように、上限値RATUPと下限値RATLOとが設定(403)されると、フィルタ後の目標エンジン回転速度NESPFと前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNとを比較判断(404)する。

0056

この判断(404)において、NESPF<NESPRNの場合は、前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNからフィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを引いた値と下限値RATLOとを比較判断する(ステップ405)。

0057

この判断(ステップ405)において、(NESPRN−NESPF)>RATLOの場合は、前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNから下限値RATLOを引いた値を過渡修正を施した最終目標エンジン回転速度NESPRFとし(ステップ406)、この最終目標エンジン回転速度NESPRFを前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNに置き換えて(ステップ407)、終了する(ステップ408)。

0058

前記判断(ステップ405)において、(NESPRN−NESPF)≦RATLOの場合は、フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを過渡修正を施した最終目標エンジン回転速度NESPRFとし(ステップ409)、この最終目標エンジン回転速度NESPRFを前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNに置き換えて(ステップ407)、終了する(ステップ408)。

0059

また、前記判断(ステップ404)において、NESPF≧NESPRNの場合は、フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFから前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNを引いた値と上限値RATUPとを比較判断する(ステップ410)。

0060

この判断(ステップ410)において、(NESPF−NESPRN)≦RATUPの場合には、フィルタ処理後の目標エンジン回転速度NESPFを過渡修正を施した最終目標エンジン回転速度NESPRFとし(ステップ409)、この最終目標エンジン回転速度NESPRFを前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNに置き換えて(ステップ407)、終了する(ステップ408)。

0061

前記判断(ステップ410)において、(NESPF−NESPRN)>RATUPの場合には、前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNに上限値RATUPを加えた値を過渡修正を施した最終目標エンジン回転速度NESPRFとし(ステップ411)、この最終目標エンジン回転速度NESPRFを前回の最終目標エンジン回転速度NESPRNに置き換えて(ステップ407)、終了する(ステップ408)。

0062

このように、この変速制御装置40は、制限値である上限値RATUPと下限値RATLOとに変速比Rcによる修正係数Krを乗算することにより、変速比Rcによる影響を低減している。なお、修正係数Krは、変速比Rcが大きいほど、小さくなるように設定する。

0063

このように、この変速制御装置40は、制御手段42によって、過渡修正時には単位時間当りの最終目標エンジン回転速度NESPRFの変化量を制限値たる上限値RATUPと下限値RATLOとにより制限するよう変速制御するとともに、この上限値RATUPと下限値RATLOとを無段変速機6の変速比Rcを乗算して設定するよう変速制御している。

0064

これにより、この変速制御装置40は、変速比Rcに応じて最終目標エンジン回転速度NESPRFを変化させることができるため、従来の車速による設定のように同じ車速でショックを発生したり変速遅れを発生することがなく、また、従来のように異なる車速でショックを発生したり変速遅れを発生することを防止でき、運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映させることができる。

0065

このため、この変速制御装置40は、図13に示す如く、低NCO時のショック発生や高NCO時の変速遅れを改善することができ、同じ車速NCOでも変速比Rcに応じて最適な制限値たる上限値RATUPと下限値RATLOとの設定が可能となり、変速比Rcの違いによるショック発生や変速遅れを防止することができる。

0066

この結果、この変速制御装置40は、同じ車速でのショックや変速遅れを発生することがなく、また、異なる車速でのショックや変速遅れの発生を防止できることにより、運転者の運転操作及び車両の走行状態を忠実に反映した変速制御を実現でき、ドライバビリティや動力性能、省燃費特性、部品の耐久性等の向上を果たすことができる。また、この変速制御方法は、プログラムのわずかの追加により対応実施し得て、コストの増加を極めて少なくることができる。

発明の効果

0067

このように、この発明によれば、変速制御装置は、過渡修正時の制限値を無段変速機の変速比を勘案して設定することにより、変速比に応じて最終目標エンジン回転速度を変化させることができるため、従来の車速による設定のように同じ車速でショックを発生したり変速遅れを発生することがなく、また、従来のように異なる車速でショックを発生したり変速遅れを発生することを防止でき、運転者の運転操作や車両の走行状態を忠実に反映させることができる。

0068

このため、この変速制御装置は、同じ車速でのショックや変速遅れを発生することがなく、また、異なる車速でのショックや変速遅れの発生を防止でき、運転操作及び車両の走行状態を忠実に反映した変速制御を実現でき、ドライバビリティや動力性能、省燃費特性、部品の耐久性等の向上を果たすことができる。また、この変速制御方法は、プログラムのわずかの追加により対応実施し得て、コストの増加を極めて少なくることができる。

図面の簡単な説明

0069

図1この発明の実施例を示す変速制御装置による目標エンジン回転速度の過渡修正の制御のフローチャートである。
図2上限値と下限値との設定のフローチャートである。
図3上限値と下限値との設定用マップを示す図である。
図4修正係数マップを示す図である。
図5スロットル開度とエンジン回転速度とによるエンジン発生トルクの関係を示す図である。
図6無段変速機の概略構成図である。
図7変速制御のブロック図である。
図8スロットル開度による目標エンジン回転速度の関係を示す図である。
図9車速による目標エンジン回転速度の上限値と下限値との関係を示す図である。
図10定常状態の目標エンジン回転速度の設定用のフローチャートである。
図11目標エンジン回転速度の過渡修正の制御のブロック図である。
図12目標エンジン回転速度の過渡修正状態を示すタイミングチャートである。
図13過渡時のエンジン回転速度のタイミングチャートである。
図14従来例を示す過渡時のエンジン回転速度のタイミングチャートである。

--

0070

2エンジン
4クランク軸
6無段変速機
8駆動軸
10被動軸
12駆動プーリ
14被動プーリ
16ベルト
26クラッチ
36変速比調整装置
38トルク容量調整装置
40変速制御装置
42 制御手段
44スロットルセンサ
46シフト位置センサ
48エンジン回転速度センサ
50変速比センサ
52 車速センサ

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