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技術 被覆用組成物

出願人 三菱化学株式会社
発明者 細川範孝葉山和秀
出願日 1995年5月31日 (24年9ヶ月経過) 出願番号 1995-133645
公開日 1996年12月10日 (23年3ヶ月経過) 公開番号 1996-325474
状態 未査定
技術分野 塗料、除去剤
主要キーワード サイドボード シリケート組成物 塗工機械 ハードコート皮膜 ポリメトキシシロキサン ABS樹脂 ビフタル酸 水添加量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年12月10日)のものです。
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目的

活性エネルギー線照射することにより、プラスチック基材への密着性、透明性、耐摩耗性、および帯電防止性に優れた塗膜を形成する活性エネルギー線硬化性被覆用組成物を提供する。

構成

(a)カルボキシル基含有多官能アクリレートを35〜100重量%含有する多官能アクリレート、(b)重合度が3〜8のポリメトキシシロキサンを水とアルコールの存在下で重縮合およびエステル交換反応して得たシリケート化合物、および(c)光重合開始剤を含有する被覆用組成物。

概要

背景

一般に、プラスチック製品、例えば、ポリカーボネートポリメチルメタクリレートポリエチレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートナイロン6ナイロン66塩化ビニル樹脂ABS樹脂酢酸セルロース等は、その軽量性易加工性耐衝撃性などに優れているのでパネルサイドボード容器ディスク基板軸受等種々の用途に使用されている。

しかし、これらプラスチック製品は表面硬度が低いため表面に傷がつき易く、耐摩耗性を必要とする分野でのプラスチック製品の使用を困難なものとしている。このため、これらプラスチック製品に耐摩耗性を付与する活性エネルギー線硬化性ハードコート材料が求められている。現在市販の活性エネルギー線硬化性ハードコート材料の硬化膜は、表面固有抵抗値が高く静電気が発生しやすいという大きな欠点を有しており、この静電気の発生は埃の付着を促進し、製品美観、透明性を損なう原因となる。このような欠点を回避するため、プラスチック製品の表面に耐摩耗性および帯電防止性の双方の要求性能を満す硬化膜を与える活性エネルギー線硬化性被覆剤が求められている。

例えば、活性エネルギー線硬化性ハードコート剤として、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタアクリロイルオキシ基を有する重合性化合物と、シリカ骨格形成能を有するオリゴマーコロイド状シリカ存在下で縮重合させて得られるシリカ縮重合体からなるハードコート剤が知られている(特開平5−302041号公報)。しかし、このハードコート剤は帯電防止性を持たないため、さらに帯電防止性付与剤、例えば四級アンモニウム塩(特開平5−179160号公報)やチオシアン酸金属塩(特開平6−25555号公報)をこのハードコート剤に添加することにより帯電防止性を付与することが提案されている。

しかし、この帯電防止性付与剤を添加する方法では、帯電防止性付与剤の添加量が少ない場合は耐摩耗性は優れるが、帯電防止性についての性能は不十分となる。また、帯電防止性付与剤の添加量を増やしていくと、透明性、密着性及び耐摩耗性が低下してくるという実用上の問題があった。

概要

活性エネルギー線照射することにより、プラスチック基材への密着性、透明性、耐摩耗性、および帯電防止性に優れた塗膜を形成する活性エネルギー線硬化性被覆用組成物を提供する。

(a)カルボキシル基含有多官能アクリレートを35〜100重量%含有する多官能アクリレート、(b)重合度が3〜8のポリメトキシシロキサンを水とアルコールの存在下で重縮合およびエステル交換反応して得たシリケート化合物、および(c)光重合開始剤を含有する被覆用組成物。

目的

本発明は、プラスチック基材への密着性、透明性、耐摩耗性、および帯電防止性に優れた塗膜を形成する活性エネルギー線硬化性被覆用組成物の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

(a)カルボキシル基含有多官能アクリレートを35〜100重量%含有する多官能アクリレート、(b)重合度が3〜8のポリメトキシシロキサンを水およびアルコール中で重縮合およびエステル交換反応して得たシリケート化合物、および(c)光重合開始剤を含有する被覆用組成物であって、(a)成分の多官能アクリレート100重量部に対する(b)成分のシリケート化合物の配合量が20〜500重量部であり、(c)成分は(a)成分の多官能アクリレートの0.1〜3重量%の割合で配合されていることを特徴とする被覆用組成物。

請求項2

(a)カルボキシル基含有多官能アクリレートを35〜100重量%含有する多官能アクリレート、(b)重合度が3〜8のポリメトキシシロキサンを水とアルコールの存在下で重縮合およびエステル交換反応して得たシリケート化合物、(c)光重合開始剤および(d)シリカゾルを含有する被覆用組成物であって、(a)成分の多官能アクリレート100重量部に対する(b)成分のシリケート化合物の配合量が20〜499.9重量部であり、(c)成分は(a)成分の多官能アクリレートの0.1〜3重量%の割合で、(d)成分のシリカゾルは(a)成分の多官能アクリレート100重量部に対し、0.1〜100重量部の割合で配合されていることを特徴とする被覆用組成物(但し、(b)と(d)成分の和は、(a)成分100重量部に対し、500重量部以下である)。

請求項3

(b)成分のシリケート化合物を得る際、(d)成分のシリカゾルの存在下にポリメトキシシロキサンを水、アルコール中で重縮合およびエステル交換反応してシリケート化合物を調製することを特徴とする請求項2記載の被覆組成物

請求項4

(a)成分中のカルボキシル基含有多官能アクリレートが、分子内に1個以上の酸無水物基を有する化合物と、分子内に少くとも1つの水酸基及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートとを反応することにより得たものである請求項1または2に記載の被覆用組成物。

請求項5

酸無水物基を有する化合物がピロメリット酸二無水物トリメリット酸無水物より選ばれたものであり、水酸基含有多官能アクリレートがペンタエリスリトールトリアクリレートジペンタエリスリトールペンタアクリレート、より選ばれたものであることを特徴とする請求項4記載の被覆用組成物。

技術分野

0001

本発明は、活性エネルギー線照射することにより硬化してプラスチック基材への密着性、透明性、耐摩耗性帯電防止性に優れた塗膜を形成する活性エネルギー線硬化性被覆用組成物に関するものである。

背景技術

0003

しかし、これらプラスチック製品は表面硬度が低いため表面に傷がつき易く、耐摩耗性を必要とする分野でのプラスチック製品の使用を困難なものとしている。このため、これらプラスチック製品に耐摩耗性を付与する活性エネルギー線硬化性ハードコート材料が求められている。現在市販の活性エネルギー線硬化性ハードコート材料の硬化膜は、表面固有抵抗値が高く静電気が発生しやすいという大きな欠点を有しており、この静電気の発生は埃の付着を促進し、製品美観、透明性を損なう原因となる。このような欠点を回避するため、プラスチック製品の表面に耐摩耗性および帯電防止性の双方の要求性能を満す硬化膜を与える活性エネルギー線硬化性被覆剤が求められている。

0004

例えば、活性エネルギー線硬化性ハードコート剤として、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタアクリロイルオキシ基を有する重合性化合物と、シリカ骨格形成能を有するオリゴマーコロイド状シリカ存在下で縮重合させて得られるシリカ縮重合体からなるハードコート剤が知られている(特開平5−302041号公報)。しかし、このハードコート剤は帯電防止性を持たないため、さらに帯電防止性付与剤、例えば四級アンモニウム塩(特開平5−179160号公報)やチオシアン酸金属塩(特開平6−25555号公報)をこのハードコート剤に添加することにより帯電防止性を付与することが提案されている。

0005

しかし、この帯電防止性付与剤を添加する方法では、帯電防止性付与剤の添加量が少ない場合は耐摩耗性は優れるが、帯電防止性についての性能は不十分となる。また、帯電防止性付与剤の添加量を増やしていくと、透明性、密着性及び耐摩耗性が低下してくるという実用上の問題があった。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、プラスチック基材への密着性、透明性、耐摩耗性、および帯電防止性に優れた塗膜を形成する活性エネルギー線硬化性被覆用組成物の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の1は、(a)カルボキシル基含有多官能アクリレートを35〜100重量%含有する多官能アクリレート、(b)重合度が3〜8のポリメトキシシロキサンを水とアルコールの存在下で重縮合およびエステル交換反応して得たシリケート化合物、および(c)光重合開始剤を含有する被覆用組成物であって、(a)成分の多官能アクリレート100重量部に対する(b)成分のシリケート化合物の配合量が20〜500重量部であり、(c)成分は(a)成分の多官能アクリレートの0.1〜3重量%の割合で配合されていることを特徴とする被覆用組成物を提供するものである。

0008

本発明の2は、(a)カルボキシル基含有多官能アクリレートを35〜100重量%含有する多官能アクリレート、(b)重合度が3〜8のポリメトキシシロキサンを水とアルコールの存在下で重縮合およびエステル交換反応して得たシリケート化合物、(c)光重合開始剤および(d)シリカゾルを含有する被覆用組成物であって、(a)成分の多官能アクリレート100重量部に対する(b)成分のシリケート化合物の配合量が20〜499.9重量部であり、(c)成分は(a)成分の多官能アクリレートの0.1〜3重量%の割合で、(d)成分のシリカゾルは(a)成分の多官能アクリレート100重量部に対し、0.1〜100重量部の割合で配合されていることを特徴とする被覆用組成物(但し、(b)と(d)成分の和は、(a)成分100重量部に対し、500重量部以下である)を提供するものである。

0009

単独では帯電防止性能を示さない(a)成分中のカルボキシル基含有多官能アクリレートと、同じく単独では帯電防止性能を示さない(b)成分のシリケート化合物とを組み合わせることにより耐摩耗性を低下させることなく帯電防止性が発現する硬化皮膜を得ることができる。

0010

以下に本発明を更に詳細に説明する。
(a)成分:(a)成分はカルボキシル基含有多官能アクリレートを35〜100重量%含有する多官能アクリレートである。カルボキシル基含有多官能アクリレートは、分子内に1個以上の酸無水物基を有する化合物と、分子内に水酸基及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートを反応することにより得られる。

0011

分子内に1個以上の酸無水物基を有する化合物の具体例としては、無水コハク酸無水1−ドデセニルコハク酸無水マレイン酸、無水グルタル酸無水イタコン酸無水フタル酸ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸テトラメチレン無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸メチルテトラヒドロ無水フタル酸エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水テトラクロロフタル酸、無水テトラブロモフタル酸、無水クロレンディク酸、無水トリメリット酸等の酸無水物基を1個有する化合物、およびピロメリト酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4′−ビフタル酸無水物、4,4′−オキソジフタル酸無水物、4,4′−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ〔2.2.2〕オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等の酸無水物基を2個有する化合物、およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。

0012

これらの中でも、酸無水物基を2個有する化合物を用いると、得られるカルボキシル基含有多官能アクリレートは、同一分子中にアクリロイル基を3〜10個、カルボキシル基を2〜3個含有することになり、耐摩耗性および密着性の点から特に望ましい。次に、分子内に水酸基及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートの具体例としては、ペンタエリスリトールトリアクリレートジペンタエリスリトールテトラアクリレートジペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびこれらの混合物等が挙げられる。

0013

分子内に1個以上の酸無水物基を有する化合物と、分子内に水酸基及び3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多官能アクリレートの反応は、水酸基含有多官能アクリレート/酸無水物基を有する化合物のモル比が1以上の割合で混合し、60〜110℃で1〜20時間攪拌することにより行われる。

0014

反応中のアクリロイル基による重合を防止するために、例えば、ハイドロキノンハイドロキノンモノメチルエーテルカテコール、p−t−ブチルカテコールフェノチアジン等の重合禁止剤を使用するのが望ましく、その使用量は、反応混合物に対して0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。

0015

反応を促進させるために、例えば、N,N−ジメチルベンジルアミントリエチルアミントリブチルアミントリエチレンジアミンベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイドテトラメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、酸化亜鉛等の触媒を使用することができる。その使用量は、反応混合物に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%である。

0016

また、これらの反応を行う際に活性水素を有しない有機溶剤を使用することができる。具体的には、トルエンキシレン等の芳香族炭化水素類酢酸エチル酢酸プロピル酢酸ブチル等のエステル類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類、およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。

0017

また、(a)成分はカルボキシル基含有多官能アクリレートの他に、カルボキシル基を有しない多官能アクリレートを65重量%以下含有することができる。特に、併用するのが好ましい。

0018

カルボキシル基のない多官能アクリレートは、耐摩耗性の点から3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートである。具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレートエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチルイソシアヌレートカプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およびこれら2種以上の混合物が挙げられる。

0019

(a)成分の調製は、例えば市場より入手できるペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物、或いはジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物と、酸無水物とを反応させることにより調製することもできる。勿論、カルボキシル基含有多官能アクリレートに、カルボキシル基を有していない多官能アクリレートを配合してもよい。

0020

(b)シリケート化合物
(b)成分のシリケート化合物の原料一般式(I)

0021

0022

〔式中、nは2〜7の整数である。〕で示される重合度が3〜8のポリメトキシシロキサンは、テトラメチルシロキサンを酸を用いてメトキシ基(OCH3 )の40〜70%、好ましくは50%を部分加水分解することにより得られる。そして、(b)成分のシリケート化合物は、この一般式(I)で示されるポリメトキシシロキサンをアルコールおよび水、加水分解触媒を配合し、室温で1〜7日間熟成することにより重縮合およびエステル交換が生じ、(b)成分のシリケート化合物が得られる。このシリケート化合物の重合度は6〜24程度、好ましくは6〜16程度のものである。

0023

この加水分解を行う際に、アルコールの他に、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等の有機溶剤を添加することもできる。上記アルコールの具体例としては、炭素数が1〜8の脂肪族アルコール、具体的には、メチルアルコールエチルアルコールイソプロピルアルコールn−ブチルアルコールイソブチルアルコールオクチルアルコール、およびこれらの混合物等が挙げられる。アルコールの使用量としては、ポリメトキシシロキサン100重量部に対し、50〜400重量部、好ましくは100〜250重量部がよい。

0024

水の添加量はポリメトキシシロキサンが理論上100%加水分解し得る量以上の量であればよく、100〜300%相当量、好ましくは100〜200%相当量を添加する。加水分解触媒としては、例えば、アセチルアセトンアルミニウムホウ酸ブトキシド酢酸塩酸マレイン酸シュウ酸フマル酸ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、P−トルエンスルホン酸およびこれらの混合物を使用することができる。その使用量は、ポリメトキシシロキサン100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。

0025

(b)成分のシリケート化合物の原料のポリメトキシシロキサンは、例えば三菱化学(株)より“MKCシリケートMS51”の商品名で入手可能である。また、(b)成分のシリケート化合物は、式(I)で示されるポリメトキシシロキサン、アルコール、水、加水分解触媒に、シリカゾル(d)を加え、加水分解することによっても得られる。シリカゾルとしては、例えば、水、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコールエチルセロソルブジメチルアセトアミド、キシレン及びこれらの混合溶剤分散媒とし、シリカの粒子径が5〜30nm、その固形分が10〜40重量%であるものが挙げられる。これら分散媒の中でも、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、およびこれらの混合溶剤を用いたシリカゾルが、シリケート組成物の安定性の点から好ましい。

0026

シリカゾル(d)は、固型分量化でポリメトキシシロキサンの0.1〜100重量%の割合で使用される。(a)成分の多官能アクリレート100重量部に対し、(b)成分のシリケート化合物は、シリケート化合物の固型分量で20〜500重量部、好ましくは35〜250重量部の割合で用いられる。シリケート化合物(b)の量が20重量部未満では得られる硬化皮膜の帯電防止性能が低く、実用的でない。500重量部を越えては(a)成分のアクリロイル基による架橋密度が低下するため得られる硬化皮膜の耐摩耗性が低下する。

0027

光重合開始剤(c)
光重合開始剤(c)としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテルジエトキシアセトフェノンベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−〔4−(メチルチオフェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ミヒラ−ズケトン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられ、これらの光重合開始剤は2種以上を適宜に併用することもできる。光重合開始剤は、(a)成分の多官能アクリレート100重量部に対して0.1〜3重量部、好ましくは0.5〜2重量部の割合で用いられる。

0028

シリカゾル(d)
シリカゾル(d)は既述したようにシリカ(SiO2 )の粒径が5〜30nmのもので、得られる硬化皮膜の透明性、耐傷付性の向上の目的で配合される。シリカゾル(d)は、(a)成分の多官能アクリレート100重量部に対し、SiO2 固型分量で0.1〜100重量部、好ましくは20〜60重量部の割合で使用される。

0029

被覆用組成物の調製
本発明の被覆用組成物は、上記の(a)成分、(b)成分および(c)成分、必要により(d)成分を混合することにより調製される。通常、(a)成分および(b)成分とも製造する際、既に記載した有機溶剤が用いられる。この有機溶剤は、(a)成分と(b)成分の各固形分の和100重量部に対し、0.1〜1000重量部、好ましくは30〜300重量部の割合で用いられる。この有機溶剤は沸点が50〜160℃のものが、被覆組成物乾燥性の面から好ましい。

0030

本発明の活性エネルギー線硬化性被覆組成物には、塗膜物性を改良する目的で紫外線吸収剤(例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系紫外線吸収剤)、紫外線安定剤(例えば、ヒンダードアミン系紫外線安定剤)、酸化防止剤(例えば、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤)、ブロッキング防止剤スリップ剤レベリング剤等のこの種の組成物に配合される種々の添加剤を配合することができる。

0031

硬化皮膜
本発明の被覆用組成物を適用できる基材としては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、酢酸セルロース等のプラスチック、鉄、ステンレスアルミニウム等の金属、木材、セメント等が挙げられる。これらの中でも、特に耐摩耗性と帯電防止性が求められているプラスチック基材に対し、本発明の被覆用組成物を適用することが好ましい。

0032

本発明の被覆用組成物は、基材に、ディッピング法フローコート法スプレー法バーコート法、及びグラビアコートロールコート、ブレードコート及びエアーナイフコート等の塗工機械による塗工方式で、溶剤乾燥、活性エネルギー線照射後、プラスチック基材表面に0.1〜50μm、好ましくは1〜10μmのハードコート層が得られる条件下で塗工することができる。

0033

基材上に塗布したハードコート層を架橋硬化せしめ皮膜を得る手段としては、キセノンランプ低圧水銀灯高圧水銀灯超高圧水銀灯メタルハライドランプカーボンアーク灯タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線あるいは、通常20〜2000keVの電子線加速器から取り出される電子線、α線β線γ線等の活性エネルギー線を用いることができる。皮膜の肉厚は、0.1〜50μm、好ましくは1〜10μmであり、表面固有抵抗が1×1010〜1×1012Ω/cm、耐摩耗性ΔH%が5%以下、透明性(くもり価)が5%以下のものである。

0034

以下、合成例、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、例中の部および%は、重量部および重量%をそれぞれ意味する。
多官能アクリレートの製造:

0035

合成例 1
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを67モル%とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート33モル%の混合物〔日本化薬社製の“カヤラッドDPHA”(商品名)、水酸基価69mgKOH/g〕と、ピロメリト酸二無水物を、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート/ピロメリト酸二無水物のモル比が2となるように混合物163部とピロメリト酸二無水物21.8部をフラスコ内に入れ、メチルエチルケトン100部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部およびN,N−ジメチルベンジルアミン1部を加え、80℃で8時間反応させた。得られたカルボキシル基含有多官能アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(I)は固形分65.0%で、カルボキシル基含有多官能アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを各々44.3%および20.4%含有していた。

0036

合成例 2
ペンタエリスリトールトリアクリレートを73モル%とペンタエリスリトールテトラアクリレート27モル%の混合物〔大阪有機化学工業社製の“ビスコート300”(商品名)、水酸基価131mgKOH/g〕と、ピロメリト酸二無水物を、ペンタエリスリトールトリアクリレート/ピロメリト酸二無水物のモル比が2となるように混合物86部とピロメリト酸二無水物21.8部をフラスコ内に入れ、メチルエチルケトン100部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部およびN,N−ジメチルベンジルアミン1部を加え、80℃で8時間反応させた。得られた混合物(II)は、固形分52.1%で、カルボキシル基含有多官能アクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートを各々39.0%および12.6%含有していた。

0037

合成例 3
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを67モル%とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート33モル%の混合物〔日本化薬社製の“カヤラッドDPHA”、水酸基価69mgKOH/g〕と、トリメリト酸無水物を、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート/トリメリト酸無水物のモル比が1となるように混合物163部とトリメリト酸無水物38.4部をフラスコ内に入れ、メチルエチルケトン100部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部およびN,N−ジメチルベンジルアミン1部を加え、80℃で8時間反応させた。得られた混合物(III )は、固形分66.9%で、カルボキシル基含有多官能アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを各々47.3%および19.2%含有していた。

0038

シリケート化合物(b)の製造:
合成例 4式(II)

0039

0040

で示されるポリメトキシシロキサン[三菱化学社製の“MKCシリケートMS51(商品名)]100部に対し、エチルアルコール200部、アセチルアセトンアルミニウム1部及び水22部を添加し、室温で1時間攪拌後、2日放置して熟成を行い、固形分22.0%のシリケート組成物(b1 )を得た。なお固形分はシリケート組成物1gをアルミ皿にとり100℃で5分間乾燥後測定することにより求めた。(なお、水添加量はポリメトキシシロキサンを理論量100%加水分解し得る量に対し117%であった。)

0041

合成例 5
アセチルアセトンアルミニウムをマレイン酸に変えたほかは合成例4と同様にして固形分21.8%のシリケート組成物(b2 )を得た。

0042

合成例 6
ポリメトキシシロキサン(三菱化学社製:MKCシリケートMS51)100部に対し、エチルアルコール200部、アセチルアセトンアルミニウム1部、水22部およびイソプロピルアルコールを分散媒とする固形分30%のコロイダルシリカ(日産化学工業社製:IPA−ST)170部を添加し室温で1時間攪拌後、2日放置し熟成を行い、固形分26.0%のシリケート組成物(b3 )を得た。

0043

合成例 7
ポリエトキシシロキサン〔多摩化学工業社製のシリケート45(商品名)〕100部に、エチルアルコール200部、アセチルアセトンアルミニウム1部及び水17部を添加し、室温で1時間攪拌後、2日放置し熟成を行い、固形分19.5%のポリエトキシシラン縮重合物を得た。

0044

合成例 8
テトラエトキシシラン156部に対し、イソプロピルアルコールを分散媒とする固形分30%のコロイダルシリカ(日産化学工業社製:IPA−ST)150部、水54部および36%塩酸0.5部を添加し、攪拌しながら80℃で1時間加熱し、固形分29.7%のテトラエトキシシラン縮重合物を得た。

0045

実施例 1
合成例1で得られた混合物(I)100部、合成例4で得られた固形分22.0%のシリケート組成物(b1 )401.9部およびベンジルジメチルケタール1部を混合し、表2に示す組成の活性エネルギー線硬化性被覆組成物(A)を調製した。

0046

この活性エネルギー線硬化性被覆組成物(A)を、透明な0.1mm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、バーコーターを用いて塗布し、60℃で2分間加熱乾燥してメチルエチルケトンおよびエチルアルコールを揮散させて肉厚3μmの皮膜を得た。このものを、試料通過方向に垂直に設置した出力7.5kw、出力密度120w/cmの高圧水銀灯を用い、光源下10cmの位置でコンベアスピード2m/分の条件で紫外線を照射して紫外線硬化してハードコート皮膜を得た。

0047

ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成された硬化したハードコート層とポリエチレンテレフタレートフィルムとの密着性は、ハードコート層にカッターナイフで1mm間隔の100個の碁盤目を作りニチバン粘着テープセロテープ”(商品名)を圧着し、強く引き剥がして評価したところ、フィルム上に残った皮膜の碁盤目は100で良好な密着性が得られた(碁盤目テープ法 JISK5400)。

0048

また、得られたハードコート層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムの透明性をくもり価(%)で評価したところ、4.1%であり、透明性は良好であった。なお、ハードコート剤塗布前の0.1mm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムのくもり価は3.7%であった。(くもり価=Td/Tt×100、Td:散乱光線透過率、Tt:全光線透過率JIS K7105)。

0049

耐摩耗性は、Calibrase社製CS−10Fの摩耗論を用い、荷重500gで100回転テーバー摩耗試験を行い、テーバー摩耗試験後のくもり価とテーバー摩耗試験前のくもり価との差ΔHを測定したところ2.4%であり耐摩耗性は良好であった。なお、ハードコート処理を行っていない0.1mm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムで同様のテーバー摩耗試験を行い得られたΔHは23.1%であった(テーバー摩耗試験法ASTMD1044)。次に、帯電防止性は、23℃、相対湿度60%の恒温室に1週間放置した後、表面固有抵抗値を測定したところ5.6×1010Ω/cmであり、帯電防止性は良好であった。

0050

実施例 2〜10
活性エネルギー線硬化性被覆用組成物(A)〜(E)は、合成例1で得られた混合物(I)と、合成例4〜6で得られたシリケート組成物(b1 )〜(b3 )、およびベンジルジメチルケタールを配合して調製した。被覆用組成物(F)と(G)は、合成例2で得られた混合物(II)と、合成例4と6で得られたシリケート組成物(b1 )と(b3 )、およびベンジルジメチルケタールを配合して調製した。また、被覆用組成物(H)と(J)は、合成例3で得られた組成物(III )と、合成例4と6で得られたシリケート組成物(b1 )(b3 )、およびベンジルジメチルケタールを配合して調製した。各被覆組成物の配合組成を表1に示す。

0051

得たB〜Jの活性エネルギー線硬化性被覆用組成物を用い、実施例1と同様の方法でハードコード層を有するポリカーボネート板およびポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。なお、実施例2で基材として用いた2mm厚のポリカーボネート板のくもり価は0.4%、耐摩耗性(ΔH)は46.7%であった。硬化したハードコート層を有するポリカーボネート板およびポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したところ、密着性、透明性、耐摩耗性および表面固有抵抗値とも良好な結果が得られた。評価結果を表2に示す。

0052

比較例 1〜5
合成例1で得られた混合物(I)に、ベンジルジメチルケタールを配合して調製した活性エネルギー線硬化性被覆組成物(K)、さらに、このものに合成例7で得られたポリエトキシシロキサン縮重合物、合成例8で得られたテトラエトキシシラン縮重合物、イソプロピルアルコールを分散媒とする固形分30%のシリカゾル(日産化学工業社製:IPA−ST)をそれぞれ加えて調製した活性エネルギー線硬化性被覆用組成物(L)、(M)、(N)、およびジペンタエリスリトールペンタアクリレート67モル%とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート33モル%との混合物(日本化薬社製:カヤラッドDPHA、水酸基価69mgKOH/g)と、合成例4で得られたシリケート組成物(b1 )およびベンジルジメチルケタール配合し得た活性エネルギー線硬化性被覆用組成物(O)を調製した。

0053

各被覆用組成物の配合組成を表3に示す。これらの組成物を用い、実施例1と同様の方法で硬化したハードコート層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを作製した。この中で、活性エネルギー線硬化性被覆用組成物(L)はUV硬化後もべたつきが残り、ハードコート層が得られなかった。その他のハードコート層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したが、帯電防止性が不十分であった。評価結果を表4に示す。

0054

比較例 6
合成例4で得られたシリケート組成物(b1 )を用い、実施例1と同様の方法で塗布、乾燥を行いシリケート層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを作製した。なお、この組成物はUV硬化性でないため、UV照射は実施しなかった。得たポリエチレンテレフタレートフィルムを評価したが、帯電防止性が認められず、耐摩耗性も不十分であった。評価結果を表4に示す。

0055

0056

0057

0058

発明の効果

0059

帯電防止性、透明性、耐摩耗性に優れた硬化皮膜を得ることができる。

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