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技術 発熱体組成物の発熱反応制御方法、発熱体組成物、発熱体、貼付剤、香料放散装置、殺虫剤放散装置又は殺菌剤放散装置

出願人 臼井昭男
発明者 臼井昭男
出願日 1995年5月27日 (25年6ヶ月経過) 出願番号 1995-152153
公開日 1996年12月3日 (23年11ヶ月経過) 公開番号 1996-319477
状態 未査定
技術分野 他類に属さない組成物 芳香剤容器 熱効果発生材料 温熱、冷却治療装置 農薬・動植物の保存 脂肪類、香料
主要キーワード インテリア的 擬似皮膚 安全時間 気密面 袋体状 気密性シート びょう 気密性フィルム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年12月3日)のものです。
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図面 (4)

目的

本発明は、発熱温度を確実に所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、吸水剤吸着水分を放出してゲル化することにより発熱反応を実質的に停止させる結果、発熱温度を降下させるようにしたものである。

構成

本発明は、少なくとも一部が通気性を有する容器封入され、且つ空気の存在によって発熱する発熱体組成物には、発熱温度が所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出してゲル化する吸水剤を配合し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させるものである。

概要

背景

日常生活において熱を利用することは非常に広範囲にわたっており、更にその利用分野が広げられる傾向にある。この熱を得る方法もまた多様であるが、近年、金属の酸化反応に伴う反応熱熱源として利用する技術が注目されている。特に、少なくとも一部分に通気性を有する容器に、金属粉、金属の塩化物、水分、水分を保持する保水剤発熱反応を促進する発熱反応助剤を配合した発熱体組成物封入した発熱体が開発されてからは、この技術の利用分野が急速に広げられつつある。

この発熱体を熱源として利用する場合、一方では、発熱温度が低すぎると熱源としての機能を果たさないので、所要の発熱温度以上に発熱させることが求められており、他方では、必要以上の発熱を生じさせることはエネルギーの無駄使いになるばかりでなく、場合によっては、例えば容器の軟化による変形、発熱体組成物の発熱持続時間の短縮、人体に適用した場合の低温火傷を含む火傷の危険など、種々の不都合を招くことがあるので、所定の温度以上に発熱させないことが求められている。従って、この発熱体において発熱体組成物の発熱温度を制御することはきわめて重要な問題とされているのである。

この発熱体組成物の発熱温度を制御するためには、発熱体組成物の品質管理及びその充填量の管理が最も基本的であるが、同時に発熱体組成物に接触させる大気中の酸素量を管理することも重要である。発熱体組成物の発熱温度制御方法としては、まず、この点に着眼して、発熱体組成物を収容する容器の通気性を制御することにより発熱温度を制御するという方法が採られた。

しかしながら、この方法では発熱反応に伴い発熱体組成物中の水分が蒸散し、この微細湿り蒸気が容器の通気孔に付着して経時的に通気度が変化し、反応速度が微妙に変化するため、高精度に発熱温度を制御することが困難であるという問題があることが分かった。

発熱体組成物の発熱温度の制御方法として次に提案された方法は、容器の透湿量(度)を制御することにより、通気量(度)を制御する場合に比較して、一層厳格温度コントロールを実現するものである。

具体的に透湿度をどの程度にするかは用途、発熱体組成物の組成、使用量などに依存して決定すればよく、例えば採暖、温罨法などに使用する発熱体や貼付剤の場合には、発熱温度を37〜43℃にして温熱効果ないし治療効果と安全性とを両立させるために、この通気面の透湿量は、ASTM法(E−96−80D法)で特定され、そのバラツキ幅基準値プラスマイナス)5〜10%、最大でも基準値(プラスマイナス)20〜35%程度とバラツキ幅を狭くしたものが用いられている。

ここで、ASTM法(E−96−80D法)とは、カップ内径6.18cm、高さ1.5cmの容器内に純水20mlを入れ、該容器の上面を通気性フィルム閉蓋してロウで固定した後、これを恒温(32.2℃)、恒湿(50%)の中に24時間放置してから、容器内の水の減少量を測定し、この水の減少量、すなわち、蒸散により放出された水の量を(g/m2・24hr)に換算して表示する方法である。

従来、この種の発熱体に使用されている発熱体組成物としては、上述したように、金属粉、金属の塩化物、水及び発熱反応を促進する触媒pH調整剤、発熱反応助剤などを配合したものが主流を占めており、金属粉としてはほとんど例外なく鉄粉が用いられている。又、金属の塩化物としては主として塩化ナトリウムが用いられており、触媒ないし発熱反応助剤としては活性炭が用いられ、pH調整剤としてはトリポリリン酸ソーダなどが用いられている。

これらの配合比は、用途に応じて適宜設計すればよく、例えば、採暖、温罨法などに用いる発熱体用や貼布材用の発熱体組成物の場合には、発熱温度を37〜43℃にして温熱効果ないし治療効果と安全性とを両立させるために、例えば25〜75重量%、金属の塩化物1〜10重量%、活性炭1〜15重量%、水分10〜55重量%、保水剤0.5〜15重量%とすることが好ましいとされる。

発熱体は、この発熱体組成物と、発熱体組成物を封入する容器とからなり、この容器としては、少なくとも一部に通気性、即ち、容器外の空気を容器内に導入できるようにしてあれば、外観上特に装飾的に造形されたものを含んだびん状、状、袋体状などおよそ容器と呼べる態様のものであればよい。

しかし、この容器の透湿度は上述したように発熱温度の制御に大きな影響を与えているので管理できることが必要である。

例えば、びん状の容器の場合であれば、容器の口を所定の開口面積に開口させたり、容器の口に開口を設けた二重蓋を設け、外蓋の回転あるいは緩締状態によって開口面積ないし通気路断面積を制御できるようにしたり、開口率及び開口のアパーチャ比(開口面積と開口の経路長との比)を管理された蓋で開口を覆ったりすることが必要であり、缶状の容器の場合も同様である。

袋体状の容器(以下、袋体という。)としては種々の形態が考えられるが、少なくとも一部分が通気性を有するフィルム、織布、不織布で形成されることが必要であり、例えば偏平な袋体の場合にはその片面全体又は両面全体を通気性フィルム、織布、不織布、これらのうちの2種以上を積層した積層フィルム、或いはこれらのうちの2種以上を重ね合わせた重層構造物にすることが、透湿度の管理を厳格化及び製造コストの低減を図るという観点から推奨される。

この偏平な袋体に発熱体組成物を封入した発熱体は、いわゆる、使い捨て型かいろとして採暖に利用される他、温罨法における温湿布薬剤経皮吸収剤等、温熱治療剤として利用されている。

又、この発熱体の片面に粘着層を付着させて、下着や肌に直接貼付できるようにした貼付剤も提案されている。

このような貼付剤を温罨法、特に温熱型の薬剤経皮吸収剤として利用する場合には、発熱体と粘着層との間に薬剤担持層を設けたり、粘着層に経皮吸収性薬剤を含有又は担持させている。

これら採暖や温罨法に使用されている発熱体及び貼付剤は、広い意味では生活の快適性を高めるために利用されているといえるが、生活の快適性を高めるという意味では、いわゆる、悪臭中和したり、感覚的に隠蔽マスキング)したりするために快適な芳香を有する香料放散させる室内用芳香剤もこの用途に使用されるものであると言える。

これら室内用芳香剤は一般に低温では芳香を放散し難いのであるが、生活の快適性を求める風が特に高まっている今日では、例えばげた箱や押入の中などの冷所でも快適な芳香を有する適量の香料を放散できる室内用芳香剤が求められている。

低温でも適量の香料を放散できるようにするためには、香料を担持する液体ゲル樹脂昇華性物質に対して多量の香料を担持させたり、揮発性或いは昇華性の高い香料を用いたり、揮発性或いは昇華性の高い液体、ゲル、昇華性物質などに香料を担持させるなどの方法が考えられるが、これらの方法では後述する問題がある。

又、広い意味で生活の快適性を高めるという観点からは、香料の一種であり、昆虫動物嗅覚に作用して誘引する物質(以下、誘引物質という。)を用いて、害虫や動物を選択的に誘引して捕獲し、或いは駆除する方法や、香料の一種であり、昆虫や動物の嗅覚に作用して忌避させる物質(以下、忌避物質という。)を用いて生活環境の中に害虫や動物が侵入することを防止する方法も良く知られている。これら誘引物質や忌避物質は撒布という方法で用いられることもあるが、所定の位置に定置して自然放散させるという方法で用いられることが多い。

害虫の駆除という観点から、昆虫を死滅させる方法、即ち、種々の殺虫方法も古くから行われているが、近年、殺虫剤電気ヒータで加熱して有効成分の揮散を促進するようにした殺虫剤放散装置が市販されている。

更に、広い意味で生活の快適性を高めるという観点からは、かびなどを含めた種々の細菌や微生物の駆除についても殺虫剤と同列において検討することができる。

概要

本発明は、発熱温度を確実に所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、吸水剤吸着水分を放出してゲル化することにより発熱反応を実質的に停止させる結果、発熱温度を降下させるようにしたものである。

本発明は、少なくとも一部が通気性を有する容器に封入され、且つ空気の存在によって発熱する発熱体組成物には、発熱温度が所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出してゲル化する吸水剤を配合し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させるものである。

目的

本発明は、前記技術的課題に鑑みて完成されたものであって、まず、発熱温度を確実に所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、吸水剤が吸着水分を放出してゲル化することにより発熱反応を実質的に停止させる結果、発熱温度を降下させるようにした発熱体組成物の発熱反応制御方法及び発熱体組成物を提供することを目的とする。

そこで、本発明は、前記技術的課題に鑑み完成されたものであって、発熱温度を確実に所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、発熱反応を実質的に停止させ、低温火傷の発生を確実に防止できるようにした発熱体及び貼付剤を提供することを目的とする。

本発明は、前記技術的課題に鑑み完成されたものであり、本発明の発熱体組成物の発熱温度制御方法及び発熱体組成物を利用して、香料ないし芳香剤を加熱することにより、必要時に、しかも冷所でも香料を放散することができるのであり、又、確実に発熱体組成物の発熱温度を所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、発熱反応を実質的に停止させて、高温時の香料の過剰放散を防止できるようにした香料放散装置を提供することを目的としている。

そこで、本発明は、前記技術的課題に鑑み完成されたものであり、本発明の発熱体組成物の制御方法及び発熱体組成物を、殺虫剤放散装置又は殺菌剤放散装置に適用することにより電源設備のないところでも殺虫剤又は殺菌剤を加熱して放散させることができるのであり、しかも、殺虫剤又は殺菌剤を加熱する熱源の発熱温度を確実に所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、発熱反応を実質的に停止させて、高温時の殺虫剤又は殺菌剤の放散量を制限して、過剰放散による不快感及び放散持続時間の短縮を防止できるようにした殺虫剤放散装置又は殺菌剤放散装置を提供することを目的するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
4件

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請求項1

少なくとも一部が通気性を有する容器封入され、且つ空気の存在によって発熱する発熱体組成物には、発熱温度所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出してゲル化する吸水剤を配合し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させることを特徴とする発熱体の発熱反応制御方法

請求項2

発熱温度が所定値を超え、吸水剤の水分放出に基づく発熱反応を抑制するにあたり、発熱反応によって発生する発熱量を周囲への放熱量以下に制限する請求項1に記載の発熱体の発熱反応制御方法。

請求項3

吸水剤が水溶性セルロースエーテルからなる請求項1又は2に記載の発熱体の発熱反応制御方法。

請求項4

香料が容器内に封入され、又は容器中に配合され、若しくは容器外担持された請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発熱体の発熱反応制御方法。

請求項5

殺虫剤又は殺菌剤が容器内に封入され、又は容器中に配合され、若しくは容器外に担持された請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発熱体の発熱反応制御方法。

請求項6

金属粉、金属の塩化物、水及び所定の温度を超えると吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させる吸水剤を必須成分とする発熱体組成物。

請求項7

触媒及び/又はpH調整剤が配合されている請求項6に記載の発熱体組成物。

請求項8

保水剤が配合されている請求項6又は7に記載の発熱体組成物。

請求項9

保水剤が吸水性ポリマーである請求項8に記載の発熱体組成物。

請求項10

発熱反応を促進させる発熱反応助剤を配合した請求項6ないし9のいずれか1項に記載の発熱体組成物。

請求項11

吸水剤が水溶性セルロースエーテルからなる請求項6ないし10のいずれか1項に記載の発熱体組成物。

請求項12

所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出して生成したゲルを安定化させ、しかも温度が低下してもゲルの液状化を抑制するゲル安定剤が配合されている請求項6ないし11のいずれか1項に記載の発熱体組成物。

請求項13

請求項6ないし12のいずれか1項に記載した発熱体組成物を、少なくとも片面が通気性を有する偏平袋体に封入したことを特徴とする発熱体。

請求項14

発熱体組成物中に遠赤外線放射物質を封入した請求項13に記載の発熱体。

請求項15

請求項13又は14に記載の発熱体と、この発熱体における袋体の片面に積層させた粘着層とを備えることを特徴とする貼付剤

請求項16

粘着層又は袋体と粘着層との間に経皮吸収性薬剤を含有又は担持させた請求項15に記載の貼付剤。

請求項17

発熱体組成物、袋体又は粘着層のうちの少なくとも1箇所及び/又は袋体と粘着層との間に遠赤外線放射物質を含有又は担持させている請求項15又は16に記載の貼付剤。

請求項18

発熱体組成物、袋体又は粘着層のうちの少なくとも1箇所及び/又は袋体と粘着層との間に磁性体を含有又は担持させている請求項15ないし17のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項19

請求項6ないし12のいずれか1項に記載の発熱体組成物と、これを収容する少なくとも一部が通気性を有する容器と、この容器内に収容され、又は容器中に配合され、もしくは容器外に担持させた香料とからなる香料放散装置

請求項20

香料が環境用香料、誘引物質又は忌避物質である請求項19に記載の香料放散装置。

請求項21

請求項6ないし12に記載の発熱体組成物と、これを収容する少なくとも一部が通気性を有する容器と、この容器内に収容され、又は容器中に配合され、もしくは容器外に担持させた殺虫剤とからなる殺虫剤放散装置。

請求項22

請求項6ないし12に記載の発熱体組成物と、これを収容する少なくとも一部が通気性を有する容器と、この容器内に収容され、又は容器中に配合され、もしくは容器外に担持させた殺菌剤とからなる殺菌剤放散装置。

技術分野

0001

本発明は、水を発熱反応に利用する発熱体組成物の発熱反応制御方法、発熱体組成物、発熱体貼付剤香料放散装置殺虫剤放散装置又は殺菌剤放散装置に関し、特に発熱体組成物の発熱温度を確実に所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超える時間を所定の時間内に制限し、しかも発熱温度が所定値を超えると事後の温度上昇を抑制するようにした発熱体の発熱反応制御方法、発熱体組成物、発熱体、貼付剤、香料放散装置、殺虫剤放散装置又は殺菌剤放散装置に関する。

背景技術

0002

日常生活において熱を利用することは非常に広範囲にわたっており、更にその利用分野が広げられる傾向にある。この熱を得る方法もまた多様であるが、近年、金属の酸化反応に伴う反応熱熱源として利用する技術が注目されている。特に、少なくとも一部分に通気性を有する容器に、金属粉、金属の塩化物、水分、水分を保持する保水剤、発熱反応を促進する発熱反応助剤を配合した発熱体組成物を封入した発熱体が開発されてからは、この技術の利用分野が急速に広げられつつある。

0003

この発熱体を熱源として利用する場合、一方では、発熱温度が低すぎると熱源としての機能を果たさないので、所要の発熱温度以上に発熱させることが求められており、他方では、必要以上の発熱を生じさせることはエネルギーの無駄使いになるばかりでなく、場合によっては、例えば容器の軟化による変形、発熱体組成物の発熱持続時間の短縮、人体に適用した場合の低温火傷を含む火傷の危険など、種々の不都合を招くことがあるので、所定の温度以上に発熱させないことが求められている。従って、この発熱体において発熱体組成物の発熱温度を制御することはきわめて重要な問題とされているのである。

0004

この発熱体組成物の発熱温度を制御するためには、発熱体組成物の品質管理及びその充填量の管理が最も基本的であるが、同時に発熱体組成物に接触させる大気中の酸素量を管理することも重要である。発熱体組成物の発熱温度制御方法としては、まず、この点に着眼して、発熱体組成物を収容する容器の通気性を制御することにより発熱温度を制御するという方法が採られた。

0005

しかしながら、この方法では発熱反応に伴い発熱体組成物中の水分が蒸散し、この微細湿り蒸気が容器の通気孔に付着して経時的に通気度が変化し、反応速度が微妙に変化するため、高精度に発熱温度を制御することが困難であるという問題があることが分かった。

0006

発熱体組成物の発熱温度の制御方法として次に提案された方法は、容器の透湿量(度)を制御することにより、通気量(度)を制御する場合に比較して、一層厳格温度コントロールを実現するものである。

0007

具体的に透湿度をどの程度にするかは用途、発熱体組成物の組成、使用量などに依存して決定すればよく、例えば採暖、温罨法などに使用する発熱体や貼付剤の場合には、発熱温度を37〜43℃にして温熱効果ないし治療効果と安全性とを両立させるために、この通気面の透湿量は、ASTM法(E−96−80D法)で特定され、そのバラツキ幅基準値プラスマイナス)5〜10%、最大でも基準値(プラスマイナス)20〜35%程度とバラツキ幅を狭くしたものが用いられている。

0008

ここで、ASTM法(E−96−80D法)とは、カップ内径6.18cm、高さ1.5cmの容器内に純水20mlを入れ、該容器の上面を通気性フィルム閉蓋してロウで固定した後、これを恒温(32.2℃)、恒湿(50%)の中に24時間放置してから、容器内の水の減少量を測定し、この水の減少量、すなわち、蒸散により放出された水の量を(g/m2・24hr)に換算して表示する方法である。

0009

従来、この種の発熱体に使用されている発熱体組成物としては、上述したように、金属粉、金属の塩化物、水及び発熱反応を促進する触媒pH調整剤、発熱反応助剤などを配合したものが主流を占めており、金属粉としてはほとんど例外なく鉄粉が用いられている。又、金属の塩化物としては主として塩化ナトリウムが用いられており、触媒ないし発熱反応助剤としては活性炭が用いられ、pH調整剤としてはトリポリリン酸ソーダなどが用いられている。

0010

これらの配合比は、用途に応じて適宜設計すればよく、例えば、採暖、温罨法などに用いる発熱体用や貼布材用の発熱体組成物の場合には、発熱温度を37〜43℃にして温熱効果ないし治療効果と安全性とを両立させるために、例えば25〜75重量%、金属の塩化物1〜10重量%、活性炭1〜15重量%、水分10〜55重量%、保水剤0.5〜15重量%とすることが好ましいとされる。

0011

発熱体は、この発熱体組成物と、発熱体組成物を封入する容器とからなり、この容器としては、少なくとも一部に通気性、即ち、容器外の空気を容器内に導入できるようにしてあれば、外観上特に装飾的に造形されたものを含んだびん状、状、袋体状などおよそ容器と呼べる態様のものであればよい。

0012

しかし、この容器の透湿度は上述したように発熱温度の制御に大きな影響を与えているので管理できることが必要である。

0013

例えば、びん状の容器の場合であれば、容器の口を所定の開口面積に開口させたり、容器の口に開口を設けた二重蓋を設け、外蓋の回転あるいは緩締状態によって開口面積ないし通気路断面積を制御できるようにしたり、開口率及び開口のアパーチャ比(開口面積と開口の経路長との比)を管理された蓋で開口を覆ったりすることが必要であり、缶状の容器の場合も同様である。

0014

袋体状の容器(以下、袋体という。)としては種々の形態が考えられるが、少なくとも一部分が通気性を有するフィルム、織布、不織布で形成されることが必要であり、例えば偏平な袋体の場合にはその片面全体又は両面全体を通気性フィルム、織布、不織布、これらのうちの2種以上を積層した積層フィルム、或いはこれらのうちの2種以上を重ね合わせた重層構造物にすることが、透湿度の管理を厳格化及び製造コストの低減を図るという観点から推奨される。

0015

この偏平な袋体に発熱体組成物を封入した発熱体は、いわゆる、使い捨て型かいろとして採暖に利用される他、温罨法における温湿布薬剤経皮吸収剤等、温熱治療剤として利用されている。

0016

又、この発熱体の片面に粘着層を付着させて、下着や肌に直接貼付できるようにした貼付剤も提案されている。

0017

このような貼付剤を温罨法、特に温熱型の薬剤経皮吸収剤として利用する場合には、発熱体と粘着層との間に薬剤担持層を設けたり、粘着層に経皮吸収性薬剤を含有又は担持させている。

0018

これら採暖や温罨法に使用されている発熱体及び貼付剤は、広い意味では生活の快適性を高めるために利用されているといえるが、生活の快適性を高めるという意味では、いわゆる、悪臭中和したり、感覚的に隠蔽マスキング)したりするために快適な芳香を有する香料を放散させる室内用芳香剤もこの用途に使用されるものであると言える。

0019

これら室内用芳香剤は一般に低温では芳香を放散し難いのであるが、生活の快適性を求める風が特に高まっている今日では、例えばげた箱や押入の中などの冷所でも快適な芳香を有する適量の香料を放散できる室内用芳香剤が求められている。

0020

低温でも適量の香料を放散できるようにするためには、香料を担持する液体ゲル樹脂昇華性物質に対して多量の香料を担持させたり、揮発性或いは昇華性の高い香料を用いたり、揮発性或いは昇華性の高い液体、ゲル、昇華性物質などに香料を担持させるなどの方法が考えられるが、これらの方法では後述する問題がある。

0021

又、広い意味で生活の快適性を高めるという観点からは、香料の一種であり、昆虫動物嗅覚に作用して誘引する物質(以下、誘引物質という。)を用いて、害虫や動物を選択的に誘引して捕獲し、或いは駆除する方法や、香料の一種であり、昆虫や動物の嗅覚に作用して忌避させる物質(以下、忌避物質という。)を用いて生活環境の中に害虫や動物が侵入することを防止する方法も良く知られている。これら誘引物質や忌避物質は撒布という方法で用いられることもあるが、所定の位置に定置して自然放散させるという方法で用いられることが多い。

0022

害虫の駆除という観点から、昆虫を死滅させる方法、即ち、種々の殺虫方法も古くから行われているが、近年、殺虫剤を電気ヒータで加熱して有効成分の揮散を促進するようにした殺虫剤放散装置が市販されている。

0023

更に、広い意味で生活の快適性を高めるという観点からは、かびなどを含めた種々の細菌や微生物の駆除についても殺虫剤と同列において検討することができる。

発明が解決しようとする課題

0024

ところで、前記透湿度で通気性フィルムを管理して発熱体組成物の発熱温度を制御する方法は、これまでのところ最も厳格に発熱温度を管理できる方法であり、又、最も高精度に発熱体組成物の発熱温度を制御できる方法ではある。

0025

この通気性フィルムは合成樹脂製フィルム延伸して形成したり、或いはこの延伸した合成樹脂製フィルムに不織布等の通気性補強基材を積層して得られる。

0026

しかしながら、発熱体を製造するにあたり、常に、前述のように、通気性フィルムにおける透湿度のバラツキ幅を狭くすることは非常に困難であり、透湿度のバラツキ幅の狭い通気性フィルムを使用すると、この通気性フィルムの生産時に不良品が増大して歩留りが悪くなる結果、通気性フィルムが高価なものとなったり、資源の無駄にもなる。

0027

又、このように通気性フィルムとして、透湿度を特定の範囲(いわゆる納品規格)に制御したものを入荷してもその全てがこの範囲のものとは限らず、中には、容器として、透湿度が前記範囲以外の通気性フィルムで形成されたものが混入したり、或いは発熱体組成物の組成がばらついたり、更に、外気の温度や湿度等の環境が異なることもある。

0028

その結果、最高発熱温度バラツキが生じて、所定温度以上の高温になって種々の弊害が発生する。

0029

具体的には、例えば人体に適用する発熱体や貼付剤の場合、低温火傷によって、水泡紅斑等の症状が生じるなどの弊害が発生し、このため、現実には、発熱体や貼付剤の使用に際して、例えば適用部位を特定したり、同じ部位での繰り返し使用を避けたり、発熱体や貼付剤をベルト等で押えた状態での使用を避けたり、あつすぎると感じたら直ちに使用を避けることを指示したり、就寝中の使用を避けることを指示したりする等、種々の注意書きがなされることが不可欠になっている。

0030

又、発熱温度が設計温度よりも高温になり、しかも、かなりの長時間にわたり設計温度を上回る発熱温度が持続されるものが僅かでも混入すると、このものは、例えば容器の軟化による変形、悪臭の発生等、種々の問題が発生する。

0031

更に、発熱体の使用環境によって、特に気温が高い時には、発熱反応の反応速度が高くなり過ぎて、発熱温度が設計された最高発熱温度を超えることがあり、安全性を高める上で不利になるという問題があり、この問題は極めて深刻である。

0032

一方、前記芳香剤或いは殺虫用具を用い、室温で香料や殺虫剤や殺菌剤を蒸散させて、周囲の環境を快適にしたり、周囲の環境に生息する害虫等を死滅させる場合、これらの物質が室温で蒸散するから、これらの物質を密閉容器に封入して流通に供する必要が有り、その取り扱いに相当の注意を要する。

0033

又、このものは、密閉容器を解放すると、常に、香料や殺虫剤や殺菌剤が蒸散する結果、不必要なときにも蒸散して無駄になる。

0034

更に、殺虫剤や殺菌剤を電気ヒータで加熱して有効成分の揮散を促進するようにした殺虫剤・殺菌剤放散装置の場合、電源の無いところでは使用が不可能であり、例えば屋外での使用ができない等の問題が有る。

0035

そこで、本発明者は、前記技術的課題を解決するために、空気の存在によって発熱する発熱体を用い、発熱温度が設計された最高発熱温度を超えた場合、発熱反応を実質的に停止させると共に、発熱体組成物の過剰な発熱反応を極力避けて使用可能時間の長期化を図ることにつき鋭意検討を重ねて来た。

0036

その結果、使い捨てカイロ等の発熱原理は、金属粉が酸化される時の発熱を利用するものであり、この酸化反応、つまり発熱反応は、特に水分量が、その速度に大きく影響することが判明した。

0037

即ち、この酸化反応を促進するためには、水分が多すぎても少なすぎても反応は著しく遅く、適度な湿り気が有ることが重要である。この状態が必要な水分と、空気(酸素)の供給のバランスがとれ酸化反応、つまり発熱反応の速度が最大になるといわれている。

0038

水分が少過ぎると、空気は十分であるが反応に必要な水分が不足し、一方、水分が多過ぎると、この水分がバリヤー層となって空気の供給量が減少するため反応は遅くなる。

0039

そこで、本発明者は、発熱体組成物に用いられる吸水剤として、所定の温度を超えた際、吸着水分を放出して金属粉周辺遊離水分量を増大するものを用いると、この放出(遊離)水分がバリヤー層となるので、空気の供給量が減少して発熱反応を実質的に停止し、この結果、容器として、透湿度が納品規格以外の通気性フィルムで形成されたものが混入したり、或いは発熱体組成物の組成がばらついたり、更に、外気の温度や湿度等の環境が異なっても、例えば低温火傷や容器の軟化による変形、悪臭の発生等、の弊害を確実に防止できることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。

0040

本発明は、前記技術的課題に鑑みて完成されたものであって、まず、発熱温度を確実に所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、吸水剤が吸着水分を放出してゲル化することにより発熱反応を実質的に停止させる結果、発熱温度を降下させるようにした発熱体組成物の発熱反応制御方法及び発熱体組成物を提供することを目的とする。

0041

本発明が適用される分野は特に限定されるものではないが、採暖や温罨法に用いる発熱体及び貼付剤に適用される場合には、所定温度以上の発熱が長時間持続すると低温火傷が発生する恐れがあり、この低温火傷を防止するには、通常の貼付時間内では低温火傷が発生する恐れがない温度以下に発熱温度を制限するか、所定の温度を超えると、発熱反応を実質的に停止させて温度を降下させ、低温火傷が発生しないように制限する必要がある。

0042

しかしながら、従来の袋体の通気性ないし透湿(度)量で通気性を制御する方法では、前記のように温度、湿度などの環境条件や、袋体の透湿(度)量や発熱体組成物のバラツキが相乗的に作用して、発熱温度が低温火傷が発生する温度になることがあるのである。

0043

このため、採暖や温罨法に用いられる発熱体及び貼付剤の分野では、貼付剤の使用に際して例えば頭部への貼付を避けるように指示したり、直接肌に貼付することを避けるように指示したり、就寝中の発熱体や貼付剤の使用を避けるように指示したりすることが製造者責任医師等の療養看護責任を回避するために不可欠になっている。

0044

そこで、本発明は、前記技術的課題に鑑み完成されたものであって、発熱温度を確実に所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、発熱反応を実質的に停止させ、低温火傷の発生を確実に防止できるようにした発熱体及び貼付剤を提供することを目的とする。

0045

ところで、従来の室内用芳香剤において、冷所でも適量の芳香を有する香料を放散させるためには、香料又は香料を担持する揮発性物質の揮発性を高めるか、液体、ゲル、樹脂、昇華性物質などに含有ないし担持させる香料の量を多くする方法が挙げられるが、これらの方法では気温が上昇した時に揮散する香料の量が過大になり、不快感を感じる上、香料が短期間に消耗するという問題がある。

0046

香料として誘引物質や忌避物質を用いる場合にも同様の問題が生じる。

0047

そこで、室温では蒸散しない香料を用い、必要時に加熱して香料を蒸散させることが望ましい。この場合、電源を用いる必要が無く、空気の存在下で発熱する発熱体を用いることが好ましいが、更に、香料の有効利用や過熱による弊害を防止して長時間の使用を可能にすることが一層望ましい。

0048

本発明は、前記技術的課題に鑑み完成されたものであり、本発明の発熱体組成物の発熱温度制御方法及び発熱体組成物を利用して、香料ないし芳香剤を加熱することにより、必要時に、しかも冷所でも香料を放散することができるのであり、又、確実に発熱体組成物の発熱温度を所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、発熱反応を実質的に停止させて、高温時の香料の過剰放散を防止できるようにした香料放散装置を提供することを目的としている。

0049

更に、従来の電気ヒータで殺虫剤を加熱して放散させる殺虫剤放散装置は、電源設備がないところでは全く使用できない上、夏期などの高温時には電気ヒータの発熱温度が高くなり過ぎ、殺虫剤が過剰に放散されて不快感を感じると共に、殺虫剤が短期間内に消耗するという問題がある。又、種々の細菌や微生物を撲滅するための殺菌剤の放散についても殺虫剤と同様の問題がある。

0050

そこで、本発明は、前記技術的課題に鑑み完成されたものであり、本発明の発熱体組成物の制御方法及び発熱体組成物を、殺虫剤放散装置又は殺菌剤放散装置に適用することにより電源設備のないところでも殺虫剤又は殺菌剤を加熱して放散させることができるのであり、しかも、殺虫剤又は殺菌剤を加熱する熱源の発熱温度を確実に所定値以下に制限したり、発熱温度が所定値を超えると、発熱反応を実質的に停止させて、高温時の殺虫剤又は殺菌剤の放散量を制限して、過剰放散による不快感及び放散持続時間の短縮を防止できるようにした殺虫剤放散装置又は殺菌剤放散装置を提供することを目的するものである。

課題を解決するための手段

0051

本発明に係る発熱体の発熱反応制御方法(以下、本発明方法という。)は、前記の目的を達成するために、少なくとも一部が通気性を有する容器に封入され、且つ空気の存在によって発熱する発熱体組成物には、発熱温度が所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出してゲル化する吸水剤を配合し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させることを特徴とするものであり、以下、本発明方法を更に詳細に説明する。

0052

即ち、本発明方法は、容器として、透湿度が納品規格以外の通気性フィルムで形成されたものが混入したり、或いは発熱体組成物の組成がばらついたり、更に、外気の温度や湿度等の環境が異なっても、例えば低温火傷や容器の軟化による変形、悪臭の発生等、の弊害を確実に防止できるようにしたものである。

0053

本発明方法に用いられる容器は、少なくとも一部が通気性を有し、しかも後述する発熱体組成物を封入できる構造であればよく、その形状は特に限定されるものではないが、具体的には、例えばびん状、缶状、袋体状など種々の形状に形成したものが用いられる。

0054

この容器の形状としては、特に、採暖、温罨法などに用いる場合には、人体などの生体の表面の複雑な曲面にできるだけ広く接触させることが好ましいので、表裏2面のフィルムないしシートからなる偏平な袋体に形成されることが推奨されるのであり、更に、柔軟な素材、例えば合成樹脂製フィルム、織布、不織布、これの中の2種以上を積層した積層フィルム、或いはこれの中の2種以上を重ね合わせた重層構造物のものなどを用いることが好ましく、これらの素材のうちでも伸縮性を有する素材で形成されることが最も好ましい。

0055

この袋体は、発熱体組成物を投入あるいは挟入してから開放部をシールすることにより密封したものであればよい。シールの形式としては、側面シール形、2方シール形、三方シール形、封筒形、中央合掌シール形などを採用すればよい。

0056

又、袋のシール方法としてはヒートシールが多用されるが、表裏両面のフィルムあるいはシートが互いにヒートシールできない素材で作られる場合には、両面の樹脂製フィルムの間にホットメルト系接着剤などの接着剤、或いは、ホットメルト系接着フィルムを介在させて接着させることができる。

0057

前記容器に通気性(透湿性)を与える方法は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えばびん状の容器、缶状の容器などの場合は単に口を開けたり、口を覆う蓋に通気孔を形成したり、口を通気性フィルムで覆ったりする方法の他に、びん、缶などを通気性合成樹脂で形成することも挙げられる。

0058

又、袋体の場合には、任意の一面又は複数面の一部を通気性フィルム、織布、不織布、これの中の2種以上を積層した積層フィルム或いはこれの中の2種以上を重ね合わせた重層構造物で構成することも可能であるが、透湿度の管理を厳格化及び製造コストの低減を図るという観点から、任意の一面又は複数面の全体を通気性フィルム、織布、不織布、これの中の2種以上を積層した積層フィルム或いはこれの中の2種以上を重ね合わせた重層構造物で構成することが推奨される。

0059

即ち、表裏2面の面を持つ偏平な袋体の場合には、片面又は両面を通気性フィルム、織布、不織布、これの中の2種以上を積層した積層フィルム或いはこれの中の2種以上を重ね合わせた重層構造物で構成することが推奨される。

0060

袋体の片面又は両面に通気性(透湿性)を与える方法としては、その面を構成する気密性フィルムに例えばパンチングなどによって多数の微小孔を形成したりすることも挙げられるが、容器の製造工程を簡単にするため、袋体の片面又は両面に、例えば延伸により無数の微細な通気孔を形成した合成樹脂製フィルム、織布、不織布或いはこれらの中の2種以上を積層した積層フィルムを用いることが好ましい。

0061

ここで使用される通気性合成樹脂製フィルム、織布、或いは不織布の素材は特に限定されるものではなく、従来から発熱体組成物を封入する袋体の素材として使用されている公知のものを用いればよい。

0062

具体的には、例えばポリエチレンポリプロピレンポリアミドポリエステルポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデンポリウレタンポリスチレンエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体天然ゴム再生ゴム合成ゴムなどで形成された通気性フィルムがその例として挙げられる。又、織布或いは不織布の場合には更に綿、羊毛牛毛豚毛などの植物性又は動物性天然繊維を用いたり、これらの天然繊維の中の2種以上又はこれら天然繊維と合成繊維とを混用したりすることができる。

0063

容器の通気性(透湿性)は上述したように発熱温度の制御に大きな影響を与えているので管理できることが必要であり、例えば、びん状の容器の場合であれば、容器の口を所定の開口面積に開口させたり、容器の口に開口を設けた二重蓋を設け、外蓋の回転あるいは緩締状態によって開口面積を制御できるようにしたり、開口率及び開口のアパーチャ比(開口面積と開口の経路長との比)を管理された蓋で開口を覆ったりすることが必要であり、缶状の容器の場合も同様である。

0064

人体に適用する発熱体の場合、通気性フィルムはその透湿度が発熱体の発熱温度及び発熱時間の制御に影響を与えるのであり、従来は、特に、発熱体の温度制御を厳格にして、効果的な温熱効果を得ると同時に低温火傷を防止して安全性を確保するために、透湿度で通気性フィルムの通気性を管理するのが望ましい。

0065

通気性フィルムの透湿量は、具体的には、用途にもよるが、一般に、ASTM法(E−96−80D法)で50〜2500g/m2・24hrの範囲内にすべきである。又、この袋体の強度を増大させるために、通気面の通気性フィルム、織布、或いは不織布に更に通気性フィルム、織布、或いは不織布を積層あるいは重ね合わせることができる。但し、この場合にも、温熱効果ないし温刺激効果と安全性とを両立させるために、この通気面の透湿量はASTM法(E−96−80D法)で50〜2500g/m2・24hrの範囲内にすべきである。

0066

通気性フィルムの透湿量が、50g/m2・24hr未満では発熱量が少なくなり、十分な温熱効果が得られないので好ましくなく、一方、2500g/m2・24hrを超えると所定の温度を超えて種々の弊害を発生するから好ましくない。

0067

ところで、従来、通気性フィルムとしては、通気面の透湿量がASTM法(E−96−80D法)で特定され、しかもそのバラツキ幅が基準値(プラスマイナス)5〜10%、最大でも基準値(プラスマイナス)20〜35%程度と厳格に管理する必要があったが、本発明によって、さ程厳格に管理する必要がなく、通気性フィルムの歩留りを良好にしてコストを廉価にできるうえ、歩留りが至極向上するのである。

0068

前記偏平な袋体の片面のみを通気面とする場合、他面には気密性を有するフィルムやシートを用いた気密面とされる。この気密性フィルムないしシートの素材としては、具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴムなどが挙げられる。

0069

又、この袋体の強度を増大させるために、気密面の気密性フィルムないしシートに別の通気性フィルム、織布、不織布、気密性フィルム或いは気密性シートを積層又は重ね合わせることができる。気密面の気密性フィルムないしシートに積層又は重ね合わされる通気性フィルム、織布、不織布の素材については上述した通気面の通気性フィルム、織布、不織布の素材の説明と同様であり、気密面の気密性フィルムないしシートに積層又は重ね合わされる気密性フィルムの素材は前述した気密面の気密性フィルムないしシートと同様である。

0070

本発明方法に用いる発熱体組成物は、空気中の酸素と接触して、金属酸化反応を惹起し、且つ所定の温度を超えると吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させる吸水剤を必須成分とするものであればよく、具体的には、金属粉、金属の塩化物、水及び所定の温度を超えると吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させる吸水剤を必須成分とするものが挙げられる。

0071

ここで用いる金属粉は、特に限定されず、鉄粉、銅粉アルミニウム粉マグネシウム粉などがその例として挙げられるが、至極安全で、しかも価格的に安価であり、比較的豊富に得られ、且つ実用に適した反応速度が得られる鉄粉を用いることが推奨される。

0072

又、ここで用いる金属の塩化物も特に限定されるものではなく、使用される金属粉の酸化反応を促進或いは抑制する触媒作用を有するものであればよく、例えば鉄粉を使用する場合には塩化ナトリウム、塩化カリウムなど鉄粉の酸化反応を促進する触媒作用を有するものをその例として挙げることができる。

0073

発熱反応助剤は、発熱反応を促進する作用を有するものであればよく、例えばカーボンブラック、活性炭などの炭素成分をその例として挙げることができる。

0074

前記吸水剤は、所定の温度を超えると吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させるものであり、この吸水剤を発熱体組成物に配合することにより、発熱体組成物の発熱温度がある温度を超えると、吸水剤が吸着水分を放出して金属粉周辺にバリヤー層を形成する結果、発熱反応を実質的に停止するものをいう。従って、発熱温度の上昇が次第に鈍化し、やがて停止した後降下しはじめることになり、最高発熱温度を所定の温度以下に制限したり、所定の温度以上の発熱持続時間を所定の時間内に制限したりできるようになるのである。

0075

ここで、発熱反応が実質的に停止するとは、反応速度が低下し、発熱反応によって発生する熱量が、放熱量より小さくなって徐々に温度が降下することを言う。

0076

本発明に用いる吸水剤としては、所定の温度を超えると、吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させるものであれば、特に限定されるものではない。

0077

即ち、吸水剤として、発熱温度が所定の温度を超えるものは、温度上昇時に、吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させ、その結果、ゲルが金属粉周辺の遊離水分を吸収して液状化し、再度、発熱した場合、再び発熱温度が所定の温度を超えて種々の弊害が発生する恐れがある。

0078

そこで、本発明方法では、発熱反応によって、発熱温度が所定の温度を超えるものは、その温度以上になると、吸着水分を放出して金属粉周辺にバリヤー層を形成する結果、金属粉と空気の接触を減少させて発熱反応を実質的に停止するものである。

0079

本発明方法では、発熱温度が所定値を超え、吸水剤の水分放出に基づく発熱反応を抑制するにあたり、発熱反応によって発生する発熱量を周囲への放熱量以下に制限して、発熱温度が再び所定の温度以上に昇温することを防止することが好ましい。

0080

発熱温度が所定値を超え、吸水剤の吸着水分放出に基づき発熱温度が低下した場合、その後の金属粉周辺の水分の状態によって、再度の発熱反応によって温度上昇が起きると、発熱反応の再活性化により、発熱温度が最初と同じように急速に上昇したり、徐々に上昇して、再度安全温度を超えるような発熱をする恐れがある。

0081

即ち、本発明方法は、容器として、透湿度が納品規格以外の通気性フィルムで形成されたものが混入したり、或いは発熱体組成物の組成がばらついたり、更に、外気の温度や湿度などの環境が異なる等、予想外出来事によって、所定の温度を超える場合、この所定の温度が複数回にわたって超えると、例えば低温火傷や容器の軟化による変形更に火災等が発生する恐れが極めて高くなったり、香料或いは殺虫剤又は殺菌剤が異常に蒸散して悪臭が発生する結果、不快感を感じるなどの弊害が発生する。

0082

本発明方法は、このような弊害を確実に防止できるようにしたものである。

0083

この吸水剤としては、温度が所定値を超えると、吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止するものであればよく、例えば水溶性セルロースエーテルなどをその例として挙げることができる。

0084

この水溶性セルロースエーテルの中では、単独或いは2種以上の混合物が、吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止するものであればよいが、発熱反応の実質的な停止に基づき温度が降下してゲルが液状化し、再度温度上昇が起きる恐れが有る場合には、後述するゲル安定剤を混合してゲルの液状化を防止するのが望ましい。

0085

この水溶性セルロースエーテルとしては、例えばセルローズメトキシル基エーテル化したメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズSM15、メトローズSM25、メトローズSM400、メトローズSM4000など)、セルローズをヒドロキシプロポキシル基でエーテル化したヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、メトローズ60SH−4000、メトローズ90SH−4000、メトローズ90SH−30000、メトローズ90SH−100000など)、セルローズをヒドロキシエトキシル基でエーテル化したヒドロキシエチルメチルセルロースなどの水溶性セルロースエーテル(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズ60SH−50、メトローズ60SH−4000、メトローズ90SH−4000、メトローズ90SH−30000、メトローズ90SH−100000など)などをその例として挙げることができ、もちろん、これらの中の2種類以上を混用してもよいのである。

0086

例えばこの水溶性セルロースエーテルの水溶液を加熱すると、ある温度(増粘開始温度)までは粘度が低下するが、更にこの温度以上に加熱すると、水溶性セルロースエーテルが吸着水分を放出して、粘度が高まってゲル化する(以下、この現象熱ゲル化現象と呼ぶ。)。

0087

つまり、水溶性セルロースエーテルは、加熱されると、吸着水分を放出しながらゲルになるという性質を有しており、換言すれば、高温になると、吸着水分を放出してゲル化するという性質を備えているのである。

0088

この場合、水溶性セルロースエーテルに、後述するように増粘開始温度の調整剤を添加したり、或いは発熱温度が所定の温度を超えた場合、温度上昇時に吸着水分を放出し、発熱反応を抑制して降温した時にも水分の吸着を抑制して、発熱反応を実質的に停止するゲル安定剤を添加しても良いのである。

0089

従って、この吸水剤を発熱体組成物に配合することにより、発熱温度が増粘開始温度以上に上昇すれば、吸水剤が吸着水分を放出して金属粉と空気との接触を抑制し、その結果、発熱反応が実質的に停止されるのである。

0090

発熱反応が実質的に停止する温度は、吸水剤が吸着水分を放出し始める温度と、発熱体組成物の発熱量のバランスによって設定することができる。

0091

例えば前記水溶性セルロースエーテルの吸着水分を放出し始める温度は増粘開始温度であると解されるのであり、この増粘開始温度は、エーテル化剤の種類、置換率セルロース分子量、溶液として添加する場合にはその濃度、他の添加物(増粘開始温度の調整剤及び/又はゲル安定剤)を添加した場合にはその添加量(濃度)、昇温速度の影響を受ける。従って、吸水剤として水溶性セルロースエーテルを用いる場合には、エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、溶液の濃度、他の添加物の添加量(濃度)などを適宜選択したり、発熱体組成物の組成、使用量などを適宜選択して昇温速度を一定以下に制限したりすることにより、増粘開始温度を任意に設定することができる。

0092

ここで、水溶性セルロースエーテルのエーテル化剤としては、具体的には、例えば塩化メチル酸化プロピレン或いは酸化エチレン等をその例として挙げることができる。

0093

又、吸水剤の増粘開始温度の調整剤としては、配合することによって増粘開始温度を変化させるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えばFeCl3、MgCl2又は塩化ナトリウム等の金属の塩化物、水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウム等の金属の水酸化物、Na2CO3・10H2OやAl2(SO4)3・18H2O等の金属の炭酸塩硫酸塩等の他にグルコースグリセリンエタノール又はポリエチレングリコールなどの有機化合物がその例として挙げることができる。

0094

又、ゲル安定剤としては、発熱温度が所定の温度を超ると、吸水剤が吸着水分を放出してゲル化すると、この温度近傍でゲル中の官能基架橋して温度が低下しても液状化、つまりこのゲルが周囲の遊離水分を吸着するのを抑制する物質であれば特に限定されるものではなく、このゲル安定剤を配合することによって、温度が低下しても液状化を抑制する結果、発熱反応を実質的に停止できるのである。

0095

具体的には、例えば塩化アルミニウム多価イソシアネートポリイソシアネート化合物有機過酸化物有機金属塩金属キレート化合物多官能性化合物等の架橋性物質が挙げられるのであり、これらのうち、所定の温度で化学的架橋を発生する物質が選択、使用される。

0096

前記の増粘開始温度の調整剤又はゲル安定剤の配合割合としては、所要の増粘開始温度が確保される範囲、又は設定温度以上の高温時において、吸水剤が吸着水分を放出してゲル化し、このゲルの安定化が確保される範囲、であれば特に限定されるものではないが、具体的には、用いられる増粘開始温度の調整剤又はゲル安定剤によっても異なるが、一般に、吸水剤100重量部に対し、増粘開始温度の調整剤又はゲル安定剤が0.01〜1000重量部の範囲、好ましくは0.1〜500重量部の範囲、特に好ましくは0.5〜300重量部の範囲とするのが望ましく、吸水剤100重量部に対し、増粘開始温度の調整剤又はゲル安定剤が0.01重量部未満では所要の効果が得られない恐れがあり、一方、吸水剤100重量部に対し、増粘開始温度の調整剤又はゲル安定剤が1000重量部を超えると、意味がないだけでなく、発熱体組成物全体の組成に影響を与え、所要の発熱時間が得られない恐れがあり、従って、いずれの場合も好ましくない。

0097

具体的には、例えば前記水溶性メチルセルロース(吸水剤、信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズSM4000)の2重量%水溶液では、添加物がない場合には増粘開始温度は55℃であり、採暖、温罨法などに用いた場合に低温火傷を生じるおそれがあるが、塩化ナトリウム或いはNa2CO3・10H2Oを5重量%添加した場合などには増粘開始温度は40℃となり、低温火傷が発生する恐れを無くすることができる。

0098

又、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(吸水剤、60SH−4000、2重量%水溶液)の増粘開始温度は無添加物の場合には75℃であるにも拘わらず、Al2(SO4)3・18H2Oを5重量%添加した場合には50℃となり、発熱体組成物中の遊離水分を吸水剤に吸収させ、発熱反応を抑制することができる。

0099

更に、複数種類の水溶性セルロースエーテルを併用する場合には、その配合比を適宜選択することにより、増粘開始後の粘度上昇速度、温度上昇率、最高発熱温度などを制御することができるので、最高発熱温度を所定の温度以下に制限したり、所定の温度以上の発熱持続時間を所定の時間内に制限したりすることができる。

0100

ところで、前記水溶性セルロースエーテルの場合、ゲル化した後に降温すると、ゲルが周囲の遊離水分を吸収して液状化するのを制御する。この降温時の吸着開始温度及び単位時間放水量はエーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量などに依存して変化するので、これらエーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量などを適宜選択することにより最高発熱温度から任意の単位時間吸着量で吸着させることができる結果、容易に吸着開始温度と単位時間吸着量を制御して所定の温度以上での発熱量を周囲への放熱量よりも小さく制限することかできる。

0101

この場合、ゲル安定剤を配合し、発熱温度が所定の温度を超え、吸水剤が吸着水分を放出してゲル化したとき、この温度近傍でゲル中の官能基と架橋して温度が低下しても液状化、つまりゲルが周囲の遊離水分を吸着するのを抑制するように構成してもよいのである。

0102

なお、前記水溶性セルロースエーテルは特殊な有機溶媒にも溶解し、一般的には単独溶剤より例えばメタノール塩化メチレンとの混合溶剤などの混合溶剤の方に良く溶ける。これらの他には、メタノール(あるいはエタノール)とクロロホルム四塩化炭素ジクロロエタントリクロロエタン等の塩化物との混合溶剤、メタノールとエチレンブロマイド混合溶液ジメチルホルムアミド酢酸ベンジルアルコール、エチレンクロルヒドリンピリジン蟻酸酪酸アニリンなどに可溶である。

0103

そして、これらに溶解しても、所定の高温以上になれば吸着水分を放出して、温度を低下させるという性質は全く変わらないのであり、これらの有機溶剤を併用することも妨げない。これらの有機溶剤に溶解した場合、特に混合溶剤の場合には溶剤の混合割合により粘度を変化させて、製造の容易化ないし高速化を図ることが可能である。

0104

本発明方法において、発熱体組成物に更に保水剤を配合し、保水剤に吸収させた水分を徐々に遊離させることが可能であり、この場合には、吸水剤の吸水により発熱反応を保水剤から徐々に遊離される水分によって一定レベル以上に活性化することができる結果、要求される最低発熱温度を保持させることができると共に、発熱持続時間を長くし、発熱体組成物の利用率を高めることができる。

0105

この保水剤としては、無機質保水剤及び/又は有機質保水剤が挙げられるが、特に、有機質保水剤或いは有機質保水剤と無機質保水剤の混合物が保水性が高く、発熱体組成物のベトツキが無くなって取り扱い性が良いので望ましい。

0106

即ち、発熱体組成物に水分を保持する水溶性セルロースエーテル以外の吸水性ポリマーからなる保水剤を配合し、この保水剤に吸収させた水分を徐々に遊離させるのが望ましい。

0107

前記無機質保水剤としては、例えばパーライト、活性炭等の炭素成分、クリストバライトバーミキュライトシリカ多孔質物質ケイ酸カルシウムシリカ粉等が挙げられる。

0108

前記有機質保水剤としては、有機質で、水分を吸収し、保持するものであれば特に限定されるものではないが、体積及び重量をできるだけ小さくするために、自重の10倍以上、特に50倍以上の水分を吸収する吸水性ポリマーを用いることが推奨されるのであり、特に、架橋結合を導入して水に対する溶解性を制御した吸水性ポリマーが望ましい。

0109

具体的には、特公昭49−43395号公報に開示されている澱粉ポリアクリルニトリル共重合体、特公昭51−399672号公報に開示されている架橋ポリアルキレンオキシド、特公昭53−13495号公報に開示れているビニルエステルエチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、特公昭54−30710号公報に開示されている逆相懸濁重合法によんで得られる自己架橋ポリアクリル酸塩、特開昭54−20093号公報に開示されているポリビニルアルコール系重合体環状無水物との反応生成物、特開昭59−84305号公報に開示されているポリアクリル酸塩架橋物ボリアクリルソーダCMCポリビニルアルコールポリビニルピロリドンアラビアゴムヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ソーダペクチンカルボキシビニルポリマーゼラチン、ボリエチレンオキサイドなどから選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられる。

0110

この吸水性ポリマーの市販品の例としては、例えば三洋化成社製のサンウェットIM−300、サンウェットIM−300MPS、サンウェットIM−1000又はサンウェットIM−1000MPS等、製鉄化学社製のアクアキープ4Sやアクアキープ4SH等、住友化学社製のスミカゲルNP−1020、スミカゲルNP−1040、スミカゲルSP−520及びスミカゲルN−1040等、クラレ社製KIゲル201−KやKIゲル201K−F2等、荒川化学社製のアラソープ800、アラソープ800F等が挙げられるのであり、これらのうち、吸水性が高く、加温による粘度低下が少ないなどの理由により、三洋化成社製のサンウェットIM−300MPSやサンウェットIM−1000MPS、住友化学社製のスミカゲルNP−1020やスミカゲルNP−1040、クラレ社製のKIゲル201K−F2、荒川化学社製のアラソープ800Fなどが特に好ましい。

0111

本発明方法に使用する発熱体組成物の各成分の配合比は、用途に応じて適宜設計すればよく、例えば、採暖、温罨法などに用いる発熱体用や貼布剤用の発熱体組成物の場合には、発熱温度を37〜43℃にして温熱効果ないし治療効果と安全性とを両立させるために、例えば鉄粉25〜75重量%、金属の塩化物1〜10重量%、活性炭やカーボンブラック等の炭素成分1〜15重量%、水分10〜55重量%、吸水剤0.5〜35重量%とすることが好ましく、必要に応じて添加される1〜20重量%の保水剤が配合される。

0112

加えて、本発明方法においては、香料が容器内に封入され、又は容器中に配合され、若しくは容器外に担持させることができるのであり、これにより、比較的低温においても発熱体組成物の発熱によって香料又はその担持体を加熱して十分に香料を放散させることができるのであり、しかも、環境温度あるいは発熱体組成物の発熱温度が所定値以上になると発熱体組成物の発熱反応を実質的に停止させて、最高発熱温度を制限したり、所定の発熱温度以上の発熱持続時間を制限したりして、香料が過剰に放散されることを防止することができるようになる。

0113

ここで使用される香料とは、一般に香り(匂い)を与える物質として用いられるものを言い、特に環境用香料、誘引物質及び忌避物質が重視される。

0114

この香料としては、天然香料合成香料及びこれらの中の2種以上を調合した合成香料が含まれる。又、天然香料の中には原料植物界から得られる植物性香料と動物界から得られる動物性香料とが含まれる。

0115

植物性香料のうち、植物の各器官から得られる揮発性の油は精油と呼ばれ、これが最も代表的な香料である。主な精油としては、アニス油アビエス油(針葉油)、アヨワン油、イランイラン油イリス油(オリス油)、オークモス、オコチャ油(ブラリアサッサフラス油オポパナックス油オレンジ油カシア油、カナンガ油キャラウェー油、クローブ油(丁子油)、コリアンダー油、サッサフラス油、シトロネラ油ショウノウ油シンナモン油、シンナモン葉油、ジャスミン花精油、ジンジャグラス油、スペアミント油スターアニス油(大ウイキョウ油)、セダー油ゼラニウム油チュベロース油(月下香油)、テレピン油ミカン油、ナツメグ油ニクズク油)、ネロリ油パチュリー油パルマローザ油ヒバ油ビャクダン油フェンネル油、プチグレン油ベイ油、ベチパー油、ペッパー油(はっか油)、ペパーミント油ベルガモット油、芳ショウ葉油、ボアドロース油、ユーカリ油ライム油ラベンダー油、リナエロ油、レモン油レモングラス油ローズ油ローズマリー油などが挙げられる。

0116

動物性香料の主なものとしては、いわゆる、室内用芳香剤に使用されるじゃ(麝)香、びょう)香、竜ぜん(涎)香、海り(狸)香などの他、各種昆虫または動物の性フェロモン集合フェロモンなどの誘引物質、各種昆虫または動物の警報フェロモンなどの忌避物質をその例として挙げることができる。

0117

なお、誘引物質としては、植物性香料であるアンゲリカ油、シトロネラ油、カラシ油などの精油やクワ生葉アカマツ樹皮衰弱した樹木心材、アカマツ、ツガ、イネなどの植物をその例に加えることができる。

0118

又、忌避物質としては、ローズゼラニウム油、サンダルウッド油、ペッパー油(はっか油)などの植物性香料をその例として挙げることができる。

0119

合成香料の種類は非常に多く、しかも、その数が次第に増えてきているが、室内用芳香剤に使用される代表的なものとしては、ゲラニオールネロールリナロール、それらのエステルシトラールなどのテルペン系合成香料;ベンジルアルコール及びそのエステル、フェネチルアルコールベンズアルデヒドフェニルアセトアルデヒドシンナムアルデヒド、α−n−ペンチルシンナムアルデヒド、α−n−ヘキルシンナムアルデヒド、シクラメンアルデヒド、リリアール(商品名)、アニスアルデヒドオーベピン)、ヘリオトロピンピペロナール)、バニリンサリチル酸メチルサリチル酸イソベンチル、サリチル酸ベンジルアントラニル酸メチル、N−メチルアントラニル酸メチルクマリンニトロベンゼン系ムスクインダン系及びテトラリン系ムスク、ラズベリーケトンなどの芳香族系合成香料;アルコール及びエステル、アルデヒド及びケトンアセタール及びケタールラクトン大環状ケトン大環状ラクトンシクロヘキサン系などの脂肪族系合成香料の他、精油微量成分として、3−ヘキセノール青葉アルコール)、2,4−ノナジエナール(cis-キュウリアルデヒド,trans-薫葉アルデヒド)、2−ヘキセナール青葉アルデヒド1−オクテン−3−オールマツタケアルコール)などの脂肪族不飽和化合物ラバンジュロール、ラバンジュロールエステル類などのラベンダー油特有成分;ローズオキシドフラノイド型あるいはピラノイド型のリナロールオキシドなどのテルペン系オキシド類;cis-ジャスモンジャスモン酸メチルインドールジャスミンラクトン、ジヒドロジャスモン酸メチルなどのジャスミン花精油成分及び類似化合物;α−ダマスコン、β−ダマスコン、β−ダマセノンなどのローズ油精油成分;α−イロン、β−イロン、γ−イロンなどのイリス油特有成分;α−サンタロール、β−サンタロールなどのビャクダン白檀)油特有成分;ヌートカトンなどのグレープフルーツ油精油成分;メチルアトレートなどのオークモス特有成分など、又、天然フレーバー特有成分としてシクロテン、マルトールピラジン類アセチルピロールフルフリルメルカプタン、2−イソブチルチアゾールなどを例として挙げることができる。

0120

誘引物質として利用される合成香料(合成誘引剤)としては、2−メチル−4−シクロヘキセンカルボン酸tert-ブチル(Siglure) 、4(又は5)−クロル−2−メチル−シクロヘキサンカルボン酸tert- ブチル(Trimedlure)、メチルイソオイゲノールベトロール酸、メチルオイゲノール、2−アリルオキシ−3−エトキシベンズアルデヒド、4−(p−アセトキシフェニル)−2−ブタノン(Cue-lure)、4−(p−ヒドロキシフェニル)−2−ブタノン(ラズベリーケトン)、アニシルアセトンアンスラニル酸メチルプロピオン酸フェネチルと酪酸フェネチルとオイゲノールとゲラニオールとの混合物、ゲラニオール、アネトールファルネソール、ゲラニオールとアネトールとの混合物、アネトールとオイゲノールとの混合物、α,β−ヨノン、γ−(4−ペンテニル)−γ−ブチロラクトン、δ−ノニルラクトン、バニリン、マルトール、エチルマルトールなどをその例として挙げることができる。

0121

更に、忌避物質として利用される合成香料(忌避剤)としては、シンナミックアルデヒド、γ−ノニルラクトン、メントール、シトラール、シンナミックアルコール、メチルオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、ギ酸ネリル、アネトールなどをその例として挙げることができる。

0122

本発明方法において、前記香料は容器内に封入され、又は容器中に配合され、若しくは容器外に担持される。

0123

香料を容器内に封入する方法としては、香料を直接に発熱体組成物に配合したり、液体、ゲルあるいは固体に担持させて発熱体組成物に配合したり、発熱体組成物とは分離して容器内に直接、あるいは液体、ゲルあるいは固体に担持させて封入する方法とが挙げられる。

0124

香料を液体に担持させたものは、液状タイプ芳香剤と呼ばれ、その液体の種類によって水ベースの香料又は油ベースの香料と呼ばれる。液状タイプ芳香剤には室温で揮散する香料が多用され、容器の口の部分に挿入したフェルト濾紙などの揮散体に液を吸い上げ、揮散体と容器の口の開閉調節とにより揮散速度を調節している。

0125

香料をゲルに含ませたものは、ゲルタイプ芳香剤と呼ばれ、大半は基材中の約80%以上を水が占める水ゲルタイプのものであり、他にジベンジリデンソルビトールを使用して油をゲル化させる油ゲルタイプの芳香剤がある。

0126

水ゲルタイプのものはパラ剤のような刺激臭がなく、水がキャリアーとなって香料が一様、かつ、同時に揮散し易くなるので、かなりデリケートな香りも使用できる。水ゲルタイプのゲル化剤としては、カラギーナンが最も一般的であるが、カラギーナン、ローカストビーンガム、塩化カリウム、CMCの組合せ、銅カラギーナンとイオターカラギーナンとの組合せなどが基本的なものであり、香気持続性とゲルの安定性を改良したものにカラギーナン、寒天、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、シドロキシブロピルセルロースグアーガムアラビアガムの組合せ、カラギーナンと界面活性剤との組合せなどがある。又、油ゲルタイプの芳香剤は高濃度に香料を含有させることができる。

0127

ゲルタイプ芳香剤に望ましい香調としては、ジャスミン、ローズ、モクセイ、ムゲット、ガーデニア、スミレラベンダーライラックなどの花香調と果実新鮮柑橘系調子を加味したもの、柑橘系でレモン中心のさわやかなもの、新鮮さを強調しない青草ないしミント調の自然の清々しさを想起させるものなどが挙げられる。

0128

香料を担持する固体としては、例えばセラミックスなどの多孔質粉粒体マイクロカプセル、紙、織布、不織布など昇華性のない物質を用いてもよいが、香料の放散性を高める上では、昇華性を有する物質(昇華性物質)を併用することが推奨される。

0129

この昇華性物質に香料を担持させたものは昇華性芳香剤と呼ばれており、昇華性物質としてはパラジクロルベンゼン(パラ剤)が多用されている。しかし、このパラ剤には独特の刺激臭があり、この臭気カバーするために多量の付香が必要になり、場合によってはに着くほど強力な香気が放散されるという問題がある。そこで、このような問題を解消し、快適性を高められるようにするために、香料を担持する昇華性物質として、無臭に近いアダマンタンや無臭のイソプロプルトリオキサンを用い、穏やかな香気を醸しだすことが推奨される。

0130

本発明方法において、香料を容器中に配合する場合、容器を合成樹脂で形成することができ、この場合には、例えばいわゆるプラスチックタイプ芳香剤と同様に、ガス透過性のよい熱可塑性樹脂を選び、香料を可塑剤、安定剤、多孔質粉体ブレンドしてプラスチックに混合して、例えば射出成型ブロー成型など種々の成型方法によって任意の外観形状に形成することができるのであり、インテリア的装飾品に兼用させることができる。

0131

ただし、成型工程で熱がかかるため、低沸点のすっきりした感じの香りの香料を配合することは困難である。使用される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、軟質塩化ビニルなどが選ばれることが多いが、香料の持続性と安定性を改善するために塩素化ポリエチレンスチレン及びアクリルニトリルコーポリマーが用いられる。

0132

香料を配合する容器としては、前記の合成樹脂容器の他に固形パラフィンワックス主剤とするものが解されるのであり、この場合、香料は主剤に溶解することにより配合される。但し、パラフィンと親和性の悪いアルコール系及び天然香料の一部分については固化を均一にするために界面活性剤を使用することがある。この容器も外観を種々に造形することができるので、インテリア的装飾品として用いられることが多い。

0133

香料を容器外に担持させる方法としては、容器の表面に香料を収着ないし含浸させたり、容器の表面に香料を含むインキ、塗料などで塗装したり、容器の表面に香料を含ませた紙を貼り付けたりするなど種々の方法が挙げられるのであり、又、容器に封入した発熱体組成物、即ち、発熱体と共に別の少なくとも一部分が通気性を有する容器に収納したりすることも可能である。

0134

更に、本発明方法においては、殺虫剤又は殺菌剤を容器内に封入し、又は容器中に配合し、若しくは容器外に担持させることができる結果、比較的低温の環境で発熱体組成物を発熱させて殺虫剤又は殺菌剤もしくはその担持体を加熱し、十分に殺虫剤又は殺菌剤を放散させることができると共に、環境温度あるいは発熱体組成物の発熱温度が所定値以上に上昇する時に発熱体組成物の発熱反応を実質的に停止させて、最高発熱温度を制限したり、所定値以上の高温の発熱持続時間を所定時間内に制限したりして、過剰に殺虫剤又は殺菌剤が放散されることを防止できる。

0135

殺虫剤としては、一般に殺虫剤として使用されているものを使用すればよく、特に、人畜に対する毒性が少なく、殺虫力が強く、特に昆虫に対する即効性優秀なものを用いることが好ましい。

0136

一般に殺虫剤は、天然物系殺虫剤、有機リン系殺虫剤カルバメート系殺虫剤、有機塩素系殺虫剤、殺ダニ剤、その他の殺虫剤に分類されており、天然物系殺虫剤には、ピレトリン類、ロテノン類、アルカロイド及びネライストキシンが含まれる。

0137

ピレトリン類としては、ピレトリンI、ピレトリンII、シネリンI、シネリンII、ジャスモリンI、ジャスモリンIIの6成分を含んでいる天然ピレトリンの他に、アレスリンフタルスリンレスメトリンフラメトリンなどの合成ピレストロイドをその例として挙げることができ、ロテノン類としては、ロテノン、スマトロール、トキシカロール、マラコール、デグエリン、エリプトンなどをその例として挙げることができる。又、アルカロイドとしては、ニコチン、ノレニコチン、アナパシンなどをその例として挙げることができる。

0138

有機リン系殺虫剤は5価のリン原子を化合物の中心に持っており、チオホスファート型、ジチオホスファートのトリエステル型、ホスホノチオアート型ホスホナートジエステル型などがその主流を占めているが、この他にホスホロジチオエート型も用いられる。代表的な有機リン酸系殺虫剤としては、テップパラチオンマラチオンダイアジノントリクロルフォンフェニトロチオン、ジメトエール、ジスルホトンなどの他、アセフェートクロルピリホス、サリチオン、ジクロルボス、ダイアジノン、トリクロルフォン、フェンチオンフェントエートメチダチオン、EPN、メチルパラチオンなどを挙げることができる。

0139

又、カルバメート系殺虫剤としては、MIPC、MTMC、MPMC、カリバリール(NAC)、BPMC、プロポキサー(PHC)などが代表的であり、有機塩素系殺虫剤としては、DDTBHCなどが有名であり、これらの他に、クロールデン、ヘプタクロール、アルドリンディルドリンエンドリンなどの塩素環状ジエン系殺虫剤をその例として挙げることができる。

0140

殺ダニ剤としては、2−s−ブチル−4、6−ジニトロフェニル−3−メチルクロトネートなどのジニトロフェノール系のもの、クロロフェニル系のものの他に、2−(p−t−ブチルフェキシン)シクロヘキシルプロピニルサルファイト(BPPS)、〔2−(p−t−ブチルフェノキシイソプロピルオキシ〕−1−メチルエチル−2−クロロエチルサルファイト(PPPS)などがその例として挙げられ、又、これらの他に水酸化トリシクロヘキシルスズなどのスズ化合物用いられる。

0141

その他の殺虫剤としては、ヒ酸鉛ヒ酸石灰、ヒ酸マンガンなどのヒ素剤、クロピリン臭化メチル、1,3−ジクロロプロパン(D−D)、二臭化エチレン(EDB)、ベーバム(N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム)などの殺線虫剤などがある。

0142

本発明方法に使用される殺菌剤としては、抗菌性抗生物質イネイモチ病に有効な抗生物質、その他の抗カビ性抗生物質などの抗生物質;ボルドーキノリン銅、有機水銀剤有機スズ剤、有機ヒ素化合物などの重金属系殺菌剤;無機硫黄剤ジオカルバメート系殺菌剤等をその例として挙げることができる。

0143

本発明において、殺虫剤又は殺菌剤を容器内に封入する方法としては、殺虫剤又は殺菌剤そのものに揮発性ないし昇華性のある場合には、殺虫剤又は殺菌剤を直接に発熱体組成物に配合したり、発熱体組成物には配合はしないがこれと共に容器に封入したりすることができる。又、殺虫剤又は殺菌剤その物に揮発性がない場合には液状あるいはゲル状の揮発性溶剤に含有させたり、揮発性物質に含有又は担持させたりした上で、発熱体組成物に配合したり、発熱体組成物には配合はしないがこれと共に容器に封入したりすることができる。

0144

この液状あるいはゲル状の揮発性溶剤、揮発性物質についての詳細な説明は、前記香料の液状あるいはゲル状の揮発性溶剤、揮発性物質についての詳細な説明と同様であるので、ここでは重複を避けるために省略する。

0145

本発明において、殺虫剤又は殺菌剤を容器中に配合する場合には、殺虫剤又は殺菌剤は上述した香料と同様の方法で容器中に配合すればよい。即ち、ガス透過性のよい熱可塑性樹脂を選び、香料を可塑剤、安定剤、多孔質粉体にブレンドしてプラスチックに混合して、容器に成型したり、主剤としての固形パラフィンワックスを主剤に香料を溶解し、固化させたりすればよいのである。

0146

本発明方法において、殺虫剤又は殺菌剤を容器外に担持させる方法としては、容器の表面に殺虫剤又は殺菌剤を収着ないし含浸させたり、容器の表面を殺虫剤又は殺菌剤を含むインキ、塗料などで塗装したり、容器の表面に殺虫剤又は殺菌剤を含ませた紙を貼り付けたりするなど種々の方法が挙げられるのであり、又、容器に封入した発熱体組成物、即ち、発熱体と共に少なくとも一部が通気性を有する別の容器に収納したりすることも可能である。

0147

本発明方法において、発熱体組成物を容器に封入する方法は、容器の形状に適した任意の方法を採用することができるのであり、例えば偏平な袋体に発熱体組成物を封入する方法としては、予め発熱体組成物を調製すると共に袋体を形成した後、発熱体組成物を袋詰めする方法、予め発熱体組成物を調製し、袋体の表裏を形成するフィルム、シート、織布、不織布の間に挟んでから両面のフィルム、シート、織布、不織布などをヒートシールなどによって封合する方法等、従来多用されてきた方法を採用することができる。

0148

しかしながら、調製された発熱体組成物の凝固による歩留りの低下を防止すると共に、製造を高速化するために、袋体の表裏を形成するフィルム、シート、織布、不織布、積層フィルム、積層構造物の一方に金属粉と水以外の一部分又は全部の成分を転写した後、その上に水と共に金属粉以外の一部分又は全部分の成分をインク状に配合して転写し、更に、この後に袋体の他の一面を形成するフィルム、シート、織布、不織布積層フィルム、積層構造物を重ねてヒートシール、接着、粘着などによって封合する方法を採用することが推奨される。

0149

次に、本発明の発熱体組成物は、前記の目的を達成するために、金属粉、金属の塩化物、水及び所定の温度を超えると吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させる吸水剤を必須成分とするものである。

0150

即ち、本発明の発熱体組成物は、所定の温度を超えると吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させる吸水剤を用いる点、に最も大きな特徴を有する。

0151

前記吸水剤としては、所定の温度を超えると吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させるものであれば特に限定されるものではないが、特に、本発明方法で説明した水溶性セルロースエーテルが好ましい。

0152

これら金属粉、金属の塩化物、水及び所定の温度を超えると吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応を実質的に停止させる吸水剤についての詳細な説明は、上述した本発明方法の場合と同様なので重複説明を避けるために省略する。

0153

本発明の発熱体組成物においては、触媒及び/又はpH調整剤を配合することが可能であり、発熱反応を促進し、所要の最低発熱温度を得るためには触媒を配合することが有利であり、又、ガス発生を防止して保存性を良好にしたり、発熱反応の持続性を良好にするために、pH調整剤を配合することが有利である。

0154

前記触媒としては、金属の塩化物も触媒作用を有するが、ここでいう触媒は金属の塩化物以外で発熱反応を促進する作用のものを言い、例えばカーボンブラック、活性炭などの炭素成分がその例として挙げられる。又、pH調整剤としてはトリポリリン酸ソーダ等が代表的であり、又、発熱反応助剤や分散剤としては界面活性剤等が代表的である。

0155

又、本発明の発熱体組成物においては、保水剤を配合し、配合された水分をこの保水剤に保持させ、反応の進行につれて徐々に保水剤から水分を遊離させることが所要の発熱最低温度を確保できる上、発熱持続時間を延長できるので有利であり、又、この保水剤としては吸水性ポリマーが保水力が高い等の理由より特に好ましい。

0156

この保水剤としては、前記本発明方法で説明した保水剤と同様なので、重複説明を避けるために省略する。

0157

即ち、本発明の発熱体組成物としては、その用途によって種々のものが用いられるが、例えば、採暖、温罨法などに用いられる発熱体用や貼着剤用の発熱体組成物の場合には、発熱温度を37〜43℃にして温熱効果ないし治療効果と安全性とを両立させるために、例えば鉄粉25〜75重量%、金属の塩化物1〜10重量%、活性炭やカーボンブラック等の炭素成分1〜15重量%、水分10〜55重量%、吸水剤0.5〜35重量%とすることが好ましく、必要に応じて添加される1〜20重量%の保水剤が配合される。

0158

更に、本発明の発熱体組成物においては、遠赤外線放射物質を配合することが可能であり、この遠赤外線放射物質の配合により、この遠赤外線放射物質から放射される遠赤外線放射による温熱効果が得られるので、至極有益である。

0159

この遠赤外線放射物質の使用量は温熱効果を期待できる範囲であれば特に限定されないがその上限は温熱効果や経済性を考慮して決定すればよい。

0160

本発明の発熱体は、前記の目的を達成するために、前記本発明の発熱体組成物を、少なくとも片面が通気性を有する偏平な袋体に封入したことを特徴とするものである。

0161

ここでは、本発明の発熱体組成物についての詳細な説明は既に説明しているので重複説明を避けるために省略し、又、少なくとも片面が通気性を有する偏平な袋体についての詳細な説明は、本発明方法の容器の説明の中で説明しているので、重複説明を避けるために省略する。

0162

本発明の発熱体においては、袋体に遠赤外線放射物質を配合することができ、この遠赤外線放射物質の袋体への配合により、この遠赤外線放射物質から放射される遠赤外線放射によって優れた温熱効果が得られる。

0163

本発明の貼付剤は、前記の目的を達成すると共に、人体などの生体の表面に効率良く温熱効果を与え、しかも、人体などの生体の表面に簡単に貼付できるようにするために、前記本発明の発熱体と、この発熱体の袋体の片面に付着させた粘着層とを備えることを特徴とする。

0164

本発明で用いられる発熱体及びその袋体の詳細な説明は、本発明方法の場合と同様なので、重複説明を避けるために省略し、ここでは主として粘着層について詳細に説明する。

0165

本発明で用いられる貼付層としては、人体の外皮に直接貼着したり、下着などに貼着して、本発明の貼付剤を当該貼着箇所に保持できるものであれば特に限定されるものではない。

0166

前記粘着層としては、粘着剤で形成された層、或いは水分の有無に関係なく温熱湿布効果発現する湿布剤で形成された層が挙げられる。

0167

前記粘着剤としては粘着性を有する高分子材料であれば特に限定されるものではなく、一般に貼付剤の粘着剤として従来より多用されている各種のゴム系粘着剤アクリル系粘着剤等の種々の粘着剤を用いることができるのであり、更に、ホットメルト系粘着剤を用いることができる。

0168

又、この粘着剤としては、2種以上の粘着剤を混合して形成したものを用いても良いのである。

0169

前記ホットメルト系粘着剤とは、ホットメルト系高分子物質を含有する粘着剤のことであり、このホットメルト系高分子物質としては、A−B−A型ブロック共重合体飽和ポリエステル系高分子物質、アクリル系高分子物質ウレタン系高分子物質、ポリアミド系高分子物質、ポリアミド系高分子物質、ポリオレフィン系高分子物質、ポリオレフィンケイ共重合体、あるいは、これらの変性体、もしくはこれらの中の2種類以上のものを混合したものがその例として挙げられる。

0170

ここで、変性体とは、ホットメルト型高分子の性質、例えば粘着性や安定性などを改善するために、ホットメルト型高分子物質の一部を他の成分に置き換えたものをいう。

0171

また、A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレン、メチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物で、非弾性重合ブロックであり、Bブロックはブタジエンイソプレンなどの共役ジエン弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられるのであり、又、これらを混合して用いてもよいのである。

0172

なお、A−B−A型ブロック共重合体の市販品としてはシェル化学製のカリフレックスTR−1101、カリフレックスTR−1107、カリフレックスTR−1111など、フィリップトロリアム製のソルプレン418などがその例に挙げられる。

0173

本発明において使用されるホットメルト系粘着剤は、ホットメルト型高分子物質を含有するものであれば良く、従って、他の成分、例えば他の粘着剤、粘着賦与剤、老化防止剤充填剤、粘着調整剤、粘着改良剤着色剤消泡剤、増加粘剤、防黴剤抗菌剤、殺菌剤、消臭剤脱臭剤などが配合されているものも含まれる。

0174

特に、粘着剤の特性として重要な粘着力は、ホットメルト系高分子物質と例えば脂環族系石油樹脂などの粘着性賦与剤とを配合することにより、容易にコントロールできるようになる。

0175

この脂環族系石油樹脂は、環状骨格を持った石油系樹脂であり、具体的には、ロジン脱水素ロジン、脱水素ロジンのグリセリンエステル類ガムロジンのグリセリンエステル類、水添ロジン、水添ロジンのメチルエステル類、水添ロジンのグリセリンエステル類、水添ロジンのペンタエリトリットロジン類重合ロジン、重合ロジンのグリセリンエステル類、クマロンインデン樹脂水添石油樹脂無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体、C5系石油樹脂等がその例として挙げられるのであり、これらは単味で使用されたり、これらの中の2種以上を組み合わせて使用されたりする。

0176

なお、この脂環族系石油樹脂の市販品の例としては、荒川化学製アルコンP−100、アルコンP−125など、日本ゼオン製のクイントンエクソン製のエスコレッツ3000などが挙げられる。

0177

この粘着賦与剤を用いる場合には、更に軟化剤を添加してホットメルト系高分子物質を溶解ないし分散させて軟化し、適度の保形性、柔軟性及び粘着力を発現させることが好ましい。

0178

この軟化剤としては、例えばヤシ脂、ひまし油オリーブ油ツバキ油アーモンド油、パーシック油、落花生油ゴマ油、大分油、ミンク油、綿実油トウモロコシ油サフラワー油オレイン酸流動パラフィンなどが挙げられる。具体的なホットメルト系粘着剤としては、皮膚への密着性、粘着性、使用感、皮膚からの剥離性などを考慮することが好ましく、この観点から、ホットメルト型高分子物質5〜40重量部、脂環族系石油樹脂5〜55重量部、軟化剤5〜55重量部からなるものが推奨されるのであり、特に、ホットメルト型高分子物質10〜30重量部、脂環族系石油樹脂10〜50重量部、軟化剤15〜45重量部からなるものが推奨される。

0179

前記湿布剤としては水分の有無に関係なく温熱湿布効果を発現するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば公知のものが挙げられる。

0180

本発明において、粘着層は袋体の片面の全面にわたって形成したり、筋状、格子状、点状等、部分的に形成しても良いのである。

0181

又、粘着層としては架橋されている必要がないが、熱安定性、加温時の粘着力維持及び加温時の保形性を高め、又、加温時のダレやべた付きを防止し、更に、剥離時の糊残りを減少させて使用感を高めたり、加えて、薬物の保持性を高めるという観点から、架橋されていることが好ましい。

0182

粘着剤を架橋する方法は、特に限定されるものではないが、化学的架橋剤を添加して化学的に架橋させることもできるが、例えば紫外線照射電子線照射によって架橋することもできる。

0183

この紫外線電子線の照射による架橋は、袋体に粘着層を形成した後に行ってもよく、或いは予め形成された所定形状の粘着層を架橋し、その後、この粘着層を袋体に例えば転写などにより、担持させてもよい。

0184

この架橋は、具体的には例えば特公昭62−39184号公報に記載された方法に準じて行えばよく、紫外線の場合には通常、波長200〜680nmの紫外線を5〜30分間照射すればよく、電子線の場合には、通常1〜20Mrad で、0.01〜5秒間照射すればよい。

0185

ところで、本発明の貼付剤に用いられる粘着層としては、2種以上の粘着剤を混合して形成されたものでも良いのである。

0186

本発明で用いられる粘着層の厚さとしては、本発明の貼付剤を当該貼着箇所に保持できる粘着力が発現できるものであれば特に限定されるものではないが、一般に、5〜3000μmの範囲、特に10〜1000μmの範囲とするのが望ましく、粘着層の厚さが、5μm未満では所要の粘着力が得られない場合があり、一方、3000μmを超えると意味が無いだけでなく、厚さが厚くなり過ぎて使用感が悪くなり、いずれの場合も好ましくない。

0187

又、本発明の貼付剤においては、粘着層若しくは袋体と粘着層との間に経皮吸収性薬剤を担持させ、全身或いは局所の疾患治癒効果を発現させるのが望ましい。

0188

即ち、本発明に係る貼付剤は、全身的或いは局所的な疾患治癒効果を期待して皮膚を通して薬剤を持続的に生体内に供給する経皮治療システムに利用する場合には、粘着層に経皮吸収性の薬剤を配合するという手法で当該粘着層に経皮吸収性薬剤を担持させたり、袋体と粘着層との間に薬剤貯蔵層を形成するという手法を採用すれば良い。

0189

袋体と粘着層との間に薬剤貯蔵層を設ける場合には放出制御膜を設けたり、薬剤貯蔵層中の拡散により薬効成分の放出が制御されるのであり、又、粘着層に経皮吸収性の薬剤が配合されている場合には、粘着層中の薬剤の拡散により薬効成分の放出が制御される。

0190

前記経皮吸収性薬剤としては経皮吸収性の薬剤であれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば皮膚刺激剤、沈痛消炎剤中枢神経作用剤睡眠鎮静剤抗癲癇剤、精神神経用剤など)、利尿剤血圧降下剤欠陥拡張剤抗ヒスタミン剤不整脈用剤、強心剤副腎皮質ホルモン剤局所麻酔剤などが挙げられるのであり、これらの薬剤の1種又は2種以上を配合して用いられる。

0191

この薬剤の使用量は薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが薬理効果や経済性を考慮して決定すればよく、更に、粘着層に配合する場合にはこれらに加えて粘着力を考慮して粘着剤との配合比が決定される。

0192

具体的には、粘着剤(固形分)100重量部に対し経皮吸収性薬剤0.01〜25重量部とすればよく、特に粘着剤100重量部に対し経皮吸収性薬剤0.5〜15重量部とすることが好ましい。

0193

経皮吸収性薬剤の配合割合が粘着剤(固形分)100重量部に対し、0.01重量部未満では薬効が乏しいので好ましくなく、一方、25重量部を超えると意味が無いだけでなく、不経済であるから望ましくない。

0194

又、本発明の貼付剤においては、発熱体組成物、袋体又は粘着層の中のうちの少なくとも1箇所及び/又は袋体と粘着層との間に遠赤外線放射物質を含有又は担持させて、遠赤外線による一層優れた温熱効果を発現できるのである。

0195

具体的には、例えば袋体内に遠赤外線を放射する遠赤外線放射物質を封入したり、袋体の片面に、遠赤外線放射物質を配合した塗料を塗工、乾燥したりするという手法で袋体に遠赤外線放射物質を担持させたり、袋体の片面とこの片面に形成される粘着層との間に遠赤外線を放射する遠赤外線放射物質を挟むことにより袋体と粘着層との間に遠赤外線放射物質を担持させたり、袋体の片面に形成される粘着層に遠赤外線を放射する遠赤外線放射物質を混入するという手法で粘着層に遠赤外線放射物質を担持させたりすることができる。

0196

この場合には、温熱効果により血行促進作用を高めることができる結果、特に経皮吸収性薬剤を併用すると、薬剤の経皮吸収性を高め、全身治療効果や局所治療効果を高めることができる。

0197

更に、本発明の貼付剤においては、発熱体組成物、袋体又は粘着層の中のうちの少なくとも1箇所及び/又は袋体と粘着層との間に磁性体を含有又は担持させ、磁性体の磁性による磁気治療効果を発現できる。

0198

即ち、本発明の貼付剤においては、袋体内に磁性体を封入したり、袋体の片面に磁性体を塗工、乾燥したり、袋体の片面とこの片面に形成される粘着層との間に磁性体を挟んだり、袋体の片面に形成される粘着層に磁性体を混入したりすることができる。

0199

本発明の香料放散装置は、前記の目的を達成するために、前記本発明の発熱体組成物と、これを収容する少なくとも一部が通気性を有する容器と、この容器内に収容され、又は容器中に配合され、もしくは容器外に担持させた香料とからなるものである。

0200

ここで用いられる発熱体組成物、容器及び香料は、本発明方法で用いる発熱体組成物、容器及び香料と同様であるので、その詳細な説明は、重複説明を避けるために省略する。

0201

特に、この香料としては、環境用香料、誘引性香料又は忌避性香料が挙げられる。

0202

本発明の殺虫剤放散装置は、前記の目的を達成するために、本発明の発熱体組成物と、これを収容する少なくとも一部が通気性を有する容器と、該容器内に収容され、又は容器中に配合され、もしくは容器外に担持させた殺虫剤とからなる。

0203

ここで用いられる、発熱体組成物、容器及び殺虫剤は、本発明方法で用いる発熱体組成物、容器又は殺虫剤と同様であるので、その詳細な説明は、重複説明を避けるために省略する。

0204

本発明の殺虫剤放散装置においては、誘引物質が前記容器内に収容され、又は容器中に配合され、もしくは容器外に担持させたものが含まれるのであり、この場合には、駆除すべき昆虫を放散されている殺虫剤中に誘引物質で誘引することができるので、駆除効果を高めることができる。

0205

本発明の殺菌剤放散装置は、前記の目的を達成するため、本発明の発熱体組成物と、これを収容する少なくとも一部が通気性を有する容器と、該容器内に収容され、又は容器中に配合され、もしくは容器外に担持させた殺菌剤とからなる。

0206

ここで用いられる発熱体組成物、容器又は殺菌剤は、本発明方法で用いる発熱体組成物、容器、殺菌剤と同様であるので、その詳細な説明は、重複説明を避けるために省略する。

0207

本発明方法においては、少なくとも一部が通気性を有する容器に封入される発熱体組成物には、発熱温度が所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出してゲル化する吸水剤を配合し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって発熱反応が実質的に停止される。

0208

即ち、従来では発熱温度が高くなればなる程活性化していた発熱体組成物の発熱反応が、所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出してゲル化する吸水剤を配合し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって、金属粉周辺の遊離水分量が増大し、この放出(遊離)水分が金属粉周辺に付着してバリヤー層となるので、金属粉への空気の供給量が減少して発熱反応が実質的に停止させる。

0209

このため、発熱反応の際、発熱温度が所定の温度範囲であれば何等問題無く長時間にわたって使用できる。一方、例えば使用環境が高温、多湿の場合や、袋体の透湿度更に発熱体組成物にばらつきがあった場合等、発熱温度が、不測の理由により、所定温度以上の高温になると、吸水剤が吸着水分を放出し、この放出(遊離)水分が金属粉周辺に付着して当該放出(遊離)水分がバリヤー層となるので、金属粉への空気の供給量が減少して発熱反応を実質的に停止し、発熱温度を降下させる作用を有するのである。

0210

そして、発熱体組成物の発熱反応に伴い、その温度が所定温度以上になると、吸水剤が吸着水分を放出してゲル化し、発熱反応を抑制するが、このように発熱反応を抑制することによって発熱温度が低下すると、逆にこのゲル化した吸水剤が金属粉周辺の遊離水分を吸着して液状化し、再度温度上昇が発生して弊害が生じることがある。このような弊害を防止するために、本発明方法は、発熱温度が低下した際のゲル化した吸水剤の液状化を極力抑制し、発熱体組成物の発熱量を周囲への放熱量以下に制限するようにしたものである。

0211

更に、本発明方法において、吸水剤として水溶性セルロースエーテルを用いる場合には、エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、溶液として添加する場合の濃度、他の添加物(増粘開始温度の調整剤及び/又はゲル安定剤)を添加する場合の添加量(濃度)、昇温速度、降温速度などを適宜設定することにより、簡単に最高発熱温度や高温発熱持続時間などを任意に設定できる。

0212

本発明方法において、発熱体組成物に保水剤を配合し、保水剤に吸収させた水分を徐々に遊離させる場合には、この水分によって発熱反応を制御して長時間にわたって発熱体組成物の発熱反応を持続させ、発熱体組成物の利用率を高めることができる。

0213

加えて、本発明方法において、香料が容器内に封入され、又は容器中に配合され、若しくは容器外に担持される場合には、香料が放散され難い低温の環境中において、電源設備の無いところでも、発熱体組成物の発熱によって香料を加熱し、周囲に放散させることができる。又、この場合には、周囲の温度や湿度などの環境条件の変化、或いは容器の通気性(透湿性)や発熱体組成物のばらつきなどの不測の事態が生じても、発熱体組成物の発熱温度が所定の温度以上になると確実に発熱体組成物の発熱反応が実質的に停止されるので、最高発熱温度や高温での発熱持続時間を確実に制限し、過熱に伴う容器の変形や火災等の弊害を防止したり、香料の過剰蒸散に伴う不快感を感じたりすることを防止できる作用を有するのである。

0214

又、本発明方法において、殺虫剤が容器内に封入され、又は容器中に配合され、若しくは容器外に担持される場合には、殺虫剤が放散され難い低温の環境中において、電源設備の無いところでも、発熱体組成物の発熱によって、殺虫剤を加熱し、周囲に放散させることができる。又、この場合には、温度や湿度などの環境条件の変化、或いは容器の通気性(透湿性)や発熱体組成物のばらつきなどの不測の事態が生じても、発熱体組成物の発熱温度が所定の温度以上になると確実に発熱体組成物の発熱反応が実質的に停止されるので、最高発熱温度や高温での発熱持続時間を確実に制限し、過熱に伴う容器の変形や火災等の弊害を防止したり、殺虫剤の過剰蒸散に伴う不快感を感じたりすることを防止できる作用を有するのである。

0215

更に、本発明方法において、殺菌剤が容器内に封入され、又は容器中に配合され、若しくは容器外に担持される場合には、殺菌剤が放散され難い低温の環境中において、電源設備の無いところでも、発熱体組成物の発熱によって、殺菌剤を加熱し、周囲に放散させることができる。又、この場合には、温度や湿度などの環境条件の変化、或いは容器の通気性(透湿性)や発熱体組成物のばらつきなど不測の事態が生じても、発熱体組成物の発熱温度が所定の温度以上になると確実に発熱体組成物の発熱反応が実質的に停止されるので、最高発熱温度や高温での発熱持続時間を確実に制限し、過熱に伴う容器の変形や火災等の弊害を防止したり、殺菌剤の過剰蒸散に伴う不快感を感じたりすることを防止できる作用を有するのである。

0216

本発明に係る発熱体組成物は、金属粉、金属の塩化物、水分及び発熱温度が所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応が実質的に停止させる吸水剤を必須成分としているので、気温や湿度などの環境条件の変化、或いは容器の通気性(透湿性)や発熱体組成物のばらつきなどの不測の事態が生じても、発熱体組成物の発熱温度が所定の温度を超えると確実に発熱体組成物の発熱反応が実質的に停止される。従って、前記本発明方法を実施できるのであり、発熱温度を所定の温度以下に制限したり、所定の温度を上回る発熱の持続時間を所定の時間内に制限したりすることができる。

0217

本発明の発熱体組成物において、触媒及び/又はpH調整剤を配合する場合には、金属粉と、水分と、金属の塩化物と、空気中の酸素との発熱反応が一層促進される作用を有するのである。

0218

又、本発明の発熱体組成物において、保水剤を用いる場合には、この保水剤に水分を吸収させ、徐々に水分を放出させることができるので、長時間にわたって所要の最低温度以上の発熱を持続させることが可能になると共に、発熱体組成物の利用率を高めることができるのであり、しかも発熱体の薄型化が可能になる作用を有するのである。

0219

特に、保水剤が吸水性ポリマーである場合、多量の水分を保水剤に保持させることができるので、一層長時間にわたって所要の最低温度以上の発熱を持続させることが可能になると共に、発熱体組成物の利用率を一層高めることができる作用を有するのである。

0220

更に、本発明の発熱体組成物において、発熱反応を促進させる発熱反応助剤を配合する場合には、発熱反応助剤により発熱反応が促進され、所要の最低発熱温度を得る上で有利になる。

0221

加えて、本発明の発熱体組成物において、吸水剤が水溶性セルロースエーテルからなる場合には、エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、溶液として添加する場合の濃度、他の添加物(増粘開始温度の調整剤及び/又はゲル安定剤)を添加する場合の添加量(濃度)、昇温速度、降温速度などを適宜設定することにより、簡単に最高発熱温度や高温発熱持続時間などを任意に設定することができる。

0222

本発明の発熱体組成物において、所定温度を超えた高温時に、吸水剤が吸着水分を放出してゲル化すると、このゲル化した吸水剤が、発熱反応の実質的な停止状態によって温度が降下し、当該吸水剤が周辺の水分を吸収して液状化しようとする。この場合、ゲルの液状化を抑制するゲル安定剤が配合されていると、高温時から低温になったとき、このゲル安定剤によってゲル(吸水剤)が周辺の遊離水分を吸着するのを阻止できる結果、温度上昇を一層抑制できる作用を有するのである。

0223

本発明の発熱体は、少なくとも片面が通気性を有する偏平な袋体に、本発明の発熱体組成物を封入したので、空気が袋体内に入り、発熱体組成物中の金属粉、金属の塩化物及び水分と発熱反応を起こす。そして、この発熱温度が、原因のいかんを問わず、所定温度以上に上昇すると、吸水剤が吸着水分を放出し、この放出(遊離)水分が金属粉周辺に付着して当該放出(遊離)水分がバリヤー層となるので、金属粉への空気の供給量が減少して発熱反応を実質的に停止する作用を有するのである。又、これにより、発熱温度が所定の温度以上に上昇することを防止したり、仮に所定の温度を超えてもその持続時間を所定の時間内に制限したりすることができる作用を有するのである。

0224

特に、本発明の発熱体を採暖や温罨法に適用する場合には、発熱温度を長時間持続しても低温火傷が発生する虞れがない安全温度(43℃)以下に制限されるのであり、仮に安全温度を上回ると、その発熱持続時間を低温火傷が発生するおそれがない安全時間内に制限したりすることにより、確実に低温火傷の発生を防止できる作用を有するのである。

0225

しかも、袋体が偏平であるので、他物の表面に広範囲にわたって袋体を介して発熱体組成物を配置することができる結果、この発熱体組成物の発熱を効率よく他物を加熱することができる作用を有するのである。

0226

この場合において、発熱体組成物中に遠赤外線放射物質を封入させると、遠赤外線が生体中の水分を振動させて生体の自己発熱を誘発することができる結果、この生体の自己発熱による温熱効果により血行などの全身作用を高めることができる作用を有する。

0227

本発明に係る貼付剤は、本発明の発熱体と、この発熱体の袋の片面に付着させた粘着層とからなるので、直接人体などの生体の表面や下着に粘着させることができるのであり、従って、包帯などを用いずに簡単に貼付することができる上、人体に密着して効率良く温熱効果、温刺激効果などを得ることができると共に施用中の位置ずれを防止できる作用を有する。

0228

しかも、本発明の貼付剤においては、温度、湿度などの環境条件や容器の通気性(透湿性)や発熱体組成物のばらつきなどの原因を問わずに、安全温度以下に制限したり、安全温度を超える時間が安全時間内に制限されたりする結果、低温火傷の発生を確実に防止できる作用を有するのである。

0229

更に、本発明の貼付剤において、袋体又は粘着層もしくは袋体と粘着層との間に経皮吸収性薬剤を担持させる場合には、温熱効果が相乗的に作用して経皮吸収性薬剤の吸収効率を高められる上、高温による経皮吸収性薬剤の過剰吸収を防止できる。

0230

特に発熱体組成物に保水剤を配合し、水分を一旦保水剤に保持させた後、発熱反応による発熱体組成物中の発熱反応に寄与し得る水分の減少を補うように徐々に保水剤から水分を供給することにより、最低発熱温度を所定の温度以上に保持することができる結果、低温による経皮吸収性薬剤の吸収効率の低下を防止できる。

0231

又更に、本発明の貼付剤において、発熱体組成物、袋体、粘着層のうちの少なくとも1箇所及び/又は袋体と粘着層との間に遠赤外線放射物質を担持させる場合には、遠赤外線が生体中の水分を振動させて生体の自己発熱を誘発することができる結果、この生体の自己発熱による温熱効果により血行などの全身作用を高めることができる。

0232

加えて、本発明の貼付剤において、磁性体を前記発熱体組成物、袋体、粘着層のうち1箇所及び/又は袋体及と粘着層との間に含有又は担持させた場合には、磁性体の磁性による磁気治療効果を得ることができる作用を有する。

0233

本発明の香料放散装置によれば、発熱体組成物の発熱作用により香料ないしこれを担持する液体、ゲル、固体が加熱され、香料の揮散が活発になる。従って、冷所においても十分に香料を揮散させることができるので、野外、げた箱や押入の中など電源設備が無い所でも、悪臭の中和、マスキング、昆虫や動物の誘引、昆虫や動物の忌避を図ることができる作用を有する。

0234

この場合、常温ではなく、比較的高温で香料を蒸散させるので、不要時には加熱する必要が無く、従って、無駄に香料が消費されないから、その管理、保存が容易になる作用を有するのである。

0235

しかも、発熱体組成物の最高発熱温度を所定値以下に制限したり、所定温度以上の発熱持続時間を所定の短時間内に制限したりすることにより、香料が過剰に放散されることを防止できるので、香料の過剰放散による不快感や放散持続時間の短縮化を防止できる。

0236

本発明の殺虫剤放散装置によれば、発熱体組成物の発熱作用により殺虫剤ないしこれを担持する液体、ゲル、固体が加熱され、殺虫剤の揮散が活発になる。従って、野外などの電源設備の無い所でも発熱体組成物の発熱作用により殺虫剤を十分に揮散させることができる上、冷所においても十分に殺虫剤を揮散させることができる。

0237

しかも、発熱体組成物の最高発熱温度を所定値以下に制限したり、所定温度以上の発熱持続時間を所定の短時間内に制限したりすることにより、殺虫剤が過剰に放散されることを防止できるので、殺虫剤の過剰放散による不快感や放散持続時間の短縮を防止できる。

0238

本発明の殺菌剤放散装置によれば、発熱体組成物の発熱作用により殺菌剤ないしこれを担持する液体、ゲル、固体が加熱され、殺菌剤の揮散が活発になる。従って、野外などの電源設備の無い所でも発熱体組成物の発熱作用により殺菌剤を十分に揮散させることができる上、冷所においても十分に殺菌剤を揮散させることができる。

0239

しかも、発熱体組成物の最高発熱温度を所定値以下に制限したり、所定温度以上の発熱持続時間を所定の短時間内に制限したりすることにより、殺菌剤が過剰に放散されることを防止できるので、殺菌剤の過剰放散による不快感や放散持続時間の短縮を防止できる。

0240

以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。

0241

本発明の一実施例に係る発熱体組成物は、まず、鉄粉97重量部、カーボン粉末(三菱化学株式会社製、商品名:MA100)3.5重量部、保水剤(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズSM−4000)3重量部を配合し、混合してA剤を得る。

0242

一方、吸水剤(信越化学工業株式会社製、商品名:メトローズSM−4000)12重量部、カーボン粉末(三菱化学株式会社製、商品名:MA100)75重量部、食塩18.75重量部、塩化アルミニウム3重量部、水375重量部、界面活性剤(花王石鹸株式会社製、商品名:EPパウダー)3.75重量部、トリポリリン酸ソーダ1.0重量部を配合し、混合してB剤を得る。

0243

次に、図1に示すように、ポリエステル製不織布からなり、縦130mm、横95mmの第2包材(3)上に前記B剤(B)2.90gを転写した後、このB剤(B)上に直ちに、前記A剤(A)4.29gを転写することにより、合計7.19gの発熱体組成物(2)を転写し、更に、この直後にポリアミド製不織布付き多孔質フィルム(透湿度350g/m2・day)からなり、縦130mm、横95mmの第1包材(1)を重ね、周縁部をヒートシールで封合して、本発明の発熱体(H1)を得た。

0244

次に、図2に示すように、35℃の温水(W)上にステンレス板(P)を敷設し、このステンレス板(P)上に第1ネル(N1)を敷いてからその上に前記発熱体(H1)を置き、更に、この発熱体(H1)上に第2〜第4の3枚のネル(N2〜N4)を敷いて、第1ネル(N1)上における表面温度擬似皮膚温度とし、つまり発熱体(H1)と第1ネル(N1)の間の擬似皮膚温度として測定した結果、図3の線aで示すような温度変化が測定された。なお、この時の雰囲気温度は22〜23℃である。

0245

図3の線aに示すように、発熱体(H1)は、測定開始から約4分程度で43℃に達し、その後、約14分後に発熱温度は45.7℃程度まで急上昇したが、その直後から温度が急激に低下し約7分で43℃になり、更に約55分経過後、つまり測定開始から80分後に38℃というように急激に発熱温度が低下している。そして、その後徐々に同図の線bで示す擬似皮膚温度(約35℃)に近付くことが認められた。

0246

発熱体(H1)の発熱温度が45.7℃から急激に低下するのは、発熱温度が45℃程度で、吸水剤が吸着水分を放出してゲル化し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって、金属粉周辺の遊離水分量が増大し、この放出(遊離)水分が金属粉周辺に付着してバリヤー層となるので、金属粉への空気の供給量が減少して発熱反応が実質的に停止したためであり、このように、本発明の発熱体(H1)によれば、発熱温度が低温火傷を発生する恐れがある温度を超えると温度が急激に低下するので、この発熱体(H1)を直接に人の皮膚に接触させて長時間放置しても低温火傷を負う恐れは全くなくなり、安全性が高くなる。

0247

以上に説明したように、発熱体組成物には、所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出してゲル化する吸水剤を配合し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって、金属粉周辺の遊離水分量が増大し、この放出(遊離)水分が金属粉周辺に付着してバリヤー層となるので、金属粉への空気の供給量が減少して発熱反応が実質的に停止させる。

0248

このため、発熱反応の際、発熱温度が所定の温度範囲であれば何等問題無く長時間にわたって使用できる。一方、例えば使用環境が高温、多湿の場合や、袋体の透湿度更に発熱体組成物にばらつきがあった場合等、発熱温度が、不測の理由により、所定温度以上の高温になる製品が混入していても、前述のように発熱温度が所定値を超えると、発熱反応が実質的に停止されるから、安全性や信頼性が高くなるのである。

発明の効果

0249

本発明方法において、発熱体組成物には、所定温度を超えた高温時に、吸着水分を放出してゲル化する吸水剤を配合し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって、金属粉周辺の遊離水分量が増大し、この放出(遊離)水分が金属粉周辺に付着してバリヤー層となるので、金属粉への空気の供給量が減少して発熱反応が実質的に停止させるのである。

0250

従って、周囲の気温、湿度などの環境条件や容器の通気性(透湿性)や発熱体組成物のばらつきなどの原因と関係なく、発熱温度が所定値を超えると、発熱反応が実質的に停止され、確実に発熱温度の上昇を抑制することができる結果、発熱温度を所定の温度以下に制限したり、所定温度以上の発熱持続時間を所定の短時間内に制限したりすることができるのであり、低温火傷の発生を防止したり、過熱に伴う容器の軟化や変形更に火災の発生等の弊害を防止できるのであり、又、香料、殺虫剤或いは殺菌剤等の有機成分の過剰な揮発による悪臭の発生等が確実に防止されるのであり、これによって、信頼性が高くなる効果を有するのである。

0251

本発明方法においては、最高発熱温度が所定温度を超えると、吸水剤の降温時において、ゲル化した吸水剤が周囲の遊離水を吸収して液状化するのを抑制し、発熱反応の発熱量を周囲への放熱量よりも小さくし、発熱温度の降下を緩慢にしたりする結果、低温火傷の発生を防止したり、過熱に伴う容器の軟化や変形更に火災の発生等の弊害を一層確実に防止できるのであり、又、香料、殺虫剤或いは殺菌剤等の有機成分の過剰な揮発による悪臭の発生等が一層確実にに防止されるのであり、これによって、信頼性が一層高くなる効果を有するのである。

0252

又、本発明方法において、吸水剤が水溶性セルロースエーテルからなる場合には、エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、溶液として添加する場合の濃度、他の添加物(増粘開始温度の調整剤及び/又はゲル安定剤)を添加する場合の添加量(濃度)、昇温速度、降温速度などを適宜設定することにより、吸水剤が吸着水分を放出しはじめる温度、ゲル化速度、ゲル化した吸水剤の温度に対する安定状態などを任意に調整することができるから、簡単に最高発熱温度や高温発熱持続時間などを任意に設定できる利点が得られるのであり、この結果、応用範囲を格段に増大できるので至極有益である。

0253

更に、本発明の発熱体組成物の温度制御方法において、発熱体組成物に保水剤を配合し、保水剤に吸収させた水分を徐々に分離させる場合には、長期間にわたって発熱体組成物の発熱温度を一定以上に保持させることができると共に、発熱体組成物の利用率を高めることができるのであり、最低発熱温度を任意に設定できるので、至極有益である。

0254

本発明方法において、香料が容器内に封入され、又は容器中に配合され、若しくは容器外に担持された場合には、発熱体組成物の発熱を利用して香料を加熱し、冷所においても十分に香料を放散できると共に、周囲の気温や湿度などの環境条件の変化、或いは容器の通気性(透湿性)更に発熱体組成物のばらつきなどの原因と関係なく、発熱体組成物の発熱温度が所定の温度を超えると、発熱反応を実質的に停止する結果、過熱に伴う容器の変形や火災等の弊害を防止したり、香料の過剰放散を防止してこの過剰放散による不快感を無くすることができるのであり、これらによって、一層優れた生活空間が得られる効果を有する。

0255

加えて、本発明方法において、殺虫剤及び/又は殺菌剤が容器内に封入され、又は容器中に配合され、若しくは容器外に担持された場合には、発熱体組成物の発熱を利用して殺虫剤及び/又は殺菌剤を加熱し、冷所においても十分に殺虫剤及び/又は殺菌剤を放散できると共に、周囲の気温や湿度などの環境条件の変化、或いは容器の通気性(透湿性)更に発熱体組成物のばらつきなどの原因と関係なく、発熱体組成物の発熱温度が所定の温度を超えると、発熱反応を実質的に停止する結果、過熱に伴う容器の変形や火災等の弊害を防止したり、高温に伴う殺虫剤及び/又は殺菌剤の過剰放散を防止してこの過剰放散による不快感を無くすることができるのであり、これらによって、一層優れた生活空間が得られる効果を有する。

0256

又、以上に説明したように、本発明の発熱体組成物は、金属粉と、金属の塩化物と、水分と、所定温度を超えた高温時に吸着水分を放出してゲル化し、且つこの吸着水分の放出によって発熱反応が実質的に停止させる吸水剤とを必須成分としているので、周囲の気温や湿度などの環境条件の変化、或いは容器の通気性(透湿性)更に発熱体組成物のばらつきなどの原因と関係なく、発熱温度が所定の温度を超えると、発熱反応が確実に且つ実質的に停止される。

0257

この結果、過熱に伴う容器の軟化や変形、容器に含まれた香料、殺虫剤又は殺菌剤等の有機成分の過剰な揮発による悪臭の発生、低温火傷を含む火傷などの発生が確実に防止されるのであり、これによって、信頼性が高くなる効果を有するのである。

0258

本発明の発熱体組成物において、触媒及び/又はpH調整剤が配合されている場合には、この触媒及び/又はpH調整剤によって発熱反応が促進されるので、所要の最低発熱温度を維持したり、反応効率の向上や発熱時間の長期化を図る上で有利になる。

0259

又、本発明の発熱体組成物において、保水剤が配合されている場合には、水分が一旦この保水剤に吸収された後、徐々に放出されるので、長時間にわたって発熱反応を持続させることができるから、所要の発熱温度を維持する上で有利になり、しかも発熱体組成物の利用率が高められる上、未反応の発熱体組成物を処理する時に、その発熱に伴う火傷を防止できる結果、安全性を高めることができるのであり、また最低発熱温度を任意に設定できるので、至極有益である。

0260

更に、本発明の発熱体組成物において、保水剤が吸水性ポリマーである場合には、保水量が大きいので、一層長時間にわたって発熱反応を持続させることができるのであり、所要の最低発熱温度を維持する上で一層有利になり、しかも発熱体組成物の利用率が更に高められる上、未反応の発熱体組成物を処理する時に、その発熱に伴う火傷を一層確実に防止できる結果、安全性を至極高めることができる。

0261

又更に、本発明の発熱体組成物において、発熱反応を促進させる発熱反応助剤を配合した場合には、この発熱反応助剤によって発熱反応が促進されるので、所要の最低発熱温度を維持する上で有利になる。

0262

加えて、本発明の発熱体組成物において、吸水剤が水溶性セルロースエーテルからなる場合には、エーテル化剤の種類、置換率、セルロース分子量、溶液として添加する場合の濃度、他の添加物(増粘開始温度の調整剤及び/又はゲル安定剤)を添加する場合の添加量(濃度)、昇温速度、降温速度などを適宜設定することにより、吸水剤が吸着水分を放出しはじめる温度、ゲル化速度、ゲル化した吸水剤の温度に対する安定状態などを任意に調整することができるから、簡単に最高発熱温度や高温発熱持続時間などを任意に設定できる利点が得られるのであり、この結果、応用範囲を格段に増大できるので至極有益である。

0263

本発明の発熱体組成物において、所定温度を超えた高温時に吸水して生成したゲルを安定化させ、しかも温度が低下してもゲルの液状化を抑制するゲル安定剤が配合されていると、高温時から低温になったとき、このゲル安定剤によって、ゲル(吸水剤)が周囲の遊離水分を吸着するのを阻止できる結果、発熱反応を一層実質的に停止できるのであり、しかもこのゲル安定剤の選択によってゲル化温度を変化させることができる効果を有するのである。

0264

本発明に係る発熱体は、少なくとも片面が通気性を有する偏平な袋体に、本発明に係る発熱体組成物を封入したので、空気が袋内に入り、金属粉、金属の塩化物及び水と化学反応を起こして発熱する。そして、発熱体組成物を袋体ごしに加熱対象物に広範囲にわたって配置させることができので、発熱体組成物の発熱を効率良く加熱対象物に伝達することができる。

0265

しかもこの発熱温度が一定以上に上昇すると、吸水剤が吸着水分を放出てゲル化し、この吸水剤からの吸着水分の放出によって、金属粉周辺の遊離水分量が増大し、この放出(遊離)水分が金属粉周辺に付着してバリヤー層となるので、金属粉への空気の供給量が減少して発熱反応が実質的に停止する。このため、気温や湿度などの環境条件の変化、或いは容器の通気性(透湿性)更に発熱体組成物のばらつきなどの原因と関係なく、発熱温度が所定の温度を超えると、発熱反応が確実に且つ実質的に停止するから、発熱体組成物を封入する容器の軟化やこれによる変形、容器に含まれた香料、殺虫剤又は殺菌剤等の有機成分の過剰な揮発による悪臭の発生、低温火傷を含む火傷などの発生が確実に防止されるのであり、これによって、信頼性が高くなる効果を有するのである。

0266

本発明の発熱体において、特に遠赤外線放射物質を容器内に封入したり、容器中に含有させたり、容器外に担持させたりする場合には、遠赤外線が生体中の水分に作用して生体が発熱しで生体を加熱することができるから、加熱効果を高めることができる。そして、この遠赤外線放射物質を用いる発熱体を採暖や温罨法に使用すると、この遠赤外線により温熱効果を高めることができる。

0267

本発明の貼付剤は、本発明の発熱体と、この発熱体の袋体の片面に付着させた粘着層とを備えるので、粘着層の粘着性を利用して人体などの生体の表面や着衣などに簡単に発熱体を貼付してその発熱体組成物の発熱による温熱効果や、これに加えられた遠赤外線による温熱効果を得ることができる。しかも、発熱体組成物の発熱温度を安全温度(43℃)以下に制限したり、仮に安全温度を一時的に超えても、発熱持続時間を短時間に制限して、人体などの生体の表面に低温火傷が発生することを確実に防止できるようになり、また貼付剤を直接肌に粘着させて使用したり、就寝中に使用できるようになるのである。

0268

本発明の貼付剤において、粘着層又は粘着層と袋体との間に経皮吸収性薬剤を含有又は担持させた場合には、単に薬剤の経皮吸収投与が可能になるばかりでなく、温熱効果により血行などの代謝が促進されることと相まって薬剤の経皮吸収性が高められる結果、全身治療効果や局所治療効果を著しく高めることができる。

0269

又、本発明の貼付剤において、発熱体組成物、袋体、粘着層のうちの少なくとも1箇所及び/又は袋体と粘着層との間に遠赤外線放射物質を含有又は担持させた場合には、遠赤外線が生体中の水分に作用して生体が発熱し、生体を一層加熱することができるから、加熱効果を高めることができる。特に、経皮吸収性薬剤を用いている場合には、この遠赤外線により得られる温熱効果により薬剤の経皮吸収性が一層高められる結果、全身治療効果や局所治療効果が更に著しく高められる。

0270

更に、本発明の貼付剤において、磁性体が袋体に担持される場合には、磁性体の磁性による磁気治療効果を得ることができる。

0271

本発明の香料放散装置によれば、前記本発明の発熱体組成物と、これを収容する少なくとも一部が通気性を有する容器と、この容器内に収容され、又は容器中に配合され、もしくは容器外に担持された香料とからなるので、冷所においても発熱体組成物の発熱により十分に香料を放散させることができる一方、発熱体組成物の発熱温度が所定の温度を超えると、発熱反応を実質的に停止する結果、過熱に伴う容器の変形や火災等の弊害を防止したり、香料の過剰放散を防止してこの過剰放散による不快感を無くするのであり、これらによって、一層優れた生活空間が得られる効果を有する。

0272

又、発熱体組成物の発熱によって香料を加熱するので、電源装置などが不要になり、野外、げた箱内、押入内などにも使用できるようになる。

0273

そして、本発明の香料放散装置において、香料が環境用香料である場合には、生活の中の種々の悪臭を香料で中和したり、マスキングしたりすることができ、生活の快適性を高めることができる。

0274

又、本発明の香料放散装置において、香料が誘引物質である場合には、昆虫や動物を選択的に誘き寄せることができるのであり、昆虫や動物の捕獲、駆除などに用いることができる。

0275

更に、本発明の香料放散装置において、香料が忌避物質である場合には、危険性や有害性を有す昆虫や動物、あるいは近づけたくない昆虫や動物を選択的に忌避させることができる結果、生活の安全性ないし快適性を高めることができる。

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