図面 (/)

技術 空気入りラジアルタイヤ

出願人 株式会社ブリヂストン
発明者 河野好秀山中英司小林寿延佐藤隆之
出願日 1995年9月25日 (25年3ヶ月経過) 出願番号 1995-245989
公開日 1996年12月3日 (24年0ヶ月経過) 公開番号 1996-318706
状態 特許登録済
技術分野 タイヤ一般 糸;糸またはロープの機械的な仕上げ ロープ又はケーブル一般
主要キーワード 圧縮破断 配設角度 上引き ラウンド形状 スチール材 コード出 CP値 引張剛性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年12月3日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

軽量化した汎用乗用車用空気入りラジアルタイヤにおける、コーナリング性を向上させるのに加えて、高速耐久性及び耐久性の一方又は双方をも満足ベルにまで高めることにある。

解決手段

一対のビードコア2間に跨がってトロイド状をなすカーカス3のクラウン部4外周に、タイヤ赤道面5に対し傾斜して延びる複数本のコードを配列した1層の傾斜ベルト層6と、この傾斜ベルト層6上に位置し、タイヤ赤道面5に対し実質上平行に複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベルト層7とを具え、周方向ベルト層7のコードは、適正化を図ったPET、ナイロン、PEN、若しくはビニロン繊維コード、又はスチールコードからなる。

概要

背景

省エネルギー化が叫ばれるようになった現在、自動車においては、重量の低減による燃費の向上を図る検討が行われるようになり、これに伴って、タイヤについても、その軽量化への要求が年々高まる傾向にあり、特に汎用乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいては、この傾向が顕著である。

空気入りラジアルタイヤは、カーカスクラウン部外周に、少なくとも2層の傾斜ベルト層を、それらのコードが互いに交差するように積層した、いわゆる交差ベルトを有しているのが一般的であるが、タイヤの軽量化の観点から、1層の傾斜ベルト層と、軽量である有機繊維コードタイヤ赤道面に対し実質上平行に配列した周方向ベルト層とでベルトを構成したタイヤが開発されるようになった。この種のタイヤは、例えば、特開昭62-152904 号公報及び特開平 4−163212号公報に開示されている。

これらの公報には、タイヤの周方向ベルト層のコードに、いずれも、周方向引張剛性の高い芳香族ポリアミド(代表例はケブラー繊維コードを使用し、この周方向ベルト層によって、高速走行時の遠心力によるトレッド部の迫り出しを抑制し、高速耐久性を向上させることができる旨の記載がある。

また、従来よりカーカスのプライコードとして広く用いられているポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)、ナイロンポリエチレンナフタレート(以下「PEN」という。)、及びビニロンPVA)の繊維コードは、芳香族ポリアミド繊維コードに比し、周方向の引張剛性が著しく低いため、周方向ベルト層のコードとして、これらの有機繊維コードを適用することはほとんどなく、また、周方向ベルト層にスチールコードを用いることは、軽量化等の観点から好ましくないとしてほとんど使用されていないのが現状であった。

概要

軽量化した汎用の乗用車用空気入りラジアルタイヤにおける、コーナリング性を向上させるのに加えて、高速耐久性及び耐久性の一方又は双方をも満足ベルにまで高めることにある。

一対のビードコア2間に跨がってトロイド状をなすカーカス3のクラウン部4外周に、タイヤ赤道面5に対し傾斜して延びる複数本のコードを配列した1層の傾斜ベルト層6と、この傾斜ベルト層6上に位置し、タイヤ赤道面5に対し実質上平行に複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベルト層7とを具え、周方向ベルト層7のコードは、適正化を図ったPET、ナイロン、PEN、若しくはビニロンの繊維コード、又はスチールコードからなる。

目的

そこで、本発明の目的は、周方向ベルト層のコードに、適正化したPET、ナイロン、PEN、若しくはビニロンの繊維コード、又はスチールコードを使用することにより、コーナリング性に優れ、さらに高速耐久性及び耐久性の一方又は双方についても優れる空気入りラジアルタイヤ、特に軽量にした汎用の乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
5件
牽制数
12件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対し傾斜して延びる複数本のコード又はフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対し実質上平行に複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベルト層とを具える空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、ポリエチレンテレフタレート繊維又はナイロン繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d 〜6000d の範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Nt は、Nt =T×(0.139 ×DT /2 ×1/ρ)1/2 ×10-3≦ 0.3の範囲であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。

請求項2

少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対し傾斜して延びる複数本のコード又はフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対し実質上平行に複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベルト層とを具える空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、ポリエチレンナフタレート繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d 〜6000d の範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Nt は、Nt =T×(0.139 ×DT /2 ×1/ρ)1/2 ×10-3≦ 0.5の範囲であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。

請求項3

少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対し傾斜して延びる複数本のコード又はフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対し実質上平行に複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベルト層とを具える空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、ビニロン繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d 〜6000d の範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Nt は、Nt =T×(0.139 ×DT /2 ×1/ρ)1/2 ×10-3≦ 0.6の範囲であることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。

請求項4

周方向ベルト層のコードの正接損失tanδが、初期張力1 kgf/本、歪振幅0.1 %、周波数20Hz、雰囲気温度25℃の条件下で、0.3 以下である請求項1、2、又は3に記載の空気入りラジアルタイヤ。

請求項5

少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対し傾斜して延びる複数本のコード又はフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対し実質上平行に複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベルト層とを具える空気入りラジアルタイヤにおいて、周方向ベルト層のコードは、弾性率が3000kgf/mm2 以上、撚り構造が1×N又は1+Nのスチールコードであることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。

請求項6

周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率は、200kgf/mm2以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。

請求項7

周方向ベルト層のコードは、らせん状に巻回してなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。

請求項8

傾斜ベルト層のコード又はフィラメントは、スチール材料からなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。

請求項9

傾斜ベルト層のコード又はフィラメントは、タイヤ赤道面に対する傾斜角度が15〜45°の範囲である請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。

請求項10

傾斜ベルト層のコード又はフィラメントと、最もタイヤ径方向内側の周方向ベルト層のコードとの間に位置するゴムの厚み(t1)を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向端部でタイヤ幅方向中央部に比しより大きくしてなる請求項1〜9のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。

請求項11

最もタイヤ径方向外側の周方向ベルト層のコードと、トレッドゴム内周面との間に位置するゴムの厚み(t2)を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向中央部でタイヤ幅方向端部に比しより大きくしてなる請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。

請求項12

周方向ベルト層は、タイヤ幅方向中央部で少なくとも2層である請求項1〜11のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。

請求項13

周方向ベルト層は、タイヤ幅方向端部で少なくとも2層である請求項1〜12のいずれか1項に記載の空気入りラジアルタイヤ。

技術分野

0001

本発明は、コーナリング性に優れ、さらに高速耐久性及び耐久性の一方又は双方についても優れる空気入りラジアルタイヤ、特に、軽量化を主目的として開発された汎用乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。

背景技術

0002

省エネルギー化が叫ばれるようになった現在、自動車においては、重量の低減による燃費の向上を図る検討が行われるようになり、これに伴って、タイヤについても、その軽量化への要求が年々高まる傾向にあり、特に汎用の乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいては、この傾向が顕著である。

0003

空気入りラジアルタイヤは、カーカスクラウン部外周に、少なくとも2層の傾斜ベルト層を、それらのコードが互いに交差するように積層した、いわゆる交差ベルトを有しているのが一般的であるが、タイヤの軽量化の観点から、1層の傾斜ベルト層と、軽量である有機繊維コードタイヤ赤道面に対し実質上平行に配列した周方向ベルト層とでベルトを構成したタイヤが開発されるようになった。この種のタイヤは、例えば、特開昭62-152904 号公報及び特開平 4−163212号公報に開示されている。

0004

これらの公報には、タイヤの周方向ベルト層のコードに、いずれも、周方向引張剛性の高い芳香族ポリアミド(代表例はケブラー繊維コードを使用し、この周方向ベルト層によって、高速走行時の遠心力によるトレッド部の迫り出しを抑制し、高速耐久性を向上させることができる旨の記載がある。

0005

また、従来よりカーカスのプライコードとして広く用いられているポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)、ナイロンポリエチレンナフタレート(以下「PEN」という。)、及びビニロンPVA)の繊維コードは、芳香族ポリアミド繊維コードに比し、周方向の引張剛性が著しく低いため、周方向ベルト層のコードとして、これらの有機繊維コードを適用することはほとんどなく、また、周方向ベルト層にスチールコードを用いることは、軽量化等の観点から好ましくないとしてほとんど使用されていないのが現状であった。

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、周方向ベルト層に、芳香族ポリアミド繊維コードを使用した場合、圧縮疲労性が悪く、厳しいコーナリング走行中に発生するベルトバックリング変形に伴う圧縮破断がベルトに生じやすいということが判明した。そこで、発明者らが鋭意検討した結果、周方向ベルト層のコードとして、従来は不向きであるとして使用されていなかった上記有機繊維コードを、撚り構造、総デニール数、撚り係数を適正化することによって使用できること、また、スチールコードであっても、撚り構造の適正化を図った高強力スチールコードであれば、タイヤ重量をさほど増加させることなく使用できることを見出した。

0007

そこで、本発明の目的は、周方向ベルト層のコードに、適正化したPET、ナイロン、PEN、若しくはビニロンの繊維コード、又はスチールコードを使用することにより、コーナリング性に優れ、さらに高速耐久性及び耐久性の一方又は双方についても優れる空気入りラジアルタイヤ、特に軽量にした汎用の乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するため、本発明の空気入りラジアルタイヤは、少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対し傾斜して延びる複数本のコード又はフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層と、この傾斜ベルト層上に位置し、タイヤ赤道面に対し実質上平行に複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベルト層とを具え、周方向ベルト層のコードは、PET、ナイロン、PEN、又はビニロンの繊維からなり、双撚り構造を有し、総デニール数DT が1000d 〜6000d の範囲であり、このコードの、撚り数をT(回数/10cm)、比重をρとすると、撚り係数Nt は、Nt =T×(0.139 ×DT /2 ×1/ρ)1/2 ×10-3で表されるとき、PET繊維又はナイロン繊維の場合には 0.3以下、PEN繊維の場合には 0.5以下、そしてビニロン繊維の場合には 0.6以下の範囲とする。

0009

ここで、双撚り構造とは、糸1本または2本以上引きそろえて撚りを加え(下撚り)、これを2本以上引きそろえて下撚りと反対方向に撚り(上撚り)をかけたものをいう。総デニール数DT とは、原糸デニールと撚り本数の積をいう。

0010

また、周方向ベルト層のコードの正接損失tanδが、初期張力1 kgf/本、歪振幅0.1 %、周波数20Hz、雰囲気温度25℃の条件下で、0.3 以下であることが好ましい。

0011

一方、周方向ベルト層にPET、ナイロン、PEN、又はビニロンの繊維コードを用いた場合に比し、より周方向剛性が必要な場合には、周方向ベルト層のコードは、弾性率が3000kgf/mm2 以上、撚り構造が1×N又は1+Nのスチールコードであることが好ましい。

0012

さらに、周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率は、200kgf/mm2以上であること、周方向ベルト層のコードは、らせん状に巻回してなること、傾斜ベルト層のコード又はフィラメントは、スチール材料からなること、傾斜ベルト層のコード又はフィラメントは、タイヤ赤道面に対する傾斜角度が15〜45°の範囲であること、傾斜ベルト層のコード又はフィラメントと、最もタイヤ径方向内側の周方向ベルト層のコードとの間に位置するゴムの厚みを、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向端部でタイヤ幅方向中央部に比しより大きくし、さらに、最もタイヤ径方向外側の周方向ベルト層のコードと、トレッドゴム内周面との間に位置するゴムの厚みを、タイヤ幅方向中央部でタイヤ幅方向端部に比しより大きくすること、周方向ベルト層は、タイヤ幅方向中央部で少なくとも2層であること、周方向ベルト層は、タイヤ幅方向端部で少なくとも2層であること、がより好適である。

0013

なお、周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率は、図7(a) に示すように、直径dが14mm, 高さhが28mmの円筒状の空洞をもつ鋼鉄製の治具8の空洞内に、ゴム試験片9を隙間なく充填した後、この治具8を、図7(b) に示すように、圧縮試験機10にセットし、ゴム試験片9の上下面に0.6mm/min.の速度で荷重Wを負荷し、このときの変位量レーザー変位計11で測定し、荷重と変位との関係から算出することとする。

発明を実施するための最良の形態

0014

図1に、本発明に従う代表的な空気入りタイヤ幅方向断面を示し、図中1は空気入りタイヤ、2はビードコア、3はカーカス、4はカーカスのクラウン部、5はタイヤ赤道面、6は傾斜ベルト層、7は周方向ベルト層である。この空気入りタイヤ1は、少なくとも一対のビードコア2間に跨がってトロイド状をなすカーカス3のクラウン部4外周に、タイヤ赤道面5に対し傾斜して延びる複数本のコード又はフィラメントを配列した1層の傾斜ベルト層6と、この傾斜ベルト層6上に位置し、タイヤ赤道面5に対し実質上平行に複数本のコードを配列した少なくとも1層の周方向ベルト層7とを具えている。周方向ベルト層7のコードには、PET、ナイロン、PEN、若しくはビニロンの繊維コード、又はスチールコードを用いる。

0015

周方向ベルト層7のコードに、PET、ナイロン、PEN、若しくはビニロンの繊維コードを用いる場合には、双撚り構造にし、総デニール数DT を1000d 〜6000d の範囲とし、このコードの撚り係数Nt を、PET繊維又はナイロン繊維の場合には 0.3以下、PEN繊維の場合には 0.5以下、そしてビニロン繊維の場合には 0.6以下の範囲にすることによって、十分なコーナリングパワーが得られる。なお、双撚り構造にするのは、コード自体の圧縮疲労性の向上と作業性の点からであり、総デニール数を1000d 〜6000d の範囲にするのは、1000d 未満だと物理的にコードを打ち込むのが難しいからであり、一方、6000d を超えた場合にはコードが太くなりすぎ、それとともにゴム量も増加せざるをえなくなり、タイヤ重量の増加を招く結果となるからである。また、撚り係数Nt は、小さすぎるとコードがばらけて作業性が悪化する恐れがあるため、PET、ナイロン、PEN、及びビニロンのいずれの繊維も0.1 以上とすることが好ましい。

0016

また、周方向ベルト層7のコードに、PET、ナイロン、PEN、及びビニロンの繊維コードを用いることで、圧縮疲労によるコード切れが、従来使用していた芳香族ポリアミド繊維コードに比し生じにくくなる。

0017

PET、ナイロン、PEN、及びビニロンの繊維は、仕事損失が大きく発熱しやすいため、高速耐久性試験においては、これらの繊維コードが融解してタイヤバーストに至る可能性がある。このため、周方向ベルト層7のコードの正接損失tanδを、初期張力1kgf /本、歪振幅0.1 %,周波数20 Hz,雰囲気温度25℃の条件下で、0.3 以下とすることによって、これらの繊維コードの融解を防止することが好ましい。

0018

また、周方向ベルト層7のコードに、スチールコードを用いる場合には、コードの弾性率を3000kgf/mm2 以上とし、かつコードの撚り構造を1×N又は1+Nとすることによって、周方向ベルト層に上述したPETやナイロン等の繊維コードを使用した場合に比し、タイヤ重量は幾分増加するものの、より一層周方向剛性を高めることができ、十分なコーナリングパワーが得られる。前記弾性率は3000kgf/mm2 未満だと、より効果的に剛性を向上させることができないからであり、また、撚り構造が1×N又は1+Nでないと、重量及びコストが優れているというメリットが薄らいでしまうからである。なお、スチールコードの打ち込み数は、周方向剛性の確保と軽量化の観点から、50mm当たり15〜50本の範囲にすることが好ましい。

0019

以上のことから、周方向ベルト層7のコードは、用途等に応じて、PET、ナイロン、PEN、及びビニロンの繊維コードにするか、或いはスチールコードにするかを適宜選択することができる。

0020

なお、周方向ベルト層7のコードが、上述の条件を満たす場合であっても、周方向ベルト層7の被覆ゴムの弾性率が低すぎるとコードが動きやすくなり、コードの局所的なバックリングを起こしやすくなり、コード切れが発生するおそれがある。そのため、周方向ベルト層7の被覆ゴムの弾性率が200kgf/mm2以上にすることによって、コード切れを生じにくくすることができる。

0021

また、周方向ベルト層7のコードをらせん状に巻回することにより、タイヤのユニフォミティーを向上させることができる。周方向ベルト層7の層数は、軽量化の点から、1〜2層程度が好ましい。

0022

さらに、傾斜ベルト層6のコード又はフィラメントにスチール材料を用いることによって、十分なタイヤ強度が得られ、また、タイヤ赤道面5に対する傾斜角度は、15〜45°の範囲にすることによって、十分な面内剪断剛性が得られる。

0023

加えて、傾斜ベルト層6のコード又はフィラメントと、最もタイヤ径方向内側の周方向ベルト層7のコードとの間に位置するゴムの厚みt1を、タイヤ幅方向断面内にて、タイヤ幅方向端部13でタイヤ幅方向中央部12に比しより大きくすること(図3)、具体的には、タイヤ幅方向端部13での前記ゴム厚みを、タイヤ幅方向中央部12での前記ゴム厚みに比し2倍以上とし、また、タイヤ幅方向中央部12での前記ゴム厚みを維持する範囲L2は、タイヤ赤道面5を中心として、傾斜ベルト層の幅L1の50〜90%の範囲にすることによって、いわゆるサンドイッチ梁の効果(T.W.Chou and F.K.KO,"Textile Structural Composite" Elsevir (1989)に記載) が生じ、その結果、タイヤ周方向の曲げ剛性は、タイヤ幅方向中央部12がタイヤ幅方向両端部13よりも相対的に低下し、このため、タイヤ接地長が、トレッドの中央域で長く、両ショルダー域で短くなって、タイヤの接地形状を角の落ちラウンド形状に近づけることができ、これによって、ウエット路面走行時に、タイヤ進行方向前方の水を、タイヤの側方に速やかに排除して、ハイドロプレーニングの発生を抑制することができる。

0024

さらに、傾斜ベルト層6の厚さと周方向ベルト層の厚さの和Tが、タイヤ幅方向中央部位置で小さくなることによって、加硫後のタイヤ内周面のタイヤ幅方向中央部付近にコードに対応した凹凸が現れる現象コード出現象)が生じる場合には、図4に示すように、最もタイヤ径方向外側の周方向ベルト層7のコードと、トレッドゴムの内周面との間に位置するゴムの厚みt2を、タイヤ幅方向中央部12でタイヤ幅方向端部13に比しより大きくすることによって、傾斜ベルト層6の厚さと周方向ベルト層7の厚さの和Tをタイヤ幅方向にわたって均一にすることができ、コード出現象を抑制することができる。

0025

また、高速走行時のタイヤ幅方向中央部の迫り出しを一層抑制する必要がある場合には、周方向ベルト層7を、タイヤ幅方向中央部12で少なくとも2層にすることが好ましく、この場合、図2に示すように、2層以上の比較的広幅の周方向ベルト層7-1,7-2 を配置してもよいが( 尚、図2では、周方向ベルト層7-1,7-2 の幅を変えてある場合の例を示してあるが、傾斜ベルト層とほぼ同幅である2層以上の周方向ベルト層を配置してもよい。) 、例えば、図5に示すように、傾斜ベルト層6のほぼ全面を覆う広幅周方向ベルト層7-1 と、この広幅周方向ベルト層7-1 の中央部分のみを覆う狭幅周方向ベルト層7-2 とで周方向ベルト層7を構成してもよい。

0026

さらに、ベルト端セパレーションを一層抑制する必要がある場合には、周方向ベルト層7を、タイヤ幅方向端部で少なくとも2層にすることが好ましく、この場合も同様に、2層以上の広幅周方向ベルト層で傾斜ベルト層の全面を覆ってもよいが、傾斜ベルト層6のほぼ全面を覆う広幅周方向ベルト層7-1 と、この広幅周方向ベルト層7-1 の両端部分のみを、又は両端部分と中央部分の双方(図6)を覆う狭幅周方向ベルト層7-2 とで構成してもよい。このように、周方向ベルト層7の幅や層数等は、必要に応じて適宜変更できる。

0027

次に、本発明にしたがう空気入りタイヤの具体的な実施例を説明する。空気入りラジアルタイヤ1は、タイヤサイズが195/65R14 であり、一対のビードコア2間に跨がってトロイド状をなすカーカス3のクラウン部4外周に、タイヤ赤道面5に対し所定角度で延びる複数本のスチールコードを配列したゴム引き層からなる1層の傾斜ベルト層6と、この傾斜ベルト層6上に位置し、タイヤ赤道面5に対しほぼ 0°で延びる複数本のコードを配列したゴム引き層からなる周方向ベルト層7とを具えている。周方向ベルト層7は、コードをらせん状に巻回することによって配置した。

0028

なお、周方向ベルト層7の層数(中央部と端部の層数)、周方向ベルト層7のコードの、材質、撚り構造、総デニール数、撚り係数、正接損失、打ち込み数、周方向ベルト層7の被覆ゴムの弾性率、傾斜ベルト層6のコードの、材質及びタイヤ赤道面5に対する配設角度、傾斜ベルト層6のコードと最もタイヤ径方向内側の周方向ベルト層7のコードとの間に位置するゴムの厚みt1(中央部と端部での厚み)、最もタイヤ径方向外側の周方向ベルト層のコードと、トレッドゴムの内周面との間に位置するゴムの厚みt2(中央部と端部での厚み)については、表1にまとめて示す。表1中、実施例はタイヤNo.1〜15であり、比較例はタイヤNo.16 〜18であり、従来例はタイヤNo.19 〜20である。その他のタイヤ部分については、従来の乗用車用空気入りラジアルタイヤと同等なものを用いた。

0029

0030

試験方法
上記の各供試タイヤについて、コーナリング性、高速耐久性、及び、耐久性の評価を行うための試験をそれぞれ行った。
(1)コーナリング性試験
コーナリング性は、コーナリングパワーを求めることによって評価した。コーナリングパワー(CP値)は、外径3000mmのドラム上に、内圧1.7 kgf/cm2 に調整した供試タイヤをセットし、上記のタイヤサイズと内圧からJATMA 又はJIS に定められている荷重をタイヤに負荷した後、30km/hの速さで30分間予備走行させ、無負荷状態で内圧を1.7 kgf /cm2 に再調整し、再度予備走行の荷重を負荷し、同一速度の上記ドラム上でスリップアングル正負連続して1°間隔で1〜4°までつけたときの、正負各角度でのコーナリングフォース(CF)の絶対値を測定し、これらの平均値を、
式:CP(kgf/deg.) =〔CF(kgf/1deg.) +CF(kgf/2deg.) /2+CF(kgf/3deg.) /3+CF(kgf/4deg.) /4〕÷4
代入することによって算出した。表2にその試験結果を示す。なお、表中のCP値は、従来例19を100 とした指数比で示してあり、大きいほど優れている。

0031

(2)高速耐久性試験
高速耐久性は、米国規格FMVSSNo.109 のテスト方法に準じたステップスピード方式にて行い、即ち、30分ごとにスピードを増し故障するまで試験を行い、故障したときの速度(km/h)を測定し、これによって評価した。表2にその試験結果を示す。なお、表中の数値は、従来例19を100 とした指数比で示してあり、大きいほど優れている。

0032

(3)耐久性試験
タイヤ内圧1.0 kgf/cm2 、JATMA に定められている最大負荷能力をタイヤに負荷し、 8°のスリップアングルで16時間走行させ、その後、このタイヤを分解して周方向ベルト層において、コード切れが発生しているか否かを調査し、耐久性を評価した。表2にその試験結果を示す。なお、表2中には、コード切れが発生している場合は「あり」と、発生していない場合は「なし」と記載してある。

0033

0034

表2の試験結果から、実施例のNo.1〜15は、従来例のNo.19 に比べてコーナリング性が優れている。また、実施例のNo.1〜15のうちNo.3,4,10 以外は、高速耐久性及び耐久性の両性能についても優れている。なお、周方向ベルト層のコードの正接損失が好適範囲よりも大きいNo.3,4は、従来例のNo.19 に比べて高速耐久性が幾分劣っており、周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率が好適範囲よりも小さいNo.10 は、コード切れの発生が認められた。さらに、傾斜ベルト層のコードの配設角度が好適範囲よりも大きいNo.13 は、No.1に比べると相対的にコーナリング性が劣っていた。比較例のNo.16 〜18は、いずれも周方向ベルト層のコードの撚り係数が適正範囲よりも大きいので、実施例のNo.1〜15に比べコーナリング性が劣っている。従来例のNo.19 〜20のうち、No.20 は、実施例のNo.1〜15に比べてコーナリング性や高速耐久性が劣っており、また、No.19 は、交差ベルトの他に周方向ベルト層も配設されているので、実施例のNo.1に比べると、タイヤ重量がかなり大きくなった。なお、参考のため、排水性とコード出現象についても調べた。その結果、実施例のNo.1〜15のうち、No.11 は排水性が幾分劣っており、また、No.12 はコード出現象の発生が認められたが、それ以外の実施例のNo.1〜10と13〜15は、良好な排水性を有し、コード出現象の発生も認められなかった。

発明の効果

0035

本発明によれば、周方向ベルト層のコードとして、上述したように適正化を図った、PET、ナイロン、PEN、若しくはビニロンの繊維コード又は高強力スチールコードを使用することによって、コーナリング性に優れ、さらに高速耐久性や耐久性についても満足ベルにある、軽量化した汎用の乗用車用空気入りラジアルタイヤの提供が可能になった。

図面の簡単な説明

0036

図1本発明に従う代表的な空気入りタイヤの幅方向断面図である。
図2本発明に従う他の空気入りタイヤの幅方向断面図である。
図3傾斜ベルト層6のコードと、最もタイヤ径方向内側の周方向ベルト層7のコードとの間に位置するゴムの厚みt1を説明するための図である。
図4最もタイヤ径方向外側の周方向ベルト層7のコードと、トレッドゴムの内周面との間に位置するゴムの厚みt2を説明するための図である。
図5本発明に従う他の空気入りタイヤの幅方向断面図である。
図6本発明に従う他の空気入りタイヤの幅方向断面図である。
図7(a),(b)は、周方向ベルト層の被覆ゴムの弾性率を測定する方法を説明する図である。

--

0037

1空気入りタイヤ
2ビードコア
3カーカス
4 カーカスのクラウン部
5タイヤ赤道面
6傾斜ベルト層
7周方向ベルト層
8治具
9ゴム試験片
10試験機
11 レーザー変位計

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ