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技術 Fe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイド

出願人 株式会社IHI
発明者 寺崎聡松田謙治
出願日 1995年5月19日 (25年7ヶ月経過) 出願番号 1995-121031
公開日 1996年11月26日 (24年1ヶ月経過) 公開番号 1996-311585
状態 特許登録済
技術分野
  • -
主要キーワード 航空機エンジン部品 チタンアルミナイド 酸化挙動 予備酸化 形状部品 低融点相 TiAl基合金 常温延性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年11月26日)のものです。
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図面 (6)

目的

極めて優れた鋳造性延性を有し、高温での比強度耐酸化性に優れた、Fe,Vを含む精密鋳造チタンアルミナイドを提供する。

構成

重量百分率でAl:31〜34%,Fe:1.5 〜2.5 %,V:1.5 〜2.0%,B:0.07〜0.30%,Si:0.03〜0.08%を含有し、残部がTi及び不可避不純物から成り、Siの添加により、鋳造性や延性を損なわずに、高温において優れた耐酸化性を有することを特徴としている。

概要

背景

TiAlは、その特徴ゆえに、航空機自動車エンジン用の回転部材などに有望とされているが、一方で、常温延性が著しく低く、また成形加工が難しいことなどから実用化されるには至っていない。

しかし、最近の研究開発成果は、常温延性の改善、精密鋳造法による複雑形状部品試作を可能とし、実用化への気運が高まっている。

ところで、高温での比強度(強度を密度で除した値)に優れているとはいえ、700℃以上の高温では期待されていた程の耐酸化性を示さないことが判明し、種々の対策が提案されている。

緻密なAl2 O3 の酸化被膜を形成するはずのAlを、30〜36(wt%)も含むTiAlの耐酸化性が、期待されたほどではない理由として、Al2 O3 の成長速度よりも、TiO2 の成長速度の方が大きいこと、TiAl中のAlの拡散速度が小さいことなどが挙げられる。

TiAlの耐酸化性を向上させる手段としては、第三元素の添加、表面処理、あるいは低酸素分圧下での熱処理による予備酸化法などが提案されている。

このうち、第三元素を添加する方法について特願昭63-133124 号では、第三元素として0.05〜5 (wt%)のW,Si,Nb,Moの添加が、粉末冶金法でのTiAlの創生成形と共に提案され、特願昭61-256941 号では、0.2 〜1.0(wt%)Siの添加、特願平1-213702号では、0.1 〜2.0 (wt%)Siの添加が、Nb添加との相乗効果で、優れた耐酸化性を付与することが開示されている。

勿論、耐酸化性を改善する第三元素が常温延性に対して有害であれば、実用性を持たないことになるため、添加量の上限が決められたり、粒界強化などによる延性や強度向上に効果を有する元素との組み合わせ、複合添加が提案されている。

概要

極めて優れた鋳造性,延性を有し、高温での比強度,耐酸化性に優れた、Fe,Vを含む精密鋳造チタンアルミナイドを提供する。

重量百分率でAl:31〜34%,Fe:1.5 〜2.5 %,V:1.5 〜2.0%,B:0.07〜0.30%,Si:0.03〜0.08%を含有し、残部がTi及び不可避不純物から成り、Siの添加により、鋳造性や延性を損なわずに、高温において優れた耐酸化性を有することを特徴としている。

目的

しかしながら、この先願に係る精密鋳造用チタンアルミナイドは、後述する如く耐酸化特性に劣るという欠点を持っている。したがって、ジェットエンジンやタ−ビンなどの軽量耐熱新素材として期待されながら、その耐酸化性が障害となっている点を解決することができれば、産業上極めて有用な精密鋳造用チタンアルミナイドを提供することができるものである。

本発明の目的は、Fe,V,Bが複合添加された良好な鋳造性を有するチタンアルミナイドの、その特性を損なうことなく、高温での耐酸化性を改善し、実用に供し得るFe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイドを提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

重量百分率でAl:31〜34 %,Fe:1.5 〜2.5 %,V:1.5 〜2.0 %,B:0.07〜0.30 %,Si:0.03〜0.08 %を含有し、残部がTi及び不可避不純物から成ることを特徴とする、Fe,Vを含む精密鋳造チタンアルミナイド

技術分野

0001

本発明は、軽量かつ耐熱材料として注目されている金属間化合物TiAl(チタンアルミナイド)に係り、特に、Fe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイドに関するものである。

背景技術

0002

TiAlは、その特徴ゆえに、航空機自動車エンジン用の回転部材などに有望とされているが、一方で、常温延性が著しく低く、また成形加工が難しいことなどから実用化されるには至っていない。

0003

しかし、最近の研究開発成果は、常温延性の改善、精密鋳造法による複雑形状部品試作を可能とし、実用化への気運が高まっている。

0004

ところで、高温での比強度(強度を密度で除した値)に優れているとはいえ、700℃以上の高温では期待されていた程の耐酸化性を示さないことが判明し、種々の対策が提案されている。

0005

緻密なAl2 O3 の酸化被膜を形成するはずのAlを、30〜36(wt%)も含むTiAlの耐酸化性が、期待されたほどではない理由として、Al2 O3 の成長速度よりも、TiO2 の成長速度の方が大きいこと、TiAl中のAlの拡散速度が小さいことなどが挙げられる。

0006

TiAlの耐酸化性を向上させる手段としては、第三元素の添加、表面処理、あるいは低酸素分圧下での熱処理による予備酸化法などが提案されている。

0007

このうち、第三元素を添加する方法について特願昭63-133124 号では、第三元素として0.05〜5 (wt%)のW,Si,Nb,Moの添加が、粉末冶金法でのTiAlの創生成形と共に提案され、特願昭61-256941 号では、0.2 〜1.0(wt%)Siの添加、特願平1-213702号では、0.1 〜2.0 (wt%)Siの添加が、Nb添加との相乗効果で、優れた耐酸化性を付与することが開示されている。

0008

勿論、耐酸化性を改善する第三元素が常温延性に対して有害であれば、実用性を持たないことになるため、添加量の上限が決められたり、粒界強化などによる延性や強度向上に効果を有する元素との組み合わせ、複合添加が提案されている。

発明が解決しようとする課題

0009

一方、TiAlの適用が期待されている航空機エンジン部品は、薄肉複雑形状であるため、TiAlの精密鋳造による成形が鋭意試みられており、それぞれ0.05〜3.0 (wt%)のNi,Siを添加して延性向上合金融点降下を図ったり(特願昭62-236609 号)、Fe,V,Bを複合添加して鋳造性を向上させる(特願平2-201373号)など、精密鋳造に適したTiAlも提案されている。

0010

この先願に係る精密鋳造用チタンアルミナイドは、特に鋳造性、破壊靭性、延性における実用化の検討を進める努力によってなされたものである。

0011

すなわち、Alの重量百分率を31〜34%に設定して、常温延性及び常温での破壊靭性値を良好に維持し、鋳造性を損なっていない。また、Bの重量百分率を0.07〜0.30%に設定して、粒界を強化すると共に、ミクロ組織を安定にし、かつ疲労破壊の起点となり得るフレ−ク状チタンボライドの分散を阻止している。また、Feの重量百分率を1.5 〜2.5 %に設定して、湯流れ性,鋳造性,靭性を、Vの重量百分率を1.5 〜2.0 %に設定して、チタンボライドの微細均一分散性を図っている。

0012

このように、先願に係る精密鋳造用チタンアルミナイドは、湯流れ性に優れており、また鋳放状態において、高強度及び比較的優れた延性を有している。また、薄肉複雑形状鋳物でも割れが生じにくく、該薄肉複雑形状の部品を高い良品歩留まりで作製することができる。さらに、高温での比強度において優れている。

0013

しかしながら、この先願に係る精密鋳造用チタンアルミナイドは、後述する如く耐酸化特性に劣るという欠点を持っている。したがって、ジェットエンジンやタ−ビンなどの軽量耐熱新素材として期待されながら、その耐酸化性が障害となっている点を解決することができれば、産業上極めて有用な精密鋳造用チタンアルミナイドを提供することができるものである。

0014

図2に示すように、このFe,Vを含むTiAl(図中の○,□,△印)は、Fe,Vを含まないTiAl(図中の黒塗り菱形印)よりも、高温(800℃,大気雰囲気)での酸化増量が大きい。また図3に示すように、繰り返し酸化(800℃,大気雰囲気で10Hr放置後、2Hr常温冷却を1サイクルとして繰り返し酸化)という条件では、Fe,Vを含まないTiAl(図中の○,△印)は、酸化後の重量が増しているのに対して、Fe,Vを含むTiAl(図中の■,黒塗りの菱形,▲印)は、酸化スケ−ルの剥離が生じ、酸化後の重量は減っている。

0015

図4は、Vの添加量を0,0.5,1.5 (wt%)と変化させて酸化増量の変化を実験(800℃,大気雰囲気)したものである。この実験の結果、図4に示すように、Vを添加していないTiAlに比べて、Vを添加したTiAlの酸化増量が大きい原因には、Vが関与しており、Vの添加量が増すにつれて、酸化後の重量が増している。このVに換えて、例えばNbを等量添加すれば、酸化増量は他のTiAlと同等になることが確認されている。また、他のTiAlに比べて、酸化スケ−ルが剥離しやすい原因には、図5に示すように、Feが濃縮された層が形成されることによっている。

0016

図5に示すように、Ti,Al,Fe,Vから成るTiAlの表面には、Ti,Al,V,Oの酸化スケ−ルが、Fe,Al,Oから成るFeの濃縮層を介して、層状に積み重なっている。高温酸化に特に弱いFeの濃縮層は、高温状態においては、TiAlとの接合が弱まり、酸化スケ−ルの剥離が生じるものと思われる。

0017

本発明の目的は、Fe,V,Bが複合添加された良好な鋳造性を有するチタンアルミナイドの、その特性を損なうことなく、高温での耐酸化性を改善し、実用に供し得るFe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイドを提供するものである。

課題を解決するための手段

0018

本発明は、上記の目的を達成するため、重量百分率でAl:31〜34 %,Fe:1.5 〜2.5 %,V:1.5 〜2.0 %,B:0.07〜0.30 %,Si:0.03〜0.08%を含有し、残部がTi及び不可避不純物から成るものである。

0019

上記の構成によれば、Fe,V,Bが複合添加されたチタンアルミナイドにSiを添加することで、鋳造性に優れているという特性を損なうことなく、高温での耐酸化性を改善できる。

0020

本発明に係る、Fe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイドの組成範囲の限定は、以下の理由による。

0021

Alが重量百分率で31%より少ない場合は、鋳造組織中のTi3 Alの量が著しく増加し、かつTi−B化合物が粗大化して鋳造割れが生じ易くなる。また同じく34%よりも多いと、Ti3 Alの生成量が少なく、熱処理によっても適正な(Ti3 Al+TiAl)複合組織を得る事が出来ず、常温延性を付与する点で不都合である。

0022

Bは重量百分率で0.07%よりも少ないと、粒界強化や鋳造組織微細化の作用がなく、同じく0.30%よりも多いと、TiAl合金硬度が高くなる分、靭性を損なう。

0023

Feは鋳造性を付与する重要な元素であり、重量百分率で1.5 %よりも少ないと、湯流れ性が悪くなり、Ti−B化合物の粗大化をもたらす。同じく2.5 %よりも多いと、TiAl合金の硬度が高くなり過ぎ、かつTi−B化合物が凝集し、鋳造割れを生じ易くなる Vは、耐酸化性を損なう元素ではあるが、Ti−B化合物を微細均一分散させるために不可欠の元素であり、AlやFeが適正に添加されていても、Vが添加されていないとTi−B化合物が微細均一分散した鋳造組織が得られない。Vが重量百分率で1.5 %よりも少ないと、この作用も小さく、同じく2.0 %よりも多いと、TiAl合金の硬度が高くなり、靭性を損なう。

0024

次に、Siの添加量については、0.03(wt%)以下のSi添加では、耐酸化性向上効果は認められず、一方、0.08(wt%)以上のSi添加では、Fe,Si濃縮層の形成が認められ、酸化増量はSi無添加の場合より少ないものの、酸化スケ−ルの剥離性があることが推察され、事実、繰り返し酸化試験では、良好な結果は得られなかった。

0025

0.03〜0.08(wt%)のSi添加では、Ti5 Si3 やTi5 Si4 などの化合物が生成することもなく、さらに鋳造凝固過程で、Siが偏在して低融点相を生成し、凝固割れを発生せしめるということもない。Siの添加はSi単体のほか、Fe−Si(フェロシリコン)などの母合金であってもよい。

0026

以下、本発明に係る、Fe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイドの好適一実施例を詳述する。

0027

本発明者等は、先願特許などで提案されている、γTiAl基合金の耐酸化性向上に有効であるとされる添加元素と、その望ましいとされる添加量を参考にして、Ti-32 Al-1.9Fe-1.3V-0.11 B(wt%)を母材とし、これに各種元素(Hf,W,Re,Y,Zr,Nb,Mo,Cr,Mg)を0.5 (wt%)加えた試験材を溶製して、酸化試験を実施した。

0028

表1は、その結果の一例である。

0029

0030

表1は、各種元素(Hf,W,Re,Y,Zr,Nb,Mo,Cr,Mg)を加えた試料の酸化増量(mg/cm2)を示し、同時にビッカス硬度荷重5kg)も併記している。

0031

表1において、Hf,W,Re,Zrを含むTiAlは、母材の酸化増量である7.62(mg/cm2)より、酸化特性が劣るか、もしくは同等という結果となった。

0032

耐酸化性についてみれば、Nb,Mo,Mgを含むTiAlは、酸化特性は改善できるが、ビッカ−ス硬度(Hv)が300以上となり、靭性を損なう。本発明者等の従前の経験で、硬度上昇をもたらすこれらの添加元素は、常温延性を損なう作用を有することが判っており、たとえ酸化特性は改善できたとしても実用には供し得ない。

0033

次に、ビッカ−ス硬度(Hv)が300以下で、酸化増量の比較的少ないSi,Crについて、添加量を大幅に変えた実験を行い、同時に硬度のみが一番低いYについても併せて実験を行ったが、Siだけが0.03〜0.08(wt%)の範囲の添加で、800℃,50Hrの酸化試験後の増量が、図1に示すように、1.30〜1.60(mg/cm2)の範囲となり、著しい耐酸化性向上効果を示すことを見い出した。

0034

酸化試験後の試料断面X線マイクロアナライザ−による観察では、0.03〜0.08(wt%)のSiを添加した場合には、図5に示した様なFeの濃縮層は認められなかった。

発明の効果

0035

以上述べたように、本発明に係る、Fe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイドは、次のような優れた効果を有している。

0036

(1)Siを添加することで、Fe,Vを含む優れた鋳造性を有するチタンアルミナイドの特性を損なうこと無く、酸化スケ−ルの剥離を阻止し、高温での耐酸化性を改善できる。

0037

(2)Si添加による改善方法は、SiをSi単体もしくはFe−Siなどの形で、0.03〜0.08(wt%)添加するものであり、耐酸化コ−ティングなどの表面処理法に比べてコストの点で有利である。

0038

(3)Si添加量が0.03〜0.08(wt%)の範囲内であれば、鋳造割れを惹起させたり、靭性を損なうなどの悪い副作用がない。

図面の簡単な説明

0039

図1図1は、本発明におけるFe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイドの、Si添加量と酸化増量の相関図である。
図2図2は、各種チタンアルミナイドの、高温酸化による重量増加の関係を示す図である。
図3図3は、各種チタンアルミナイドの、繰り返し酸化における重量変化を示す図である。
図4図4は、Fe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイドの、酸化挙動に及ぼすVの影響を示す図である。
図5図5は、Fe,Vを含む精密鋳造用チタンアルミナイドの、酸化試験後の試料断面の模式図である。

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