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技術 ウォータハンマ防止器

出願人 鈴木総業株式会社
発明者 中西幹育
出願日 1995年5月10日 (26年5ヶ月経過) 出願番号 1995-111754
公開日 1996年11月22日 (24年11ヶ月経過) 公開番号 1996-303678
状態 特許登録済
技術分野 管の付属装置
主要キーワード 一体積層化 シンタクティックフォーム オリフィス孔径 分岐接続管 振動収束 ピーク抑制 自己弾性 発泡エラストマー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年11月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

目的

衝撃のピーク値を低減させる基本性能を満たすとともに、高水圧に耐える水密性と長期にわたって所定の性能を維持する耐久性を備えるウォータハンマ防止器を提供する。

構成

ゲル又はゴム基材としこれに有弾性外殻を有する微小中空体を添加して形成されるシンタクティックフォームからなる緩衝材19の表面に、水撃作用方向にほぼ直交する方向に延長される保護膜部と上記保護膜部の周囲からほぼ水撃作用方向に延長される伸縮部と上記伸縮部の周囲から延長されるフランジ部よりなりゴム状弾性体により形成される伸縮性保護膜21を配置し、伸縮性保護膜21と対面する位置にオリフィス13を配置したので、緩衝材19は水撃による穴明きがなく、水撃作用による引張り力を伸縮部で吸収するので、長期にわたって所定の衝撃のピーク値を低減させる基本性能を維持することができる。

概要

背景

例えば、水道配管において、給水ポンプ運転中に急に停電した時などに、ポンプ内の羽根車配管全体にわたり急激な過負荷状態となる。この現象は、水の慣性力による水撃作用ウォータハンマ)として知られている。この水撃作用は、最近では一般家庭でも1本のレバーを上下操作することでワンタッチバルブ開閉できるシングルレバータイプの蛇口が普及しているため、頻繁に経験されるようになった。又、全自動洗濯機給水配管水洗トイレの給水配管に関しても、同様にバルブの急閉によりウォータハンマが発生している。最近の環境保全高揚から、集合住宅アパートマンション)等において、隣家から発生する水撃音は騒音の問題にまで発展する社会問題になりつつある。そこで、ベローズスプリング及びクッション材等を組合せたウォータハンマ防止器や小型で効果的な水撃防止装置が提案されている。このウォータハンマ防止器により、バルブ閉口時の水撃作用による衝撃値の大きなピークを抑えられるようになっている。

概要

衝撃のピーク値を低減させる基本性能を満たすとともに、高水圧に耐える水密性と長期にわたって所定の性能を維持する耐久性を備えるウォータハンマ防止器を提供する。

ゲル又はゴム基材としこれに有弾性外殻を有する微小中空体を添加して形成されるシンタクティックフォームからなる緩衝材19の表面に、水撃作用方向にほぼ直交する方向に延長される保護膜部と上記保護膜部の周囲からほぼ水撃作用方向に延長される伸縮部と上記伸縮部の周囲から延長されるフランジ部よりなりゴム状弾性体により形成される伸縮性保護膜21を配置し、伸縮性保護膜21と対面する位置にオリフィス13を配置したので、緩衝材19は水撃による穴明きがなく、水撃作用による引張り力を伸縮部で吸収するので、長期にわたって所定の衝撃のピーク値を低減させる基本性能を維持することができる。

目的

本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、衝撃のピーク値を低減させる基本性能を満たすとともに、高水圧に耐える水密性と長期にわたって所定の性能を維持する耐久性を備えるウォータハンマ防止器を提供することにある。又、他の目的は、小流量から大流量まで調節なしに衝撃のピーク値を低減させる基本性能を発揮できる製品を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

水道管等との接続具を有する本体ケースと、上記本体ケース内に配置されゲル又はゴム基材としこれに有弾性外殻を有する微小中空体を添加して形成されるシンタクティックフォームからなる緩衝材と、上記緩衝材の表面に配置され水撃作用方向にほぼ直交する方向に延長される保護膜部と上記保護膜部の周囲からほぼ水撃作用方向に延長される伸縮部と上記伸縮部の周囲から延長されるフランジ部よりなりゴム状弾性体で形成される伸縮性保護膜と、上記接続具の伸縮性保護膜と対面する位置に配置されるオリフィスと、を具備したことを特徴とするウォータハンマ防止器

請求項2

水道管等との接続具を有する本体ケースと、上記本体ケース内に配置されゲル又はゴムを基材としこれに有弾性の外殻を有する微小中空体を添加して形成されるシンタクティックフォームからなる緩衝材と、上記緩衝材の表面に配置され水撃作用方向にほぼ直交する方向に延長される保護膜部と上記保護膜部の周囲からほぼ水撃作用方向に延長される伸縮部と上記伸縮部の周囲から延長されるフランジ部よりなりゴム状弾性体で形成される伸縮性保護膜と、上記接続具の伸縮性保護膜と対面する位置に配置されるオリフィスと、上記伸縮性保護膜の表面に接近して配置され孔径が上記オリフィスの孔径よりも小さく設定された小孔を有する目皿体と、を具備したことを特徴とするウォータハンマ防止器。

技術分野

0001

本発明は、いわゆる水撃作用から配管,蛇口機器水力機械等を保護するためのウォータハンマ防止器係り、特に、衝撃のピーク値を低減させる基本性能を満たし、水密性耐久性にも優れたものに関する。

背景技術

0002

例えば、水道配管において、給水ポンプ運転中に急に停電した時などに、ポンプ内の羽根車や配管全体にわたり急激な過負荷状態となる。この現象は、水の慣性力による水撃作用(ウォータハンマ)として知られている。この水撃作用は、最近では一般家庭でも1本のレバーを上下操作することでワンタッチバルブ開閉できるシングルレバータイプの蛇口が普及しているため、頻繁に経験されるようになった。又、全自動洗濯機給水配管水洗トイレの給水配管に関しても、同様にバルブの急閉によりウォータハンマが発生している。最近の環境保全高揚から、集合住宅アパートマンション)等において、隣家から発生する水撃音は騒音の問題にまで発展する社会問題になりつつある。そこで、ベローズスプリング及びクッション材等を組合せたウォータハンマ防止器や小型で効果的な水撃防止装置が提案されている。このウォータハンマ防止器により、バルブ閉口時の水撃作用による衝撃値の大きなピークを抑えられるようになっている。

発明が解決しようとする課題

0003

上記従来技術において、例えば、ベローズとスプリング及びクッション材等を組合せたウォータハンマ防止器では、構造が複雑になるばかりか、複合部材による設定条件で水撃抑制作用を支配しているから、設定バランス崩れやすく、推奨水圧外では性能が著しく低下する。更に、複合部材の内蔵物が大きくなり、一般家庭での設置には向かないし、エアー溜まりの関係で取付方向(天地等)に制約があり、又、コスト的にも高くなる為、家庭用としての普及にブレーキ掛けているなどの問題点がある。

0004

更に、上記ベローズやスプリングに替えて、シリコーンゴム等を緩衝材に使用することが公知になっている(特開平3−186691)。しかし、上記緩衝材を用いるだけでは衝撃のピーク値を思うように低減させることはできないことが判明した。そこでこのような問題に対して、種々試してみたところ、緩衝材として特定のシンタクティックフォームを用い、且つ、この前面にオリフィスを配置することで衝撃のピーク値を低減させることができ、さらに、オリフィスから噴入する水圧流によって短時間に上記シンタクティックフォームに針状の穴が明いてしまい初期性能を維持することができないという問題に対しては、伸縮性保護膜を緩衝材の表面に形成することで対応することが考えられている。

0005

しかしながら、この場合には、一時的に衝撃のピーク値を低減させる基本性能を満たすことはできるが、ウォータハンマ防止器に要求される高水圧に耐える水密性と、長期にわたって基本性能を維持する耐久性については十分とはいえず、これらの条件を満たす製品の開発が望まれていた。又、適用する流量によって、特に大流量の場合に基本性能を発揮できない場合があり、小流量から大流量まで広範囲にて、調節なしに衝撃のピーク値を低減させる基本性能を発揮できる製品の開発が望まれていた。

0006

本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、衝撃のピーク値を低減させる基本性能を満たすとともに、高水圧に耐える水密性と長期にわたって所定の性能を維持する耐久性を備えるウォータハンマ防止器を提供することにある。又、他の目的は、小流量から大流量まで調節なしに衝撃のピーク値を低減させる基本性能を発揮できる製品を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するべく本発明の請求項1記載のウォータハンマ防止器は、水道管等との接続具を有する本体ケースと、上記本体ケース内に配置されゲル又はゴム基材としこれに有弾性外殻を有する微小中空体を添加して形成されるシンタクティックフォームからなる緩衝材と、上記緩衝材の表面に配置され水撃作用方向にほぼ直交する方向に延長される保護膜部と上記保護膜部の周囲からほぼ水撃作用方向に延長される伸縮部と上記伸縮部の周囲から延長されるフランジ部よりなりゴム状弾性体で形成される伸縮性保護膜と、上記接続具の伸縮性保護膜と対面する位置に配置されるオリフィスと、を具備したことを特徴とするものである。

0008

又、請求項2記載のウォータハンマ防止器は、水道管等との接続具を有する本体ケースと、上記本体ケース内に配置されゲル又はゴムを基材としこれに有弾性の外殻を有する微小中空体を添加して形成されるシンタクティックフォームからなる緩衝材と、上記緩衝材の表面に配置され水撃作用方向にほぼ直交する方向に延長される保護膜部と上記保護膜部の周囲からほぼ水撃作用方向に延長される伸縮部と上記伸縮部の周囲から延長されるフランジ部よりなりゴム状弾性体で形成される伸縮性保護膜と、上記接続具の伸縮性保護膜と対面する位置に配置されるオリフィスと、上記伸縮性保護膜の表面に接近して配置され孔径が上記オリフィスの孔径よりも小さく設定された小孔を有する目皿体と、を具備したことを特徴とするものである。

0009

本発明の請求項1によるウォータハンマ防止器を水道管の配管途上に設置すると、水道管内の急激なバルブ閉口動作によって発生する水撃エネルギーは、まず入口オリフィスによって減衰され、次いで、本体ケース内に伝播し、伸縮性保護膜で被覆された緩衝材によって減衰される。上記のように水撃エネルギーは、二段階減衰作用を受ける。入口オリフィスによる減衰作用は、入口オリフィスの存在のみによって奏されるものではなく、その後面に上記緩衝材が配置されていることによって初めて奏される減衰効果であり、緩衝材を例えば微小中空体の入らない無垢体で構成すると、これに対面してオリフィスを配置したとしても充分な減衰作用は得られないものである。

0010

又、上記緩衝材は、ゲル又はゴムを基材としこれに有弾性の外殻を有する微小中空体を添加して形成されるシンタクティックフォームを伸縮性保護膜によって保護しているので、水撃による穴明きがないし、上記伸縮性保護膜はゴム状弾性体により形成されていて、しかも水撃作用方向に伸縮する伸縮部が形成され、水撃作用による引張り力を上記伸縮部で吸収するので、フランジ部において本体ケースを強くカシメることができ高圧に耐え得る水密性が得られるとともに、伸縮性保護膜の破損を防止して長期にわたって所定の衝撃のピーク値を低減させる基本性能を維持することができる。又、小径の柱状に加工されるから、コンパクトにウォータハンマ防止器を構成できる。

0011

本発明の請求項2のウォータハンマ防止器によると、上記シンタクティックフォームからなる緩衝材と伸縮性保護膜とオリフィスとを備え、且つ、接続具のオリフィスと対向する伸縮性保護膜の表面に接近して小孔を持つ目皿体を介装させ、上記目皿体の小孔の孔径はオリフィス孔径よりも小さく設定されているので、水撃エネルギーはオリフィスで一次減衰されるとともに、目皿体の小孔で二次減衰された上で最終的に緩衝材により減衰され、三段階の減衰作用を受け、これにより水撃のピーク値を低く抑える減衰効果が発揮されることはもとより、小流量から大流量までの広い範囲で衝撃のピーク値を低減させる作用効果が発揮される。

0012

以下、図1を参照して本発明の第1実施例を説明する。図1はウォータハンマ防止器10の構成を示す一部縦断正面図である。本発明に係るウォータハンマ防止器10は、水道管1の配管途上に設けた分岐接続管2に対して、その接続具11に設けた螺子部11Aを螺着して設置される。上記接続具11は、その入口にオリフィス13を付設するほか、上方にフランジ部11Bを形成している。上記フランジ部11Bには下方が開口した円筒状(直径30mm前後,長さ30mm前後)の本体ケース15が被され、この本体ケース15内には、ゲル又はゴムを基材17としこれに有弾性の外殻を有する微小中空体17Aを添加して形成されるシンタクティックフォームからなる緩衝材19が装着(充填)されている。

0013

上記緩衝材19の表面(本体ケース15の開口側)に伸縮性保護膜21が密着して装着されており、上記伸縮性保護膜21のフランジ部21Cを挟み込んだ状態で本体ケース15の外周縁15Aを接続具11のフランジ部11Bにカシメて一体化している。

0014

続いて、上記緩衝材19を構成するシンタクティックフォームの物性の詳細を説明する。本願にいうシンタクティックフォームは、ゲル又はゴムを基材17としてこれに有弾性の外殻を有する微小中空体17Aを添加して形成されるものであり、シンセティックフォームともいわれるものであって、好適には、シリコン製シンタクティックフォームが用いられる。この場合、シリコーンゲル又はシリコーンゴムは、JIS K 2207(50g荷重)による針入度200〜JIS K 6301によるゴム硬度が50程度の範囲にあるものが適用でき、又、微小中空体は数十μm〜千μmの微小中空球体であって、これが1〜6%程度添加されているものである。

0015

好適なシリコーンゴムとしては、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)社のCX52−282がある。これは数分で硬化し始める高速硬化品でアスカーC硬度は約55である。ちなみに、アスカーC硬度は、上記JIS K 6301によるゴム硬度より柔らかいゴムや発泡エラストマースポンジ等を測定するに適するものとして規定されるSRIS 0101(日本ゴム協会規格)やJISS6050により測定されたものである。又、シリコーンゲルとしては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社のCY52−276等がある。勿論、これらシリコーンゲル又はシリコーンゴムでなくとも、上記硬さを備え、温度特性に優れ、溶出の点でも心配がなく、変質せず、耐久性がある等の基本的な諸物性を満たすものであれば適用できるものである。

0016

又、添加される微小中空体は、自己弾性変形し得る有弾性の合成樹脂を材料とした殻を有している直径数十μm〜千μmの微小中空体であり、好適なものとして、日本フィライト(株)社のエクスパンセル登録商標),本油脂製薬(株)社のマツモトマイクロスフェアー等が例示できる。本実施例においてはマツモトマイクロスフェアー80EDL(直径200μm)を使用している。

0017

尚、これら微小中空体は一般に5μm〜100μm程度のものが一般グレードとして市販されているが、これに改良を加え、200μm〜1000μm程度に膨張させたものが好適である。なお、理論上1000μm程度に膨張させたもののほうが良い緩衝効果を示すのではないかと予想されるが、実際には1000μm程度に膨張させるためにはその殻厚も厚くする必要から、かえって、200μm〜300μmのものが優れた緩衝効果を示す結果が得られている。

0018

上記緩衝材19の表面(本体ケース15の開口側)には、伸縮性保護膜21が密着して装着される。上記伸縮性保護膜21は、ゴム状弾性体により形成されるものであり、シリコーンゴム,EPDMイソプレンゴム)等の合成ゴム天然ゴム等の内から、耐久性や水に対する溶出性などを考慮して選択されるものである。本実施例ではミラブル型シリコーンゴム(東シリコーン製TSE260−3U)が使用されている。このものは、耐熱製,高引裂性、安全性の点で優れており、瞬間湯沸かし器給湯器等に使用することも可能である。

0019

上記伸縮性保護膜21の形状であるが、緩衝材19の表面であって水撃作用方向にほぼ直交する方向に延長される保護膜部21Aと、保護膜部21Aの周囲からほぼ水撃作用方向に延長される伸縮部21Bと、上記伸縮部21Bの周囲から延長されるフランジ部21Cから形成されている。又、このものの板厚は、水撃エネルギーを吸収して緩衝材19と一緒に凹み変位し、水撃エネルギーの消滅で、緩衝材19の復元力自己の復元力とで一緒に復帰するように5mm前後に条件設定されている。

0020

ここで、伸縮性保護膜21の伸縮部29Bを除く部分は緩衝材19,本体ケース15と接着されている。すなわち、保護膜部21Aと緩衝材19との間は、水撃圧が作用した後、瞬間的に負圧となるので、剥離しないように接着剤にて接着され一体積層化されている。又、フランジ部21Cと本体ケース15との間及びフランジ部21Cと接続具11のフランジ部11Bとの間は、緩衝材19側への水の侵入を防止するため、接着剤にて接着されている。尚、これらの各部はかならずしも接着されている必要はなく、本体ケース15と接続具11とを強くカシメることにより、所定の基本性能と耐久性、水密性を維持することができる。

0021

以上の構成を基にその作用を説明する。まず、水道管1の配管途上に設置したウォータハンマ防止器10の入口オリフィス13は、水道管内の急激なバルブ閉口動作によって発生する水撃エネルギーを減衰作用し、且つ、本体ケース15内に伝播した水撃エネルギーは、伸縮性保護膜21で被覆された緩衝材19によって減衰作用を受ける。上記のように水撃エネルギーは、二段階の減衰作用を受け、最終的に緩衝材19により減衰する。入口オリフィス13による減衰作用は、入口オリフィス13の存在のみによって奏されるものではなく、その後面に上記緩衝材19が配置されていることによって初めて奏される減衰効果であり、緩衝材19を例えば微小中空体17Aの入らない無垢体で構成すると、これに対面してオリフィス13を配置したとしても充分な減衰作用は得られないことが実験的に確かめられている。

0022

シンタクティックフォームよりなる緩衝材19は、伸縮性保護膜21で被覆しているから、穴明き等を発生させず、その耐久性が発揮される。又、伸縮性保護膜21は、保護膜部21Aとフランジ部21Cの間にほぼ水撃作用方向に延長される伸縮部21Bが形成され、水撃作用による引っ張り力はこの伸縮部21Bが伸縮することにより吸収される。よって、伸縮性保護膜21のフランジ部21Cを挟み込んだ状態で本体ケース15の外周縁15Aを接続具11のフランジ部11Bに強くカシメることができるので高度の水密性が得られるとともに、耐久性が発揮される。又、伸縮性保護膜21の伸縮部21Bを除く部分は緩衝材19,本体ケース15と接着されているので、緩衝材19と伸縮性保護膜21とが一体化され、又、緩衝材19側に水が侵入することがない。

0023

以上、本実施例によると次のような効果を奏することができる。まず、本実施例のウォータハンマ防止器によると、接続具11の入口オリフィス13で水撃エネルギーを減衰するとともに、伸縮性保護膜21で被覆された緩衝材19によって減衰するから、二段階に水撃エネルギーを減衰し、水撃エネルギーのピーク値を低く抑える減衰効果がある。又、上記緩衝材19は小径の柱状に加工されるから、コンパクトにウォータハンマ防止器を構成しても従来品のベローズタイプと同等の水撃減衰作用が発揮される。又、従来品のベローズタイプではエアー溜まりの関係で取付方向(天地等)に制約があったが、本実施例ではその制約がなくどのような取付方向に設置しても動作させることができる。又、上記緩衝材19は、ゲル又はゴムを基材としこれに有弾性の外殻を有する微小中空体を添加して形成されるシンタクティックフォームを伸縮性保護膜21で被覆したので、水撃による穴明きがなく、その耐久性が保証される。

0024

又、上記伸縮性保護膜21はゴム状弾性体により形成されており、しかも水撃作用方向に伸縮する伸縮部21Bが形成され、水撃作用による引張り力を上記伸縮部21Bで吸収する構成としたので、フランジ部21Cにおいて接続具11と本体ケース15とを強くカシメることができ、高圧に耐え得る水密性が得られるとともに、伸縮性保護膜21の破損を効果的に防止でき、長期にわたって所定の衝撃のピーク値を低減させる基本性能を維持することができる。又、伸縮性保護膜21の伸縮部29Bを除く部分は緩衝材19,本体ケース15と接着されているので、緩衝材19と伸縮性保護膜21との剥離を防止でき、又、緩衝材19側への水の侵入を防止できる。

0025

次に、図2乃至図3を参照して本発明の第2実施例を説明する。本実施例は上記第1実施例において、接続具11のオリフィス13と対向する緩衝材19の伸縮性保護膜21の表面に接近して小孔27Aを持つ目皿体27を介装させている。この小孔27Aの孔径(a)は、オリフィス13の孔径(b)よりも小さく設定されている。

0026

ここで、伸縮性保護膜21の伸縮部29Bを除く部分は緩衝材19,本体ケース15,目皿体27と接着されている。すなわち、保護膜部21Aと緩衝材19との間は、水撃圧が作用した後、瞬間的に負圧となるので、剥離しないように接着剤にて接着され一体積層化されている。又、フランジ部21Cと本体ケース15との間及びフランジ部21Cと目皿体27との間は、緩衝材19側への水の侵入を防止するため、接着剤にて接着されている。尚、これらの各部は必ずしも接着されている必要はなく、本体ケース15と接続具11とを強くカシメることにより所定の基本性能と耐久性、水密性は維持できる。尚、他の部分の構成及び機能は、上記第1実施例と同一であり、同一符号を付して説明を省略する。

0027

上記第2実施例の場合には、オリフィス13で水撃エネルギーを一次減衰するとともに、目皿体27の小孔27Aで二次減衰した上で最終的に緩衝材19により減衰するから、三段階に水撃エネルギーを減衰し、水撃エネルギーのピーク値を低く抑える減衰効果がある。又、上記二段階の絞り効果と緩衝材の減衰効果により、調節なしに小流量から大流量まで広範囲に適用できる効果がある。

0028

次に、本発明の各実施例のウォータハンマ防止器について、図4に示すような水撃防止効果試験装置40に接続して水撃防止効果を試験した。上記装置について説明すると、給水系統41は、圧力ポンプ43から給水される配管45からなっている。上記配管45には圧力調節弁47、逆止弁48、急閉弁49及び流量調節弁51を有する。本発明のウォータハンマ防止器10は配管45の逆止弁48と急閉弁49との間に分岐管53を介してネジ接続される。又、ウォータハンマ防止器10の上流側に分岐管55を接続し、ここに圧力センサ57と、この圧力センサ57に接続されたFETアナライザ59とを備えている。

0029

上記水撃防止効果については、ウォータハンマ現象を受けて水撃のピーク値がどのように抑制されるかを示すピーク抑制効果と、ウォータハンマ現象が発生してからの振動減衰振動収束)を示すダンピング特性として表わせるので、この両者について試験を行った。又、耐久性については、所定の間隔で上記試験を1回〜10万回まで繰り返し実施し、その変化を確認した。以下、その結果を示す。

0030

(試験例)圧力調節弁47で基準水圧を2kgf/cm2 とし、ウォータハンマ防止器を全く使用しない場合の水撃圧力が約20kgf/cm2 となるような位置にウォータハンマ防止器10を設置して試験した。この試験例でピーク値抑制効果は次の通りであった。
(1)図5は、ウォータハンマ防止器無しの状態における水撃圧力特性を示し、ピーク値が20kgf/cm2 となり、ピーク後振動衰えず長引いている。
(2)図6は、伸縮性保護膜21と目皿体27を備えた本発明の第2実施例のウォータハンマ防止器10の試験開始後10回目の水撃圧力特性を示し、ピーク値が9.2kgf/cm2 でウォータハンマ防止器無しに較べてピーク値が抑えられ、ピーク後の減衰作用も見られる。
(3)図7は、同上1万回目の水撃圧力特性を示し、ピーク値が8.9kgf/cm2 で、ピーク後の減衰作用も見られる。
(4)図8は、同上2万回目の水撃圧力特性を示し、ピーク値が8.8kgf/cm2 で、ピーク後の減衰作用も見られる。
(5)図9は、同上5万回目の水撃圧力特性を示し、ピーク値が9.1kgf/cm2 で、ピーク後の減衰作用も見られる。
(6)図10は、同上7万回目の水撃圧力特性を示し、ピーク値が9.1kgf/cm2 で、ピーク後の減衰作用も見られる。
(7)図11は、同上10万回目の水撃圧力特性を示し、ピーク値が9.1kgf/cm2 で、ピーク後の減衰作用も見られる。

0031

上記試験結果から、本発明のウォータハンマ防止器10は、水撃のピーク値を抑制する基本性能を発揮でき、又、耐久性についても、10万回に及ぶ試験中に上記基本性能が維持され、十分な耐久性を有することが確認されている。又、水密性については、上記の試験結果とともに、100kgf/cm2 の水圧で加圧して水漏れの有無を試験したところ、水漏れは全くなく、十分な水密性があることが確認されている。

0032

次に、図12は、上記試験装置40により、水圧を1.5kgf/cm2 から6kgf/cm2 まで1.5kgf/cm2 毎に変化させ、ウォータハンマ防止器無し、第1実施例のウォータハンマ防止器10(目皿体無し)、第2実施例のウォータハンマ防止器10(目皿体有り)の各試料について、水撃ピーク値を折れ線グラフで示したものである。この試験結果から、低圧の1.5kgf/cm2 (少流量)から高圧の6kgf/cm2 (大流量)までの各水圧で、本発明のウォータハンマ防止器を装置した場合に水撃ピーク値が低下していることが確認できる。又、目皿体27を備えた第2実施例のウォータハンマ防止器10がより水撃ピーク値を低くすることができるが、目皿体27を備えない第1実施例の場合もピーク値の減衰効果が表れていることが確認できる。

0033

本発明は、上記各実施例に限定されず、その要旨内での細部設計変更は自由に行われること勿論である。例えば、接続具11や本体ケース15等の形状変更、オリフィス13や目皿体27の取付け方法等も図示のものに限定されず、例えば図13乃至図14に示すように、本体ケース50のフランジ部50A及び接続具51のフランジ部51Aをステンレス鋼で形成し、両者の接続部分をシーム溶接することにより、水密性を向上することができる。又、図14破線で示すように伸縮線保護膜53のフランジ部周縁53CをOリング状に膨出させて形成し、シーム溶接又は上記実施例のようにカシメる際に、これを圧縮させることにより一層水密性を向上させることができる。又、本発明のウォータハンマ防止器は水に適用した例を示したが、水以外の液体にも適用できること勿論である。

0034

以上詳述したように本発明の請求項1記載のウォータハンマ防止器によると、接続具の入口オリフィスで水撃エネルギーを減衰するとともに、伸縮性保護膜で被覆された緩衝材によって減衰するから、二段階に水撃エネルギーを減衰し、水撃エネルギーのピーク値を低く抑える減衰効果がある。又、上記緩衝材は小径の柱状に加工されるから、コンパクトにウォータハンマ防止器を構成しても従来品のベローズタイプと同等の水撃減衰作用が発揮される。又、従来品のベローズタイプではエアー溜まりの関係で取付方向(天地等)に制約があったが、本発明ではその制約がなくどのような取付方向に設置しても動作させることができる又、上記緩衝材は、ゲル又はゴムを基材としこれに有弾性の外殻を有する微小中空体を添加して形成されるシンタクティックフォームを伸縮性保護膜で被覆したので、水撃による穴明きがなく、その耐久性が保証される。

0035

又、上記伸縮性保護膜はゴム状弾性体により形成されており、しかも水撃作用方向に伸縮する伸縮部が形成され、水撃作用による引張り力を上記伸縮部で吸収する構成としたので、フランジ部において接続具と本体ケースとを強くカシメることができ、高圧に耐え得る水密性が得られるとともに、伸縮性保護膜の破損を効果的に防止でき、長期にわたって所定の衝撃のピーク値を低減させる基本性能を維持することができる。

0036

本発明の請求項2記載のウォータハンマ防止器によると、上記の請求項1により奏される効果のほか、オリフィスで水撃エネルギーを一次減衰するとともに、目皿体の小孔で二次減衰した上で最終的に緩衝材により減衰するから、三段階に水撃エネルギーを減衰し、水撃エネルギーのピーク値を低く抑える減衰効果がある。又、上記二段階の絞り効果と緩衝材の減衰効果により、調節なしに小流量から大流量まで広範囲に適用できるウォータハンマ防止器を得られる効果がある。

図面の簡単な説明

0037

図1本発明の第1実施例を示す図で、ウォータハンマ防止器の一部縦断正面図である。
図2本発明の第2実施例を示す図で、ウォータハンマ防止器の一部破断斜視図である。
図3本発明の第2実施例を示す図で、ウォータハンマ防止器の一部縦断正面図である。
図4水撃防止効果試験装置の正面図である。
図5ウォータハンマ防止器が無い時の水撃圧力変化を示す特性図である。
図6本発明のウォータハンマ防止器の水撃圧力変化を示す特性図である。
図7本発明のウォータハンマ防止器の水撃圧力変化を示す特性図である。
図8本発明のウォータハンマ防止器の水撃圧力変化を示す特性図である。
図9本発明のウォータハンマ防止器の水撃圧力変化を示す特性図である。
図10本発明のウォータハンマ防止器の水撃圧力変化を示す特性図である。
図11本発明のウォータハンマ防止器の水撃圧力変化を示す特性図である。
図12本発明ウォータハンマ防止器の各常水圧における水撃圧力変化を示す特性図である。
図13本発明の他の実施例を示す図で、ウォータハンマ防止器の断面図である。
図14本発明の他の実施例を示す図で、ウォータハンマ防止器の分解断面図である。

--

0038

1水道管
10ウォータハンマ防止器
11接続具
11A螺子部
13オリフィス
15 本体ケース
17基材
17A微小中空体
19緩衝材
21伸縮性保護膜
21A 保護膜部
21B伸縮部
21Cフランジ部
27目皿体
27A小孔
40水撃防止効果試験装置

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