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技術 加工性および強度の優れた含B鋼および該含B鋼製鍛造部品の製造方法

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 並村裕一長谷川豊文足立周悟郎山本義則
出願日 1995年5月2日 (25年9ヶ月経過) 出願番号 1995-108641
公開日 1996年11月19日 (24年3ヶ月経過) 公開番号 1996-302445
状態 特許登録済
技術分野 磁性鉄合金の熱処理
主要キーワード 高強度レベル 電気炉加熱 拘束圧縮試験 焼入れ処理前 トータル量 鍛造部品 誘導加熱法 冷間鍛造後
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この項目の情報は公開日時点(1996年11月19日)のものです。
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目的

B添加による冷間鍛造性および焼入れ性の向上を保持しながら、焼入れ加熱時におけるオーステナイト結晶粒度の粗大化を防止することによって加工性や強度等が高められた含B鋼を提供する。

構成

C:0.15〜0.35%(重量%の意味、以下同じ),Si:0.25%以下,Mn:0.30〜1.50%,Al:0.02〜0.04%,Ti:0.015 〜0.08%,N:0.003〜0.01%,B:0.0005〜0.004 %,Cr:1.0 %以下を夫々含有すると共に、下式(1)で規定されるP値が0.35〜0.60%、および下式(2)で規定されるG値が0.01%以上0.07%以下の範囲を満足する含B鋼である。

P値=[C]+0.60[Si]+0.15[Mn]+0.15[Cr]…(1)

G値=[Ti]−3.5 [N]…(2)

概要

背景

従来、鍛造部品用鋼を冷間鍛造した後、焼入れ焼鈍処理を施すことによって引張強度が785N/mm2 を超える高強度レベル鍛造部品を製造するに当たっては、冷間鍛造前熱処理として球状化焼鈍処理を行うことが必要になってくる。しかしながら、球状化焼鈍処理は長時間の熱処理を必要とするため、コスト低減および省エネルギー化の観点から、上記熱処理の簡略化または省略化が切望されている。

そこで、鋼材としてB添加鋼を用いることによって、冷間鍛造性劣化させることなく焼入性を維持すると共に、鍛造部品製造時のコスト低減を図っている。しかしながら、このB添加鋼は焼入れ加熱時オーステナイト結晶粒度が粗大化しやすいという問題がある。そのため、オーステナイト結晶粒度の粗大化を抑制することを目的として、特に焼入れ加熱時における加熱速度を制御した種々の方法が提案されている。

例えば特開平57−79116号には焼入れ時の加熱速度を3〜50℃/秒とする方法であるが、通常の部品焼入れ時の加熱速度(0.5℃/秒以下)とは異なって急速加熱処理が必要であり、適用範囲が限定されてしまうという問題がある。

また特公昭56−13768号には、焼入れ時の加熱速度を3℃/分以下とする方法が示されているが、加熱手段は誘導加熱法前提としており通常の部品焼入れ・焼鈍処理で繁用される電気炉加熱は利用しにくいという不都合がある。更にこの方法によれば、オーステナイトの結晶粒度を調整するために、鋼の焼入れ処理前熱間加工または950℃以上1000℃以下の加熱処理を行うことが前提となっており、工程が煩雑となりコストの上昇を招く等の問題も伴っている。

概要

B添加による冷間鍛造性および焼入れ性の向上を保持しながら、焼入れ加熱時におけるオーステナイト結晶粒度の粗大化を防止することによって加工性や強度等が高められた含B鋼を提供する。

C:0.15〜0.35%(重量%の意味、以下同じ),Si:0.25%以下,Mn:0.30〜1.50%,Al:0.02〜0.04%,Ti:0.015 〜0.08%,N:0.003〜0.01%,B:0.0005〜0.004 %,Cr:1.0 %以下を夫々含有すると共に、下式(1)で規定されるP値が0.35〜0.60%、および下式(2)で規定されるG値が0.01%以上0.07%以下の範囲を満足する含B鋼である。

P値=[C]+0.60[Si]+0.15[Mn]+0.15[Cr]…(1)

G値=[Ti]−3.5 [N]…(2)

目的

本発明はこうした事情に着目してなされたものであって、その目的は、B添加鋼の使用による冷間鍛造性および焼入れ性の向上を保持しながら、焼入れ加熱時におけるオーステナイト結晶粒度の粗大化を防止することによって加工性や強度等が高められた含B鋼、およびこの含B鋼を用いて加工性等の機械的特性が良好な鍛造部品を効率よく製造することのできる方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

C:0.15〜0.35%(重量%の意味、以下同じ),Si:0.25%以下(0%を含まない),Mn:0.30〜1.50%,Al:0.02〜0.04%,Ti:0.015 〜0.08%,N:0.003 〜0.01%,B:0.0005〜0.004 %,Cr:1.0 %以下(0%を含まない)を夫々含有すると共に、下式(1)で規定されるP値が0.35〜0.60%、および下式(2)で規定されるG値が0.01%以上0.07%以下の範囲を満足し、残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴とする加工性および強度の優れた含B鋼。P値=[C]+0.60[Si]+0.15[Mn]+0.15[Cr]…(1)G値=[Ti]−3.5 [N]…(2)式中、[C],[Si],[Mn],[Cr],[Ti]および[N]は、夫々C,Si,Mn,Cr,TiおよびNの含有量(%)を示す。

請求項2

更に他の成分として、Mo:0.5 %以下(0%を含まない)、Ni:1.0 %以下(0%を含まない)およびV:0.2 %以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1に記載の含B鋼。

請求項3

請求項1または2に記載の鋼を所定形状に冷間鍛造した後、Ac3点以上で(Ac3 +50℃)以下の温度範囲までを4℃/分を超える加熱速度で加熱・保持してから焼入れ焼鈍することを特徴とする加工性および強度の優れた含B鋼製鍛造部品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、自動車や各種産業機械等に用いられる各種鍛造品の製造方法に関し、詳細には、引張強度が785N/mm2 を超え、オーステナイト結晶粒度番号が5以上である含B鋼製鍛造部品を効率よく製造するための方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、鍛造部品用鋼を冷間鍛造した後、焼入れ焼鈍処理を施すことによって引張強度が785N/mm2 を超える高強度レベルの鍛造部品を製造するに当たっては、冷間鍛造前熱処理として球状化焼鈍処理を行うことが必要になってくる。しかしながら、球状化焼鈍処理は長時間の熱処理を必要とするため、コスト低減および省エネルギー化の観点から、上記熱処理の簡略化または省略化が切望されている。

0003

そこで、鋼材としてB添加鋼を用いることによって、冷間鍛造性劣化させることなく焼入性を維持すると共に、鍛造部品製造時のコスト低減を図っている。しかしながら、このB添加鋼は焼入れ加熱時オーステナイト結晶粒度が粗大化しやすいという問題がある。そのため、オーステナイト結晶粒度の粗大化を抑制することを目的として、特に焼入れ加熱時における加熱速度を制御した種々の方法が提案されている。

0004

例えば特開平57−79116号には焼入れ時の加熱速度を3〜50℃/秒とする方法であるが、通常の部品焼入れ時の加熱速度(0.5℃/秒以下)とは異なって急速加熱処理が必要であり、適用範囲が限定されてしまうという問題がある。

0005

また特公昭56−13768号には、焼入れ時の加熱速度を3℃/分以下とする方法が示されているが、加熱手段は誘導加熱法前提としており通常の部品焼入れ・焼鈍処理で繁用される電気炉加熱は利用しにくいという不都合がある。更にこの方法によれば、オーステナイトの結晶粒度を調整するために、鋼の焼入れ処理前熱間加工または950℃以上1000℃以下の加熱処理を行うことが前提となっており、工程が煩雑となりコストの上昇を招く等の問題も伴っている。

発明が解決しようとする課題

0006

本発明はこうした事情に着目してなされたものであって、その目的は、B添加鋼の使用による冷間鍛造性および焼入れ性の向上を保持しながら、焼入れ加熱時におけるオーステナイト結晶粒度の粗大化を防止することによって加工性や強度等が高められた含B鋼、およびこの含B鋼を用いて加工性等の機械的特性が良好な鍛造部品を効率よく製造することのできる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成し得た本発明の含B鋼とは、C:0.15〜0.35%,Si:0.25%以下(0%を含まない),Mn:0.30〜1.50%,Al:0.02〜0.04%,Ti:0.015 〜0.08%,N:0.003 〜0.01%,B:0.0005〜0.004 %,Cr:1.0 %以下(0%を含まない)を夫々含有すると共に、下式(1)で規定されるP値が0.35〜0.60%、および下式(2)で規定されるG値が0.01%以上0.07%以下の範囲を満足し、残部がFeおよび不可避不純物からなる点に要旨を有するものである。
P値=[C]+0.60[Si]+0.15[Mn]+0.15[Cr]…(1)
G値=[Ti]−3.5 [N]…(2)
式中、[C],[Si],[Mn],[Cr],[Ti]および[N]は、夫々C,Si,Mn,Cr,TiおよびNの含有量(%)を示す。

0008

更に他の成分として、Mo:0.5 %以下(0%を含まない)、Ni:1.0 %以下(0%を含まない)およびV:0.2 %以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含有するものは、本発明の好ましい実施態様である。

0009

そして、上記の本発明鋼を用いて含B鋼製鍛造部品を製造する方法とは、この鋼を所定形状に冷間鍛造した後、Ac3点以上で(Ac3 +50℃)以下の温度範囲までを4℃/分を超える加熱速度で加熱・保持してから焼入れ・焼鈍する点に要旨を有するものである。

0010

本発明の含B鋼における各成分組成の限定理由は次の通りである。
C:0.15〜0.35%
Cは鋼の焼入性と強度確保のために有用な元素である。本発明の如く焼入れ・焼鈍処理により引張強度が785N/mm2 以上の高強度レベルを得ようとする場合には、0.15%以上の添加が必要である。好ましい下限値は0.20%であり、より好ましいのは0.22%である。一方、Cの添加量が増加するにつれて冷間鍛造性が阻害され、鍛造前熱処理である球状化焼鈍処理を簡略化または省略化することが困難となるので、その上限を0.35%とした。好ましい上限値は0.30%であり、より好ましいのは0.27%である。

0011

Si:0.25%以下(0%を含まない)
Siは脱酸剤として有用な元素であり、好ましい下限値は0.05%である。しかしながら、その添加量が増大するにつれて冷間鍛造時の変形抵抗が上昇する。従って、その上限を0.25%とした。好ましい上限値は0.09%であり、より好ましいのは0.05%である。

0012

Mn:0.30〜1.50%
Mnは焼入性向上元素として使用され、高強度を付与するのに有用であると共に脱酸剤としても作用する。この様な作用を有効に発揮させるには、0.30%以上の添加が必要であり、好ましい下限値は0.40%、より好ましいのは0.50%である。しかしながら、Mnの添加量が多すぎると、圧延後に過冷組織が生成し、冷間鍛造時における変形抵抗の増大を招き、圧造工具寿命の低下をもたらす。好ましい上限値は1.20%であり、より好ましいのは1.00%である。

0013

Al:0.02〜0.04%
Alは脱酸剤として使用されるが、更に鋼中のNを固定してAlNを形成し、結晶粒微細化することによって耐遅れ破壊性の向上にも寄与する元素である。この様な作用を有効に発揮させるには0.02%以上の添加が必要である。好ましい下限値は0.025 %であり、より好ましいのは0.027 %である。しかしながら多過ぎると酸化物系介在物が生成することによって冷間鍛造時の変形能が低下するので、その上限を0.04%とした。好ましい上限値は0.035 %であり、より好ましいのは0.032 %である。

0014

Ti:0.015 〜0.08%
Tiは鋼中のNをTiNの形で固定し、B添加による作用を充分発揮させるのに非常に有用である。特に、TiNの形成は結晶粒の微細化に非常に有用であり、これによってボルト要求機能である耐遅れ破壊性の向上を図ることができる。この様な作用を有効に発揮させるには0.015 %以上の添加が必要である。好ましい下限値は0.03%であり、より好ましいのは0.05%である。しかしながら、多過ぎると窒化物の粗大化を招き、オーステナイト結晶粒の粗大化を防止することができない他、冷間鍛造性、特に変形能の低下を招くことからその上限を0.08%とした。好ましい上限値は0.07%であり、より好ましいのは0.06%である。

0015

N:0.003 〜0.01%
Nは、AlNやTiNの形成によって結晶粒を微細化し、耐遅れ破壊性等の向上に寄与する元素である。この様な作用を有効に発揮させるには、0.003 %以上の添加が必要である。好ましい下限値は0.0035%であり、より好ましいのは0.004 %である。しかしながら、あまり多すぎるとAlやTiの添加によっても全てを捕捉することができず、余剰のNはBNを形成し、Bによる焼入向上効果が確保できないと共に、固溶N量が増大して耐遅れ破壊性を阻害することになる。好ましい上限値は0.006 %であり、より好ましいのは0.005 %である。

0016

B:0.0005〜0.004 %
Bは粒界偏析することにより鋼の焼入性を向上させる元素である。その効果を発揮させるには0.0005%以上の添加が必要である。好ましい下限値は0.0012%であり、より好ましいのは0.0015%である。しかしながら過剰に添加すると、かえって靭性や耐遅れ破壊性等を阻害するので、その上限を0.004 %とした。好ましい上限値は0.0025%であり、より好ましいのは0.0020%である。

0017

Cr:1.0 %以下(0%を含まない)
Crは焼入性を高めて高強度を確保すると共に、耐食性向上による耐遅れ破壊性を向上させるのに非常に有用な元素である。しかしながら、過剰に添加すると冷間鍛造性に悪影響を及ぼす様になるので、その上限を1.0 %とした。好ましい上限値は0.8 %であり、より好ましいのは0.6 %である。

0018

P値:0.35〜0.60%
(但し、P値=[C]+0.60[Si]+0.15[Mn]+0.15[Cr])
P値は、本発明において特に規定されたものであり、優れた冷間鍛造性を得るための指標として設定されたものである。即ち、C,Si,Mn,Crの夫々の成分範囲が上記で規定する範囲を満足する場合であっても、それらのトータル量が多くなると冷間鍛造時における変形抵抗が増大して工具寿命が低下してしまうことから、その上限を0.60%と規定した。好ましい上限値は0.55%であり、より好ましいのは0.50%である。

0019

一方、P値の下限が0.35%を下回る場合には、鍛造部品成形後の焼入れ・焼鈍処理において、本発明で所望する引張強度が785N/mm2 以上を超える部品が得られない。好ましい下限値は0.40%であり、より好ましいのは0.45%である。

0020

G値:0.01%以上0.07%以下
(但し、G値=[Ti]−3.5 [N])
G値も、P値と同様、本発明において特に規定されたものであり、オーステナイト結晶粒の粗大化を防止するための指標として設定されたものである。即ち、Ti化合物によるオーステナイト結晶粒の粗大化防止のためのピン止め効果を確保するには、G値の下限を0.01%とすることが必要である。好ましい下限値は0.03%であり、より好ましいのは0.04%である。

0021

一方、その上限値は本発明において規定されるTi量およびN量によって必然的に決定されるものであるが、好ましい上限値は0.06%であり、より好ましいのは0.05%である。上述した元素は本発明に係る含B鋼における必須成分であるが、必要に応じて以下の元素を添加しても良い。

0022

Mo:0.5 %以下、Ni:1.0 %以下および/またはV:0.2 %以下
(これらの元素は全て0%を含まない)
これらはいずれも機械的特性(強度等)の向上に寄与する元素である。このうち、Moは、焼入性を高めて強度向上に寄与する他、耐食性向上による耐遅れ破壊性の向上にも有用な元素である。しかしながら、過剰に添加すると冷間鍛造性に悪影響を及ぼすので、その上限を0.5 %とした。好ましい上限値は0.3 %である。

0023

Ni:1.0 %以下
Niも、焼入性を高めて高強度付与に寄与すると共に、切欠靭性の上昇によって耐遅れ破壊性の向上に有用な元素である。しかしながら過剰に添加すると冷間鍛造性が阻害されるため、その上限を1.0 %以下とした。好ましい上限値は0.8%である。

0024

V:0.2 %以下
Vは鋼中で炭・窒化物を形成することにより結晶粒の微細化を達成し、耐遅れ破壊性の向上に寄与する元素である。この様な作用を有効に発揮させるには、0.05%以上添加することが好ましい。しかしながら過剰に添加すると、炭・窒化物が粗大化してオーステナイトの結晶粒の粗大化を防止できなくなるので、その上限を0.2 %とした。好ましい上限値は0.15%である。

0025

以上、本発明の含B鋼について説明したが、このB鋼を所定形状に冷間鍛造した後に鍛造部品を製造するには、焼入れ前に、Ac3点以上で(Ac3 +50℃)以下の温度範囲までを4℃/分を超える加熱速度で加熱・保持することが必要である。例えばボルト製造時における焼入時の保持時間は最大で1時間程度であり、この様な加熱・保持を施すことによりボルト芯部まで十分に加熱することができる。この様に焼入れ前の或温度領域における加熱速度を特定することによって、焼入れ時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止することができる。好ましい加熱速度は8℃/分以上であり、より好ましいのは15℃/分以上である。本発明の製造方法では、この様に焼入れ前の熱処理条件を制御する点に特徴があるのであり、該熱処理前の冷間鍛造条件、および該加熱速度で加熱・保持してから焼入れ・焼鈍する条件等については特に制御されず、本発明の作用を損なわない範囲で、適宜好ましい条件を選択することができる。

0026

以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術的範囲に包含される。

0027

実施例1
表1および表2に示す化学成分を有する各種鋼を150kgの真空溶解炉で溶製した後、10.3mmφの線材に圧延した。

0028

0029

0030

その後、680℃で3時間加熱処理してから空冷するという焼鈍処理を行い、9.85mmφに伸線加工した。その際、冷間鍛造性を評価するために、冷間鍛造後の線材を一部用いて、60%の圧縮加工時における変形抵抗を端面拘束圧縮試験法で調べた。一方、伸線加工後の線材を用い、ボルトヘッダーマシンによりM10ボルトを作製した。その後、表1および表2に示す加熱速度で900℃まで加熱して1時間保持した後、JIS G0551の焼入焼戻法に準じてオーステナイト結晶粒度を測定した。これらの結果を表3および表4に示す。

0031

0032

0033

表に示す結果から次の様に考察することができる。本発明で規定する要件を満足する実施例(No.1〜12)は、全てオーステナイト結晶粒度が5以上であり、冷間鍛造時の変形抵抗も665N/mm2 以下で冷間鍛造性に優れると共に、引張強度が785n/mm2 を超える高強度を有することが分かった。また、参考例24〜26は、選択的許容成分であるNi,MoおよびVの含有量が好ましい上限値を超えるものであり、強度およびオーステナイトの結晶粒度は良好であるが変形抵抗が若干増加した。これに対して、本発明の構成要件を満足しない比較例(No.13〜23)は以下の様な不都合を伴っている。

0034

No.13はC量が少ないので、引張強度が低下した。No.14はC量が多いためP値が本発明の上限を上回り、そのために変形抵抗が増加した。No.15はSi量が多いためP値が本発明の上限を上回り、そのため変形抵抗が増加した。No.16はMn量が少ないので、引張強度が低下した。No.17はMn量が多いので変形抵抗が増加した。

0035

No.18は、Cr量が多いためP値が本発明の上限を上回り、そのため変形抵抗が増加した。No.19はTi量が少ないのでG値が本発明の下限を下回り、そのためオーステナイトの結晶粒度が粗大化した。No.20はTi量が多いのでオーステナイトの結晶粒度が粗大化した。No.21は、鋼の化学成分は本発明の要件を満足するが加熱速度が本発明の範囲外であり、そのためオーステナイトの結晶粒度が粗大化した。No.22は、鋼の化学成分は本発明の要件を満足するがP値が本発明の下限を下回るため引張強度が低下した。No.23は、鋼の化学成分は本発明の要件を満足するがP値が本発明の上限を上回るため変形抵抗が増加した。

発明の効果

0036

本発明の含B鋼は以上の様に構成されており、加工性および強度に優れると共に、熱処理後もオーステナイト結晶粒の粗大化を起こさず、均質で微細な結晶組織を有するものである。そして、この鋼を用いて得られる鍛造部品は、加工性、強度および冷間鍛造性の面で非常に優れたものである。

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