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技術 導波路型光アイソレータ

出願人 日本電気株式会社
発明者 黄翊東
出願日 1995年4月14日 (25年2ヶ月経過) 出願番号 1995-089797
公開日 1996年11月1日 (23年8ヶ月経過) 公開番号 1996-286063
状態 特許登録済
技術分野 光集積回路 光集積回路
主要キーワード チャネル状 光ファイバ接続点 リッジ部分 モノシリック 導波路型光アイソレータ 偏光依存型 チャネル光導波路 位相条件
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この項目の情報は公開日時点(1996年11月1日)のものです。
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図面 (11)

目的

構成

導波路型光アイソレータは、屈折率n1 のチャネル導波路41と、これに隣接する等価屈折率n2 の平面導波路42とから成り、n1 >n2 の関係にある。チャネル導波路41の部分には第1および第2のピッチΛ1 、Λ2 が交互に繰り返された回折格子44が形成されている。ピッチΛ1 、Λ2 のうち一方がTEモードに対応し、他方がTMモードに対応する。したがって、2つの異なる回折格子波数ベクトルが得られ、両モードに対して位相整合条件を同時に満足させることができる。ピッチΛ1 、Λ2 の代わりに両モード用にそれぞれ異なった傾斜角が設定されていてもよい。

概要

背景

光ファイバ接続点等からの戻り光送信光源側に再入射することにより生じる信号対雑音比(S/N)の低下を防止する部品として光アイソレータが使用されている。近時、送信光源としての半導体レーザモノシリック集積化を行うことのできる導波路型光アイソレータが提案されている。このような導波路型光アイソレータは、小型化や光機能素子相互の整合性に優れている。このような導波路型光アイソレータとしては、例えば特開平5−5809号公報に記載がある。

図8は、特願平5−197175号に記載された導波路型光アイソレータの構成を表わしたものである。導波路型光アイソレータ10は、基本的にはこの図に示すように等価屈折率n1 のストライプ状のチャネル状光導波路(以下チャネル導波路略称する。)11と、このチャネル状光導波路11に隣接する等価屈折率n2 の平面導波路12とが等価屈折率n3 の媒質13中に埋め込まれたような構造をしている。3つの等価屈折率n1 、n2 、n3 の間には、次の不等式成立するようになっている。
n1 >n2 >n3 ……(1)
また、チャネル導波路11の部分には、この導波路と所定の角度φをなすようにピッチΛの回折格子14が形成されている。

以上のような構造の導波路型光アイソレータ10がアイソレータとして機能するための条件は、チャネル導波路11中を順方向に伝搬する光、すなわち図示しない半導体レーザから射出された光に対して回折格子14による光の回折が生じないことと、これと逆方向に伝搬する光、すなわち戻り光に対しては回折格子14で光が回折されることの2つが成立することである。

このような非相反の光の回折を実現するためには、チャネル導波路11を逆方向に伝搬する光に対して回折格子14による回折光が結合できるようなモードが存在することと、このチャネル導波路11を順方向に伝搬する光に対しては回折光が結合できるようなモードが存在しないような非対象な光導波路を実現すればよい。

図8に示した導波路型光アイソレータでは、チャネル導波路11における図で右側に平面導波路12が存在する一方、左側にはこのような導波路が存在しない。また、回折格子14はこの図に示すようにチャネル導波路11上にある角度φを成して形成されている。今、順方向を+x方向とし、この+x方向に伝搬する光について回折が起きるとする。すると、チャネル導波路11の左側に回折されることになる。ところがこの方向には光導波路が存在しないので、このような回折は実際上起こりえない。

一方、逆方向(−方向)に伝搬する光については、チャネル導波路11の右側に回折される。この方向には平面導波路12が存在するので光は回折されることになる。

図9は、図8に示した従来の導波路型光アイソレータにおける平面導波路上での波数ベクトルを表わしたものである。図で太い上向きの矢印21は入射光の進む方向を示し、この逆の下向きの矢印22は戻り光の進む方向を表わしている。図で円で示した領域がチャネル導波路11である。図9におけるチャネル導波路11の右側の方向すなわち矢印21、22と直交する図で右側に向いた矢印23方向(+y方向)には平面導波路12が存在する。したがって、この半円24で導波モードが存在する。

これに対して、チャネル導波路11の矢印23方向と逆の方向(−y方向)には平面導波路が存在しない。したがって、この方向には導波モードが存在しない。このため、チャネル導波路11を矢印22方向(逆方向)に伝搬する光に対しては、位相整合条件さえ満足すれば、平面導波路12への回折が生じる。これに対して、矢印21方向(順方向)に伝搬する光に対しては、そもそも光が回折することのできる導波モードが存在しないので、このような回折が生じることはない。

概要

TEモードTMモード位相条件を同時に満足する偏光依存型の導波路型光アイソレータを得る。

導波路型光アイソレータは、屈折率n1 のチャネル導波路41と、これに隣接する等価屈折率n2 の平面導波路42とから成り、n1 >n2 の関係にある。チャネル導波路41の部分には第1および第2のピッチΛ1 、Λ2 が交互に繰り返された回折格子44が形成されている。ピッチΛ1 、Λ2 のうち一方がTEモードに対応し、他方がTMモードに対応する。したがって、2つの異なる回折格子波数ベクトルが得られ、両モードに対して位相整合条件を同時に満足させることができる。ピッチΛ1 、Λ2 の代わりに両モード用にそれぞれ異なった傾斜角が設定されていてもよい。

目的

そこで本発明の目的は、TEモードとTMモードの位相条件を同時に満足する偏光依存型の導波路型光アイソレータを提供することにある。

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請求項1

平面状の基板部分に形成された1本のチャネル光導波路と、このチャネル光導波路によって区切られる平面状の基板部分の片側一方にのみ設けられ、かつ前記チャネル光導波路に接していてこのチャネル導波路よりも等価屈折率の低い平面導波路と、前記チャネル導波路部分に2以上の領域から構成されるように形成されていて、それぞれの領域内で格子間ピッチが均一で隣接する他の領域との間では格子間のピッチが相違する回折格子とを具備することを特徴とする導波路型光アイソレータ

請求項2

平面状の基板部分に形成された1本のチャネル光導波路と、このチャネル光導波路によって区切られる平面状の基板部分の片側一方にのみ設けられ、かつ前記チャネル光導波路に接していてこのチャネル導波路よりも等価屈折率の低い平面導波路と、前記チャネル導波路部分に2以上の領域から構成されるように形成されていて、それぞれの領域内で前記チャネル導波路に対する各格子傾斜角が等しく隣接する他の領域との間では前記チャネル導波路に対する格子の傾斜角が相違する回折格子とを具備することを特徴とする導波路型光アイソレータ。

請求項3

前記回折格子の前記チャネル導波路に対する傾斜角が前記2以上の領域で共に等しいことを特徴とする請求項1記載の導波路型光アイソレータ。

請求項4

前記それぞれの領域内で前記回折格子の格子間のピッチが互いに等しいことを特徴とする請求項2記載の導波路型光アイソレータ。

請求項5

前記回折格子はTEモードTMモードの双方の光に対してそれらの平面導波路への回折光位相整合条件が同時に満足されるように隣接する領域同士の格子のパターンが異なって形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の導波路型光アイソレータ。

技術分野

0001

本発明は導波路型光アイソレータに係わり、詳細には半導体レーザモノシリック集積化を行うことのできる導波路型光アイソレータに関する。

背景技術

0002

光ファイバ接続点等からの戻り光送信光源側に再入射することにより生じる信号対雑音比(S/N)の低下を防止する部品として光アイソレータが使用されている。近時、送信光源としての半導体レーザとモノシリックに集積化を行うことのできる導波路型光アイソレータが提案されている。このような導波路型光アイソレータは、小型化や光機能素子相互の整合性に優れている。このような導波路型光アイソレータとしては、例えば特開平5−5809号公報に記載がある。

0003

図8は、特願平5−197175号に記載された導波路型光アイソレータの構成を表わしたものである。導波路型光アイソレータ10は、基本的にはこの図に示すように等価屈折率n1 のストライプ状のチャネル状光導波路(以下チャネル導波路略称する。)11と、このチャネル状光導波路11に隣接する等価屈折率n2 の平面導波路12とが等価屈折率n3 の媒質13中に埋め込まれたような構造をしている。3つの等価屈折率n1 、n2 、n3 の間には、次の不等式成立するようになっている。
n1 >n2 >n3 ……(1)
また、チャネル導波路11の部分には、この導波路と所定の角度φをなすようにピッチΛの回折格子14が形成されている。

0004

以上のような構造の導波路型光アイソレータ10がアイソレータとして機能するための条件は、チャネル導波路11中を順方向に伝搬する光、すなわち図示しない半導体レーザから射出された光に対して回折格子14による光の回折が生じないことと、これと逆方向に伝搬する光、すなわち戻り光に対しては回折格子14で光が回折されることの2つが成立することである。

0005

このような非相反の光の回折を実現するためには、チャネル導波路11を逆方向に伝搬する光に対して回折格子14による回折光が結合できるようなモードが存在することと、このチャネル導波路11を順方向に伝搬する光に対しては回折光が結合できるようなモードが存在しないような非対象な光導波路を実現すればよい。

0006

図8に示した導波路型光アイソレータでは、チャネル導波路11における図で右側に平面導波路12が存在する一方、左側にはこのような導波路が存在しない。また、回折格子14はこの図に示すようにチャネル導波路11上にある角度φを成して形成されている。今、順方向を+x方向とし、この+x方向に伝搬する光について回折が起きるとする。すると、チャネル導波路11の左側に回折されることになる。ところがこの方向には光導波路が存在しないので、このような回折は実際上起こりえない。

0007

一方、逆方向(−方向)に伝搬する光については、チャネル導波路11の右側に回折される。この方向には平面導波路12が存在するので光は回折されることになる。

0008

図9は、図8に示した従来の導波路型光アイソレータにおける平面導波路上での波数ベクトルを表わしたものである。図で太い上向きの矢印21は入射光の進む方向を示し、この逆の下向きの矢印22は戻り光の進む方向を表わしている。図で円で示した領域がチャネル導波路11である。図9におけるチャネル導波路11の右側の方向すなわち矢印21、22と直交する図で右側に向いた矢印23方向(+y方向)には平面導波路12が存在する。したがって、この半円24で導波モードが存在する。

0009

これに対して、チャネル導波路11の矢印23方向と逆の方向(−y方向)には平面導波路が存在しない。したがって、この方向には導波モードが存在しない。このため、チャネル導波路11を矢印22方向(逆方向)に伝搬する光に対しては、位相整合条件さえ満足すれば、平面導波路12への回折が生じる。これに対して、矢印21方向(順方向)に伝搬する光に対しては、そもそも光が回折することのできる導波モードが存在しないので、このような回折が生じることはない。

発明が解決しようとする課題

0010

ところで、図8に示した平面導波路12ではTEモードTMモードで等価屈折率が違うので、伝搬定数が異なる。図8に示した導波路型光アイソレータでは、回折格子波数は1つしか存在しない。このため、一方のモードの位相整合させると他方のモードの位相が整合しないという問題を生じる。

0011

図10は2つのモードの位相が整合しない様子を示したものである。この図で図9と同一部分には同一の符号を付している。図で一点鎖線31は平面導波モードでの波数ベクトルを示し、点線32は回折格子の波数ベクトルを示している。この図に示すように仮にTEモードの位相を整合させると、円33で示すようにTMモードでの位相は整合しなくなる。すなわち、TEモードとTMモードの戻り光の位相整合条件を同時に満足することができない。この結果、図8に示すような導波路型光アイソレータでは、偏波依存性が生じることになる。

0012

一般に、通信用単一モード光ファイバ内の光波の偏光は、楕円偏光状態である。このため、戻り光を遮断するために光アイソレータを挿入する場合には、偏光無依存型でなければならない。

0013

そこで本発明の目的は、TEモードとTMモードの位相条件を同時に満足する偏光依存型の導波路型光アイソレータを提供することにある。

課題を解決するための手段

0014

請求項1記載の発明では、(イ)平面状の基板部分に形成された1本のチャネル光導波路と、(ロ)このチャネル光導波路によって区切られる平面状の基板部分の片側一方にのみ設けられ、かつチャネル光導波路に接していてこのチャネル導波路よりも等価屈折率の低い平面導波路と、(ハ)チャネル導波路部分に2以上の領域から構成されるように形成されていて、それぞれの領域内で格子間のピッチが均一で隣接する他の領域との間では格子間のピッチが相違する回折格子とを導波路型光アイソレータに具備させる。

0015

すなわち請求項1記載の発明では、チャネル光導波路に形成される回折格子が複数の領域に分けられ、同一の領域内では回折格子のピッチが等しく、隣接する領域同士ではこのピッチが異なるように設定されている。そして、これら相違するピッチの領域によって、回折格子の波数ベクトルが互いに異なるTEモードとTMモードの位相条件が同時に満足されるようにしている。

0016

請求項2記載の発明では、(イ)平面状の基板部分に形成された1本のチャネル光導波路と、(ロ)このチャネル光導波路によって区切られる平面状の基板部分の片側一方にのみ設けられ、かつチャネル光導波路に接していてこのチャネル導波路よりも等価屈折率の低い平面導波路と、(ハ)チャネル導波路部分に2以上の領域から構成されるように形成されていて、それぞれの領域内でチャネル導波路に対する各格子傾斜角が等しく隣接する他の領域との間ではチャネル導波路に対する格子の傾斜角が相違する回折格子とを導波路型光アイソレータに具備させる。

0017

すなわち請求項2記載の発明では、チャネル光導波路に形成される回折格子が複数の領域に分けられ、同一の領域内ではチャネル導波路に対する各格子の傾斜角が等しく、隣接する領域同士ではこの角度が異なるように設定されている。そして、これら相違する角度の領域によって、回折格子の波数ベクトルが互いに異なるTEモードとTMモードの位相条件が同時に満足されるようにしている。

0018

請求項3記載の発明では、請求項1記載の導波路型光アイソレータにおける回折格子のチャネル導波路に対する傾斜角が前記した2以上の領域で共に等しいことを特徴としている。

0019

すなわち請求項3記載の発明では、回折格子のピッチが隣接する領域間で異なるが、チャネル導波路に対する傾斜角はこれらの領域で等しくなっている。もちろん、両者が相違することも原理的には可能である。

0020

請求項4記載の発明では、請求項2記載の導波路型光アイソレータにおけるそれぞれの領域内で回折格子の格子間のピッチが互いに等しいことを特徴としている。

0021

すなわち請求項4記載の発明では、チャネル導波路に対する傾斜角が隣接する領域間で異なるが、それぞれの領域内で回折格子の格子間のピッチが互いに等しくなっている。もちろん、両者が相違することも原理的には可能である。

0022

請求項5記載の発明では、請求項1または2記載の導波路型光アイソレータで回折格子はTEモードとTMモードの双方の光に対してそれらの平面導波路への回折光の位相整合条件が同時に満足されるように隣接する領域同士の格子のパターンが異なって形成されていることを特徴としている。

0023

すなわち請求項5記載の発明では、TEモードとTMモードの双方の光に対して回折光の位相整合条件が同時に満足されるように回折格子のピッチあるいは傾斜角がそれぞれ領域ごとに選択されている。

0024

以下実施例につき本発明を詳細に説明する。

0025

第1の実施例

0026

図1は本発明の第1の実施例における導波路型光アイソレータの構造を表わしたものである。本実施例の導波路型光アイソレータ40は、等価屈折率n1 のストライプ状のチャネル導波路41と、これに隣接する等価屈折率n2 の平面導波路42とが等価屈折率n3 の媒質43中に埋め込まれたような構造をしている。3つの等価屈折率n1 、n2 、n3 の間には、先に示した(1)式が成立するようになっている。

0027

また、チャネル導波路41の部分には、この導波路と所定の角度φをなすように2種類のピッチΛ1 、Λ2 を有する回折格子44が形成されている。第1のピッチΛ1 は、TEモードに対して位相整合するように設定されており、第2のピッチΛ2 は、TMモードに対して位相整合するように設定されている。

0028

図2および図3は、このような構成の導波路型光アイソレータの作成工程を示したものである。ここでは、1.3μm帯の半導体レーザとのモノシリック集積化を行うために、InP基板上に導波路型光アイソレータを構成する構造を示している。まず、図2(a)に示すようにInP 基板51上の所定の領域に、例えば電子ビーム露光技術を用いて第1のピッチΛ1 と第2のピッチΛ2 の2つのピッチが交互に繰り返された回折格子44を形成する。図でInP 基板51上の左半分には回折格子44が形成されていない。

0029

次に、同図(b)に示すようにこのInP基板51上にバンドキャップ波長が1.13μm組成のInGaAsP 層53を0.2μmの厚さで成長させる。更に、回折格子44が形成された領域の表面部分の一部に1.5μmの幅でSiO2によるマスク54を形成する。このマスク54を用いてこれが存在しない部分のInGaAsP 層53のみ選択的にエッチングを行うと、同図(c)に示すようなリッジストライプ形状が得られる。このリッジ・ストライプの部分がチャネル導波路41となる。

0030

この後、図3(d)に示すようにチャネル導波路41の部分にSiO2によるマスク55を形成する。そして、このマスク55以外の領域にバンドキャップ波長が1.05μm組成のInGaAsP 層56A、56Bを成長させる。これにより、チャネル導波路41以外の領域のリッジ部分が埋め込まれる。

0031

更に、同図(e)に示すようにチャネル導波路41の片側のリッジ部分が埋め込まれていない方(図で左側)の1.05μm組成のInGaAsP 層56Bの部分をエッチングによって除去する。除去されなかった1.05μm組成のInGaAsP 層56Aの部分が平面導波路42となる。

0032

最後に、全体をInP58で埋め込むと、同図(f)に示すようなウェハ59が得られる。このウェハ59から300μm長に素子切り出せば、TE、TM両モードの光に対して20デシベル程度のアイソレーションを有する偏光無依存型の光アイソレータを得ることができる。

0033

図4は、この第1の実施例の導波路型光アイソレータによる2つのモードの位相が共に整合する様子を表わしたものである。この図で図10と同一部分には同一の符号を付している。図で一点鎖線31は平面導波モードでの波数ベクトルを示し、点線32は回折格子の波数ベクトルを示している。この図に示すようにTEモードとTMモードの戻り光は、これらのモードでそれぞれ位相の整合が行われるように第1のピッチΛ1 と第2のピッチΛ2 が選択されているので、2方向の回折格子波数ベクトルが得られ、両モードに対して位相整合条件を同時に満足させることができる。

0034

第2の実施例

0035

図5は、本発明の第2の実施例における導波路型光アイソレータの構造を表わしたものである。本実施例の導波路型光アイソレータ60は、等価屈折率n1 のストライプ状のチャネル導波路61と、これに隣接する等価屈折率n2 の平面導波路62とが等価屈折率n3 の媒質63中に埋め込まれたような構造をしている。3つの等価屈折率n1 、n2 、n3 の間には、先に示した(1)式が成立するようになっている。

0036

また、チャネル導波路61の部分には、所定のピッチでこの導波路と第1の角度φ1 と第2の角度φ2 を交互になす回折格子64が形成されている。第1の角度φ1 は、TEモードに対して位相整合するように設定されており、第2の角度φ2 は、TMモードに対して位相整合するように設定されている。

0037

図6は、このような構成の導波路型光アイソレータの作成工程を示したものである。ここでも、1.3μm帯の半導体レーザとのモノシリック集積化を行うために、InP基板上に導波路型光アイソレータを構成する構造を示している。まず、同図(a)に示すようにInP 基板51上の所定の領域に、例えば電子ビーム露光技術を用いて第1の角度φ1 と第2の角度φ2 を交互に有する回折格子64を図5に示したようにそれぞれ形成する。図でInP 基板51上の左半分には回折格子が形成されていない。

0038

次に、同図(b)に示すようにこのInP基板51上にバンドキャップ波長が1.13μm組成のInGaAsP 層53を0.2μmの厚さで成長させる。更に、回折格子52が形成された領域の表面部分の一部に1.5μmの幅でSiO2によるマスク54を形成する。このマスク54を用いてこれが存在しない部分のInGaAsP 層53のみ選択的にエッチングを行うと、同図(c)に示すようなリッジ・ストライプ形状が得られる。このリッジ・ストライプの部分がチャネル導波路61となる。この後の工程は図3(d)〜(f)に示したものと実質的に同一なのでその図示および説明を省略する。

0039

図7は、第2の実施例の導波路型光アイソレータによる2つのモードの位相が共に整合する様子を表わしたものである。この図で図4と同一部分には同一の符号を付している。この図に示すようにTEモードとTMモードの戻り光は、これらのモードでそれぞれ位相の整合が行われるように第1の角度φ1 と第2の角度φ2 が選択されているので、2方向の回折格子波数ベクトルが得られ、両モードに対して位相整合条件を同時に満足させることができる。

発明の効果

0040

以上説明したように請求項1、請求項3および請求項5記載の発明によれば、チャネル光導波路に形成される回折格子が複数の領域に分けられ、同一の領域内では回折格子のピッチが等しく、隣接する領域同士ではこのピッチが異なるように設定されている。したがって、これら相違するピッチの領域を形成するだけで、回折格子の波数ベクトルが互いに異なるTEモードとTMモードの位相条件が同時に満足され、モノシリック集積化が可能な偏波無依存型の光アイソレータを実現することができ、例えば通信用単一モード光ファイバ内の光波の偏光等の楕円偏光の戻り光を有効に遮断することができる。

0041

また請求項2、請求項4および請求項5記載の発明によれば、チャネル光導波路に形成される回折格子が複数の領域に分けられ、同一の領域内ではチャネル導波路に対する各格子の傾斜角が等しく、隣接する領域同士ではこの角度が異なるように設定されている。したがって、これら相違する角度の領域を形成するだけで、回折格子の波数ベクトルが互いに異なるTEモードとTMモードの位相条件が同時に満足され、モノシリック集積化が可能な偏波無依存型の光アイソレータを実現することができ、例えば通信用単一モード光ファイバ内の光波の偏光等の楕円偏光の戻り光を有効に遮断することができる。

図面の簡単な説明

0042

図1本発明の第1の実施例における導波路型光アイソレータの内部を透過した形でこれを原理的に表わした斜視図である。
図2この第1の実施例の導波路型光アイソレータの製造の各工程の前半を表わした斜視図である。
図3この第1の実施例の導波路型光アイソレータの製造の各工程の後半を表わした斜視図である。
図4この第1の実施例の導波路型光アイソレータで2つのモードの位相が共に整合する様子を示した説明図である。
図5本発明の第2の実施例における導波路型光アイソレータの内部を透過した形でこれを原理的に表わした斜視図である。
図6この第2の実施例の導波路型光アイソレータの製造の各工程の前半部分を表わした斜視図である。
図7この第2の実施例の導波路型光アイソレータで2つのモードの位相が共に整合する様子を示した説明図である。
図8従来提案された導波路型光アイソレータの内部を透過した形でこれを原理的に表わした斜視図である。
図9図8に示した従来の導波路型光アイソレータにおける平面導波路上での波数ベクトルを表わした説明図である。
図10図8に示した従来の導波路型光アイソレータで2つのモードの位相が整合しない様子を示した説明図である。

--

0043

40、60導波路型光アイソレータ
41、61チャネル導波路
42、62平面導波路
43、63 (等価屈折率n3 の)媒質
44、64回折格子
51InP基板
53 InGaAsP 層
Λ1 第1のピッチ
Λ2 第2のピッチ
φ1 第1の角度
φ2 第2の角度

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