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技術 優れた耐熱水性を有する高強度,高初期弾性率ポリビニルアルコール系モノフィラメント糸とその製造方法

出願人 ユニチカ株式会社
発明者 秋山芳広永田直彦村上志朗村井計介
出願日 1995年4月7日 (24年5ヶ月経過) 出願番号 1995-082311
公開日 1996年10月29日 (22年10ヶ月経過) 公開番号 1996-284013
状態 特許登録済
技術分野 合成繊維
主要キーワード 最終ローラ 広がり状態 糸条体 試料セル中 アスベスト代替 ゲル繊維 ゲル化作用 未延伸モノフィラメント
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この項目の情報は公開日時点(1996年10月29日)のものです。
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目的

繊度が 100デニール以上で,高強度,高初期弾性率を有し,しかも優れた耐熱水性を有するポリビニルアルコールPVA)系モノフィラメント糸とその製造方法を提供する。

構成

重合度が1700〜7000のPVAからなり,繊度が 100デニール以上,引張り強度が12g/d以上,初期弾性率が 350g/d以上であり,かつ耐熱水温度が 120℃以上である。

概要

背景

PVA系繊維は,汎用繊維の中でも強度,初期弾性率が高く,ゴムホースコンベアベルトセメント強化用繊維アスベスト代替繊維,資材縫糸,畳糸,漁網,重布,ロープ等の様々な産業資材分野に使用されている。

近年,ますます高度化する市場ニーズに対応するために,PVA系繊維の機械的性質をさらに高めるための種々の提案がなされている。例えば,特開昭61-215711 号公報には,重合度1500以上のPVAをジメチルスルホキシド(以下,DMSOと略記する)に溶解させた紡糸原液乾湿式紡糸あるいはゲル紡糸し, 得られた未延伸糸乾熱チューブを用いて19倍以上に熱延伸して, 強度15g/d以上,初期弾性率250g/d以上のPVA系繊維を製造する方法が開示されている。また,特開昭62-162010 号公報には,重合度1500以上のPVAのDMSO溶液を25℃以下の凝固浴湿式紡糸あるいは乾湿式紡糸して得られるゲル繊維延伸することにより, 強度16g/d以上,初期弾性率 400g/d以上のPVA系繊維を製造する方法が開示されている。しかしながら,これらの方法で得られるPVA系繊維の単糸繊度は, いずれも20デニール以下であって,100デニール以上の高強度・高初期弾性率PVA系モノフィラメント糸は開示されていない。

一方,本発明者らは,特開平3-807 号公報において, 強度10g/d以上,初期弾性率200g/d以上で,繊度が100デニール以上のPVA系モノフィラメント糸を提案した。このモノフィラメント糸は,太繊度で, かつ高強度, 高初期弾性率を有する糸条ではあるが,PVA系繊維特有熱水に対する抵抗性が低いという問題を依然として有しており, このため,産業資材用途への拡大が阻まれているのが現状である。

概要

繊度が 100デニール以上で,高強度,高初期弾性率を有し,しかも優れた耐熱水性を有するポリビニルアルコール(PVA)系モノフィラメント糸とその製造方法を提供する。

重合度が1700〜7000のPVAからなり,繊度が 100デニール以上,引張り強度が12g/d以上,初期弾性率が 350g/d以上であり,かつ耐熱水温度が 120℃以上である。

目的

本発明は上記の問題を解決し,繊度が 100デニール以上でありながら,優れた強度と初期弾性率を有し,かつ優れた耐熱水性を有する高強度,高初期弾性率PVA系モノフィラメント糸と,このPVA系モノフィラメント糸を安定して生産性よく製造することのできる方法を提供することを技術的な課題とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

重合度が1700〜7000のポリビニルアルコールからなり,繊度が 100デニール以上,引張り強度が12g/d以上,初期弾性率が 350g/d以上であり,かつ耐熱水温度が 120℃以上であることを特徴とする優れた耐熱水性を有する高強度, 高初期弾性率ポリビニルアルコール系モノフィラメント糸

請求項2

ポリビニルアルコールを溶媒に溶解して得た紡糸原液を,凝固作用,もしくはゲル化作用を有する有機溶媒中に湿式もしくは乾湿式紡糸し,次いで,紡出糸から溶媒を抽出し,得られた未延伸モノフィラメント糸を乾燥した後,熱延伸してポリビニルアルコール系モノフィラメント糸を製造するに際し,(1)重合度が1700〜7000のポリビニルアルコールを使用して紡糸原液を作製すること,(2) 紡出糸を,脱水促進用触媒を添加した抽出浴に導入して溶媒を抽出するとともに脱水促進用触媒を付与し,次いで,抽出浴を出た紡出糸に再度脱水促進用触媒を付与した後,乾燥して未延伸モノフィラメント糸を作製すること,(3) 脱水促進用触媒の全付与量を,PVAに対して0.01〜5.0重量%とすること,(4) 乾燥して得られた未延伸モノフィラメント糸を全延伸倍率が13倍以上となるように熱延伸すること,を特徴とする優れた耐熱水性を有する高強度, 高初期弾性率ポリビニルアルコール系モノフィラメント糸の製造方法。

技術分野

0001

本発明は,高強度,高初期弾性率を有し,繊度が 100デニール以上であり,しかも優れた耐熱水性を有するポリビニルアルコール(以下,PVAと略記する)系モノフィラメント糸とその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

PVA系繊維は,汎用繊維の中でも強度,初期弾性率が高く,ゴムホースコンベアベルトセメント強化用繊維アスベスト代替繊維,資材縫糸,畳糸,漁網,重布,ロープ等の様々な産業資材分野に使用されている。

0003

近年,ますます高度化する市場ニーズに対応するために,PVA系繊維の機械的性質をさらに高めるための種々の提案がなされている。例えば,特開昭61-215711 号公報には,重合度1500以上のPVAをジメチルスルホキシド(以下,DMSOと略記する)に溶解させた紡糸原液乾湿式紡糸あるいはゲル紡糸し, 得られた未延伸糸乾熱チューブを用いて19倍以上に熱延伸して, 強度15g/d以上,初期弾性率250g/d以上のPVA系繊維を製造する方法が開示されている。また,特開昭62-162010 号公報には,重合度1500以上のPVAのDMSO溶液を25℃以下の凝固浴湿式紡糸あるいは乾湿式紡糸して得られるゲル繊維延伸することにより, 強度16g/d以上,初期弾性率 400g/d以上のPVA系繊維を製造する方法が開示されている。しかしながら,これらの方法で得られるPVA系繊維の単糸繊度は, いずれも20デニール以下であって,100デニール以上の高強度・高初期弾性率PVA系モノフィラメント糸は開示されていない。

0004

一方,本発明者らは,特開平3-807 号公報において, 強度10g/d以上,初期弾性率200g/d以上で,繊度が100デニール以上のPVA系モノフィラメント糸を提案した。このモノフィラメント糸は,太繊度で, かつ高強度, 高初期弾性率を有する糸条ではあるが,PVA系繊維特有熱水に対する抵抗性が低いという問題を依然として有しており, このため,産業資材用途への拡大が阻まれているのが現状である。

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は上記の問題を解決し,繊度が 100デニール以上でありながら,優れた強度と初期弾性率を有し,かつ優れた耐熱水性を有する高強度,高初期弾性率PVA系モノフィラメント糸と,このPVA系モノフィラメント糸を安定して生産性よく製造することのできる方法を提供することを技術的な課題とするものである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは,上記の課題を解決するために鋭意検討した結果,本発明に到達した。すなわち, 本発明は,次の構成を有するものである。
(A)重合度が1700〜7000のPVAからなり,繊度が 100デニール以上,引張り強度が12g/d以上,初期弾性率が 350g/d以上であり,かつ耐熱水温度が 120℃以上であることを特徴とする優れた耐熱水性を有する高強度, 高初期弾性率PVA系モノフィラメント糸。

0007

(B)PVAを溶媒に溶解して得た紡糸原液を,凝固作用,もしくはゲル化作用を有する有機溶媒中に湿式もしくは乾湿式紡糸し,次いで,紡出糸から溶媒を抽出し,得られた未延伸モノフィラメント糸 (以下,未延伸糸と称する。) を乾燥した後,熱延伸してPVA系モノフィラメント糸を製造するに際し,(1)重合度が1700〜7000のPVAを使用して紡糸原液を作製すること,(2) 紡出糸を,脱水促進用触媒(以下, 触媒と称する。) を添加した抽出浴に導入して溶媒を抽出するとともに触媒を付与し,次いで,抽出浴を出た紡出糸に再度触媒を付与した後,乾燥して未延伸糸を作製すること,(3) 脱水促進用触媒の全付与量を, PVAに対して0.01〜5.0重量%とすること,(4) 乾燥して得られた未延伸糸を全延伸倍率が13倍以上となるように熱延伸すること,を特徴とする優れた耐熱水性を有する高強度, 高初期弾性率PVA系モノフィラメント糸の製造方法。

0008

以下,本発明について詳細に説明する。

0009

本発明において,使用する原料のPVAは,重合度が1700〜7000であることが必要である。重合度が1700より低いと欠陥部になり易い分子鎖末端が多くなり,高強度, 高初期弾性率繊維を得ることが困難となる。また,重合度の上限は,製造コストの面から7000である。さらに,PVAのケン化度は99モル%以上であることが好ましい。

0010

PVAの溶媒としては,DMSOやエチレングリコール,水等があるが,PVAが溶媒に溶解した際の分子鎖広がり状態,分子鎖の絡み具合,溶媒としての安定性ゲル化の際の非晶の状態,その時の分子の絡み具合,さらに作業上の問題等から考えるとDMSOが好ましい。

0011

紡糸原液を調製する際のPVA濃度は,良好な物性の繊維を得るためには3〜35重量%が好ましい。なお, この紡糸原液中にPVAの酸化防止剤耐熱剤架橋剤等を添加してもよい。

0012

上記で得られた紡糸原液の紡糸方法としては,紡糸原液の溶媒に有機溶媒を用い,これを有機溶媒からなる凝固,あるいは冷却浴中に不活性雰囲気層を通して吐出する乾湿式紡糸方法,水を溶媒として紡糸原液を調製し,これを凝固浴中に吐出する湿式紡糸方法等を採用することができるが,有機溶媒を用いる乾湿式紡糸方法が好ましい。

0013

紡糸に用いる口金紡糸孔径は,0.7〜5.0mmが好ましく,さらに好ましくは1.0〜3.0mmである。孔径が0.7mm未満になると,未延伸糸の繊度が小さくなるため,本発明の目的とする繊度 100デニール以上のモノフィラメント糸を得ることができ難くなる。また,孔径が5.0mmを超えると,紡糸ドラフトを大きくしても糸状体が太くなるので溶媒の抽出が充分に行えず,延伸工程で糸が切断しやすくなる。したがって,延伸工程での糸条の切断を防止するためには,目的とする延伸後のモノフィラメント糸の繊度を 400デニール以下とすることが好ましい。さらに,特開平3-807号公報で提案されているように,紡糸口金から吐出させた直後に複数の糸条体を不活性雰囲気層において密着一体化させてモノフィラメント糸を形成する場合には,紡糸孔の孔径を0.7mm 未満としてもよい。

0014

紡糸口金から吐出された糸状体は,乾湿式紡糸方法の場合,空気層あるいは不活性気体層を通して凝固浴に押し出され,また,湿式紡糸方法の場合は凝固浴に直接押し出されて凝固した後,抽出浴に送られる。

0015

凝固液としては,凝固作用を有するメタノールエタノールプロパノール等の低級アルコル類ぼう硝のアルカリ水溶液アセトン類,エーテル類そしてこれらとPVAの溶媒との混合溶液等が用いられるが,特に凝固速度の点からメタノールや,ぼう硝のアルカリ水溶液が好ましい。また,紡糸口金から吐出された糸状体を,凝固浴の代わりにデカリンパラフィン油等を使用した冷却浴で固化させてもよい。

0016

上記で得られた紡出糸は, 抽出浴に送られて溶媒を抽出されるが,抽出液としては凝固液と同様のものを使用することができる。

0017

本発明において,最も重要な点は,繊維の内,外層ポリエン構造を形成し,耐熱水性を向上させることであるが,このためには,熱延伸前の段階で,紡出糸の内, 外層に触媒を付与し, 次いで触媒が付与された未延伸糸に熱延伸を施すことが必要である。

0018

紡出糸の内,外層に触媒を付与するためには,次の2段階で行う必要がある。まず,第1段階は,触媒を添加した抽出浴に紡出糸を導入して繊維中の溶媒を抽出すると同時に繊維内部に触媒を浸透させ,触媒を紡出糸の内部に均一に分散させる。次いで, 第2段階は,抽出浴を出た乾燥前の紡出糸に,触媒を混合した油剤オイリングローラ等で付与する。以上の2段階で,紡出糸の内, 外層に触媒を均一に分散させる。

0019

紡出糸に対する触媒の付与量はPVAに対して0.01〜5.0重量%が好ましく,そのうち,第1段階で全触媒付与量の20〜30%を,第2段階では残りを付与することが好ましい。触媒の付与量が0.01重量%より少ないと,熱処理しても繊維表面に均一に脱水作用が起生されず,耐熱水性の向上効果が得られない。また, 5.0重量%よりも多いと,脱水作用により極度の強度低下を引き起こすので好ましくない。

0020

紡出糸に上記範囲の触媒を付与するためには,2段階で付与することが必要であり,どちらか1段階で触媒を付与すると,所定量の触媒を付与することが困難となり,優れた耐熱水性のモノフィラメント糸が得られない。

0021

本発明で使用できる触媒は,熱処理することによりPVAが脱水反応を起こすものであれば特に限定されるものではなく,例えば硫酸塩酸リン酸ポリリン酸などの無機酸,酢酸イタコン酸アルキルスルホン酸リン酸モノアルキル,リン酸モノジアルキルポリアクリル酸等がある。これらの中で, PVAに対する熱分解反応と脱水反応の点でリン酸が好ましい。

0022

本発明において,紡出糸に触媒を付与する第2段階は,触媒を混合した油剤をオイリングローラで付与するのが好ましい。ここで使用する油剤は特に限定されるものではないが,ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートポリオキシエチレンオレイルエーテル,ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等を主成分とし,鉱物油希釈剤とする,いわゆるストレート油剤が好ましい。

0023

本発明では,触媒を2段階で付与した紡出糸を乾燥し,未延伸糸とする。なお,紡糸工程中で延伸(紡糸延伸) する際は,溶媒の抽出中又は溶媒を抽出後,浴中で延伸し,次いで乾燥して未延伸糸とする。

0024

本発明では,このようにして得られた未延伸糸を一旦捲き取るか, 又は連続して熱延伸工程に供給し,熱延伸を施す。延伸倍率は,紡糸から熱延伸までの全延伸倍率(紡糸延伸倍率×熱延伸倍率)が13倍以上になるように設定する必要があり,全延伸倍率が13倍よりも低いと,目的とする引張り強度と初期弾性率が得られない。

0025

また,熱延伸時の熱処理方法としては,加熱ローラ熱風炉ホットプレート等を使用する方法があるが,特に限定されるものではない。また,熱処理条件としては, 150℃以上,繊維の融点以下の温度,好ましくは 180℃〜 260℃の温度で, 1〜60秒間行うのが好ましい。熱処理温度が 150℃よりも低く,かつ処理時間が1秒間より短いと脱水反応が不十分となりやすく,目的とする耐熱水性が得られ難くなる。また,熱処理温度が 260℃よりも高く,かつ熱処理時間が60秒間よりも長い場合は,糸条の強度低下が生じやすいので好ましくない。

0026

本発明では,熱延伸に引き続いて熱処理を施してもよいが,この場合,熱処理時のオーバーフイード率は−10〜10%となるように設定するのが好ましい。

0027

以上,本発明の製造方法を採用することにより,商業的に入手可能な重合度のPVAを用いて,高強度と高初期弾性率を有し, かつ耐熱水性に優れたPVA系モノフィラメント糸を生産性よく製造することができるのである。

0028

このようにして得られる本発明のPVA系モノフィラメント糸は,単糸繊度が100デニール以上でありながら,引張り強度12g/d以上,初期弾性率350g/d以上,耐熱水性温度が 120℃以上と極めて高い機械的性質を有する繊維であり,このため,PVA繊維の代表的な用途である漁網やロープとしての用途拡大が図れるばかりでなく,セメント,プラスチック等のアスベスト代替補強材料としての使用も可能であり,各種の産業資材用途に好適な繊維となるものである。

0029

本発明において,単糸繊度が 100デニール以上でありながら,12g/d以上の引張り強度と 350g/d以上の初期弾性率を有し,かつ,耐熱水温度が 120℃以上と優れた耐熱水性を有するPVA系モノフィラメント糸が得られる理由は明確ではないが,次のように推論される。

0030

すなわち,紡出糸を,第1段階で,触媒を添加した抽出浴に導入して繊維中の溶媒を抽出すると同時に繊維内部に触媒を浸透させるので,触媒を紡出糸の内部に均一に分散させることが可能となる。また, 第2段階で,抽出浴を出た紡出糸に触媒を付与するので,紡出糸の内,外層に触媒が均一に付与され,次いで触媒が付与された乾燥後の未延伸糸に熱延伸を施すので,繊維の内, 外層にポリエン構造が形成され,耐熱水性が向上するものと認められる。

0031

次に,本発明を実施例により具体的に説明する。なお,実施例中の引張り強度(以下, 強度と略記する。)と初期弾性率(以下,弾性率と略記する。)は,JIS-L-1013に準じて,試料長20cm,引張り速度20cm/分で測定したものである。また,耐熱水性は,次の方法で得られる耐熱水温度で評価した。
装置 :パーキンエルマー社製DSCー2C型示差走査熱量計
昇温速度 :10℃/分
試料セル:高耐圧(50気圧セル
試料調製法:長さ約50mmに切断した繊維サンプル約5mgを水10mgと共に試料セル中封入する。
耐熱水温度:上記の方法で得られる融解(溶解)曲線ピーク温度を耐熱水温度と定義する。

0032

実施例1〜5,比較例1〜2
重合度1300,1700,3300,4000,7000のPVAを,溶媒であるDMSOに溶解し,それぞれPVA濃度24,21,17,16,10重量%の紡糸原液を調製した。この紡糸原液を 100℃で孔径2mm,孔数3の紡糸孔が備わった紡糸口金から,メタノールからなる凝固浴中に紡糸ドラフト2.0,エアギャップ30mmで乾湿式紡糸した。次いで,リン酸を0.3重量%添加したメタノールからなる抽出浴でDMSOを抽出除去し,次いでポリオキシエチレンオレイルエーテルを主成分とし,リン酸を4.0重量%添加した油剤を付与した後,乾燥させて未延伸糸を得た。

0033

この未延伸糸を,加熱ローラ間に熱風延伸炉を配置した延伸装置を用い,表1,2に示した条件で,最終ローラ速度を40m/分として熱延伸を行い,PVA系モノフィラメント糸を得た。表1,2に,これらの紡糸及び熱延伸条件と,得られたPVA系モノフィラメント糸の糸質性能を示す。なお,表中,最終ローラ温度とは, 最終熱延伸の出口ローラ温度のことである。

0034

比較例3
全延伸倍率を10倍とした以外は,実施例3と同様に操作してPVA系モノフィイメント糸を得た。表2に得られたPVA系モノフィラメント糸の糸質性能を示す。

0035

比較例4,5
リン酸の付与量を0.001 重量%とした (比較例4) , あるいはリン酸の付与量を7.0重量%とした (比較例5) 以外は,実施例3と同様に操作してPVA系モノフィラメント糸を得た。表2に得られたPVA系モノフィラメント糸の糸質性能を示す。

0036

0037

0038

表1から明らかなように,実施例1〜5で得られたPVA系モノフィラメント糸は,いずれも強度12g/d以上,弾性率 360g/d以上と高強度,高弾性率であり,かつ耐熱水温度が 130℃以上という優れた耐熱水性を有していた。

0039

一方,PVAの重合度が1700未満の比較例1,全延伸倍率が13倍未満の比較例3,触媒の付与量が本発明で規定した範囲を外れる比較例2,4,5で得られたPVA系モノフィラメント糸には,本発明で規定した強度と弾性率及び耐熱水温度を同時に満足するものはなかった。

0040

比較例6,7
リン酸10重量%を添加した抽出浴だけでリン酸を付与した (比較例6) , あるいはリン酸10重量%を添加した油剤だけでリン酸を付与した (比較例7) 以外は,実施例3と同様に操作してPVA系モノフィラメント糸を得た。表3に得られたPVA系モノフィラメント糸の糸質性能を示す。

0041

0042

表3から明らかなように,比較例6〜7で得られたPVA系モノフィラメント糸は,強度と弾性率及び耐熱水温度の3つとも本発明で規定した範囲を満足するものはなかった。

発明の効果

0043

本発明のPVA系モノフィラメント糸は,繊度が 100デニール以上でありながら,12g/d以上の強度と,350g/d以上の初期弾性率を有し,かつ,耐熱水温度が 120℃以上という優れた耐熱水性を有する, 従来にない高強度,高弾性率モノフィラメント糸であり,PVA繊維の代表的な用途である漁網あるいはロープとしての用途拡大が図れるばかりでなく,セメント,プラスチック等のアスベスト代替補強材料としての使用も可能であり,各種の産業資材用途に好適な繊維である。また,本発明の製造方法によれば,上記の利点を有するPVA系モノフィラメント糸を生産性よく,低コストで製造することが可能となる。

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