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技術 耐水素誘起割れ性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れたフィッティング材用高張力鋼板

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 渡部義之土井直巳
出願日 1995年4月12日 (25年8ヶ月経過) 出願番号 1995-087225
公開日 1996年10月29日 (24年1ヶ月経過) 公開番号 1996-283906
状態 特許登録済
技術分野 薄鋼板の熱処理
主要キーワード 組成分率 輸送設備 鉄鋼メーカー レデューサ 比較成分 制御元 ポリゴナル 環境保全性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年10月29日)のものです。
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目的

湿潤な硫化水素を含む環境下で使用されるフィッティング材用の高張力鋼板に関し、特にフィッティング材製造工程において、熱間成形焼入れ焼戻し処理が施される高張力鋼板の提供。

構成

鋼板組成として、C,Si,Mn,P,S,Al,Nb,Ti,N,Ca,REMを含有し、さらに必要に応じ焼入れ性調整元素Mo,Cr,Ni,Cu,Vを含有して、Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15で定義する炭素当量Ceqが、0.30≦Ceq≦0.50を満足し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、各種フィッティング材として該鋼板を熱間成形後の焼入れ時の冷却速度を5℃/秒以上として、ポリゴナルフェライトまたは擬ポリゴナルフェライト組成分率が30%以下、残部がベイナイトであること。

概要

背景

湿潤な硫化水素を含む流体貯蔵設備輸送設備、あるいはそれらの精製のための各種プラントなどに使用される鋼材に対しては、耐水素誘起割れ性耐硫化物応力腐食割れ性などの耐環境脆化割れ性が要求される。これまで上記のような環境脆化割れに対して数多くの研究がなされ、鉄鋼メーカーでは鋼の高清浄度溶製技術、鋳造時の偏析軽減技術、厚板圧延におけるTMCP技術などを駆使することによってラインパイプ用鋼などでは一定の成果を上げてきた。

しかし、熱間成形工程を経るフィッティング材では、TMCPによって組織制御された熱間成形の鋼板組織はほぼ完全に失われ、その後の調質処理によってもTMCPによるような組織制御は達成できない。清浄度が高く、十分に偏析制御された鋼では、そのような組織でも応力負荷されていない「水素誘起割れ」は抑制できる場合もあるが、応力が負荷された「硫化物応力腐食割れ」を完全に抑制することは困難であった。

概要

湿潤な硫化水素を含む環境下で使用されるフィッティング材用の高張力鋼板に関し、特にフィッティング材製造工程において、熱間成形後焼入れ焼戻し処理が施される高張力鋼板の提供。

鋼板の組成として、C,Si,Mn,P,S,Al,Nb,Ti,N,Ca,REMを含有し、さらに必要に応じ焼入れ性調整元素Mo,Cr,Ni,Cu,Vを含有して、Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15で定義する炭素当量Ceqが、0.30≦Ceq≦0.50を満足し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、各種フィッティング材として該鋼板を熱間成形後の焼入れ時の冷却速度を5℃/秒以上として、ポリゴナルフェライトまたは擬ポリゴナルフェライト組成分率が30%以下、残部がベイナイトであること。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

湿潤な硫化水素を含む環境で使用されるエルボティーズ、レデューサおよびキャップなどのフィッティング材用鋼板として、該鋼板組成が重量%で、C :0.05〜0.15%、Si:0.5%以下、Mn:0.6〜1.5%、P :0.015%以下、S :0.005%以下、Al:0.001〜0.060%、Nb:0.005〜0.04%、Ti:0.005〜0.03%、N :0.005%以下、に加え、介在物制御元素Ca:0.0005〜0.004%、REM:0.0005〜0.004%のいずれかを含有し、さらに必要に応じ焼入れ性調整元素群Mo:0.05〜0.50%、Cr:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜0.50%、Cu:0.05〜0.50%、V :0.010〜0.10%のうち1種または2種以上を含有することで、Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15で定義する炭素当量Ceqが0.30≦Ceq≦0.50を満足し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、各種フィッティング材として該鋼板を熱間成形後の焼入れ時の冷却速度を5℃/秒以上として、ポリゴナルフェライトまたは擬ポリゴナルフェライト組織分率が30%以下、残部がベイナイトであることを特徴とする耐水素誘起割れ性および耐硫化物応力腐食割れ性に優れたフィッティング材用高張力鋼板

技術分野

0001

本発明は、湿潤な硫化水素を含む環境下で使用されるフィッティング材用の高張力鋼板に関し、特に該フィッティング材製造工程において、熱間成形焼入れ焼戻し処理が施される高張力鋼板に関するものである。

背景技術

0002

湿潤な硫化水素を含む流体貯蔵設備輸送設備、あるいはそれらの精製のための各種プラントなどに使用される鋼材に対しては、耐水素誘起割れ性耐硫化物応力腐食割れ性などの耐環境脆化割れ性が要求される。これまで上記のような環境脆化割れに対して数多くの研究がなされ、鉄鋼メーカーでは鋼の高清浄度溶製技術、鋳造時の偏析軽減技術、厚板圧延におけるTMCP技術などを駆使することによってラインパイプ用鋼などでは一定の成果を上げてきた。

0003

しかし、熱間成形工程を経るフィッティング材では、TMCPによって組織制御された熱間成形の鋼板組織はほぼ完全に失われ、その後の調質処理によってもTMCPによるような組織制御は達成できない。清浄度が高く、十分に偏析制御された鋼では、そのような組織でも応力負荷されていない「水素誘起割れ」は抑制できる場合もあるが、応力が負荷された「硫化物応力腐食割れ」を完全に抑制することは困難であった。

発明が解決しようとする課題

0004

TMCP鋼の優れた耐環境割れ性は、介在物制御、偏析制御はもちろんのこと、組織の均一化の影響が大きい。発明者らの研究によれば、組織の不均一性応力負荷時の局所的な応力・歪の不均一性を惹起し、耐環境割れ性に影響を与えるものと考えられる。また、組織の均一性は、フェライト粒度などの組織単位と同等程度ないしそれ以下の微小硬さをばらつきを測定することでほぼ定量化することが可能であることを見出し、調質処理で、十分に組織制御されたTMCP鋼並の組織均一性を達成するための検討を積み重ね本発明に至った。

課題を解決するための手段

0005

本発明は、低硫化とCaまたはREM添加により、介在物の数、組成、形態を制御し、熱間成形後の調質処理によって組織制御することを骨子とし、その要旨は、湿潤な硫化水素を含む環境で使用されるエルボティーズ、レデューサおよびキャップなどのフィッティング材用鋼板として、該鋼板の組成が重量%で、C:0.05〜0.15%、Si:0.5%以下、Mn:0.6〜1.5%、P:0.015%以下、S:0.005%以下、Al:0.001〜0.060%、Nb:0.005〜0.04%、Ti:0.005〜0.03%、N:0.005%以下、に加え、介在物制御元素Ca:0.0005〜0.004%、REM:0.0005〜0.004%のいずれかを含有し、さらに必要に応じ焼入れ性調整元素群Mo:0.05〜0.50%、Cr:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜0.50%、Cu:0.05〜0.50%、V:0.010〜0.10%のうち1種または2種以上を含有することで、Ceq=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15で定義する炭素当量Ceqが0.30≦Ceq≦0.50を満足し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、各種フィッティング材として該鋼板を熱間成形後の焼入れ時の冷却速度を5℃/秒以上として、ポリゴナルフェライトまたは擬ポリゴナルフェライト組織分率が30%以下、残部がベイナイトであることである。

0006

本発明が、請求項の通りに鋼組成、組織などを限定した理由について説明する。Cは焼入れ性に最も顕著に効くもので、下限0.05%は後述するように焼入れ時の組織制御を可能にする最小量である。しかし、C量が多すぎると焼入れ性が必要以上に上がり、鋼材が本来有すべき強度、靭性バランス溶接性などに悪影響を及ぼすため、上限を0.15%とした。

0007

Siは脱酸上鋼に含まれる元素であるが、多く添加すると溶接性、HAZ靭性が劣化するため、上限を0.5%に限定した。鋼の脱酸はAlのみでも十分可能であり、HAZ靭性、焼入れ性などの観点から0.25%以下が好ましい。

0008

Mnは強度、靭性を確保する上で不可欠な元素であり、その下限は0.6%である。しかし、Mn量が多すぎると焼入れ性が上昇して溶接性、HAZ靭性を劣化させるだけでなく、スラブ中心偏析を助長するので上限を1.5%とした。

0009

Pは本発明鋼においては不純物であり、P量の低減はHAZにおける粒界破壊を減少させる傾向がある。逆に多く添加すると母材溶接部低温靭性を劣化させるため上限を0.015%とした。

0010

SはPと同様本発明鋼においては不純物であり、S量の低減は粒界フェライトの生成を抑制する傾向があり、母材および溶接部の低温靭性を向上させ、さらに介在物としての硫化物(MnS)を低減するため0.005%以下とした。最も好ましいS量は0.001%以下である。

0011

Alは一般に脱酸上鋼に含まれる元素であり、最低0.001%の添加含有が必要である。しかし、Alが0.060%を超えるとHAZ靭性のみならず溶接金属の靭性も著しく劣化させるため、その上限を0.060%とした。

0012

Nbは焼入れのための再加熱時のオーステナイト細粒化する目的で添加するもので、最低0.005%の添加が必要である。しかし、過剰な添加は、溶接部の靭性劣化を招くため上限を0.04%とした。

0013

Tiは母材およびHAZ靭性向上のために必須である。なぜならばTiはTiNとしてスラブ中に微細析出し、加熱時のγ粒の粗大化を抑え圧延組織の細粒化に有効であり、また鋼板中に存在する微細TiNは、溶接時にHAZ組織を細粒化するためである。従って、Ti量はN量と共に制限されるべきものであり、Ti,N量をそれぞれ0.005〜0.03%、0.005%以下に限定した。

0014

Tiの下限は母材とHAZの靭性を向上させるための必要最小量である。一方、Ti,Nの上限はこれを超えると微細なTiNが得られず、また過剰のTiによりTiCが析出し、母材およびHAZ靭性を劣化させるためである。

0015

CaとREMは、いずれも硫化物(MnS)の形態を制御する作用を有し、耐環境割れ性(耐水素誘起割れ性、耐硫化物応力腐食割れ性)を改善する上で必須元素であり、少なくともいずれか一方を添加する必要がある。その添加量は0.0005%以下では実用上効果がなく、また0.004%を超えて添加すると酸化物、硫化物が多量に生成して大型介在物となり、鋼の靭性のみならず清浄度も害し、さらには溶接性にも悪影響を与える。このため添加量の範囲を0.0005〜0.004%に制限した。

0016

次に必要に応じて含有することができるMo,Cr,Ni,Cu,Vの添加理由について説明する。基本となる成分に、さらにこれらの元素を添加する主たる目的は、強度、靭性など基本特性を向上させると共に、焼入れ時の組織制御を容易にして耐環境割れ性を確保するためである。従ってその添加量は自ずから制限されるべき性質のものである。

0017

Mo,Crは、母材の強度、靭性を共に向上させる。しかし添加量が多すぎると母材、溶接部の靭性および溶接性の劣化を招き、また後述する組織制御が困難となって好ましくないため上限を0.50%とした。下限は実質的な効果が得られるための最小量とすべきで0.05%である。これは次のCr,Ni,Cuについても同様である。

0018

Niは溶接性、HAZ靭性に悪影響を及ぼすことなく母材の強度、靭性を向上させるが、過剰な添加は溶接性に好ましくなく、多く添加すると応力が負荷された湿潤硫化水素環境下で鋼表面フィッシャーと呼ばれるの歯上の割れを惹起し、硫化物応力腐食割れを助長する可能性があるため、上限を0.50%とした。

0019

CuはNiとほぼ同様の効果、現象を示し、上限の0.50%はNiと同様な理由に加え、過剰な添加は熱間圧延時にCu−クラックが発生し製造困難となるため規制される。

0020

VはNbとほぼ同様の作用を有するものであるが、Nbに比べてその効果は小さい。また、Vは焼入れ性にも影響を及ぼし、上記元素と同様組織制御の観点から添加するものである。Nbと同様の効果は0.01%未満では効果が少なく、上限は0.10%まで許容できる。

0021

各元素個々の範囲を上記のように限定した上で、炭素当量Ceqをも適正範囲に限定する必要がある。Ceqが低いと焼入れによっても組織が焼きならし様組織、すなわちフェライト主体組織になってしまう可能性が高く、逆に高すぎると完全焼入れ組織、すなわち極めて硬度の高いマルテンサイトが生成してしまうため、Ceqを0.30〜0.50の範囲に限定した。

0022

このように範囲を限定することにより、組織はベイナイト主体組織となり、このような不完全焼入れ組織は焼戻しすることにより硬さが中庸でかつばらつきが小さい非常に均一となる。このときの組織にはポリゴナルまたは擬ポリゴナルフェライトが30%までは混在していても均一性、すなわち硬さのばらつきには大きな影響を与えず、許容できる。さらに、焼入れの際の冷却速度は、上記の成分、Ceqの範囲で容易にベイナイト主体組織を得ることができるようにするため、5℃/秒以上に限定した。

0023

表1は、本発明を有用性を例示するために使用に供した鋼の化学成分を示したものである。表中、鋼A〜Fは本発明成分例、鋼G〜Lは比較成分例である。表2は、鋼板板厚、焼入れ時の冷速、最終組織、強度、靭性およびNACE溶液中での耐環境割れ性を示す。

0024

比較例では、成分、焼入れ時の冷速のいずれかが本発明範囲を逸脱しているために、組織制御または介在物制御が不十分となり、結果として耐環境割れ性試験であるHIC試験、SSC試験結果が本発明例に比較して、概して劣っている。一部、耐環境割れ性が良好な例もあるが、その他の基本特性、すなわち強度、靭性バランスにおいて本発明例に対し、劣っている。これに対して、本発明例は、いずれも耐環境割れ性および強度、靭性がバランス良好である。

0025

0026

発明の効果

0027

本発明により、湿潤な硫化水素を含む環境で使用されるフィッティング材が、熱間成形される場合においても、良好な耐環境割れ性を有する鋼板が提供できるようになった。その結果、安全性、環境保全性を著しく改善させることができた。

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