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技術 歯科用予測模型の作成方法および作成装置

出願人 株式会社ユニスン黒田敬之
発明者 黒田敬之本橋信義村本睦司
出願日 1995年4月14日 (25年10ヶ月経過) 出願番号 1995-113790
公開日 1996年10月29日 (24年3ヶ月経過) 公開番号 1996-280715
状態 特許登録済
技術分野 歯科用機器・補助機器 歯科補綴
主要キーワード 位置調整指令 中央輪 センターポイント アーチ部分 咬み合わせ 矯正対象 傾斜角度調整 フランクフルト平面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年10月29日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

目的

容易に歯科用予測模型を作成することができる歯科用予測模型の作成方法および作成装置を提供する。

構成

各歯ごとに、解剖学上の近心コンタクトポイントA1 ,遠心コンタクトポイントA2 ,および頬側点B1 と舌側歯頸点B2 の中点Eにより形成される代表平面RPを生成し、各歯ごとに、上記頬側歯頸点B1 と咬頭部または切縁部の代表点Cとを結ぶ直線を代表平面RPに投影したDI線と、このDI線と上記代表点Cから所定距離だけ顎堤側にずらした点で直交するDH線を生成する。そして、顎堤の平面形状を示すガイドラインに沿って平面上に並べられた上記各歯のDH線の高さを一定高さに合わせるとともに、顔面に設定した顔面基準線に対する各歯の代表平面RPの傾斜角度を調整する。従って、歯科用予測模型の作成が容易になる。

概要

背景

一般に、歯科矯正義歯作成などの歯科治療において、患者の歯と顎堤印象を採った印象模型に基づいて、予測模型を作成する場合が多い。この予測模型は、印象模型の顎堤上の個々の歯を1本ずつ切り出して、再排列を行って作成される。この作成された予測模型により、歯科治療の最終的な目標が明確になり、また、具体的に上下顎咬合状態などを確認できる。

また、患者は、この予測模型が示されることにより、歯科治療の最終状態視覚的に認識することができるので、患者の心理面からも好ましい。

概要

容易に歯科用予測模型を作成することができる歯科用予測模型の作成方法および作成装置を提供する。

各歯ごとに、解剖学上の近心コンタクトポイントA1 ,遠心コンタクトポイントA2 ,および頬側点B1 と舌側歯頸点B2 の中点Eにより形成される代表平面RPを生成し、各歯ごとに、上記頬側歯頸点B1 と咬頭部または切縁部の代表点Cとを結ぶ直線を代表平面RPに投影したDI線と、このDI線と上記代表点Cから所定距離だけ顎堤側にずらした点で直交するDH線を生成する。そして、顎堤の平面形状を示すガイドラインに沿って平面上に並べられた上記各歯のDH線の高さを一定高さに合わせるとともに、顔面に設定した顔面基準線に対する各歯の代表平面RPの傾斜角度を調整する。従って、歯科用予測模型の作成が容易になる。

目的

この発明は上記の問題点を解決して、容易に予測模型を作成することができる歯科用予測模型の作成方法および作成装置を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
9件
牽制数
10件

この技術が所属する分野

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請求項1

患者の歯と顎堤再現した印象模型の形状を光照射を用いた三次元計測装置によって非接触で求めて電子データ化された歯と顎堤の形状を得る形状取得工程、電子データ上で、個々に歯を多角柱状切り出し、各歯ごとに、解剖学上の近心コンタクトポイントA1 ,遠心コンタクトポイントA2 ,および頬側点B1 と舌側歯頸点B2 の中点Eにより形成される代表平面を生成する代表平面生成工程、各歯ごとに、上記頬側歯頸点B1 と咬頭部または切縁部の代表点Cとを結ぶ直線を上記代表平面に投影したDI線と、このDI線と上記代表点Cから所定距離だけ顎堤側にずらした点で直交するDH線を生成する基準線生成工程、顎堤の平面形状を示すガイドラインに沿って平面上に、各歯のDH線を並べる排列工程、並べられた上記各歯のDH線の高さを一定高さに合わせるDH線高さ調整工程、および、顔面に設定した顔面基準線に対する各歯の代表平面の傾斜角度を調整する傾斜角度調整工程を有する歯科用予測模型作成方法

請求項2

請求項1において、傾斜角度調整工程のつぎに、上記形状取得工程で得られた上顎前歯の代表点Cの位置と上顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される上顎の咬合平面、および、上記形状取得工程で得られた下顎前歯の代表点Cの位置と下顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される下顎の咬合平面を決定する咬合平面決定工程と、決定した上下顎の咬合平面に基づいて、各歯のDH線の高さまたは各歯の代表平面の傾斜角度を修正する修正工程とを有する歯科用予測模型の作成方法。

請求項3

請求項1において、傾斜角度調整工程のつぎに、上顎前歯と下顎前歯との間で所定のオーバージェット値およびオーバーバイト値が得られるように、上顎前歯の代表点Cの位置と下顎前歯の代表点Cの位置との少なくとも一方を調整する前歯位置調整工程と、上記上顎前歯の代表点Cが調整された位置と上記形状取得工程で得られた上顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される上顎の咬合平面、および、上記下顎前歯の代表点Cが調整された位置と上記形状取得工程で得られた下顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される下顎の咬合平面を決定する咬合平面決定工程と、決定した上下顎の咬合平面に基づいて、各歯のDH線の高さまたは各歯の代表平面の傾斜角度を修正する修正工程とを有する歯科用予測模型の作成方法。

請求項4

請求項1において、傾斜角度調整工程のつぎに、各歯ごとに、上記A1 ,A2 ,B1 ,B2 またはCを含む歯の代表点と上記DI線またはDH線の歯の基準線との顎堤上のずれを算出する算出工程を有する歯科用予測模型の作成方法。

請求項5

請求項1において、傾斜角度調整工程のつぎに、上記排列工程により排列された個々の歯に形状取得工程で得られた三次元面形状を付与して、三次元面形状の歯の排列を生成する三次元形状生成工程を有する歯科用予測模型の作成方法。

請求項6

請求項5において、三次元形状生成工程のつぎに、三次元面形状を有する上下顎の歯を咬合させ、上下顎の歯の接触面積により咬合状況を確認する咬合確認工程を有する歯科用予測模型の作成方法。

請求項7

請求項6において、咬合確認工程のつぎに、下顎歯列弓全体を適切な上下顎被蓋関係が得られるように移動するとともに、その移動量を算出する歯列弓移動工程を有する歯科用予測模型の作成方法。

請求項8

患者の歯と顎堤を再現した印象模型の形状を光照射を用いた三次元計測装置によって非接触で求めて電子データ化された歯と顎堤の形状を得る形状取得手段、電子データ上で、個々に多角柱状に切り出された各歯ごとに、解剖学上の近心コンタクトポイントA1 ,遠心コンタクトポイントA2 ,および頬側歯頸点B1と舌側歯頸点B2 の中点Eにより形成される代表平面を生成する代表平面生成手段、上記頬側歯頸点B1 と咬頭部または切縁部の代表点Cとを結ぶ直線を上記代表平面に投影したDI線と、このDI線と上記代表点Cから所定距離下げた点で直交するDH線を生成する基準線生成手段、顎堤の平面形状を示すガイドラインに沿って平面上に並べられた各歯のDH線の高さを一定高さに合わせるDH線高さ調整手段、および、傾斜調整指令信号を受けて、顔面に設定した顔面基準線に対する各歯の代表平面の傾斜角度を調整する傾斜角度調整手段を有する歯科用予測模型の作成装置

請求項9

請求項8において、上記形状取得手段で得られた上顎前歯の代表点Cの位置と上顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される上顎の咬合平面、および、上記形状取得手段で得られた下顎前歯の代表点Cの位置と下顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される下顎の咬合平面を決定する咬合平面決定手段と、決定された上下顎の咬合平面に基づいて、各歯のDH線の高さまたは各歯の代表平面の傾斜角度を修正する修正手段とを有する歯科用予測模型の作成装置。

請求項10

請求項8において、上顎前歯と下顎前歯との間で所定のオーバージェット値およびオーバーバイト値が得られるように、前歯位置調整指令信号を受けて、上顎前歯の代表点Cの位置と下顎前歯の代表点Cの位置との少なくとも一方を調整する前歯位置調整手段と、上記調整された上顎前歯の代表点Cの位置と形状取得手段で得られた上顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される上顎の咬合平面、および、上記調整された下顎前歯の代表点Cの位置と上記形状取得手段で得られた下顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される下顎の咬合平面を決定する咬合平面決定手段と、決定した上下顎の咬合平面に基づいて、各歯のDH線の高さまたは各歯の代表平面の傾斜角度を修正する修正手段とを有する歯科用予測模型の作成装置。

請求項11

請求項8において、各歯ごとに、上記A1 ,A2 ,B1 ,B2 またはCを含む歯の代表点と上記DI線またはDH線の歯の基準線との顎堤上のずれを算出する算出手段を有する歯科用予測模型の作成装置。

技術分野

0001

この発明は、歯科治療に用いられる歯科用予測模型作成方法および装置に関し、その容易化に関するものである。

背景技術

0002

一般に、歯科矯正義歯作成などの歯科治療において、患者の歯と顎堤印象を採った印象模型に基づいて、予測模型を作成する場合が多い。この予測模型は、印象模型の顎堤上の個々の歯を1本ずつ切り出して、再排列を行って作成される。この作成された予測模型により、歯科治療の最終的な目標が明確になり、また、具体的に上下顎咬合状態などを確認できる。

0003

また、患者は、この予測模型が示されることにより、歯科治療の最終状態視覚的に認識することができるので、患者の心理面からも好ましい。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、従来の予測模型の作成は手作業で行われるため、煩雑で時間がかかっていた。また、歯科治療の目標を達成するための手段が複数考えられる場合には、この作業はきわめて煩雑になり、作業の時間短縮,省力化が強く望まれる課題となっていた。

0005

この発明は上記の問題点を解決して、容易に予測模型を作成することができる歯科用予測模型の作成方法および作成装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するために、請求項1または請求項5の発明は、患者の歯と顎堤を再現した印象模型の形状を光照射を用いた三次元計測装置によって非接触で求めて電子データ化された歯と顎堤の形状を得る。これら電子データ上で、個々に歯を多角柱状に切り出し、各歯ごとに、解剖学上の近心コンタクトポイントA1 ,遠心コンタクトポイントA2 ,および頬側点B1 と舌側歯頸点B2 の中点Eにより形成される代表平面を生成し、各歯ごとに、上記頬側歯頸点B1 と咬頭部または切縁部の代表点Cとを結ぶ直線を上記代表平面に投影したDI線と、このDI線と上記代表点Cから所定距離下げた点で直交するDH線を生成する。そして、顎堤の平面形状を示すガイドラインに沿って平面上に並べられた上記各歯のDH線の高さを一定高さに合わせるとともに、顔面に設定した顔面基準線に対する各歯の代表平面の傾斜角度を調整する。

0007

また、必要に応じて、上記の歯の形状が取得された上顎前歯の代表点Cの位置と上顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される上顎の咬合平面、および、上記の歯の形状が取得された下顎前歯の代表点Cの位置と下顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される下顎の咬合平面を決定する。そして、決定した上下顎の咬合平面に基づいて、各歯のDH線の高さまたは各歯の代表平面の傾斜角度を修正する。

0008

さらに、必要に応じて、上顎前歯と下顎前歯との間で所定のオーバージェット値およびオーバーバイト値が得られるように、上顎前歯の代表点Cの位置と下顎前歯の代表点Cの位置との少なくとも一方を調整する。この調整された上顎前歯の代表点Cの位置と上記の形状が取得された上顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される上顎の咬合平面、および、この調整された下顎前歯の代表点Cの位置と上記の形状が取得された下顎の左右第1大臼歯の代表点Cの位置とにより形成される下顎の咬合平面を決定する。そして、決定した上下顎の咬合平面に基づいて、各歯のDH線の高さまたは各歯の代表平面の傾斜角度を修正する。

0009

また、必要に応じて、各歯ごとに、上記A1 ,A2 ,B1 ,B2 またはCを含む歯の代表点と上記DI線またはDH線の歯の基準線との顎堤上のずれを算出する。

0010

さらに、必要に応じて、DH線で排列された個々の歯に上記の歯の形状が取得された三次元面形状を付与して、三次元面形状の歯の排列を生成し、この三次元面形状を有する上下顎の歯を咬合させ、上下顎の歯の接触面積により咬合状況を確認して、下顎歯列弓全体を適切な上下顎被蓋関係が得られるように移動するとともに、その移動量を算出する。

0011

この発明によれば、各歯ごとに電子データ上で、解剖学上の近心コンタクトポイントA1 ,遠心コンタクトポイントA2 ,および頬側歯頸点B1 と舌側歯頸点B2 の中点Eにより形成される代表平面を生成し、各歯ごとに、上記頬側歯頸点B1 と咬頭部または切縁部の代表点Cとを結ぶ直線を上記代表平面に投影したDI線と、このDI線と上記代表点Cから所定距離だけ顎堤側にずらした点で直交するDH線を生成する。そして、顎堤の平面形状を示すガイドラインに沿って平面上に並べられた上記各歯のDH線の高さを一定高さに合わせるとともに、顔面に設定した顔面基準線に対する各歯の代表平面の傾斜角度を調整する。従って、歯科用予測模型の作成が容易になる。

0012

また、必要に応じて、電子データ上で患者の上下顎の咬合平面を決定し、この咬合平面に基づいて、各歯のDH線の高さまたは各歯の代表平面の傾斜角度を修正する。従って、患者の歯と顎堤の形状に応じた歯科用予測模型の作成が容易になる。

0013

さらに、必要に応じて、上顎前歯と下顎前歯との間でオーバージェットおよびオーバーバイトが所定値を越えている場合には、上下顎前歯の位置を調整し、調整した状態で上下顎の咬合平面を決定し、この咬合平面に基づいて、各歯のDH線の高さまたは各歯の代表平面の傾斜角度を修正する。従って、上下顎前歯の咬合が好ましくない場合にも、患者の歯と顎堤の形状に応じた歯科用予測模型の作成が容易になる。

0014

また、必要に応じて、各歯ごとに、上記A1 ,A2 ,B1 ,B2 またはCを含む歯の代表点と上記DI線またはDH線の歯の基準線との顎堤上のずれを算出する。従って、歯科用予測模型の矯正後データが容易に得られる。

0015

さらに、必要に応じて、DH線で排列された個々の歯に上記の歯の形状が取得された三次元面形状を付与して、三次元面形状の歯の排列を生成し、この三次元面形状を有する上下顎の歯を咬合させ、上下顎の歯の接触面積により咬合状況を確認して、下顎歯列弓全体を適切な上下顎被蓋関係が得られるように移動するとともに、その移動量を算出する。従って、三次元面形状を有する歯を用いて、上下顎の咬合状況の確認を行い、適切な上下顎被蓋関係になるように下顎歯列弓全体の移動を行うことができるので、上下顎の咬合状況に応じた歯科用予測模型の作成が容易になる。

0016

以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1にこの発明の一実施例による歯科用予測模型の作成装置の構成を示す。この装置は、矯正対象の歯と顎堤の形状を電子データ化して取得する形状取得手段2と、取得された電子データから各歯の形状に応じて設定された所定基準に基づいて、モニター5上に三次元的に歯科用予測模型を構築する画像生成装置3とを備えている。

0017

この画像生成装置3は、取得された歯の形状に基づいて解剖学上の各歯の基準点(代表点)により各歯ごとの代表平面を生成する代表平面生成手段4と、代表平面に基づいて各歯の基準線(DI線,DH線)を生成する基準線生成手段6と、各歯の生成されたDH線の高さを一定高さに合わせるDH線高さ調整手段8と、顔面に設定した顔面基準線に対する各歯の生成された代表平面の傾斜角度を傾斜調整指令信号S1 を受けて調整する傾斜角度調整手段10とを備えている。

0018

また、画像生成装置3は、上下顎の前歯位置が互いに所定値以上ずれている場合に、前歯位置調整指令信号S2 を受けて、そのずれを適正に調整する前歯位置調整手段12と、調整された前歯位置に基づいて咬合平面を決定する咬合平面決定手段14と、決定された咬合平面に基づいて各歯のDH線高さまたは代表平面の傾斜角度を修正する修正手段16と、各歯ごとに上記基準点(代表点)と基準線(DI線,DH線)との顎堤上のずれを算出する算出手段18とを備えている。

0019

以下、この装置の動作を説明する。
1.[形状取得段階]
まず、患者の上下顎の印象が公知の印象材により採られる。この矯正前の歯と顎堤を再現した印象模型の形状が、例えばレーザ光などの光照射を用いた三次元計測装置である形状取得手段2によって、非接触で計測されて電子データ化される。ここで、顎堤とは、歯を支持する顎骨粘膜とから形成されるものである。この三次元計測装置としては、例えばマルチスリットレーザCCDカメラとによる多重露光高速計測装置スリット光を複数回投影するパターン投影方式(光切断方式)計測装置などの従来から周知の装置が用いられるので、具体的な説明を省略する。

0020

これらの電子データが画像生成装置3に入力され、もとの歯と顎堤の模型がモニター5上に三次元的に構築される。この模型は、各歯の形状に応じて設定された所定基準に基づいて随時必要なデータが与えられて変更が加えられ、歯科用予測模型として作成される。

0021

2.[基準設定段階]
患者の歯と顎堤の形状に基づいて、基準となる各平面が設定される。図2に下顎(LOWER)の歯の排列モデルを示す。L1 〜L7 は下顎の歯の番号を示し、L1 は中切歯、L2 は側切歯、L3 は犬歯、L4 〜L5 は小臼歯、L6 〜L7は大臼歯の番号を示す。また、L61は左第1大臼歯、L62は右第1大臼歯の番号を示す。なお、上顎(UPPER)の歯の番号についても同様にU1 〜U7 で示される。この図において、X軸は前歯(例えば、中切歯L1 )から模型後面に直交する方向を、Y軸は模型後面と平行な方向を、Z軸は紙面と垂直な方向を示す。

0022

まず、初期咬合平面KH1 が設定される。この初期咬合平面KH1 は、矯正前の歯の排列状態によって決定される初期の仮想平面で、下顎(Lower)については、中切歯L1 ,左右第1臼歯L61,L62のそれぞれ咬頭部または切縁部の代表点3点で、上顎(Upper)については、中切歯U1 、左右第1臼歯U61,U62のそれぞれ咬頭部または切縁部の代表点3点で構成される平面である(図7(A)参照)。咬頭部とは臼歯の歯冠咬合面突起をいい、咬頭部の代表点とは犬歯では尖頭、臼歯(小臼歯,大臼歯)では頬側咬頭頂をさす。切縁部とは切歯切縁をさし、切縁部代表点とは前歯(中切歯,側切歯)ではその中点をいう。また、顎堤の形状に基づいて、顎堤の平面形状の輪郭データである顎堤平面GHも作成される(図3図5参照)。次いで、顔面に設定した顔面基準線であるフランクフルト平面FHが設定される(図6〜8参照)。この歯科用予測模型に態模型を用いた場合には、模型底面に平行する面がフランクフルト平面として設定される。平行模型を用いた場合には、咬合面と模型底面が平行するので、模型底面(初期咬合平面)に対する左右、前後の傾斜角度でフランクフルト平面が設定される。

0023

図3(A)にモニター5上に表示された歯の三次元モデルを示す。この表示された歯は、解剖学上の近心コンタクトポイントA1 ,遠心コンタクトポイントA2 の少なくとも1つを側面に含み歯の境界領域を示す多角柱状(例えば、六角柱状)に、顎堤平面GHを歯の底面として切り出されたものである。近遠心コンタクトポイントとは隣接する歯同士接触点を意味し、このうち顔面の正中線に近い方を近心、遠い方を遠心という。解剖学上の近遠心コンタクトポイントA1 ,A2 とは、隣接する歯同士が接触すべき理想の点をいう。このポイントA1 とA2 間の距離が歯間幅Wになる。また、頬側歯頸点B1 と舌側歯頸点B2 も指定される。一般にまたは唇側口腔内前側をいい、舌側は口腔内後側をいう。歯頸とは歯冠と歯根との移行部をいう。

0024

次に、図3(B)〜(D)において、上記の各基準点A1 ,A2 ,B1 ,B2により、各歯ごとに、歯の形状の基準となる代表平面RP、DI線、およびDH線が生成される。
2−1.[代表平面生成工程]
まず、代表平面生成手段4により代表平面RPが生成される。図3(B)において、頬側歯頸点B1 と舌側歯頸点B2 間の中点Eが指定され、解剖学上の近心コンタクトポイントA1 と、遠心コンタクトポイントA2 と、この中点Eとにより形成される代表平面RPが生成される。この代表平面RPは、実際に各歯ごとに図1のモニター5上で線引される。

0025

2−2.[基準線生成工程]
次に、図3(C)に示すように、基準線生成手段6により、上記頬側歯頸点B1 と咬頭部または切縁部の代表点Cとを結ぶ直線を代表平面RPに投影したDI線が生成される。そして、図3(D)において、このDI線と上記代表点Cから所定距離hだけ顎堤側にずらした点で直交するDH線が生成される。図4に示すように、この所定距離hは歯ごとに異なる経験値であり、この値を初期値として一旦決定され後に修正される場合がある。これらDI線,DH線も実際に各歯ごとにモニター5上に線引される。なお、各歯のDH線の長さは各歯の歯間幅Wを示す。このようにして、各歯の形状に応じて基準が設定され、これらの基準に基づいて、歯科用予測模型が作成される。

0026

3.[模型作成段階
まず、上下顎の基準となるセンターラインが決定される。図5(A)に示すように、モニター5上に、上下顎の顎堤平面GH上に各歯のDH線が表示される。上下顎は模型後面に対して見開きの状態で表示される。この場合、顔面の正中線または上下顎のレントゲン写真により、上下顎のセンターと判断される前歯付近のポイントP1 ,P2 からそれぞれ模型後面と直交するようにラインが引かれ、上顎のライン上に下顎のラインがくるように下顎の歯列弓が移動される。この仮のセンターラインO1 に対して、第1大臼歯L61の左右対称点となるL62が求められる。このL62が顎堤平面GH上をはずれるような場合には、仮のセンターラインO1 をO2 にずらしてL62が顎堤平面GH上にくるようにする。このO2 が上下顎のセンターラインになる。なお、左右第1大臼歯L61,L62が図5(B)のように顎堤平面GHに対して傾いているような場合には、これに応じてセンターラインO2 を回転させる必要がある。こうして、最終的なセンターラインO2が決定される。

0027

3−1.[前歯位置調整工程]
ところで、上下顎前歯の咬み合わせに大きなずれがある場合がある。図6(A)の側面図において、例えば下顎中切歯L1の先端と上顎中切歯U1の先端との垂直方向のずれをオーバーバイト(OB)といい、水平方向のずれをオーバージェット(OJ)という。適正なオーバーバイト値は約2mm、オーバージェット値も約2mmである。患者の上下顎前歯がこの値を大きく越えてずれているような場合にはその位置を矯正する必要がある。この場合、前歯位置調整手段12により、上下顎の前歯の位置が適正なオーバージェット値およびオーバーバイト値になるように、前歯位置調整指令信号S2 を受けて、上顎前歯の切縁部の代表点Cの位置と下顎前歯の切縁部の代表点Cの位置との少なくとも一方が、以下のように調整される。

0028

まず、図6(A)において、上顎の中切歯U1 について、その切縁部の代表点Cと中点Eとを結ぶ中心線CE−1線上に位置する切縁部の代表点C,頬側歯頸点B1 ,および舌側歯頸点B2 からなる中央輪郭線が抽出される。下顎の中切歯L1 についても同様に、下顎の中切歯L1 の切縁部の代表点Cと中点Eとを結ぶ中心線CE−2線上に位置する中央輪郭線が抽出される。図6(B)において、矯正前の上下顎の中切歯U1 ,L1 のCE−1,CE−2線が、フランクフルト平面FHとともに表示される。この図により、上下顎の中切歯U1 ,L1 のオーバーバイト(OB)値,オーバージェット(OJ)値,及びフランクフルト平面FHとCE−1,CE−2線のなす角度が示される。以下、この図に基づいて、上下顎の中切歯U1 ,L1 の位置が調整される。

0029

下顎の中切歯L1 の矯正位置は、例えばレントゲン写真からの顎骨構造などを考慮して決められる。この場合、図7(A)に示すように、中切歯L1 の切縁部の代表点Cの位置からX方向にxmm,Z方向にzmm移動した新代表点C1 が、下顎の初期咬合平面KH1 を基準にして指定される。なお、必要に応じてY方向にも移動される。また、中切歯L1 のCE−2線とフランクフルト平面FHとのなす角度βも指定される。この前歯位置調整指令信号S2 に基づいて、点線部のように下顎の中切歯L1 の位置が決定される。

0030

次に、上顎の中切歯U1 の位置が決められる。この場合、図8(A)に示すように、上下顎の中切歯U1 ,L1 が適正なオーバージェット(OJ)値およびオーバーバイト(OB)値になるように移動点が指定され、また、中切歯U1 のCE−1線とフランクフルト平面FHとのなす角度γが指定される。この場合、上下顎の中切歯U1 ,L1 の外形線が互いに重ならないように干渉チェックが行われる。

0031

3−2.[咬合平面決定工程]
図7(A)に示すように、下顎の中切歯L1 の位置が点線部に変更されることにより、初期咬合平面KH1 から新咬合平面KH2 に変更される。すなわち、咬合平面決定手段14により、下顎前歯L1 の切縁部の代表点Cが調整された位置と、形状取得手段2で得られた下顎の左右第1大臼歯L61,L62の咬頭部の代表点Cの位置とにより形成される下顎の新しい咬合平面KH2 が決定される。そして、図7(B)のように、この下顎の新咬合平面KH2 を基準にして下顎のDH平面が決定される。

0032

また、図8(A)のように、上顎の中切歯U1 の位置が点線部に変更されると、同様に、上顎の新咬合平面KH2 に変更される。すなわち、咬合平面決定手段14により、上顎前歯U1 の切縁部の代表点Cが調整された位置と、形状取得手段2で得られた上顎の左右第1大臼歯U61,U62の咬頭部の代表点Cの位置とにより形成される上顎の新しい咬合平面KH2 が決定される。そして、図8(B)のように、この上顎の新咬合平面KH2 を基準にして上顎のDH平面が決定される。

0033

こうして、上下顎の新咬合平面KH2 が作成される。もちろん、矯正前の上下顎の前歯のオーバーバイト,オーバージェット値が適正であれば、前歯の位置は調整されず、初期咬合平面KH1 が維持される。

0034

なお、上下顎の前歯の位置を調整する必要がなく左右第1大臼歯L61,L62の位置を調整する必要があるときには、その変更位置により新咬合平面KH2 が決定され、上下顎のDH平面が決定される。

0035

また、抜歯する必要がある歯があれば、歯の番号L1 〜L7 ,U1 〜U7 を指定する。また、歯が抜けている場合には補綴する歯のスペースが確保される。

0036

3−3.[排列工程]
次に、歯のDH線を排列するために、顎堤の平面形状を示すガイドラインが決定される。まず、前歯のDH線を排列するアーチ部分が決められる。図9(A)は下顎を代表として示しており、上記センターラインO2 上に、片側の中切歯L1 ,側切歯L2 ,犬歯L3 のDH線の長さ(歯の幅)Wの総和をアーチ半径Rにして、上下顎の前歯のセンターポイントPを通る円が描かれる。この円に沿って、両側に中切歯L1 ,側切歯L2 ,犬歯L3 のDH線が置かれ、犬歯L3 のDH線の末端点と左右第1大臼歯L61,L62とがそれぞれ直線で結ばれる。上顎についても同様にしてガイドラインを作成し、こうして作成された上下顎のガイドラインUG,LGは、図9(B)に示すように、互いに重ね合わされて、ラインの干渉チェックされる。この図において、上顎のガイドラインUGは実線で、下顎のガイドラインLGは破線で示される。この干渉チェック後に最終的なガイドラインが決定される。そして、図10の平面図に示すように、この決定されたガイドラインLG(UG)に沿って平面上に、それぞれDH線の長さ(歯の幅)Wによって示される各歯が排列される。

0037

このように、個々の歯をDH線に置き換えてガイドラインLG(UG)上に排列することにより、短時間で正確に各歯の排列を行うことができる。また、排列に要するデータ量もDH線のデータだけであるので三次元面形状のデータ量に比較して少なく済む。

0038

3−4.[DH線高さ調整工程]
次に、DH線高さ調整手段8により、図11に示すように、ガイドラインLGに沿って平面上に並べられた各歯のDH線の高さが一定高さに合わせられる。この高さは前述したDH平面の高さに相当する。上記のように、上下顎の咬合平面が変更された場合には、このDH平面の高さが修正手段16により修正される。

0039

3−5.[傾斜角度調整工程]
また、傾斜角度調整手段10により各歯の傾斜角度が調整される。ここで、傾斜角度αとは、図12に示すように、顔面に設定した顔面基準線(フランクフルト平面)FHがその垂直面HVと直交する直線FHLに対して、歯の代表平面RPがその垂直面RPVと直交する直線RPLがなす角度をいう。各歯ごとに、矯正前の傾斜角度αに対する矯正目標値が予め決められている。この各歯の矯正目標値に応じて出力される傾斜調整指令信号S1 を受けて、傾斜角度調整手段10により、モニター5上にその歯の矯正目標値になるように各歯の傾斜角度αが調整される。同様に、上下顎の咬合平面が変更された場合には、この調整された各歯の代表平面の傾斜角度αが修正手段16により修正される。

0040

3−6.[三次元形状生成工程]
なお、個々の歯のDH線による排列だけでは、上下顎の咬合状況の判断が困難な場合には、上記排列工程により排列された個々の歯に1.[形状取得工程]で得られた三次元面形状を付与して、三次元面形状の各歯の排列が図1のモニター5上に生成される。

0041

3−7.[咬合確認工程]
モニター5上で、三次元面形状を有する上下顎の歯を咬合させて、上下顎個々の歯の接触面積を求め、これら接触面積により上下顎の咬合状況が確認される。この際、必要があれば、接触面積が最小になるように、個々の歯の再排列が行われる。

0042

3−8.[歯列弓移動工程]
また、確認された咬合状況によって適切な上下顎被蓋関係が得られないと判断された場合には、モニター5上で下顎歯列弓全体を、適切な上下顎被蓋関係になるように三次元的に移動する(3.[模型作成段階]における下顎歯列弓の左右の移動も含む)ことも考慮される。この移動は外科矯正治療シュミレーションしたものである。

0043

なお、算出手段18により、各歯ごとに、図3(D)の解剖学上の近心コンタクトポイントA1 ,遠心コンタクトポイントA2 ,頬側歯頸点B1 ,舌側歯頸点B2 または咬頭部(切縁部)の代表点Cを含む歯の基準点(代表点)と、上記DI線またはDH線の歯の基準線との顎堤上のずれが算出される。このずれは予測模型の形状を示すものである。また、歯列弓移動工程における下顎歯列弓の移動量も算出される。これにより、歯科用予測模型がデータ化される。

0044

なお、この実施例では、この予測模型を歯科矯正用に作成しているが、データベースに記憶された各歯のデータに基づいて義歯作成用に作成してもよい。

0045

このようにして、モニター5上で、歯科治療に用いられる予測模型が容易に作成される。

図面の簡単な説明

0046

図1この発明の一実施例に係る歯科矯正用模型の作成装置を示す構成図である。
図2歯の排列モデルを示す平面図である。
図3歯の三次元モデルを示す斜視図である。
図4DH線の高さを示す図である。
図5矯正前における上下顎の顎堤平面上の歯の排列を示す平面図である。
図6上下顎前歯のオーバーバイト,オーバージェットを示す側面図である。
図7下顎の前歯を示す側面図である。
図8上顎の前歯を示す側面図である。
図9ガイドラインを示す平面図である。
図10各歯の排列状態を示す平面図である。
図11各歯のDH線の高さが一定になった状態を示す斜視図である。
図12各歯の傾斜角度を示す斜視図である。

--

0047

2…形状取得手段、4…代表平面生成手段、6…基準線生成手段、8…DH線高さ調整手段、10…傾斜角度調整手段。

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