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技術 タイマイの甲羅からのタンパク質の分離法並びにその分離法で得られたタンパク質を用いた抗体及びDNA

出願人 社団法人日本べっ甲協会
発明者 晦日房和
出願日 1995年3月29日 (25年7ヶ月経過) 出願番号 1995-097763
公開日 1996年10月15日 (24年1ヶ月経過) 公開番号 1996-269094
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 糖類化合物 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 希少動物 陰イオンカラム 硬タンパク質 疎水性度 MDT ジチオエリトリトール 抽出分離 未吸着画分
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この項目の情報は公開日時点(1996年10月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (12)

目的

希少動物の一つであるタイマイの甲羅を構成するタンパク質分離法確立を行い、そのタンパク質の物理化学的性質を明らかにし、入手が難しいタイマイの生物学的知見の入手、ならびに素材としての甲羅の開発などを目的としている。

構成

タイマイの甲羅から、タンパク質を抽出、分離し精製を行う。得た二種類のタンパク質の物理化学的性質により、一つのタンパク質は新規なもので、一方のタンパク質は鳥類ケラチンに似た新規なタンパク質であることを明らかにした。

概要

背景

水溶液溶けタンパク質の分離は、従来よりカラムクロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィー(以下HPLC)を用いて行われるのが一般的である。最近、疎水性(水に溶けない)の膜タンパク質などのタンパク質の分離、精製が界面活性剤あるいは変性剤を用いることにより可能となってきている。

概要

希少動物の一つであるタイマイの甲羅を構成するタンパク質の分離法確立を行い、そのタンパク質の物理化学的性質を明らかにし、入手が難しいタイマイの生物学的知見の入手、ならびに素材としての甲羅の開発などを目的としている。

タイマイの甲羅から、タンパク質を抽出、分離し精製を行う。得た二種類のタンパク質の物理化学的性質により、一つのタンパク質は新規なもので、一方のタンパク質は鳥類ケラチンに似た新規なタンパク質であることを明らかにした。

目的

本発明は、これまでよく使用されていたが、その性質がよく知られていないタイマイの甲羅を構成するタンパク質の分離法と、その分離法で得られたタンパク質を用いた抗体及びDNAを提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

タイマイの甲羅変性剤及び還元剤を含む溶液を混合して、タイマイの甲羅からタンパク質を抽出し、これを変形剤及び還元剤存在下でタンパク質を精製することを特徴とするタイマイの甲羅からのタンパク質の分離法

請求項2

請求項1の分離法で得られたタンパク質、あるいはその一部のアミノ酸配列を用いた抗体。

請求項3

請求項1の分離法で得られたタンパク質、あるいはその一部のアミノ酸配列から予測されるDNA。

技術分野

0001

本発明は、タンパク質の中でもタイマイという海ガメの甲羅を構成するタンパク質の分離法並びにその分離法で得られたタンパク質を用いた抗体及びDNAに関する。

背景技術

0002

水溶液溶けるタンパク質の分離は、従来よりカラムクロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィー(以下HPLC)を用いて行われるのが一般的である。最近、疎水性(水に溶けない)の膜タンパク質などのタンパク質の分離、精製が界面活性剤あるいは変性剤を用いることにより可能となってきている。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、疎水性タンパク質の中でも、ツメ毛髪カメの甲羅などの硬タンパク質からタンパク質の分離が難しく、その性質について詳しく解明されていなかった。タンパク質には、数多くの種類があり、その分離法もさまざまな条件が必要とされている。したがって、これまでほとんど報告がないような硬タンパク質の分離法の確立が望まれているところであった。これらの硬タンパク質の1つとしてカメ類の甲羅が挙げられる。特に海ガメの中でもタイマイの甲羅は、鼈甲細工に400年も前から用いられてきた動物性宝石である。しかしながら、ワシトン条約により平成4年末をもって、タイマイ及びその甲羅の輸入禁止され、鼈甲細工従事者ならびに海ガメの研究者にとっては大きな問題となっていた。

0004

本発明は、これまでよく使用されていたが、その性質がよく知られていないタイマイの甲羅を構成するタンパク質の分離法と、その分離法で得られたタンパク質を用いた抗体及びDNAを提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0005

上記目的を達成するために、請求項1の発明は、タイマイの甲羅に変性剤及び還元剤を含む溶液を混合して、タイマイの甲羅からタンパク質を抽出し、これを変形剤及び還元剤存在下でタンパク質を精製する方法よりなる。

0006

また、請求項2の発明は、請求項1の分離法で得られたタンパク質、あるいはその一部のアミノ酸配列を用いた抗体よりなる。

0007

また、請求項3の発明は、請求項1の分離法で得られたタンパク質、あるいはその一部のアミノ酸配列から予測されるDNAよりなる。

0008

分離、精製したタンパク質のアミノ酸組成分析を行うことによりタンパク量の定量、ならびにアミノ酸の割合がわかる。

0009

タンパク質のアミノ酸配列を調べることにより、現在登録してあるタンパク質とホモロジー検索が出来る。

0010

上記の検索を行うことにより、既存か未知タンパク質かを知ることができる。

0011

アミノ酸配列を基に親水性疎水性度コンピューターで計算できる。

0012

タンパク質をウサギなどの動物に免疫することにより抗体を得、それを用いて反応するタンパク質、ならびに組織を調べることが出来る。

0013

タンパク質のアミノ酸配列から予想されるDNAをプローブあるいはプライマーとして、核酸解析に用いることが出来る。

0014

実施例について図面を参照して説明すると、図1において、タイマイの甲羅を粉細機などによって粉末状にする。この実施例では、100ミクロン以下のパウダーとしたものを用いた。

0015

これを、変性剤として例えば8M尿素、及び還元剤としての例えば40mMジチオスレイトール(以下DTT)、を含む20mMリン酸緩衝液、pH6.8溶液中で4℃、一昼夜スターラーをゆっくり攪拌してタンパク質を抽出する。次いで、18000rpm、30分遠心して上清を得る。

0016

この場合、変性剤のみの使用ではタイマイの甲羅からタンパク質を抽出分離することは困難であるが、変性剤と共に還元剤を使用することによって、これまで困難であったタイマイの甲羅からタンパク質を抽出分離することが可能となったのである。

0017

なお、上記変性剤としては、以降の操作を考えてイオン性のない尿素を使用する方が望ましいが、上記の尿素の他に例えばグアニジン塩酸を使用してもよい。また、還元剤には、上記のジチオスレイトール他に例えばメルカプトエノールジチオエリトリトールなどを使用してもよい。

0018

上清を、変形剤及び還元剤存在下で例えばカラムクロマトグラフィー或いは電気泳動法などの手法を用いてタンパク質を精製する。例えば、上清を、DTT濃度5mMにした前述の抽出液平衡化したCMイオン交換クロマトグラフィーに供し、未吸着画分吸着画分に分ける。抽出したタンパク質を分離するために、HPLCなどのカラムクロマトグラフィーを用いることが効果的である。また、カラムにつめる樹脂は、イオン交換用樹脂、逆相用樹脂などを組み合わせて使用する方がよい。

0019

吸着画分は、上記緩衝液塩化ナトリウム濃度を上げ、0.5M濃度付近溶出される分子量5000(以下5K)タンパク質が回収された。この画分を逆相C18カラムを用いたHPLCにて、単一ピークにまで精製した(図2)。

0020

一方、未吸着画分は透析することにより沈澱したタンパク質を、8M尿素、5mMDTTを含むトリス緩衝液、pH9.1に溶解する。

0021

上記溶液を同一緩衝液で平衡化したDEAE陰イオンカラムを用いたHPLCに供した。塩化ナトリウム濃度を上げていったら、約0.1付近で分子量15000(以下15K)タンパク質が溶出された。この画分を逆相C18カラムを用いたHPLCに供し、15Kタンパク質を単一ピークにまで精製した(図3,4)。

0022

5Kと15Kの両タンパク質のアミノ酸組成は1%フェノールを含む6N塩酸、110°C、22時間反応することにより行った。なおトリプトファンは3%チオグリコール酸を含む5.8N塩酸、110°C、22時間加水分解し、システインは過ギ酸酸化システイン酸として定量した。いずれもアミノ酸は、日立高速アミノ酸分析計L−8500により測定したのが表1である。

0023

0024

5Kのタンパク質は、ピリジルエチル化(PE)してそのアミノ酸配列を検討した。なおシステインのピリジルエチル化は、以下の方法で行った。まず、タンパク質を0.5mlの6M Guanidine-HCl、50mM Tris-HCl 、pH8.5、1mMEDTA、50mM DTTに溶解し(タンパク質濃度1mg/ml)、気相窒素置換後、30°C、2時間反応させた。次に、4−ビニルピリジンを加え、窒素置換し、30°C、2時間反応した。さらに、反応液をHPLC(カラム;日本分光Biofine RPC-PO 、6×150mm)に供し、0.1%TFAを含むアセトニトリルの濃度を直線的に上げることによりPEタンパク質を溶出した。タンパク質(PE化含む)のアミノ酸配列は、ABI社の477A/120AプロテインシーケンサーによりN末端より49残基決定した。一方C末端カルボキシペプチダーゼYを作用することにより遊離するアミノ酸を5残基調べ、5Kのタンパク質は、図5のような51アミノ酸から成ることがわかった。

0025

15Kのタンパク質は、N末端より16残基までを決定した。さらに詳しく調べるためにV8プロテアーゼ及びプロティネースKにより酵素消化したタンパク質を回収することにした。15Kタンパク質のV8プロテアーゼによる消化は、以下の条件で行った。15Kタンパク質(約8nmol)を、8M Urea に可溶化後、50mMリン酸緩衝液水、V8プロテアーゼ(基質酵素=30/1、モル比)で加えた(Ureaの最終濃度5M)。35°C、12時間反応後、2倍量の8MUrea 、DDT(最終2mM)を加えた。さらに反応物を2分間加熱し、トリフルオロ酢酸(TFA)を加えた後、HPLCに供し、2つのピークよりN末より重複する10〜32残基と重複しない22残基を決定した。一方、 Proteinase K消化は、PE15Kタンパク質(前述の〔0024〕方法)を用いた。約20n molのPE15Kタンパク質を、6M Urea 、50mMTris-HCl 、pH8に溶解し、 Proteinase K(基質/酵素=100/1、モル比)を加え、33°C、75分反応させた。反応液に粉末Urea及びDDT を加え、それぞれ最終8Mと2mMとした。次いで熱処理後、TFAを加え酸性としHPLCに供した。これにより得た20のピークPK1〜20のアミノ酸配列を調べ、最終的にN末端より76残基を決定した(図6)。これ以外のピークPK4、5、6、7、10、11、12、14、16、17のアミノ酸配列は図7に示す。

0026

決定した5Kタンパク質のアミノ酸配列を基に、国立遺伝学研究所のデータベースを用いてホモロジー検索を行った。その結果、ホモロジーを示すタンパク質はほとんどなかった。

0027

このことより5Kタンパク質は、新規タンパク質と考えられる。

0028

15Kタンパク質のN末端より76残基を基にホモロジー検索を行ったところ、図8のようにニワトリハト、アヒルなどの鳥類羽毛、爪ケラチンと約50%のホモロジーを示すことが明らかになった。特に、25番目のProから51番目のLeuにかけては、78〜93%と非常に似ている。さらに、立体構造に関係があると考えられているシステインは、22、26、30番目のものは完全に、そして6、10番目では約70%が一致している。一方、異なる点としては分子量の大きさが違うことである。

0029

よって15Kタンパク質は、鳥類のケラチンに似ているが新規のタンパク質と考えられる。

0030

図9は、5Kタンパク質の親水性、疎水性度を示しており、このタンパク質は、非常に疏水性の高い性質をもつことを明らかにした。

0031

図10は、15Kタンパク質の親水性、疎水性度を示しており、このタンパク質は疎水性の高い性質を持つことを明らかにした。

0032

15Kタンパク質をウサギに免疫することにより得た抗体を用いてタイマイのを含む組織を調べたのが図11の上のものである。角化細胞表皮細胞)の上に抗体と反応するタンパク質の確認をすることができる。

0033

タイマイの甲付近の組織より得たRNAをニトロセルロース膜に固定し、15Kタンパク質の39〜48アミノ酸に対応する以下のオリゴヌクレオチド5’−CCCTCTCCCGTGGTGGTGACCTGCCTGG−3’と、5Kタンパク質の1〜10アミノ酸に対応する下記のオリゴヌクレオチド5’−TACTATAACCCITATTGCTACCAIGITGG−3’が両方ともハイブリダイズした(但し、Iはイノシンを意味する。)。ハイブリダイゼーションは、正實編、ラボマニュアル遺伝子工学、p75〜76の方法と同様に行った。

0034

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。

発明の効果

0035

本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。

0036

請求項1の発明によれば、これまで抽出分離が困難であったタイマイの甲羅からタンパク質を抽出分離することができる。

0037

また、請求項1の発明の分離法で得られたタンパク質は、タイマイの甲羅素材の開発に利用することができる。

0038

請求項2の発明によれば、請求項1の発明の分離法で得られたタンパク質、あるいはその一部のアミノ酸配列を含むタンパク質を用いて得た抗体により、各種生物の組織の調査角化や発生メカニズムの解明、生理機能あるいは海ガメの分類などに利用できる。

0039

請求項3の発明によれば、請求項1の発明の分離法で得られたタンパク質、あるいはその一部のアミノ酸配列から予想されるDNAを利用し、核酸の解析、PCR法による遺伝子増幅クローニング手法などを用い、各種生物の組織の調査、角化や発生メカニズムの解明、生理機能あるいは海ガメの分類などに利用できる。

図面の簡単な説明

0040

図1タイマイの甲羅よりタンパク質の抽出法精製法を示す図である。
図2精製した5Kタンパク質のHPLCパターンを示す図である。
図3精製した15Kタンパク質のHPLCパターンを示す図である。
図4精製した15Kタンパク質のSDS−PAGEの図である。
図55Kタンパク質の全アミノ酸配列を示す図である。
図615Kタンパク質のN末端より76アミノ酸までの配列を示す図である。
図715Kタンパク質の中間部およびC末端フラグメント推定されるアミノ酸配列を示す図である。
図815Kタンパク質とホモロジーを示すタンパク質を示す図である。
図95Kタンパク質の親水性、疎水性度を示す図である。
図1015Kタンパク質の親水性、疎水性度を示す図である。
図11酵素抗体反応によりタイマイの組織を調べた図である。

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