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技術 高結晶水鉱石の焼結鉱製造方法

出願人 住友金属工業株式会社
発明者 川口尊三松村勝星雅彦
出願日 1995年3月1日 (23年6ヶ月経過) 出願番号 1995-041980
公開日 1996年9月17日 (21年11ヶ月経過) 公開番号 1996-239720
状態 特許登録済
技術分野 金属の製造または精製
主要キーワード 予備造粒 送風圧力 焼結歩留 スケール量 焼結成品 気孔構造 混合造粒 生産率
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年9月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

目的

高結晶水鉱石焼結において、焼結の歩留りおよび生産性の高い製造方法を提供する。

構成

結晶水を5.0wt%以上含む鉄鉱石を25%以上使用して焼結鉱を製造するにあたり、成品成分がSiO2 成分で4.0〜4.8%、MgO成分で1.2〜2.4%、CaO成分で6.0〜9.0%の範囲に入るように原料または造滓剤量を調整する。

概要

背景

焼結原料として結晶水を5wt%以上含む鉄鉱石は広く用いられている。一般に鉄鉱石焼結鉱は、粉鉄鉱石造滓剤燃料であるコークス混合造粒した原料充填層を形成し、この層の上表面に着火後下方吸引することによって燃料を燃焼させ1300℃程度の温度に原料を加熱し溶融同化させることで塊成化するとともに気孔構造も変化させることで製造される。

しかるに、粉鉄鉱石の結晶水が5wt%以上の高結晶水鉱石にあっては、焼結化反応過程昇温時に結晶水の分解によって気孔や亀裂が発生するので、溶融同化性が高く、また焼結ケーキ気孔率も高くなる特徴がある。この溶融同化性が高いと言うことは塊成化にとっては重要なことであるが、むしろ過剰気味に高く、高結晶水鉱石を多配合すると、過溶融から通気性の悪化や通気ムラを発生させ焼結生産性の低下や焼結歩留の低下の原因となり大きな問題点となっている。このような観点から高結晶水鉱石の配合率は20〜25%未満に制限されてきたのが実情であり、多量使用について種々検討がなされている。

概要

高結晶水鉱石の焼結において、焼結の歩留りおよび生産性の高い製造方法を提供する。

結晶水を5.0wt%以上含む鉄鉱石を25%以上使用して焼結鉱を製造するにあたり、成品成分がSiO2 成分で4.0〜4.8%、MgO成分で1.2〜2.4%、CaO成分で6.0〜9.0%の範囲に入るように原料または造滓剤量を調整する。

目的

そこで、本発明は、高結晶水鉱石の焼結において、焼結の歩留りおよび生産性の高い製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

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請求項1

結晶水を5.0wt%以上含む鉄鉱石を25%以上使用して焼結鉱を製造するにあたり、成品成分がSiO2 成分で4.0〜4.8%、MgO成分で1.2〜2.4%、CaO成分で6.0〜9.0%の範囲に入るように原料または造滓剤量を調整することを特徴とする高結晶水鉱石焼結鉱製造方法

請求項2

成品成分のAl2 O3 が2.0%以上である請求項1記載の高結晶水鉱石の焼結鉱製造方法。

技術分野

0001

本発明は、高結晶水含有鉱石を多配合する焼結製造法係り、特に成品成分を所定値になるように原料および造滓剤の量を調整することで焼結歩留および焼結生産性を改善する技術に関する。

背景技術

0002

焼結原料として結晶水を5wt%以上含む鉄鉱石は広く用いられている。一般に鉄鉱石焼結鉱は、粉鉄鉱石に造滓剤と燃料であるコークス混合造粒した原料で充填層を形成し、この層の上表面に着火後下方吸引することによって燃料を燃焼させ1300℃程度の温度に原料を加熱し溶融同化させることで塊成化するとともに気孔構造も変化させることで製造される。

0003

しかるに、粉鉄鉱石の結晶水が5wt%以上の高結晶水鉱石にあっては、焼結化反応過程昇温時に結晶水の分解によって気孔や亀裂が発生するので、溶融同化性が高く、また焼結ケーキ気孔率も高くなる特徴がある。この溶融同化性が高いと言うことは塊成化にとっては重要なことであるが、むしろ過剰気味に高く、高結晶水鉱石を多配合すると、過溶融から通気性の悪化や通気ムラを発生させ焼結生産性の低下や焼結歩留の低下の原因となり大きな問題点となっている。このような観点から高結晶水鉱石の配合率は20〜25%未満に制限されてきたのが実情であり、多量使用について種々検討がなされている。

発明が解決しようとする課題

0004

この例として、特開昭58−141341号公報に記載のように、高結晶水鉱石にMgO−SiO2 系の造滓剤または低反応性微粉鉄鉱石を配合し、予備造粒してミニペレット化し、他の焼結原料と混合して焼結することで溶融同化性を抑制改善する技術がある。

0005

しかし、このような予備造粒を手段とする方法は予備造粒するための搬送と造粒設備を必要とし製造コストの上昇を招く。

0006

また、CAMP−ISIJ Vol.7(1994)に記載されているように、高結晶水鉱石多配合時にスケール(高FeO成分)を多配合することで溶融する融液流動性を改善することで焼結気孔構造を改善し焼結歩留の悪化を防止する技術がある。

0007

しかし、この技術はスケールを必要とするので、焼結鉱生産量に応じたスケール量が必要で、製板製管工程などで発生する量ではとてもまかないきれる量ではないし、さらにスケールが高FeO成分であることから焼結鉱成品のFeOも高くなり被還元性が悪化する問題点もある。

0008

一方、現状焼結鉱の成品成分は、概ねSiO2 で5.4%、MgOで1.0%、CaOで10.0%で製造されている。焼結鉱はSiO2 ,MgO,CaO,Al2 O3 の造滓成分が鉄鉱石中のFe2 O3 ,FeOなどの鉄酸化物の溶融同化反応によって塊成化されるが、CaO成分はFe2 O3 との間で、SiO2 成分はFeOとの間で低融点鉱物を形成し溶融同化反応が促進するが、Al2 O3やMgO成分は逆に溶融同化反応を抑制する働きをする。

0009

したがって、CaOとSiO2 成分が低下すると溶融同化が進まず通気性の悪化から生産性が悪化するために、前述のとおり、SiO2 成分で5.4%、CaO成分で10.0%程度が必要であった。またMgO成分やAl2 O3 成分が上昇すると、溶融同化が悪化し、同様に焼成時通気性の低下より生産性が悪化する。このためMgO成分やAl2 O3 成分の高い焼結鉱は、CaOやSiO2 成分を高くしておく必要があった。

0010

そこで、本発明は、高結晶水鉱石の焼結において、焼結の歩留りおよび生産性の高い製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

上記課題を解決した本発明の高結晶水鉱石の焼結鉱製造方法は、結晶水を5.0wt%以上含む鉄鉱石を25%以上使用して焼結鉱を製造するにあたり、成品成分がSiO2 成分で4.0〜4.8%、MgO成分で1.2〜2.4%、CaO成分で6.0〜9.0%の範囲に入るように原料または造滓剤量を調整することを特徴とするものである。

0012

以下に本発明をさらに詳述する。本発明者らは、前述のとおり、高結晶水鉱石はきわめて溶融同化性が良好であるので、これを25%を越える多配合を行うと過溶融となるので、この配合で最適となる成分組織を鋭意調査した結果、後述する実施例に見られるようにCaO成分では6.0〜9.0%、SiO2 成分では4.0〜4.8%、MgO成分では1.2〜2.4%の組合せが良好であることを見出した。すなわち溶融同化性の良好な高結晶水鉱石を多配合しているので、従来よりもCaOやSiO2 成分を抑制することで適正な溶融量とするこよによる効果を得るものである。

0013

一方、CaO成分で6.0%未満、SiO2 成分で4.0%未満となると、溶融同化不足となって焼結生産性が低下し、逆にCaO成分で9.0%を超え、SiO2 成分で4.8%を超えると、溶融同化量が多すぎて通気性の悪化や通気ムラを発生せしめ焼結生産性が悪化する。

0014

しかし、単にCaO成分とSiO2 成分の適正化だけを図ると、高結晶水鉱石は焼結ケーキ気孔率を上昇せしめ焼結歩留は悪化する。これらについては、融液の流動性を高めることで改善できるので、溶融同化性を抑制するが融液流動性を高めるMgO成分を1.2%以上に上昇せしめることが重要であることが判った。しかし、MgO成分を2.4%を超えると、溶融同化性が大幅に悪化し焼結生産性が低下する。さらにAl2 O3 成分についてはAl2 O3 成分が2.0%以上の高Al2 O3前提の方が焼結生産性の改善度が大きく、逆にAl2 O3 成分が低い場合にこの改善度は小さい。FeO成分と異なり、Al2 O3 とMgO成分を上昇させた場合には被還元性の低下はなく、Al2 O3 成分は焼結生産性を改善する効果をもっている。

0015

表1に示すように、結晶水5.0wt%以上の鉄鉱石を15%含む配合条件ケース1)で、直径300mmφ高さ500mm送風圧力1200mmH2 Oの焼結試験装置を用いて焼結鉱を製造し、現状のSiO2 =5.4%、MgO=1.0%、CaO=10.0%の焼結鉱を製造する時の焼結歩留と焼結生産性との比較を行った。

0016

次に、結晶水5.0wt%以上の鉄鉱石を25%含む配合条件(ケース2)で、同様に直径300mmφ高さ500mm送風圧力1200mmH2 Oの焼結鍋試験装置を用いて焼結鉱を製造する試験を、Al2 O3 =2.0%の条件とAl2 O3=1.6%の条件において、CaO、SiO2 、MgO成分を変更する試験を実施し、焼結歩留と焼結生産性を比較した。

0017

なお、高結晶水鉱石としてはピソライト鉱とマラマンバ鉱を用い、CaO、SiO2 、MgO成分の調整には高SiO2鉄鉱石であるリオドセ鉱とMtニューマン鉱および副原料である蛇岩、石灰石ドロマイト、硅石などの配合量を変更させて実施した。各銘柄の成分表を表2に示す。

0018

さらに結晶水5.0wt%以上の鉄鉱石を50%含む配合条件(ケース3)でも同様の試験を行い比較評価した。

0019

なお、本鍋試験にあっては燃料となる粉コークスは4.5%で、返鉱を14.0%の配合率で外数として加えた。

0020

0021

0022

高結晶水鉱石15%前提でのSiO2 =5.4%、MgO=1.0%、CaO=10.0%の焼結鉱製造時の焼結歩留及び焼結生産率を表3に示す。

0023

0024

次に高結晶水鉱石25%前提での焼結鉱CaO成分とSiO2 成分を変更した時の焼結生産率を図1および図2に示す。この図1および図2では、それぞれ焼結鉱MgO=1.7%一定で、Al2 O3 =1.6%とAl2 O3 =2.0%一定の場合を示した。そして前述のベースとなる表3の結果を基準線として図中に記入した。

0025

図1および図2から、本発明法の範囲にすると、ベースの生産率以上の結果を得ることができ、高結晶水の特性を活用したCaO、SiO2 成分の設計であることが判る。

0026

さらに高結晶水鉱石25%前提で、CaO=8%、SiO2 =4%一定時のMgO成分を変更したときの焼結歩留を図3に、焼結生産率を図4に示した。

0027

図3および図4により、本発明法の範囲ではベース以上の生産率と歩留を確保しており、上記と同様に高結晶水の特性を活用した成分設計であることが判る。

0028

表4には、製造焼結鉱の被還元性を調べた結果を示すが、低下傾向は示していない。

0029

0030

さらに高結晶水鉱石50%配合前提での結果を図5および図6に示す。高結晶水鉱石25%配合と同様に、本発明法の成分範囲はベース以上の歩留と生産率を示しており、本発明法が高結晶水多配合時に多大な効果発揮する技術であることを示している。

発明の効果

0031

以上のとおり、本発明によれば、高結晶水鉱石の焼結において、焼結の歩留りおよび生産性を高めることができる。

図面の簡単な説明

0032

図1本発明の高結晶水鉱石25%配合における焼結生産率を従来法との対比で示すグラフである。
図2本発明の高結晶水鉱石25%配合における焼結生産率を従来法との対比で示すグラフである。
図3本発明の高結晶水鉱石25%配合における焼結成品歩留を従来法との対比で示すグラフである。
図4本発明の高結晶水鉱石25%配合における焼結生産率を従来法との対比で示すグラフである。
図5本発明の高結晶水鉱石50%配合における焼結成品歩留を従来法との対比で示すグラフである。
図6本発明の高結晶水鉱石50%配合における焼結生産率を従来法との対比で示すグラフである。

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