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技術 カプセル型再帰反射シート

出願人 日本カーバイド工業株式会社
発明者 越智桂田中修小川学
出願日 1995年11月22日 (25年1ヶ月経過) 出願番号 1995-326300
公開日 1996年9月13日 (24年3ヶ月経過) 公開番号 1996-234006
状態 拒絶査定
技術分野 照明サイン;照明広告 道路標識、道路標示 レンズ以外の光学要素 積層体(2)
主要キーワード 鋼鉄板 積層結合 優秀さ 伸縮強度 外気温度変化 プレート類 凸状突起 半球部分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

光透過性保護フィルム支持体フィルムとを、両フィルム間に間隙を残したまま部分的に連結する連結壁の内部に充填不良箇所等がなく均一な構造及び形状を有しており、強度及び長期耐候性に優れたカプセル型再帰反射シートを提供すること。

解決手段

支持体フィルムを加熱溶融成形することにより連結壁を形成してなるカプセル型再帰反射シートにおいて、支持体フィルムは180℃における剪断応力が9×103〜1×105dyne/cm2の範囲内にある熱溶融性樹脂架橋剤とを含有してなり、架橋後に180℃における剪断応力が1×106dyne/cm2以上の不融性の架橋した樹脂を形成しうる樹脂組成物よりなることを特徴とするカプセル型再帰反射シート。

概要

背景

従来より光を光源に向けて再帰反射させる再帰反射シートはよく知られており、その再帰反射性を利用して、該シートは、上記のごとき利用分野で広く利用されている。中でも気体屈折率が低いことを利用し、光透過性保護フィルム支持体フィルム両フィルムを連結する連結壁により気体を封入して、光の再帰反射性能を高めたカプセル型再帰反射シートは、その優れた光再帰反射性能によりその用途が年々拡大しつつある。

一般に、カプセル型再帰反射シートには、レンズ型再帰反射性要素を配置したカプセルレンズ型再帰反射シートと、キューブコーナー型再帰反射性要素を配置したカプセルキューブコーナー型再帰反射シートがある。

カプセルレンズ型再帰反射シートは一般に、図1に示すとおり、狭い気体層を介して対向する光透過性保護フィルム(1)と支持体フィルム(2)及びこれら両者を結合するために支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形した連続線状の連結壁(3)より構成されており、該連結壁によって囲まれた多数の密封小区画空室(4)の支持体フィルム上には、ほぼ下半球面光反射膜である金属蒸着膜(5)で覆われたガラスビーズ(6)が実質的に単層で且つビーズの下半球面が該支持体フィルム中に埋没するように埋設されている。

カプセルキューブコーナー型再帰反射シートは一般に、図2に示すように、狭い気体層を介して対向する光透過性保護フィルム(7)と支持体フィルム(9)及びこれら両者を結合するために支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形した連続線状の連結壁(10)より構成されており、該連結壁によって囲まれた多数の密封小区画空室(11)の光透過性保護フィルム表面にはキューブコーナー型再帰反射性要素(8)が全面にわたって均一に且つ密に配置されている。

このようなカプセル型再帰反射シートに対しては、その再帰反射性能の高さが最も重要な機能として要望されているが、加えて、屋外使用等過酷な条件で使用した場合でも、その高度の再帰反射性能を長期間維持することのできる優れた耐候性や、視認性を高めるための再帰反射シートの色の鮮やかさ等も重要な機能として要求される。

カプセル型再帰反射シートを長期間屋外使用した場合の再帰反射性能の低下は、ほとんどの場合、密封小区画空室が破壊され、その中に雨水等が侵入することにより引き起こされる。例えば、外気温度変化に伴う密封小区画空室中の気体の膨張収縮の繰り返しや、再帰反射シートを貼着けた金属板等の被着体伸縮の繰り返し等に起因する保護フィルムクラック;保護フィルムと連結壁間界面での接着破壊;連結壁自体の破壊や支持体フィルム自体の破壊等により、密封小区画空室の気密性が失われて空室中に雨水等が侵入し、再帰反射性能の重要な因子である該空室中の屈折率条件が変動したり、また、例えばカプセルレンズ型再帰反射シートでは、光反射膜である金属蒸着膜等が劣化して光反射性能を失ったりして再帰反射性能が低下する。

中でも、保護フィルムと支持体フィルムとを連結する連結壁は、その構成上、歪等の影響を最も受け易く最も破壊され易い傾向にあり、実際、連結壁破壊に起因する再帰反射シートの劣化、再帰反射性能の低下が数多く発生している。従って、再帰反射シートの耐候性を向上させるためには、優れた強度を有する連結壁を形成することが最も重要である。

優れた強度を有する連結壁を形成するためには、連結壁自体の強度を大きくすることが重要であるが、同時に、支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形して連結壁を形成する際に、欠陥部のない均一な構造の連結壁を形成することもまた重要である。

例えば、カプセルレンズ型再帰反射シートの製造において、支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形して連結壁を形成する際に、溶融状態となった支持体フィルムは、その表面に埋設されているレンズ相互間間隙充填しながら流動して保護フィルムに接触し連結壁を形成するが、この時支持体フィルムの流動性が不十分であると、連結壁はその内部に充填不良箇所を有するなど不均一な構造や形状となって、その強度はきわめて弱いものになる。

また例えば、カプセルキューブコーナー型再帰反射シートの製造において、支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形して連結壁を形成する際に、溶融状態となった支持体フィルムは、保護フィルムの背面に均一且つ密に配置されているキューブコーナー型再帰反射性要素の間隙に流れ込んで充填し連結壁を形成するが、この時支持体フィルムの流動性が不十分であると、連結壁はキューブコーナー型再帰反射性要素との界面に充填不良箇所が形成されるなど不均一な構造となり、その強度はきわめて弱いものになる。

以上述べたように、優れた強度を持つ連結壁を形成するためには、支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形して連結壁を形成する際の支持体フィルムの流動性が非常に重要である。

従来より、連結壁の強度を向上させるため、種々の試みがなされており、例えば、特公昭61−13561号公報[=US4,025,159;DE2,706,589(A)]には、支持体フィルムを加熱溶融成形して連結壁(結合部組織)を形成した後、この連結壁に放射線照射することにより連結壁を架橋させて強度向上を図ることが提案されている。

上記特公昭61−13561号公報では、実施例1に例示されるとおり、カプセル型再帰反射シートは、以下に述べるように製造されている。

まず、熱可塑性ポリマーであるポリエチレン(以下、PEと略記することがある)層上にガラスビーズの一部を埋設し、その上部表面にアルミニウムなどの金属を蒸着した仮支持体PE層と紙よりなる)上に、放射線硬化性組成物を塗布し乾燥させて支持体フィルムを形成する。支持体フィルムは同公報実施例10で例示されるように、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある)フィルムのごときフィルム上に、同様の放射線硬化性組成物を塗布し乾燥させることにより予め形成しておき、仮支持体上のガラスビーズ上に重ね押圧して一体としてもよい。

次に、感圧接着剤層を有するPETフィルムを支持体フィルムの背面に積層し貼り合わせた後、仮支持体を剥離して、支持体フィルムと該支持体フィルム中に金属蒸着膜で覆われたほぼ半球部分を埋設支持されたガラスビーズの層とからなる基体シートをつくる。この基体シートのガラスビーズ埋設側に光透過性の保護フィルム(被覆フィルム)となるポリメチルメタクリレートフィルムを重ねて置き、この積層物を一方は平滑な平面であり他方は凸状突起を有する一対の鋼鉄板に挟んで加熱することにより、基体シートを部分的に加熱溶融成形して該保護フィルムと基体シートを網目組織の連結壁(結合部)によって積層結合し、次いで、得られた積層シートに放射線を照射し、結合部を硬化してカプセルレンズ型再帰反射シートを製造する。

上記特許公報においては、連結壁形成後に放射線を照射して連結壁と保護フィルムとの密着性を上げることが提案されている。しかし本発明者等が検討したところによれば、同公報実施例に開示されているような官能基を持たないアクリル系重合体二官能性単量体のみでは、連結壁自体の強度は十分な耐候性を持つまでには向上せず、他方、該連結壁の強度をさらに高めようとすると、加熱溶融成形時における支持体フィルムの流動性が不十分となり、不均一な構造や不均一な形状の連結壁が多く形成され、優れた耐候性を有する再帰反射シートが得られ難いという欠点がある。

また、支持体フィルムに熱可塑性フィルムを用いる試みもなされており、特開昭62−121043号公報[=US4,897,136;US5,064,272;EP225,103(A)]には、支持体フィルムに高分子量熱可塑性フィルムを用いた、カプセルレンズ型再帰反射シートの製造方法が提案されている。しかしながらこの提案においては、支持体フィルムに熱可塑性フィルムを用いるため、この支持体フィルムを加熱溶融成形して得られる連結壁の強度には限界があり十分な強度を有する連結壁を形成することができない。

さらに特開昭60−194405号公報[=US4,653,854;DE3,508,701(A);GB2,156,274(A)]には、上層側は下層側より保護フィルムへの接着力が大きく、下層側は上層側よりも凝集力の大きい二層構造を持つ支持体フィルムを用いる方法が提案されており、同公報には、加熱によって連結壁の成形が可能な流動状態となるが成形後に常温で架橋されて硬化する性質の支持体フィルムが望ましいとの記載がある。

しかしながら上記特開昭60−194405号公報においても、連結壁の加熱溶融成形時の支持体フィルムの好適な流動特性については具体的には何ら示されていないし、実際、本発明者等が検討したところによれば、同公報の実施例に示される支持体フィルム(支持フィルム)形成用の樹脂と架橋剤との組合わせでは好適な流動性は得られず、従って得られる連結壁の強度も不十分なものとなりがちであることが判明した。

概要

光透過性保護フィルムと支持体フィルムとを、両フィルム間に間隙を残したまま部分的に連結する連結壁の内部に充填不良箇所等がなく均一な構造及び形状を有しており、強度及び長期耐候性に優れたカプセル型再帰反射シートを提供すること。

支持体フィルムを加熱溶融成形することにより連結壁を形成してなるカプセル型再帰反射シートにおいて、支持体フィルムは180℃における剪断応力が9×103〜1×105dyne/cm2の範囲内にある熱溶融性樹脂と架橋剤とを含有してなり、架橋後に180℃における剪断応力が1×106dyne/cm2以上の不融性の架橋した樹脂を形成しうる樹脂組成物よりなることを特徴とするカプセル型再帰反射シート。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
7件

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請求項1

光透過性保護フィルムと、支持体フィルムと、両フィルム間に間隙を残したまま両フィルムを部分的に連結する連結壁よりなり、該保護フィルム及び/又は該支持体フィルムには再帰反射性要素が配置されており、該連結壁は該支持体フィルムを加熱溶融成形することによって形成されているカプセル型再帰反射シートにおいて、該支持体フィルムが、架橋剤と反応しうる官能基を含有し且つ180℃における剪断応力が9×103〜1×105dyne/cm2の範囲内にある熱溶融性樹脂と架橋剤とを含有してなり、そして架橋反応後に180℃における剪断応力が1×106dyne/cm2以上の不融性の架橋した樹脂を形成しうる樹脂組成物よりなることを特徴とするカプセル型再帰反射シート。

請求項2

熱溶融性樹脂の180℃における剪断応力が9.5×103〜9.5×104dyne/cm2の範囲内にある請求項1に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項3

官能基が活性水素含有官能基である請求項1に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項4

官能基の含有量が熱溶融性樹脂1kg当り0.1〜5当量である請求項1〜3のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項5

熱溶融性樹脂が、アクリル系樹脂ポリウレタン系樹脂シリコーン系樹脂ポリエステル系樹脂フッ素系樹脂酢酸ビニル系樹脂塩化ビニル系樹脂ポリオレフィン系樹脂及びポリアミド系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂からなる請求項1〜4のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項6

熱溶融性樹脂がアクリル系樹脂からなる請求項1〜4のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項7

アクリル系樹脂が−30〜50℃の範囲内のガラス転移温度(Tg)を有する請求項6に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項8

アクリル系樹脂が10000〜200000の範囲内の重量平均分子量を有する請求項6又は7に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項9

架橋剤がポリイソシアネート化合物ポリアジリジン化合物ポリエポキシ化合物及びアミノ系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤である請求項1〜8のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項10

架橋剤がポリイソシアネート化合物である請求項1〜8のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項11

熱溶融性樹脂が活性水素含有官能基を含有するアクリル系樹脂からなり、架橋剤がポリイソシアネート化合物である請求項1に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項12

樹脂組成物が架橋剤を熱溶融性樹脂の官能基1当量に対して0.25〜1.5当量の範囲内の割合で含有する請求項1〜11のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項13

活性水素含有官能基が水酸基である請求項3又は11に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項14

ポリイソシアネート系化合物が、脂肪族ポリイソシアネート脂環族ポリイソシアネート、これらポリイソシアネートの2量体または3量体又はこれらイソシアネートと2価もしくは3価のポリオールとのアダクト体である請求項10又は11に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項15

樹脂組成物がセルロース誘導体をさらに含有する請求項1に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項16

樹脂組成物がセルロース誘導体を熱溶融性樹脂100重量部に対して1〜40重量部の範囲内の割合で含有する請求項15に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項17

セルロース誘導体が90℃以上のガラス転移温度(Tg)を有する請求項15に記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項18

セルロース誘導体が15000以上の数平均分子量を有する請求項15〜17のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項19

樹脂組成物が架橋反応前に800〜4000g/10分の範囲内の溶融指数を有する請求項1〜18のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項20

架橋した樹脂の180℃における剪断応力が2×106dyne/cm2以上である請求項1〜19のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項21

架橋した樹脂の70℃における引張強度が10kg/cm2以上である請求項1〜20のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項22

架橋した樹脂の0℃における破断伸度が5%以上である請求項1〜21のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

請求項23

保護フィルムがアクリル系樹脂フィルム又はフッ素系樹脂フィルムである請求項1〜22のいずれかに記載のカプセル型再帰反射シート。

技術分野

0001

本発明は、道路標識工事標識等の標識類自動車、オ−トバイ等の車両のナンバプレート類衣服救命具等の安全用資材類、看板等のマーキング等において有用な長期耐候性などの諸物性に優れたカプセル型再帰反射シートに関する。

背景技術

0002

従来より光を光源に向けて再帰反射させる再帰反射シートはよく知られており、その再帰反射性を利用して、該シートは、上記のごとき利用分野で広く利用されている。中でも気体屈折率が低いことを利用し、光透過性保護フィルム支持体フィルム両フィルムを連結する連結壁により気体を封入して、光の再帰反射性能を高めたカプセル型再帰反射シートは、その優れた光再帰反射性能によりその用途が年々拡大しつつある。

0003

一般に、カプセル型再帰反射シートには、レンズ型再帰反射性要素を配置したカプセルレンズ型再帰反射シートと、キューブコーナー型再帰反射性要素を配置したカプセルキューブコーナー型再帰反射シートがある。

0004

カプセルレンズ型再帰反射シートは一般に、図1に示すとおり、狭い気体層を介して対向する光透過性保護フィルム(1)と支持体フィルム(2)及びこれら両者を結合するために支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形した連続線状の連結壁(3)より構成されており、該連結壁によって囲まれた多数の密封小区画空室(4)の支持体フィルム上には、ほぼ下半球面光反射膜である金属蒸着膜(5)で覆われたガラスビーズ(6)が実質的に単層で且つビーズの下半球面が該支持体フィルム中に埋没するように埋設されている。

0005

カプセルキューブコーナー型再帰反射シートは一般に、図2に示すように、狭い気体層を介して対向する光透過性保護フィルム(7)と支持体フィルム(9)及びこれら両者を結合するために支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形した連続線状の連結壁(10)より構成されており、該連結壁によって囲まれた多数の密封小区画空室(11)の光透過性保護フィルム表面にはキューブコーナー型再帰反射性要素(8)が全面にわたって均一に且つ密に配置されている。

0006

このようなカプセル型再帰反射シートに対しては、その再帰反射性能の高さが最も重要な機能として要望されているが、加えて、屋外使用等過酷な条件で使用した場合でも、その高度の再帰反射性能を長期間維持することのできる優れた耐候性や、視認性を高めるための再帰反射シートの色の鮮やかさ等も重要な機能として要求される。

0007

カプセル型再帰反射シートを長期間屋外使用した場合の再帰反射性能の低下は、ほとんどの場合、密封小区画空室が破壊され、その中に雨水等が侵入することにより引き起こされる。例えば、外気温度変化に伴う密封小区画空室中の気体の膨張収縮の繰り返しや、再帰反射シートを貼着けた金属板等の被着体伸縮の繰り返し等に起因する保護フィルムクラック;保護フィルムと連結壁間界面での接着破壊;連結壁自体の破壊や支持体フィルム自体の破壊等により、密封小区画空室の気密性が失われて空室中に雨水等が侵入し、再帰反射性能の重要な因子である該空室中の屈折率条件が変動したり、また、例えばカプセルレンズ型再帰反射シートでは、光反射膜である金属蒸着膜等が劣化して光反射性能を失ったりして再帰反射性能が低下する。

0008

中でも、保護フィルムと支持体フィルムとを連結する連結壁は、その構成上、歪等の影響を最も受け易く最も破壊され易い傾向にあり、実際、連結壁破壊に起因する再帰反射シートの劣化、再帰反射性能の低下が数多く発生している。従って、再帰反射シートの耐候性を向上させるためには、優れた強度を有する連結壁を形成することが最も重要である。

0009

優れた強度を有する連結壁を形成するためには、連結壁自体の強度を大きくすることが重要であるが、同時に、支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形して連結壁を形成する際に、欠陥部のない均一な構造の連結壁を形成することもまた重要である。

0010

例えば、カプセルレンズ型再帰反射シートの製造において、支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形して連結壁を形成する際に、溶融状態となった支持体フィルムは、その表面に埋設されているレンズ相互間間隙充填しながら流動して保護フィルムに接触し連結壁を形成するが、この時支持体フィルムの流動性が不十分であると、連結壁はその内部に充填不良箇所を有するなど不均一な構造や形状となって、その強度はきわめて弱いものになる。

0011

また例えば、カプセルキューブコーナー型再帰反射シートの製造において、支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形して連結壁を形成する際に、溶融状態となった支持体フィルムは、保護フィルムの背面に均一且つ密に配置されているキューブコーナー型再帰反射性要素の間隙に流れ込んで充填し連結壁を形成するが、この時支持体フィルムの流動性が不十分であると、連結壁はキューブコーナー型再帰反射性要素との界面に充填不良箇所が形成されるなど不均一な構造となり、その強度はきわめて弱いものになる。

0012

以上述べたように、優れた強度を持つ連結壁を形成するためには、支持体フィルムを部分的に加熱溶融成形して連結壁を形成する際の支持体フィルムの流動性が非常に重要である。

0013

従来より、連結壁の強度を向上させるため、種々の試みがなされており、例えば、特公昭61−13561号公報[=US4,025,159;DE2,706,589(A)]には、支持体フィルムを加熱溶融成形して連結壁(結合部組織)を形成した後、この連結壁に放射線照射することにより連結壁を架橋させて強度向上を図ることが提案されている。

0014

上記特公昭61−13561号公報では、実施例1に例示されるとおり、カプセル型再帰反射シートは、以下に述べるように製造されている。

0015

まず、熱可塑性ポリマーであるポリエチレン(以下、PEと略記することがある)層上にガラスビーズの一部を埋設し、その上部表面にアルミニウムなどの金属を蒸着した仮支持体PE層と紙よりなる)上に、放射線硬化性組成物を塗布し乾燥させて支持体フィルムを形成する。支持体フィルムは同公報実施例10で例示されるように、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある)フィルムのごときフィルム上に、同様の放射線硬化性組成物を塗布し乾燥させることにより予め形成しておき、仮支持体上のガラスビーズ上に重ね押圧して一体としてもよい。

0016

次に、感圧接着剤層を有するPETフィルムを支持体フィルムの背面に積層し貼り合わせた後、仮支持体を剥離して、支持体フィルムと該支持体フィルム中に金属蒸着膜で覆われたほぼ半球部分を埋設支持されたガラスビーズの層とからなる基体シートをつくる。この基体シートのガラスビーズ埋設側に光透過性の保護フィルム(被覆フィルム)となるポリメチルメタクリレートフィルムを重ねて置き、この積層物を一方は平滑な平面であり他方は凸状突起を有する一対の鋼鉄板に挟んで加熱することにより、基体シートを部分的に加熱溶融成形して該保護フィルムと基体シートを網目組織の連結壁(結合部)によって積層結合し、次いで、得られた積層シートに放射線を照射し、結合部を硬化してカプセルレンズ型再帰反射シートを製造する。

0017

上記特許公報においては、連結壁形成後に放射線を照射して連結壁と保護フィルムとの密着性を上げることが提案されている。しかし本発明者等が検討したところによれば、同公報実施例に開示されているような官能基を持たないアクリル系重合体二官能性単量体のみでは、連結壁自体の強度は十分な耐候性を持つまでには向上せず、他方、該連結壁の強度をさらに高めようとすると、加熱溶融成形時における支持体フィルムの流動性が不十分となり、不均一な構造や不均一な形状の連結壁が多く形成され、優れた耐候性を有する再帰反射シートが得られ難いという欠点がある。

0018

また、支持体フィルムに熱可塑性フィルムを用いる試みもなされており、特開昭62−121043号公報[=US4,897,136;US5,064,272;EP225,103(A)]には、支持体フィルムに高分子量熱可塑性フィルムを用いた、カプセルレンズ型再帰反射シートの製造方法が提案されている。しかしながらこの提案においては、支持体フィルムに熱可塑性フィルムを用いるため、この支持体フィルムを加熱溶融成形して得られる連結壁の強度には限界があり十分な強度を有する連結壁を形成することができない。

0019

さらに特開昭60−194405号公報[=US4,653,854;DE3,508,701(A);GB2,156,274(A)]には、上層側は下層側より保護フィルムへの接着力が大きく、下層側は上層側よりも凝集力の大きい二層構造を持つ支持体フィルムを用いる方法が提案されており、同公報には、加熱によって連結壁の成形が可能な流動状態となるが成形後に常温で架橋されて硬化する性質の支持体フィルムが望ましいとの記載がある。

0020

しかしながら上記特開昭60−194405号公報においても、連結壁の加熱溶融成形時の支持体フィルムの好適な流動特性については具体的には何ら示されていないし、実際、本発明者等が検討したところによれば、同公報の実施例に示される支持体フィルム(支持フィルム)形成用の樹脂と架橋剤との組合わせでは好適な流動性は得られず、従って得られる連結壁の強度も不十分なものとなりがちであることが判明した。

発明が解決しようとする課題

0021

本発明者等は、カプセル型再帰反射シートについて、種々検討を重ねた結果、連結壁の加熱溶融成形時に好適な流動特性を示す、特定の架橋剤を含む支持体フィルムを用いることにより、内部に充填不良箇所のない均一な構造で且つ均一な形状を有する連結壁を形成し、次いで該連結壁を架橋させてその強度を顕著に向上させることにより、前記従来技術の欠点がことごとく解消された優れたカプセル型再帰反射シートが得られることを見い出し本発明を完成するに至った。

課題を解決するための手段

0022

かくして本発明によれば、光透過性保護フィルムと、支持体フィルムと、両フィルム間に間隙を残したまま両フィルムを部分的に連結する連結壁よりなり、該保護フィルム及び/又は該支持体フィルムには再帰反射性要素が配置されており、該連結壁は該支持体フィルムを加熱溶融成形することによって形成されているカプセル型再帰反射シートにおいて、該支持体フィルムが、架橋剤と反応しうる官能基を含有し且つ180℃における剪断応力が9×103〜1×105dyne/cm2の範囲内にある熱溶融性樹脂と架橋剤とを含有してなり、そして架橋反応後に180℃における剪断応力が1×106dyne/cm2以上の不融性の架橋した樹脂を形成しうる樹脂組成物よりなることを特徴とするカプセル型再帰反射シートが提供される。

0023

以下、本発明のカプセル型再帰反射シートについてさらに詳細に説明する。

0024

本発明のカプセル型再帰反射シートは、均一な構造で均一な形状の連結壁を形成させるため、支持体フィルムとして、架橋反応前の剪断応力が従来のものと比べて極めて小さい熱溶融性樹脂と架橋剤とを含有してなる樹脂組成物を用いることに大きな特徴を有しており、該支持体フィルムは、部分的に加熱溶融成形して、光透過性保護フィルムと支持体フィルムとを両フィルム間に間隙を残したまま部分的に連結する連結壁を形成した後、架橋反応を進行させることにより、従来のものと比べ同等又はそれ以上の強度を有する不融性の架橋した樹脂層を形成する。

0025

支持体フィルムに用いられる熱溶融性樹脂は、その架橋反応前の剪断応力が180℃において9×103〜1×105dyne/cm2、好ましくは9.5×103〜9.5×104dyne/cm2、特に好ましくは1.4×104〜9×104dyne/cm2の範囲内にあるものであり、そして架橋反応により180℃における剪断応力が1×106dyne/cm2以上、好ましくは2×106dyne/cm2以上、特に好ましくは3×106〜3×107dyne/cm2の範囲内の不融性の架橋した樹脂を形成するものである。

0026

架橋反応前の剪断応力が上記上限値を超える熱溶融性樹脂は、連結壁の加熱溶融成形時に好適な流動特性を示さないため、均一な構造及び形状を有する連結壁を形成することが困難となるので好ましくなく、他方、上記下限値未満の小さい剪断応力しかもたない熱溶融性樹脂は、形成された連結壁の形状保持性が不十分となるので好ましくない。また、架橋反応後の架橋した樹脂の剪断応力が1×106dyne/cm2より小さいと、連結壁の強度を向上させることができず、得られるカプセル型再帰反射シートの耐久性が不十分となるので好ましくない。

0027

さらに、架橋反応後の支持体フィルムは、70℃における引張強度が10kg/cm2以上、より好ましくは20kg/cm2以上、より一層好ましくは30〜150kg/cm2の範囲内であり、且つ、0℃における破断伸度が5%以上、より好ましくは10%以上、さらに一層好ましくは20〜50%であるという引張特性を有していることが望ましい。

0028

ここで、熱溶融性樹脂及び架橋反応後の支持体フィルムの剪断応力並びに架橋反応後の支持体フィルムの引張特性は以下の方法により測定される。

0029

熱溶融性樹脂及び架橋した樹脂の剪断応力:(株)東洋精機製作所製「キャピログラフ」を用いてJIS K 7199記載の流れ特性試験方法により、熱溶融性樹脂の剪断応力、及び該熱溶融性樹脂に架橋剤、後記のその他の添加剤セルロース誘導体酸化チタンなど)を配合した樹脂組成物が架橋反応により形成する架橋した樹脂の剪断応力を、測定温度は180℃、押出速度は5mm/分にて測定する。

0030

架橋した樹脂の引張特性:上記樹脂組成物を所定条件で架橋反応させて得た架橋した樹脂を測定試料として、これを幅10mm、長さ46mmにカットし、(株)オリエンテック製「テンシロン」を用いて、つかみ間隔10mm、引張速度100mm/分、測定温度70℃及び0℃で引張試験を行い、測定温度70℃での最大応力を引張強度とし、0℃での破断時の伸びを破断伸度とする。

0031

なお、本発明のカプセル型再帰反射シートにおいて、支持体フィルムは必ずしも一層である必要はなく、必要に応じて、種類及び/又は架橋度の相異なる二層以上の構造をもつ支持体フィルムを用いることもでき、また、該シートの強度を向上させる等の目的で、必要に応じて、例えば支持体フィルムの背面に一層以上の補強層を設けてもよい。

0032

上記の如き特性を満足する本発明における支持体フィルムは、前記のように架橋剤と反応しうる官能基を含有する熱溶融性樹脂と架橋剤とを含有してなり、架橋反応後に不融性の架橋した樹脂を形成しうる樹脂組成物よりなるものである。そのような熱溶融性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂ポリウレタン系樹脂シリコーン系樹脂ポリエステル系樹脂フッ素系樹脂酢酸ビニル系樹脂塩化ビニル系樹脂ポリオレフィン系樹脂ポリアミド系樹脂等の樹脂を挙げることができ、これらはそれぞれ単独で、或いは2種以上の樹脂成分と共重合された形で又はブレンドした形で用いることができるが、これらの中で耐候性に優れ、熱溶融特性の調節が容易なアクリル系樹脂が好ましく、特に少なくとも2種以上のアクリル系単量体を共重合して得られるアクリル系樹脂が好ましい。

0033

本発明に用いることのできる熱溶融性樹脂が含有しうる、架橋剤と反応しうる官能基としては、例えば、水酸基メチロール基アミノ基、エポキシ基カルボキシル基メルカプト基等の活性水素含有官能基を挙げることができ、中でも水酸基が好適である。これらの官能基は、上記の樹脂の製造時にこれらの官能基を有する単量体を共重合するか、これらの樹脂の製造後これらの官能基を有する化合物を反応させるなどの手段により導入することができる。

0034

熱溶融性樹脂中におけるこれらの官能基の含有量は、特に限定されるものではなく、官能基の種類や樹脂の種類等に応じて変えることができるが、通常、熱溶融性樹脂1kg当り0.1〜5当量、特に0.2〜3当量、さらに特に0.3〜2当量の範囲内とするのが好ましく、これにより、架橋反応後の支持体フィルムの柔軟性を適度に保持しつつ、架橋反応後の連結壁自体の強度を顕著に向上させることができる。

0035

本発明に特に好適に用いることのできる前記アクリル系樹脂は、例えば、側鎖中に後述する架橋剤と反応する官能基を有しないアクリル系単量体(以下、非官能性単量体ということがある)の1種又は2種以上を主成分とし、これを、側鎖中に水酸基、メチロール基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、メルカプト基等の活性水素含有官能基を有する単量体(以下、官能性単量体ということがある)の1種又は2種以上と、溶液重合懸濁重合乳化重合塊状重合などの重合法により共重合させることにより製造することができる。

0036

上記の非官能性単量体としては、例えば、メチルアクリレートエチルアクリレート、n-プロピルアクリレートn-ブチルアクリレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、n-ヘキシルアクリレートn-オクチルアクリレート、i-オクチルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、i-ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートメチルメタクリレートエチルメタクリレートn-ブチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレートn-オクチルメタクリレート、i-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、i-ノニルメタクリレート、n-ドデシルメタクリレート、i-ドデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート類を挙げることができ、また、官能性単量体としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチルアクリレートジメチルアミノエチルメタクリレートジエチルアミノエチルアクリレートジエチルアミノエチルメタクリレート等の(ジアルキル)アミノアルキル(メタ)アクリレート類;グリシジルアクリレートグリシジルメタアクリレートアリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体アクリル酸メタアクリル酸フマール酸マレイン酸イタコン酸ケイ皮酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体などを挙げることができる。

0037

上記アクリル系樹脂の中でも、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート等の比較的ガラス転移温度(以下、Tgと略称することがある)の低い、好ましくはTgが10℃以下のホモポリマーを与える非官能性単量体20〜95重量%、メチルメタクリレート、i-ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等の比較的Tgの高い、好ましくはTgが40℃以上のホモポリマーを与える非官能性単量体95〜20重量%、及び2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル酸、メタアクリル酸等の官能性単量体5〜15重量%を共重合して得られるアクリル系樹脂が特に好適である。

0038

このようなアクリル系樹脂は、一般に、−30〜50℃、好ましくは−10〜30℃、特に好ましくは−5〜20℃の範囲内のTgをもつことができ、かかる樹脂を用いることにより、好適な柔軟性をもち且つ充分な耐熱性を有する支持体フィルムを形成することができる。なお、本明細書において、Tgは以下に述べる示差走査熱量測定法DSC法)により測定した値である。

0039

ガラス転移温度(Tg)の測定:厚さ約0.1mmのアルミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約2.5mmの円筒型セルに、100℃で2時間乾燥した樹脂の試料約10mgを取して測定試料とし、示差走査熱量計〔Differental Scanning Calorimeter;セイコー電子工業(株)製「SSC-5000」型〕を用い、−150℃から昇温速度5℃/minで試料のガラス転移温度前後の比熱容量差を測定し、その結果からTgを決定する。

0040

また、前記アクリル系樹脂は、一般に、1万〜20万、好ましくは2万〜10万、特に好ましくは3万〜8万の範囲内の重量平均分子量(以下、Mwと略称することがある)を有することができる。Mwが該上限値以下の樹脂は、支持体フィルムを加熱溶融成形して連結壁を形成する際に、連結壁が不均一な構造及び形態となり連結壁の強度や保護フィルムと連結壁との接着強度が著しく低下するといった不都合を生ずることがないので好ましく、該下限値以上のMwをもつ樹脂は、ガラスビーズを支持体フィルム中に押し込んで埋設するに際して、例えばニップ圧、ニップ温度など加工条件のわずかな変動によりガラスビーズの埋没度合が変化してしまうなどの不都合が生ずることがないのでので好ましい。なお、本明細書においてMwは、ゲル・パーミエイションクロマトグラフィ法(GPC法)により測定した値である。

0041

以上に述べた如き樹脂と併用することのできる架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物ポリアジリジン化合物ポリエポキシ化合物アミノ系樹脂などを挙げることができ、中でもポリイソシアネート化合物が好適である。架橋剤の使用量は、厳密に制限されるものではなく、架橋剤の種類や樹脂の種類等に応じて広い範囲にわたって変えることができるが、一般には、熱溶融性樹脂中の官能基1当量に対して、0.25〜1.5当量、好ましくは0.5〜1.2当量、特に好ましくは0.6〜1.1当量の範囲内とすることができる。

0042

本発明に特に好適に用いられる熱溶融性樹脂の官能基と架橋剤との組合わせのうちでも、架橋反応が比較的緩やかで連結壁の加熱溶融成形時にも該熱溶融性樹脂の流動性を阻害することがなく、その後の架橋反応が常温で進行し、好ましくない副反応が生じず、架橋密度が高くなって連結壁自体の強度が向上する等の理由から、官能基として水酸基を用い、架橋剤としてポリイソシアネート化合物を用いるのが特に好ましい。

0043

本発明において特に好適に用いることができる架橋剤である前記ポリイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、1,3-又は1,4-フエニレジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4'-ジフエニルメタンジイソシアネート、3,3'-ジメチルジフエニルメタン-4,4'-ジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;例えば、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8-オクタメチレンジイソシアネート、1,10-デカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;例えば、1,3-又は1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1-メチルシクロヘキサン-2,4-又は-2,6-ジイソシアネート、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートイソホロンジイソシアネート、1,3-イソシアネートメチルシクロヘキサン等の脂環族ポリイソシアネート;これらイソシアネートの2量体又は3量体;これらイソシアネートと、例えば、エチレングリコールトリメチロールプロパン等の2価又は3価のポリオールとのアダクト体などが挙げられる。

0044

これらのポリイソシアネート化合物のうちでも、得られる再帰反射シートの耐候性のよさ、耐黄変性優秀さ等の観点から、脂肪族ポリイソシアネート化合物脂環族ポリイソシアネート化合物、これらイソシアネートの2量体または3量体、これらイソシアネートと2価又は3価のポリオールとのアダクト体などを使用することが好ましい。

0045

本発明において支持体フィルムを構成する前記樹脂組成物には、架橋剤と反応しうる官能基を含有する熱溶融性樹脂と架橋剤との他に、さらに必要に応じて、セルロース誘導体を含有させることができる。該セルロース誘導体は、支持体フィルムの改質剤として機能し、該支持体フィルムに優れた耐伸縮強度、耐熱性等の機能を付与することができ、その結果、本発明のカプセル型再帰反射シートに優れた耐候性等の特性を付与することができる。

0046

上記のセルロース誘導体としては、そのTgが好ましくは90℃以上、より好ましくは100〜190℃、さらに好ましくは100〜170℃の範囲内であるものを用いるのがよく、また、該セルロース誘導体は、一般に、15,000以上、特に20,000〜80,000の範囲内の数平均分子量(Mn)がをもつものが好ましい。

0047

セルロース誘導体の種類は、特に限定されるものではなく、市販の各種セルロース誘導体を用いることができるが、通常は耐水性に優れ、改質効果の大きいセルロースエステルを使用するのが好ましく、特にアシル化率が10〜90%、好ましくは30〜70%、さらに好ましくは40〜60%の範囲内のセルロースアシルエステルを用いるのが好適である。このようなセルロースアシルエステルとしては、例えば、セルロースアセテートセルロースアセテートブチレートセルロースアセテートプロピオネート等が特に好適に用いられる。

0048

このようなセルロース誘導体は、前記熱溶融性樹脂100重量部に対して、一般に0〜50重量部、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは3〜30重量部の範囲内の割合で使用することができる。

0049

本発明に用いることのできる前記樹脂組成物はまた、必要に応じて、有機溶剤不溶性ないし難溶性及び/又は熱不融性ないし難融性微粒子状樹脂を熱溶融性樹脂マトリックス相中添加分散させて用いることもできる。該微粒子状樹脂は、通常、平均粒子径が0.01〜4.0μm程度の単層単一球状、複層単一球状又はこれら単一球状がいくつか集合して形成された複合球状等の粒子形状であって、該微粒子状樹脂を構成する樹脂成分は架橋反応等によって極めて大きい分子量を有するものであり、具体的には、例えば、「工業材料」(日刊工業新聞発行)第38巻第9号(1990年)第100頁の微粉状ポリマー商品名とメーカー一覧に記載されている微粉状ポリマー、特公昭59−36645号公報(=US4,025,525)に記載されている多層構造重合体組成物等が挙げられる。このような微粒子状樹脂は、前記熱溶融性樹脂100重量部に対して、一般に50重量部以下、例えば3〜30重量部、特に5〜20重量部の範囲内の割合で用いることができる。

0051

本発明において用いられる前記樹脂組成物は、好ましくは800〜4,000g/10分、より好ましくは900〜3,000g/10分、特に好ましくは1,000〜2,000g/10分の範囲内の溶融指数(以下、MI値ということがある)をもつことができる。該樹脂組成物のMI値が該上限値以下であれば、ガラスビーズを支持体フィルム中に押し込んで埋設するに際して、例えばニップ圧、ニップ温度など加工条件の僅かな変動によりガラスビーズの埋没度合が変化してしまうなどの不都合が生ずることがないので好ましく、該下限値以上であれば、支持体フィルムを加熱溶融成形して連結壁を形成する際に、連結壁が不均一な構造及び形態となり連結壁の強度や保護フィルムと連結壁との接着強度が著しく低下するといった不都合を生ずることがないのでので好ましい。なお該MI値は、下記に述べるようにしてASTMD 1238に準じて測定した値である。

0052

溶融指数(MI値)の測定:(株)テクノ・セブン製「メルトインデクサー」を用い、ASTMD 1238記載の流れ特性試験方法により溶融指数を求める。測定温度は230℃、荷重は1.2kgとする。なお測定試料としては、熱溶融性樹脂に架橋剤を除く各種添加物を所定量配合して得られた支持体フィルム形成用樹脂組成物溶液より作成したものを使用する。

0053

本発明のカプセル型再帰反射シートは、支持体フィルムの構成材料として、以上に述べた、180℃における剪断応力が9×103〜1×105dyne/cm2の範囲内にある熱溶融性樹脂と架橋剤とを含有してなり、架橋反応後に180℃における剪断応力が1×106dyne/cm2以上の不融性の樹脂となるような樹脂組成物を用いる点を除けば従来より既知の材料及び方法、例えば、特開昭60−194405号公報(=US4,653,854)、特開平2−196653号公報等に記載の材料及び方法を用いて製造することができる。

0054

その一例としてカプセルレンズ型再帰反射シートの製造例を以下に示す。

0055

まず、ポリエチレン等の熱可塑性ポリマーを表面層として有する工程紙などを仮支持体として用い、これを加熱することにより該熱可塑性ポリマー層軟化させ、その上に、屈折率が約1.7〜2.0程度、平均粒子径が20〜150μm程度のガラスビーズを密に且つ実質的に単層となるように散布し、ニップロール等を用いて該ガラスビーズをその直径の約1/3〜1/2程度が熱可塑性ポリマー層中に埋没するように埋設し、露呈しているガラスビーズ表面に光反射性要素としてアルミニウム等の金属を真空蒸着してガラスビーズの約半球面を金属蒸着膜で覆う。

0056

次に、例えばシリコーン系剥離処理剤表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルム等の工程基材上に、予め溶液コーティング法等によって形成した支持体フィルムを、該支持体フィルムと上記仮支持体上のガラスビーズの金属蒸着された面とが対向するように重ね合わせ、必要ならば熱をかけ支持体フィルムを軟化させながら、ニップロール等を用いてガラスビーズをその直径の1/3〜1/2程度が支持体フィルム中に埋没するように押し込む。この時、仮支持体の前記熱可塑性ポリマー上にある金属蒸着膜が支持体フィルムに転写しないように、金属蒸着膜と支持体フィルム表面との間に少し間隙をあけるようにして押し込むことが好ましい。またこの時、ガラスビーズが埋設され金属蒸着膜が施された仮支持体の金属蒸着膜上に、例えば、カップリング剤を含有した薄膜など適宜の薄膜を設けて、金属蒸着膜が直接支持体フィルムと接触しないようにすることもできる。上記カップリング剤としては、例えば、メチルメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルメトキシシラン等のシラン系カップリング剤イソプロピルトリイソステアロイルチタネートテトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤ジイソプロピレートアルミニウムオレイルアセトアセテート、イソプロピレート(アクリレート)アルミニウムオレイルアセトアセテート、イソプロピレート(アセトアセテート)アルミニウムオレイルアセトアセテート等のアルミニウム系カップリング剤;2-アミノプロピオニルジルコアルミネート、2-カルボキシプロピオニルジルコアルミネート、ミリストイルジルコアルミネート等のジルコアルミネート系カップリング剤などを挙げることができる。

0057

支持体フィルムの厚みは、厳密に制限されるものではなく、使用する樹脂の種類、ガラスビーズの大きさなどに応じて広範囲にわたって変えることができるが、一般には、20〜200μm、好ましくは30〜150μm、さらに好ましくは50〜120μmの範囲内に設定するのが好都合である。

0058

なお、上記支持体フィルムは前記のように必ずしも一層である必要はなく、必要に応じて、種類及び/又は架橋度の相異なる二層以上の構造を持つ支持体フィルムを用いることもできる。このような複層の支持体フィルムも、前記と同様、それぞれ架橋剤と反応しうる官能基を含有する熱溶融性樹脂と架橋剤とを含有してなり、架橋反応後に不融性の架橋した樹脂を形成しうる樹脂組成物により形成することができる。

0059

このような複層の支持体フィルムをつくるための熱溶融性樹脂としては、前記と同様、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等の樹脂等が使用され、これらはそれぞれ単独で或いは2種以上の樹脂成分と共重合された形で又はブレンドした形で用いることができる。これら熱溶融性樹脂のTg、Mw、官能基の種類と含有量、良好な架橋剤の組合わせと添加量及びその他の添加剤(セルロース誘導体、体質顔料ないし着色顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光漂白剤等)などは、前記支持体フィルムについて述べたと同様のものとすることができ、複層の互いに隣接する層は、それぞれ異なる種類の熱溶融性樹脂、異なる種類の架橋剤、異なる配合組成及び/又は異なる架橋度の層とすることができる。各層の厚みは設ける層の数に応じて広範囲にわたって変えることができるが、通常は、支持体フィルム全体の厚みが前記のとおり20〜200μmの範囲内になるように設定するのが好都合である。

0060

また、本発明のカプセル型再帰反射シートにおいて、その強度を向上させる等の目的で、必要に応じて、例えば支持体フィルムの背面に一層以上の補強層を設けることもできる。このような補強層も、前記と同様、架橋剤と反応しうる官能基を含有する熱溶融性樹脂と架橋剤とを含有してなり、架橋反応後に不融性の架橋した樹脂を形成しうる樹脂組成物により形成することができるが、通常、支持体フィルムより架橋度を高くするなど相対的に強靭なものとするのが好ましい。該補強層の厚みは、一般に10〜100μm、特に30〜80μmの範囲内に設定するのが好都合である。

0061

さらに、光透過性保護フィルムとの密着性の向上、連結壁の強度向上等の観点から、場合により、支持体フィルムの層のうちビーズを埋設支持する側の表面の層を低架橋度に設定し、補強層に近くなるに従って熱溶融性樹脂の官能基含有量及び/又は架橋剤添加量を増して架橋度を増加させた層を順番に積層して支持体フィルム及び支持体フィルム−補強層積層物を形成することもできる。

0062

次に、工程基材上の支持体フィルムと前記仮支持体上のガラスビーズの金属蒸着された面とが対向するように重ね合わされた積層物から、該仮支持体を剥離し、露呈したガラスビーズ面に光透過性保護フィルムを重ね合わせる。

0063

本発明のカプセル型再帰反射シートに用いうる光透過性保護フィルムは、少なくとも20%以上、好ましくは40%以上の全光線透過率を有し、ある程度の柔軟性を有するものであればその材質には特に制限はなく、例えば、アクリル系樹脂フィルムフッ素系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、塩化ビニル系樹脂フィルムポリカーボネート系樹脂フィルムポリエステル系樹脂フィルムポリオレフィン系樹脂フィルムなどが挙げられる。これらの光透過性保護フィルムとしては、耐候性に優れたフィルムが好ましく、中でも、アクリル系樹脂フィルム及びフッ素系樹脂フィルムが耐候性に優れており、屋外において長期使用する再帰反射シート用の保護フィルムとして特に好適である。

0064

これら保護フィルムは一般に、未延伸のものであることが好ましい。その理由は、一軸または多軸延伸したフィルムは機械的強度は大きくなるものの、フィルム中に歪が残り、得られる再帰反射シートの耐久性を損なうことがあるからである。

0065

また、保護フィルムは、前述した支持体フィルムとの接着性が乏しい場合には、支持体フィルムに面する表面に接着性向上処理を施しておくことが望ましい。接着性向上処理としては、それ自体既知の方法を採用することができ、例えば、コロナ放電処理プラズマ放電処理プラズマコート処理等を用いることができる。中でも、コロナ放電処理は比較的操作が容易で且つ効果的にも優れており、好適な手段である。

0066

保護フィルムの厚みは、再帰反射シートの用途等に応じて広い範囲にわたり変えることができるが、通常、20〜200μm、好ましくは40〜150μm、特に好ましくは50〜100μmの範囲内とすることができる。

0067

次いで、支持体フィルムと保護フィルムとを重ね合わせたものを、その状態を保持しつつ、連続線状の突起を有するエンボスロール等を用いて支持体フィルムを加熱しながら部分的に加熱溶融成形し、保護フィルムと支持体フィルムとを連続線状の連結壁により連結する。この後例えば約30〜約40℃の温度に加温することにより又は室温に所定時間放置することにより、支持体フィルム及び連結壁を形成する樹脂組成物を架橋させ、不融性の架橋した樹脂層を形成させる。

0068

以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。

0069

実施例1
軟化温度約105℃のポリエチレン(PE)を紙にラミネートした仮支持体を約105℃に加熱し、この上に平均粒子径約65μm、屈折率約1.91のガラスビーズを均一に且つ密に単層で分散させた後、ニップロールにより加圧してガラスビーズをその直径の約1/3だけPE中に埋め込んだ。

0070

その後、仮支持体のガラスビーズが露呈している面に、アルミニウムを真空蒸着し、ガラスビーズのほぼ半球面に厚さ約0.1μmの金属蒸着膜を形成した。

0071

次に、剥離処理を施した厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、固形分50重量%のアクリル系樹脂溶液〔メチルメタクリレート(MMA)34重量%、エチルアクリレート(EA)61重量%、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)5重量%を共重合させたアクリル系樹脂(Tg約10℃、Mw約4万、OH基量約0.38当量/kg、剪断応力6.5×104dyne/cm2)の酢酸エチルトルエン溶液〕100重量部と酸化チタン15重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、固形分15重量%のセルロースアセテートブチレート(CAB)(Tg約130℃、Mn約3万、アシル化率約52%)を含むメチルイソブチルケトンMIBK)溶液33重量部及び固形分75重量%のヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)系架橋剤「スミジュールN」〔ビウレットタイプ、住友バイエルウレタン(株)製〕5重量部〔NCO基/OH基=約1.0(当量比)〕を混合して得られる支持体フィルム形成用樹脂組成物溶液を塗布・乾燥して厚さ約110μmの支持体フィルムを得た。この支持体フィルムのMI値を測定したところ1300g/10分であった。

0072

この支持体フィルムを、先に作った仮支持体上の金属蒸着されたガラスビーズの上に重ね合わせ、70℃に加熱しながら、900kg/mの線圧で加圧して、ガラスビーズの直径の約1/3を支持体フィルム中に埋め込んだ。次いで、得られた積層シートから仮支持体であるPEラミネート紙を剥離して、ガラスビーズを支持体フィルムに転写した。

0073

次に、ガラスビーズが転写された支持体フィルム上に、厚さ約75μm、全光線透過率約93%の無延伸アクリルフィルムを、ガラスビーズとアクリルフィルムが対向するように重ね合わせ、線幅約0.3mmの網目状突起を有する表面温度が約170℃の金属ロールと表面温度が約60℃のゴムロールの間を、アクリルフィルム側がゴムロールと接触するようにして通過させながら、金属ロールを剥離処理PETフィルム側から加圧押し当てて部分的加熱溶融成形を行った。その後、室温で20日間エージングし、支持体フィルムの架橋を実質的に完結させた。支持体フィルムの架橋反応後の剪断応力は1.2×107dyne/cm2で、70℃における引張強度が38kg/cm2であり、0℃における伸びが36%であった。

0074

得られた加熱溶融成形物より、剥離処理PETフィルムを除去し、別途厚さ約75μmのシリコン処理PET剥離フィルム上に形成した厚さ約40μmのアクリル系感圧接着剤〔日本カーバイド工業(株)製、商品名「ニッセツ KP−997」により作成〕を、支持体フィルムと感圧接着剤が接触するようにして積層貼り合わせて再帰反射シートを作成した。

0075

支持体フィルムを形成する樹脂組成物の組成、諸特性値及び架橋した樹脂の諸特性値を表1に、そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能を表2に示す。得られたカプセルレンズ型再帰反射シートは、過酷な耐候性試験においても、再帰反射性能低下率が少なく、光透過性保護フィルムの剥がれもほとんど無い優れた特性を有するものであった。

0076

実施例2
実施例1において、支持体フィルム形成用樹脂組成物溶液として、固形分50重量%のアクリル系樹脂溶液〔MMA 22重量%、EA 63重量%、HEMA 15重量%を共重合させたアクリル系樹脂(Tg約5℃、Mw約7万、OH基量約1.15当量/kg、剪断応力7.7×104dyne/cm2)の酢酸エチル/トルエン溶液〕100重量部と酸化チタン15重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、固形分15重量%のCAB(実施例1で用いたものと同じ)を含むMIBK溶液33重量部及び固形分75重量%のHMDI系架橋剤(実施例1で用いたもの)14重量部〔NCO基/OH基=約0.9(当量比)〕を混合して得られる樹脂組成物溶液を用いた以外は全て実施例1と同様にして再帰反射シートを作成した。

0077

支持体フィルムを形成する樹脂組成物の組成、諸特性値及び架橋した樹脂の諸特性値を表1に、そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能を表2に示す。得られたカプセルレンズ型再帰反射シートは、過酷な耐候性試験においても、再帰反射性能低下率が少なく、光透過性保護フィルムの剥がれもほとんど無い優れた特性を有するものであった。

0078

実施例3
実施例1で用いたと同様のPETフィルム上に、固形分50重量%のアクリル系樹脂溶液〔MMA 20重量%、EA 65重量%、HEMA 15重量%を共重合体させたアクリル系樹脂(Tg約2℃、Mw約12万、OH基量約1.15当量/kg)の酢酸エチル/トルエン溶液〕100重量部に対し、固形分75重量%のHMDI系架橋剤(実施例1で用いたもの)14重量部〔NCO基/OH基=約0.9(当量比)〕を混合して得られる補強層形成用樹脂溶液を塗布し、乾燥して厚さ約30μmの補強層を得た。次いでこの補強層の上に実施例1と同様の支持体フィルム形成用樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して厚さ約75μmの支持体フィルムを形成することにより補強層−支持体フィルム積層物を得た。次に実施例1における支持体フィルムの代わりに、この積層物を用いた以外は全て実施例1と同様にして再帰反射シートを作成した。

0079

支持体フィルムを形成する樹脂組成物の組成、諸特性値及び架橋した樹脂の諸特性値を表1に、そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能を表2に示す。得られたカプセルレンズ型再帰反射シートは、過酷な耐候性試験においても、再帰反射性能低下率が少なく、光透過性保護フィルムの剥がれもほとんど無い優れた特性を有するものであった。

0080

実施例4
実施例3と同様にして、補強層−支持体フィルム積層物を形成した後、実施例1における無延伸アクリルフィルムの代わりに、暑さ50μmのPETフィルム上に押し出し成形した厚さ約50μmのポリフッ化ビニリデン系樹脂フィルム[電気化学工業(株)製品「DXフィルム」]を用い、ガラスビーズとポリフッ化ビニリデン系樹脂フィルムが対向するように重ね合わせ、ポリフッ化ビニリデン系樹脂フィルム側のPETがゴムロールと接触するようにして部分的熱溶融成形を行った以外は全て実施例1と同様にして再帰反射シートを作成した。

0081

支持体フィルムを形成する樹脂組成物の組成、諸特性値及び架橋した樹脂の諸特性値を表1に、そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能を表2に示す。得られたカプセルレンズ型再帰反射シートは、過酷な耐候性試験においても、再帰反射性能低下率が少なく、光透過性保護フィルムの剥がれもほとんど無い優れた特性を有するものであった。

0082

比較例1
実施例1において、支持体フィルム形成用樹脂混合液として、固形分50重量%のアクリル系樹脂溶液〔MMA 25重量%、EA 70重量%、HEMA 5重量%を共重合体させたアクリル系樹脂(Tg約0℃、Mw約2万、OH基量約0.38当量/kg、剪断応力8.5×103dyne/cm2)の酢酸エチル/トルエン溶液〕100重量部と酸化チタン15重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、固形分15重量%のCAB(実施例1で用いたものと同じ)を含むMIBK溶液33重量部及び固形分75重量%のHMDI系架橋剤(実施例1で用いたもの)5重量部〔NCO基/OH基=約1.0(当量比)〕を混合して得られる樹脂組成物溶液を用いた以外は、全て実施例1と同様にして再帰反射シートを作成した。

0083

支持体フィルムを形成する樹脂組成物の組成、諸特性値及び架橋した樹脂の諸特性値を表1に、そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能を表2に示す。そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートは、過酷な耐候性試験においては、再帰反射性能低下率が大きく、また光透過性保護フィルムの剥がれも大きく十分な耐候性を得ることができなかった。

0084

比較例2
実施例1において、支持体フィルム形成用樹脂混合液として、固形分40重量%のアクリル系樹脂溶液〔MMA 40重量%、EA 55重量%、HEMA 5重量%を共重合体させたアクリル系樹脂(Tg約16℃、Mw約4万、OH基量約0.38当量/kg、剪断応力8.4×104dyne/cm2)の酢酸エチル/MIBK溶液〕100重量部と酸化チタン40重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、固形分75重量%のHMDI系架橋剤(実施例1で用いたもの)1.4重量部〔NCO基/OH基=約0.35(当量比)〕を混合して得られる樹脂組成物溶液を用いた以外は、全て実施例1と同様にして再帰反射シートを作成した。

0085

支持体フィルムを形成する樹脂組成物の組成、諸特性値及び架橋した樹脂の諸特性値を表1に、そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能を表2に示す。そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートは、過酷な耐候性試験においては、再帰反射性能低下率が大きく、また光透過性保護フィルムの剥がれも大きく十分な耐候性を得ることができなかった。

0086

比較例3
実施例1において、支持体フィルム形成用樹脂混合液として、固形分50重量%のアクリル系樹脂溶液〔MMA 34重量%、EA 61重量%、HEMA 5重量%を共重合体させたアクリル系樹脂(Tg約10℃、Mw約15万、OH基量約0.38当量/kg、剪断応力1.5×105dyne/cm2)の酢酸エチル/トルエン溶液〕100重量部と酸化チタン15重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、固形分15重量%のCAB(実施例1で用いたものと同じ)を含むMIBK溶液33重量部及び固形分75重量%のHMDI系架橋剤(実施例1で用いたもの)5重量部〔NCO基/OH基=約1.0(当量比)〕を混合して得られる樹脂組成物溶液を用いた以外は、全て実施例1と同様にして再帰反射シートを作成した。

0087

支持体フィルムを形成する樹脂組成物の組成、諸特性値及び架橋した樹脂の諸特性値を表1に、そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能を表2に示す。得られたカプセルレンズ型再帰反射シートは、過酷な耐候性試験においては、再帰反射性能低下率が大きく、また光透過性保護フィルムの剥がれも大きく十分な耐候性を得ることができなかった。

0088

比較例4
実施例1におけるガラスビーズが転写された支持体フィルムを室温で20日間エージングし、支持体フィルムの架橋を実質的に完結させた後、加熱溶融成形時の金属ロール表面温度を約190℃とする以外は全て実施例1と同様にして再帰反射シートを作成した。

0089

支持体フィルムを形成する樹脂組成物の組成、諸特性値及び架橋した樹脂の諸特性値を表1に、そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能を表2に示す。得られたカプセルレンズ型再帰反射シートは、過酷な耐候性試験においては、再帰反射性能低下率が大きく、また光透過性保護フィルムの剥がれも大きく十分な耐候性を得ることができなかった。

0090

比較例5
実施例1において、支持体フィルムとして、固形分30重量%のアクリル系樹脂溶液〔MMA 55重量%、EA 45重量%を共重合させたアクリル系樹脂(Tg約30℃、Mw約4万、OH基量0当量/kg、剪断応力8.3×104dyne/cm2)の酢酸エチル/トルエン溶液〕100重量部と酸化チタン9.4重量部を混合して得られるアクリル系樹脂溶液に対し、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)5重量部及びステアリン酸0.15重量部を混合して得られる支持体フィルム形成用樹脂組成物溶液を塗布・乾燥して得られた厚さ約60μmの支持体フィルム(剪断応力は8.3×104dyne/cm2)を用い、また光透過性保護フィルムとして、厚さ約75μm、全光線透過率約93%の無延伸アクリルフィルムを用い、部分的加熱溶融成形時の網目状突起を有する金属ロールの表面温度を約150℃とし、さらに部分的加熱溶融成形後、線量1.5Mradを放射する190kVの電子線を照射して支持体フィルムの架橋を実質的に完結させた以外は、実施例1と同様にして再帰反射シートを作成した。

0091

支持体フィルムを形成する樹脂組成物の組成、諸特性値及び架橋した樹脂の諸特性値を表1に、そして得られたカプセルレンズ型再帰反射シートの性能を表2に示す。得られたカプセルレンズ型再帰反射シートは、過酷な耐候性試験においては、再帰反射性能低下率が大きく、また光透過性保護フィルムの剥がれも大きく十分な耐候性を得ることができなかった。

0092

0093

0094

表2に用いた各試験項目測定法は次のとおりである。

0095

(1)耐候性試験
再帰反射シートを50mm×50mmにカットし、シリコーン処理PET剥離フィルムを剥し、再帰反射シートをアルミニウムパネルに貼り付けた。貼り付け試料を促進耐候性試験器〔スガ試験器(株)製、「光コントロールウエザーメーター」〕に入れ、500時間促進耐候性試験を実施した。その後、貼り付け試料を取り出し、冷熱サイクル試験器〔タバイエスペック(株)製、「ヒートショックチャンバーTSR−63」〕を用い、冷熱サイクル試験を実施した。なお、冷熱サイクルは下記条件を1サイクルとして300サイクル実施した。

0096

冷熱サイクル条件:−40℃×30分→室温×15分→145℃×30分→室温×15分
測定項目
(1-1)反射性能低下率(%)
下記の測定器を用い、耐候性試験前後の試料の再帰反射性能を測定し、下記の計算式により反射性能低下率を算出した。

0097

0098

再帰反射性能測定器:アドバンスト・レトロテクノロジー社(Advanced Retro Technology, INC.)製「モデル(MODEL)920」
なお、角度条件観測角0.2゜、入射角5゜を採用した。

0099

(1-2)収縮長さ(mm)
耐候性試験後の試料の光透過性保護フィルムの収縮長さを、端部より最大収縮した部分で測定し、その長さを以て収縮長さとした。

0100

(1-3)光透過性保護フィルム剥がれ長さ(mm)
耐候性試験後の試験片の光透過性保護フィルムと支持体フィルムとの結合部分の破壊された部分を、端部より最大長さの破壊された部分で測定し、その長さを以て光透過性保護フィルム剥がれ長さとした。

発明の効果

0101

以上述べたとおり、本発明のカプセル型再帰反射シートは、支持体フィルムとして、架橋反応前の剪断応力が従来のものと比べて極めて小さい熱溶融性樹脂と架橋剤とを含有してなる樹脂組成物よりなるものを用いる点に大きな特徴を有しており、これにより、該支持体フィルムが部分的に加熱溶融成形されて光透過性保護フィルムと支持体フィルムとを、両フィルム間に間隙を残したまま部分的に連結する連結壁を形成する際に、均一な構造で均一な形状の連結壁を形成することができる。また、該支持体フィルムは連結壁形成後、架橋反応の進行により従来のものと比べ同等又はそれ以上の強度を有する不融性の架橋した樹脂を形成し連結壁自体の強度を向上させることにより、苛酷使用条件下においても優れた耐候性を有するカプセル型再帰反射シートが得られる。

図面の簡単な説明

0102

図1カプセルレンズ型再帰反射シートの断面構造を示すモデル図である。
図2カプセルキューブコーナー型再帰反射シートの断面構造を示すモデル図である。

--

0103

1・・・・・・光透過性保護フィルム
2・・・・・・支持体フィルム
3・・・・・・連続線状の連結壁
4・・・・・・密封小区画空室
5・・・・・・金属蒸着膜
6・・・・・・ガラスビーズ
7・・・・・・光透過性保護フィルム
8・・・・・・キューブコーナー型再帰反射性要素
9・・・・・・支持体フィルム
10・・・・・・連続線状の連結壁
11・・・・・・密封小区画空室

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