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技術 抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置及びこの装置を用いた遮断試験方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 大下陽一大野政智佐藤稔松本盛久
出願日 1995年2月27日 (25年8ヶ月経過) 出願番号 1995-038617
公開日 1996年9月13日 (24年2ヶ月経過) 公開番号 1996-233915
状態 未査定
技術分野 遮断器と発電機・電動機と電池等の試験 電気的特性試験と電気的故障の検出
主要キーワード 大電流源 電力送電系統 性能検証 送電路 性能試験装置 遮断方式 極間電圧波形 遮断条件
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目的

送電線無負荷のときに充電電流遮断した場合に、抵抗遮断方式遮断器の極間に印加される電圧試験において忠実再現する。

構成

高電圧電流源10と遮断器20との間に配されているコンデンサ31と、遮断器20に並列接続されている等価抵抗体32とを備えている試験装置を用いる。コンデンサ31の容量Cvと等価抵抗体32の抵抗値Reとの積は、送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積に等しい。遮断器20の主遮断部1が開いているときに、高電圧小電流源10からコンデンサ31を介して遮断器20に電圧を印加すると、この主遮断部1の極間電圧は、送電系統の遮断器の極間電圧波形と同じ波形を示す。

概要

背景

昭和40年ごろ、送電系の遮断器として、抵抗遮断方式遮断器が用いられていたが、送電電圧の上昇に伴いガス遮断器が次第に用いられるようになってきた。しかし、最近、1000kV級又はそれ以上の高い送電電圧の電力送電系統計画されており、その遮断器として、開閉サージベルを低く抑制できる抵抗遮断方式遮断器が再び注目されるようになってきている。

このような抵抗遮断方式遮断器は、図4に示すように、主遮断部1に、並列抵抗体2および抵抗遮断部3を接続したものである。遮断動作は、まず、主遮断部1が開極し、遮断電流を抵抗体側の回路転流する。引続き、抵抗遮断部3が開極し、抵抗体2に流れる電流を遮断して遮断完了する。このように、抵抗遮断方式では、主遮断部1の遮断と抵抗遮断部3の遮断との2段階に分けることにより、遮断時に発生する最大サージを低く抑制することができる。

ところで、遮断器の責務としては、送電中に落雷したとき等の事故時の電流遮断の他に、送電線無負荷のときの充電電流(進み小電流)遮断がある。この無負荷送電線の充電電流遮断の等価回路は、図7に示すように、電圧Vs及びインダクタンスLsで模擬される電源と、遮断器5と、無負荷送電線4の浮遊容量Clとで構成される。なお、送電線4の電源と反対側の端部、つまり負荷側は、負荷がかからぬよう、負荷から遮断されている。また、商用周波数においてはLsのインピーダンスは、Cに比べ著しく小さいので、ここでは無視する。

抵抗遮断方式を採用していない遮断器5による無負荷送電線の充電電流遮断では、各部の電圧電流波形が図8に示すものとなる。遮断器5が閉じる時刻t1前は、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlとは、基本的に同じで、遮断器5に流れる電流Imは、浮遊容量Clにより電源電圧Vsに対して90°位相の進んだ波形となる。時刻t1において遮断器5が開くと、この時刻t1から遮断器5に電流Imが流れなくなると共に、負荷側電圧Vlはこの時刻t1の電圧波高値1puが残留する。遮断器5が開くと、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlとの差が生じるために、遮断器5に極間電圧Viが生じる。この極間電圧Viは、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlの差電圧で、時刻t1以前の極間電圧Viから1puシフトした交流電圧波形(いわゆる1−cos波形)となる。このため、極間電圧Viの電圧波高値は、電源電圧Vsの電圧波高値の2倍になってしまう。

一方、抵抗遮断方式の遮断器による無負荷送電線の充電電流遮断では、各部の電圧電流波形が図5に示すものとなる。主遮断部1が開く時刻tmまで(以下、時刻tmまでを第1ステージとする。)は、電源電圧Vs、負荷側電圧Vl及び電流Imは、先の場合と同様である。時刻tmに主遮断部1が開くと、主遮断部1に流れていた電流が抵抗遮断部3及び抵抗部2に流れるようになるため、そのときの等価回路は、図6に示すようなものになる。つまり、主遮断部1が開くと、抵抗体2が電流経路中に挿入されることになり、この結果、遮断電流Imは、その電流値が小さくなると共に、その位相が僅かに遅れる。また、負荷側電圧Vlは、その電圧値が小さくなると共に、その位相が僅かに進む。このときの極間電圧Vi(=Vs−Vl)は、電流Imと同一波形で、その電圧波高値は、電源電圧Vlの電圧波高値よりも、当然、小さくなる。抵抗遮断部3が時刻trで開くと(以下、時刻tm〜trの間を第2ステージとし、時刻tr以降を第3ステージとする。)、この時刻trから遮断器に電流Imが流れなくなると共に、負荷側電圧Vlはこの時刻trの電圧波高値1puが残留する。また、極間電圧Viは、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlの差電圧であるから、時刻tmから時刻trまでの間の極間電圧Viから1puシフトした交流電圧波形となる。抵抗遮断部3が開いた以降の極間電圧Viの電圧波高値は、電源電圧Vsの波高値から、第2ステージの負荷側電圧Vlの波高値(この波高値は、電源電圧Vsの波高値より小さい。)を引いたものに等しいので、抵抗遮断方式を採用しない場合の時刻t1以後の極間電圧Viの電圧波高値も小さい。

このように、抵抗遮断方式では、この方式を採用しないものに比べて、遮断器が開いた以降(抵抗遮断方式の場合は主遮断部が開いたとき以降)の各部の電圧及び電流の値を小さくすることができるというメリットがある。

このような抵抗遮断方式遮断器は、以前に使用されていた時代、つまり、昭和40年ごろでは、送電線の電圧が近年よりもかなり低く、さらに、事故遮断時よりも無負荷送電遮断時の方が充電電流(又は進み小電流)がかなり低い等の理由により、無負荷送電線の遮断試験は、ほとんど行われておらず、その試験方法も十分に確立していなかった。

概要

送電線が無負荷のときに充電電流を遮断した場合に、抵抗遮断方式遮断器の極間に印加される電圧を試験において忠実再現する。

高電圧電流源10と遮断器20との間に配されているコンデンサ31と、遮断器20に並列接続されている等価抵抗体32とを備えている試験装置を用いる。コンデンサ31の容量Cvと等価抵抗体32の抵抗値Reとの積は、送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積に等しい。遮断器20の主遮断部1が開いているときに、高電圧小電流源10からコンデンサ31を介して遮断器20に電圧を印加すると、この主遮断部1の極間電圧は、送電系統の遮断器の極間電圧波形と同じ波形を示す。

目的

そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遮断器に通電される遮断電流波形と、電流遮断後に極間に印加される過渡回復電圧波形とをできるかぎり忠実に再現して、遮断器の遮断性能を正確に検証することができる抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置及びこれを用いた遮断試験方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

交流電源と、送電線と、該交流電源と該送電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、前記送電系統の前記交流電源と同レベル且つ同位相電圧を発生し、前記遮断器に並列接続される高電圧電流源と、前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ前記高電圧小電流源が発生する電圧と同位相の電流を発生し、該高電圧小電流源及び前記遮断器に並列接続される低電圧大電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第1コンデンサと、前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第2コンデンサと、前記遮断器に並列接続されている等価抵抗体と、を備え、前記第1コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しく、前記第2コンデンサの容量は、前記低電圧大電流源が発生する電流のレベルが前記充電電流のレベルより大きい分だけ、該第2コンデンサが前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に介在していることで、該第2コンデンサが該低電圧大電流源と該遮断器との間に介在していないときよりも、前記等価抵抗体に流れる電流のレベルを小さくすることができる容量である、ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。

請求項2

交流電源と、送電線と、該交流電源と該送電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、前記送電系統の前記交流電源と同レベルで且つ同位相の電圧を発生し、前記遮断器に並列接続される高電圧小電流源と、前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ前記高電圧小電流源が発生する電圧と同位相の電流を発生し、該高電圧小電流源及び前記遮断器に並列接続される低電圧大電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に互いに直列接続されている第1コンデンサ及び第1等価抵抗体と、前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に互いに直列接続されている第2コンデンサ及び第2等価抵抗体と、を備え、前記第1コンデンサの容量と前記第1等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しく、前記第2コンデンサの容量と前記第2等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しい、ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。

請求項3

交流電源と、送電線と、該交流電源と該送電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、前記送電系統の前記交流電源と同レベル且つ同位相の電圧を発生し、前記遮断器に並列接続される高電圧小電流源と、前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ前記高電圧小電流源が発生する電圧と同位相の電流を発生し、該高電圧小電流源及び前記遮断器に並列接続される低電圧大電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第1コンデンサと、前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第2コンデンサと、を備え、前記第1コンデンサの容量と試験対象の前記遮断器の前記抵抗体として仮に取り付けた等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と該遮断器の該抵抗体の抵抗値との積に等しく、前記第2コンデンサの容量は、前記低電圧大電流源が発生する電流のレベルが前記充電電流のレベルより大きい分だけ、該第2コンデンサが前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に介在していることで、該第2コンデンサが該低電圧大電流源と該遮断器との間に介在していないときよりも、前記等価抵抗体に流れる電流のレベルを小さくすることができる容量である、ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。

請求項4

前記第2コンデンサと前記遮断器との間に配され、該第2コンデンサ及び該遮断器に直列接続されている補助遮断器を備えていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。

請求項5

交流電源と、送電線と、該交流電源と該送電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、前記送電系統の前記交流電源と同レベル且つ同位相の電圧を発生し、該電圧が前記遮断器に印加されるよう接続される高電圧小電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されているコンデンサと、前記遮断器に並列接続されている等価抵抗体と、を備え、前記コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しい、ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。

請求項6

交流電源と、送電線と、該交流電源と該送電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、前記送電系統の前記交流電源と同レベル且つ同位相の電圧を発生し、該電圧が前記遮断器に印加されるよう接続される高電圧小電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に互いに直列接続されているコンデンサ及び等価抵抗体と、を備え、前記コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しい、ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。

請求項7

交流電源と、送電線と、該交流電源と該送電線の間に配され、該主遮断部と該主遮断部に対して並列に接続されてる抵抗体及び抵抗遮断部とを有する抵抗遮断方式遮断器(以下、単に遮断器とする。)と、を備えている送電系統で、該送電線が無負荷のときの充電電流を該遮断器で遮断するときの該遮断器の性能試験を行う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置において、前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ前記送電系統の前記交流電源と同位相の電流を発生し、該電流を前記記遮断器に供給できるよう接続される低電圧大電流源と、前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に互いに直列接続されているコンデンサと等価抵抗体と、を備え、前記コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しい、ことを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置。

請求項8

請求項1記載の抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置を用いて、前記遮断器の遮断性能試験を行う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験方法において、前記抵抗体遮断部及び前記抵抗体を取り外した前記遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、前記遮断器の前記主遮断部が閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2コンデンサを介して前記遮断器の前記主遮断部に電流を流し、前記送電系統において前記主遮断部が開く前に該主遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器の前記主遮断部を開いた状態で、前記高電圧小電流源から前記遮断器の前記主遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間に該主遮断部の極間にかかる電圧を検証することを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験方法。

請求項9

請求項2記載の抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置を用いて、前記遮断器の遮断性能試験を行う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験方法において、前記抵抗体を取り外す一方で、取り外した箇所を結線した前記遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2等価抵抗体及び前記第2コンデンサを介して前記遮断器の前記抵抗遮断部に電流を流し、前記送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間に該抵抗遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部を開いた状態で、前記高電圧小電流源から前記第1等価抵抗体及び前記第1コンデンサを介して、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前記抵抗遮断部が開いた後に該主遮断部の極間及び該抵抗遮断部の極間にかかる電圧を検証することを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験方法。

請求項10

請求項3記載の抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置を用いて、前記遮断器の遮断性能試験を行う抵抗遮断方式遮断器の遮断試験方法において、前記第1コンデンサの容量との積が、前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しくなる抵抗値の等価抵抗体を、該抵抗体の変わりに取り付けた遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部が閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2コンデンサを介して前記遮断器の前記主遮断部に電流を流し、前記送電系統において前記主遮断部が開く前に該主遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2コンデンサを介して前記遮断器の前記抵抗遮断部に電流を流し、前記送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間に該抵抗遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が閉じている状態で、前記高電圧小電流源から前記遮断器の前記主遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間に該主遮断部の極間にかかる電圧を検証し、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部を開いた状態で、前記高電圧小電流源から前記第1コンデンサを介して、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前記抵抗遮断部が開いた後に該主遮断部の極間及び該抵抗遮断部の極間にかかる電圧を検証することを特徴とする抵抗遮断方式遮断器の遮断試験方法。

技術分野

0001

本発明は、送電線無負荷のときの充電電流抵抗遮断方式遮断器遮断する際の該遮断器の遮断試験抵装置、及びこの装置を用いた遮断試験方法に関する。

背景技術

0002

昭和40年ごろ、送電系の遮断器として、抵抗遮断方式遮断器が用いられていたが、送電電圧の上昇に伴いガス遮断器が次第に用いられるようになってきた。しかし、最近、1000kV級又はそれ以上の高い送電電圧の電力送電系統計画されており、その遮断器として、開閉サージベルを低く抑制できる抵抗遮断方式遮断器が再び注目されるようになってきている。

0003

このような抵抗遮断方式遮断器は、図4に示すように、主遮断部1に、並列抵抗体2および抵抗遮断部3を接続したものである。遮断動作は、まず、主遮断部1が開極し、遮断電流を抵抗体側の回路転流する。引続き、抵抗遮断部3が開極し、抵抗体2に流れる電流を遮断して遮断完了する。このように、抵抗遮断方式では、主遮断部1の遮断と抵抗遮断部3の遮断との2段階に分けることにより、遮断時に発生する最大サージを低く抑制することができる。

0004

ところで、遮断器の責務としては、送電中に落雷したとき等の事故時の電流遮断の他に、送電線が無負荷のときの充電電流(進み小電流)遮断がある。この無負荷送電線の充電電流遮断の等価回路は、図7に示すように、電圧Vs及びインダクタンスLsで模擬される電源と、遮断器5と、無負荷送電線4の浮遊容量Clとで構成される。なお、送電線4の電源と反対側の端部、つまり負荷側は、負荷がかからぬよう、負荷から遮断されている。また、商用周波数においてはLsのインピーダンスは、Cに比べ著しく小さいので、ここでは無視する。

0005

抵抗遮断方式を採用していない遮断器5による無負荷送電線の充電電流遮断では、各部の電圧電流波形図8に示すものとなる。遮断器5が閉じる時刻t1前は、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlとは、基本的に同じで、遮断器5に流れる電流Imは、浮遊容量Clにより電源電圧Vsに対して90°位相の進んだ波形となる。時刻t1において遮断器5が開くと、この時刻t1から遮断器5に電流Imが流れなくなると共に、負荷側電圧Vlはこの時刻t1の電圧波高値1puが残留する。遮断器5が開くと、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlとの差が生じるために、遮断器5に極間電圧Viが生じる。この極間電圧Viは、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlの差電圧で、時刻t1以前の極間電圧Viから1puシフトした交流電圧波形(いわゆる1−cos波形)となる。このため、極間電圧Viの電圧波高値は、電源電圧Vsの電圧波高値の2倍になってしまう。

0006

一方、抵抗遮断方式の遮断器による無負荷送電線の充電電流遮断では、各部の電圧電流波形が図5に示すものとなる。主遮断部1が開く時刻tmまで(以下、時刻tmまでを第1ステージとする。)は、電源電圧Vs、負荷側電圧Vl及び電流Imは、先の場合と同様である。時刻tmに主遮断部1が開くと、主遮断部1に流れていた電流が抵抗遮断部3及び抵抗部2に流れるようになるため、そのときの等価回路は、図6に示すようなものになる。つまり、主遮断部1が開くと、抵抗体2が電流経路中に挿入されることになり、この結果、遮断電流Imは、その電流値が小さくなると共に、その位相が僅かに遅れる。また、負荷側電圧Vlは、その電圧値が小さくなると共に、その位相が僅かに進む。このときの極間電圧Vi(=Vs−Vl)は、電流Imと同一波形で、その電圧波高値は、電源電圧Vlの電圧波高値よりも、当然、小さくなる。抵抗遮断部3が時刻trで開くと(以下、時刻tm〜trの間を第2ステージとし、時刻tr以降を第3ステージとする。)、この時刻trから遮断器に電流Imが流れなくなると共に、負荷側電圧Vlはこの時刻trの電圧波高値1puが残留する。また、極間電圧Viは、電源電圧Vsと負荷側電圧Vlの差電圧であるから、時刻tmから時刻trまでの間の極間電圧Viから1puシフトした交流電圧波形となる。抵抗遮断部3が開いた以降の極間電圧Viの電圧波高値は、電源電圧Vsの波高値から、第2ステージの負荷側電圧Vlの波高値(この波高値は、電源電圧Vsの波高値より小さい。)を引いたものに等しいので、抵抗遮断方式を採用しない場合の時刻t1以後の極間電圧Viの電圧波高値も小さい。

0007

このように、抵抗遮断方式では、この方式を採用しないものに比べて、遮断器が開いた以降(抵抗遮断方式の場合は主遮断部が開いたとき以降)の各部の電圧及び電流の値を小さくすることができるというメリットがある。

0008

このような抵抗遮断方式遮断器は、以前に使用されていた時代、つまり、昭和40年ごろでは、送電線の電圧が近年よりもかなり低く、さらに、事故遮断時よりも無負荷送電遮断時の方が充電電流(又は進み小電流)がかなり低い等の理由により、無負荷送電線の遮断試験は、ほとんど行われておらず、その試験方法も十分に確立していなかった。

発明が解決しようとする課題

0009

しかしながら、前述したように、1000kV級又はそれ以上の高い送電電圧の電力送電系統に、抵抗遮断方式遮断器を採用しようとする場合には、遮断時の電圧値や電流値が大きくなるために、無負荷送電線路の遮断試験を行う必要性が生じる。この無負荷送電線路の遮断試験では、送電系の電圧が非常に高いが故、遮断器の遮断性能を非常に正確に評価することが望まれる。このため、試験中において、遮断器に通電される遮断電流波形と、電流遮断後に極間に印加される過渡回復電圧波形とが正しく送電系統条件に合わなければならない。すなわち、抵抗遮断方式遮断器に対する無負荷送電路の遮断試験において、遮断器に通電される遮断電流波形と、電流遮断後に極間に印加される過渡回復電圧波形とを正確に再現させることが望まれる。

0010

ところで、遮断試験場の設備では、現実の電力送電系統と比較して、電源容量を小さくするために、低電圧大電流電流源高電圧小電流の電圧源組合わせた合成試験回路を用いている。このとき、負荷容量Cは、試験回路の電源容量、電源電圧・電流条件に合わせて選択されるため、電力送電系統条件と異なった値となる。このため、抵抗遮断方式遮断器を単に合成試験回路に設けた場合、遮断電流及び極間電圧の位相や遮断電流及び極間電圧のレベルが、電力送電系統条件と異なったものとなってしまうという問題点がある。

0011

そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遮断器に通電される遮断電流波形と、電流遮断後に極間に印加される過渡回復電圧波形とをできるかぎ忠実に再現して、遮断器の遮断性能を正確に検証することができる抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置及びこれを用いた遮断試験方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

前記目的を達成するための遮断試験装置は、送電系統の交流電源と同レベル且つ同位相の電圧を発生し、試験対象である抵抗遮断方式遮断器に並列接続される高電圧小電流源と、前記送電系統の充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ前記高電圧小電流源が発生する電圧と同位相の電流を発生し、該高電圧小電流源及び前記遮断器に並列接続される低電圧大電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第1コンデンサと、前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第2コンデンサと、前記遮断器に並列接続されている等価抵抗体と、を備え、前記第1コンデンサの容量と前記等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しく、前記第2コンデンサの容量は、前記低電圧大電流源が発生する電流のレベルが前記充電電流のレベルより大きい分だけ、該第2コンデンサが前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に介在していることで、該第2コンデンサが該低電圧大電流源と該遮断器との間に介在していないときよりも、前記等価抵抗体に流れる電流のレベルを小さくすることができる容量であることを特徴とするものである。

0013

ここで、この遮断試験装置を用いた遮断試験方法は、前記抵抗体遮断部及び前記抵抗体を取り外した前記遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、前記遮断器の前記主遮断部が閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2コンデンサを介して前記遮断器の前記主遮断部に電流を流し、前記送電系統において前記主遮断部が開く前に該主遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器の前記主遮断部を開いた状態で、前記高電圧小電流源から前記遮断器の前記主遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間に該主遮断部の極間にかかる電圧を検証することを特徴とするものである。

0014

また、前記目的を達成するための他の遮断試験装置は、送電系統の交流電源と同レベルで且つ同位相の電圧を発生し、試験対象伝ある抵抗遮断方式遮断器に並列接続される高電圧小電流源と、前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ前記高電圧小電流源が発生する電圧と同位相の電流を発生し、該高電圧小電流源及び前記遮断器に並列接続される低電圧大電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に互いに直列接続されている第1コンデンサ及び第1等価抵抗体と、前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されていると共に互いに直列接続されている第2コンデンサ及び第2等価抵抗体と、を備え、前記第1コンデンサの容量と前記第1等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しく、前記第2コンデンサの容量と前記第2等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しいことを特徴とするものである。

0015

ここで、この遮断試験装置を用いた遮断試験方法は、前記抵抗体を取り外す一方で、取り外した箇所を結線した前記遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2等価抵抗体及び前記第2コンデンサを介して前記遮断器の前記抵抗遮断部に電流を流し、前記送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間に該抵抗遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部を開いた状態で、前記高電圧小電流源から前記第1等価抵抗体及び前記第1コンデンサを介して、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前記抵抗遮断部が開いた後に該主遮断部の極間及び該抵抗遮断部の極間にかかる電圧を検証することを特徴とするものである。

0016

前記目的を達成するための更に他の遮断試験装置は、送電系統の交流電源と同レベル且つ同位相の電圧を発生し、試験対象である抵抗遮断方式遮断器に並列接続される高電圧小電流源と、前記送電系統の前記充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ前記高電圧小電流源が発生する電圧と同位相の電流を発生し、該高電圧小電流源及び前記遮断器に並列接続される低電圧大電流源と、前記高電圧小電流源と前記遮断器との間に配され、該高電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第1コンデンサと、前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に配され、該低電圧小電流源及び該遮断器に直列接続されている第2コンデンサと、を備え、前記第1コンデンサの容量と試験対象の前記遮断器の前記抵抗体として仮に取り付けた等価抵抗体の抵抗値との積が前記送電線の浮遊容量と該遮断器の該抵抗体の抵抗値との積に等しく、前記第2コンデンサの容量は、前記低電圧大電流源が発生する電流のレベルが前記充電電流のレベルより大きい分だけ、該第2コンデンサが前記低電圧大電流源と前記遮断器との間に介在していることで、該第2コンデンサが該低電圧大電流源と該遮断器との間に介在していないときよりも、前記等価抵抗体に流れる電流のレベルを小さくすることができる容量であることを特徴とするものである。

0017

ここで、この遮断試験装置を用いた遮断試験方法は、前記第1コンデンサの容量との積が、前記送電線の浮遊容量と前記遮断器の前記抵抗体の抵抗値との積に等しくなる抵抗値の等価抵抗体を、該抵抗体の変わりに取り付けた遮断器を前記遮断試験装置に取り付け、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部が閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2コンデンサを介して前記遮断器の前記主遮断部に電流を流し、前記送電系統において前記主遮断部が開く前に該主遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が閉じている状態で、前記低電圧大電流源から前記第2コンデンサを介して前記遮断器の前記抵抗遮断部に電流を流し、前記送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間に該抵抗遮断部に流れる電流を検証し、前記遮断器の前記主遮断部を開き且つ前記抵抗遮断部が閉じている状態で、前記高電圧小電流源から前記遮断器の前記主遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前記主遮断部が開いてから前記抵抗遮断部が開くまでの間に該主遮断部の極間にかかる電圧を検証し、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部を開いた状態で、前記高電圧小電流源から前記第1コンデンサを介して、前記遮断器の前記主遮断部及び前記抵抗遮断部に電圧をかけ、前記送電系統において前記抵抗遮断部が開いた後に該主遮断部の極間及び該抵抗遮断部の極間にかかる電圧を検証することを特徴とするものである。

0018

無負荷送電線路の充電電流遮断条件で抵抗遮断するとき、電流が抵抗体の回路に転流されたときの等価回路は、前述したように、図6のようになる。このとき、主遮断部遮断後の極間電圧V(t)は、(数1)で表される。

0019

0020

γ = ωCR
η = γ/√1+γ2
Em :電源電圧波高値V
ω : 角加速度1/s
C :送電線路の浮遊容量 F
R :遮断抵抗Ω
すなわち、電圧V(t)は、γ、η、Em、ω、tの関数で表すことができる。ここで、送電系統と試験装置のEm、ω、tは、電源を調節することで容易に一致させることができる。また、ηはγの関数であるから、結局、送電系統と試験装置のγを併せることで、送電系統における極間電圧V(t)を忠実に再現することができる。従って、本発明の試験装置のように、コンデンサの容量と等価抵抗体の抵抗値との積が、送電系統の送電線の浮遊容量と遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積に等しいと、つまり、送電系統のγ(=ω・C・R)と試験装置のγとが等しいと、試験装置に取り付けた遮断器の極間電圧を忠実に再現していることになる。

0021

また、同様に、試験装置において、電源電流波高値、ω、tやγ(=ω・C・R)を送電系統に合わせると、試験装置に取り付けた遮断器の抵抗遮断部に流れる電流を忠実に再現することができる。

0022

以下、本発明に係る各種実施例について、図面を用いて説明する。

0023

まず、本発明に係る抵抗遮断方式遮断器の性能試験装置の第1の実施例について説明する。本実施例の抵抗遮断方式遮断器の性能試験装置は、図1に示すように、図7を用いて説明した送電系統の交流電源と同レベルで且つ同位相の電圧を発生する高電圧小電流源10と、送電系統の充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルで且つ高電圧小電流源10が発生する電圧と同位相の電流を発生する低電圧大電流源15と、高電圧小電流源10に直列接続されている第1コンデンサ31と、低電圧大電流源15に直列接続されている第2コンデンサ33及び補助遮断器35と、試験対象である遮断器20に並列接続されている等価抵抗体32とを備えている。

0024

高電圧小電流源10と低電圧大電流源15とは、互いに共有している共有部があり、この共有部は、送電系統の交流電源と同位相の電圧を発生する短絡発電機11とバックアップ遮断器12,12と投入スイッチ13,13とから構成されている。高電圧小電流電源10は、共有部の短絡発電機11で発生した交流電圧を送電系統の交流電源と同レベルにする高電圧源変圧器14を有している。また、低電圧大電流源15は、共有部の短絡発生器11で発生した交流電流を充電電流のレベルより所定分だけ大きいレベルにする大電流源変圧器16を有している。高電圧源変圧器14と大電流源変圧器16とは、それぞれ、短絡発電機11に対して並列に接続されている。

0025

高電圧源変圧器14、大電流源変圧器16、試験対象である遮断器20は、互いに並列接続されている。

0026

第1コンデンサ31の容量Cvと等価抵抗体32の抵抗値Reは、互いの積(=Cv・Re)が、送電系統の送電線4の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体2の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等しくなるよう設定されている。また、第2コンデンサ33の容量Ciは、低電圧大電流源15が発生する電流のレベルが充電電流のレベルより大きい分だけ、第2コンデンサ33が低電圧大電流源15と遮断器20との間に介在していることで、第2コンデンサ33が低電圧大電流源15と遮断器20との間に介在していないときよりも、遮断器20に流れる電流のレベルを小さくすることができる容量に設定されている。補助遮断器35には、試験対象の遮断器20の主遮断部1と同一のものを用いている。つまり、補助遮断器35は、遮断器20の主遮断部1が閉じると、これとほぼ同時に閉じるよう、構成されている。

0027

次に、以上で説明した本実施例の試験装置を用いた試験の手順について説明する。試験に際して、実際に送電系統に使用する抵抗遮断方式遮断器から、抵抗遮断部3及び抵抗体2を取り外す。または、抵抗遮断部3及び抵抗体2を取り付けていない主遮断部1のみの遮断器20を試験装置に組み込む。そして、試験対象の遮断器20の主遮断部1及び補助遮断器35を閉じておく。

0028

次に、短絡発電機11を起動させる。短絡発電機11が起動すると、試験対象の遮断器20には、大電流源変圧器16から第2コンデンサ33を介して電流が流れ、高電圧源変圧器14から送電系統の交流電源と同じレベルの電圧が第1コンデンサ31を介して印加される。なお、試験対象の遮断器20には、高電圧源変圧器14からの電流も流れるが、この電流値は大電流源変圧器16からの電流の値に比べて遥かに小さいので、試験対象の遮断器20に流れる電流の値は、大電流源変圧器16からの電流の値と同じであるとみなすことができる。

0029

大電流源変圧器16からの電流は、第2コンデンサ33により、その位相が90°進められてから、試験対象の遮断器20に至ることになる。また、大電流源変圧器16からの電流は、第2コンデンサ33が大電流源変圧器16と遮断器20との間に介在していないときよりも、第2コンデンサ33のリアクタンス分だけ小さくなり、送電系統の充電電流と同じレベルになる。従って、このときに、遮断器20に流れる電流は、送電系統の第1ステージで遮断器の主遮断部1に流れる電流Imと一致することなる。

0030

次に、試験対象の遮断器20の主遮断部1及び補助遮断器35を相前後して開く。遮断器20の主遮断部1及び補助遮断器35が開くと、大電流源変圧器16から遮断器20に電流が流れなくなると共に、高電圧源変圧器14からの電圧が、第1コンデンサ31を介して等価抵抗体32に印加される。この結果、等価抵抗体32には、送電系統の第2ステージで遮断器の主遮断部1の極間にかかる電圧と同レベルで且つ同位相の電圧がかかる。

0031

ここで、送電系統の第2ステージで遮断器の主遮断部1の極間にかかる電圧と同レベルで且つ同位相の電圧が等価抵抗体32にかかる理由について説明する。

0032

送電系統の第2ステージ、つまり主遮断部1が開き抵抗遮断部3が閉じているとき、遮断器も含めた送電系統の等価回路は、図6を用いて前述したように、交流電源と、遮断器の抵抗体と、送電線の浮遊容量とを直列接続したものになる。このとき、遮断器の抵抗体にかかる電圧V(t)は、前述した(数1)で表すことができる。すなわち、この電圧V(t)は、前述したように、γ、η、Em、ω、tの関数で表すことができる。ここで、送電系統と試験装置のEm、ω、tは、一致している。また、ηはγの関数であるから、送電系統と試験装置のγを併せることで、送電系統における遮断器の抵抗体にかかる電圧V(t)を忠実に再現することができる。従って、本実施例の試験装置のように、第1コンデンサ31の容量Cvと等価抵抗体32の抵抗値Reとの積(=Cv・Re)が、送電系統の送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等しいと、つまり、送電系統のγ(=ω・Cl・R)と試験装置のγ(=ω・Cv・Re)とが等しいと、試験装置に組み込んだ等価抵抗32にかかる電圧は、送電系統の遮断器の抵抗体にかかる電圧V(t)を忠実に再現していることになる。ところで、送電系統の第2ステージにおいて、遮断器の抵抗体2にかかる電圧は主遮断部1の極間電圧Viに等しいので、試験装置に組み込んだ等価抵抗32にかかる電圧が、送電系統の第2ステージおける主遮断部1の極間電圧Viを再現していることになる。

0033

以上のように、本実施例では、送電系統の第1ステージにおいて主遮断部1に流れる電流Im、及び送電系統の第2ステージにおいて主遮断部1にかかる極間電圧Viを忠実に再現することができる。従って、主遮断部1の遮断性能を本実施例の試験装置で正確に検証することができる。

0034

次に、本発明に係る遮断試験装置の第2の実施例について、図2を用いて説明する。本実施例の遮断試験装置は、第1の実施例と同じ高電圧小電流源10及び低電圧大電流源15と、高電圧小電流源10に直列接続されている第1コンデンサ31a及び第1等価抵抗体32aと、低電圧大電流源15に直列接続されている第2コンデンサ33a、第2等価抵抗体34a及び補助遮断器35aとを備えている。本実施例においても、高電圧小電流源10の高電圧源変圧器14、低電圧大電流源15の大電流源変圧器16、試験対象である遮断器20aは、互いに並列に接続されている。第1コンデンサ31a及び第1等価抵抗体32aは、高電圧小電流源10及び試験対象である遮断器20aに直列接続されていると共に、互いの関係においても直列接続されている。また、第2コンデンサ33a、第2等価抵抗体34a及び補助遮断器35aは、低電圧小電流源15及び試験対象である遮断器20aに直列接続されていると共に、相互の関係においても直列接続されている。

0035

第1コンデンサ31aの容量Cvと第1等価抵抗体32aの抵抗値Rvは、互いの積(=Cv・Rv)が、送電系統の送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等しくなるよう設定されている。また、第2コンデンサ33aの容量Ciと第2等価抵抗体34aの抵抗値Riも、互いの積(=Ci・Ri)が、送電系統の送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等しくなるよう設定されている。補助遮断器35aには、試験対象の遮断器の抵抗遮断部3と同一のものを用いてる。つまり、補助遮断器35aは、遮断器20aの抵抗遮断部3が閉じると、これとほぼ同時に閉じるよう、構成されている。

0036

次に、本実施例の試験装置を用いた試験の手順について説明する。

0037

試験に際して、実際に送電系統に使用する抵抗遮断方式遮断器から、抵抗体2を取り外し、取り外した部分に電流が流れるよう結線しておく。そして、試験対象の遮断器20aの主遮断部1及び抵抗遮断部3と、補助遮断器35aとを閉じておく。

0038

次に、短絡発電機11を起動させる。短絡発電機11が起動すると、試験対象の遮断器20aには、大電流源変圧器16から電流が第2コンデンサ33a及び第2等価抵抗体34aを介して流れ、高電圧源変圧器14から送電系統の交流電源と同じレベルの電圧が第1コンデンサ31a及び第1等価抵抗体32aを介して印加される。その後、試験対象の遮断器20aの主遮断部1を開く。主遮断部1を開くと、主遮断部1に流れていた電流が抵抗遮断部3に転流する。この際、抵抗遮断部3に流れる電流は、試験装置の第2コンデンサ33aの容量Ciと第2等価抵抗体34aの抵抗値Riとの積が送電系統の送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積に等しいので、送電系統の第2ステージにおいて抵抗遮断部3に流れる電流Imと、同レベルで且つ同位相になる。

0039

次に、試験対象の遮断器20aの抵抗遮断部3及び補助遮断器35を相前後して開く。遮断器20aの抵抗遮断部3及び補助遮断器35aが開くと、大電流源変圧器16から遮断器20aに電流が遮断されると共に、電流零点を迎える高電圧源変圧器11からの電流も遮断されて、高圧電源変圧器11の電圧が主遮断部1の極間及び抵抗遮断部3の極間に印加される。

0040

ところで、送電系統の第3ステージにおいて、遮断器の極間電圧Viは、前述したように、第2ステージの極間電圧Viから1puシフトした交流電圧波形である。一方、本実施例の試験装置では、高電圧源変圧器11と遮断器20aとの間に第1コンデンサ31a及び第1等価抵抗体32aが配され、且つ、第1コンデンサ31aの容量Cvと第1等価抵抗体32aの抵抗値Rvとの積(=Cv・Rv)が送電系統の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等しいため、抵抗遮断部3が閉じていれば、送電系統の第2ステージにおける極間電圧Viを模擬できる。従って、試験対象の遮断器20aの抵抗遮断部3を開き、電流零点を迎える高電圧源変圧器11からの電流を遮断して、高圧電源変圧器11の電圧を主遮断部1の極間及び抵抗遮断部3の極間に印加させると、試験対象の遮断器20aにおける極間電圧は、送電系統における第2ステージの極間電圧Viからシフトした交流電圧波形、つまり送電系統における第3ステージの極間電圧Viになる。

0041

以上のように、本実施例では、送電系統の第2ステージおいて抵抗遮断部3に流れる電流Im、及び送電系統の第3ステージにおいて主遮断部1及び抵抗遮断部3にかかる極間電圧Viを忠実に再現することができる。従って、抵抗遮断部3の遮断性能を本実施例の試験装置で正確に検証することができる。

0042

次に、本発明に係る遮断試験装置の第3の実施例について、図3を用いて説明する。本実施例の遮断試験装置は、第1の実施例と同じ高電圧小電流源10及び低電圧大電流源15と、高電圧小電流源10に直列接続されている第1コンデンサ31bと、低電圧大電流源15に直列接続されている第2コンデンサ33及び補助遮断器35bとを備えている。本実施例においても、高電圧小電流源10の高電圧源変圧器14、低電圧大電流源15の大電流源変圧器16、試験対象である遮断器20bは、互いに並列に接続されている。また、第2コンデンサ33及び補助遮断器35bは、低電圧大電流源15及び遮断器20bに直列接続されていると共に、互いの関係においても直列接続されている。

0043

第1コンデンサ31bの容量Cvと試験対象の遮断器20bの等価抵抗体32bの抵抗値Rvは、互いの積(=Cv・Rv)が、送電系統の送電線の浮遊容量Clと遮断器の抵抗体の抵抗値Rとの積(=Cl・R)に等しくなるよう設定されている。なお、試験対象の遮断器20bの等価抵抗体32bは、その抵抗値Rvが、実際に送電系に設置する遮断器の抵抗体の抵抗値Rと同じである必要はない。つまり、試験において、遮断器20bの等価抵抗体32bは、実際に送電系統に設置する際に用いるものと異なっているものでもよい。また、第2コンデンサ33の容量Ciは、第1の実施例と同じで、低電圧大電流源15が発生する電流のレベルが充電電流のレベルより大きい分だけ、第2コンデンサ33が低電圧大電流源15と遮断器20bとの間に介在していることで、第2コンデンサ33が低電圧大電流源15と遮断器20bとの間に介在していないときよりも、遮断器20bに流れる電流のレベルを小さくすることができる容量に設定されている。

0044

次に、本実施例の試験装置を用いた試験の手順について説明する。試験に際して、試験対象の遮断器20bの主遮断部1及び抵抗遮断部3と、補助遮断器35bとを閉じておく。

0045

次に、短絡発電機11を起動させる。短絡発電機11が起動すると、試験対象の遮断器20bには、大電流源変圧器16から電流が第2コンデンサ33を介して流れ、高電圧源変圧器14から送電系統の交流電源と同じレベルの電圧が第1コンデンサ31bを介して印加される。大電流源変圧器16からの電流は、第1の実施例と同様に、第2コンデンサ33により、その位相が90°進められてから、試験対象の遮断器20bに至ることになる。また、大電流源変圧器16からの電流は、第2コンデンサ33が大電流源変圧器16と遮断器20bとの間に介在していないときよりも、第2コンデンサ33のリアクタンス分だけ小さくなり、送電系統の充電電流と同じレベルになる。従って、このときに、遮断器20bに流れる電流は、送電系統の第1ステージで遮断器の主遮断部1に流れる電流Imと同レベルで且つ同位相になる。

0046

次に、試験対象の遮断器20bの主遮断部1を開く。主遮断部1が開くと、大電流源変圧器16からの電流が遮断器20bの抵抗遮断部3に転流する。本実施例において、大電流源変圧器16と等価抵抗体32bと第2コンデンサ33と遮断器20bの主遮断部1との関係は、第1の実施例における大電流源変圧器16と等価抵抗体32と第2コンデンサ33と遮断器20の主遮断部1との関係と同じであるので、第1の実施例と同様に、試験において抵抗遮断部3に流れる電流は、送電系統の第2ステージにおいて抵抗遮断部3に流れる電流Imの位相と一致する。但し、第2コンデンサ33の容量Ciと遮断器20bの等価抵抗体32bの抵抗値Rvとの積(=Ci・Rv)と、送電系統の浮遊容量Clと遮断器の実際の抵抗体2の抵抗値Rとの積(=Cl・R)とが一致してることを条件にしていないので、試験において抵抗遮断部3に流れる電流は、そのレベルが送電系統の遮断器の抵抗遮断部3に流れる電流のレベルと一致しない。具体的には、試験において抵抗遮断部3に流れる電流のレベルは、送電系統の第2ステージにおいて抵抗遮断部3に流れる電流のレベルよりも小さくなる。このように、試験において抵抗遮断部3に流れる電流のレベルは、送電系統の第2ステージにおける電流レベルよりも小さくなるが、一般に、充電電流遮断性能は、電圧波形に依存し、遮断電流のレベルには鈍感なので、性能検証には実質的に支障はない。

0047

その後、補助遮断器35bを開く。この状態は、第1の実施例において、補助遮断器35及び主遮断部1を開いた状態と同じであるから、第1の実施例と同様の理由で、このときに、遮断器20bの主遮断部1の極間にかかる電圧は、送電系統の第2ステージで遮断器の主遮断部1の極間にかかる電圧Viと同レベルで且つ同位相になる。

0048

次に、試験対象である遮断器20bの抵抗遮断部3を開ける。この状態は、第2の実施例において、補助遮断器35a、遮断器20aの主遮断部1及び抵抗遮断部3を開けた状態と同じであるから、第2の実施例と同様の理由で、このとき、遮断器20bの主遮断部1及び抵抗遮断部3にかかる電圧は、送電系統の第3ステージで遮断器の主遮断部1の極間及び抵抗遮断部3の極間にかかる電圧Viと同レベルで且つ同位相になる。

0049

以上のように、本実施例では、送電系統の第1ステージにおいて主遮断部1に流れる電流、送電系統の第2ステージ及び第3ステージにおいて主遮断部1及び抵抗遮断部3にかかる極間電圧を忠実に再現できると共に、送電系統の第2ステージにおいて抵抗遮断部3に流れる電流をほぼ再現(位相が一致している。)することができる。従って、主遮断部1及び抵抗遮断部3の遮断性能を本実施例の試験装置で正確に検証することができる。

発明の効果

0050

本発明によれば、送電線が無負荷のときに充電電流を遮断する場合、抵抗遮断方式遮断器に流れる遮断電流の波形や、電流遮断後の極間に印加される電圧の波形をほぼ忠実に再現できるので、無負荷送電線の充電電流の遮断に関する抵抗遮断方式遮断器の性能を正確に検証することができる。

図面の簡単な説明

0051

図1本発明に係る第1の実施例の抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置の等価回路図である。
図2本発明に係る第2の実施例の抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置の等価回路図である。
図3本発明に係る第3の実施例の抵抗遮断方式遮断器の遮断試験装置の等価回路図である。
図4抵抗遮断方式遮断器の回路構成を示す説明図である。
図5抵抗遮断方式遮断器で充電電流を遮断するときの各部の電圧及び電流波形を示す波形図である。
図6抵抗遮断方式遮断器の主遮断部を閉じ、抵抗遮断部を開いているときの送電系統の等価回路図である。
図7無負荷送電系統の等価回路図である。
図8抵抗遮断方式を採用していない遮断器で充電電流を遮断するときの各部の電圧及び電流波形を示す波形図である。

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0052

1…主遮断部、2…抵抗体、3…抵抗遮断部、10…高電圧小電流源、11…短絡発電機、14…高電圧源変圧器、15…低電圧大電流源、16…大電流源変圧器、20,20a,20b…遮断器、31,31a,31b…第1コンデンサ、32,32b…等価抵抗体、32a…第1等価抵抗体、33,33a…第2コンデンサ、34a…第2等価抵抗体、35,35a,35b…補助遮断器。

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