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図面 (10)

目的

光を断続するための回転機構を用いることなく検出器ドリフト補正を行って炭酸ガス濃度を測定する。

構成

呼吸ガス赤外線照射して炭酸ガス濃度を測定する炭酸ガス濃度測定装置において、赤外線の透過量を検出する熱検出器2と、光源1をオンオフさせるスイッチSWと、熱検出器2の検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶させ、熱検出器2の検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶させ、別に求められた補正値と検出信号との差を算定して時系列的に変化する濃度信号を求めるドリフト補正手段と、この濃度信号の感度補正して濃度成分を算定して濃度成分を算定する感度補正手段とを備え、この濃度成分に基づいて炭酸ガス濃度を求める制御部6と、最大値及び基準値を記憶するRAM8とを具備する。

概要

背景

一般に、呼気ガス中の炭酸ガス濃度赤外線を用いて測定する場合、光検出器を使用し、呼気時の炭酸ガスによる光の吸収に応じた光量を検出して測定するが、光源照射強度の変動、検出部の窓の汚れ等による光量の変化等の光検出器の出力電圧ドリフト補正するようにした装置が知られている(特公昭60−44614)。

図9、斯かる従来のドリフト補正装置を備えた炭酸ガス濃度測定装置の構成を示すものである。図9において、40は呼吸ガスが通過する接続管で、被検者が一方を口に加える接続端とし、他方は2つに分岐して1つは開放端とされ、1つは被検者の吸気時に空気を送り込むサーボ通風器41に接続されている。接続管40の中間部に一対の光を透過するガラス等の窓41a及び41bが形成されている。窓41bの下方には光源42が配置され、窓41aの上方にはモータMにより回転駆動される光透過孔を有する光断続器43が配置されている。光断続器43の上方には炭酸ガスにより吸収される波長の光のみを吸収するフィルタ44が配置され、フィルタ44の上方に光検出器45が配置されている。46は光検出器45の出力電圧を増幅する増幅器、47は整流器である。48は除算器、49は対数増幅器、50は記録装置である。また、51はFET電界効果トランジスタ)で、サーボ通風器41の出力により吸気期間導通する。更に52はメモリで、吸気期間の炭酸ガス濃度「0」に相当する電圧を保持して、除算器48へ出力する。

斯かる構成において、光源42から照射された光は、窓41b、接続管40内の呼吸ガスを透過し、窓41aから光断続器43により断続する光としてフィルタ44を介し炭酸ガス濃度に応じた光量が光検出器45で検出される。光検出器45の出力信号指数関数で与えられ、増幅器46により増幅され、整流器47により整流される。

光検出器45の出力には、フィルタ44、窓41a、41bの汚れによる光量の変化、或いは光源の42の光強度の変動等のドリフトが含まれる。このため、整流器47から出力される出力電圧からドリフト成分を除去するため、サーボ通風器41から、吸気期間、FET51に正の信号を出力して導通させ、メモリ52に炭酸ガス濃度「0」に相当する電圧を保持して除算器48に出力する。他方、吸気期間の終了時にサーボ通風器41からの正の信号がなくなるので、FET51はオフとなり、整流器47の出力(呼気時の炭酸ガスに応じた信号)は除算器48に出力され、メモリ52に保持された炭酸ガス濃度「0」に相当する電圧により除算されてドリフト成分が除去され、ゼロ点較正される。除算器48の出力は対数増幅器49に出力され、炭酸ガス濃度に比例した出力信号を得る。

概要

光を断続するための回転機構を用いることなく検出器のドリフト補正を行って炭酸ガス濃度を測定する。

呼吸ガスに赤外線を照射して炭酸ガス濃度を測定する炭酸ガス濃度測定装置において、赤外線の透過量を検出する熱検出器2と、光源1をオン/オフさせるスイッチSWと、熱検出器2の検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶させ、熱検出器2の検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶させ、別に求められた補正値と検出信号との差を算定して時系列的に変化する濃度信号を求めるドリフト補正手段と、この濃度信号の感度を補正して濃度成分を算定して濃度成分を算定する感度補正手段とを備え、この濃度成分に基づいて炭酸ガス濃度を求める制御部6と、最大値及び基準値を記憶するRAM8とを具備する。

目的

しかしながら、上記従来の光検出器のドリフト補正装置を備えた炭酸ガス濃度測定装置は、この種の光検出器としては高価なPbSeを使用している。PbSeは応答速度は速いが、赤外線を連続照射すると素子自身の温度が上昇し、抵抗値が減少してドリフトが大きくなるため、呼吸周期に比較して短い周期、例えば200Hzで連続して断続しながら検出する必要があり、光断続器及びこれを回転駆動するモータ等の駆動部を配置して、呼吸ガスを透過する光量を検出するようにしていた。このため、装置の小形化低消費電力化堅牢性限界がありしかも高価となる不都合があった。さらに従来の装置ではドリフトの補正を考慮していたが、合わせて検出部における絶対光量の変化に対する検出信号の感度変化を補正することは行われていなかった。従って、本発明は上記課題に鑑み、光検出器に必要とする光を連続して断続する機構を用いることなく、検出信号のドリフト補正及び感度補正を行うことができる炭酸ガス濃度測定装置を提供することを目的とする。さらにはドリフト補正に加え、感度を補正してより正確な炭酸ガス濃度を測定できる装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

呼吸ガス赤外線照射し、透過量に応じた信号を検出して炭酸ガス濃度を測定する炭酸ガス濃度測定装置において、赤外線の透過量を検出する熱検出器と、光源オンオフさせるスイッチ手段SWと、上記熱検出器の検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶させ、次の吸気時の最大値検出前に上記検出信号の最大値が記憶された上記最大値を越えた場合、最大値を更新して記憶させ、記憶した最大値を時系列的読み出しカルマンフィルタによる処理を施して補正値を出力し、前記補正値を検出信号との差を算定して時系列的に変化する濃度信号を求めるドリフト補正手段と、光源を瞬時オフさせてオフ時の上記検出信号の最小値を検出し、記憶されている上記最大値との差を算定して炭酸ガス濃度「0」でその時点の最大受光量における基準値として記憶させ、該基準値と上記濃度信号の比を算定して該濃度信号の感度補正して濃度成分を算定する感度補正手段とを備え、該濃度成分に基づいて炭酸ガス濃度を求める制御手段と、上記最大値及び上記基準値を記憶する記憶手段とを具備することを特徴とする炭酸ガス濃度測定装置。

請求項2

光源を呼吸周期よりも長い所定周期でオフにすることを特徴とする請求項1記載の炭酸ガス濃度測定装置。

請求項3

光源を吸気に同期させてオフにすることを特徴とする請求項1記載の炭酸ガス濃度測定装置。

請求項4

光源を補正値が所定範囲を越えた変化をした場合にオフにする請求項1記載の炭酸ガス濃度測定装置。

技術分野

0001

本発明は、呼気ガス中に含まれる炭酸ガス濃度を測定する炭酸ガス濃度測定装置に関する。

背景技術

0002

一般に、呼気ガス中の炭酸ガス濃度を赤外線を用いて測定する場合、光検出器を使用し、呼気時の炭酸ガスによる光の吸収に応じた光量を検出して測定するが、光源照射強度の変動、検出部の窓の汚れ等による光量の変化等の光検出器の出力電圧ドリフト補正するようにした装置が知られている(特公昭60−44614)。

0003

図9、斯かる従来のドリフト補正装置を備えた炭酸ガス濃度測定装置の構成を示すものである。図9において、40は呼吸ガスが通過する接続管で、被検者が一方を口に加える接続端とし、他方は2つに分岐して1つは開放端とされ、1つは被検者の吸気時に空気を送り込むサーボ通風器41に接続されている。接続管40の中間部に一対の光を透過するガラス等の窓41a及び41bが形成されている。窓41bの下方には光源42が配置され、窓41aの上方にはモータMにより回転駆動される光透過孔を有する光断続器43が配置されている。光断続器43の上方には炭酸ガスにより吸収される波長の光のみを吸収するフィルタ44が配置され、フィルタ44の上方に光検出器45が配置されている。46は光検出器45の出力電圧を増幅する増幅器、47は整流器である。48は除算器、49は対数増幅器、50は記録装置である。また、51はFET電界効果トランジスタ)で、サーボ通風器41の出力により吸気期間導通する。更に52はメモリで、吸気期間の炭酸ガス濃度「0」に相当する電圧を保持して、除算器48へ出力する。

0004

斯かる構成において、光源42から照射された光は、窓41b、接続管40内の呼吸ガスを透過し、窓41aから光断続器43により断続する光としてフィルタ44を介し炭酸ガス濃度に応じた光量が光検出器45で検出される。光検出器45の出力信号指数関数で与えられ、増幅器46により増幅され、整流器47により整流される。

0005

光検出器45の出力には、フィルタ44、窓41a、41bの汚れによる光量の変化、或いは光源の42の光強度の変動等のドリフトが含まれる。このため、整流器47から出力される出力電圧からドリフト成分を除去するため、サーボ通風器41から、吸気期間、FET51に正の信号を出力して導通させ、メモリ52に炭酸ガス濃度「0」に相当する電圧を保持して除算器48に出力する。他方、吸気期間の終了時にサーボ通風器41からの正の信号がなくなるので、FET51はオフとなり、整流器47の出力(呼気時の炭酸ガスに応じた信号)は除算器48に出力され、メモリ52に保持された炭酸ガス濃度「0」に相当する電圧により除算されてドリフト成分が除去され、ゼロ点較正される。除算器48の出力は対数増幅器49に出力され、炭酸ガス濃度に比例した出力信号を得る。

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記従来の光検出器のドリフト補正装置を備えた炭酸ガス濃度測定装置は、この種の光検出器としては高価なPbSeを使用している。PbSeは応答速度は速いが、赤外線を連続照射すると素子自身の温度が上昇し、抵抗値が減少してドリフトが大きくなるため、呼吸周期に比較して短い周期、例えば200Hzで連続して断続しながら検出する必要があり、光断続器及びこれを回転駆動するモータ等の駆動部を配置して、呼吸ガスを透過する光量を検出するようにしていた。このため、装置の小形化低消費電力化堅牢性限界がありしかも高価となる不都合があった。さらに従来の装置ではドリフトの補正を考慮していたが、合わせて検出部における絶対光量の変化に対する検出信号感度変化を補正することは行われていなかった。従って、本発明は上記課題に鑑み、光検出器に必要とする光を連続して断続する機構を用いることなく、検出信号のドリフト補正及び感度補正を行うことができる炭酸ガス濃度測定装置を提供することを目的とする。さらにはドリフト補正に加え、感度を補正してより正確な炭酸ガス濃度を測定できる装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

請求項1に係る本発明の炭酸ガス濃度測定装置は、呼吸ガスに赤外線を照射し、透過量に応じた信号を検出して炭酸ガス濃度を測定する炭酸ガス濃度測定装置において、赤外線の透過量を検出する熱検出器と、光源をオン/オフさせるスイッチ手段SWと、熱検出器の検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶させ、熱検出器の検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶させ、次の吸気時の最大値検出前に検出信号の最大値が記憶された最大値を越えた場合、最大値を更新して記憶させ、記憶した最大値を時系列的読み出しカルマンフィルタによる処理を施して補正値を出力し、補正値と検出信号との差を算定して時系列的に変化する濃度濃度を求めるドリフト補正手段と、光源を瞬時オフさせてオフ時の上記検出の信号最小値を検出し、記憶されている上記最大値との差を算定して炭酸ガス濃度「0」でその時点の最大受光量における基準値として記憶させ、この基準値と濃度信号の比を算定してこの濃度信号の感度を補正して濃度成分を算定する感度補正手段とを備え、この濃度成分に基づいて炭酸ガス濃度を求める制御手段と、最大値及び基準値を記憶する記憶手段とを具備するものである。

0008

請求項2に係る発明は、請求項1記載の炭酸ガス濃度測定装置において、光源を呼吸周期より長い所定周期でオフにする。

0009

請求項3に係る発明は、請求項1記載の炭酸ガス濃度測定装置において、光源を吸気に同期させてオフにする。

0010

請求項4に係る発明は、請求項1記載の炭酸ガス濃度測定装置において、光源を補正値が所定範囲を越えた変化をした場合にオフにする。

0011

請求項1に係る発明では、呼吸ガスを透過した赤外線を受光して熱検出器により検出される検出信号から、現在の吸気時の最大値を検出して記憶手段に記憶させる。次の吸気時の最大値を検出する前に、熱検出器2の検出信号の最大値が記憶された最大値を越えた場合、記憶されている最大値を更新して大きいほうの最大値を記憶する。このようにして記憶された最大値を時系列に読み出して、カルマンフィルタ処理を行って補正値を得る。この補正値を検出信号との差を算定して時系列的に変化する濃度信号を求めるドリフト補正を行う。次に、光源を瞬時オフさせ、オフ時の検出信号の最小値を検出して記憶してある最大値との差を計算し、炭酸ガス濃度「0」でその時点の最大受光量における基準値を求めて記憶させる。この基準値と濃度成分との比を求めて、この比により濃度成分の感度補正を行い、炭酸ガス濃度を求めるようにした。

0012

請求項2に係る発明では、光源を予め定めた一定の周期でオフにする。

0013

請求項3に係る発明では、光源を吸気に同期させてオフにする。

0014

請求項4に係る発明では、光源を補正値が所定範囲を越えた変化をした場合にオフにする。

0015

以下、図面を参照して本発明の炭酸ガス濃度測定装置の実施例について説明する。図1は、本発明の実施例の構成を示すブロック図である。図2は、図1の実施例の炭酸ガス濃度算定の処理を示すフローチャートである。図3は、ドリフトしている検出信号に補正値で補正を行う説明図である。図4は、感度変化した検出信号に対する感度補正の説明図である。図5は、図1の実施例において、一定周期で光源をオフする説明図である。図6は、図1の実施例において、吸気時の検出信号に同期して光源をオフする説明図である。図7は、図1の実施例における補正値が感度補正基準値から予め定めた範囲を越えた場合に光源をオフにする説明図である。図8は、図1の実施例により得られる炭酸ガス濃度の波形図である。

0016

実施例の説明に先立ち、本発明の原理について説明する。本発明は、呼気ガス中の炭酸ガス濃度に応じて変化する熱量を検出する熱検出器としてサーモパイルを使用した。サーモパイルは、従来使用されているPbSeに比較してドリフトが少なくしかも安価であるが、特有性質があり、この特性に対応して用いることが要求される。即ち、炭酸ガス濃度測定装置に必要な応答速度は200ms以下であるが、サーモパイルの応答速度が50ms〜200msと遅いため、従来の如く光源の光をチョッピングする方式では、200ms以下の応答速度を達成するのは困難である。

0017

しかしながら、例えば光源の赤外線量の変化、呼気ガス検出部の窓の曇り又は汚れ、サーモパイル自体の構造により、検出信号にドリフトが発生する。この内、サーモパイル自体の構造による検出信号のドリフトは、使用環境温度の変化に伴って生じるので補正が必要となる。即ち、サーモパイルは温接点冷接点を有し、この両接点間熱時定数の違いにより検出信号にドリフトが発生する。周囲温度の急激な変化に対して熱容量の小さい温接点は速かに応答するが、容器に熱的に接触している冷接点は熱容量が大きいため、温接点より応答が遅れる。このため、温接点と冷接点間の温度差に応じて出力される信号を検出する際、冷接点が熱的に周囲温度と平衡に達するまでドリフトが生じることになる。

0018

また、呼気ガス検出部の窓の曇り或いは汚れにより、透過光量が低下してサーモパイルの出力感度が変化するので、測定した炭酸ガス濃度も変化し、安定した測定ができない。

0019

従って、サーモパイルを使用するためには検出信号のドリフト及び出力感度による変動を補正した上で、炭酸ガス濃度を測定する必要がある。

0020

本発明では、急激な温度変化に伴い、サーモパイルの構造に起因して検出信号にドリフトが発生した場合、或いは検出部の窓の曇りや光源の光量変動に伴うサーモパイルの出力感度が変化した場合、ドリフト補正及び感度補正を行うようにした。

0021

通常は、サーモパイルの出力において、各吸気毎の最大値を検出して記憶させ、各呼気毎の炭酸ガスにより低下した呼気期間における出力値を検出し、最大値と呼気時の出力値との差を算定して濃度信号を求め、ドリフト補正を行う。しかし、このドリフト補正は、ドリフトが緩やかに変動する場合には有効であるが、ドリフトの変動が較的速い場合には、不連続点が生じて十分な補正ができない。

0022

従って、本発明では、カルマンフィルタによる補正処理を導入することにより、ドリフトの変動が速い場合にも、変動に十分に追随して補正できるカルマンフィルタを用いてドリフト補正ができるようにした。カルマンフィルタは、リアルタイムで処理でき再新野データの追随性がよいことが知られている。

0023

図3に示すカルマンフィルタにより出力される補正値に基づいて、サーモパイル出力のドリフト補正について説明する。図3において、吸気時に検出される最大値をP1、P2、P3及びP4とし、例えばP2で検出されるサーモパイルの検出信号の吸気時の最大値をVm(図の実線上の点)とする。図の破線で示すカルマンフィルタの最適推定量として出力される補正値VIは、上記最大値Vmを入力データとして下記に示す式で計算できる。

0024

VI(n+1)=VI(n) +(Vm−VI(n) )/B(n+1 ) (1)

0025

ここで、B(n+1 )は次式で表わされる。B(n+1 )=(1+α・B(n))ここではあらかじめ定めておくカルマン係数であり、αの値によりフィルタの補正特性が変る。VI(n+1)は、現在時点フィルタ出力を表し、VI(n) は前の時刻のフィルタ出力を表している。Vmは現在時点における検出信号の最大値である。

0026

即ち、サーモパイルの現在の最大値Vmを入力すると、上述した式(1)のカルマンフィルタの補正値VI(n+1)が得られる。

0027

この補正値は、図3に破線で示すように、吸気時に検出される逐次時系列的に入力される最大値に追随して漸近する。従って、この補正値と検出信号との差を求めることにより炭酸ガス濃度に対応した濃度成分を得ることができる。

0028

また、感度補正を行う場合は、以下のようにして行う。光源を瞬時にオフ/オンさせ、オフ直前の吸気時のサーモパイルの最大値を検出して記憶保持し、光源をオフにした時のサーモパイルの最小値を検出する。これら最大値と最小値との差を炭酸ガス濃度「0」で且つその時点の最大光量における基準値として求め記憶保持する。この基準値は、光源をオフ/オンする毎に求めて更新する。

0029

また、既に求めて記憶された基準値と各呼気毎に得られる濃度信号との比を求めて濃度信号の感度補正を行って濃度成分を算定し、その濃度成分により炭酸ガス濃度を算定する。基準値と濃度信号との比は、例えばサーモパイルが窓の汚れにより急激な光量変化を受けて検出信号が低下した場合にも炭酸ガス濃度が同じであれば一定である。従って、炭酸ガス濃度の測定中、光源をオフ/オンすることにより、サーモパイルの出力感度が変化した場合でも、基準値を求めて濃度信号との比を算定し、この比に基づいて濃度信号の感度補正を行い濃度成分を求め、その濃度成分により炭酸ガス濃度を求めることができるので、安定した測定を行うことができる。

0030

図4により、上記原理によるサーモパイルの検出信号の感度補正を行う場合について説明する。光源のオフ直前の吸気時のA点の最大値Vaを検出してメモリに記憶させ、光源をオフにした時のサーモパイルのオフセット電圧である最小値Vbを検出する。次に、最大値Vaと最小値Vbとの差を、炭酸ガス濃度「0」で且つその時点の最大受光量における基準値Voとして(Va−Vb)により求め記憶保持しておく。

0031

次に、現在の吸気時の点Cにおける最大値Vcを検出すると共に、続く呼気時の炭酸ガスにより減少した点Dにおける出力値Vdを検出する。最大値Vcと出力値Vdとの差を算定して濃度信号Vxを(Vc−Vd)から求める。

0032

そして、記憶された基準値Vo及び各呼気毎に算定される濃度信号Vxの比(Vx/Vo)を求め、この比に基づいて濃度信号の濃度補正を行い濃度成分を求め、その濃度成分により炭酸ガス濃度を算定する。

0033

また、窓の汚れ等による光量が低下してサーモパイルの出力感度が低下した場合にも同様にして濃度成分を求めることができる。即ち、受光量が変化してサーモパイルの出力が低下した場合、吸気時のサーモパイルのE点の最大値Veを検出して記憶し、及び光源がオフになった時のF点におけるサーモパイルのオフセット電圧である最小値Vfを夫々検出し、炭酸ガス濃度「0」で且つその時点の最大光量における基準値V01(Ve−Vf)より求めて記憶させておく。吸気時のG点の最大値Vg及び続く呼気時の炭酸ガスによる減少点Hの出力値Vhを検出して、濃度信号Vx1を(Vg−Vh)から求める。そして、基準値V01と濃度信号Vx1との比Vx1/V01を算定し、この比により濃度信号を感度補正して濃度成分を求め、この濃度成分に基づいて炭酸ガス濃度を計算する。

0034

上述したように、受光量が低下した場合でも、炭酸ガス濃度が同じときの基準値と濃度信号の比は一定、即ち、Vx/V0 =Vx1/V01(図4)であるから、光源をオフ/オンして基準値と濃度信号との比を求め、この比により濃度信号を感度補正をして濃度成分を求め、この濃度成分に基づいて炭酸ガス濃度を算定することができる。即ち、この比を求めることにより、サーモパイルの出力が光量の変化等により出力感度が変化しても正確な炭酸ガス濃度を求めることができる。

0035

図1において、Tは呼気ガス及び吸気ガス流通する通気管で、所定位置の対向する部分にサファイア等の透明部材より成る窓W1及びW2が形成されている。通気管Tは、一方の端部(図の左)が被検者の口に挿入される挿入端となり、他方の端部(図の右側)が大気中への開放端となる。窓W1及びW2には、呼気ガス中の水蒸気等による曇りを防止する防曇加工が施されている。窓W1の上方付近にはランプ等の光源1が配置され、窓W1へ光を照射する。また、窓W2の下方付近には、前述したサーモパイルから成る熱検出器2が配置され、光源1から、窓W1及びW2を透過して照射される赤外線を検出する。また、熱検出器2の受光面には、呼気ガス中の炭酸ガスにより吸収される波長(およそ4.3μm)のフィルタFが配置されている。

0036

3は、例えば定電流回路から成る光源駆動部で、スイッチSWによりオン/オフされる。スイッチSWは、例えばトランジスタ等の半導体スイッチで構成され、後述する制御部6から出力される制御信号によりオフ/オン制御される。

0037

4は熱検出器2の検出信号を増幅する増幅器(例えば対数増幅器)、5は増幅器4の出力をデジタル信号に変換するアナログ−デジタル変換器である。上述した制御部6は、例えばCPUから成り、後述するROM9に記憶された炭酸ガス濃度の測定を行う制御プログラムに基づき装置の制御を行う。

0038

7は、例えば複数の押しボタンより成る操作部で、光源1のオン/オフの周期期間や熱検出器2の出力の判定に対する設定値等のパラメータの設定、所要データの設定等を行う。

0039

8はRAMで、設定されたパラメータ、熱検出器2の吸気時に検出される最大値、光源オフ時に算定される基準値、測定された炭酸ガス濃度のデータ等を一時的に記憶保持する。9はROMで、前述の本発明の原理による熱検出器2の検出信号に対してドリフト補正及び感度補正を行って炭酸ガス濃度の測定を自動的に行う制御プログラムが予め記憶されている。

0040

10は、例えば複数のLED(発光ダイオード)等の発光素子又はブザー等の音響素子から成る表示部で、測定された炭酸ガス濃度を濃度変化に応じたバーグラフ表示を行い、又はブザーにより濃度変化に応じた変調音を報知する。或いはLED及びブザーを両方備えることもできる。両者を装備することにより、視覚及び聴覚いずれでも被検者の呼吸状態監視することができる。

0041

次に上述の構成において、図2のフローチャートにより動作を説明する。測定開始時には電源スイッチ(図示せず)投入と同時に光源1がオンとされる(ステップS1)。被検者の口に挿入された通気管Tの挿入端を介して出入する呼吸に伴う炭酸ガスの濃度変化による透過光を熱検出器2で受光し、熱検出器2の検出信号が大きくなった時点を吸気と認識し、検出信号から現在の吸気時の熱検出器2の最大値を検出してRAM8に記憶する(ステップS2)。最大値は、熱検出器2の検出信号を、例えば時間軸で前後のデータの差分値を算定することにより検出できる。

0042

次の吸気時の最大値を検出する前に、熱検出器2の検出信号の最大値がステップ2で記憶した最大値を越える場合、この記憶されている最大値を更新して、この最大値を越えた最大値をRAM8に記憶させる(テップS3)。

0043

制御部6は、このようにして記憶した各最大値を逐次時系列的に読み出し、前述したカルマンフィルタによる処理を施して補正値を出力する。(ステップS4)。

0044

現在の最大値検出時点に続く熱検出器2の検出信号とステップS4で求められた補正値との差を計算して時系列的に変化する濃度信号を求める(ステップS5)。

0045

なお、通常の処理では、ステップS5から次に説明するステップS6に移行する。一点鎖線で囲んだステップS20及び21については、後述する。

0046

次に、光源1を瞬時オフにし(ステップS6)、熱検出器2の光源オフ時の最小値とオフ直前の吸気時の最大値との差を求めて、炭酸ガス濃度が「0」で且つその時点の最大受光量における基準値として記憶する(ステップS7)。この基準値と呼気時の濃度信号との比を算定して濃度信号の感度補正を行って補正された濃度成分を求め(ステップS8)、この濃度成分に基づいて炭酸ガス濃度を算定し、表示装置10に濃度データを送り表示する(ステップS9)。表示する際、表示装置10を従来のバーグラフ表示装置で構成した場合、炭酸ガス濃度は、図8に示す炭酸ガス濃度波形に応じたバーグラフの長さの変化として表示される。

0047

このようにして、上述した実施例は、カルマンフィルタを導入して周囲温度の急激な変化に伴う熱検出器2のドリフトに追随して検出信号を補正するドリフト補正を行い、且つ光源を瞬時にオフさせ、その時の最小値と直前の吸気時の最大値との差を基準値とし、この基準値と濃度信号の比による感度補正を行って濃度成分を求めこの濃度成分に基いて炭酸ガス濃度を算定するようにしたので、正確で安定した炭酸ガス濃度を得ることができる。

0048

上述した図2のフローチャートは、光源を任意にオフ/オンさせているが、図5に示すように、光源を呼吸周期より長い一定の周期Tでオフさせるようにしてもよい。周期Tは、ROM9に予め設定して記憶させておくか、操作部7を介して設定するかのいずれでもよい。周期Tを予め設定しておくことにより、自動的に熱検出器2の検出信号の補正が可能となる。所定周期は、例えば30秒或いは1分毎等、周囲温度の状況に応じて設定できる。

0049

また、図6に示すように、光源1のオフの周期は、例えば複数の吸気毎或いは1呼吸(吸気及び呼気)毎でもよい。呼吸数はROM9に予め設定して記憶させておくか、操作部7を介して設定するかいずれかをとることができる。図5に示した一定周期で光源をオフにすると呼気時にオフとなることがあり、この時の検出データは使用できなくなるが、吸気に同期させることにより呼吸データが確実に補正され、測定がより安定になる。

0050

前述の図6に示す場合に、最大値検出後、予め定めた一定時間後にオフにする。これは、吸気時の検出信号から最大値を検出する場合、検出される前後の検出信号の大きさから最大値を求めるようにしているので、最大値を確実に検出するために所定時間を設定する。

0051

また、図7に示すようにカルマンフィルタの出力である補正値の変動が所定範囲以上であるとき所定範囲を越えた時点の補正値を感度補正基準値として記憶する。そして感度補正基準値から所定範囲を越えた場合に光源1をオフにすることもできる。前述した図2のフローチャートにおいて、ステップS20及びS21を付加することにより処理する。即ち、前述の図2のステップS5でドリフト補正した補正値により濃度信号を求める際、補正値が感度補正基準値から予め設定した所定範囲、例えば4mmHgを越えたか否か判定し(ステップ20)、越えている場合は、次のステップS6(図2)へ移行して光源1をオフする。この場合、光源オフ時点の補正値を新たな感度補正基準値としてRAM8に記憶(ステップS21)し、ステップS20へ戻る。また、ステップS20で、補正値が感度補正基準値を越えていないと判定された場合にもステップS20に戻り、感度補正基準値の監視を行う。

発明の効果

0052

以上説明したように請求項1記載の本発明の炭酸ガス濃度測定装置によれば、サーモパイルから成る熱検出器を用いることにより、従来の光検出器に必要なチョッパ(光断続器)やこれを回転駆動するモータ等の機構部品が不要となるので、装置の小形化が容易となり、堅牢性も向上すると共に安価に構成できる利点がある。

0053

また、ドリフト補正及び感度補正の両方を行うことができるので、周囲温度の急激な変化に伴う検出信号のドリフトや窓の曇り等による出力感度の変化に対しても確実にしかも安定した炭酸ガス濃度の測定ができる。

0054

請求項2記載の本発明によれば、光源を所定周期毎に自動的にオフ/オンさせることにより、周囲温度の急激な変動に伴う出力のドリフトや窓の曇り等による出力感度の変化を速やかに補正でき、安定した且つ正確な炭酸ガス濃度の測定ができる。

0055

請求項3記載の本発明によれば、周囲温度の変動や通気管の窓の曇り等に伴う熱検出器の感度変化があっても確実に呼吸データが補正できる。

0056

請求項4記載の本発明によれば、カルマンフィルタを用いてドリフトを補正するようにしたので、変動の速いドリフトにも追随した補正ができ、周囲温度の変化の激しい環境でも正確な炭酸ガス濃度の測定ができる。

図面の簡単な説明

0057

図1本発明の炭酸ガス濃度測定装置の構成を示すブロック図である。
図2図1の実施例の処理動作を説明するフローチャートである。
図3図1の実施例によるドリフト補正を行うカルマンフィルタの出力を示す図である。
図4図1の実施例による感度補正を行う光源のオフを示す図である。
図5図1の実施例における光源を一定周期でオフさせる説明図である。
図6図1の実施例における光源を吸気毎にオフさせる説明図である。
図7図1の実施例における光源を感度補正基準値が所定値以上変化した場合にオフさせる説明図である。
図8図1の実施例により得られる炭酸ガス濃度の波形図である。
図9従来のドリフト補正装置を備えた炭酸ガス濃度測定装置の構成図である。

--

0058

1光源
2サーモパイル
3 光源駆動部
4増幅器
アナログデジタル変換器
6 制御部
7 操作部
8 RAM
9 ROM
10 表示部

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