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課題

麻痺モデルを用いて因子スクリーニングする方法と、そのモデルの作製方法

解決手段

バルーンを用いて脊髄圧迫して動物に所定の期間内で回復可能完全麻痺、好ましくは対麻痺を起こさせ、この動物モデル神経保護機能および/または神経再生機能を有する可能性のある候補因子投与し、麻痺の継続期間に短縮が見られた場合に候補因子は陽性であるとみなすテストで利用する。また、このテストで有効性が示された有効成分を含む神経保護性および/または神経再生性の医薬を対象とする。

概要

背景

ヒトの脊髄圧迫病変または損傷(compression lesions) の病態生理学を研究するため、そして圧迫病変の治療方法を評価するために、脊髄に人工的に病変、損傷を発生させて、動物に完全かつ永続的な麻痺または対麻痺を起こさせる方法は古くから開発されてきた。1953年にはI. M. TARLOV達(A. M. A. Archives of Neurology and Psychiatry, volume 70, pages 813-819) が、硬膜下の空間にバルーンを挿入して意識のある骨髄を次第に圧迫する装置を報告している。バルーンの膨張強度が圧迫度を決める。この著者達は完全麻痺が得られる可能性のみを報告している。

バルーンを用いる圧迫原理を再び採用したのは1973年の C. M.TATORである(The Canadian Journal of Surgery, Volume 16, pages 222〜231)。彼はこの方法をサルに適用した。圧迫手段は環状のバルーンで、これを脊髄周囲硬膜の外側の空間に設置した。試験条件下では 250mmHgで5分間圧迫した時に完全な対麻痺(1週間後に観察)が得られ、その後4週目以降に部分的な回復が見られた。別の試験では10匹の麻痺したサルについて同じ圧迫強度(350mmHg) で5分間圧迫した。この場合には12週経過後も半数が対麻痺の状態のままであり、残りの半分は4週目から部分的にのみ回復した。

1992年には D. MARTIN達(Journal of Neuro-science Research 32: 539-550)がバルーン圧迫モデルラットに適用し、GV15バルーン(Ingenor, Paris)を用い、ハミルトン注射器カテーテルを用いて体積10〜100 μlの流体でバルーンを膨脹させている。動物にキシラジンケタラールとの混合物腹腔内注射して麻酔を行い、皮膚を切開した後、脊椎傍筋肉を剥がし、T8、T9またはT10の位置で椎弓切除(ラミネクトミー, laminectomy)する。硬膜を開いて蜘蛛膜下の空間にバルーンを挿入し、ラミネクトミー部よりも脊椎1〜2個分だけ上がった位置まで頭の方に向かってバルーンを変位させる。この場合も、圧迫度はバルーンに注入される液体の体積の関数である。1週間毎に観察を行う。圧迫時間が5分間の場合には、この実験の目的である持続性の完全な対麻痺を起こすための体積スレッショルドは40μlであった。圧迫度が小さい場合に著者達が観察したことはタルロフスケール(Tarlov scale)上での軽い一時的な運動神経欠損(10 μl)または強度が不定な一時的対麻痺(20および30μl)のみで、運動神経は4週間で完全に回復した(D. MARTIN et al., Brain Research Bulletin, volume30, p507-514, 1933参照)。

概要

麻痺モデルを用いて因子スクリーニングする方法と、そのモデルの作製方法

バルーンを用いて脊髄を圧迫して動物に所定の期間内で回復可能な完全麻痺、好ましくは対麻痺を起こさせ、この動物モデル神経保護機能および/または神経再生機能を有する可能性のある候補因子投与し、麻痺の継続期間に短縮が見られた場合に候補因子は陽性であるとみなすテストで利用する。また、このテストで有効性が示された有効成分を含む神経保護性および/または神経再生性の医薬を対象とする。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

神経保護機能および/または神経再生機能を有する可能性のある候補因子を、完全かつ所定時間内に回復可能麻痺、好ましくは対麻痺を起こした動物投与し、候補因子が麻痺期間を短縮させる能力があるか否かを測定することを特徴とする候補因子のテスト方法

請求項2

平均約6日で回復可能な対麻痺を起こさせたラットを用いる請求項1に記載の方法。

請求項3

麻酔した動物の脊髄バルーンを用いて圧迫して完全かつ所定時間内に回復可能な麻痺、好ましくは対麻痺を動物に起こさせ、テストの対象となる候補因子を動物に投与し、候補因子が麻痺期間を短縮させる能力があるか否かを測定することを特徴とする神経保護機能および/または神経再生機能を有する可能性のある候補因子をテストする方法。

請求項4

完全かつ平均約6日間で回復可能な対麻痺をラットに起こさせる請求項3に記載の方法。

請求項5

Goldvalve GV15型バルーンを用い、約10μlの液体を用いて約5分間バルーンを膨らませて圧迫麻痺、好ましくは対麻痺を起こさせる請求項3または4に記載の方法。

請求項6

バルーンを下側胸部の所、例えばT9−T10の硬膜の下の空間に挿入する請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

脊髄に接触させてバルーンを配置し、完全かつ所定期間内に回復可能な麻痺を起こさせる条件下で脊髄を一時的に圧迫するようにバルーンを膨張させ、次いでバルーンを収縮させて取り出す各工程で構成される完全かつ回復可能な麻痺、好ましくは対麻痺を動物、特にラットに起こさせる方法。

請求項8

バルーンを胸郭の下側位置、特にT9−T10の硬膜の下の空間に挿入する請求項7に記載の方法。

請求項9

神経保護特性を有する麻酔薬を用いて麻酔した動物に平均約6日間で回復する対麻痺を起こさせるように設計されたバルーンを用いる請求項7または8に記載の方法。

請求項10

Goldvalve GV15型バルーンを用い、注入量を略10μlにする請求項9に記載の方法。

請求項11

神経保護特性を有する麻酔薬の代わりに、この特性を有しない麻酔薬を用いて平均約10日で回復する対麻痺を起こさせる請求項10に記載の方法。

請求項12

脊髄に対してその中央または側面にバルーンを配置する請求項6〜11のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

神経保護特性を有する麻酔薬で動物を麻酔する請求項7〜10のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

麻酔薬としてキシラジンケタミンとの混合物を用いる請求項13に記載の方法。

請求項15

請求項1〜6のいずれか一項に記載のテスト方法で薬効を示す神経保護性および/または神経再生性を有する医薬

請求項16

請求項1〜6のいずれか一項に記載のテスト方法に対して陽性な反応を示す物質または細胞を含む医薬。

請求項17

請求項1〜6のいずれか一項に記載のテスト方法に対して陽性の反応を示す物質または細胞を神経保護性および/または神経再生性を有する医薬の調製での利用。

--

背景技術

0001

本発明は麻痺、好ましくは対麻痺(paraplegia)を起こさせた動物モデル神経保護機能または再生機能を有する因子ファクター)をテストまたはスクリーニングする方法に関するものである。本発明は、さらに、動物に麻痺、特に対麻痺を起こさせる方法と、上記スクリーニング方法に対して陽性応答する因子とに関するものである。

0002

ヒトの脊髄圧迫病変または損傷(compression lesions) の病態生理学を研究するため、そして圧迫病変の治療方法を評価するために、脊髄に人工的に病変、損傷を発生させて、動物に完全かつ永続的な麻痺または対麻痺を起こさせる方法は古くから開発されてきた。1953年にはI. M. TARLOV達(A. M. A. Archives of Neurology and Psychiatry, volume 70, pages 813-819) が、硬膜下の空間にバルーンを挿入して意識のある骨髄を次第に圧迫する装置を報告している。バルーンの膨張強度が圧迫度を決める。この著者達は完全麻痺が得られる可能性のみを報告している。

0003

バルーンを用いる圧迫原理を再び採用したのは1973年の C. M.TATORである(The Canadian Journal of Surgery, Volume 16, pages 222〜231)。彼はこの方法をサルに適用した。圧迫手段は環状のバルーンで、これを脊髄周囲硬膜の外側の空間に設置した。試験条件下では 250mmHgで5分間圧迫した時に完全な対麻痺(1週間後に観察)が得られ、その後4週目以降に部分的な回復が見られた。別の試験では10匹の麻痺したサルについて同じ圧迫強度(350mmHg) で5分間圧迫した。この場合には12週経過後も半数が対麻痺の状態のままであり、残りの半分は4週目から部分的にのみ回復した。

0004

1992年には D. MARTIN達(Journal of Neuro-science Research 32: 539-550)がバルーン圧迫モデルラットに適用し、GV15バルーン(Ingenor, Paris)を用い、ハミルトン注射器カテーテルを用いて体積10〜100 μlの流体でバルーンを膨脹させている。動物にキシラジンとケタラールとの混合物腹腔内注射して麻酔を行い、皮膚を切開した後、脊椎傍筋肉を剥がし、T8、T9またはT10の位置で椎弓切除(ラミネクトミー, laminectomy)する。硬膜を開いて蜘蛛膜下の空間にバルーンを挿入し、ラミネクトミー部よりも脊椎1〜2個分だけ上がった位置まで頭の方に向かってバルーンを変位させる。この場合も、圧迫度はバルーンに注入される液体の体積の関数である。1週間毎に観察を行う。圧迫時間が5分間の場合には、この実験の目的である持続性の完全な対麻痺を起こすための体積スレッショルドは40μlであった。圧迫度が小さい場合に著者達が観察したことはタルロフスケール(Tarlov scale)上での軽い一時的な運動神経欠損(10 μl)または強度が不定な一時的対麻痺(20および30μl)のみで、運動神経は4週間で完全に回復した(D. MARTIN et al., Brain Research Bulletin, volume30, p507-514, 1933参照)。

課題を解決するための手段

0005

本出願人は上記文献の教示とは反対に極めて簡単な方法で完全かつ再現可能な状態でラットのような動物に短期間、特に1週間程度の間、完全な対麻痺を起こさせことができるということ、そして、この方法を用いることによって回復プロモータとなり得る候補因子を迅速にスクリーニング研究するための動物モデルが開発できるということを偶然に見出した。この発見は短期間の四肢麻痺型麻痺の誘発から種々の期間の麻痺、特に対麻痺の誘発まで拡張することができる。

0006

本発明は、神経保護機能および/または神経再生機能を有する可能性のある候補因子を、完全かつ所定時間内に回復可能な麻痺、好ましくは対麻痺を起こした動物に投与し、候補因子が麻痺期間を短縮させる能力があるか否かを測定することを特徴とする候補因子のテスト方法を提供する。

0007

本発明は、時間が標準化された完全かつ回復可能な麻痺モデル、好ましくは対麻痺モデルを用いて候補因子をスクリーニングする方法を初めて可能にしたものである。この方法は候補因子が麻痺、特に対麻痺の自然治癒期間に及ぼす作用を直接研究できるようにしたという点で特すべきものである。

0008

神経保護因子という用語は初期の病変を抑えることができる因子を意味し、一方、神経再生因子とは軸索再生長刺激して損傷した領域を再構成させることができる因子を意味する。これら2種類の因子は「回復プロモータ」と定義される群に分類できる。この因子には化学物質移植可能細胞または細胞株から得られる細胞とが含まれる。

0009

本発明の因子評価テスト方法は極めて迅速であるので、完全な麻痺、特に対麻痺を短期間の間引き起こす動物、特にラットに適用するのが好ましい。好ましいモデルは平均約6日間で対麻痺から回復するモデルである(下記の結果の欄の表を参照)。本明細書では麻痺(対麻痺)の終了は歩行開始が観察される運動神経の部分的回復で判断した。好ましいモデルでは完全な運動神経の回復(正常歩行ができ、立ち上がることができること)には平均約9日で達する。

0010

本発明では候補因子を圧迫前または後に動物に投与できるが、圧迫してから短時間をあけるのが好ましい。この時間は圧迫の数分前か、圧迫後数分〜数時間である。好ましくは、候補因子を圧迫後約1時間後に投与する。再生機能を有する可能性のある因子の場合にはこれより後に投与してもよいが、一般には圧迫後3〜5日より前に投与しなければならない。候補因子は注射で投与するのが好ましい。細胞または細胞株由来の細胞は圧迫部位移植、特に注射する。

0011

本発明の他の対象は上記候補因子のテストまたはスクリーニング方法にある。本発明方法では、麻酔した動物の脊髄をバルーンを用いて圧迫して完全かつ所定時間(特に平均約6日)内に回復可能な麻痺、特に対麻痺を動物、特にラットに起こさせ、この圧迫前、圧迫中または圧迫後にテストの対象となる候補因子を動物に投与してこの候補因子が麻痺、特に対麻痺の期間を短縮させる能力があるか否かを測定する。

0012

この試験方法での回復可能な麻痺、特に対麻痺の誘発は麻痺、特に対麻痺を起こさせるための本発明方法で行うのが好ましい。完全かつ自然治癒の可能な麻痺、特に対麻痺を動物、特にラットに起こさせる本発明方法は、脊髄に接触させてバルーンを配置し、完全かつ所定期間内に回復可能な麻痺を起こさせる条件下で脊髄を一時的に圧迫するようにバルーンを膨張させ、次いでバルーンを収縮させて取り出す各工程で構成される。

0013

バルーンは硬膜の下の空間に挿入するのが好ましい。本発明で麻痺を起こさせる場合にはバルーンを胸郭の上側または下側位置、好ましくは胸郭の下側位置あるいは腰椎位置、特に腰椎の下側位置に挿入することができ、T6からT13までの胸郭下側位置、例えばT9−T10位置が好ましい。四肢麻痺を起こさせるには頸部位置に挿入してもよい。

0014

神経保護特性を有する麻酔薬で麻酔した動物に平均約6日間で回復する麻痺を起こすように設計されたバルーンを用いるのが好ましい。本発明で用いられるこの種の麻酔薬はケタミン(乖離性結合麻酔薬のグループに属する)、キシラジン(ベンゾジアゼピン)およびその混合物からなる群の中から選択される。好ましい麻酔薬はケタミンとキシラジンとの混合物である。その他の好ましい麻酔薬はモデルとして用いる動物との関連で以下に示す。

0015

本発明を実施するための標準バルーンモデルはIngenor Paris のGoldvalveGV15型のバルーンである。このバルーンの最大容量は100 μlで、長さは8mm、直径は6mmである。平均約6日間で回復可能な対麻痺を起こさせる本発明の好ましい実施例では、上記麻酔薬で麻酔させた動物に取付けたバルーンに約10μlを注入する(下記の結果の欄の表を参照)。

0016

この種の麻酔薬は運動神経の回復時間を短縮させる特性がある。神経保護特性のない麻酔薬、例えばエキテジン麻酔薬を用いると同じ容量で回復時間は長くなる。なお、運動神経の部分的回復には平均10日(結果の欄の表を参照)を要し、運動神経の完全回復には約16日を要するので、この回復時間は本発明の範囲に含まれる。バルーンに注入する体積を変えて対麻痺または四肢麻痺の期間を変えることもできる。上記の10μlに近い容量、好ましくは20μl以下の膨張容量を用いることも本発明に含まれる。

0017

上記の標準的バルーンモデルとそれが使用される条件とを基本にして、当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、他のバルーンを選択し、各バルーンについて試験を行って最適なパラメータを決定することができるということは明らかである。上記は、約6〜10日で回復する対麻痺の特殊モデルであり、当業者はバルーンの特性と注入する容積とを変更することによって継続期間の異なる対麻痺または四肢麻痺を起こしたデルを作製することができるということは明らかである。

0018

左右対称な麻痺、特に対麻痺を起こすにはバルーンを脊髄の中央に配置するのが好ましい。しかし、バルーンを脊髄の横に配置して片側のみに麻痺を起こし、片側のみが運動神経機能を保持した動物を得ることもできる。本明細書で説明する動物モデルはラットであるが、本発明は他の動物、例えば特にネコイヌおよびサルにも適用できる。操作条件は本明細書に記載の原理に基づいた試験によって使用動物に合わせることができる。使用可能な麻酔薬は各動物について以下で説明する。

0019

本発明の他の対象は下記にある:
1) 本試験方法によって有効性が示された神経保護性能および/または神経再生性能をを有する医薬。有効成分には化学物質はもちろん、細胞または細胞株由来の細胞が含まれる。
2) 医薬品として使用されたことがなく、本試験方法に対して陽性反応を示す化学物質、分子、細胞または細胞株由来の細胞を含む医薬。
3) 本試験に対して陽性の反応を示す治療学上周知の物質、分子、細胞または細胞株由来の細胞の神経保護性および/または神経再生性を有する医薬品の調製での利用。
これらの医薬は上記有効成分の他に慣例に従って使用可能な薬剤用賦形剤を含むことができる。

0020

以下、継続時間が平均6および10日間である回復可能な対麻痺を起こす方法の実施例で本発明をさらに詳細に説明する。しかし、本発明が下記実施例に限定されるものではない。

0021

使用した装置
本来は頭蓋内の血管の奇形を塞ぐためのバルーン(Goldvalve GV15 ballonIngenor, Paris)を用いて骨髄の病変を誘発させた。このバルーンは最大容量が100 μlで、長さは8mm、径は6mmである。このバルーンを硬膜の下(subdural)の空間に埋め込むために、バルーンに外径0.96mm のポリエチレンのカテーテル(Biotrol) を接続し、このカテーテルをベース(BALT)に接続し、このベースを三方タップに接続し、この三方タップを1mlの注射器に接続した。新品の各バルーンは容量50μlのハミルトン注射器を用いて膨らませて較正した。すなわち、10、20、30、40および50μlに膨らませた時のバルーンの大きさを写真にとり、前回使用した基準となるバルーンの大きさと比較した。両者に差があった場合には較正パラメータを用いて各バルーンの容積をほぼ10μl付近のわずかな差の範囲内の膨張容積にした。

0022

方法
キシラジン(15mg/kg)(Rompun)とケタミン(100 mg/kg)(Imalgene)またはエキセジン(Equithesine) との混合物を筋肉注射して麻酔させた動物(Sprague-Dawley female rats, Iffa Credo) にバルーンを埋込み、膨らませた。皮膚を切開した後、脊椎の裏側のから脊椎傍の筋肉を引き離し、T9〜T10の胸部位置で脊椎のラミネクトミーを行って脊髄を露出し、25Gニードルを用いて硬膜を開き、次いで、この開口からしぼんだ状態のバルーンをラミネクトミーに対して頭側に挿入した。インタクトラミナ下側でバルーンを膨らませた。圧迫強度と時間は希望する麻痺程度に応じて変えることができ、平均約9日で完全回復(完全な運動神経の回復)する完全な対麻痺を起こさせるには10μlの蒸留水を5分間注入して膨張させ、次いで、バルーンを収縮させて取り出し、傷口縫合する。その後動物を恒温器を備えた個々のケージに入れ(28〜30℃)、自由にを食べさせた。

0023

結果
上記方法を2つのグループのラットに行い、各グループには上記の麻酔剤の一方を投与した。全ての場合に覚醒後の動物に完全な対麻痺が起きていた。キシラジン/ケタミン混合物で処理した動物を毎日観察した結果、この麻痺状態は平均6日間継続し、その後、後ろ脚バラバラな動きが観察されるようになり、歩行の開始が見られるようになった。動物が正常歩行機能と立上り機能とを取り戻すにはさらに約3日間を要した。全ての動物で運動機能の完全回復が観察された。こうした行動の再現性に他に、動物の死後の脊髄を肉眼で観察して圧迫部位に平均約1cm以上の病変が見られることを確認した。この病変はバルーンと接触した場所が陥没し、組織が不透明になるという特徴を有していた。顕微鏡分析の結果、白色または灰色の物質の破壊を伴う孔と、星状細胞神経膠症が観察された、この星状細胞の神経膠症は星状細胞の特異マーカーである神経膠症原線維酸性蛋白(GFAB)の免疫検出特徴付けられる。すなわち、運動神経の完全回復後も深刻な組織病変が残る。

0024

ID=000002HE=040 WI=111 LX=0495 LY=0400
*歩行開始の観察=運動神経の部分的回復に基づく
統計的なテストはMann-Whitney test である:
カットオフ値:81.500
P=0.0117 :0.05以下の値を有意と考える。

0025

運動神経回復の促進
対麻痺を罹う人間の運動機能の回復を誘導するための候補因子を捜すために、対麻痺が約1週間継続する動物モデルで麻痺期間に対して肯定的に作用し、それを短縮するような因子を探すことができる。本発明は回復プロモータ物質を人間へ適用する前の段階で迅速にスクリーニングする上で特に有用である。この回復プロモータには初期の病変を抑える役目をする神経保護物質と、軸索の再生長を刺激して損傷を受けた部位の再生を促進する神経再生物質とが含まれる。

0026

病変・損傷の程度に応じた各種の神経保護物質、例えば抗虚血剤、グルタミン酸塩拮抗剤カルシウム拮抗剤およびフリーラジカル拮抗剤が存在するが、グルタミン酸塩の毒性を防ぐことが可能な非競合的拮抗剤であるN−メチル−D−アスパルテート(NMDA)と、ラザロイド誘導体等のフリーラジカル阻害剤を挙げることができる。神経再生物質も軸索生長促進を目的とするか、グリア神経膠)の痕を減少させることを目的とするかによって各種の分子が存在する。

0027

本発明方法に従って新規な因子をテストすることができ、因子が試験に対して肯定的な反応をした場合には、さらに組織学的試験を行ってそれらの神経保護作用と神経再生作用とを判定することができる。本発明方法は複数のグループのラットに対して骨髄の圧迫を行い、被試験因子を投与して行うのが好ましい。すなわち、各グループのラットの対麻痺の平均継続時間(運動神経の部分回復または完全回復までの時間)の変化を所定の標準値(例えば6日間)と比べて対麻痺の継続期間に対するこの因子の影響を決定するか、平行して脊髄圧迫した対照群と比較して決定する。

0028

一般に、必要な組織学的検査のためには試験群の動物と対照群の動物とを犠牲にする必要があるが、動物の犠牲を必要とする試験を行わない場合でも、圧迫部位に深刻な病変が残ると動物が犠牲になることになる。

0029

麻酔薬:本発明でモデルとして使用しようとする動物に対する神経保護性を有する麻酔薬の例を以下に挙げるが、本発明は下記のものに限定されるものではない。下記麻酔薬とその使用法は当業者に完全に周知のものである:
I.ネコ:アトロピン、キシラジン、中枢鎮痛薬ミオレラキサント、ケタミン、ミダトレ
IIイヌ: アトロピン、神経弛緩薬、ベンゾジアゼピン、バルビタール酸塩、神経弛緩性鎮痛剤

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