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技術 磁気記録媒体

出願人 東レ株式会社
発明者 筑木稔博佃明光上田智昭
出願日 1995年11月7日 (24年7ヶ月経過) 出願番号 1995-288818
公開日 1996年9月3日 (23年9ヶ月経過) 公開番号 1996-227518
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 磁気記録担体 含窒素連結基の形式による高分子化合物一般 積層体(2)
主要キーワード ICP発光分析法 ナフチル構造 熱機械分析計 ガイド材 サンプル準備 ガイド径 エラー頻度 調温調
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年9月3日)のものです。
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課題

高温高湿下での安定した走行性出力特性に優れ、同時に耐久性に優れた磁気記録媒体を提供する。

解決手段

芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドからなる基材フィルムの片面に磁性層を設けてなる磁気記録媒体であって、該基材フィルムの少なくとも一方向の引張りヤング率が700kg/mm2 以上であり、かつ加重下100℃における寸法変化率が2%以下であり、該基材フィルム中に含まれる金属イオンが50ppm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。

概要

背景

従来、磁気記録媒体としては、ポリエステルフィルム酸化物塗布型磁性層メタル塗布型磁性層を設けてなる磁気記録媒体が知られている(例えば特開昭61−26933号公報、特開昭60−66319号公報など)。また、カセット当たりの記録容量をあげることを目的に、磁気記録媒体の基材として芳香族ポリアミドフィルムを用いる提案が特開昭58−168655号公報、特開昭62−112218号公報等で知られている。しかしながら、該記録媒体の加工あるいは使用環境多様化し、ことに屋外使用機会の増加によって高温高湿下でも安定した性能を有する磁気記録媒体が求められている。しかしながら、先述のポリエステルフィルムをベースにした磁気記録媒体は熱的環境変化に対して非常に弱い。一方、芳香族ポリアミドは高剛性耐熱性も良好であるので高密度磁気記録媒体用基材とて適していると言われる。

ところで、芳香族ポリアミドは特別な処理を行わない限り構造的末端官能基としてカルボキシル基あるいはアミノ基を有する。また、芳香族ポリアミドの重合あるいは芳香族ポリアミドフィルムの形成時に中和剤あるいは溶解助剤として例えば、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属等の塩を使用する。末端に存在する官能基化学的活性であって、とりわけカルボキシル基は金属塩を形成し易い。

これら金属塩は、従来の磁気記録媒体用には問題とならなかったが、例えば金属蒸着型磁性層の形成された高密度記録用磁気記録媒体には腐蝕等の悪影響が生じやすくなる。

また、フィルム中に存在する金属イオンや芳香族ポリアミドの末端に形成された金属塩は、大気中の水分に対する親和性も強く、吸湿による膨潤からテープ伸び等の寸法変動要因となったり、蒸着層の形成を妨害する。これはトラック密度の高い高密度記録用磁気記録媒体においては致命的な現象である。

この問題の解決手段として、例えば特開平3−259921号公報には、末端封鎖カルボジイミド化合物モノカルボン酸クロリドを用いることが提案されている。しかしながら未反応の上記化合物がフィルム中に多く残留し、滲み出し、磁性層が剥離するなどの問題を抱える。また、この方法は製膜後に中和工程を必要とするポリパラフェニレンテレフタルアミドでは効果が認められるが、それでもかなりの金属イオンが残留する。

概要

高温、高湿下での安定した走行性出力特性に優れ、同時に耐久性に優れた磁気記録媒体を提供する。

芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドからなる基材フィルムの片面に磁性層を設けてなる磁気記録媒体であって、該基材フィルムの少なくとも一方向の引張りヤング率が700kg/mm2 以上であり、かつ加重下100℃における寸法変化率が2%以下であり、該基材フィルム中に含まれる金属イオンが50ppm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。

目的

本発明はかかる問題点を解決し、芳香族ポリアミドの優れた耐熱性、高剛性を損なうことなく、金属イオン量や寸法変化率を規定の値とすることによって、高温、高湿下での安定した走行性、出力特性に優れ、同時に耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
5件

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請求項1

芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドからなる基材フィルムの片面に磁性層を設けてなる磁気記録媒体であって、該基材フィルムの少なくとも一方向の引張りヤング率が700kg/mm2 以上であり、かつ加重下100℃における寸法変化率が2%以下であり、該基材フィルム中に含まれる金属イオンが50ppm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。

請求項2

該基材フィルムに含まれる末端カルボキシル基濃度が7ミリ等量/kg以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。

請求項3

湿度膨張係数が1.5×10-5以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。

技術分野

0001

本発明は、磁気記録媒体に関するものである。

背景技術

0002

従来、磁気記録媒体としては、ポリエステルフィルム酸化物塗布型磁性層メタル塗布型磁性層を設けてなる磁気記録媒体が知られている(例えば特開昭61−26933号公報、特開昭60−66319号公報など)。また、カセット当たりの記録容量をあげることを目的に、磁気記録媒体の基材として芳香族ポリアミドフィルムを用いる提案が特開昭58−168655号公報、特開昭62−112218号公報等で知られている。しかしながら、該記録媒体の加工あるいは使用環境多様化し、ことに屋外使用機会の増加によって高温高湿下でも安定した性能を有する磁気記録媒体が求められている。しかしながら、先述のポリエステルフィルムをベースにした磁気記録媒体は熱的環境変化に対して非常に弱い。一方、芳香族ポリアミドは高剛性耐熱性も良好であるので高密度磁気記録媒体用基材とて適していると言われる。

0003

ところで、芳香族ポリアミドは特別な処理を行わない限り構造的末端官能基としてカルボキシル基あるいはアミノ基を有する。また、芳香族ポリアミドの重合あるいは芳香族ポリアミドフィルムの形成時に中和剤あるいは溶解助剤として例えば、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属等の塩を使用する。末端に存在する官能基化学的活性であって、とりわけカルボキシル基は金属塩を形成し易い。

0004

これら金属塩は、従来の磁気記録媒体用には問題とならなかったが、例えば金属蒸着型磁性層の形成された高密度記録用磁気記録媒体には腐蝕等の悪影響が生じやすくなる。

0005

また、フィルム中に存在する金属イオンや芳香族ポリアミドの末端に形成された金属塩は、大気中の水分に対する親和性も強く、吸湿による膨潤からテープ伸び等の寸法変動要因となったり、蒸着層の形成を妨害する。これはトラック密度の高い高密度記録用磁気記録媒体においては致命的な現象である。

0006

この問題の解決手段として、例えば特開平3−259921号公報には、末端封鎖カルボジイミド化合物モノカルボン酸クロリドを用いることが提案されている。しかしながら未反応の上記化合物がフィルム中に多く残留し、滲み出し、磁性層が剥離するなどの問題を抱える。また、この方法は製膜後に中和工程を必要とするポリパラフェニレンテレフタルアミドでは効果が認められるが、それでもかなりの金属イオンが残留する。

発明が解決しようとする課題

0007

近年、ビデオカメラの屋外での使用の増加、あるいは小型化、記録時間の長時間化の要請により、またコンピュータ外部メモリとして使用するため、薄膜で、過酷な条件での耐久性に優れた磁気記録媒体の要求が強くなってきている。

0008

しかしながら、上記ポリエステルフィルムベースからなる磁気記録媒体では、常温、通常湿度下では問題ないが高温、高湿度条件下で使用すると走行性や、出力特性が悪化したり、また、繰り返し走行においてドロップアウトが発生するという問題が出てきている。これは基材フィルムの耐熱性、耐湿性が不十分であったり、表面性、走行性が十分ではないためであると考えられる。

0009

また、芳香族ポリアミドは、有望ではあるが金属イオンの残留により磁性層の腐蝕や吸湿による寸法変動によって信頼性を損なう結果となっている。

0010

本発明はかかる問題点を解決し、芳香族ポリアミドの優れた耐熱性、高剛性を損なうことなく、金属イオン量や寸法変化率を規定の値とすることによって、高温、高湿下での安定した走行性、出力特性に優れ、同時に耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、上記の課題を解決するためポリマ中に含まれる金属イオン量のコントロール方法について鋭意検討を重ね、ポリマーの構成あるいは重合時における末端官能基量の調製、製膜方法における知見等からフィルム中に含有される金属イオン量を大きく低下できることを見いだし、鋭意検討の上とりわけ高密度磁気記録に好適な本発明に至ったものである。

0012

即ち、本発明は芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドからなる基材フィルムの片面に磁性層を設けてなる磁気記録媒体であって、該基材フィルムの少なくとも一方向の引張りヤング率が700kg/mm2 以上であり、かつ加重下100℃における寸法変化率が2%以下であり、該基材フィルム中に含まれる金属イオンが50ppm以下であることを特徴とする磁気記録媒体である。

発明を実施するための最良の形態

0013

本発明に用いられる芳香族ポリアミドとは、下記一般式(I)および/または一般式(II)
一般式(I)

0014

ここで、Ar1 、Ar2 、Ar3 は例えば、一般式(III )

0015

特性面からは上記の芳香環パラ位、つまり、2価の結合が同軸あるいは平行に結合されたものが、全芳香環の50%以上、好ましくは75%以上を占める重合体が、フィルムの剛性が高く耐熱性も良好となるため好ましい。

0016

本発明の芳香族ポリアミドは、一般式(I)および/または一般式(II)で表される繰り返し単位を50モル%以上含むものであって、50モル%未満は他の繰り返し単位が共重合、またはブレンドされていても差し支えない。

0017

また、一般式(III )において、XやYの結合を有する芳香核ポリマ溶液の安定性や製膜性を改善でき、好ましく用いられるが、あまりに多いと物性低下の原因となり得るため、好ましくは原料成分の5〜50%、より好ましくは7〜30%の範囲内で用いるのが良い。

0018

本発明の芳香族ポリアミドは均一な溶液として重合を終了できることが重要である。本発明では後述するように仕込み原料比率に特定の規定を行うために高重合度化において弱点があり、一旦沈殿としてポリマが生成する系では本発明の力学的性能を満足しうる十分な重合度とすることが難しい。また、このような系は製膜溶液として硫酸等を使用する必要があり、先述のように金属イオン量を減少させることが極めて困難である。

0019

芳香族ポリアミドの溶解度を向上せしめる手段としては、これらの芳香環上の水素原子の一部を、一般式(I)及び/または一般式(II)においてR,R’,R”として表される、ハロゲン基(特に塩素)、ニトロ基炭素数1〜4のアルキル基(特にメチル基)、炭素数1〜3のアルコキシ基などの置換基置換することが好ましく行われる。また、一般式(III )中におけるXあるいはYで示される結合を有する化合物の使用も好ましく行われる。さらに、Ar1 、Ar2 、Ar3 としてメタあるいはオルト配向性の芳香核を用いることも好ましく行われる。上述の手段は単独でも複数組み合わせても構わない。しかし、後2者の方法は後述するように力学的性能を低下する効果も合わせ持つため、本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。また、芳香核に置換基を導入する方法において、一般式(I)あるいは一般式(II)におけるl,m及びnの値は均一な溶液として重合を終了できれば任意であるが、この方法は通常用いられる溶媒に対する親和性が良好であるために、ポリマー溶液からフィルム化する際に金属イオンの脱離に有効に作用するために好ましく用いられ、同時に基材フィルムの吸湿率を低下せしめ、膨潤による寸法変動を抑止するため、一般式(I)においては、l+mが1以上4以下、好ましくは2以上4以下でかつl>0,m>0、とするのが実用的である。l+mが5を超えるとフィルムが脆くなり好ましくない。また、一般式(II)においてはnが0.5以上2以下、好ましくは1以上2以下であるのが実用的である。また、導入可能な置換基の中で、好ましく用いられる置換基としては、物理的性能低下のほとんどないことから、塩素,メチル基,メトキシ基が挙げられ、耐熱性に優れることから塩素がより好ましい。必要以上にバルキーな官能基はかえって湿度膨張係数の増大を招き本発明の目的には不適当である。

0020

本発明における芳香族ポリイミドとは、重合体の繰り返し単位の中に芳香環とイミド環を1つ以上含むものであり、一般式(IV)および/または一般式(V)で示される繰り返し単位を50モル%以上含むものが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。

0021

一般式(IV)

0022

ID=000007HE=010 WI=065 LX=0275 LY=1550
ここでZは−O−,−CH2 −,−CO−,−SO2 −,−S−,−C(CH3 )2 −等から選ばれるが、これに限定されるものではない。

0023

また、Ar6 は無水カルボン酸あるいはこのハライド由来する。Ar5 、Ar7 は例えば

0024

本発明の磁気記録媒体に用いる基材フィルムに含有される金属イオンは50ppm以下、好ましくは30ppm以下、より好ましくは10ppm以下である。本発明で言う金属イオンとは単体として電気伝導性のある元素イオンであり、典型元素あるいは遷移元素のいずれをも含むが、とりわけIA族IIA族IIIA族元素の影響、特にIA族元素の影響が大きい。これら金属イオンの残留量が50ppmより多いと吸湿に伴う寸法変動が大きく記録再生性に劣る。また、磁性層成分変質させたりして長期的な使用に不向きである。

0025

本発明の磁気記録媒体に用いる基材フィルムの湿度膨張係数は、1.5×10-5以下、より好ましくは1.2×10-5以下であると良い。この数値が1.5×10-5をこえると、使用環境の変化によるトラックずれ等を生じる要因となって、録再特性を損ね易い。

0026

この目的のために、さらに、重合体を構成するアミド結合中の水素原子を他の置換基によって置換したり、アミド基密度を低下させるため相対的に分子量の大きなモノマーを用いることは有効である。特に、ビフェニル構造ナフチル構造ターフェニル構造の導入は好ましく行われ、また、同一成分中において異なる芳香核を有する、例えばアミン成分においてフェニル構造とビフェニル構造を導入する、場合は製膜性も改善され特に好ましい。

0027

また、本発明の磁気記録媒体に用いる芳香族ポリアミドには、フィルムの物性を損なわない程度に滑剤酸化防止剤その他の添加剤等がブレンドされていてもよい。

0028

また、本発明の磁気記録媒体は、該基材フィルムの20℃、相対湿度60%における少なくとも一方向の引張りヤング率E20が、E20≧700kg/mm2 、より好ましくはE20≧900kg/mm2 、更に好ましくはE20≧1000kg/mm2 である。テンシライズの方向としては長手方向にテンシライズまたは幅方向にテンシライズされても差し支えない。テンシライズの度合いは特に限定されないが、伸度引き裂き抵抗力等の特性を考慮に入れると、長手方向の引張りヤング率EMDと幅方向の引張りヤング率ETDが、0.5≦EMD/ETD≦2、の範囲であるのが実用的である。本発明の磁気記録媒体は高密度記録のための磁気記録媒体の薄型化の要請に応えて薄膜で使用されるために、テープ走行中、あるいはストップスタート時にかかるテンションに耐えるために、高いヤング率(E20≧700kg/mm2 )を持つことが求められている。ヤング率がこれより低いとテープの伸びが起こり記録再生性が低下する。また、基材フィルムが高いヤング率(E20≧700kg/mm2 )を持つことにより、塗布層形成、バックコート層形成工程など磁気記録媒体形成時にかかるテンションにも耐えることが出来、加工上も有利である。

0029

本発明の磁気記録媒体に用いる基材フィルム中には、走行安定性の確保のために好ましく粒子を含有させることができる。

0030

このような粒子の種類としては、特に限定されないが、例えば、SiO2 、TiO2 、TiN、Al2 O3 、ZrO2 、ゼオライト、その他の金属微粉末などの無機粒子有機粒子を挙げることができる。

0031

また、該基材フィルムに含有される粒子の含有量は0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%である。粒子の含有量が上記の範囲より少ないと走行性改良に寄与することがなく、多いとフィルム物性の低下や耐削れ性および電磁変換特性が悪くなる。

0032

また、該基材フィルムに含有される粒子の平均一次粒径は5〜250nm、好ましくは10〜100nmである。平均一次粒径が上記の範囲より大きいと耐削れ性が悪くなり、上記範囲より小さいと耐スクラッチ性が悪くなる。

0033

こうして含有せしめた粒子によって、本発明の磁気記録媒体に用いる基材フィルムには、磁性層を設ける面の表面は微細突起高さが3〜200nm、好ましくは5〜100nm、径として、0.01μm以上のものが、104 〜108 個/mm2 の密度で存在することが好ましい。磁気記録媒体として上述の表面特性を有する基材フィルムを用いることにより、磁気ヘッドとのあたりが円滑にして、ドロップアウトやS/N比の低下による電磁変換特性の低下を防止できると共に、ガイドローラあるいは磁気ヘッド、テープ相互との接触面積は小さくまた、その硬度バランスが適度に保持され、基本的な走行性および耐久性はきわめて良好なものとなるのである。

0034

本発明は、上記基材フィルム上の片面に磁性層を設けた磁気記録媒体である。

0035

磁性層を形成する方法は、強磁性粉末を各種バインダーを用いて磁性塗料とし基材フィルム上に塗布する湿式法蒸着法、スパッタリング法イオンプレーティング法などの乾式法があり、特に限定されるものではないが、ここでは湿式法を例にとって説明する。

0036

磁性体となる磁性粉末の種類は特に限定されないが、強磁性粉末、例えば、酸化鉄酸化クロム、Fe,Co、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Co−Ni等が好ましく用いられる。

0037

磁性粉末は各種バインダーを用いて磁性塗料とすることができるが、熱硬化性樹脂系バインダーおよび放射線硬化系バインダーが好ましく、その他添加剤として分散剤潤滑剤、帯電防止剤等を用いてもよい。例えば、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体ポリウレタンプレポリマおよびポリイソシアネートよりなるバインダーを用いることができる。

0038

また本発明の磁気記録媒体の基材フィルムはもちろん単層フィルムでも用いられるが、積層フィルムであっても良い。積層フィルムとする時は、本発明の磁気記録媒体の基材フィルムと基層部(積層された本発明の基材フィルム以外のフィルム構成部分)は同じ種類でも異なるものでも良い。この基層部を構成する少なくとも一層にも粒子を含有していてもよく、粒子の種類、粒子の平均一次粒径、含有量は本発明に望ましく用いられるものを、使用することが望ましい。基層部における粒子の径が積層された本発明の基材フィルム中の粒子の径よりも大きいと、基材フィルム表面に適度のうねりを持たせる事ができテ−プ走行性がより一層良好となるので望ましい。

0039

本発明の磁気記録媒体における基材フィルムの厚みは好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜20μm、更に好ましくは2〜10μmであると薄膜の磁気記録媒体として本発明の効果である優れた走行性、電磁変換特性が実現されるので望ましい。

0040

本発明の磁気記録媒体における基材フィルムの加重下100℃、10分間での寸法変化率は2%以下、好ましくは1%以下である。2%以下にすることによって温度変化あるいは緊張下におけるテープの寸法変化が小さくでき、高密度化に耐えうる良好な電磁変換特性を確保できる。

0041

本発明の磁気記録媒体における基材フィルムの伸度は10%以上、より好ましくは20%以上、更に好ましくは30%以上であるとテープが適度な柔軟性を持つので望ましい。

0042

また、本発明の磁気記録媒体に用いる芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドフィルム塩化メチレンで抽出したときの抽出残渣重量比にして0.2%以下であることが好ましい。塩化メチレンで抽出できる低分子量成分等がフィルム中に多く残っていると過酷な環境下で長期に使用したときこれら成分が析出して磁気記録媒体表面粘り気を帯びるようになり、その結果走行時にローラ等に巻き付きやすくなって録再特性及び走行性を損ねる結果となる。

0043

これらの特性は、積層された場合には積層フィルムについても満足することが好ましい。

0044

また、本発明の磁気記録媒体を得るためには、その基材フィルムの重合・製膜工程は重要である。芳香族ポリアミドを得る方法は例えば、低温溶液重合法界面重合法溶融重合法固相重合法などが挙げられるが、本発明には溶液系にての重合が適している。

0045

以下、本発明の効果をより明確にするため、例として低温溶液重合法として酸クロリドとジアミンから得るケースを用い説明する。

0046

重合溶媒としては公知の溶媒例えばN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミドDMAc)、ジメチルホルムアミドDMF)などの非プロトン性有機極性溶媒を用いる。この時重合溶媒中の水分等の不純物は極力除かれていなければならず、水分率は200ppm以下、好ましくは100ppm以下、更に好ましくは50ppm以下であると良い。また、溶解助剤として塩化リチウム臭化リチウム塩化カルシウムなどを加えても良い。次にジアミン及び酸クロリドを添加する。芳香族ポリアミドの場合高重合度化のためにはジアミン及び酸クロリドの等量性は非常に重要であるが、末端カルボキシル基の生成を抑制するためにはジアミン成分に対する酸クロリド比率を98.5%〜95%、好ましくは98%〜96%の間にすることが重要である。

0047

また、カルボキシル基の濃度は7ミリ等量/kg以下であり、好ましくは5ミリ等量/kg以下である。カルボキシル基濃度がこの範囲を超えると金属イオンの吸着あるいは吸湿による膨張が大きく本発明の目的を達成することが困難である。

0048

また、酸クロリドは水分その他の要因で分解していることが多いが、本発明に用いる酸クロリドの純度は99.9%以上の純度を有することが好ましい。

0049

また、反応容器としてはなるだけ効率的に撹拌できるものを用いることが好ましい。

0050

また、ポリマ溶液は、単量体として酸クロリドとジアミンを使用すると塩化水素が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウム炭酸カルシウム炭酸リチウムなどの無機の中和剤、またエチレンオキサイドプロピレンオキサイドアンモニアトリエチルアミントリエタノールアミンジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用される。後者の有機の中和剤はポリマ溶液中の金属イオン量を減らすのに有効であり、好ましく用いられるが、フィルム中に残存すればにじみだし等の諸問題を誘起し、使用に注意が必要である。

0051

上記の様な方法によって得られたポリマー溶液は一様な重合の進行の結果、重合度が高くまた分散度を小さくすることができ、数平均分子量を重量平均分子量で除した値が本発明に好適な1.2以上3.5以下、より好ましくは1.2以上2以下の範囲とすることができる。

0052

これらポリマ溶液はそのまま製膜原液として使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してから上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤再溶解して製膜原液を調製してもよい。またポリマ濃度は2〜40重量%程度が好ましい。

0053

本発明の芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドフィルムを得るためにはポリマの固有粘度(ポリマ0.5gを硫酸中で100mlの溶液として30℃で測定した値)は、0.5以上であることが好ましい。

0054

粒子の添加方法は、特に制限はないが、凝集度の調整,粗大突起出現を抑制するためには、例えば、粒子を予め10ポイズ好ましくは1ポイズ以下の溶媒中に分散させる方法を挙げることができる。溶媒としては、製膜時に用いるものと同一であることが好ましいが、特に悪影響が見られないときには、他の溶媒を用いて差し支えない。また、これら溶媒には分散助剤等の添加物が分散に悪影響を及ぼさない範囲で用いられて構わない。粒子の分散には撹拌分散器、ボールミル超音波分散器等を用い、本発明の範囲内に粒子径、凝集度を調整する。

0055

この分散された粒子は前記ポリマ溶液に混合するが、混合にあたっては重合前の溶媒に添加あるいは重合後に添加あるいはポリマ溶液調整時に添加してもよく、さらにはキャスト直前でも構わないが、原液中に均一に分散されていることが走行性の確保の点で重要である。

0056

上記のように調製された製膜原液は、いわゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製膜法には乾湿式法、乾式法、湿式法などがありいづれの方法で製膜されても差し支えないが、ここでは乾湿式法を例にとって説明する。

0057

乾湿式法で製膜する場合は該原液を口金からドラムエンドレスベルト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性をもつまで乾燥する。乾燥条件は例えば、室温〜220℃、60分以内の範囲、好ましくは室温〜200℃の範囲で行うことができる。またこの乾燥工程で用いられるドラム、エンドレスベルトの表面欠点頻度を制御することは粗大突起の制御の観点から好ましく、例えば、径が30μm以上の表面欠点頻度が0.001〜0.02個/mm2 、好ましくは0.002〜0.015個/mm2 であればよい。乾式工程を終えたフィルムは支持体から剥離されて湿式工程に導入され、上記の湿式法と同様に脱塩脱溶媒などが行なわれ、さらに延伸、乾燥、熱処理が行なわれてフィルムとなる。

0058

この工程において湿式工程、延伸・熱処理工程は重要な役割をもつ。上記のように調製されたポリマはカルボキシル基濃度が低減され、また、芳香核に官能基を有することで金属イオンをスムースに除去できるのであるが、湿式工程を制御することでより好適なフィルムとすることができる。

0059

本発明の芳香族ポリアミドあるいは芳香族ポリイミドに対しては水を脱溶媒としても構わないが、水と有機溶媒との混合媒を好適に用いることができる。この時有機溶媒としては水溶性であり、好ましくは重合溶媒と同様、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロトン性有機極性溶媒が好ましい。温度は60℃以上であればより容易に目的を達することができる。

0060

また、好適な延伸・熱処理工程は、より秩序だった高次構造を与え、湿度膨張係数の低下に寄与する。延伸は延伸倍率として面倍率で1.1〜8.0(面倍率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積で除した値で定義する。1以下はリラックスを意味する。)の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1.3〜5.0あるいは最高延伸倍率の70%以上である。この時なるだけ大きな延伸倍率をとることが湿度膨張係数の低下に有効である。また、分子鎖充填度を上げ、湿度膨張係数の低下のためには200℃〜500℃、好ましくは250℃〜400℃の温度で数秒から数分間熱処理が好ましく実施される。さらに、延伸あるいは熱処理後のフィルムを徐冷する事は有効であり、50℃/秒以下の速度で冷却する事が有効である。

0061

なお本発明の磁気記録媒体に用いる基材フィルムは、積層フィルムであってもよい。例えば2層の場合には、重合した芳香族ポリアミド溶液を二分し、それぞれ異なる粒子を添加した後、積層する。さらに3層以上の場合も同様である。これら積層の方法としては、周知の方法たとえば、口金内での積層、複合管での積層や、一旦1層を形成しておいてその上に他の層を形成する方法などがある。

0062

次にこのフィルムに磁性層を形成する。磁性層を形成する方法は公知の方法で行うことができるが、湿式法の場合には、グラビアロールを使用する方法が塗膜均一性の点ではより好ましい。塗布後の乾燥温度は90℃〜150℃が好ましい。またカレンダー工程は25℃〜150℃の範囲で行うのが好ましい。

0063

この後、磁性層と反対側の面に更に走行性を向上させるために、公知の方法によりバックコート層を設けてもよい。

0064

更に、必要に応じこの磁性層を形成したフィルムをキュアし、後にスリットして本発明の磁気記録媒体となる。

0065

こうして得られた磁気記録媒体は、小型化、薄型化が可能なためコンパクトで大容量のデータを記録でき、ビデオオーディオ用にはもちろんのこと、なおかつ温度・湿度による寸法変化が少ないことで、とりわけコンピューターデジタルテープ等のデジタル記録材に好適である。また、高温・高湿下での走行性及び電磁変換特性にも優れるので、屋外使用に向き、ビデオカメラ用テープ等にも好適に用いることができる。

0066

本発明の物性の測定方法、効果の評価方法は次の方法による。

0067

(1)金属イオン量
フィルム0.7グラムを精し、白金坩堝中で550℃以上に加熱して灰化させた。この灰分を硝酸及びフッ化水素酸で溶解した後希硝酸で定容とした。この定容液をICP発光分析法あるいは原子吸光光度法により定量した。なお、単位ppmはμg/gである。但し、粒子添加に起因する部分は除いてある。

0068

(2)引張りヤング率
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて測定した。試験片は10mm幅で50mm長さ、引っ張り速度は300mm/分である。E20のサンプル準備には恒温恒湿槽を用い、48時間調温調湿したサンプルを槽から取り出し素早く測定した。

0069

(3)寸法変化率
荷重0.5kg/mm2 をかけて温度100℃で10分間オーブン中にいれ、室温に戻した後寸法をはかり下式により計算した。

0070

ID=000009HE=020 WI=076 LX=1120 LY=0650
(4)湿度膨張係数
25℃の恒温に保たれかつ調湿可能な環境に、理学電機社製熱機械分析計を設置し、相対湿度30%RHから90%RHの領域におけるフィルムの寸法変化を測定し、次式により計算して求めた。

0071

湿度膨張係数=(寸法変化量(mm))/((90−30)×試長(mm))

0072

(5)末端カルボキシル基濃度
実験窒素雰囲気中で行った。熱水にて遊離酸性成分を除去したフィルム0.2gを秤量し、0.001規定の水酸化ナトリウムの水/エタノール=1/1溶液25mlを加え、4時間加熱還留を行った。ついでポリマを濾別後エタノールで洗い、濾液及びこの洗液を0.001規定塩酸滴定して求めた。

0073

(6)塩化メチレン抽出率
フィルム10gを計り取りソックスレー抽出器を用い24時間抽出した。ついで、抽出液エバポレータ蒸発乾固し残さ重量を求め次式により求めた。

0074

塩化メチレン抽出率=(残さ重量(g)/フィルム重量(g))×100

0075

(7)ブロックエラーレート
得られたフィルムに対し、フィルム製膜時において金属ベルトに接しない側の表面に次の組成からなる磁性塗料を調製し、グラビアロールで磁性層として2μmの厚みになるように磁性塗料を塗布し、硬化した後カレンダー処理を行った。

0076

磁性粉金属粉) 80重量部
塩ビ系共重合体20重量部
ポリウレタン10重量部
硬化剤5重量部
研磨剤5重量部
トルエン100重量部
メチルエチルケトン100重量部
こうして磁性層を形成したテープを1/2インチにスリットしカセットに組み込み試料とした。ついで1kHzの正弦波信号を5分間記録する。これを80℃、90%RHの環境下1ヶ月おき、その後再生を行った。再生時にはエラー信号カウントし、1秒当たりエラー数所定ブロック数で除して求め、次の3段階で評価した。

0077

◎:10-4を越える
○:10-3〜10-4
×:10-3未満

0078

(8)走行性
フィルムを幅1/2インチのテ−プ状にスリットしたものをテ−プ走行性試験機SFT−700型((株)横ステム研究所製)を使用し、40℃、80%RH雰囲気で走行させ摩擦係数を下記の式より求めた。

0079

μK=0.733log(T2 /T1 )
ここでT1 は入側張力、T2 は出側張力である。ガイド径は6mmφであり、ガイド材質はポリオキシメチレン(表面粗さ20〜40nm程度のもの)巻き付け角は90゜、走行速度は3.3cm/秒、繰返しストロ−クは15cmである。この測定によって得られた10パス目のμKをμK10、100パス目のμKをμK100 とした時、μK100/μK10が0.8以上1.2以下の場合は走行性を○、この範囲以外は走行性×と判定した。なお、静電気の影響を避けるため、フィルムは毎回除電後測定に供した。

0080

以下に実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0081

実施例1〜6、比較例1〜3
但し、原料欄に示す各略記号はそれぞれ次の通りである。また各略記号前につく数字は置換基の置換部位を示す。(例、3,3'-DMB:3,3'-ジメチルベンジジン
芳香族ジアミン成分
PA:パラフェニレンジアミン
CPAクロロパラフェニレンジアミン
DMB:ジメチルベンジジン
DOB:ジメトキシベンジジン
AEジアミノジフェニルエーテル
酸クロリド成分:
TPC:テレフタロイルクロリド
IPC:イソフタロイルクロリド
CTPC:クロロテレフタロイルクロリド

0082

実施例1
N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分として80モル%に相当する2−CPAと、20モル%に相当する4,4’−DAEとを溶解させ、これに98モル%に相当する2−CTPCを添加し、2時間撹拌して重合を完了した。これを水酸化リチウムで中和して、ポリマ濃度10重量%、粘度2900ポイズの芳香族ポリアミド溶液を得た。ついで、この溶液に、平均一次粒径16nm、モース硬度が7であるシリカ粒子をポリマ当たり2重量%添加し、撹拌してポリマ溶液とした。

0083

このポリマ溶液を5μmカットフィルタ−を通した後、SUS製ベルト上に流延し、180℃の熱風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に60℃に保った水/NMP比がそれぞれ1/1,2/1,5/1及び10/0の濃度比を持つ複数の水槽内へフィルムを導入して残存溶媒および無機塩の抽出を行ない、テンタ−で水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間にフィルム長手方向と幅方向に各々1.2倍、1.3倍延伸を行ない、280℃で1.5分間乾燥と熱処理を行なった後、20℃/秒の速度で徐冷した。

0084

このフィルムの金属イオン濃度は10ppm、ヤング率E20は1230kg/mm2 、寸法変化率は0.3%、湿度膨張係数は11×10-6、末端カルボキシル基濃度は4ミリ当量/kg、塩化メチレン抽出率は0.2%以下、数平均分子量/重量平均分子量の比は1.9であった。

0085

次にこのフィルムから得られたテープあるいは磁気記録媒体について、ブロックエラーレート、走行性を測定すると共に良好であった。さらに、40℃で100回繰り返し走行を行った後に再度ブロックエラーレートを測定してみても良好であった。

0086

実施例2
N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分として80モル%に相当する3,3’−DOBと、20モル%に相当する4,4’−DAEとを溶解させ、これに97モル%に相当する2−CTPCを添加し、2時間撹拌して重合を完了し、フィルムの延伸を長手方向に1.1倍、幅方向に1.45倍すること以外は実施例1と同様にして厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。

0087

このフィルムの金属イオン濃度は8ppm、ヤング率E20は1250kg/mm2、寸法変化率は0.2%、湿度膨張係数は9×10-6、末端カルボキシル基濃度は3ミリ当量/kg、塩化メチレン抽出率は0.2%以下であった。

0088

次にこのフィルムから得られたテープあるいは磁気記録媒体について、前記の方法でブロックエラーレート、走行性を測定すると共に良好であった。

0089

実施例3
NMPに芳香族ジアミン成分として50モル%に相当する3,3’−DMBと、50モル%に相当する2−CPAを溶解させ、これに98モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌して重合を完了した。これを実施例1と同様の方法で厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。

0090

このフィルムの金属イオン濃度は8ppm、ヤング率E20は1400kg/mm2、寸法変化率は0.1%、湿度膨張係数は9×10-6、末端カルボキシル基濃度は2ミリ当量/kg、塩化メチレン抽出率は0.1%であった。

0091

次にこのフィルムから得られたテープあるいは磁気記録媒体について、前記の方法でブロックエラーレート、走行性を測定すると共に良好であった。

0092

実施例4
NMPに芳香族ジアミン成分として60モル%に相当する3,3’−DMBと、40モル%に相当する3,4’−DAEとを溶解させ、これに96モル%に相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2時間撹拌して重合を完了した。これを実施例1と同様の方法で厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。

0093

このフィルムの金属イオン濃度は10ppm、ヤング率E20は900kg/mm2、寸法変化率は0.8%、湿度膨張係数は13×10-6、末端カルボキシル基濃度は2ミリ当量/kg、塩化メチレン抽出率は0.2%以下であった。

0094

フイルムを磁気記録媒体とするときには更に、非磁性面に対し次の組成からなるバックコート層を設けた。バックコート層用塗料は次の組成からなる。

0095

カーボンブラック100重量部
塩ビ系共重合体20重量部
ポリウレタン50重量部
トルエン200重量部
メチルエチルケトン400重量部
このフィルムから得られたテープあるいは磁気記録媒体について、前記の方法でブロックエラーレート、走行性を測定すると共に良好であった。

0096

実施例5
NMPに芳香族ジアミン成分として85モル%に相当する2−CPA、15モル%に相当する3,4’−DAEを溶解させ、これに5モル%に相当する3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を添加して30分間撹拌し、冷却後93モル%に相当する2−CTPCを加えてさらに2時間重合してポリアミド酸溶液を得た。

0097

この溶液に、一時粒径16μmの乾式シリカをポリマ当たり2wt%添加した。

0098

このポリマ溶液を熱処理温度を420℃とした以外は実施例1と同様の方法で厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。

0099

このフィルムの金属イオン濃度は7ppm、ヤング率E20は1420kg/mm2、寸法変化率は0.2%、湿度膨張係数は12×10-6、末端カルボキシル基濃度は4ミリ当量/kg、塩化メチレン抽出率は0.2%以下であった。

0100

次いでこのフィルムから得られたテープあるいは磁気記録媒体について、前記の方法でブロックエラーレート、走行性を測定すると共に良好であった。

0101

実施例6
中和剤として水酸化リチウムに代えてプロピンオキシド及びトリエチルアミンを用いた他は実施例1の方法で重合を終了し、また有機溶媒/水浴に代えて水浴を用いた以外は同様にフィルムを得た。

0102

このフィルム中の金属イオンはほとんど検出されず、また、ヤング率E20は1250kg/mm2 、寸法変化率は0.4%、湿度膨張係数は12×10-6、末端カルボキシル基濃度は3ミリ当量/kg、塩化メチレン抽出率は0.3%以下であった。

0103

次いでこのフィルムから得られたテープあるいは磁気記録媒体について、前記の方法でブロックエラーレート、走行性を測定すると共に良好であったが、さらに40℃で100回繰り返し走行を行なった後に再度走行性及びブロックエラーレートを測定すると合格ベルであるが、初期のものより低下していた。また、テープには若干の傷が認められ、長期的使用あるいはデジタルテープのような高信頼性が要求される用途には向きそうにないことが示唆された。

0104

比較例1
実施例1と同じポリマ溶液を5μmカットのフィルタ−を通した後、SUS製ベルト上に流延し、200℃の熱風で5分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を得たフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に70℃に保った水槽内で実施例の抽出時間の1/3だけ通じ残存溶媒および無機塩の抽出を行ない、その後は実施例1と同様の方法で厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。

0105

このフィルムの金属イオン濃度は120ppm、ヤング率E20は1200kg/mm2 、寸法変化率は0.5%、湿度膨張係数は15×10-6、末端カルボキシル基濃度は4ミリ当量/kg、塩化メチレン抽出率は0.3%であった。

0106

次いでこのフィルムから得られたテープあるいは磁気記録媒体について、前記の方法でブロックエラーレート、走行性を測定すると走行性は良好であったが、エラー頻度はやや悪かった。また、40℃で100回繰り返し走行を行った後に再度走行性、ブロックエラーレートを測定してみると劣化が認められた。

0107

比較例2
NMPに芳香族ジアミン成分として100モル%に相当するPAを溶解させ、−10℃に冷却する。これに100モル%に相当するTPCを添加し、重合中に析出する固体は小さく粉砕しながら2時間撹拌して重合を完了した。この固形物スラリーを水中にて沈殿,水洗し、濃硫酸に溶解して、芳香族ポリアミド溶液を得た。この溶液に、一次粒径16nmの乾式シリカをポリマ当たり2wt%添加した。このポリマ溶液を5μmカットのフィルタ−を通した後、金メッキしたベルト上へ流延し、85%RHの雰囲気下において等方性溶液となるまでおき、ついで水槽に導いて凝固させ、この凝固フィルムをベルトから剥離して水洗、ついで中和のため、0.1%苛性ソーダ水溶液の槽へ通じ、その後水槽へ通じた。以下実施例1と同様の方法で厚さ10μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。

0108

このフィルムの金属イオン濃度は500ppm、ヤング率E20は1320kg/mm2 、寸法変化率は0.3%、湿度膨張係数は25×10-6、末端カルボキシル基濃度は25ミリ当量/kg、塩化メチレン抽出率は0.2%以下であった。

0109

次いでこのフィルムから得られたテープあるいは磁気記録媒体について、前記の方法でブロックエラーレート、走行性を測定すると走行性はまあまあであったが、エラー頻度はやや悪かった。しかし、40℃で100回繰り返し走行を行った後に再度走行性、ブロックエラーレートを測定してみるとさらに劣化が認められた。

0110

比較例3
N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分として70モル%に相当する2−CPAと、30モル%に相当する4、4’−DAEとを溶解させ、これに48モル%に相当するIPC、50モル%に相当する2−CTPCを添加し、2時間撹拌して重合を完了した。以下実施例1と同様の方法でポリマ溶液及び厚さ6μmの芳香族ポリアミドフィルムを得た。この間にフィルム長手方向と幅方向に各々1.2倍、1.3倍延伸を行ない、280℃で1.5分間乾燥と熱処理を行なった後、20℃/秒の速度で徐冷した。

0111

このフィルムの金属イオン濃度は10ppm、ヤング率E20は780kg/mm2、寸法変化率は2.2%、湿度膨張係数は16×10-6、末端カルボキシル基濃度は4ミリ当量/kg、塩化メチレン抽出率は0.2%以下であった。

0112

次いでこのフィルムから得られたテープあるいは磁気記録媒体について、前記の方法でブロックエラーレート、走行性を測定した。走行性、ブロックエラーレートはまあまあであったが、40℃で100回繰り返し走行を行った後に再度ブロックエラーレートを測定してみると劣化が認められた。

0113

発明の効果

0114

本発明は、上述した芳香族ポリアミドからなる基材フィルムを使用し、芳香族ポリアミド本来の優れた力学的性能を損なうことなくかつ、加重下100℃における寸法変化率が2%以下であり、また、該基材フィルム中に含まれる金属イオンが50ppm以下とすることができ、屋外使用に好適な磁気記録媒体が得られたものである。

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