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課題
解決手段
概要
背景
冒頭に述べた方法を使用し、かつ上述の種類の製造ラインを使用することによって、熱延鋼帯から連続的な処理プロセスで良質の冷延鋼帯を形成することができる。各処理プロセスはそれぞれ熱延鋼帯処理区間と冷延鋼帯処理区間に分割され、その場合にまず熱延鋼帯として製造ラインへ供給される鋼帯が熱延鋼帯処理区間から連続的に冷延鋼帯処理区間へ送られる。
米国特許公報US−PS5197179から知られた冒頭で述べた種類の製造ラインにおいては、熱延鋼帯処理区間は圧延プロセス以外の処理区間を持たない。圧延によって鋼帯は組織に関しても表面に関しても、それに続いてすぐに冷延鋼帯処理へ供給できるように作り替えられる。この冷延鋼帯処理は、公知の製造ラインにおいては特に鋼帯の焼きなまし、酸洗及び延伸平坦化を含む。
公知の製造ラインによって比較的短い製造時間の間に大量の鋼帯を形成することができる。その場合に他の利点は、個々の処理区間が直接互いに連続していることによって、公知のラインは最少の人員とエネルギコストで駆動できることである。しかしこの利点に対してこの種の製造ラインを実際にテストした際に提示された欠点は、この種のラインで製造された冷延鋼帯の品質が、多くの場合にこの種の鋼帯に課せられる高い要請を満たせないことである。
概要
ステンレス鋼帯等の冷延鋼帯を製造する方法であって、製造ラインに鋼帯が熱延鋼帯として供給されて、圧延プロセスを受け、かつ製造ラインにおいて次に鋼帯は、組織を変化させる他のプロセスを介在させずに連続的に冷延鋼帯処理へ供給される、鋼帯を製造する方法および製造ラインに基づいて、最高の品質要請をも満足させることのできる冷延鋼帯を製造する。
目的
本発明の課題は、上述の製造ラインとそれに対応する方法に基づいて、最高の品質要請をも満足させることのできる冷延鋼帯を製造する方法と製造ラインを提供することである。
効果
実績
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請求項1
冷間圧延鋼帯(S)を製造する、特に製造ライン(1)において冷間圧延されたステンレス鋼帯を製造する方法であって、前記製造ラインに鋼帯(S)が熱間圧延鋼帯として供給されて、圧延プロセスを受け、かつ製造ラインにおいて次に鋼帯は、組織を変化させる他のプロセスを介在させずに連続的に冷間圧延鋼帯処理へ供給される、鋼帯を製造する方法において、鋼帯(S)が圧延プロセスより前に化学的および/または電解によるプロセスで完全にスケール除去されることを特徴とする冷間圧延鋼帯の製造方法。
請求項2
鋼帯(S)が、化学的および/または電解によるスケール除去に加えて、機械的にスケール除去されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
請求項3
請求項4
冷間圧延鋼帯処理区間が、表面仕上げ処理の処理区間を含むことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
請求項5
鋼帯(S)が焼きなましと酸洗/不働態化の間で延伸平坦化されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
請求項6
鋼帯の焼きなましが保護ガス下で行われることを特徴とする請求項3から5までのいずれか1項に記載の方法。
請求項7
酸洗/不働態化が化学的および/または電解プロセスとして実施されることを特徴とする請求項3から6までのいずれか1項に記載の方法。
請求項8
請求項9
熱間圧延鋼帯として製造ライン(1)へ供給される鋼帯(S)を圧延する圧延スタンド(9)を含む熱処理区間(2)と、熱間圧延鋼帯処理区間に連続する冷間圧延鋼帯処理区間(3)とを有する冷間圧延鋼帯(S)を製造する製造ラインにおいて、移送方向(F)において熱間圧延鋼帯処理区間(2)の圧延スタンド(9)の上流に鋼帯(S)を完全にスケール除去するための化学的および/または電解による方法で作動する装置(8)が配置されていることを特徴とする冷間圧延鋼帯の製造ライン。
請求項10
スケール除去する装置(8)が鋼帯(S)をさらに機械的にスケール除去する手段を有することを特徴とする請求項9に記載の製造ライン。
請求項11
請求項12
請求項13
鋼帯(S)の移送方向(F)において圧延スタンド(9)の下流に鋼帯(S)の脱脂装置(10)が配置されていることを特徴とする請求項9から12までのいずれか1項に記載の製造ライン。
請求項14
移送方向(F)において圧延スタンド(9)の下流に別の鋼帯貯留機(11)が配置されていることを特徴とする請求項9から13までのいずれか1項に記載の製造ライン。
請求項15
冷間圧延鋼帯処理区間(3)に焼きなまし装置(12)、鋼帯(S)を延伸平坦化する第1の装置(13)、鋼帯(S)を酸洗または不働態化する装置(14)、鋼帯(S)をスキンパス圧延または後圧延する装置(16)、および延伸平坦化する第2の装置(17)が順次設けられていることを特徴とする請求項9から14までのいずれか1項に記載の製造ライン。
請求項16
鋼帯(S)の移送方向(F)において冷間圧延鋼帯処理区間(3)の最後に表面仕上げ装置(19)が配置されていることを特徴とする請求項9から15までのいずれか1項に記載の製造ライン。
請求項17
鋼帯(S)の移送方向(F)において冷間圧延鋼帯処理区間(3)の最後に、鋼帯(S)のテクスチャーを検査する装置(18、20)が配置されていることを特徴とする請求項9から16までのいずれか1項に記載の製造ライン。
請求項18
技術分野
0001
本発明は、冷間圧延鋼帯(「冷延鋼帯」、「コールドストリップ」)を製造する方法、特に製造ラインにおいて冷間圧延ステンレス鋼帯を製造する方法であって、製造ラインに鋼帯が熱間圧延鋼帯(「熱延鋼帯」、「ホットストリップ」)として供給されて圧延プロセスを受け、次に製造ラインにおいて鋼帯が、組織を変化させる他のプロセスを介在させずに冷延鋼帯処理へ供給される、鋼帯を製造する方法に関する。さらに本発明は、熱延鋼帯として製造ラインへ供給される鋼帯を圧延する圧延スタンドを備えた熱延鋼帯処理区間と、熱延鋼帯処理区間に続く冷延鋼帯処理区間とを有する、冷延鋼帯を製造する製造ラインに関する。
背景技術
0002
冒頭に述べた方法を使用し、かつ上述の種類の製造ラインを使用することによって、熱延鋼帯から連続的な処理プロセスで良質の冷延鋼帯を形成することができる。各処理プロセスはそれぞれ熱延鋼帯処理区間と冷延鋼帯処理区間に分割され、その場合にまず熱延鋼帯として製造ラインへ供給される鋼帯が熱延鋼帯処理区間から連続的に冷延鋼帯処理区間へ送られる。
0003
米国特許公報US−PS5197179から知られた冒頭で述べた種類の製造ラインにおいては、熱延鋼帯処理区間は圧延プロセス以外の処理区間を持たない。圧延によって鋼帯は組織に関しても表面に関しても、それに続いてすぐに冷延鋼帯処理へ供給できるように作り替えられる。この冷延鋼帯処理は、公知の製造ラインにおいては特に鋼帯の焼きなまし、酸洗及び延伸平坦化を含む。
0004
公知の製造ラインによって比較的短い製造時間の間に大量の鋼帯を形成することができる。その場合に他の利点は、個々の処理区間が直接互いに連続していることによって、公知のラインは最少の人員とエネルギコストで駆動できることである。しかしこの利点に対してこの種の製造ラインを実際にテストした際に提示された欠点は、この種のラインで製造された冷延鋼帯の品質が、多くの場合にこの種の鋼帯に課せられる高い要請を満たせないことである。
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
0006
この課題は、方法に関しては、鋼帯を圧延プロセスの前に化学的および/または電気分解のプロセスにおいて完全にスケール除去することによって解決される。圧延プロセスの前に鋼帯を完全にスケール除去することによって、そうでない場合には鋼帯上に付着するスケールが圧延の間に鋼帯内に圧入されることが防止される。このようにして鋼帯表面の損傷が防止され、圧延の間均一な力分布が得られる。同時に場合によっては組み合わされる化学的または電気分解のスケール除去プロセスによって、スケール除去処理自体が鋼帯表面を著しく傷つけないことが保証される。
0007
そのために本発明によりスケール除去するために提案された、処理された鋼帯の表面をほとんど傷つけない方法を用いて完全にスケール除去することによって、熱延鋼帯として本発明による製造ラインに供給される所定に処理された鋼帯は圧延処理後も光沢のある滑らかな表面を有する。本発明による製造ラインの熱延鋼帯処理区間を出て行くときの鋼帯のこの状態は、この鋼帯から後続の冷延鋼帯処理において最高の品質要請を満足させる冷延鋼帯を製造することを可能にする。
0008
それぞれ鋼帯の特性に従って、化学的および/または電解によるスケール除去に加えて鋼帯のスケールを機械的に除去することが必要となり、あるいは重要となる場合がある。しかしその場合に、この機械的なスケール除去によって、後続の圧延プロセスではもはや補償できない鋼帯表面の損傷がもたらされることのないように注意しなければならない。
0009
鋼帯は、熱延鋼帯処理区間の圧延プロセスを通過した後に、従来の方法で冷延鋼帯処理区間において焼きなまし、酸洗/不働態化(場合によっては化学的および/または電解プロセスとして実施することができる)並びに延伸平坦化という鋼帯処理区間を通過することができる。その場合に所望の製造品質に従って焼きなまし処理を同様に公知の方法で保護ガス下で行うべき場合もある。
0010
また、多くの使用目的のためには、冷延鋼帯処理区間内で表面仕上げを行うことが必要となる。その場合に表面仕上げは、鋼帯のグライディング研磨、ポリシング研磨、着色、エンボス加工、ライニング、またはエッチングを含むことができる。同様に加工すべき鋼帯の特性に応じて多くの使用目的においては、鋼帯を焼きなましと酸洗/不働態化の間で延伸平坦化して、それによって酸洗/不働態化プロセスのために鋼帯の平坦性を改良するようにすることが好ましい。
0011
冷延鋼帯を製造する製造ラインに関しては、上述の課題は、移送方向において熱延鋼帯処理区間の圧延スタンドの上流に、鋼帯を完全にスケール除去する化学的および/または電解方法で作用する装置が配置されていることによって解決される。鋼帯が本発明による製造ラインの熱延鋼帯処理区間において圧延の前にスケール除去装置を通過することによって、続いて最高品質の冷延鋼帯を製造する前提となる表面特性で鋼帯を圧延することができる。
0012
圧延スタンドの上流に配置されたスケール除去する装置に適当な手段を設けて、その手段を介して鋼帯をさらに機械的にスケール除去することができ、その場合にその手段の適性は、それが鋼帯を表面を傷付けることなく十分にていねいにスケール除去することを可能にするかどうかに関係する。本発明による製造ラインの実際の使用に関しては、鋼帯の移送方向においてスケール除去する装置の上流にトリミング剪断機が配置されていると効果的である。
0013
また、鋼帯の移送方向において鋼帯のスケール除去する装置の上流に鋼帯貯留機を配置して、それを用いて鋼帯の移送速度を個々の処理ステップの実施に必要な処理時間に合わせることができる。同様に多くの使用目的においては、鋼帯の移送方向において圧延スタンドの下流に鋼帯の脱脂装置を配置して、それによって圧延後に鋼帯上に付着している不純物を鋼帯から除去することができると効果的である。
0014
熱延鋼帯処理区間の下流で鋼帯を冷延鋼帯処理区間でさらに連続的に加工することを保証するために、移送方向において熱延鋼帯処理区間の圧延スタンドの下流に他の鋼帯貯留機が配置される。本発明による製造ラインの冷延鋼帯処理区間内に、焼きなまし装置、鋼帯を延伸平坦化する第1の装置、鋼帯を酸洗または不働態化する装置、鋼帯をスキンパス圧延または後圧延する装置並びに延伸圧延する第2の装置を順次配置することができる。また、多くの場合に、鋼帯の移送方向において冷延鋼帯処理区間の最後に表面仕上げする装置を配置すると効果的である。同様に冷延鋼帯処理区間の最後に鋼帯の表面特性を検査する装置を配置することができる。
0015
冷延鋼帯処理が表面仕上げを含む場合には、表面仕上げする装置の上流と下流に検査装置を配置して、それによってまず先行する冷延鋼帯処理ステップの結果を、そして次に表面仕上げの結果自体を検査することができる。
発明を実施するための最良の形態
0016
次に、実施例を示す図面を用いて本発明を詳細に説明する。図1に、鋼帯Sを処理する本発明による製造ライン1の構成を模式的に示す。この製造ライン1は熱延鋼帯処理区間2と冷延鋼帯処理区間3に分割されている。
0017
鋼帯Sは熱延鋼帯としてアンコイラ・グループ4を介して製造ライン1の熱延鋼帯処理区間2へ供給され、その場合に新しく供給される熱延鋼帯Cの始端を溶接装置5を用いて最後に製造ライン1で加工された鋼帯Sの後端に溶接することができる。熱延鋼帯処理区間2内で鋼帯Sはまず第1の鋼帯貯留機6を通過し、それに続いて鋼帯Sの端縁をトリミングするトリミング剪断機7、スケール除去装置8、タンデム圧延スタンド9及び鋼帯Sの脱脂装置10が設けられている。
0018
スケール除去する装置8では鋼帯Sは電解または化学的な方法でスケール除去される。また、スケール除去するためにこれらの方法を組み合せて利用することも可能である。スケール除去装置8においてここには図示しない適当なブラシを補足的に使用して、それを用いて溝やすじが生じる危険なしに鋼帯Sの表面をスケール除去することができる。
0019
鋼帯Sは光沢のある滑らかな表面をもって熱延鋼帯処理区間2を出て行く。第2の鋼帯貯留機11が熱延鋼帯処理区間2と冷延鋼帯処理区間3との間に配置されており、それによって熱延鋼帯部分2から出てくる鋼帯Sが連続的に冷延鋼帯処理区間3へ移送されるのが保証される。冷延鋼帯処理区間3においては鋼帯Sはまず焼きなまし装置12を通過し、この焼きなまし装置において鋼帯は場合によっては保護ガス下で焼きなまし処理を受ける。次に延伸平坦化装置13で鋼帯Sの平坦性が改良される。その後それに続く装置14内で鋼帯Sは電解または化学的な方法で、これらの方法の組み合せによって、かつ/ないしは塩水浴によって酸洗され、あるいは不働態化される。
0020
鋼帯Sの移送方向Fにおいて酸洗または不働態化する装置14に続いて第3の鋼帯貯留機15が設けられており、その鋼帯貯留機によって焼きなましおよび酸洗/不働態化プロセスが連続的に実施できることが保証される。移送方向Fにおいて再圧延装置16の下流で鋼帯Sは第2の延伸平坦化装置17を通過する。この装置の移送方向Fにおける下流に第1の検査装置18が配置されており、この検査装置は例えば粒度または硬度計測による鋼帯Sの検査と視認チェックまたは鋼帯Sの自動検査を可能にする。
0021
それに続く装置19において鋼帯Sは例えばグラインディン研磨によって表面仕上げされる。表面仕上げの結果は第2の検査装置20を介してチェックすることができる。最後に、仕上がった冷延鋼帯Sがリコイラ21に巻取られる。