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技術 トンネル換気制御装置

出願人 株式会社東芝
発明者 渡辺孝裕小山敏博
出願日 1995年2月17日 (25年2ヶ月経過) 出願番号 1995-029642
公開日 1996年8月30日 (23年8ヶ月経過) 公開番号 1996-219513
状態 未査定
技術分野 トンネル内の通風・安全装置・運搬 非容積形送風機の制御 換気3 フィードバック制御一般 流量の制御
主要キーワード 設置区 煤煙粒子 換気機器 煤煙濃度 VI値 換気風 制御出力値 風速データ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

目的

集塵機による短絡風の発生を防止し、VI値を精度良く目標範囲内に制御できるようにする。

構成

記憶手段9には、集塵機2で短絡風が発生しないための最低のJF運転台数のデータが、集塵機風量に対応してテーブルとして記憶されている。このテーブルのデータは設定手段8により変更することが可能である。決定手段10は、記憶手段9から、演算手段5の演算結果に応じたデータを取り出し、これをJF最小運転台数NJFmin として出力する。フィードバック演算手段7は、VI上下限値とVI計4a ,4b からの計測値とを入力し、運転台数NFBを出力する。出力制限手段11は、NJFmin ,NFBのうち小さな方をJF運転台数指令値NJFOUTとして出力する。JF制御手段12は、JF運転台数がNJFOUT 台となるようにJF31 〜3n の制御を行う。

概要

背景

道路トンネルでは、自動車排気ガスによってトンネル内が汚染される。そのため、全長の長いトンネルや交通量の多いトンネルでは、汚染濃度許容値以下に維持するように機械換気が行われている。

トンネル内の汚染物質には各種のものがあるが、トンネル内の視界を低下させる原因となっている煤煙濃度主体に制御を行うことが多い。また、煤煙濃度は、一般に煙霧透過率(以下、VI値と称す。)として計測される。VI値は光の透過率を表す値であり、100%に近いほど、視界がよく煤煙濃度が低いことを意味する。このVI値を測定する装置が煙霧透過率計(以下、VI計と称する。)である。

道路トンネルの換気方式には縦流換気方式横流換気方式などがあるが、近年は縦流換気方式が主流となっている。縦流換気方式の道路トンネルでは、車道そのものを換気ダクトと見立てて、車道の長手方向に換気風を流し汚染濃度を制御している。また、換気機器としては、全長の短いトンネルではジェットファンのみを使用することが多いが、全長が長くなると集塵機を設置する場合もある。ジェットファンは換気風を車道に沿って流すための装置であり、集塵機は煤煙電気的なフィルタにより除去する装置である。この集塵機は、煤煙粒子帯電させ、集塵極板にその帯電された粒子捕集することにより、トンネル内の空気から煤煙を除去している。

従来の換気制御の方法としては、VI計の計測値に基づいたフィードバック制御が最も多く使用されている。その具体的な方法としては、例えば、VI値の目標領域を設定しておき、その領域の上下に数段階の管理レベルを設け、VI値が目標領域よりも下側の管理レベルを下回った場合には、ジェットファンの運転台数や集塵機風量を増加し、一方、目標領域よりも上側の管理レベルを上回った場合には、ジェットファンの運転台数や集塵機風量を減少させて、VI値を目標領域内に効率的に維持しようとする方法がある。

概要

集塵機による短絡風の発生を防止し、VI値を精度良く目標範囲内に制御できるようにする。

記憶手段9には、集塵機2で短絡風が発生しないための最低のJF運転台数のデータが、集塵機風量に対応してテーブルとして記憶されている。このテーブルのデータは設定手段8により変更することが可能である。決定手段10は、記憶手段9から、演算手段5の演算結果に応じたデータを取り出し、これをJF最小運転台数NJFmin として出力する。フィードバック演算手段7は、VI上下限値とVI計4a ,4b からの計測値とを入力し、運転台数NFBを出力する。出力制限手段11は、NJFmin ,NFBのうち小さな方をJF運転台数指令値NJFOUTとして出力する。JF制御手段12は、JF運転台数がNJFOUT 台となるようにJF31 〜3n の制御を行う。

目的

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、集塵機による短絡風の発生を防止し、もってVI値を精度良く目標範囲内に制御することが可能なトンネル換気制御装置を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

トンネル内に集塵機ジェットファンを有し、このトンネル内に設置された煙霧透過率計の計測値に基づき、フィードバック演算手段によりジェットファンを操作して煙霧透過率を制御するトンネル換気制御装置において、前記集塵機で短絡風が発生しないようにするためのジェットファン最小運転台数を集塵機風量に対応した形でテーブルに記憶しているジェットファン最小運転台数記憶手段と、前記集塵機の運転風量を入力し、前記ジェットファン最小運転台数記憶手段のテーブルより集塵機の運転風量に対応したジェットファンの最小運転台数を決定するジェットファン最小運転台数決定手段と、前記ジェットファンの運転台数が前記ジェットファン最小運転台数決定手段で決められた最小運転台数より小さくならないように前記フィードバック演算手段の出力に制限をつける出力制御手段と、を備えたことを特徴とするトンネル換気制御装置。

請求項2

請求項1記載のトンネル換気制御装置において、前記集塵機の吸込口から吹出口間のトンネル内風速を測定する風向風速計と、前記風向風速計の計測値と前記集塵機の運転風量とを入力し、前記ジェットファン最小運転台数記憶手段に記憶されているジェットファン最小運転台数が短絡風を防止できる値となるように自動的にジェットファン最小運転台数の設定値を学習し修正するジェットファン最小運転台数学習手段と、を備えたことを特徴とするトンネル換気制御装置。

請求項3

トンネル内に設置された煙霧透過率計に基づいて、このトンネル内に設置された集塵機とジェットファンを操作して、煙霧透過率を制御するトンネル換気制御装置において、前記集塵機で短絡風が発生しないための集塵機風量と車道内風速との風量比を設定する短絡風防止風量比設定手段と、前記集塵機運転風量と前記短絡風防止風量比設定手段で設定された短絡風防止風量比と予め設定されている風速目標値とを入力し、短絡風が発生しないように車道内の目標風速を修正する目標風速修正手段と、前記トンネル内の風速を測定する風向風速計と、前記風向風速計の計測値、前記煙霧透過率計の計測値、前記目標風速修正手段で修正された風速目標値、及び予め設定された煙霧透過率目標値を入力し、これらの入力に基いてファジィ推論によりジェットファンの運転台数を決定するファジィ推論手段と、を備えたことを特徴とするトンネル換気制御装置。

請求項4

請求項3記載のトンネル換気制御装置において、前記ファジィ推論手段は、前記ジェットファンの運転台数と共に、前記集塵機の運転風量についても決定するものである、ことを特徴とするトンネル換気制御装置。

技術分野

0001

本発明はトンネル換気制御装置係り、特に、集塵機及びジェットファンを有するトンネルにおいて、煙霧透過率目標範囲内に制御するトンネル換気制御装置に関するものである。

背景技術

0002

道路トンネルでは、自動車排気ガスによってトンネル内が汚染される。そのため、全長の長いトンネルや交通量の多いトンネルでは、汚染濃度許容値以下に維持するように機械換気が行われている。

0003

トンネル内の汚染物質には各種のものがあるが、トンネル内の視界を低下させる原因となっている煤煙濃度主体に制御を行うことが多い。また、煤煙濃度は、一般に煙霧透過率(以下、VI値と称す。)として計測される。VI値は光の透過率を表す値であり、100%に近いほど、視界がよく煤煙濃度が低いことを意味する。このVI値を測定する装置が煙霧透過率計(以下、VI計と称する。)である。

0004

道路トンネルの換気方式には縦流換気方式横流換気方式などがあるが、近年は縦流換気方式が主流となっている。縦流換気方式の道路トンネルでは、車道そのものを換気ダクトと見立てて、車道の長手方向に換気風を流し汚染濃度を制御している。また、換気機器としては、全長の短いトンネルではジェットファンのみを使用することが多いが、全長が長くなると集塵機を設置する場合もある。ジェットファンは換気風を車道に沿って流すための装置であり、集塵機は煤煙電気的なフィルタにより除去する装置である。この集塵機は、煤煙粒子帯電させ、集塵極板にその帯電された粒子捕集することにより、トンネル内の空気から煤煙を除去している。

0005

従来の換気制御の方法としては、VI計の計測値に基づいたフィードバック制御が最も多く使用されている。その具体的な方法としては、例えば、VI値の目標領域を設定しておき、その領域の上下に数段階の管理レベルを設け、VI値が目標領域よりも下側の管理レベルを下回った場合には、ジェットファンの運転台数や集塵機風量を増加し、一方、目標領域よりも上側の管理レベルを上回った場合には、ジェットファンの運転台数や集塵機風量を減少させて、VI値を目標領域内に効率的に維持しようとする方法がある。

発明が解決しようとする課題

0006

従来のフィードバックによる換気制御では、ジェットファンと集塵機の負荷バランスを考慮しておらず、ジェットファン運転台数が少ない時に集塵機を高負荷運転するような場合があった。このような運転を行うと、車道内風速よりも集塵機風量が大きくなることがあり、集塵機の設置されている区間短絡風が発生する。図11は、集塵機で短絡風が発生した場合の換気風の流れを示す説明図である。

0007

図11において、通常は、トンネル1内をA坑口側からB坑口側に換気風は流れるが、短絡風が発生した場合には、集塵機2に吸い込まれる風量QCが車道内風量Qr よりも大きいため、集塵機の吸込口と吹出口の区間Cで、車道風が通常と逆方向に流れる。逆方向に流れた風量Qは、また集塵機に吸い込まれる。このように集塵機の吹出口から出た空気が、また集塵機の吸込口に吸い込まれるのを短絡風と呼んでいる。

0008

短絡風が発生した場合の風量バランス下式の通りである。
QC=Qr +Q … (1)
QC :集塵機風量〔m3 /s〕
Qr :車道風量〔m3 /s〕
Q :短絡風量〔m3 /s〕
このように集塵機で短絡風が発生すると、集塵機の設置されている区間で通常と逆方向に換気風が流れるため、集塵機近くで換気風の流れが乱され、局部的にVI値が低下する場合がある。また集塵機で処理された空気が何回も集塵機を通過すると、煤煙粒子が過帯電されてトンネルの内装板に付着しやすくなり、内装板が汚れるといった問題が発生する。

0009

本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、集塵機による短絡風の発生を防止し、もってVI値を精度良く目標範囲内に制御することが可能なトンネル換気制御装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、トンネル内に集塵機とジェットファンを有し、このトンネル内に設置された煙霧透過率計の計測値に基づき、フィードバック演算手段によりジェットファンを操作して煙霧透過率を制御するトンネル換気制御装置において、前記集塵機で短絡風が発生しないようにするためのジェットファン最小運転台数を集塵機風量に対応した形でテーブルに記憶しているジェットファン最小運転台数記憶手段と、前記集塵機の運転風量を入力し、前記ジェットファン最小運転台数記憶手段のテーブルより集塵機の運転風量に対応したジェットファンの最小運転台数を決定するジェットファン最小運転台数決定手段と、前記ジェットファンの運転台数が前記ジェットファン最小運転台数決定手段で決められた最小運転台数より小さくならないように前記フィードバック演算手段の出力に制限をつける出力制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。

0011

請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記集塵機の吸込口から吹出口間のトンネル内風速を測定する風向風速計と、前記風向風速計の計測値と前記集塵機の運転風量とを入力し、前記ジェットファン最小運転台数記憶手段に記憶されているジェットファン最小運転台数が短絡風を防止できる値となるように自動的にジェットファン最小運転台数の設定値を学習し修正するジェットファン最小運転台数学習手段と、を備えたことを特徴とするものである。

0012

請求項3記載の発明は、トンネル内に設置された煙霧透過率計に基づいて、このトンネル内に設置された集塵機とジェットファンを操作して、煙霧透過率を制御するトンネル換気制御装置において、前記集塵機で短絡風が発生しないための集塵機風量と車道内風速との風量比を設定する短絡風防止風量比設定手段と、前記集塵機運転風量と前記短絡風防止風量比設定手段で設定された短絡風防止風量比と予め設定されている風速目標値とを入力し、短絡風が発生しないように車道内の目標風速を修正する目標風速修正手段と、前記トンネル内の風速を測定する風向風速計と、前記風向風速計の計測値、前記煙霧透過率計の計測値、前記目標風速修正手段で修正された風速目標値、及び予め設定された煙霧透過率目標値を入力し、これらの入力に基いてファジィ推論によりジェットファンの運転台数を決定するファジィ推論手段と、を備えたことを特徴とするものである。

0013

請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記ファジィ推論手段は、前記ジェットファンの運転台数と共に、前記集塵機の運転風量についても決定するものである、ことを特徴とするものである。

0014

請求項1記載の発明のトンネル換気制御装置では、まず、ジェットファン最小運転台数設定手段により集塵機風量に対応した形でジェットファンの最小運転台数をジェットファン最小運転台数記憶手段のテーブルに設定する。次に、ジェットファン最小運転台数決定手段では、集塵機の運転風量を入力し、その運転風量に対応したジェットファン最小運転台数を、ジェットファン最小運転台数記憶手段のテーブルを検索して決定する。最後に、出力制限手段では、ジェットファンの運転台数がジェットファン最小運転台数決定手段で決められた最小運転台数よりも小さくならないようにフィードバック演算手段の出力に制限を付ける。

0015

請求項2記載の発明のトンネル換気制御装置では、まず、手動でジェットファン最小運転台数設定手段により集塵機風量に対応した形でジェットファンの最小運転台数をジェットファン最小運転台数記憶手段のテーブルに設定する。また、集塵機の設置されている区間のトンネル内には風向風速計を設置し、車道内風速が計測される。次に、ジェットファン最小運転台数学習手段では、風向風速計の計測値と集塵機の運転風量とを入力し、ジェットファン最小運転台数記憶手段に記憶されているジェットファン最小運転台数が集塵機の短絡風を防止できる値となるように自動的にジェットファン最小運転台数の設定値を学習し修正を行う。ジェットファン最小運転台数決定手段では、集塵機の運転風量を入力し、その運転風量に対応したジェットファン最小運転台数を、ジェットファン最小運転台数記憶手段のテーブルを検索して決定する。最後に、出力制限手段では、ジェットファンの運転台数がジェットファン最小運転台数決定手段で決められた最小運転台数よりも小さくならないようにフィードバック演算手段の出力に制限を付ける。

0016

請求項3記載の発明のトンネル換気制御装置では、まず、短絡風防止風量比設定手段において、集塵機で短絡風が発生しないための短絡風防止風量比(集塵機風量/車道風量)を設定する。次に、風速目標値修正手段では、集塵機の運転風量と短絡風防止風量比と予め設定された車道内の風速目標値を入力し、この入力に基く演算を行なって風速目標値を修正する。

0017

次に、ファジィ推論手段では、トンネル内に設置された煙霧透過率計と風向風速計の計測値を入力し、煙霧透過率は予め設定された目標値近くになるように、また、車道内風速は目標風速修正手段で修正された風速目標値以上を維持するように、ジェットファンの運転台数を決定する。

0018

請求項4記載の発明のトンネル換気制御装置では、まず、短絡風防止風量比設定手段において、集塵機で短絡風が発生しないための短絡風防止風量比(集塵機風量/車道風量)を設定する。次に、風速目標値修正手段では、集塵機の運転風量と短絡風防止風量比と予め設定された車道内の風速目標値を入力し、この入力に基く演算を行なって風速目標値を修正する。

0019

次にファジィ推論手段では、トンネル内に設置された煙霧透過率計と風向風速計の計測値を入力し、煙霧透過率は予め設定された目標値近くになるように、また、車道内風速は目標風速修正手段で修正された風速目標値以上を維持するように、ジェットファンの運転台数を決定するが、これと共に、集塵機の運転風量をも決定する。

0020

以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は請求項1記載の発明に係る実施例を示す構成図である。この図において、道路トンネル1内の換気風は、通常、A坑口側からB坑口側に流れる。また、換気機器としては集塵機2とジェットファン31 〜3n が、センサとしてVI計4a ,4b が設置されている。なお、以下ではジェットファンをJFと称する。

0021

集塵機風量演算手段5は一定周期(例えば60分周期)で集塵機の運転風量を決定する機能を有するものであるが、この機能自体については本発明の請求範囲外のものであるため、説明を省略する。集塵機制御手段6は、集塵機風量演算手段5で決められた集塵機に対する風量指令を入力し、集塵機の風量が指定された風量となるように集塵機2のファンを制御する。また、フィードバック演算手段7はVI計4a ,4b の計測値を入力し、それらの計測値が予め設定されたVI上下値の範囲に入るようにJFの運転台数を演算する。このフィードバック演算手段7の機能も従来から実施されているものであるため説明を省略する。

0022

JF最小運転台数設定手段8はコンピュータ端末であり、キーボードから集塵機風量範囲とそれに対応したJF最小運転台数を入力し、入力された値はJF最小運転台数記憶手段9にテーブルの形で記憶される。このJF最小運転台数記憶手段はコンピュータの記憶装置である。

0023

JF最小運転台数決定手段10は、実際に運転されている集塵機の運転風量を入力し、その風量に対応したJF最小運転台数をJF最小運転台数記憶手段9のテーブルを検索して決定する。

0024

出力制限手段11は、JF最小運転台数決定手段10で決定されたJF最小運転台数を入力し、JF運転台数が最小運転台数以下とならないように、フィードバック演算手段7の出力に制限をつける。この出力制限手段11により制限を付けられた制御出力値(JF運転台数指令)はJF制御手段12に渡される。JF制御手段12では、JFの運転台数が指令された台数となるように、各JFに対して運転/停止の制御を行う。なお、JF最小運転台数決定手段10と出力制限手段11もコンピュータにより実現される。

0025

次に、図1の動作につき説明する。JF最小運転台数記憶手段9は、集塵機2で短絡風が発生しないための最低のJF運転台数を、集塵機風量に対応した形でテーブルに記憶している。このテーブルの例を図2に示す。図2において、例えば、集塵機風量が0〜30%の範囲ではJF最小運転台数は1台、30〜40%の範囲では2台となる。このテーブルに記憶されている集塵機風量の範囲とJF最小運転台数は、JF最小運転台数設定手段8により設定変更が可能である。

0026

JF最小運転台数決定手段10は、集塵機風量演算手段5の演算結果を入力し、その演算結果(集塵機運転風量)に対応したJF最小運転台数NJFmin をJF最小運転台数記憶手段9のテーブルを検索して決定する。例えば、集塵機運転風量が65%の場合、図2のテーブルからJF最小運転台数は5台となる。

0027

出力制限手段11は、JF最小運転台数決定手段10で決定されたJF最小運転台数NJFmin を入力し、JF運転台数が最小運転台数以下とならないように、フィードバック演算手段7の出力NFBに制限をつける。具体的には次式のように、NBFとNJFmin を比較し、値の大きい方を出力制限手段の出力NJFOUTとする。
NJFOUT =max(NFB,NJFmin ) … (2)
NFB :フィードバック演算手段7の出力〔台〕
NJFmin :JF最小運転台数〔台〕
NJFOUT :出力制限手段の出力(JF運転台数指令値)〔台〕
JF制御手段12は、JF運転台数指令値NJFOUT を入力し、JFの運転台数がNJFOUT 台となるように、JF31 〜3n に対して運転/停止の制御を行う。

0028

図3は請求項2記載の発明に係る実施例を示す構成図である。この図において、集塵機2の吸込口から吹出口間のトンネル内に風向風速計13が設置されており、短絡風の発生を検知することができる。短絡風が発生していない通常の状態では、A坑口側からB坑口側に換気風が流れ、風向風速計の計測値はプラスの風速となる。一方、短絡風が発生した場合には、集塵機設置区間で通常と逆の換気風が流れ、風向風速計の計測値はマイナスの値となる。

0029

JF最小運転台数学習手段14は、風向風速計13の計測値と集塵機運転風量とを入力し、集塵機2で短絡風が発生しないように、JF最小運転台数記憶手段9に記憶されているJF最小運転台数を学習し、設定値の修正を行う。

0030

具体的には、図4に示すような統計データを集計して学習を行う。図4(a)のグラフは、集塵機2の運転風量に応じた短絡風の発生回数を1週間分集計したものである。なお、短絡風の発生回数は、風向風速計13の計測値が継続して設定された時間以上マイナスの値となった場合に、短絡風の発生1回としてカウントしている。このようにしてカウントされた短絡風の発生回数がN1〔回/週〕以上となった場合に、JF最小運転台数記憶手段9に記憶されているJF最小運転台数を1台だけ増加する。図4(a)の場合は、集塵機運転風量が60〜70%の場合に短絡発生回数がN1を越えているので、この60〜70%の風量に対応したJF最小運転台数を1台増加することになる。

0031

また、図4(b)のグラフは、風向風速計13の計測値がVc〔m/s〕以上となった回数を集計したものである。なお、Vcにはプラスの値を設定する。そして、集塵機設置区間の風速がVc以上あればJFを過剰に運転していると考え、その状態の発生頻度がN2〔回/週〕以上の時にJF最小運転台数を1台だけ減少させる。図4(b)の場合は、集塵機運転風量が40〜50%の範囲で、風速Vc以上の回数がN2を越えているので、この40〜50%の風量に対応したJF最小運転台数を1台減らすことになる。

0032

図5は請求項3記載の発明に係る実施例を示す構成図である。この図において、短絡風防止風量比設定手段15は、集塵機2で短絡風を発生させないための短絡風防止風量比を設定するものである。ここでは短絡風防止風量比を下式のように定義している。
短絡風防止風量比 = 集塵機風量/車道風量 … (3)
上記(3)式の車道風量は、集塵機の設置されていない区間のトンネル1内の風量である。通常、短絡風防止風量比の値としては0.8が使用され、集塵機風量/車道風量が0.8以下となるように集塵機2を運転すれば短絡風の発生を殆ど防止できると言われている。

0033

風速目標値修正手段16は、集塵機2の運転風量Qcと、予め設定された風速目標値Vrref * と短絡防止風量比Rvとを入力し、次のようにして車道内の風速目標値を修正する。
Vrref =max(Vrref * ,Qc/Rv/Ar) … (4)
Vrref :修正された風速目標値〔m/s〕
Vrref * :予め設定されている風速目標値〔m/s〕
Qc :集塵機運転風量〔m3 /s〕
Rv :短絡防止風量比〔−〕
Ar :車道断面積〔m2 〕
また、風向風速計13は、図3の場合とは異なり、集塵機2の設置されていない区間に設置されている。

0034

ファジィ推論手段17は、まずVI計4a ,4b の計測値と、風向風速計13の計測値と、VI目標値及び風速目標値Vrref とを入力して、下記の(5),(6)式によりVI偏差ΔVI及び風速偏差ΔVrを計算する。
ΔVI=min(VI1 −VIref1 ,VI2 −VIref2) … (5)
VI1 :VI計4a の計測値〔%〕
VI2 :VI計4b の計測値〔%〕
VIref1:VI1 の目標値〔%〕
VIref2:VI2 の目標値〔%〕
ΔVr=Vr−Vrref … (6)
Vr :車道内風速計測値〔m/s〕
Vrref :車道内風速目標値〔m/s〕
なお、VIの目標値VIref1,VIref2は予め設定されている値である。

0035

次に、VI偏差ΔVIと風速ΔVrを基に、ファジィ推論によってJF運転台数の修正量ΔNJFを算出する。処理内容の詳細は以下の通りである。まず、VI偏差ΔVI及び風速偏差ΔVrの正規化を次式により行う。
ΔVI←ΔVI/SVI… (7)
ΔVr←ΔVr/SVr … (8)
SVI:ΔVIのスケールファクタ〔%〕
SVr:ΔVrのスケールファクタ〔m/s〕
そして、正規化されたΔVI及びΔVrを用いて、ファジィ推論によってJF運転台数の修正量ΔNJFを求める。入力変数であるΔVI及びΔVrに対するメンバーシップ関数図6に、出力変数ΔNJFに対するメンバーシップ関数を図7に示す。なお、出力変数ΔNJFも−1から1の範囲に正規化されている。図6及び図7において、メンバーシップ関数のラベルの意味は下記の通りである。
NB:Negative Big, NM:Negative Medium, NS:Negative Small
Z:Zero,PS:Positive Small, PM:Positive Medium, PB:Positive Big
ファジィルールとしては、例えば下記のようなルールを使用する。
If ΔVI is NB and ΔVr is NB then ΔNJF is PB.…(9)
If ΔVI is Z and ΔVr is NS then ΔNJF is PS.…(10)
If ΔVI is Z and ΔVr is Z then ΔNJF is Z.…(11)
If ΔVI is Z and ΔVr is PB then ΔNJF is NS.…(12)
If ΔVI is PB and ΔVr is PB then ΔNJF is NM.…(13)

0036

上記(9)のファジィルールは、「VI値が目標値よりもかなり低く、且つ風速も目標値よりかなり低ければ、JFの運転台数を多く増加させる。」という意味である。また、(10)のファジィルールは、「VI値が目標値近くで、風速が少し低ければ、JFの運転台数を少し増加させる。」という意味である。VI値が目標値近くでも風速が低いと、短絡の発生する可能性があるために、(10)のルールでは短絡風の発生を防止するためにJFの運転台数を増加させている。

0037

このようなファジィルールを表にまとめたのが図8である。図8の2重枠部分は、VI値が目標値以上のため、VI値だけについてみるとJFを増加する必要はなく、むしろJFを減らすべきである。しかしながら、この領域は風速が目標値よりも小さいために短絡風の発生する可能性があり、JF運転台数を増加させている。

0038

ファジィ推論で算出されたJF運転台数の修正量ΔNJFは正規化された値のため、下式により実際のスケールに戻す。
ΔNJF ← SNJF ・ΔNJF … (14)
SNJF :ΔNJFの逆正規化係数〔台〕
最後に下式により制御出力(JF運転台数)を計算する。
NJFOUT= NJF+ΔNJF … (15)
NJF :制御出力演算時点の実際のJFの運転台数〔台〕
NJFOUT :制御出力〔台〕
図9は請求項4記載の発明に係る実施例を示す構成図である。ファジィ推論手段18以外の手段については図5の内容と同様である。すなわち、図5では、ファジィ推論手段17がJFに対する制御出力のみを決定していたが、図9に示すファジィ推論手段18は、JFと共に集塵機に対する制御出力を決定している。

0039

ファジィ推論手段18で使用しているルールテーブル図10に示す。本テーブルでは、JFに対する出力と集塵機に対する出力を同じボックス内に示している。同一ボックス内の上段がJF運転台数の修正量を、下段が集塵機運転風量の修正量である。ファジィ推論手段18は、JF運転台数の修正量を推論する場合と同じようにして、集塵機運転風量の修正量ΔQCも推論する。ΔQC に対するメンバーシップ関数は、図7に示したJF運転台数修正量ΔNJFに対するメンバーシップ関数と同じである。また、ファジィ推論を行ったあと、JFの場合と同じように、集塵機に対する制御出力を次のように計算する。
QCOUT= QC +ΔQC … (16)
QCOUT:集塵機に対する制御出力〔%〕
QC :集塵機の現在の運転風量〔%〕
ΔQC :ファジィ推論で求めた集塵機運転風量の修正量〔%〕
図10のルールテーブルの2重枠部分は、VI値が目標値より高く風速が目標値より低い領域である。図5におけるファジィ推論では、集塵機の短絡風を防止するために、この領域ではJF運転台数を増加していた(図8参照)。しかし、その方式では、VI値が高いときにJF運転台数を増加するため、VI値については過剰換気電力も無駄となる。そこで、図9のファジィ推論手段18では、図10のようなルールテーブルを使用し、2重枠部分についてはJFの運転台数は変更せず、集塵機の運転風量を減少させている。これによれば、車道内風速が目標値より小さくとも、集塵機の風量を下げるため短絡風は発生しにくくなる。また、集塵機風量を下げるので、所要電力の削減にもつながる。

0040

そして、VI値が低く車道内風速が目標値よりも高い場合(図10のルールテーブルの右下の領域)は、JFに加えて集塵機風量も増加するようにしている。これにより、JFだけを操作する場合に比べて、VI値をより早く目標値近くに回復させることができる。

発明の効果

0041

請求項1記載のの発明によれば、集塵機の短絡風を防止するためのJF最小運転台数を集塵機風量に対応した形でテーブルに記憶しておき、その設定されているJF最小運転台数よりもJFの運転台数が小さくならないように、フィードバック演算手段の出力に制限をつけるので、車道内風速の低下を抑制することができ、集塵機の短絡風を防止することができる。

0042

請求項2記載の発明によれば、集塵機の短絡風を防止するためのJF最小運転台数を集塵機風量に対応した形でテーブルに記憶しておき、その記憶されているJF最小運転台数を、実際のトンネル内の風速データを基に学習を行い、適切な値に修正を行う。そして、その学習されたJF最小運転台数よりもJFの運転台数が小さくならないように、フィードバック演算手段の出力に制限をつけるので、車道内風速の低下を抑制することができ、集塵機の短絡風をより確実に防止することができる。

0043

請求項3記載の発明によれば、短絡風を防止できるように車道内の風速目標値を修正し、ファジィ推論では風速計測値とVI計測値を入力して、VIは目標値近くに、そして風速は目標値以上に維持するようにJFの運転台数を決定するので、車道内風速の低下を抑制することができ、集塵機の短絡風を防止することができる。

0044

請求項4記載の発明によれば、短絡風を防止できるように車道内の風速目標値を修正し、ファジィ推論では風速計測値とVI計測値を入力して、VIは目標値近くに、そして、風速は目標値以上に維持するように、JFの運転台数と共に集塵機の運転風量をも決定するので、必要以上にJFを運転することなく集塵機の短絡風を防止でき、また、VI値を精度良く目標値近くに維持することができる。

図面の簡単な説明

0045

図1請求項1記載の発明に係る実施例を示す構成図。
図2図1におけるJF最小運転台数記憶手段に記憶されているテーブルの内容を示す図表
図3請求項2記載の発明に係る実施例を示す構成図。
図4図3におけるJF最小運転台数学習手段の学習方法を説明するためのグラフ図。
図5請求項3記載の発明に係る実施例を示す構成図。
図6図5におけるファジィ推論手段のファジィ推論に用いられる入力変数についてのメンバーシップ関数を示す説明図。
図7図5におけるファジィ推論手段のファジィ推論に用いられる出力変数についてのメンバーシップ関数を示す説明図。
図8図5におけるファジィ推論手段のファジィ推論に用いられるルールテーブルの内容を示す図表。
図9請求項4記載の発明に係る実施例を示す構成図。
図10図9におけるファジィ推論手段のファジィ推論に用いられるルールテーブルの内容を示す図表。
図11集塵機付近の短絡風発生についての説明図。

--

0046

1トンネル
2集塵機
31 〜3n JF(ジェットファン)
4a ,4b VI計(煙霧透過率計)
7フィードバック演算手段
8 JF最小運転台数設定手段
9 JF最小運転台数記憶手段
10 JF最小運転台数決定手段
11出力制限手段
13風向風速計
14 JF最小運転台数学習手段
15短絡風防止風量比設定手段
16風速目標値修正手段
17,18ファジィ推論手段

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