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技術 酸化物磁性材料およびその製造方法

出願人 FDK株式会社
発明者 仲野輝徳真野靖彦望月武史佐々木勇下川明
出願日 1995年2月10日 (24年6ヶ月経過) 出願番号 1995-023233
公開日 1996年8月27日 (22年11ヶ月経過) 公開番号 1996-217455
状態 特許登録済
技術分野 鉄化合物(I) 造粒 硬質磁性材料
主要キーワード 電気抵抗素子 ジルコニア式酸素濃度計 酸化珪素粉 磁性材料粉 規格外品 粉体濃度 焼成パターン アトリションミル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年8月27日)のものです。
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図面 (20)

目的

本発明は、マグネタイトから作成した所望の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料およびその製造方法に関し、従来に比して簡便な設備、単純な工程で安定した高品質で、所望の飽和磁化を有する酸化物磁性材料粉を多量かつ安価に安全に提供することを目的とする。

構成

マグネタイトに、Si換算で1.1〜34.3wt%およびCa換算で0.9〜26.4wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合し、不活性ガス中で550〜1100°Cの焼成処理したマグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材およびその製造方法である。

概要

背景

従来、磁性材料粉飽和磁化を調整するには、以下の方法が用いられている。
(1)磁性粒子粉と樹脂混練し、冷却固化して粉砕し、磁性粉を得る方法。

(2)ヘマタイト粉還元する時の条件を変えることにより、ヘマタイトマグネタイト化を制御して磁性粉を得る方法。
(3) マグネタイト粉を酸化する時の条件を変えることにより、マグネタイトのヘマタイト化を制御して磁性粉を得る方法。

(4)酸化鉄粉にMg、Cu、Znなどの組成を変えて混合したものを、焼成することにより所望の飽和磁化を持つフェライト粉を得る方法。

概要

本発明は、マグネタイトから作成した所望の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料およびその製造方法に関し、従来に比して簡便な設備、単純な工程で安定した高品質で、所望の飽和磁化を有する酸化物磁性材料粉を多量かつ安価に安全に提供することを目的とする。

マグネタイトに、Si換算で1.1〜34.3wt%およびCa換算で0.9〜26.4wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合し、不活性ガス中で550〜1100°Cの焼成処理したマグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材およびその製造方法である。

目的

本発明は、これらの問題を解決するため、従来に比して簡便な設備、単純な工程で安定した高品質で、所望の飽和磁化を有する酸化物磁性材料粉を多量かつ安価に安全に提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

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請求項1

マグネタイトに、Si換算で1.1〜34.3wt%およびCa換算で0.9〜26.4wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合し、不活性ガス中で550〜1100°Cの焼成処理したマグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材料

請求項2

マグネタイトに、Si換算で1.1〜34.3wt%およびCa換算で0.9〜26.4wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合する混合工程と、この混合工程によって混合した混合物を、不活性ガス中で550〜1100°Cの焼成処理する焼成工程とを備え、マグネタイトと非磁性相が混在した粉末を製造する酸化物磁性材料の製造方法。

請求項3

マグネタイトに、Si換算で1.0〜32.2wt%、Ca換算で0.8〜24.8wt%およびP換算で0.2〜16.3wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合し、不活性ガス中で550〜1100°Cの焼成処理したマグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材料。

請求項4

マグネタイトに、Si換算で1.0〜32.2wt%、Ca換算で0.8〜24.8wt%およびP換算で0.2〜16.3wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合する混合工程と、この混合工程によって混合した混合物を、不活性ガス中で550〜1100°Cの焼成処理する焼成工程とを備え、マグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材料の製造方法。

請求項5

マグネタイトに、Si換算で1.1〜32.9wt%、Ca換算で0.8〜25.3wt%およびB換算で0.1〜11.3wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合し、不活性ガス中で550〜1000°Cの焼成処理したマグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材料。

請求項6

マグネタイトに、Si換算で1.1〜32.9wt%、Ca換算で0.8〜25.3wt%およびB換算で0.1〜11.3wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合する混合工程と、この混合工程によって混合した混合物を、不活性ガス中で550〜1000°Cの焼成処理する焼成工程とを備え、マグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材料の製造方法。

請求項7

上記焼成処理の前に、造粒処理によって上記混合物を球状顆粒とし、上記粉末を球状としたことを特徴とする請求項1あるいは請求項3あるいは請求項5記載の酸化物磁性材料。

請求項8

上記焼成処理の前に、造粒処理によって上記混合物を球状顆粒にする造粒工程を備え、上記粉末を球状としたことを特徴とする請求項2あるいは請求項4あるいは請求項6記載の酸化物磁性材料の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、マグネタイトから作成した所望の飽和磁化を持つ酸化物磁性材料およびその製造方法に関するものである。

0002

磁性流体電気抵抗素子電子写真用トナーキャリアなどに幅広く使用される酸化物磁性材料について、所望の飽和磁化を持つものを多量に安価に製造することが望まれている。

背景技術

0003

従来、磁性材料粉の飽和磁化を調整するには、以下の方法が用いられている。
(1)磁性粒子粉と樹脂混練し、冷却固化して粉砕し、磁性粉を得る方法。

0004

(2)ヘマタイト粉還元する時の条件を変えることにより、ヘマタイトのマグネタイト化を制御して磁性粉を得る方法。
(3) マグネタイト粉を酸化する時の条件を変えることにより、マグネタイトのヘマタイト化を制御して磁性粉を得る方法。

0005

(4)酸化鉄粉にMg、Cu、Znなどの組成を変えて混合したものを、焼成することにより所望の飽和磁化を持つフェライト粉を得る方法。

発明が解決しようとする課題

0006

上述した従来の方法では、その製法が煩雑で設備が大がかりになってしまう問題があった。

0007

この従来の方法に対して、簡便な設備、単純な工程で安定した高品質単相のマグネタイト粉を多量かつ安価に安定に製造することを本願発明者が見つけたが、マグネタイトの飽和磁化が一般的なスピネルフェライトに比べて高く、組成による飽和磁化の調整もできないことから、従来のフェライトが用いられてきた用途に対して置き換えるには、対象となる機器などの改造が必要となってしまう問題があった。

0008

本発明は、これらの問題を解決するため、従来に比して簡便な設備、単純な工程で安定した高品質で、所望の飽和磁化を有する酸化物磁性材料粉を多量かつ安価に安全に提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0009

図1および図13を参照して課題を解決するための手段を説明する。図1および図13において、混合工程2は、マグネタイトに、Si、Ca、あるいはSi、Ca、Pを配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体粉体を含む)を混合したり、マグネタイトに、Si、Ca、Bを配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を混合したりする工程である。

0010

造粒工程4は、混合した粉体を球状顆粒化する工程である。焼成工程5は、混合工程によって混合した混合物を、不活性ガス中で焼成処理する工程である。

0011

本発明は、図1に示すように、混合工程2においてマグネタイトに、Si換算で1.1〜34.3wt%およびCa換算で0.9〜26.4wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合し、焼成工程5において不活性ガス中で550〜1100°Cの焼成処理したマグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材料を製造するようにしている。

0012

また、図1に示すように、混合工程2においてマグネタイトに、Si換算で1.0〜32.2wt%、Ca換算で0.8〜24.8wt%およびP換算で0.2〜16.3wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合し、焼成工程5において混合工程によって混合した混合物を、不活性ガス中で550〜1100°Cの焼成処理したマグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材料を製造するようにしている。

0013

また、図13に示すように、混合工程2においてマグネタイトに、Si換算で1.1〜32.9wt%、Ca換算で0.8〜25.3wt%およびB換算で0.1〜11.3wt%を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を0.1〜4.0wt%混合し、焼成工程5において混合工程によって混合した混合物を、不活性ガス中で550〜1000°Cの焼成処理したマグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材料を製造するようにしている。

0014

これらの際に、焼成工程5の前に、造粒工程3によって混合物を球状顆粒とし、粉末を球状とするようにしている。従って、従来に比して簡便な設備、単純な工程で安定した高品質で、所望の飽和磁化を有する酸化物磁性材料粉を多量かつ安価に安全に提供することが可能となった。

0015

次に、図1から図19を用いて本発明の実施例の構成および動作を順次詳細に説明する。

0016

図1は、本発明の1実施例構成図を示す。図1において、配合工程1は、マグネタイトに、Si換算で1.1〜34.3wt%およびCa換算で0.9〜26.4wt%を配合する工程である。ここで、2者を合わせた上限は60.7wt%であり、Si/(Si+Ca)の重量比は0.23〜0.86である。また、配合工程1は、マグネタイトに、Si換算で1.1〜32.2wt%、Ca換算で0.8〜24.8wt%およびP換算で0.2〜16.3wt%を配合する工程である。ここで3者を合わせた上限は63.8wt%である。Siは、Si化合物(例えばSiO2など)のSi換算(Siのみ)のwt%(重量パーセント)である。同様に、Caは、Ca化合物(例えばCaO、CaCO3、Ca(OH)2など)のCa換算(Caのみ)のwt%(重量パーセント)である。同様に、Pは、P化合物(例えばP2O5、H3PO4、Ca3(PO4)2など)のP換算(Pのみ)のwt%(重量パーセント)である。また、特に原料のマグネタイトは、
マグネタイト粉(自社で製造したもの、あるいは他社から購入したもの)
製品中の粒径規格外品(回収品)を粉砕して所定の粒径にしたマグネタイト粉
のいずれでもよい。尚、後述する製品の顆粒は、例えば原料粉(1〜3μm)を103〜107個集めて50〜100μmの球状としたものである。従って、一度製造したマグネタイト粉の製造品規格外品)を粉砕し、原料粉を容易に作成できる。

0017

混合工程2は、混合粉に−C−C−あるいは−C=C−を分子中に持つ化合物液状物質あるいは固体状物質)を0.1〜4.0wt%混合する工程である。例えば混合粉にポリビニールアルコール2wt%、分散剤としてポリカルボン酸塩1wt%を加え、更に球状顆粒にする造粒のための水を加える。ここで、水は、30%〜70%の範囲で加える。30%よりも少ないと、混練したときのスラリー粘度が高過ぎて球状化できない。70%よりも多いと、スラリー濃度が薄過ぎて緻密な球状顆粒が得られない。

0018

粉砕工程3は、混合工程2によって混合したものを、アトリションミル湿式粉砕して混合粉の濃度約50wt%のスラリーを作成する工程である。造粒工程4は、球状顆粒を生成する工程である。ここでは、スラリーをアトライターで1時間撹拌後、スプレードライヤー熱風乾燥して球状顆粒化する。

0019

焼成工程5は、造粒工程4で得られた顆粒を不活性ガス中(例えば窒素ガス中)で550〜1100°Cの範囲の温度で4時間加熱処理し、単相のマグネタイトと非磁性相が混在した粉末を形成する工程である。このときの飽和磁化の値は、Ca、Siの配合率によりコントロールできるため、これらの配合率を変えて所望の飽和磁化を持ちかつ適度な粒子強度を持つ酸化物磁性材料粉の製造が可能となる(図2から図12参照)。尚、マグネタイト粉の一部にヘマタイトが存在していた場合、550〜1100°Cの焼成工程5により、ヘマタイトは不活性ガス中(弱い還元性雰囲気中)で当該ヘマタイトからマグネタイトへの熱転移に加えて、混合した有機物を不活性ガス中で加熱して不完全燃焼状態にし、当該有機物の熱分解時にヘマタイトから酸素を奪って還元してマグネタイト化を大幅に促進する。また、特にPを混ぜて粒子強度を向上させている。

0020

解砕工程6は、焼成したマグネタイトと非磁性相が混在した粉体を解砕して製品に仕上げる工程である。以上の工程に従い、マグネタイトにSi、Caを混ぜ、更に必要に応じて粒子強度を向上させるためにPを混ぜた混合粉に−C−C−あるいは−C=C−、および水を混合し良く混練して熱風乾燥し、球状に造粒した後、不活性ガス中で550〜1100°Cの範囲で焼成してマグネタイトと非磁性相あるいは低飽和磁化相が混在した粉体(酸化物磁性粉)を製造することができる。これにより、所望の飽和磁化を持ち十分な粒子強度を持つ酸化物磁性粉を安価、多量、かつ安全に製造することが可能となった。以下順次説明する。

0021

図2は、本発明の焼成実験結果(Si、Ca、その1)を示す。これは、マグネタイト粉に酸化珪素粉をSi換算で0.0〜45.0wt%及び炭酸カルシウム粉をCa換算で0.0〜34.6wt%混合した後、ポリビニールアルコール1.0wt%を添加し水と混合して粉体濃度50wt%のスラリーとし、アトライタで1時間撹拌した後、スプレードライヤーで噴霧乾燥して顆粒化した。得られた顆粒を、窒素ガス中で500〜1200°Cで4時間加熱処理した。加熱処理後の各試料の飽和磁化は、振動型磁力計によって測定した。また、各試料の粒子強度は、微小圧縮試験機島津製作所製MCTM−500)を用いて測定し、以下に示す平の式を用いて計算して求めた。

0022

粒子強度=(2.8×(粒子破壊荷重))/(π×(粒子直径)2)
(式1)
(1)加熱処理温度が500°Cの場合には、粒子強度が50MPa以下で小さく、実用に耐えないので、採用できない。加熱処理温度550°Cの場合には、粒子強度が50MPa以上で実用に耐えるので、適切な下限の加熱処理温度とした。

0023

(2)加熱処理温度1200°Cの場合には、溶解して実用に供し得ないので、1100°Cを上限の加熱処理温度とした。
(3) 加熱処理温度550〜1100°Cの範囲内で、飽和磁化が小さくなり始めるSi配合比の1.1wt%、Ca配合比の0.9wt%(試料番号2、8、14、20、26、32、38、44)の場合、飽和磁化が92emu/gから若干小さい87〜88emu/gが得られたので、このときのSi配合比の1.1wt%、Ca配合比の0.9wt%を下限とした。一方、飽和磁化が20emu/g以上となるSi配合比、Ca配合比は、Si配合比34.3wt%、Ca配合比26.4wt%(試料番号5、11、17、23、29、35、41、47)が得られたので、このときの配合比を上限とした。

0024

以上の実験結果からマグネタイトにSi配合比1.1〜34.3wt%、Ca配合比0.9〜26.4wt%を混ぜた混合粉を550〜1100°Cで4時間焼成し、後述する図6および図7に示すように、マグネタイトと非磁性相が混在した任意の飽和磁化および粒子強度を持つ粉末(酸化物磁性材料粉)を生成できることが判明した。

0025

図3は、本発明の焼成実験結果(Si、Ca、その2)を示す。これは、マグネタイトに、Si配合比とCa配合比を図示のように変え、図2と同様の条件で処理し、測定した実験結果である。

0026

(1)加熱処理温度が500°Cの場合には、粒子強度が50MPa以下で小さく、実用に耐えないので、採用できない。加熱処理温度550°Cの場合には、粒子強度が50MPa以上で実用に耐えるので、適切な下限の加熱処理温度とした。

0027

(2)加熱処理温度1200°Cの場合には、溶解して実用に供し得ないので、1100°Cを上限の加熱処理温度とした。
(3) 加熱処理温度550〜1100°Cの範囲内で、(Si+Ca)の配合比が17.9〜20wt%のとき、Si/(Si+Ca)の値が0.23〜0.86の範囲内のときに飽和磁化58〜63emu/gというほぼ一定の値が得られたので、Si/(Si+Ca)の範囲を0.23〜0.86と決定した。

0028

以上の実験結果からマグネタイトにSi/(Si+Ca)の値が0.23〜0.86の範囲内で混ぜた混合粉を550〜1100°Cで4時間焼成し、後述する図8および図9に示すように、マグネタイトと非磁性相が混在した任意の飽和磁化および粒子強度を持つ粉末(酸化物磁性材料粉)を生成できることが判明した。

0029

図4は、本発明の焼成実験結果(Si、Ca、P、その1)を示す。これは、マグネタイトに、Si配合比とCa配合比とP配合比を図示のように変え、図2と同様の条件で処理し、測定した実験結果である。

0030

(1)加熱処理温度が500°Cの場合には、粒子強度が50MPa以下で小さく、実用に耐えないので、採用できない。加熱処理温度550°Cの場合には、粒子強度が50MPa以上で実用に耐えるので、適切な下限の加熱処理温度とした。

0031

(2)加熱処理温度1200°Cの場合には、溶解して実用に供し得ないので、1100°Cを上限の加熱処理温度とした。
(3) 加熱処理温度550〜1100°Cの範囲内で、飽和磁化が小さくなり始めるSi配合比の1.0wt%、Ca配合比の0.8wt%、P配合比の0.2wt%(試料番号2、8、14、20、26、32、38、44)の場合、飽和磁化が92emu/gから若干小さい87〜88emu/gが得られたので、このときのSi配合比の1.0wt%、Ca配合比の0.8wt%、P配合比の0.2wt%を下限とした。一方、飽和磁化が20emu/g以上となるSi配合比、Ca配合比、P配合比は、Si配合比32.2wt%、Ca配合比24.8wt%、P配合比16.3wt%(試料番号5、11、17、23、29、35、41、47、および後述する図5の試料番号43)が得られたので、このときの配合比を上限とした。

0032

以上の実験結果からマグネタイトにSi配合比1.0〜32.2wt%、Ca配合比0.8〜24.8wt%、P配合比0.2〜16.3wt%を混ぜた混合粉を550〜1100°Cで4時間焼成し、後述する図10および図11に示すように、マグネタイトと非磁性相が混在した任意の飽和磁化および粒子強度を持つ粉末(酸化物磁性材料粉)を生成できることが判明した。

0033

図5は、本発明の焼成実験結果(Si、Ca、P、その2)を示す。これは、マグネタイトに、Si配合比とCa配合比とP配合比を図示のように変え(3者の合計は固定)、図2と同様の条件で処理し、測定した実験結果である。

0034

(1)加熱処理温度が500°Cの場合には、粒子強度が50MPa以下で小さく、実用に耐えないので、採用できない。加熱処理温度550°Cの場合には、粒子強度が50MPa以上で実用に耐えるので、適切な下限の加熱処理温度とした。

0035

(2)加熱処理温度1200°Cの場合には、溶解して実用に供し得ないので、1100°Cを上限の加熱処理温度とした。
(3) 加熱処理温度550〜1100°Cの範囲内で、P配合比を0.2〜16.3wt%の範囲内で変えても粒子強度が50Mpa以上と実用に供し得る値が得られたので、この範囲内と決定した。尚、1100°CでP配合比12.5wt%で溶解したが、1000°CでP配合比16.3wt%でも実用に供し得る50Mpa以上の粒子強度が得られたので、当該P配合比16.3wt%を上限とした。

0036

以上の実験結果からマグネタイトにSi配合比1.0〜32.2wt%、Ca配合比0.8〜24.8wt%、P配合比0.2〜16.3wt%を混ぜた混合粉を550〜1100°Cで4時間焼成し、マグネタイトと非磁性相が混在した任意の飽和磁化を持ち、後述する図12に示すような粒子強度を持つ粉末(酸化物磁性材料粉)を生成できることが判明した。

0037

図6は、本発明の飽和磁化例(図2)を示す。これは、図2の試料番号37〜42の(Si+Ca)wt%と、飽和磁化(emu/g)との関係をグラフにしたものである。

0038

図7は、本発明の粒子強度例(図2)を示す。これは、図2の試料番号1、7、13、19、25、31、37、43、49、4、10、16、22、28、34、40、46、52の焼成温度(°C)と、粒子強度(MPa)との関係をグラフにしたものである。

0039

図8は、本発明の粒子強度例(図3)を示す。これは、図3の試料番号13〜18、25〜30、37〜42のSi/(Si+Ca)と、粒子強度(MPa)との関係をグラフにしたものである。

0040

図9は、本発明の飽和磁化例(図3)を示す。これは、図3の試料番号37〜48の(Si+Ca)wt%と、飽和磁化(emu/g)との関係をグラフにしたものである。

0041

図10は、本発明の飽和磁化例(図4)を示す。これは、図4の試料番号37〜42の(Si+Ca+P)wt%と、飽和磁化(emu/g)との関係をグラフにしたものである。

0042

図11は、本発明の粒子強度例(図4)を示す。これは、図4の試料番号4、10、16、22、28、34、40、52の焼成温度(°C)と、粒子強度(MPa)との関係をグラフにしたものである。

0043

図12は、本発明の粒子強度例(図5)を示す。これは、図5の試料番号7〜12、25〜30、44〜49のPの配合比率(wt%)と、粒子強度(MPa)との関係をグラフにしたものである。

0044

図13は、本発明の他の実施例構成図を示す。図13において、配合工程1は、マグネタイトに、Si換算で1.1〜32.9wt%、Ca換算で0.8〜25.3wt%およびB換算で0.1〜11.3wt%を配合する工程である。ここで3者を合わせた上限は60.3wt%である。Bは、B化合物(例えばB2O3、HBO2、H2B4O7、H3BO3など)のB換算(Bのみ)のwt%(重量パーセント)である。また、特に原料のマグネタイトは、既述したように、
マグネタイト粉(自社で製造したもの、あるいは他社から購入したもの)
製品中の粒径規格外品(回収品)を粉砕して所定の粒径にしたマグネタイト粉
のいずれでもよい。尚、後述する製品の顆粒は、例えば原料粉(1〜3μm)を103〜107個集めて50〜100μmの球状としたものである。従って、一度製造したマグネタイト粉の製造品(規格外品)を粉砕し、原料粉を容易に作成できる。

0045

混合工程2、粉砕工程3、造粒工程4、焼成工程5、および解砕工程6は、図1で説明したと同様であるので、説明を省略する。図14は、本発明の焼成実験結果(Si、Ca、B、その1)を示す。これは、マグネタイト粉に酸化珪素粉をSi換算で0.0〜43.3wt%及び炭酸カルシウム粉をCa換算で0.0〜33.4wt%、および酸化ほう素粉をB換算で0.0〜2.8wt%混合した後、ポリビニールアルコール1.0wt%を添加し水と混合して粉体濃度50wt%のスラリーとし、アトライタで1時間撹拌した後、スプレードライヤーで噴霧乾燥して顆粒化した。得られた顆粒を、窒素ガス中で500〜1200°Cで4時間加熱処理した。窒素ガス中の酸素濃度は、ジルコニア式酸素濃度計により測定した。加熱処理後の各試料の飽和磁化は、振動型磁力計によって測定した。また、各試料の粒子強度は、微小圧縮試験機(島津製作所製MCTM−500)を用いて測定し、以下に示す平松の式を用いて計算して求めた。

0046

粒子強度=(2.8×(粒子の破壊荷重))/(π×(粒子直径)2)
(式1)
(1)加熱処理温度が500°Cの場合には、粒子強度が50MPa以下で小さく、実用に耐えないので、採用できない。加熱処理温度550°Cの場合には、粒子強度が50MPa以上で実用に耐えるので、適切な下限の加熱処理温度とした。

0047

(2)加熱処理温度1100°Cの場合には、溶解して実用に供し得ないので、1000°Cを上限の加熱処理温度とした。
(3) 加熱処理温度550〜1000°Cの範囲内で、飽和磁化が小さくなり始めるSi配合比の1.1wt%、Ca配合比の0.8wt%、B配合比の0.1wt%(試料番号2、8、14、20、26、32、38、44)の場合、飽和磁化が92emu/gから若干小さい87〜88emu/gが得られたので、このときのSi配合比の1.1wt%、Ca配合比の0.8wt%、B配合比の0.1wt%を下限とした。一方、飽和磁化が20emu/g以上となるSi配合比、Ca配合比は、Si配合比32.9wt%、Ca配合比25.3wt%、B配合比11.3wt%(試料番号5、11、17、23、29、35、41、および後述する図15の試料番号19、44)が得られたので、このときの配合比を上限とした。

0048

以上の実験結果からマグネタイトにSi配合比1.1〜32.9wt%、Ca配合比0.8〜25.3wt%、B配合比0.1〜11.3wt%を混ぜた混合粉を550〜1000°Cで4時間焼成し、後述する図16および図17に示すように、マグネタイトと非磁性相が混在した任意の飽和磁化および粒子強度を持つ粉末(酸化物磁性材料粉)を生成できることが判明した。

0049

図15は、本発明の焼成実験結果(Si、Ca、B、その2)を示す。これは、マグネタイトに、Si配合比、Ca配合比、B配合比を図示のように変え、図14と同様の条件で処理し、測定した実験結果である。

0050

(1)加熱処理温度が500°Cの場合には、粒子強度が50MPa以下で小さく、実用に耐えないので、採用できない。加熱処理温度550°Cの場合には、粒子強度が50MPa以上で実用に耐えるので、適切な下限の加熱処理温度とした。

0051

(2)加熱処理温度1100°Cの場合には、溶解して実用に供し得ないので、1000°Cを上限の加熱処理温度とした。
(3) 加熱処理温度550〜1000°Cの範囲内で、3者の合計をほぼ固定の約19wt%とした場合、飽和磁化がほぼ46〜59の範囲内で実用になる粒子強度が得られた。

0052

図16は、本発明の飽和磁化例(図14)を示す。これは、図14の試料番号37〜42の(Si+Ca+B)wt%と、飽和磁化(emu/g)との関係をグラフにしたものである。

0053

図17は、本発明の粒子強度例(図14)を示す。これは、図14の試料番号4、10、16、22、28、34、40、46の焼成温度(°C)と、粒子強度(MPa)との関係をグラフにしたものである。

0054

図18は、本発明の粒子強度例(図15)を示す。これは、図15の試料番号7〜12、25〜30、37〜42のBの配合比率(wt%)と、粒子強度(MPa)との関係をグラフにしたものである。

0055

図19は、本発明の焼成パターン例を示す。これは、既述した焼成時の加熱処理温度曲線例である。焼成の場合、窒素雰囲気中で加熱し、200°C/Hrの割合で加熱し、所定の加熱処理温度となったときに4Hr(4時間)保持する。そして、200°C/Hrの割合で冷却する。

発明の効果

0056

以上説明したように、本発明によれば、マグネタイトに、(Si+Ca)、(Si+Ca+P)、(Si+Ca+B)を配合し、−C−C−あるいは−C=C−を分子中に含む液状あるいは固体(粉体を含む)を混合し、不活性ガス中で焼成処理する構成を採用しているため、マグネタイトと非磁性相が混在した粉末からなる酸化物磁性材料を製造することができ、所望の飽和磁化および十分な粒子強度を持たせることができた。これらにより、従来に比して簡便な設備、単純な工程で安定した高品質で、所望の飽和磁化を有する酸化物磁性材料粉を多量かつ安価に安全に提供することが可能となった。

図面の簡単な説明

0057

図1本発明の1実施例構成図である。
図2本発明の焼成実験結果(Si、Ca、その1)である。
図3本発明の焼成実験結果(Si、Ca、その2)である。
図4本発明の焼成実験結果(Si、Ca、P、その1)である。
図5本発明の焼成実験結果(Si、Ca、P、その2)である。
図6本発明の飽和磁化例(図2)である。
図7本発明の粒子強度例(図2)である。
図8本発明の粒子強度例(図3)である。
図9本発明の飽和磁化例(図3)である。
図10本発明の飽和磁化例(図4)である。
図11本発明の粒子強度例(図4)である。
図12本発明の粒子強度例(図5)である。
図13本発明の他の実施例構成図である。
図14本発明の焼成実験例(Si、Ca、B、その1)である。
図15本発明の焼成実験例(Si、Ca、B、その2)である。
図16本発明の飽和磁化例(図14)である。
図17本発明の粒子強度例(図14)である。
図18本発明の粒子強度例(図15)である。
図19本発明の焼成パターン例である。

--

0058

1:配合工程
2:混合工程
3:粉砕工程
4:造粒工程
5:焼成工程
6:解砕工程

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