図面 (/)
目的
構成
技術分野
0002
一般に、ネジ打ち機は実開平6ー36774号公報に示されるように、軸心方向に打撃作動するとともに軸心を中心に回転作動するドライバを備え、このドライバを圧縮エアで駆動してネジを材料に打ち込んだ後にねじ込むものであり、ドライバをねじ込み作動させるのにピニオン・ラック機構が採用されている。ラックはピストンロッドに一体に形成されている。
0003
ところで、ラック付きのピストンロッドは重量が大きく、駆動力の負担も大きくなるので、ピストンロッドを中空に形成することにより作動部の軽量化を図ることが知られている。
0004
しかしながら、ピストンロッドを中空にすると、シリンダ内に導入されたピストンロッド駆動用の圧縮エアがピストンロッドの中空部の内部にまで入り込んでしまい、圧縮エアが無駄に消費されてしまうという問題があった。これに対応して、ピストンロッドの開口端に栓を嵌込むことで圧縮エアがピストンロッド内に入り込むことを防止することはできるが、部品や部品加工の点数が増加し、コストが上昇するという問題がある。
0005
本発明は前記欠点を解消し、中空状のピストンロッドを使用しても圧縮エアの消費量を増大させることのないピストン・シリンダ機構を提供することをその目的とする。
0006
前記目的を達成するため、本発明に係るピストン・シリンダ機構は、両端にエアの給排気孔を形成したシリンダと、該シリンダ内に摺動自在に収容されたピストンと、該ピストンに一体に結合されて上記シリンダから突出するピストンロッドとを備えたピストン・シリンダ機構において、上記ピストンロッドを中空にするとともに、上記ピストンの開口端側には上記ピストンの開口端を閉鎖し、かつ上記ピストンの上記シリンダの側壁に対する衝撃を緩和するバンパ部材を被着したことを特徴とする。
0007
なお、ネジ打ち機におけるネジの回転駆動用ラックは前記ピストンロッドに形成するのが好ましい。
0008
請求項1の発明によれば、シリンダの両端の給排気孔から交互に導入された圧縮エアによりピストンが前後方向に駆動されてラックも往復動する。そして、上記ピストンのバンパ部材によりピストンロッドの開口端は閉鎖されているから、上記一方の給排気孔から導入されたエアはピストンロッド内に進入することができない。したがって、ピストンロッドを中空にしたことによって、ラックの駆動力を増大させる必要がなく、また圧縮エアを無駄に消費させることもない。
0010
請求項2の発明によれば、ネジ打ち機におけるネジの回転駆動用ラックをピストンロッドに形成することにより、打ち込みネジのねじ込みに要する駆動力を増大させる必要がなく、また圧縮エアを無駄に消費させることもない。
0011
図1はネジ打ち機を示すもので、ボディ1とネジ2の射出口3を有するノーズ部4とグリップ部5とを備えている。ボディ1にはエア供給源6から供給された圧縮エアによって駆動されて打ち込みネジ2を打込む打撃機構7と、打ち込まれた打ち込みネジ2をねじ込むピニオン・ラック機構8と、上記両機構の作動を制御するトリガ機構9とが設けられている。なお、圧縮エアはエア供給源6からグリップ部5とボディ1に互いに連通するように形成されたエア貯留室10に供給される。
0012
打撃機構7は通常の釘打機に採用されているものと同様のエアシリンダ装置によって構成され、ボディ1のエア貯留室10bからの圧縮エアを打撃シリンダ11内に供給して打撃ピストン12に一体結合したドライバ13を駆動し、マガジン14のネジ供給通路からネジ供給装置(図示せず)によりノーズ部4の射出口3内に供給された打ち込みネジ2を被打込み材内にある程度の深さまで打ち込むものである。
0013
次に、トリガ機構9はトリガレバー25の手動操作により打撃機構の駆動用エアの供給を制御する弁機構、トリガレバー25を引き操作することによりトリガ機構9が作動して打撃機構7が作動し、駆動用エアが打撃機構の打撃ピストン12の上面に供給されて打撃ピストン12とともにドライバ13が駆動され、射出口3に供給された打ち込みネジ2が被打込み材26に対して打ち込まれる。そして、打撃ピストン12の駆動によりその下面側に圧縮された圧縮エアが連結パイプ39を介してピニオン・ラック機構8に送られ、打ち込みに続いてねじ込みが行なわれる。
0014
ピニオン・ラック機構8はラック15の直線運動をピニオンギア16の回転運動に変換するもので、図2に示されるように、ラック15とこれに噛合するピニオンギア16と中間ギア22とドライバガイド23とから成り、ピストン・シリンダ機構17に連係している。
0015
なお、ドライバガイド23はノーズ部4に上記ドライバ13の軸線のまわりに回転自在に支持され、その中央には長方形のガイド孔24が形成されている。ガイド孔24にはドライバ13が挿入されている。これにより、ドライバ13はその軸方向にはドライバガイド23と独立に摺動できるが、ドライバガイド23の回転に追従して回転する。
0016
ピストン・シリンダ機構17は、両端にエアの給排気孔34a、34bを形成したシリンダ35と、該シリンダ35内に摺動自在に収容されたピストン36と、該ピストン36に一体に結合されて上記シリンダ35から突出するピストンロッド37とから構成され、ピストンロッド37の前側には上記ラック15が一体に形成されている。
0017
したがって、上述のように、打撃機構の作動に続いて圧縮エアが連結パイプ39を介してピニオン・ラック機構8に送られ、ピストン・シリンダ機構17のシリンダ35の給排孔34a、34bの給排を切り替え、グリップ部5の内部に形成されたエア貯留室10aから駆動用エアが矢印Aのようにシリンダ35の給排孔34bに供給され、ピニオン・ラック機構8のラック15を前方に移動し、これに連動してピニオンギア16と中間ギア22とドライバガイド23とを回転させ、さらにドライバ13を回転駆動するので、ネジ2は被打込み材内にねじ込まれる。
0018
ところで、上記ピストン・シリンダ機構17において、ピストンロッド37は図3に示されるように中空に形成されている。また、ピストン36の開口端側にはこの開口端を閉鎖するバンパ部材38が被着されている。バンパ部材38はゴム等の弾性材から構成されている。なお、ピストンロッド37に形成されたラック15もえぐり加工により肉抜きされ、溝状に形成されている。
0019
上記構成のピストン・シリンダ機構17によれば、シリンダの後端の給排気孔34bから導入された圧縮エアによりピストン36とピストンロッド37が前方に駆動されてラック15が往動し、シリンダ35の前端の給排気孔34aから導入された圧縮エアによりピストン36とピストンロッド37が後方に駆動されてラック15が復動する。そして、上記ピストン36のバンパ部材38によりピストンロッド37の開口端はシールされているから、上記後端の給排気孔34bから導入されたエアはピストンロッド37内に進入することができない。したがって、ピストンロッド37を中空にしたことによって、ラック15の駆動力を増大させる必要がなく、また圧縮エアを無駄に消費させることもない。
0020
また、ピストンが移動してその後端ばシリンダの後側壁に衝突したときの衝撃はバンパ部材38によって緩和されるので、耐久性も向上する。
図面の簡単な説明
0021
図1本発明に係るピストン・シリンダ機構を備えたネジ打ち機の縦断面図
図2上記ネジ打ち機におけるピニオン・ラック機構とピストン・シリンダ機構を示す断面図
図3上記ピストン・シリンダ機構の拡大断面図
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0022
17ピストン・シリンダ機構
34a給排気孔
34b 給排気孔
35シリンダ
36 ピストン
38 バンパ部材