図面 (/)

技術 傾斜圧延方法およびその装置

出願人 三菱マテリアル株式会社三菱重工業株式会社
発明者 瀧澤英男木村敏郎塚本頴彦塩田浩
出願日 1995年2月16日 (25年10ヶ月経過) 出願番号 1995-027940
公開日 1996年8月27日 (24年4ヶ月経過) 公開番号 1996-215715
状態 特許登録済
技術分野 管の製造;マンドレル 圧延の制御
主要キーワード 円錐半角 軸方向張力 張ロッド マンドレルシャフト 初期傾斜角 破断限界 成形域 駆動調整
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年8月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (11)

目的

金属管傾斜圧延を安定して、かつ高効率で行う。

構成

傾斜圧延装置13は、成形ロール20に傾斜角βを付与する傾斜角付与モータ26と、成形ロール20の駆動トルクを検出するロール駆動トルク検出器35と、引張装置17により管10,16に付与される引張力を検出する前方張力検出器38と、引張装置17および傾斜角付与モータ26の作動を制御する制御部39,40,41手段とを有する。そして、制御部39,40,41は、ロール駆動トルク検出器35で検出した駆動トルクが成形ロール20に許容された上限駆動トルク以内となる引張速度V1とすべく引張装置17の作動を制御し、かつ、前方張力検出器38で検出した引張力が破断限界張力以下の一定範囲内となる傾斜角βとすべく傾斜角付与モータ26の作動を制御する。

概要

背景

金属管延伸加工を行う方法としては、特開平3−66403号公報、特開平3−151104号公報に開示される方法が知られている。この方法では、加熱された素材管内マンドレルなどの内面規制工具を挿入し、素材管の一端を所定の張力送り方向に沿って引っ張りつつ成形ロール回転駆動することにより、素材管を延伸圧延して薄肉の金属管を製造するようになっている。

素材前方より張力を付与して傾斜圧延を行う方法においては、次のような特徴がある。
軸方向張力を付与することにより、製品管真直度が良好である。
軸方向の速度を制御できるため、安定した成形が可能である。

軸方向張力によって、成形ロールによる材料の巻き込みを補助できる。

概要

金属管の傾斜圧延を安定して、かつ高効率で行う。

傾斜圧延装置13は、成形ロール20に傾斜角βを付与する傾斜角付与モータ26と、成形ロール20の駆動トルクを検出するロール駆動トルク検出器35と、引張装置17により管10,16に付与される引張力を検出する前方張力検出器38と、引張装置17および傾斜角付与モータ26の作動を制御する制御部39,40,41手段とを有する。そして、制御部39,40,41は、ロール駆動トルク検出器35で検出した駆動トルクが成形ロール20に許容された上限駆動トルク以内となる引張速度V1とすべく引張装置17の作動を制御し、かつ、前方張力検出器38で検出した引張力が破断限界張力以下の一定範囲内となる傾斜角βとすべく傾斜角付与モータ26の作動を制御する。

目的

本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、金属管の傾斜圧延を安定化して、かつ高効率で行い得る傾斜圧延方法およびその装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

管の進行方向に沿う前方より当該管に引張力を付与しつつ当該管を引張りパスライン周りに配置した複数個傾斜ロールと管内に挿入した内面規制工具との間で前記管を延伸圧延する傾斜圧延方法において、前記管の引張速度と、前記傾斜ロールの傾斜角とを、前記傾斜ロールの駆動トルクが当該傾斜ロールに許容された上限駆動トルク以内となるように、かつ、前記管に付与される引張力が破断限界張力以下の一定範囲内となるように、制御することを特徴とする傾斜圧延方法。

請求項2

前記傾斜ロールの傾斜角は、前記管に付与される引張力が破断限界張力の0.2倍〜0.8倍の範囲内となる角度に制御されてなる請求項1に記載の傾斜圧延方法。

請求項3

管の進行方向に沿う前方より当該管に引張力を付与しつつ当該管を引張る引張手段と、パスライン周りに配置された複数個の傾斜ロールと、管内に挿入される内面規制工具とを有し、前記傾斜ロールと前記内面規制工具との間で前記管を延伸圧延する傾斜圧延装置において、前記傾斜ロールに傾斜角を付与する傾斜角付与手段と、前記傾斜ロールの駆動トルクを検出するロール駆動トルク検出手段と、前記引張手段により前記管に付与される引張力を検出する前方張力検出手段と、前記引張手段および前記傾斜角付与手段の作動を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記ロール駆動トルク検出手段で検出した駆動トルクが前記傾斜ロールに許容された上限駆動トルク以内となるように、しかも、前方張力検出手段で検出した引張力が破断限界張力以下の一定範囲内となるように、前記引張手段の作動と、前記傾斜角付与手段の作動とを制御することを特徴とする傾斜圧延装置。

請求項4

前記傾斜角付与手段は、前方張力検出手段で検出した引張力が破断限界張力の0.2倍〜0.8倍の範囲内となる角度に前記傾斜ロールを制御してなる請求項3に記載の傾斜圧延装置。

技術分野

0001

本発明は、素材管の前方より当該素材管に引張力を付与しつつ、パスライン周りに配置された複数個傾斜ロールと、管内に挿入されたマンドレルなどの内面規制工具との間で素材管を延伸圧延して薄肉金属管を製造する傾斜圧延方法およびその装置に関する。

背景技術

0002

金属管の延伸加工を行う方法としては、特開平3−66403号公報、特開平3−151104号公報に開示される方法が知られている。この方法では、加熱された素材管内にマンドレルなどの内面規制工具を挿入し、素材管の一端を所定の張力送り方向に沿って引っ張りつつ成形ロール回転駆動することにより、素材管を延伸圧延して薄肉の金属管を製造するようになっている。

0003

素材前方より張力を付与して傾斜圧延を行う方法においては、次のような特徴がある。
軸方向張力を付与することにより、製品管真直度が良好である。
軸方向の速度を制御できるため、安定した成形が可能である。

0004

軸方向張力によって、成形ロールによる材料の巻き込みを補助できる。

発明が解決しようとする課題

0005

前方張力付加型の傾斜圧延においては、加工パラメータが多く、成形可能領域の特定が困難である。このため、上記公報(特開平3−151104号)に示されるように、制御を行って自動的に成形条件を探索する場合においても、予察実験により構築したデータベースが必要となる。

0006

傾斜圧延は、工具製品寸法制約されないいわゆるダイレス加工であるにも拘らず、上述のように成形可能領域が狭く、かつ、複雑であることから、本質的な長所である多品種少量生産への適用の障害となっている。また、成形は擬似的には定常状態で行われるが、圧延中の素材管温度の低下による変形抵抗の増加や、成形ロール表面と素材管との摩擦条件の変化などによって、傾斜圧延装置への負荷が圧延中に変化するので、成形の安定化、高効率化を図ることが困難であった。

0007

なお、特公昭52−29253号公報には、傾斜圧延装置において、成形ロールの送り角度を調節する運動機構を有するものが開示してある。ところが、このような従来の傾斜圧延装置では、送り角度を調節する機構があったとしても、これに関連して引っ張り速度を制御するものではなく、管材を良好に傾斜圧延することは困難であった。

0008

本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、金属管の傾斜圧延を安定化して、かつ高効率で行い得る傾斜圧延方法およびその装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するために、本発明の傾斜圧延方法は、管の進行方向に沿う前方より当該管に引張力を付与しつつ当該管を引張り、パスライン周りに配置した複数個の傾斜ロールと管内に挿入した内面規制工具との間で前記管を延伸圧延する傾斜圧延方法において、前記管の引張速度と、前記傾斜ロールの傾斜角とを、前記傾斜ロールの駆動トルクが当該傾斜ロールに許容された上限駆動トルク以内となるように、かつ、前記管に付与される引張力が破断限界張力以下の一定範囲内となるように、制御することを特徴とする。

0010

本発明の傾斜圧延方法では、前記傾斜ロールの傾斜角は、前記管に付与される引張力が破断限界張力の0.2倍〜0.8倍、好ましくは0.4倍〜0.6倍の範囲内となる角度に制御されることが好ましい。また、上記目的を達成するために、本発明の傾斜圧延装置は、管の進行方向に沿う前方より当該管に引張力を付与しつつ当該管を引張る引張手段と、パスライン周りに配置された複数個の傾斜ロールと、管内に挿入される内面規制工具とを有し、前記傾斜ロールと前記内面規制工具との間で前記管を延伸圧延する傾斜圧延装置において、前記傾斜ロールに傾斜角を付与する傾斜角付与手段と、前記傾斜ロールの駆動トルクを検出するロール駆動トルク検出手段と、前記引張手段により前記管に付与される引張力を検出する前方張力検出手段と、前記引張手段および前記傾斜角付与手段の作動を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記ロール駆動トルク検出手段で検出した駆動トルクが前記傾斜ロールに許容された上限駆動トルク以内となるように、しかも、前方張力検出手段で検出した引張力が破断限界張力以下の一定範囲内となるように、前記引張手段の作動と、前記傾斜角付与手段の作動とを制御する。

0011

本発明の傾斜圧延装置では、前記傾斜角付与手段は、前方張力検出手段で検出した引張力が破断限界張力の0.2倍〜0.8倍、好ましくは0.4倍〜0.6倍の範囲内となる角度に前記傾斜ロールを制御することが好ましい。ここで、破断限界張力は、素材管の加工発熱摩擦発熱により決定される素材管出口温度における破断危険荷重である。このように、引張力に上限を設けたのは、素材管の引細りを防ぐための安全率を見込んだものであり、下限値は、前方張力によるロール駆動トルクおよびロール圧下力の緩和効果および製品軸方向に圧縮力が作用し製品の真直度が悪化しないように決定される。

0012

本発明による傾斜圧延方法およびその装置によれば、管の引張速度と、傾斜ロールの傾斜角度は、傾斜ロールの駆動トルクが当該傾斜ロールに許容された上限駆動トルク以内となるように、かつ、管に付与される引張力が破断限界張力以下の一定範囲内となるように制御される。これによれば、相対前進量を大きくとれるので周方向座屈を回避しつつ高生産効率を維持することができ、さらに、この条件内で前方張力が製品破断強度以下の一定範囲内であるように傾斜角が制御されるので、安定成形域で高効率に傾斜圧延成形が行われる。

0013

以下、本発明に係る傾斜圧延方法および傾斜圧延装置について、図面に示す実施例に基づいて説明する。図1は、傾斜圧延装置の要部を示す概略構成図、図2(A)は、図1に示される傾斜圧延装置による圧延中の状態を管の出側正面から見た図、図2(B)は、同図(A)のB−B線に沿う断面図、図2(C)は、同図(B)のC矢視図である。

0014

傾斜圧延装置13は、図1に示すように、加熱工程を終え加熱炉から取り出された圧延対象たる素材管10が搬入されて所定位置に取り付けられるようになっており、素材管10を傾斜圧延するための成形ロール部14を有する。図10に示すように、成形ロール部14の図中左手側が素材管10の搬入側となっており、管内に挿入される内面規制工具としてのマンドレル15(図2参照)およびマンドレルシャフト22を保持するマンドレル保持装置50が設けてある。マンドレルシャフト22は、加工前の素材管10よりも長い。図2に示すマンドレル15は、加工温度において、素材管10よりも高い変形抵抗を有する材料(たとえばNi基耐熱合金など)で構成される。図10に示すマンドレル保持装置50は、素材管が加熱炉から出て、素材管搬入ベッド52に載せられる時点以前では、後退止めの位置で待機し、成形ロールが昇降シリンダによって降下させられ成形が開始する時点では、素材管10の内部に挿入される。

0015

図10に示すように、成形ロール部14に対してマンドレル保持装置50と反対側には、圧延動作中に金属管16を送り方向に沿って所定の張力でまたは所定の引張速度で引っ張る引張装置17が設けてある。前記成形ロール部14には、図2(A)に示すように、パスライン19を中心として3個の成形ロール20a,20b,20cが120°間隔で回転自在に設けてある。各成形ロール20(成形ロール20a,20b,20cの総称)の駆動軸は、同図(B)および同図(C)に示すように、パスライン19に対して交差角α傾斜角βをもって傾いている。成形ロール20の回転数および傾斜角βによって、送り方向21に沿う金属管16に推進力を与える。

0016

成形ロール交差角αは、材料進行方向に向かって収束する方向で、例えば30〜45°好ましくは約45°に固定され、傾斜角βは、例えば約0°〜約25°の範囲で可変自在となっている。なお、3個の成形ロール20は、全て同じ交差角αおよび傾斜角βを有している。

0017

図1に示すように、成形ロール20は、ロール駆動モータ25の駆動軸の先端にテーパシャンクによって取り付けられている。テーパシャンクにより固定することによって、各成形ロール20の脱着が容易で、かつ大きな荷重を受けることができる。ロール駆動モータ25のケーシングには傾斜角調整手段としての傾斜角付与モータ26の駆動軸が連結されており、傾斜角付与モータ26の駆動調整により、成形ロール20をロール駆動モータ25ごと回転させて、成形ロール20に与える傾斜角βの調整がなされる。

0018

成形ロール20は、2つの円錐台から構成され、第1の円錘台部の円錐半角は交差角αに等しく、第1の円錐台部に連続して設けられた第2の円錘台の円錐半角は交差角αよりも小さく形成されている。素材管10が傾斜圧延される時には、先ず、パスライン19に対して比較的大きく傾斜した圧延面S1によって圧延され、次いで、パスライン19に対して比較的小さく傾斜した圧延面S2によって圧延される。

0019

前記マンドレル15は、図2(B),(C)に示されるように、成形ロール部14において素材管10を傾斜圧延して薄肉の金属管16を製造する際に、製造された金属管16の中空部の形状を画定する役割を有する。マンドレル15が先端に回転自在に取り付けられたマンドレルシャフト22は、例えば素材管10と同程度の長さを有し、素材管10の中空部に、素材管10の端部から成形ロール部14による圧延位置まで挿入される。

0020

前記引張装置17は、図10に示すように、パスライン19上で成形ロール部14に対して進退移動自在に設けられ、素材管10の先端を把持して該素材管10と共に回転するグリッパ23と、このグリッパ23を保持する引張ロッド24と、図示しない引張力発生源とを有する。そして、圧延動作中には、素材管10をグリッパ23によって把持しながら送り方向21に沿って所定の張力または所定の引張速度で引っ張るようになっている。

0021

さて、上記構成の傾斜圧延装置13を用いて種々の成形条件において傾斜圧延を行い、次の結果を得た。なお、延伸比2.0〜5.0の範囲内で数条件の延伸比において実験を行い、各延伸比での実験は、ほぼ同様の傾向を示している。図3は、成形可能領域を示す図であり、成形可能領域は、座屈限界線30、破壊限界線31および軸方向張力不足限界線32に囲まれた領域である。ここに、座屈限界線30は、相対前進量(V1/Nr,V1:引張速度,Nr:成形ロールの回転数)が一定値以下では周方向座屈つまり断面の多角形化が生じる限界を示している。破壊限界線31は、圧延出口に作用する前方張力が過大になることによって製品破断が生じる限界を示している。また、軸方向張力不足限界線32は、成形ロール20表面との摩擦による推力が過大になることによって軸方向の張力が不足して軸方向圧縮力が高まり軸方向座屈が生じる限界を示している。成形可能領域は、素材管10の材料が変わっても同じ結果を示す。

0022

図4は、各相対前進量における傾斜角βと前方張力の関係を示す図であり、傾斜角βが引張力に与える影響を示している。図より明らかなように、相対前進量が一定で傾斜角βが小さくなるか、あるいは、傾斜角一定で相対前進量が大きくなると、製品としての金属管16に作用する引張力(前方張力)は大きくなる。

0023

図5は、各相対前進量における傾斜角βとロール駆動トルクの関係を示す図であり、傾斜角βがロール駆動トルクに与える影響を示している。図より明らかなように、相対前進量が一定で傾斜角βが大きくなるか、あるいは、傾斜角一定で相対前進量が大きくなると、ロール駆動トルクは大きくなる。ここに、ロール駆動トルクは、成形ロール20の回転軸に発生するトルクである。また、このロール駆動トルクの上限値である上限トルクTcは、傾斜圧延装置13自体の能力により定まるものである。

0024

これらの図3図5に示す結果に基づいて、本願発明者は、相対前進量を可及的に大きくとることにより、周方向座屈を回避しつつ高生産効率を維持し、この条件内で前方張力が製品破断強度の0.2〜0.8、好ましくは0.4倍〜0.6倍であるように傾斜角βを制御すれば、安定成形域で高効率に傾斜圧延成形を行い得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。

0025

この点を、図6および図7に基づいて説明する。図6は、図3に示した成形可能領域内におけるロール駆動トルクの等トルク線図であり、図7は、図3に示した成形可能領域内における等前方張力線図である。生産効率を高めるためにはロール駆動トルクが大きい程良いが、上限トルクTcは、上述したように、傾斜圧延装置13自体の能力により定まるものである。そこで、ある傾斜圧延装置におけるロール駆動トルクの上限値が図6に示す「T5」であるとし、前方張力が図7に示す「F3 (但し、破断限界張力の0.2倍〜0.8倍、好ましくは0.4倍〜0.6倍の範囲内)」となるようにするために、図6に示すA点で傾斜圧延成形を開始したとすると、安定成形域で高効率に傾斜圧延成形を行うべく、本発明にあっては、B点となるように、引張装置17の引張速度および成形ロール20の傾斜角βを制御してある。

0026

かかる制御を実現すべく、本実施例の傾斜圧延装置13では、図1に示すように、成形ロール20側には、成形ロール20の回転軸に発生するトルクTを検出するロール駆動トルク検出器35と、成形ロール20の傾斜角βを検出する傾斜角検出器36とが設けてある。また、引張装置17側には、引張装置17の引張りに伴う金属管16の引張速度V1を検出する引張速度検出器37と、金属管16の前方より付与される張力を検出する前方張力検出器38とが設けてある。

0027

ロール駆動トルク検出器35としては、公知のトルクセンサが用いられる。傾斜角検出器36は、例えば、エンコーダより構成され、傾斜角付与モータ26の駆動軸の回転数をエンコーダでパルス数としてカウントすることにより傾斜角βを検出する。引張速度検出器37としては、例えば、引張ロッド24に生じる変位電磁的または光学的に検出して金属管16の引張速度V1を算出する構成のものを用いれば良い。

0028

ロール駆動トルク検出器35で検出したトルクデータおよび前方張力検出器38で検出した前方張力データは、それぞれ、演算制御部39に入力される。また、傾斜角検出器36で検出した傾斜角データは、傾斜角付与モータ26の駆動を制御する傾斜角制御部40に入力され、引張速度検出器37で検出した引張速度データは、引張装置17の駆動を制御する引張速度制御部41に入力される。また、演算制御部39には、装置固有のロール駆動トルクの上限値などを設定するために、キーボード操作パネルなどからなるデータ入力部42が接続される。また、最終的に設定した傾斜角βなどの成形条件を記憶しておくために、メモリなどからなるデータ出力部43が演算制御部39に接続されている。

0029

演算制御部39は、トルクデータおよび前方張力データに基づいた制御信号を傾斜角制御部40や引張速度制御部41に出力する。そして、傾斜角制御部40は演算制御部39からの制御信号に基づいて傾斜角付与モータ26の駆動を制御し、引張速度制御部41は演算制御部39からの制御信号に基づいて引張装置17の駆動を制御するようになっている。

0030

次に、本実施例の作動を図8に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、ステップS1において、傾斜圧延装置の仕様により定まるロール駆動トルクの上限値と、前方張力の目標値(例えば、図6,7に示す「F3 」)とを、データ入力部を介して設定する。

0031

次いで、引張装置17の初期引張速度V1と、引張速度の1回当たりの増分値△V1とを設定する。また、成形ロール20の初期傾斜角βと、傾斜角の1回当たりの増分値△βとを、データ入力部42を介して設定する(S2)。前工程における所定の処理が施され傾斜圧延装置13に搬入された素材管10は、一端からマンドレル15が挿入され、他端がグリッパ23によって把持される。そして、素材管10は、引張装置17により初期引張速度V1で送り方向21に沿って引っ張られた状態で、回転する成形ロール20に当接した部分において傾斜圧延が開始される。素材管10が傾斜圧延されるときには、先ず、パスライン19に対して比較的大きく傾斜した圧延面S1によって比較的大きい減面率で圧延され、次いで、パスライン19に対して比較的小さく傾斜した圧延面S2によって比較的小さい減面率で圧延される。

0032

傾斜圧延を開始(S3)すると、演算制御部39は、ロール駆動トルク検出器35で検出したトルク値を読み込み(S4)、これとステップS1で設定したトルク上限値とを比較し(S5)、YESつまり検出したトルク値がトルク上限値よりも小さいときには、傾斜圧延装置13の能力に余裕があることから、生産効率を高めるために、引張装置17の引張速度V1を増分値△V1だけ増加させる制御信号を引張速度制御部41に出力する(S6)。この制御信号に基づいて、引張速度制御部41は、引張速度V1を増加させるべく引張装置17の駆動を制御する。

0033

一方、ステップS5における判断がNO、つまり検出したトルク値がトルク上限値以上となったときには、傾斜圧延装置13の仕様限度を越えているために、引張装置17の引張速度V1を増分値△V1だけ減少させる制御信号を引張速度制御部41に出力する(S7)。この制御信号に基づいて、引張速度制御部41は、引張速度V1を減少させるべく引張装置17の駆動を制御する(S8)。

0034

次いで、演算制御部39は、前方張力検出器38で検出した前方張力値を読み込み(S9)、これとステップS1で設定した前方張力目標値とを比較し(S10)、YESつまり検出した前方張力値が前方張力目標値よりも小さいときには、前方張力を大きくして生産効率を高めるために、成形ロール20の傾斜角βを増分値△βだけ減少させる制御信号を傾斜角制御部40に出力する(S11)。この制御信号に基づいて、傾斜角制御部40は、傾斜角βを減少させるべく傾斜角付与モータ26の駆動を制御する。

0035

一方、ステップS10における判断がNOつまり検出した前方張力値が前方張力目標値以上のときには、前方張力を小さくして製品破断の虞を回避するために、成形ロール20の傾斜角βを増分値△βだけ増加させる制御信号を傾斜角制御部40に出力する(S12)。この制御信号に基づいて、傾斜角制御部40は、傾斜角βを増加させるべく傾斜角付与モータ26の駆動を制御する(S13)。

0036

次いで、現在の引張速度V1および傾斜角βを表示し(S14)、その後、成形終了か否かを判断し(S15)、傾斜圧延の継続中には、上記ステップS4〜S15の処理を繰り返す。そして、成形終了を検出すると(S15)、演算制御部39は、最終的に設定されている引張装置17の引張速度V1と、成形ロール20の傾斜角βとをデータ出力部43に記憶し(S16)、制御が完了する。次ぎの成形を行う場合には、これら記憶した最終の引張速度V1および傾斜角βをステップS2における初期値として用いることにより、次ぎに行われる制御の収束が容易になり、最適な加工条件まで達する時間が短くなり、結果的に生産効率が高められる。また、装置の起動時には、圧下量の不足により周方向座屈が生じ易いが、本実施例では、前記のように、記憶した最終の引張速度V1および傾斜角βをステップS2における初期値として用いることにより、起動時初期の周方向座屈を最小限にすることができる。

0037

上述したステップS4〜S8における引張装置17の引張速度V1の制御およびステップS9〜S13における成形ロール20の傾斜角βの制御は、図9に示すように並列処理としても良い。なお、図9におけるステップS21〜S36の各処理は、図8におけるステップS1〜S16の各処理と同じであるため説明は省略する。

0038

本実施例によれば、ロール駆動トルクの上限値よりも小さい範囲で、引張装置17の引張速度V1および成形ロール20の傾斜角βを調整することで、高効率で安定した傾斜圧延を行うことができる。さらに、ロール駆動トルクの上限値は個々の傾斜圧延装置13の性能として予め決まるものであるため、予察実験によるデータベースの構築も必要なく、傾斜圧延装置13の本質的な長所である多品種少量生産への適用が極めて容易で経済的なものとなる。

0039

また、圧延中の素材管10の温度低下により変形抵抗が増加したり、成形ロール20表面と素材管10との摩擦条件が変化したりして圧延条件が変化するが、圧延中における傾斜圧延装置13への負荷の変化はロール駆動トルク値や前方張力値の変動として表れるため、圧延条件の変化を制御ルーチン内で簡単に吸収することができ、成形の安定化、高効率化を図ることができる。

発明の効果

0040

以上説明したように、本発明によれば、ロール駆動トルクの上限値よりも小さい範囲で、引張手段の引張速度および傾斜ロールの傾斜角を調整することで、高効率で安定した傾斜圧延を容易に行うことが可能となる。特に本発明では、加工が困難なNi基合金製素材管でも、容易に傾斜圧延成形することができる。

図面の簡単な説明

0041

図1図1は、傾斜圧延装置の要部を示す概略構成図である。
図2図2(A)は、図1に示される傾斜圧延装置による圧延中の状態を管の出側正面から見た図、図2(B)は、同図(A)のB−B線に沿う断面図、図2(C)は、同図(B)のC矢視図である。
図3図3は、成形可能領域を示す図である。
図4図4は、各相対前進量における傾斜角βと前方張力の関係を示す図である。
図5図5は、各相対前進量における傾斜角βとロール駆動トルクの関係を示す図である。
図6図6は、図3に示した成形可能領域内におけるロール駆動トルクの等トルク線図である。
図7図7は、図3に示した成形可能領域内における等前方張力線図である。
図8図8は、傾斜圧延装置の制御手順を示すフローチャートである。
図9図9は、傾斜圧延装置の他の制御手順を示すフローチャートである。
図10図10は、傾斜圧延装置の全体を示す概略構成図である。

--

0042

10…素材管(管)
15…マンドレル(内面規制工具)
16…製品としての金属管(管)
17…引張装置(引張手段)
19…パスライン
20…成形ロール(傾斜ロール)
26…傾斜角付与モータ(傾斜角付与手段)
35…ロール駆動トルク検出器(ロール駆動トルク検出手段)
36…傾斜角検出器
37…引張速度検出器
38…前方張力検出器(前方張力検出手段)
39…演算制御部(制御手段)
40…傾斜角制御部(制御手段)
41…引張速度制御部(制御手段)
β…傾斜角
Fc…破断限界張力
Tc…上限駆動トルク

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ