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技術 サーマルヘッドの駆動制御方法

出願人 セイコーエプソン株式会社株式会社キングジム
発明者 柳澤重一高津晋渡邊健二亀田登信会田智恵子新村朋之
出願日 1995年11月10日 (25年1ヶ月経過) 出願番号 1995-292817
公開日 1996年8月13日 (24年4ヶ月経過) 公開番号 1996-207345
状態 特許登録済
技術分野 サーマルプリンタ(制御)
主要キーワード モータ駆動パルス信号 ブレイク接点 温度検出タイミング 識別スイッチ 差し込み用 温度変化特性 一括駆動 判別スイッチ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年8月13日)のものです。
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図面 (15)

課題

雰囲気温度サーマルヘッド加熱状態等に影響されずにサーマルヘッドを常に適切に駆動制御する方法を提案する。

解決手段

テープ印刷装置印刷動作においては、電源投入直後の初期温度T1、印刷直前の温度T2を検出し、さらには、印刷毎にサーマルヘッドの雰囲気温度T3(i)を検出する。初期温度T1と印刷直前温度T2の差が少ない場合には印刷直前温度T2を雰囲気温度として採用してサーマルヘッドの通電時間を制御する。この差が大きい場合には、初期温度T1を雰囲気温度として採用して通電時間を減らす。印刷中温度T3(i)の上昇率が大きい場合には雰囲気温度として印刷直前温度T2を採用して通電時間を減らす。この印刷中温度がオーバーヒート状態を示す温度にまで上がった場合には、サーマルヘッドの駆動を停止する。

効果

サーマルヘッドの発熱に影響されていない雰囲気温度を用いてサーマルヘッドの駆動を制御でき、サーマルヘッドの加熱状態に応じた適切な制御もできる。

概要

背景

近年、テープ状の記録媒体印刷を行うテーププリンタ、ラベルワープロと呼ばれる印刷装置が利用されている。この印刷装置により印刷されるテープ状の記録媒体は、裏側に剥離紙により覆われた粘着面が形成されており、印刷後に剥離紙を剥がすことにより、希望の場所にラベルとして貼り付けることができる。このような印刷装置(本明細書では、テープ印刷装置と呼ぶものとする。)は、小型・コンパクトに構成する必要があるので、それに寄与する小型の印刷機構が組み込まれる。一般的にはサーマルヘッドが組み込まれた熱転写式の印刷機構が採用されている。

サーマルヘッドを使用する場合には、当該サーマルヘッドの加熱状態に応じてその各発熱体印加電力を制御する必要がある。このための方法は、例えば、以下の各特許公開公報に開示されている。

(1)特開昭62−121072号公報
印刷動作毎にサーマルヘッドの放熱板温度を検出し、温度変化量に基づき、サーマルヘッドの印加パルス幅を制御する方法
(2)特開昭64−14055号公報
サーマルヘッド近傍に配置したサーミスタによる測定温度の変化に基づき、サーマルヘッドの温度を予測し、これに基づき、サーマルヘッドの駆動を制御する方法
(3)特開平2−2030号公報
印刷開始時と印刷終了時のヘッド温度を検出して、これらの間の変化量が多い場合には一時的に印刷動作を禁止する方法
(4)特開平和2−9649号公報
サーマルヘッドが搭載されたユニット温度上昇率に応じて、ヘッド駆動を停止すべき温度条件を変える方法
(5)特開平2−25345号公報
サーマルヘッドの近接部分におけるヘッドから温度勾配を求め、当該勾配に基づき算出したサーマルヘッドの温度状態に基づき当該サーマルヘッドを駆動する方法
(6)特開平2−45182号公報
サーマルヘッドの初期温度検出、印刷中温度を検出、これらに基づき冷却ファンの異常(オーバーヒート)を検出する方法
一方、サーマルヘッドによる印刷においては、当該サーマルヘッドの雰囲気温度に応じてインクリボンの熱転写状態が変動する。すなわち、印刷ドット品質が変動する。したがって、一定の印刷品位を保持するためには、サーマルヘッドの雰囲気温度に応じてサーマルヘッドの各発熱体の発熱を制御する必要もある。このための方法は次の公開特許公報に開示されている。

(7)特開昭62−23767号公報
サーマルヘッド自体の温度を検出するセンサと雰囲気温度を検出するためのセンサの双方を備えており、これらの測定値に基づき、サーマルヘッドの駆動を制御する方法
(8)特開平2−121853号公報
装置の初期設定時毎に周囲温度を検出し、今回の周囲温度と、前回に測定した周囲温度とを用いて、予め定めた演算処理を行なってサーマルヘッドの駆動パワーを算出し、この算出結果に基づきサーマルヘッドを駆動制御する方法

概要

雰囲気温度、サーマルヘッド加熱状態等に影響されずにサーマルヘッドを常に適切に駆動制御する方法を提案する。

テープ印刷装置の印刷動作においては、電源投入直後の初期温度T1、印刷直前の温度T2を検出し、さらには、印刷毎にサーマルヘッドの雰囲気温度T3(i)を検出する。初期温度T1と印刷直前温度T2の差が少ない場合には印刷直前温度T2を雰囲気温度として採用してサーマルヘッドの通電時間を制御する。この差が大きい場合には、初期温度T1を雰囲気温度として採用して通電時間を減らす。印刷中温度T3(i)の上昇率が大きい場合には雰囲気温度として印刷直前温度T2を採用して通電時間を減らす。この印刷中温度がオーバーヒート状態を示す温度にまで上がった場合には、サーマルヘッドの駆動を停止する。

サーマルヘッドの発熱に影響されていない雰囲気温度を用いてサーマルヘッドの駆動を制御でき、サーマルヘッドの加熱状態に応じた適切な制御もできる。

目的

本発明の課題は、上記の点に鑑みて、サーマルヘッドの近傍に配置される単一の温度検出素子を用いてサーマルヘッドの発熱に影響されない雰囲気温度を検出し、当該雰囲気温度に基づきサーマルヘッドを適切に駆動制御できる方法を提案することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
2件

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請求項1

サーマルヘッド雰囲気温度を検出し、検出した当該雰囲気温度に基づき前記サーマルヘッドの各発熱体に対して供給される通電信号通電時間を制御するサーマルヘッドの駆動制御方法において、前記サーマルヘッドが搭載された装置に電源投入された直後の当該サーマルヘッドの雰囲気温度を初期温度(T1)として検出し、前記サーマルヘッドによる被記録媒体への印刷動作が行なわれる直前の当該サーマルヘッドの雰囲気温度を印刷直前温度(T2)として検出し、前記印刷直前温度(T2)と前記初期温度(T1)の温度差の絶対値を算出して、当該温度差の絶対値が予め設定した第1の閾値(Ta)以下の場合には、前記印刷直前温度(T2)に基づき、前記サーマルヘッドの各発熱体への通電時間を決定することを特徴とするサーマルヘッドの駆動制御方法。

請求項2

請求項1において、更に、前記サーマルヘッドによる被記録媒体への印刷動作が行われる度毎に、当該サーマルヘッド雰囲気温度を印刷中温度(T3(i):iは正の整数)として検出し、当該印刷中温度(T3(i))が予め設定した値(Tc)を越えた場合には印刷動作を中止することを特徴とするサーマルヘッドの駆動制御方法。

請求項3

請求項2において、前記初期温度(T1)を、装置電源オフされた後も所定の期間は保持することを特徴とするサーマルヘッドの駆動制御方法。

請求項4

請求項3において、前記サーマルヘッドの雰囲気温度を検出する温度検出手段は、温度検出素子としてのサーミスタと、当該サーミスタの両端電圧を検出するA/D変換手段とを備えており、前記サーミスタの駆動電圧と前記A/D変換手段における基準電圧とを共通としたことを特徴とするサーマルヘッドの駆動制御方法。

請求項5

請求項1において、前記温度差の絶対値が予め設定した第1の閾値(Ta)を越える場合には、前記初期温度(T1)に基づき、前記サーマルヘッドの各発熱体への通電時間を決定することを特徴とするサーマルヘッドの駆動制御方法。

請求項6

請求項5において、更に、前記サーマルヘッドによる被記録媒体への印刷動作が行われる度毎に、当該サーマルヘッド雰囲気温度を印刷中温度(T3(i):iは正の整数)として検出し、検出された印刷中温度(T3(i+1))と前回の印刷動作時に検出された印刷中温度(T3(i))の温度差の絶対値を算出し、当該算出値が予め設定した値(Tb)を越えた場合には、前記印刷直前温度(T2)に基づき、前記サーマルヘッドの各発熱体への通電時間を決定することを特徴とするサーマルヘッドの駆動制御方法。

請求項7

請求項6において、更に、前記印刷中温度(T3(i))が予め設定した値(Tc)を越えた場合には印刷動作を中止することを特徴とするサーマルヘッドの駆動制御方法。

請求項8

請求項7において、前記初期温度(T1)を、装置電源がオフされた後も所定の期間は保持することを特徴とするサーマルヘッドの駆動制御方法。

請求項9

請求項8において、前記サーマルヘッドの雰囲気温度を検出する温度検出手段は、温度検出素子としてのサーミスタと、当該サーミスタの両端電圧を検出するA/D変換手段とを備えており、前記サーミスタの駆動電圧と前記A/D変換手段における基準電圧とを共通としたことを特徴とするサーマルヘッドの駆動制御方法。

技術分野

0001

本発明はテープ状記録媒体印刷を行なうテープ印刷装置等における印刷手段として使用されるサーマルヘッド駆動制御方法に関するものである。さらに詳しくは、雰囲気温度の変動およびサーマルヘッドの加熱状態に応じて、常に適切にサーマルヘッドを駆動することの可能な駆動制御方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、テープ状の記録媒体に印刷を行うテーププリンタ、ラベルワープロと呼ばれる印刷装置が利用されている。この印刷装置により印刷されるテープ状の記録媒体は、裏側に剥離紙により覆われた粘着面が形成されており、印刷後に剥離紙を剥がすことにより、希望の場所にラベルとして貼り付けることができる。このような印刷装置(本明細書では、テープ印刷装置と呼ぶものとする。)は、小型・コンパクトに構成する必要があるので、それに寄与する小型の印刷機構が組み込まれる。一般的にはサーマルヘッドが組み込まれた熱転写式の印刷機構が採用されている。

0003

サーマルヘッドを使用する場合には、当該サーマルヘッドの加熱状態に応じてその各発熱体印加電力を制御する必要がある。このための方法は、例えば、以下の各特許公開公報に開示されている。

0004

(1)特開昭62−121072号公報
印刷動作毎にサーマルヘッドの放熱板温度を検出し、温度変化量に基づき、サーマルヘッドの印加パルス幅を制御する方法
(2)特開昭64−14055号公報
サーマルヘッド近傍に配置したサーミスタによる測定温度の変化に基づき、サーマルヘッドの温度を予測し、これに基づき、サーマルヘッドの駆動を制御する方法
(3)特開平2−2030号公報
印刷開始時と印刷終了時のヘッド温度を検出して、これらの間の変化量が多い場合には一時的に印刷動作を禁止する方法
(4)特開平和2−9649号公報
サーマルヘッドが搭載されたユニット温度上昇率に応じて、ヘッド駆動を停止すべき温度条件を変える方法
(5)特開平2−25345号公報
サーマルヘッドの近接部分におけるヘッドから温度勾配を求め、当該勾配に基づき算出したサーマルヘッドの温度状態に基づき当該サーマルヘッドを駆動する方法
(6)特開平2−45182号公報
サーマルヘッドの初期温度検出、印刷中温度を検出、これらに基づき冷却ファンの異常(オーバーヒート)を検出する方法
一方、サーマルヘッドによる印刷においては、当該サーマルヘッドの雰囲気温度に応じてインクリボンの熱転写状態が変動する。すなわち、印刷ドット品質が変動する。したがって、一定の印刷品位を保持するためには、サーマルヘッドの雰囲気温度に応じてサーマルヘッドの各発熱体の発熱を制御する必要もある。このための方法は次の公開特許公報に開示されている。

0005

(7)特開昭62−23767号公報
サーマルヘッド自体の温度を検出するセンサと雰囲気温度を検出するためのセンサの双方を備えており、これらの測定値に基づき、サーマルヘッドの駆動を制御する方法
(8)特開平2−121853号公報
装置の初期設定時毎に周囲温度を検出し、今回の周囲温度と、前回に測定した周囲温度とを用いて、予め定めた演算処理を行なってサーマルヘッドの駆動パワーを算出し、この算出結果に基づきサーマルヘッドを駆動制御する方法

発明が解決しようとする課題

0006

上記の(7)特開昭62−23767号公報に記載の方法では、2個の温度センサが必要である。したがって、例えば、前述した小型・コンパクト化が特に要求されるテープ印刷装置等の印刷装置には適していない。

0007

また、上記の(8)特開平2−121853号公報に記載の方法では、例えば温度検出手段として、サーマルヘッドの近傍に配置したサーミスタ等の温度検出素子を用いた場合には、サーマルヘッドの発熱状態に影響されて周囲温度を適切に検出できないおそれがある。このために、場合によってはサーマルヘッドを適切に駆動制御できないこともある。すなわち、サーマルヘッドは印刷動作を行なうとそれ自体が発熱源となる。このために、サーマルヘッドの近傍に取り付けたサーミスタを用いた雰囲気温度の測定値は、実際の雰囲気温度とはかなり異なったものになるおそれがある。例えば、実際の雰囲気温度に変化がなくても、サーマルヘッドが駆動される前と、印刷動作を行なった直後とでは、サーミスタによる測定値は異なってしまう。これでは、実際の雰囲気温度に基づいてサーマルヘッドを適切に駆動することができない。

0008

本発明の課題は、上記の点に鑑みて、サーマルヘッドの近傍に配置される単一の温度検出素子を用いてサーマルヘッドの発熱に影響されない雰囲気温度を検出し、当該雰囲気温度に基づきサーマルヘッドを適切に駆動制御できる方法を提案することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記の課題を解決するために、本発明は、サーマルヘッドの雰囲気温度を検出し、検出した当該雰囲気温度に基づき前記サーマルヘッドの各発熱体に対して供給される通電信号通電時間を制御するサーマルヘッドの駆動制御方法において、次のようにしている。まず、前記サーマルヘッドが搭載された装置に電源投入された直後の当該サーマルヘッドの雰囲気温度を初期温度(T1)として検出する。次に、前記サーマルヘッドによる被記録媒体への印刷動作が行なわれる直前の当該サーマルヘッドの雰囲気温度を印刷直前温度(T2)として検出する。しかる後に、前記印刷直前温度(T2)と前記初期温度(T1)の温度差の絶対値を算出する。そして、当該温度差の絶対値が予め設定した第1の閾値(Ta)以下の場合には、前記印刷直前温度(T2)に基づき、前記サーマルヘッドの各発熱体への通電時間を決定するようにしている。

0010

この方法によれば、初期温度と印刷動作最初の印刷直前温度の差が小さい場合には、サーマルヘッドの温度が周囲温度と同一であると判断して、直近の雰囲気温度である印刷直前温度に基づき、サーマルヘッドの発熱体の発熱を適切な状態に保持できる。

0011

また、本発明の方法では、前記温度差の絶対値が予め設定した第1の閾値(Ta)を越える場合には、前記初期温度(T1)に基づき、前記サーマルヘッドの各発熱体への通電時間を決定するようにしている。このように、初期温度(T1)と印刷直前温度(T2)の差が大きくなると、サーマルヘッドは予め加熱された状態、すなわち、印刷動作が行なわれた直後等であると判断される。本発明の方法によれば、温度(T2)が実際の雰囲気温度を反映していないと判断される場合には、初期温度(T1)に基づき、サーマルヘッドの発熱体の発熱を適切な状態に保持できる。

0012

さらに、本発明の方法では、前記サーマルヘッドによる被記録媒体への印刷動作が行われる度毎に、当該サーマルヘッド雰囲気温度を印刷中温度(T3(i):iは正の整数)として検出し、検出された印刷中温度(T3(i+1))と前回の印刷動作時に検出された印刷中温度(T3(i))の温度差の絶対値を算出し、当該算出値が予め設定した値(Tb)を越えた場合には、前記印刷直前温度(T2)に基づき、前記サーマルヘッドの各発熱体への通電時間を決定するようにしている。

0013

この方法によれば、サーマルヘッドが過熱ぎみになった場合には、一般的に初期温度(T1)よりも高い印刷直前温度(T2)に基づき、サーマルヘッドへの通電時間が制御される。このため、一般的にサーマルヘッドの発熱が抑制されるので、サーマルヘッドがオーバーヒート状態に陥ることを回避できる。

0014

ここで、前記印刷中温度(T3(i))が予め設定した値(Tc)を越えた場合には印刷動作を中止れば、オーバーヒート状態に陥ったサーマルヘッドをそのまま駆動してしまうことを回避できる。

0015

また、前記初期温度(T1)を、装置電源オフされた後も所定の期間は保持することが望ましい。このようにすれば、サーマルヘッドが駆動された後に、充分に冷却されるまでの間は、サーマルヘッドの発熱に影響を受けていない初期温度を利用することができる。

0016

一方、前記サーマルヘッドの雰囲気温度を検出する温度検出手段としては、温度検出素子としてのサーミスタと、当該サーミスタの両端電圧を検出するA/D変換手段とを備えた構成とし、前記サーミスタの駆動電圧と前記A/D変換手段における基準電圧とを共通にすることが好ましい。この構成を採用すれば、電池電源等を使用する場合に、駆動電圧が低下しても、それによりサーミスタによる検出結果が変動してしまうことを防止できる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下に、図面を参照して、本発明のサーマルヘッドの駆動制御方法を、テープ印刷装置に適用した例を説明する。

0018

図1には、本例のテープ印刷装置の外観を示してある。テープ印刷装置1の基本的な構成は従来のテープ印刷装置と同様であり、本体ケース2の上面にはキーボード3が配置され、その後ろ側には、後端を中心として開閉可能な蓋4が取付けられている。本体ケース2の前端には携帯用把手5が形成されている。蓋4は中央の蓋オープンボタン6を押すことにより開けることができる。蓋4には、一方の側に内部の液晶表示器表示画面を目視可能な窓4aが形成されており、他方の側には、内部のカートリッジ装着部(図2参照)にテープカートリッジ図2参照)が装着されているか否かを目視可能な窓4bが形成されている。

0019

本体ケース2の一方の側面には、その後ろ側の位置にACアダプターのジャック差し込み口4cがあり、前側の位置には、電源スイッチ4dが配置されている。本体ケース2の内部には、電池装着部(図示せず)が形成されており、本体ケース2の裏面に形成した蓋を開けることにより、電池の取付け、交換を行うことが可能となっている。これらの構成は、従来のテープ印刷装置と同様である。

0020

図2には、蓋4を開けた状態を示してある。蓋4を開けると、本体ケース2の側に形成されているテープカートリッジ7の装着部8が露出する。また、この装着部8の隣には、液晶表示器9が配置され、その表面画面9aも露出する。

0021

まず、図2と共に図3も参照して、この装着部8に着脱可能に装着されるテープカートリッジ7の構成を説明する。テープカートリッジ7のケースは、上ケース7aおよび下ケース7bを組み合わせた構成となっており、サーマルヘッド差し込み用貫通孔71が形成されている。テープカートリッジ7の内部には、テープ状の記録媒体(以下、「テープ」という。)Tのロール72と、インクリボンRのロール73が配置されている。また、プラテンロール74およびリボン巻取りロール75が配置されている。テープロール72から繰り出されたテープTは、図3において太い破線で示す搬送経路を通ってケース側面に形成した排出口76から外部に排出される。インクリボンRは、太い実線で示す搬送経路に沿って搬送され、プラテンロール74の位置で、テープTに重ね合わされ、貫通孔71の内側面に沿ってリボン巻取りロール75に至り、ここに巻き取られる。

0022

テープTとリボンRが重なりあうプラテンロール74の位置が印刷位置であり、この位置に対峙している貫通孔71の側壁には窓71aが形成されている。また、テープロール72の中心には、位置決め用の軸差し込み孔72aが形成され、プラテンロール74の中心には、ロール駆動軸差し込み孔74aが形成され、リボン巻取りロール75の中心にはロール駆動軸差し込み孔75aが形成されている。

0023

テープTは、表面が印刷面であり、その裏面側には粘着面が形成され、粘着面が剥離紙によって覆われた構成をしている。したがって、剥離紙を剥がすことにより、希望する場所に貼り付けることができる。本例では、テープTとして、6、9、12、18、24mmの5種類の幅のものが収納されたテープカートリッジ7を利用できるように構成されている。

0024

この構成のテープカートリッジ7が装着される装着部8は、その底面から、サーマルヘッド11が内蔵されたヘッドユニット12、位置決め用ピン13、プラテンロール駆動軸14およびリボン巻取りロール駆動軸15が突出している。これらの各部分は、テープカートリッジ7が装着されると、そこに形成されている貫通孔71、テープロール孔72a、プラテンロール駆動軸差し込み孔74a、リボンロール駆動軸差し込み孔75aにそれぞれ差し込まれた状態となる。差し込まれた状態においては、サーマルヘッド11の表面に上下方向に一列に配列された発熱体11aは、テープカートリッジ貫通孔71の窓71aから、プラテンロール74の表面に沿って重なった状態で搬送されるテープTおよびリボンRに対峙した状態となる。サーマルヘッド11は、図3において実線で示す位置と想像線で示すリリース位置の間を旋回可能となっている。本例では、蓋4を閉じる動作に連動して、蓋裏面に形成されている突起4eが本体ケース内蔵の連動機構(図示せず)を操作して、サーマルヘッドをリリース位置から実線で示す印刷可能な位置に移動させるようになっている。また、蓋オープンボタン6の操作に連動して、サーマルヘッド11はリリース位置に退避するようになっている。

0025

装着されたテープカートリッジ7のテープ排出口76に対応する本体ケース2の側の位置にもテープ排出口16が形成されている。テープTはカートリッジ7の排出口76および本体ケース側の排出口16を通過して、外部に排出されることになる。この排出口16には、カッター(図示せず)が配置されており、排出口16よりも後方側の位置に配置したカッターボタン17を操作すると、これに連動してカッターが動作して、ここを通過するテープTを切断できるようになっている。このような機構は従来のテープ印刷装置と同様である。

0026

本体ケース2の内部には、各部分の制御機構を構成している回路基板が配置されていると共に、プラテンロール、リボン巻取りロール等の駆動部材駆動源であるステッピングモータが内蔵されている。さらには、前述したように電池装着部が形成されている。

0027

次に、図4を参照して、本例のテープ印刷装置1に組み込まれている制御系の全体構成を説明する。制御系の中心をなす制御回路部20は、ROM、RAM、入出力ポートを一体に組み込んだ1チップマイクロコンピュータ(CPU)21と、マスクROM22、CPU21と周辺回路インタフェースを行う各種回路が組み込まれた構成となっている。CPU21はインタフェースを介して直接あるいは間接的にキーボード3、液晶表示器9等に接続され、これらの駆動制御を司る。

0028

CPU21の入力ポートの側には、電源スイッチ4d、蓋4の開閉を検出するための開閉検出スイッチ23が接続されている。また、判別スイッチ24が接続されている。判別スイッチ24は、カートリッジ装着部8の底面の片隅に設けられたものである。この判別スイッチ24は、テープカートリッジ7の側のケースに形成した3個のテープ幅識別孔77に差し込み可能な3個の識別スイッチ24a、24b、24cを備えている。これらの識別スイッチはその突起の突出量が大きい場合にはオンし、少ない場合にはオフ状態になるものである。テープカートリッジ7の側の識別孔77は、内蔵のテープTの幅に応じて、異なるパターンで識別孔77の深さが、浅い、深いの何れかに設定されている。したがって、装着されたテープカートリッジ7に内蔵のテープ幅は、識別スイッチ24の出力に基づき判別することができる。テープ幅に応じて、後述するように、サーマルヘッドの各発熱体の駆動形態が変更される。

0029

25は電源ユニットであり、この電源ユニットにはACアダプタ26、電池27のいずれか一方からの直流電源が供給される。直流電流入力端プラグ28であり、ACアダプタ26からの直流電源はジャック29を差し込むことにより供給される。このジャック29を差し込むと、ブレイク接点の働きにより電池27から電源ユニット25への接続が遮断される。ここで、プラグ28にはもう一つの接点が取付けられており、ここからの信号BTがCPU21に供給される。この信号に基づき、CPU21は、装置電源がACアダプタ26からのものか、電池27からのものかを判別できる。本例では、装置電源の種類に応じて、後述のように印刷制御を異なるものとしている。

0030

サーマルヘッド11による印刷濃度は、その発熱体11aへの通電時間によって変動するとと共に、雰囲気温度、駆動電圧によっても変動する。このために、本例では、温度検出回路31および電圧検出回路32を設けて、これらを検出している。これらの回路31、32の出力はCPU21のアナログデジタル(A/D)変換入力ポートAD1、AD2に入力される。CPU21は、これらのポートに現れる電圧デジタル信号に変換して読み取り、後述のような各種の制御を行っている。

0031

図5に示すように、本例の温度検出回路31は、温度検出素子としてサーミスタ31aを用いている。この両端電圧がCPU21のA/D変換入力ポートAD1に入力される。ここで、A/D変換用レファレンス電圧Vrefは、サーミスタ駆動電源Vccに共通としてある。この結果、電池27を装置電源として用いている場合に電圧が降下して変化しても、それに応じてレファレンス電圧Vrefも同様に変化する。よって、電池電圧の変動を受けることなくサーミスタ31aを用いて精度良く温度検出を行うことができる。

0032

また、図6に示すように、本例の電圧検出回路32では、動作電圧の範囲内であれば一定の電圧を発生する定電圧発生回路32aを備えており、ここから発生する定電圧VoがCPU21のA/D変換入力ポートAD3に供給される。ここで、A/D変換用のレファレンス電圧Vrefは上述したように駆動電源Vccとしてある。電池27を装置電源として用いている場合に電圧が降下して駆動電源Vccの電圧値が変動しても、入力ポートAD3に供給されている定電圧Voの値を基準とすることにより、検出された電源電圧の値を補正して、正確な電圧値を得ることができる。このように、本例によれば、電池電源を用いた場合においても常に正確な電源電圧の検出を行うことができる。

0033

次に、マスクROM22は各種の書体文字を記憶しており、アドレスバスデータバスを介してCPU21に接続されている。液晶表示器9は、液晶パネルから構成される表示画面9aと、この画面9aを駆動するドライバ9bと、ドライバ9bを介して表示画面9aの駆動を制御するドライバコントローラ9cを備えている。

0034

一方、本例の印刷装置1の印刷機構は、機械的な主要構成要素としてサーマルヘッド11とステッピングモータ41を備えている。制御系の主要構成要素として、プリンタコントーラ42、モータドライバ43を備えている。本例のサーマルヘッド11は、128個の発熱体11aを縦一列に一定のピッチで配列した構成となっている。ステッピングモータ41は4相の駆動信号位相を適宜制御することにより回転角度を制御可能なものである。このステッピングモータ41の1ステップによるテープ送り量は、本体ケースに内蔵されてステッピングモータからプラテンロール駆動軸に渡る減速機構減速比により決定される。テープ搬送は、サーマルヘッド11による1ドット列毎の印刷に同期してステッピングモータ41を一定のステップ数づつ駆動することにより行われる。

0035

なお、CPU21の内部ROMには、上述した各周辺回路を駆動制御するための各種の制御プログラムが格納されている。これらの制御プログラムに基づき、各部分の制御が実行される。

0036

次に、本例の印刷装置1の印刷動作を説明する。まず、図7には、本体電源投入後における電源種類、装着されているテープカートリッジの種類の判別動作フローを示してある。この図に示すように、電源スイッチ4dがオンされると(ステップST1)、電源の種類を表す信号BTに基づき電源が、ACアダプタ26からのものであるのか、電池電源27であるのかを判別する(ステップST2)。この判別結果および以下の判別結果は、CPU21の内部RAMの作業用レジスタ領域に記憶される。電池電源である場合には、電池が逆向きに装着されていないかどうかを判別する(ステップST3)。逆に装着されている場合には異常と判断して電源を強制的にオフに切り換えて動作を終了する(ステップST4)。次に、判別スイッチ24からの信号に基づき、装着されているカートリッジ7の種類を判別する。本例では、テープ幅の異なる5種類のテープカートリッジ7が用意されており、これを判別する(ステップST5)。テープカートリッジ7が装着されていない場合には、異常である旨の表示を、液晶表示画面9aに表示して電源を強制的にオフして動作を終了する(ステップST6)。このようにして電源の種類、テープカートリッジの種類の判別が行われる。

0037

図8には、サーマルヘッド11の雰囲気温度に基づく、サーマルヘッドの各発熱体への通電時間の制御動作のフローを示してある。本例では、電源投入直後にサーマルヘッドの雰囲気温度を初期温度T1として検出する。印刷指令が出されると、サーマルヘッドの雰囲気温度を印刷直前温度T2として検出する。さらに、印刷開始後においては、1ドットライン分の印刷の終了毎にサーマルヘッド11の雰囲気温度を印刷中温度T3(i)(i:正の整数)として検出する。これらの測定温度の変化状態に応じて、サーマルヘッド11の各発熱体11aへの通電時間を制御するようにしている。

0038

この制御手順を詳細に説明する。電源投入後に上記の図7に示すような各種の初期設定動作を行い、まず、温度検出回路31からの信号に基づき、サーマルヘッド11の初期温度T1を検出する(ステップST11)。この後は印刷指令が出されるのを待機する(ステップST12)。印刷指令が出されると、印刷直前温度T2を検出する(ステップST13)。次に、初期温度T1と印刷直前温度T2の差の絶対値を求めて、それが、予め設定した値Taよりも小さいか否かを判別する(ステップST14)。

0039

印刷装置の使用環境は電源投入後から印刷開始されるまでの間に急激に変換するものではない。一般的には、摂氏5度前後の範囲を越えて変動するものではない。したがって、本例では例えば値Taを摂氏5度に設定し、上記の値の差が予め設定した値Taよりも小さい場合には、直前に測定した温度T2がサーマルヘッド11の雰囲気温度であると判断している。

0040

この場合には、ステップST15からステップST19のループを実行する。すなわち、サーマルヘッド11の発熱体11aへの通電時間を、温度T2に基づき決定して、適切な濃度の印刷ドットを形成するようにしている。なお、印刷毎、すなわちサーマルヘッド11への通電信号のオン毎に温度検出を繰り返し行い、検出された温度をT3(i)として記憶し、この値が、サーマルヘッド11のオーバーヒート状態を示す温度よりも高くなった場合には、異常と判断して動作を強制的に終了させて、電源をオフにする(ステップST18、20)。

0041

なお、ステップST18および後述のステップST28におけるサーマルヘッドがオーバーヒート状態に陥ったか否かを判別するための温度としては、サーマルヘッドが破壊しないように保護する点、サーマルヘッド近傍のケース等に悪影響を及ぼさない点、サーマルヘッドに手を触れることによるやけど等に対する安全性の点などを考慮して、一般的には、摂氏70度前後の値に設定することが望ましい。

0042

一方、初期温度T1と印刷直前温度T2の差が値Ta以上となる場合は、それまでの一連の印刷動作等によってサーマルヘッド11が加熱され、その発熱等により雰囲気温度が影響を受けているものと判断される。この場合には、サーマルヘッド11の雰囲気温度として初期温度T1を採用して、サーマルヘッド11への通電時間を決定している。すなわち、ステップST14からステップST21に移行して、印刷直前温度T2を印刷中温度T3(i)として記憶した後に、サーマルヘッド11への通電時間を初期温度T1で決定する(ステップST22、23)。次に温度検出を行い(ステップST24)、検出された印刷中温度をT3(i+1))として記憶する(ステップST25)。

0043

このように、温度T1とT2の差が値Taよりも大きい場合には、初期温度T1に基づき通電時間を決定している。しかるに、印刷を繰り返し行う間に、サーマルヘッドが加熱されて、オーバーヒートに到るおそれがある。すなわち、前回の印刷時の検出温度T3(i)に比べて今回の検出温度T3(i+1)が予め定めた値Tbよりも高くなった場合には、サマールヘッド11がそれ以上加熱されないように制御する必要がある。この値Tbとしては一般的に摂氏1度前後の値を採用することができる。

0044

そこで、本例では、前回に比べてサーマルヘッド11の温度が過度の上昇した場合には、ステップST26からステップST15に移行して、サーマルヘッド11への通電時間の決定を、印刷直前温度T2に基づき決定するように変更している。印刷直前温度T2の方が初期温度T1よりも一般に高いので、温度T2に基づき決定される通電時間は、温度T1に基づき決定される通電時間よりも短くなる。この結果、サーマルヘッド11の駆動エネルギが抑制され、当該サーマルヘッドがオーバーヒート状態に陥ることを回避できる。

0045

なお、印刷毎にサーマルヘッド11が徐々に加熱されてオーバーヒート状態に陥った場合には、ステップST28において検出温度T3(i)からそれを判別して、強制的に印刷を終了して電源をオフにする(ステップST20)。

0046

なお、図8のフローにはステップとして示していないが、本例の印刷装置では、初期温度T1を電源オフの後も一定の時間は保持するようにしている。すなわち、一連の印刷後に電源をオフし、短時間のうちに再度電源をオンした場合には、サーマルヘッド11は充分に冷却されていない。このため、電源オン後に得られる初期温度T1は実際のサーマルヘッド11の雰囲気温度を示すものではない。したがって、本例では、サーマルヘッド11が充分に冷却する時間の間は、電源をオフした後も、初期温度T1を保持しておくようにしている。このためには、記憶手段としてEEPROM等を内蔵しておけばよい。このように一定の時間、例えば5分以内に電源が再投入された場合には、初期温度T1は、前回に測定された初期温度の値が採用されることになる。なお、オートパワーオフ機能を備えた印刷装置においては、その機能により電源がオフされた時点で保持されている初期温度をクリアすればよい。

0047

ここで、上述のような制御における印刷中温度T3(i)の検出タイミングについて説明する。まず、図9には、サーマルヘッド11に通電した場合におけるサーマルヘッド発熱体の温度変化特性を示してある。この温度変化特性は、通電前のサーマルヘッド発熱体の温度に依存する。したがって、サーマルヘッド発熱体の発熱を制御するためには、温度検出タイミングとしては、図10に示すように、サーマルヘッドの各発熱体に対する通電を開始した直後に行なうことが望ましい。

0048

(その他の印刷制御動作)次に、本例の印刷装置1では、印刷開始を、テープ搬送速度が一定の速度に到る前の時点から行うようにしている。すなわち、テープ搬送用のステッピングモータ41が始動されて印刷速度まで加速される途中から印刷を開始し、印刷速度に到るまでに無駄に搬送されてしまうテープの量を少なくするようにしている。すなわち、図11(a)に示すように、従来においては、ステッピングモータ41は、印刷開始時には脱調を防止するために加速制御を行い、段階的にモータ速度を加速して、一定の印刷速度まで立ち上げるようにしている。一般には10mm/秒の印刷速度(搬送速度)Vpまで立ち上げるようにしている。例えば、印刷開始指令の出た時点toから、一定の加速度で5段階に渡り加速制御を行い、印刷速度が10mm/秒に到達した時点t2から実際の印刷を開始している。ここで、テープTの搬送は、時点toから開始されているので、この時点toから時点t2までの間に搬送されるテープTの部分は余白となって無駄になる部分である。

0049

そこで、本例の印刷装置1においては、印刷速度に到達する前の時点t1から実際の印刷を開始するようにしている。この時点でのモータ速度はVpよりも低いVp1である。本例では、印刷開始後は、モータ速度の加速度をそれ以前の加速度よりも低い値に抑えて加速を行い、時点t2よりも遅い時点t3で印刷速度Vpに到達するようにしている。このようにモータの加速途中から印刷を開始しても、それ以後のモータ加速度を低く抑えてあるので、形成される印刷ドットに乱れが生ずる等の弊害は発生しない。逆に、このような印刷品位が低下することのない加速度に設定されている。この結果、本例では、印刷指令後から印刷が開始されるまでに搬送されるテープ量は、時点toから時点t1までであり、従来に比べて、無駄となるテープ量を少なくすることができる。

0050

ここで、印刷速度Vpとしては、従来におけるテープ印刷装置での速度10mm/秒よりも高速に設定することができる。例えば、15mm/秒に設定することができる。この場合には、従来と同様な5段階で加速制御を行おうとすると、モータの脱調が発生して印刷品位が低下するおそれがある。この場合いは、加速のステップ数を多くすればよい。しかし、徐々に加速して高速の印刷速度までモータ速度を立ち上げると、それまでに必要な時間が多く必要となる。これは、その間に余白のままで搬送されて無駄になるテープ量が増加することを意味している。しかし、本例の印刷装置では、加速途中から印刷を行うようにしている。したがって、例えば、図11(c)に示すように加速制御を行い、途中の時点t2から印刷を行うと共に、それ以降のモータ加速度を小さく抑えるようにすれば、無題となるテープ量は従来における10mm/秒の印刷速度の場合と同一の量に抑制できる。このように、印刷開始時におけるテープの無駄な搬送量を従来と同一に抑えて、印刷速度の高速化を達成することもできる。

0051

なお、印刷終了時の動作について同様に、減速しながら印刷動作を継続できることは勿論である。この場合にも、印刷動作中における減速の程度は小さく抑えれば、印刷品質を保持することができる。

0052

次に、本例の印刷装置において、電池電源27を用いる場合の印刷制御動作を説明する。電池電源を用いる場合には容量に限りがあるので、省電力制御態様で印刷動作を行うことが望ましい。このため、本例では、テープカートリッジ7の種類に応じて、サーマルヘッドの駆動方式、印刷速度(テープ搬送速度)等を異なる態様で制御している。

0053

まず、ヘッド駆動方式は、狭い幅のテープTへの印刷を行う場合には、縦一列分の印刷ドットの印刷動作を一括で行うようにしている。本例のサーマルヘッド11の発熱体11aは、128個の発熱体が縦一列に配列された構成となっており、最大幅24mmのテープに対応できるものである。したがって、最も狭い幅である6mm幅のテープへの一列のドット印刷では、同時に使用される発熱体は128個のうちの一部である。これに対して、最大幅24mmのテープへの縦一列分の印刷動作では、128ドット全てが駆動される場合がある。発熱体の駆動電流は、一括して駆動する発熱体の個数に応じて増加する。このため、最大幅のテープへの印刷時には高い値の電流が必要になる。この駆動電流を常に低い値に抑えるためには、図12に示すように、テープ幅に応じて、縦一列分のドット印刷を、一括で行うのか、複数回に分けて行うのかを切り換えればよい。

0054

すなわち、狭い幅である6mm、9mmのテープの印刷時には、必要な縦1列分の発熱体を同時に一括駆動してドット印刷を行う。しかるに、中幅である12mm、18mmのテープへの印刷時には、必要な縦1列分の発熱体の個数が増加するので、各発熱体の駆動を、2回に分割して行う。例えば、128個の発熱体を、最初の駆動時には上から奇数番目に位置する発熱体を駆動し、第2回目の駆動時には、偶数番目に位置する発熱体を駆動する。一方、最大幅24mmのテープへの印刷時には、必要な縦1列分の発熱体の個数は最大の128個となる。よって、この場合には、縦1列分のドット印刷を、3回に分けて行う。すなわち、第1回目の駆動は、縦1列の先頭の発熱体と、ここから3つ目毎の発熱体を同時に駆動し、第2回目の駆動は第1回目に駆動された発熱体に隣接する発熱体を駆動し、第3回目の駆動は、第2回目に駆動された発熱体に隣接する発熱体を駆動する。

0055

このように発熱体を分割駆動することにより、同時に駆動される発熱体の個数を少なくできるので、そのための駆動電流値を低く抑えることができる。よって、容量の限られた電池電源に適した印刷制御を実現できる。

0056

また、本例では、図12に示すように、テープ幅に応じて、印刷速度(搬送速度)も切り換えるようにしている。すなわち、上記のように、テープ幅に応じてサーマルヘッド11の発熱体11aの駆動形態を変えているので、それに応じて、印刷速度も切り換えるようにしている。狭い幅のテープについては高速の印刷速度で印刷を行い、広い幅のテープについては低速の印刷速度で印刷を行うようにしている。本例では、テープ幅が6、9、12mmのものに対しては、高速(15mm/秒)で印刷を行い、テープ幅が18mmでは中速(10mm/秒)で印刷を行い、テープ幅が24mmでは低速(7mm/秒)で印刷を行うようにしている。このように、本例では、テープ幅に応じてサーマルヘッドの駆動形態を切り換えているので、それに応じて適切な印刷速度により印刷を行うようにしている。

0057

この他にも、テープカートリッジのテープ幅に応じて、サーマルヘッドの駆動エネルギーを変更するようにしてもよい。また、このようにテープカートリッジのテープ幅に応じた制御の変更は、装置電源が電池電源ではなく、ACアダプタを介して供給される場合にも採用してもよいことは勿論である。

0058

次に、本例では、装置電源が電池電源27である場合には、その電圧値が定格値である間は、図12に示すように、テープ幅に応じた印刷速度により印刷を行っている。しかし、電池電圧が降下して、電圧検出回路32によって検出された電圧Vdが低下した場合には印刷速度を低下することにより、低消費電力態様での印刷動作に切り換えるようにしている。

0059

図13には本例の印刷速度の制御動作を示してある。この図に示すように、検出電圧Vdが切り換え電圧値A以上の場合には、上記のように、テープ幅に応じた印刷速度で印刷を行う。しかし、電圧Vdがこの電圧値Aを下回り、これよりも低い電圧値B以上に保持されている場合には、最大印刷速度を全て10mm/秒に制限している。さらに、電圧Vdが値Bを下回り、これよりも低い動作可能電圧値C以上に保持されている場合には、印刷速度を最低印刷速度7mm/秒に統一するようにしている。

0060

このように、電池電圧の低下に応じて、低消費電力態様での印刷動作を実現しているので、電池寿命短期間で尽きてしまう等の弊害を回避できる。また、駆動電力不足により、モータ駆動が適正に行われずに印刷速度にムラができ、印刷品位が低下する等の弊害も回避できる。

0061

一方、本例においては、電池電源27を使用する場合に、電圧変換回路等を用いることになく、ソース電圧をそのまま使用してステッピングモータ41を駆動している。電圧変換回路を省略することにより、ここでの電力ロスを回避できるので、消費電力が節約される。しかし、このように直接に電圧を供給する場合には、電池電圧は使用時間に応じて電圧が変動する。このため、モータの定格値としては、新品の電池電圧よりも低い電圧値に設定しておく必要がある。しかしながら、このようにすると、新品の電池を入れた当初においては、モータに対して過剰な駆動エネルギを与えることになる。

0062

本例では、この不具合を回避するために、電源電圧検出手段32により電源電圧をモニターして、検出された電源電圧の値に応じて、モータ駆動パルス信号パルス幅変調を行い、これにより、常に適切な駆動エネルギをモータに供給できるようにしている。

0063

図14を参照して、モータ駆動パルス信号のパルス幅変調制御の例を説明する。図の(b)で示すように、一定の周期鋸歯状波形の信号を生成する。これに対応する信号は、CPU21の内蔵タイマを利用してソフトウエアにより生成することができる。また、図(a)に示す閾値(切り換え値)を、検出された電圧値に基づき設定する。この閾値の設定は印刷のタイミング毎に行う。この閾値を上下させることにより、図(c)に示すように、モータ駆動パルス信号におけるデューティ比(Ton/T)が変動する。電源電圧が高いときには、この値を小さくし、逆の場合には大きくする。この結果、ステッピングモータ41は常に一定の駆動エネルギにより駆動される。

0064

(その他の実施の形態)なお、上記の例は、本発明のサーマルヘッドの駆動制御方法を、テープ印刷装置に適用した例である。勿論、本発明の方法をテープ印刷装置以外の印刷装置に対して同様に適用することができる。

発明の効果

0065

以上説明したように、本発明のサーマルヘッドの駆動制御方法においては、サーマルヘッドの雰囲気温度として、初期温度および印刷直前温度を測定し、これらの値のうち、サーマルヘッドの発熱による影響を受けていない方のものを採用して、サーマルヘッドを駆動制御するようにしている。したがって、本発明によれば、単一の温度検出素子を用いてサーマルヘッドの発熱による影響を受けていない雰囲気温度を採用して、サーマルヘッドの発熱体への通電時間を適切に制御することができる。

0066

また、本発明の方法では、上記の初期温度および印刷直前温度に加えて、印刷動作毎に印刷中温度を測定し、これらの3種類の値に基づき、サーマルヘッドの駆動を制御している。したがって、本発明によれば、単一の温度検出素子を用いてサーマルヘッドの発熱による影響を受けていない雰囲気温度を採用してサーマルヘッドの発熱体への通電時間を制御できる。また、サーマルヘッドがオーバーヒート状態に陥ることを防止できる。さらには、サーマルヘッドがオーバーヒート状態に陥った場合には直ちにサーマルヘッドの駆動を停止できる。

0067

さらに、本発明の方法では、測定した初期温度を、装置電源をオフした後の一定の期間は保持している。したがって、サーマルヘッドが充分に冷却する前に再度電源が投入されて印刷動作が行なわれる場合には、この保持している初期温度はサーマルヘッドの発熱による影響を受けていないので、正確な雰囲気温度を用いた適切なサーマルヘッドの駆動制御を実現できる。

0068

一方、本発明では、サーマルヘッドの雰囲気温度を検出する温度検出手段としては、温度検出素子としてのサーミスタと、当該サーミスタの両端電圧を検出するA/D変換手段とを備えた構成を採用し、サーミスタの駆動電圧と前記A/D変換手段における基準電圧とを共通にしている。したがって、電池電源等を使用する場合に、駆動電圧が低下しても、それによりサーミスタによる検出結果が変動してしまうことを防止でき、精度のよい温度検出を行なうことができる。

図面の簡単な説明

0069

図1本発明を適用したテープ印刷装置の外観斜視図である。
図2テープ印刷装置の蓋を開けてテープカートリッジを取り出した状態を示す部分斜視図である。
図3テープカートリッジの概略内部構成図である。
図4テープ印刷装置の制御系を示す概略ブロック図である。
図5温度掲出回路を示す概略ブロック図である。
図6電圧検出回路を示す概略ブロック図である。
図7カートリッジの種類、電源の種類の判別動作を示すフローチャートである。
図8サーマルヘッドの駆動制御を示すフローチャートである。
図9サーマルヘッドの発熱体における通電に伴う温度変化の特性を示す特性図である。
図10印刷中温度の検出タイミングを示すためのタイミングチャートである。
図11ステッピングモータの加速制御を示す図であり、(a)は従来の加速制御を示すグラフ、(b)は本発明の加速制御の一例を示すグラフ、(c)は本発明の加速制御の別の例を示すグラフである。
図12テープ幅とサーマルヘッド駆動方式と印刷速度の関係を示す説明図である。
図13テープ幅と電源電圧と印刷速度の関係を示す説明図である。
図14ステッピングモータの駆動パルス信号PWM制御方法を示す信号波形図である。

--

0070

1テープ印刷装置
4d電源スイッチ
7テープカートリッジ
8 テープカートリッジ装着部
9液晶表示器
11サーマルヘッド
11a サーマルヘッドの発熱体
20制御回路
21 CPU
23蓋開閉検出スイッチ
24 テープカートリッジのテープ幅判別回路
26ACアダプタ
27電池電源
31温度検出回路
31aサーミスタ
32電圧検出回路
32a定電圧発生回路
41ステッピングモータ
T1初期温度
T2印刷直前温度
T3(i)印刷中温度

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