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技術 組織培養技術によって無病株人工種ニンニクを急速かつ大量に生産する方法

出願人 トングヤングムールサンコンパニーリミテッド
発明者 キムジョーハグチュンキュンホー
出願日 1995年9月28日 (24年4ヶ月経過) 出願番号 1995-273656
公開日 1996年8月13日 (23年6ヶ月経過) 公開番号 1996-205703
状態 拒絶査定
技術分野 植物の育種及び培養による繁殖 微生物、その培養処理
主要キーワード 頂端部分 ペトリー ルーマニア ネギ属植物 培養地 品質改善 作業速度 培養室内
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年8月13日)のものです。
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図面 (6)

課題

ニンニク花粉交配によって品種を改良することができず、またウイルスに感染して収穫量が激減するという支障と、その栽培に長期間を要するという多くの解決すべき問題点がある。

解決手段

ニンニクの小鱗茎頂端組織からカルス誘導して増殖させ、これによって誘起した苗条再分化し、再分化した苗条から多苗条増殖培地上で継代培養によって苗条を大量に増殖し、大量に増殖した苗条から人工種ニンニクを形成させる。

概要

背景

ニンニクユリ科ネギ属植物であって、小鱗茎(clove)から繁殖し、栄養価の高い薬用植物であり、健康食品および医薬品の原料として用いられるものである。

ニンニクは花粉受精によって品種を改良することが不可能であって、これまでは、専ら選抜による品種の改良に頼っていたのである。

多くの栄養繁殖作物と同様に、ニンニクもまたウイルスによって侵され、その被害は甚大であって、内外を問わず、栽培されている大部分のニンニクはガーリックモザイク・ウイルス(Garlic Mosaic Virus =GMV)あるいはガーリック・ラテント・ウイルス(Garlic Latent Virus = GLV)などのウイルスの感染によって、その収穫量極度に低下し、品質落ちるというのが実情である。

このようなウイルスによる病害は、農薬によっては救済することができないために、種球品質改善に依存するほかなく、これまでの結果としては、無病人工種ニンニクを種球として用いて、ウイルス病の感染を阻止することによって、単位面積当たり、40乃至50%程度の増産ができるなどという報告が寄せられている。

しかしながら、これまでには、無病株人工種ニンニクを効果的かつ経済的に多量に生産する技術が開発されていないために、効率的に人工種ニンニクを大量に生産者補給することができなかったのである。

ところで、従来技術として、植物の培養技術を利用して、無病株人工種ニンニクを生産する方法としては、次のものが挙げられる。

(1)図2に示すように、ニンニク小鱗茎の頂端分裂組織(apical meristem)を摘出培養して、その一つの試料から一つまたは複数の苗条(shoot)を誘導する方法。(以下「頂端培養法」という)(ルーマニア特許第96941号参照)。

(2)図3に示すように、摘出したニンニクの小鱗茎から頂端カルスを誘導し、このカルスを培地において大量に増殖させてから、ニンニクの苗条を再分化させるとともに増殖させる方法(平成1年特許願第300771号参照)(以下「カルス培養法」という)。

(3)1993年に住友化学工業株式会社から発表された人工種ニンニク生産方法(Plant Cell Tissue Organ Culture :(1993)32, 2, 175−83 参照)(以下「住友方法」という)。この住友方法は、図4に示すように、その培養過程が頂端培養法に類似するが、頂端から由来した苗条を継代培養により増殖させる段階があることが、頂端培養法と相違する。

(4)新日本製鐵株式会社が開発した方法で、平成1年特許願第19850号に開示されている。この方法は、図5に示すように、小鱗茎の頂端から微分化苗条集団を誘導し、低温で種ニンニクを形成させる方法に関する(以下「苗条原基法」という)。

概要

ニンニクは花粉の交配によって品種を改良することができず、またウイルスに感染して収穫量が激減するという支障と、その栽培に長期間を要するという多くの解決すべき問題点がある。

ニンニクの小鱗茎の頂端組織からカルスを誘導して増殖させ、これによって誘起した苗条を再分化し、再分化した苗条から多苗条増殖培地上で継代培養によって苗条を大量に増殖し、大量に増殖した苗条から人工種ニンニクを形成させる。

目的

以上の問題点を考慮して、この発明の主目的は、植物組織培養技術を利用してウイルスに感染されない無病株人工種ニンニクを急速かつ大量に生産することができる新規な方法を提供することにある。

この発明のさらに目的とするところは、ニンニクの多苗条を半永久的に大量に増殖させ、生産工程を少なくし、期間を短縮して、きわめて経済的に無病株人工種ニンニクを生産する方法を提供することにある。

この発明の目的は、特にニンニクのカルスから再分化された苗条を、多苗条誘導および増殖培地で継代培養し、それによって得た多苗条(multishoot)を半永久的に大量増殖して無病株種ニンニクを大量に生産する方法を提供することにある。

また、この発明は、大量に生産されたニンニクの多苗条を長期間貯蔵する方法を提供することを目的とする。

この発明は、露地栽培により中球のニンニクを大量に生産するのにもっとも適合する種ニンニクを安価に提供する方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ニンニク小鱗茎頂端組織からカルス誘導して増殖することと、前記増殖したカルスから誘起したニンニクの苗条再分化することと、前記再分化した苗条から多苗条増殖培地上において継代培養によって苗条を大量に増殖することと、前記苗条から人工種ニンニクを形成させることとからなる組織培養技術によって無病株人工種ニンニクを急速かつ大量に生産する方法。

請求項2

前記再分化した苗条を多苗条増殖培地によって継代培養することにより苗条を大量に増殖させることを特徴とする請求項1に記載の組織培養技術によって無病株人工種ニンニクを急速かつ大量に生産する方法。

請求項3

標準の大きさのペトリー皿の中で育てた多数のニンニクの苗条を苗条の小集団に分割し、多苗条増殖培地が盛られているペトリー皿に3乃至4本の小集団の苗条を移植して半永久的に継代培養することを特徴とする請求項2に記載の組織培養技術によって無病株人工種ニンニクを急速かつ大量に生産する方法。

請求項4

前記多増殖培養地をエムエス基本培地のうちアンモニウム窒素の量を半分に減らし、スクロースの量を2乃至3%、植物生長調節物質ベンジルアミノプリンを0.5乃至2.0mg/l、1−ナフタリン酢酸を0.05乃至0.2mg/l、寒天を0.7%添加し、滅菌する前にpHを5.8にすることを特徴とする請求項1、2および3のいずれかに記載の方法。

請求項5

大量に増殖されたニンニクの苗条を温度4℃、光度100乃至500ルックスにおいて2ヶ月間低温処理し、球を形成するための培地に移して培養して種ニンニクを形成させることを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項6

前記球を形成する培地をエムエス基本培地にスクロース9%、ナフタリン酢酸0.1乃至2.0mg/lとを添加したものとする請求項5に記載の方法。

請求項7

大量に増殖されたニンニクの苗条を球を形成する培地を入れたペトリー皿の中において、4乃至6℃の低温度において、昼の長さ16時間、夜の長さ8時間、光度500乃至1000ルックスにおいて長期間保存することを特徴とする請求項1に記載の方法。

技術分野

0001

この発明は組織培養技術によって無病人工種ニンニクを急速かつ大量に生産する方法、より詳細に述べると、植物培養技術を用いて、ウイルスに感染されなかった無病株人工種ニンニクを急速度で、大量に生産する方法に関する。

背景技術

0002

ニンニクユリ科ネギ属植物であって、小鱗茎(clove)から繁殖し、栄養価の高い薬用植物であり、健康食品および医薬品の原料として用いられるものである。

0003

ニンニクは花粉受精によって品種を改良することが不可能であって、これまでは、専ら選抜による品種の改良に頼っていたのである。

0004

多くの栄養繁殖作物と同様に、ニンニクもまたウイルスによって侵され、その被害は甚大であって、内外を問わず、栽培されている大部分のニンニクはガーリックモザイク・ウイルス(Garlic Mosaic Virus =GMV)あるいはガーリック・ラテント・ウイルス(Garlic Latent Virus = GLV)などのウイルスの感染によって、その収穫量極度に低下し、品質落ちるというのが実情である。

0005

このようなウイルスによる病害は、農薬によっては救済することができないために、種球品質改善に依存するほかなく、これまでの結果としては、無病株人工種ニンニクを種球として用いて、ウイルス病の感染を阻止することによって、単位面積当たり、40乃至50%程度の増産ができるなどという報告が寄せられている。

0006

しかしながら、これまでには、無病株人工種ニンニクを効果的かつ経済的に多量に生産する技術が開発されていないために、効率的に人工種ニンニクを大量に生産者補給することができなかったのである。

0007

ところで、従来技術として、植物の培養技術を利用して、無病株人工種ニンニクを生産する方法としては、次のものが挙げられる。

0008

(1)図2に示すように、ニンニク小鱗茎の頂端分裂組織(apical meristem)を摘出培養して、その一つの試料から一つまたは複数の苗条(shoot)を誘導する方法。(以下「頂端培養法」という)(ルーマニア特許第96941号参照)。

0009

(2)図3に示すように、摘出したニンニクの小鱗茎から頂端カルスを誘導し、このカルスを培地において大量に増殖させてから、ニンニクの苗条を再分化させるとともに増殖させる方法(平成1年特許願第300771号参照)(以下「カルス培養法」という)。

0010

(3)1993年に住友化学工業株式会社から発表された人工種ニンニク生産方法(Plant Cell Tissue Organ Culture :(1993)32, 2, 175−83 参照)(以下「住友方法」という)。この住友方法は、図4に示すように、その培養過程が頂端培養法に類似するが、頂端から由来した苗条を継代培養により増殖させる段階があることが、頂端培養法と相違する。

0011

(4)新日本製鐵株式会社が開発した方法で、平成1年特許願第19850号に開示されている。この方法は、図5に示すように、小鱗茎の頂端から微分化苗条集団を誘導し、低温で種ニンニクを形成させる方法に関する(以下「苗条原基法」という)。

発明が解決しようとする課題

0012

無病株人工種ニンニクの生産のために開発された、これらの方法についての特徴とその不利益な点とを検討する。

0013

(1)まず、頂端培養法においては、0.3mm以下のニンニクの小鱗茎の頂端組織顕微鏡を用いて連続的に摘出しなければならないので、作業速度がきわめて遅く、培養初期生存率の低い微細な頂端組織を継続的に培養しなければならない。

0014

さらに、生産された人工種ニンニクの数に相当する数の試料(小鱗茎)を必要とし、しかも最初の培養から種ニンニクの生産までの期間が約8ヶ月もかかり、多様な試料から出発するために遺伝的に均一な苗条を生産することができない。

0015

(2)カルス培養法の場合においては、充分に多量のニンニクの試料を確保するためには、カルスを数回に亘って継代培養する必要がある。しかしながら、この方法によると、継代培養によるニンニクの苗条の再分化率が減少して、生産効率が急激に低下するため、継代培養の回数は約8回程度までしか行えないという制約がある。

0016

さらに、カルスから苗条への再分化率が一定でなく、再分化される苗条の量を予測することが困難なばかりでなく、しかも、再分化された多くの苗条がガラス化(Vitrification)される虞れがあるために、生産量の調節が困難である。

0017

また、この方法によると、カルルスの増殖率が低く、カルルスから種ニンニクを生産するまでに、最低4段階の行程と8ヶ月程度の期間とを必要とする。

0018

なお、この方法では、前述したように継代培養の回数の制約から、遺伝的に完全に同質な苗条を生産することが困難であるけれども、前記頂端培養法と比較すると、それよりも優っている。しかし種ニンニクを大量に生産する点においては、多くの問題点がある。

0019

(3)住友方法は、これまでの継代培養による増殖手段としては、もっとも優れた方法であると評価されているが、その培養初期に、生産率の低い微細な頂端組織を継続的に培養しなければならないので、生産率が低いことが挙げられる。

0020

次に、苗条の増殖率が低く、球の形成のために、6ヶ月もの長期間の低温処理を必要とし、また、多様な試料から出発するために、遺伝的に均一な苗条を生産することができない。つまり、この方法も経済的に無病株種ニンニクを多量生産するには不適当といわなければならない。

0021

(4)苗条原基法によれば、頂端組織から苗条原基を誘導して増殖する段階において、回転培養することが必要であるために、培養施設に制約があり、大量生産が困難であり、苗条原基の増殖率が低く、球の形成のために5±2℃の低温処理を必要とし、しかも最初の培養から種ニンニクの生産までに12ヶ月もの期間がかかり、多様な試料から出発するので、遺伝的に均一な苗条を生産することができない。

0022

これまでに述べたように、従来技術の方法では、無病株人工種ニンニクを大規模で生産することができず、経済的な面でも解決すべき問題点が少なくなかった。

0023

以上の問題点を考慮して、この発明の主目的は、植物組織培養技術を利用してウイルスに感染されない無病株人工種ニンニクを急速かつ大量に生産することができる新規な方法を提供することにある。

0024

この発明のさらに目的とするところは、ニンニクの多苗条を半永久的に大量に増殖させ、生産工程を少なくし、期間を短縮して、きわめて経済的に無病株人工種ニンニクを生産する方法を提供することにある。

0025

この発明の目的は、特にニンニクのカルスから再分化された苗条を、多苗条誘導および増殖培地で継代培養し、それによって得た多苗条(multishoot)を半永久的に大量増殖して無病株種ニンニクを大量に生産する方法を提供することにある。

0026

また、この発明は、大量に生産されたニンニクの多苗条を長期間貯蔵する方法を提供することを目的とする。

0027

この発明は、露地栽培により中球のニンニクを大量に生産するのにもっとも適合する種ニンニクを安価に提供する方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0028

以上に述べた目的を達成するために、この発明の組織培養技術によって無病株人工種ニンニクを急速かつ大量に生産する方法は、図1に示すように、ニンニクの小鱗茎の頂端組織からカルスを誘導して増殖することと、前記増殖したカルスから誘起した苗条を再分化することと、再分化した苗条から多苗条増殖培地上において継代培養によって苗条を大量に増殖することと、前記苗条から人工種ニンニクを形成させることとからなるものである。

0029

この発明の方法によって、ニンニクの小鱗茎の頂端組織からカルスを誘導して増殖する手段として、多種類のニンニクを収集し、これを床土植栽し、23乃至26℃の温度にした植物成長器内の床土で栽培する。

0030

ニンニクが旺盛に成長する時期に、その温度を30乃至31℃に高め、30乃至40日間、その温度による高温処理をして、ニンニクの植物体内のウイルスの活性減退させて、ニンニクを収穫する。

0031

収穫したニンニクの地上の部分と根の部分とを除去して、球体頂端部分のみを収集し、75乃至80%のアルコールに5分間浸けて、さらに漂白剤として2乃至3%の次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)溶液を用いて15乃至20分間消毒し、次いで滅菌水によって3乃至4回洗浄して試料とし、この試料の根茎の最上部に存在する0.3mm以下の頂端組織を顕微鏡下で摘出し、植物生長調節物質である2,4D:2,4−ジクフェノキシ酢酸を0.1乃至0.2ppm含むムラシゲースクーグ(Murashige and Skoog (MS); Murashige, T and F. Skoog, 1962, physiol. plant 15: 473−497)固体培地(以下「エムエス培地」という)において2乃至3ヶ月間培養してカルスを誘導する。

0032

さらに、カルスの誘導時のような培地において、継代培養を数回繰り返して行い、カルスを増殖させる。

0033

培養条件は昼の長さを16乃至18時間、夜の長さを6乃至8時間とし、光度を4000乃至6000ルックスとして、昼夜の別なくその温度を24乃至26℃に維持すると、カルスの誘導および増殖がよくなることが判る。

0034

この発明の方法における前記増殖したカルスから誘起した苗条を再分化するためには、前記エムエス基本培地スクロース(scrouse)2乃至3%、植物生長調節物質としてベンジルアミノプリン(Benzylaminopurine)0.5−3.0mg/lと寒天0.7%とを添加して使用する。

0035

これ以外の種々の基本培地を使用してもニンニクの苗条を再分化させることができるが、エムエス培地を使用した場合が、もっとも多量に健康な苗条を生成することができる。

0036

この発明において、このようにして再分化したニンニクの苗条から多苗条増殖培地上において継代培養によって苗条を大量に増殖するためには、再分化された苗条を、後に詳述する多苗条増殖培地に移して培養しながら、増殖に適合した多苗条を形成させる。

0037

培養初期には多苗条の増殖率が低いが、2回以上継代培養すると、増殖速度が速くなり、約1ヶ月間培養すると苗条の数が約14乃至15倍に増大して、標準の(10cm × 1.5cm)ペトリー皿の中で約30個の苗条が育つ。

0038

この継代培養を3年以上続けても、苗条の退化や異常化するような変異は起こらないから、これを半永久的に継代培養することが可能であることが判る。

0039

培地の成分は苗条再分化培地に類似するが、エムエス基本培地のうちアンモニウム窒素の量を半分に減らし、スクロースの量を2乃至3%、植物生長調節物質であるベンジルアミノプリンを0.5乃至2.0mg/l、α−ナフタリン酢酸を0.05乃至0.2mg/lとする。

0040

培養条件は、昼の長さを18時間、夜の長さを6時間、光度を4000乃至6000ルックス、温度を昼夜の別なく25℃とする。

0041

このようにして生産された多苗条は、前記従来方法によって生産された多苗条に比べて、根の発達が良好であること、半永久的に継代培養が行えること、苗条集団当たりの苗条の数が約100個もあって非常に多く、球を形成する前に必要とされる低温貯蔵期間が2ヶ月程度の短期間で足りる。

0042

この発明の方法においては、以上のようにして得た苗条から人工種ニンニクを形成させるために、まず、前述の多苗条増殖培地において大量に増殖されたニンニクの多苗条の内、1/15程度のものを苗条の再生産のために、再度、多苗条増殖培地に移して継代培養を行い、残余の14/15の多苗条を球形成培地に移して、種ニンニクの生産に使用する。

0043

増殖されたニンニクの多苗条を4℃の温度で2ヶ月程度低温処理し、エムエス基本培地にスクロース9%とナフタリン酢酸0.1乃至2.0mg/lとで構成した球形成培地に移して種ニンニクを形成させる。

0044

この培地で2ヶ月程度培養して、種ニンニクが0.2g程度となった時に、これを収穫し、5日ほど乾燥して貯蔵する。

0045

収穫した種ニンニクは常温では、長期間貯蔵することが困難であるから、乾燥しないように容器に入れ、3乃至4℃の温度に維持した冷蔵庫内に貯蔵する。

0046

なお、培養条件は昼の長さが16時間、夜の長さが8時間で、光度を4000乃至6000ルックスとし、温度は昼夜の別なく25℃とする。

0047

種ニンニクとして増殖されたニンニクの多苗条は、これを一個ずつ或いは5乃至8個の苗条集団として、季に路地にじかに種おろしする。

0048

なお、組織培養によって大量に培養された苗条は軟弱であるため、通常のニンニクの種おろしの時期である10月末から11月初旬よりも早めに路地に移植して、根が活着する期間を充分に与えるようにする。

0049

秋の移植以後に生産されたニンニクの苗条は、冬季に低温で貯蔵し、になってから路地に移植する。なお、苗条を冬季に低温で貯蔵することなく、これを春になって移植しても、その苗条からは球が形成されない。

0050

多苗条の中位の大きさのニンニク球を生産するためには、増殖された多苗条を数ヶ月間、低温において貯蔵することが必要である。つまり、苗条の増殖は培養室内で一年中連続的に行われるけれども、これを土壌に移植するのは一年に一回若しくは二回である。

0051

ペトリー皿に入っている300個程度のニンニクの苗条を球形成用の培地に移してから、約4乃至6℃の低温で、昼の長さ16時間、夜の長さ8時間、光度500乃至1000ルックスにして貯蔵すると、8ヶ月以上の苗条を変化することなく貯蔵することができ、中球のニンニクを生産するために、露地栽培に必要とする大量の苗条を一度に供給することができる。

0052

増殖されたカルス、多苗条および種ニンニクの組織を、緩衝溶液中に入れて、これを磨砕した後、圧縮抽出して汁液をつくり、ウイルスの検定法の一つである抗血清を使用したエリサ(ELISA)およびウエスタンブロテイング(Western Blotting)方法により、汁液中のウイルスの存在を検定した。これまでの結果において、この発明の方法によって生産された種ニンニクにはウイルスが殆どないことが認められた。

0053

長短組織からカルスの誘導と増殖
韓国の寒冷地型ニンニクを採集して床土に植栽した後、25℃の植物生長器内で栽培した。

0054

ニンニク植物体が迅速に生長する時期に、30℃で7日間、36℃で35日間高温処理し、ニンニク植物体内のウイルスの活性を減らした。

0055

高温処理したニンニク植物を収穫し、その地上の部分と根の部分とを除去して、頂端が存在する部分だけを収集して、これを75%のアルコールで5分間、50%の漂白剤(商標名「ユハンラクス」)を用いて15分間消毒した。

0056

これを滅菌水で4回程度洗浄し、試料の根茎の最上部に存在するニンニクの頂端組織(0.3mm以下)を顕微鏡下で摘出し、標準の大きさ(10cm ×1.5cm)のペトリ−皿に分株されたカルス誘導培地上において3ヶ月培養して、カルスを誘導した。

0057

この時に使用したカルス誘導および増殖培地はエムエス基本培地にスクロース2%、植物生長調節物質である2.4ジクロフェノキシ酢酸0.1mg/lと寒天0.7%とを添加し、滅菌する前に酸度(pH)を5.8にした。

0058

この際の培養条件は、昼の長さが16時間、夜の長さが8時間、光度が4000乃至6000ルックス、温度が昼夜の区別なく25℃であった。カルスを誘導した後に、カルス増殖培地で継代培養を2回以上おこなって増殖し、これを苗条の再分化に使用した。 培養条件は頂端でカルスを誘導する場合と同様にした。

0059

カルスから苗条の再分化
カルス増殖培地で増殖されたカルスを苗条再分化培地に移してニンニクの苗条を再分化した。この時に使用した苗条再分化培地はエムエス基本培地にスクロース2%、植物生長調節物質のベンジルアミノプリン2.0mg/lと寒天0.7%とを添加し、滅菌する前にpHを5.8にした。

0060

カルス増殖培養地で1ヶ月間培養したカルス集団を1/4乃至1/5に分割して、ペトリー皿(10cm × 1.5cm)に分株した再分化培地上におき、2乃至3ヶ月培養して苗条を再分化させた。

0061

その培養条件は、昼の長さが8時間、夜の長さが8時間で、光度を4000乃至6000ルックスとし、温度は昼夜の別なく25℃とした。

0062

苗条の大量増殖
再分化されたニンニクの苗条から大量増殖に適する多苗条を誘導するために、再分化された多苗条を多苗条増殖培地に移して培養した。この時に使用した苗条増殖培地はエムエス基本培地の内、アンモニウム窒素の分量を半分に減量した培地にスクロースを2%、植物成長物質のベンジルアミノプリン1.0mg/lと1−ナフタリン酢酸0.1g/lと寒天0.7%とを添加し、滅菌する前に、pHを5.8としたものである。

0063

多苗条増殖培地の成分は、次の表1に詳細に示してある。

0064

ID=000003HE=170 WI=112 LX=0490 LY=0300
培養の初期に発生したニンニクの多苗条の内、大量増殖に適合する多苗条を選び出して、新しい培地に移した。培養初期には多苗条の増殖率が低かったが、2回以上培養すると、培養速度が速くなり、約1ヶ月間培養して、苗条の数が15倍程度に増殖された。

0065

約1ヶ月培養すると、ペトリー皿(10cm × 1.5cm)当たり300余個の苗条(大きさが0.5cm以上のもの)が形成された。

0066

これらの苗条を増殖するために、再び新しい多苗条増殖培地に移した。すなわち、ペトリー皿の中に育った約300個の苗条を約5つの小さな苗条集団に分割して、多苗条培地にそれぞれ4個の小苗条集団を移して培養した。

0067

このようにして、5週間程度培養して形成された多苗条を小さな苗条集団に分割して、継代培養する作業を繰り返すことによって、1ヶ月に14乃至15倍の苗条の増殖が可能となり、2年以上、半永久的に継代培養を繰り返しても、苗条が退化するとか、異常変異するなどのことはなかった。

0068

理論上、1個の苗条を1年間継代増殖し続けると、1兆個程度の苗条が生産できるので、現実的には、少なくとも300億個以上の苗条を生産することができる。

0069

また、培養容器であるプラスチック製のペトリー皿を10個積み重ねて継代培養することができるので、6段積みの培養台(120cm × 80cm ×180cm)で、1年に1500万個程度の苗条の生産をすることができる。なお、培養条件は、昼の長さが18時間、夜の長さが6時間、光度が4000乃至6000ルックスで、その温度は昼夜の別なく25℃であった。

0070

苗条からインビロー種ニンニクの形成
多苗条増殖培地で大量に増殖されたニンニクの多苗条の1/15を苗条の再生産のために、再び多苗条増殖培地に移して継代培養し、残余を球を形成すための培地に移して種ニンニクの生産をした。

0071

この培地にはエムエス基本培地にスクロース9%と植物生長調節物質のα−ナフタリン酢酸0.05mg/lと寒天0.7%とを添加し、滅菌する前にそのpHを5.8にした。

0072

大量に増殖されたニンニクの多苗条を4℃の生長調節器の中に2ヶ月程度貯蔵して低温処理した後に、球を形成する培地に移して種ニンニクを形成させた。

0073

この時にペトリー皿1枚当たり約300個の割合で増殖された苗条を、約5つの小集団に分割して、標準ペトリー皿の中にある球を形成する培地上にその小集団を移して培養した。

0074

2ヶ月程度培養して種ニンニクの重量0.2g程度になったときに、ペトリー皿の蓋を開いて5日間ほど乾燥させて種ニンニクを収穫した。収穫した種ニンニクは常温では長期間貯蔵することが困難であるから、乾燥することのないように容器に収容して密封し、4℃の温度に保持した冷蔵庫に貯蔵した。

0075

容器に種ニンニクを収容する際には、その容器の底に濡れた布または紙を敷いて、さらにその上にプラスチック製の網を配置し、この網の上に種ニンニクを載置して、種ニンニクが濡れた布または紙に直接触れないようにした。このようにすることによって、種ニンニクを乾燥させる心配なく、8ヶ月以上貯蔵することができた。

0076

培養条件は、昼の長さが16時間、夜の長さが8時間で、光度が4000乃至6000ルックス、温度は昼夜の別なく25℃とした。

0077

多苗条からの器外における中球ニンニクの形成
大量に増殖されたニンニクの多苗条を1つずつ、或いは5乃至8の集団に分けて、秋季に露地に直接種下ろしをした。この時に、組織培養によって大量に培養された苗条は軟弱であったため、通常のニンニクの種下ろしをする時期である10月末から11月初旬よりも早く、10月中旬に露地に移植し、根が活着する期間を充分にとり、冬季における枯死を防止した。

0078

秋季における移植後に生産された苗条は、冬季間に低温で貯蔵し、春季に露地に移植した。なお、冬季に苗条を低温処理することなく、春期になって移植した苗条は球を形成しなかった。

0079

大量生産された多苗条の長期保存
多苗条を分割して新しい多苗条増殖培地で5週間程度培養すると、図8に示すように、ペトリー皿1個当たり300個程度の多苗条を形成することができる。これらの多苗条の入っているペトリー皿を、新たに処理することなく4乃至6℃の低温で、昼の長さ16時間、夜の長さ8時間、光度500乃至1000ルックスの条件下で貯蔵すると、5ヶ月以上、苗条に何らの変化がなく、これを貯蔵することができる。

0080

このように長期保存できるために、中球のニンニクを生産するために、露地栽培に必要とする大量の苗条を一度に供給することができる。

0081

ウイルスの検定
増殖されたカルス、多苗条および種ニンニクの組織を緩衝溶液中に入れて磨砕下後、圧縮抽出して汁液をつくり、ウイルスの検定法の1種である抗血清を使用したエリサおよびウエスタンブロッテイング法を使用して、汁液中のウイルスの有無を調べた。

0082

標準エリサ分析法でウイルスの濃度を測定するために、アメリカのアグタ(Agta)社で販売されているニンニクのPotyvirus検定用のエリサキット(ELISAKIT)を使用して、ガーリック・モザイク・ウイルス(Garic Mosaic Virus)を調べた結果、405nmの波長で、エリサ・リーダー(ELISA Reader)の上の吸光度は、ウイルスが全くない場合を「0」として、この発明の場合においては0乃至0.002であり、ウイルスに感染している露地栽培のものは1.5であった。

0083

以上の検定の結果から、この発明の方法によって生産された種ニンニクはウイルスに殆ど侵されていないことが判った。

発明の効果

0084

これまでに詳細に述べたように、この発明の方法によれば、ニンニクの多苗条を半永久的に大量に増殖することができ、その生産過程と期間とを短縮して、きわめて経済的に無病株人工種ニンニクを大量に生産することができる。

0085

この発明の方法の効果を明確にするために、この発明の方法前記従来技術の方法との長短を比較すると、表2の通りである。

0086

図面の簡単な説明

0087

図1この発明の無病株人工種ニンニクの生産方法を示す工程図である。
図2従来の「頂端培養法」を示す工程図である。
図3従来の「カルス培養法」を示す工程図である。
図4従来の「住友方法」を示す工程図である。
図5従来の「苗条原基法」を示す工程図である。

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