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技術 エンジン発電機の制御装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 前川博敏
出願日 1995年1月18日 (25年11ヶ月経過) 出願番号 1995-005622
公開日 1996年8月9日 (24年4ヶ月経過) 公開番号 1996-205596
状態 特許登録済
技術分野 電気的推進車両の電源 車両の電気的な推進・制動 車両の電気的な推進・制動 発電機の制御
主要キーワード 構造仕様 一定電流制御 制動バネ PWMデューティ値 排気容積 出力電流範囲 発動発電機 入力抵抗器
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図面 (16)

目的

クランク軸回転数回転変動および脈動を抑制し、エンジン効率の最適化、低騒音化燃費の向上および排気ガス浄化を容易に実現したエンジン発電機制御装置を得る。

構成

発電機7の励磁電流Imおよびスロットル弁4のアクチュエータ3を制御する電子制御ユニット30Aに、負荷電圧Vdに対する発電機の目標出力電力マップ設定する手段14と、負荷電圧およびクランク軸回転数Neに基づいて目標出力電力を得るために必要な発電機目標トルクをマップ設定する手段14と、発電機の必要トルク目標トルクに一致させる励磁電流を演算する手段14と、励磁電流を得るように励磁コイルを駆動する手段15とを設け、発電機の必要トルクを一定制御して出力電力を一定制御し、エンジン6の出力効率が最大となるクランク軸回転数で運転する。

概要

背景

図14はたとえば特開平4−297330号公報に記載された従来のエンジン発電機発動発電機)の制御装置概略構成を示すブロック図である。図において、制御部1は、演算部13(後述する)からの出力信号Cに応動してスロットル弁4の開度エンジン6の吸入空気量に対応)を制御する。駆動部2は、制御部1の制御下で、演算部13からの出力信号Cに応じた駆動電圧直流電圧)をアクチュエータ3に供給する。

アクチュエータ3は、駆動部2からの直流電圧に応じてスロットル弁4を駆動する。スロットル弁4は、アクチュエータ3により開閉駆動されて開度が設定され、エンジン6の吸入空気量を調整する。制動バネ5は、アクチュエータ3の駆動トルク平衡した状態でスロットル弁4の開度を固定させるための制動トルクを発生するとともに、アクチュエータ3の無作動時にスロットル弁4を全閉させる。

エンジン6のクランク軸回転数は、スロットル弁4の開度に応じて供給される吸入空気量によって制御される。三相同期型磁石発電機からなる発電機7は、エンジン6の出力シャフトに連結されたロータ部の三相コイル(図示せず)およびステータ部の励磁コイル(図示せず)を含み、三相正弦波からなる高周波電圧出力電圧Vgとして発電する。整流回路8は、発電機7の出力電圧Vgを三相全波整流して直流負荷電圧Vdに変換する。

発電機7の負荷として作用するインバータ回路9は、整流回路8から生成される負荷電圧Vdを商用周波数正弦波に再変換して他の電気機器等の負荷(図示せず)に供給する。負荷電圧Vdは、他の負荷、たとえば自動車に搭載された動力源となるバッテリにも供給され、負荷の抵抗値に対応した電圧値を示す。

制御部1に対する指示としての出力信号Cを生成する比較演算部11は、整流回路8から出力される負荷電圧Vd(発電機7の出力電圧Vdに対応)を検出して設定電圧Vr(目標電圧)と比較する比較部12と、比較部12の比較結果に基づいて演算を行い出力信号Cを生成する演算部13とを備えている。

なお、ここでは図示されないが、エンジン6の運転状態を示す各種情報を検出するための各種センサ手段と、運転条件に応じてエンジン6の燃料噴射量および点火時期等を制御するための一般的なエンジン制御装置が設けられている。また、制御部1、駆動部2および比較演算部11は、電子制御ユニット30を構成しており、各種情報に基づいてエンジン制御装置を制御している。

図15は図14内の電子制御ユニット30の具体的構成例を示す回路図であるり、図において、比較演算部11は、設定電圧Vrを取り込むオペアンプOP1と、オペアンプOP1の入力抵抗器R1〜R3および帰還抵抗器R4と、負荷電圧Vdを取り込むオペアンプOP3と、オペアンプOP3の入力抵抗器R7および帰還抵抗器R8とから構成されている。オペアンプOP3の出力信号は、入力抵抗器R2を介してオペアンプOP1に入力されている。

また、駆動部2は、オペアンプOP1の出力信号を取り込むオペアンプOP2と、オペアンプOP2の入力抵抗器R5および帰還抵抗器R6とから構成されている。オペアンプOP2の出力信号は、入力抵抗器R3を介してオペアンプOP1に入力されている。さらに、駆動部2内のオペアンプOP2の出力信号はアクチュエータ3に供給され、アクチュエータ3の出力軸は、エンジン6の吸気管内に回転自在に配設されたスロットル弁4に連結されている。

次に、図14および図15に示した従来のエンジン発電機の制御装置の動作について説明する。一般に、バッテリやインバータ回路9を含む負荷の抵抗値は、たとえば、発電機7の出力電力Pgが20kW、負荷電圧Vdが400V、負荷電流が50Aとすれば、8Ω程度であるが、バッテリの充電状態や電気機器の投入等により変動する。この負荷抵抗値の変動に応じて、負荷電圧Vdが変動することにより、発電機7の必要トルクが変動し、エンジン6から見た負荷の大きさが変動することになる。

ここで、発電機7の出力電圧Vgはインバータ回路9を含む負荷に依存するので、たとえば発電機7の出力電力制御やスロットル弁4の開閉制御等によりクランク軸回転数の制御が行われなければ、エンジン6のクランク軸回転数は、負荷に応じて変化することになる。もし、負荷変動に応じてエンジン6のクランク軸回転数が大きく変動すると、高効率でエンジン6を運転し続けることも、また、発電機7の出力電機Pgを一定にすることもできなくなる。

したがって、従来より、電子制御ユニット30は、クランク軸回転数をたとえば2000rpm〜2500rpm程度に制御してエンジン6を高効率運転するために、負荷の抵抗値に対応した負荷電圧Vdの変動に応じてスロットル弁4の開度を制御し、エンジン6の吸入空気量を変化させている。この場合、発電機7内の励磁コイルに供給される励磁電流一定制御されているものとする。

すなわち、電子制御ユニット30は、負荷電圧Vdを検出して設定電圧Vrと比較し、比較検出に基づく演算により出力信号Cを生成し、アクチュエータ3を駆動してスロットル弁4の開度を開閉制御し、エンジン6の回転変動を抑制するとともに発電機7の出力電力を一定制御することになる。

この場合、制御部1は、比較演算部11内の演算部13から指示された出力信号Cに応じて、駆動部2を介してアクチュエータ3を駆動する。これにより、アクチュエータ3は、駆動部2から供給される直流電圧に対応した駆動トルクを発生し、スロットル弁4を開閉駆動してエンジン6の吸入空気量を制御する。

このとき、スロットル弁4の回転角度に対応してアクチュエータ3の制動バネ5による制動力が変化し、この制動トルクとアクチュエータ3の駆動トルクとが平衡した状態でスロットル弁4の回転は停止する。こうして、アクチュエータ3の駆動トルクを変化させることによりスロットル弁4の開度を制御し、エンジン6に供給される吸入空気量(燃料ガス)の流量を制御し、クランク軸回転数を一定制御する。

たとえば、負荷電圧Vdが設定電圧Vr以上に上昇すれば、負荷の抵抗値が高い(負荷が小さい)ので、発電機7の必要トルクが小さいことから、クランク軸回転数の上昇を抑制するために、スロットル弁4の開度を閉成側に制御する。逆に、負荷電圧Vdが設定電圧Vr以下に減少すれば、負荷の抵抗値が小さい(負荷が大きい)ので、発電機7の必要トルクが大きいことから、クランク軸回転数の減少を抑制するために、スロットル弁4の開度を開放側に制御する。

エンジン6の回転出力は、出力シャフトの回転エネルギとして取り出され、出力シャフトに連結された発電機7は、クランク軸回転数に応じた出力電圧Vgを発電する。発電機7の出力電圧Vgは、整流回路8を介して負荷電圧Vdに変換された後、バッテリ等の負荷に供給され、さらに、最終的にインバータ回路9を介して商用周波数の正弦波(商用電源相当の交流出力)に再変換され、他の電気機器等の負荷に供給される。

電子制御ユニット30内の比較演算部11は、整流回路8に接続された負荷電圧検出手段(図示しない分圧回路)により、発電機7の出力電圧Vgに対応した負荷電圧Vdを検出し、比較部12において所定の設定電圧Vrと比較する。また、比較演算部11内の演算部13は、比較部12からの比較結果に基づいて所定の演算を行い、演算結果を出力信号Cとして制御部1に供給する。

具体的には、負荷電圧Vdは、入力抵抗器R7を介して比較演算部11内の前段のオペアンプOP3(図15参照)に入力され、演算増幅された出力信号となり、後段のオペアンプOP1に入力される。また、オペアンプOP1には、入力抵抗器R1を介して設定電圧Vrが入力されるとともに、入力抵抗器R3を介して駆動部2内のオペアンプOP2の出力信号がフィードバック入力される。これにより、オペアンプOP1において、負荷電圧Vdと設定電圧Vrとが比較される。

たとえば、比較結果に基づいてアクチュエータ3に対する駆動電圧が減少した場合は、スロットル弁4が閉成側に駆動されてエンジン6のクランク軸回転数が減少し、発電機7の出力電力も減少する。

こうして、比較演算部11は、発電機7の出力電圧Vgに基づいて演算を行い、演算結果としての出力信号Cを生成する。これにより、制御部1は、スロットル弁4の開度を制御してエンジン6のクランク軸回転数を制御する。したがって、エンジン6のクランク軸回転数は、発電機7の出力電圧Vgに対応した負荷電圧Vdの増減に応じて制御される。

概要

クランク軸回転数の回転変動および脈動を抑制し、エンジン効率の最適化、低騒音化燃費の向上および排気ガス浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置を得る。

発電機7の励磁電流Imおよびスロットル弁4のアクチュエータ3を制御する電子制御ユニット30Aに、負荷電圧Vdに対する発電機の目標出力電力マップ設定する手段14と、負荷電圧およびクランク軸回転数Neに基づいて目標出力電力を得るために必要な発電機目標トルクをマップ設定する手段14と、発電機の必要トルクを目標トルクに一致させる励磁電流を演算する手段14と、励磁電流を得るように励磁コイルを駆動する手段15とを設け、発電機の必要トルクを一定制御して出力電力を一定制御し、エンジン6の出力効率が最大となるクランク軸回転数で運転する。

目的

この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、発電機の出力電力が定格電力を出力できる状態の場合は、負荷電圧が変動してもスロットル弁の開度をほとんど変化させることなく、発電機が最適効率回転数で駆動されて一定の発電出力電力が得られるようにクランク軸回転数を維持し、エンジン効率が最高となるクランク軸回転数で運転することにより、エンジン効率の最適化、低騒音化、燃費の向上および排気ガスの浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置を得ることを目的とする。

また、この発明は、発電機の出力電力が定格電力に満たない場合は、スロットル弁を開閉制御するものの開閉制御速度を常に一定とし、燃費の向上および排気ガスの浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置を得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
3件

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請求項1

エンジン(6)の吸入空気量を調整するスロットル弁(4)と、前記エンジンに対する燃料噴射量および点火時期を制御するエンジン制御装置(10)と、前記スロットル弁の開度(θ)を調整するアクチュエータ(3)と、前記エンジンの回転出力により発電を行う発電機(7)と、前記発電機の出力電圧(Vg)を整流して直流負荷電圧(Vd)を生成する整流回路(8)と、前記負荷電圧が印加されて前記発電機の出力電力(Pg)が供給される負荷(9)と、前記エンジンの運転状態を示す各種情報に基づいて、前記発電機に対する励磁電流(Im)、前記エンジン制御装置および前記アクチュエータを制御する電子制御ユニット(30A)とを備え、前記各種情報は、前記負荷の抵抗値に対応する負荷電圧(Vd)および前記エンジンのクランク軸回転数(Ne)を含み、前記電子制御ユニットは、前記負荷電圧に対する前記発電機の目標出力電力(Po)をマップ設定する目標出力電力設定手段と、前記負荷電圧および前記クランク軸回転数に基づいて、前記目標出力電力を得るために前記発電機が必要とする目標トルク(To)をマップ設定する目標トルク設定手段と、前記発電機の必要トルク(Tg)が前記目標トルクと一致するように前記発電機の励磁電流を演算する励磁電流演算手段と、前記励磁電流が得られるように前記発電機内励磁コイルを駆動する励磁電流制御手段とを含み、前記発電機の必要トルクを前記目標トルクで一定制御して前記出力電力を目標出力電力で一定制御するとともに、前記エンジンの出力効率が最大となるクランク軸回転数で運転することを特徴とするエンジン発電機制御装置

請求項2

前記電子制御ユニットは、前記発電機に供給される励磁電流を検出する励磁電流検出手段と、前記励磁電流の検出値演算値との差に基づいて前記励磁電流を微調整する励磁電流補正手段とを含むことを特徴とする請求項1のエンジン発電機の制御装置。

請求項3

前記電子制御ユニットは、前記発電機の出力電力が定格電力以上か否かを、前記負荷電圧が所定範囲内であるか否かにより判定する負荷変動判定手段と、前記負荷電圧が前記所定範囲内でなく、前記発電機の出力電力が定格電力に満たないと判定された場合に、前記クランク軸回転数が目標回転数(No)と一致するように前記エンジンの点火時期を補正する点火時期補正手段とを含むことを特徴とする請求項1または請求項2のエンジン発電機の制御装置。

請求項4

前記電子制御ユニットは、前記発電機の出力電力が定格電力以上か否かを、前記負荷電圧が所定範囲内であるか否かにより判定する負荷変動判定手段と、前記負荷電圧が前記所定範囲内でなく、前記発電機の出力電力が定格電力に満たない場合に、前記クランク軸回転数(Ne)が目標回転数(No)と一致するように前記スロットル弁の開度を閉成側に一定速度制御する開度補正手段と を含むことを特徴とする請求項1または請求項2のエンジン発電機の制御装置。

請求項5

前記各種情報は、前記スロットル弁の開度(θ)および前記エンジンのブースト圧力(PB)を含み、前記電子制御ユニットは、前記開度および前記ブースト圧力に基づいて前記エンジンの出力トルク(Te)を推定する出力トルク推定手段と、前記発電機の必要トルクと前記エンジンの出力トルクとの関係に基づいて、前記スロットル弁の目標開度(θo)をマップ補間演算する目標開度演算手段とを含み、前記開度補正手段は、前記発電機の出力電力が定格電力に満たない場合に、前記クランク軸回転数(Ne)が目標回転数(No)と一致するように前記スロットル弁の開度を前記目標開度に制御することを特徴とする請求項4のエンジン発電機の制御装置。

技術分野

0001

この発明は、エンジン回転変動を抑制し且つ発電機の出力電力一定制御するエンジン発電機制御装置に関し、特にクランク軸回転数および負荷電圧に基づいて励磁電流を制御することにより発電機の必要トルクを一定制御し、エンジン効率の最適化、低騒音化燃費の向上および排気ガス浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置に関するものである。

背景技術

0002

図14はたとえば特開平4−297330号公報に記載された従来のエンジン発電機(発動発電機)の制御装置の概略構成を示すブロック図である。図において、制御部1は、演算部13(後述する)からの出力信号Cに応動してスロットル弁4の開度(エンジン6の吸入空気量に対応)を制御する。駆動部2は、制御部1の制御下で、演算部13からの出力信号Cに応じた駆動電圧直流電圧)をアクチュエータ3に供給する。

0003

アクチュエータ3は、駆動部2からの直流電圧に応じてスロットル弁4を駆動する。スロットル弁4は、アクチュエータ3により開閉駆動されて開度が設定され、エンジン6の吸入空気量を調整する。制動バネ5は、アクチュエータ3の駆動トルク平衡した状態でスロットル弁4の開度を固定させるための制動トルクを発生するとともに、アクチュエータ3の無作動時にスロットル弁4を全閉させる。

0004

エンジン6のクランク軸回転数は、スロットル弁4の開度に応じて供給される吸入空気量によって制御される。三相同期型磁石発電機からなる発電機7は、エンジン6の出力シャフトに連結されたロータ部の三相コイル(図示せず)およびステータ部の励磁コイル(図示せず)を含み、三相正弦波からなる高周波電圧出力電圧Vgとして発電する。整流回路8は、発電機7の出力電圧Vgを三相全波整流して直流の負荷電圧Vdに変換する。

0005

発電機7の負荷として作用するインバータ回路9は、整流回路8から生成される負荷電圧Vdを商用周波数正弦波に再変換して他の電気機器等の負荷(図示せず)に供給する。負荷電圧Vdは、他の負荷、たとえば自動車に搭載された動力源となるバッテリにも供給され、負荷の抵抗値に対応した電圧値を示す。

0006

制御部1に対する指示としての出力信号Cを生成する比較演算部11は、整流回路8から出力される負荷電圧Vd(発電機7の出力電圧Vdに対応)を検出して設定電圧Vr(目標電圧)と比較する比較部12と、比較部12の比較結果に基づいて演算を行い出力信号Cを生成する演算部13とを備えている。

0007

なお、ここでは図示されないが、エンジン6の運転状態を示す各種情報を検出するための各種センサ手段と、運転条件に応じてエンジン6の燃料噴射量および点火時期等を制御するための一般的なエンジン制御装置が設けられている。また、制御部1、駆動部2および比較演算部11は、電子制御ユニット30を構成しており、各種情報に基づいてエンジン制御装置を制御している。

0008

図15図14内の電子制御ユニット30の具体的構成例を示す回路図であるり、図において、比較演算部11は、設定電圧Vrを取り込むオペアンプOP1と、オペアンプOP1の入力抵抗器R1〜R3および帰還抵抗器R4と、負荷電圧Vdを取り込むオペアンプOP3と、オペアンプOP3の入力抵抗器R7および帰還抵抗器R8とから構成されている。オペアンプOP3の出力信号は、入力抵抗器R2を介してオペアンプOP1に入力されている。

0009

また、駆動部2は、オペアンプOP1の出力信号を取り込むオペアンプOP2と、オペアンプOP2の入力抵抗器R5および帰還抵抗器R6とから構成されている。オペアンプOP2の出力信号は、入力抵抗器R3を介してオペアンプOP1に入力されている。さらに、駆動部2内のオペアンプOP2の出力信号はアクチュエータ3に供給され、アクチュエータ3の出力軸は、エンジン6の吸気管内に回転自在に配設されたスロットル弁4に連結されている。

0010

次に、図14および図15に示した従来のエンジン発電機の制御装置の動作について説明する。一般に、バッテリやインバータ回路9を含む負荷の抵抗値は、たとえば、発電機7の出力電力Pgが20kW、負荷電圧Vdが400V、負荷電流が50Aとすれば、8Ω程度であるが、バッテリの充電状態や電気機器の投入等により変動する。この負荷抵抗値の変動に応じて、負荷電圧Vdが変動することにより、発電機7の必要トルクが変動し、エンジン6から見た負荷の大きさが変動することになる。

0011

ここで、発電機7の出力電圧Vgはインバータ回路9を含む負荷に依存するので、たとえば発電機7の出力電力制御やスロットル弁4の開閉制御等によりクランク軸回転数の制御が行われなければ、エンジン6のクランク軸回転数は、負荷に応じて変化することになる。もし、負荷変動に応じてエンジン6のクランク軸回転数が大きく変動すると、高効率でエンジン6を運転し続けることも、また、発電機7の出力電機Pgを一定にすることもできなくなる。

0012

したがって、従来より、電子制御ユニット30は、クランク軸回転数をたとえば2000rpm〜2500rpm程度に制御してエンジン6を高効率運転するために、負荷の抵抗値に対応した負荷電圧Vdの変動に応じてスロットル弁4の開度を制御し、エンジン6の吸入空気量を変化させている。この場合、発電機7内の励磁コイルに供給される励磁電流は一定制御されているものとする。

0013

すなわち、電子制御ユニット30は、負荷電圧Vdを検出して設定電圧Vrと比較し、比較検出に基づく演算により出力信号Cを生成し、アクチュエータ3を駆動してスロットル弁4の開度を開閉制御し、エンジン6の回転変動を抑制するとともに発電機7の出力電力を一定制御することになる。

0014

この場合、制御部1は、比較演算部11内の演算部13から指示された出力信号Cに応じて、駆動部2を介してアクチュエータ3を駆動する。これにより、アクチュエータ3は、駆動部2から供給される直流電圧に対応した駆動トルクを発生し、スロットル弁4を開閉駆動してエンジン6の吸入空気量を制御する。

0015

このとき、スロットル弁4の回転角度に対応してアクチュエータ3の制動バネ5による制動力が変化し、この制動トルクとアクチュエータ3の駆動トルクとが平衡した状態でスロットル弁4の回転は停止する。こうして、アクチュエータ3の駆動トルクを変化させることによりスロットル弁4の開度を制御し、エンジン6に供給される吸入空気量(燃料ガス)の流量を制御し、クランク軸回転数を一定制御する。

0016

たとえば、負荷電圧Vdが設定電圧Vr以上に上昇すれば、負荷の抵抗値が高い(負荷が小さい)ので、発電機7の必要トルクが小さいことから、クランク軸回転数の上昇を抑制するために、スロットル弁4の開度を閉成側に制御する。逆に、負荷電圧Vdが設定電圧Vr以下に減少すれば、負荷の抵抗値が小さい(負荷が大きい)ので、発電機7の必要トルクが大きいことから、クランク軸回転数の減少を抑制するために、スロットル弁4の開度を開放側に制御する。

0017

エンジン6の回転出力は、出力シャフトの回転エネルギとして取り出され、出力シャフトに連結された発電機7は、クランク軸回転数に応じた出力電圧Vgを発電する。発電機7の出力電圧Vgは、整流回路8を介して負荷電圧Vdに変換された後、バッテリ等の負荷に供給され、さらに、最終的にインバータ回路9を介して商用周波数の正弦波(商用電源相当の交流出力)に再変換され、他の電気機器等の負荷に供給される。

0018

電子制御ユニット30内の比較演算部11は、整流回路8に接続された負荷電圧検出手段(図示しない分圧回路)により、発電機7の出力電圧Vgに対応した負荷電圧Vdを検出し、比較部12において所定の設定電圧Vrと比較する。また、比較演算部11内の演算部13は、比較部12からの比較結果に基づいて所定の演算を行い、演算結果を出力信号Cとして制御部1に供給する。

0019

具体的には、負荷電圧Vdは、入力抵抗器R7を介して比較演算部11内の前段のオペアンプOP3(図15参照)に入力され、演算増幅された出力信号となり、後段のオペアンプOP1に入力される。また、オペアンプOP1には、入力抵抗器R1を介して設定電圧Vrが入力されるとともに、入力抵抗器R3を介して駆動部2内のオペアンプOP2の出力信号がフィードバック入力される。これにより、オペアンプOP1において、負荷電圧Vdと設定電圧Vrとが比較される。

0020

たとえば、比較結果に基づいてアクチュエータ3に対する駆動電圧が減少した場合は、スロットル弁4が閉成側に駆動されてエンジン6のクランク軸回転数が減少し、発電機7の出力電力も減少する。

0021

こうして、比較演算部11は、発電機7の出力電圧Vgに基づいて演算を行い、演算結果としての出力信号Cを生成する。これにより、制御部1は、スロットル弁4の開度を制御してエンジン6のクランク軸回転数を制御する。したがって、エンジン6のクランク軸回転数は、発電機7の出力電圧Vgに対応した負荷電圧Vdの増減に応じて制御される。

発明が解決しようとする課題

0022

従来のエンジン発電機の制御装置は以上のように、負荷電圧Vdの変動に対して、発電機7の励磁電流を一定として、常にスロットル弁4の開度を変化させてエンジン6のクランク軸回転数を制御しているので、スロットル弁4の急変制御により吸入空気量が急変することから、排気ガスの浄化を実現することができないという問題点があった。

0023

また、負荷電圧Vdの変化を検出した後にスロットル弁4を開閉制御しているので、発電機7の必要トルクの変動と比べてスロットル弁4の開閉による吸入空気量の変化が著しく遅いことから、実際の吸入空気量に反映するまでの制御遅れ等の制御系無応答時間が発生し、ハンチングによりクランク軸回転数が脈動してしまい、クランク軸回転数を一定に制御することが困難になるという問題点があった。

0024

この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、発電機の出力電力が定格電力を出力できる状態の場合は、負荷電圧が変動してもスロットル弁の開度をほとんど変化させることなく、発電機が最適効率回転数で駆動されて一定の発電出力電力が得られるようにクランク軸回転数を維持し、エンジン効率が最高となるクランク軸回転数で運転することにより、エンジン効率の最適化、低騒音化、燃費の向上および排気ガスの浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置を得ることを目的とする。

0025

また、この発明は、発電機の出力電力が定格電力に満たない場合は、スロットル弁を開閉制御するものの開閉制御速度を常に一定とし、燃費の向上および排気ガスの浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0026

この発明に係るエンジン発電機の制御装置は、エンジンの吸入空気量を調整するスロットル弁と、エンジンに対する燃料噴射量および点火時期を制御するエンジン制御装置と、スロットル弁の開度を調整するアクチュエータと、エンジンの回転出力により発電を行う発電機と、発電機の出力電圧を整流して直流の負荷電圧を生成する整流回路と、負荷電圧が印加されて発電機の出力電力が供給される負荷と、エンジンの運転状態を示す各種情報に基づいて、発電機に対する励磁電流、エンジン制御装置およびアクチュエータを制御する電子制御ユニットとを備え、各種情報は、負荷の抵抗値に対応する負荷電圧およびエンジンのクランク軸回転数を含み、電子制御ユニットは、負荷電圧に対する発電機の目標出力電力マップ設定する目標出力電力設定手段と、負荷電圧およびクランク軸回転数に基づいて、目標出力電力を得るために発電機が必要とする目標トルクをマップ設定する目標トルク設定手段と、発電機の必要トルクが目標トルクと一致するように発電機の励磁電流を演算する励磁電流演算手段と、演算された励磁電流が得られるように発電機内の励磁コイルを駆動する励磁電流制御手段とを含み、発電機の必要トルクを目標トルクで一定制御して出力電力を目標出力電力で一定制御するとともに、エンジンの出力効率が最大となるクランク軸回転数で運転するものである。

0027

また、この発明に係るエンジン発電機の制御装置は、発電機に供給される励磁電流を検出する励磁電流検出手段と、励磁電流の検出値演算値との差に基づいて励磁電流を微調整する励磁電流補正手段とを含むものである。

0028

また、この発明に係るエンジン発電機の制御装置は、発電機の出力電力が定格電力以上か否かを、負荷電圧が所定範囲内であるか否かにより判定する負荷変動判定手段と、負荷電圧が所定範囲内でなく、発電機の出力電力が定格電力に満たないと判定された場合に、クランク軸回転数が目標回転数と一致するようにエンジンの点火時期を補正する点火時期補正手段とを含むものである。

0029

また、この発明に係るエンジン発電機の制御装置は、発電機の出力電力が定格電力以上か否かを、負荷電圧が所定範囲内であるか否かにより判定する負荷変動判定手段と、負荷電圧が所定範囲内でなく、発電機の出力電力が定格電力に満たない場合に、クランク軸回転数が目標回転数と一致するようにスロットル弁の開度を閉成側に一定速度制御する開度補正手段とを含むものである。

0030

また、この発明に係るエンジン発電機の制御装置は、開度およびブースト圧力インマニ圧)に基づいてエンジンの出力トルク推定する出力トルク推定手段と、発電機の必要トルクとエンジンの出力トルクとの関係に基づいて、スロットル弁の目標開度マップ補間演算する目標開度演算手段とを含み、開度補正手段は、発電機の出力電力が定格電力に満たない場合に、クランク軸回転数が目標回転数と一致するようにスロットル弁の開度を目標開度に制御するものである。

0031

この発明においては、発電機の出力電力が定格電力を出力できる状態であれば、出力電圧が負荷状態に応じて変化する場合であっても、負荷電圧およびクランク軸回転数に基づいて発電機の励磁電流を制御し、発電機を一定の目標出力電力(一定トルク)となるように制御する。これにより、スロットル弁を開閉制御することなく、エンジンから見た負荷トルクを一定に制御し、エンジンの回転変動および脈動を抑制する。また、発電機の必要トルクを目標トルクで一定トルク制御して、エンジンの回転変動を抑制することにより、エンジン効率の最適化、燃費の向上および排気ガスの浄化を容易に実現する。

0032

また、この発明においては、発電機に供給される励磁電流の検出値と演算値との差に基づいて励磁電流を微調整し、励磁コイルの抵抗値温度ドリフト等を補償する。

0033

また、この発明においては、発電機の目標トルクと必要トルクの制御誤差が完全にゼロでない場合であっても、クランク軸回転数が目標回転数と一致するようにエンジンの点火時期を遅角または進角補正するため、スロットル弁の開度をほとんど変化させる必要がない。これにより、マップデータの補間演算精度とは無関係に、発電機が最適効率となるようにクランク軸回転数を維持し、エンジン効率が最高となるポイント運転を維持して一定の出力電力を得る。

0034

また、この発明においては、発電機の出力電力が定格電力に満たない場合には、クランク軸回転数が目標回転数と一致するようにスロットル弁の開度を閉成側に一定速度制御する。これにより、負荷電圧が変動して発電機の出力電力が定格電力に満たない場合においても、エンジンの回転脈動を抑制して一定回転制御するとともに、排気ガスの浄化を実現する。

0035

また、この発明においては、スロットル弁の開度およびエンジンのブースト圧力に基づいて現在のエンジン出力トルクを推定し、スロットル弁の目標開度をマップ補間演算し、発電機の出力電力が定格電力に満たない場合には、クランク軸回転数が目標回転数と一致するようにスロットル弁の開度を目標開度に制御してから、吸入空気量の遅れ時間を見込んで、一定時間経過後、発電機の電力を低下させる。これにより、発電機の必要トルクが負荷の低減によって低下する前にスロットル弁を閉成側に先行制御し、エンジンの回転脈動を抑制して一定回転制御し、高効率化、低騒音化および排気ガス浄化を実現する。

0036

実施例1.以下、この発明の実施例1を図について説明する。図1はこの発明の実施例1を示すブロック図であり、駆動部2〜スロットル弁4ならびにエンジン6〜インバータ回路9は、前述と同様である。

0037

また、電子制御ユニット30Aは、前述の電子制御ユニット30に対応した構成を有し、各種情報として、スロットル弁4の開度θ、エンジン6のクランク軸回転数Neおよびブースト圧力PB(インマニ圧)、ならびに負荷電圧Vdを取り込んでいる。

0038

ここでは、保守性および信頼性を向上させるため、たとえば、アクチュエータ3としてはDCブラシレスモータが用いられており、アクチュエータ3は、駆動部2から供給される三相波電流に比例して駆動トルクを発生し、エンジン6のスロットル弁4を駆動する。アクチュエータ3の駆動部2は、パワーFETを用いたフルブリッジ回路により構成されている。

0039

スロットル弁4の開度θは、たとえば可変抵抗器(後述する)により構成された開度センサにより検出され、電子制御ユニット30A内の制御演算部14に入力されている。エンジン制御装置10は、制御演算部14からの制御信号応答してエンジン6の燃料噴射量および点火時期を制御するとともに点火時期補正等を行う。エンジン制御装置10と制御演算部14との間は、相互にデータ通信が行われている。

0040

マイクロコンピュータからなる制御演算部14は、前述の制御部1および比較演算部11に対応しており、スロットル弁4の開度θ、エンジン6のクランク軸回転数Ne、負荷電圧Vdおよび発電機7の励磁電流Imを検出して、スロットル弁4の開度θ、発電機7の励磁電流Imおよびエンジン6の燃料噴射量および点火時期等を制御する。

0041

スロットル弁4の開度θは、制御演算部14によりフィードバック制御されており、エンジン6の吸入空気量を任意に制御するようになっている。また、スロットル弁4には、無通電時に全閉側に作用するスプリング(図示せず)が取り付けられており、アクチュエータ3が故障したときに、スロットル弁4が全閉されてエンジン6が停止するようにフェールセーフが施されている。

0042

駆動部15は、制御演算部14からの制御信号に応答して、励磁電流Imを発電機7に供給する。励磁電流検出部16は、駆動部15を介して励磁電流Imを検出し、制御演算部14に入力する。アクチュエータ3の駆動部2、制御演算部14、励磁電流Imを供給するための駆動部15および励磁電流検出部16は、電子制御ユニット30A内に構成されている。

0043

図2図1内の発電機7、整流回路8および制御演算部14〜励磁電流検出部16の具体的構成を示す回路ブロック図である。図2において、発電機7は、並列接続されて励磁電流Imが通電される励磁コイル71および72と、ステータコイル73とを有している。発電機7内の励磁コイル71および72は、駆動部15によりPWM(パルス幅変調)制御され、励磁電流Imを制御することにより、発電機7の出力電力Pgおよび必要トルクTgを任意の値に設定できるようになっている。

0044

駆動部15は、エミッタ接地パワートランジスタ19とパワートランジスタ19のベースに接続された抵抗器Rとを有している。励磁電流検出部16は、パワートランジスタ19のコレクタに接続されたシャント抵抗器Rsと、シャント抵抗器Rsの両端間に接続されて励磁電流Imを検出する差動増幅回路17とを有している。

0045

制御演算部14は、クランク角センサ(図示せず)により検出されるクランク角信号に基づくクランク軸回転数Neを取り込む回転数計入力ポートと、アイソレーションアンプ18を介して負荷電圧Vdを取り込むA/Dコンバータ入力ポートと、差動増幅回路17を介して検出された励磁電流Imを取り込むA/Dコンバータ入力ポートと、抵抗器Rを介してパワートランジスタ19を開閉駆動するための駆動信号を出力するPWM駆動出力ポートとを有する。

0046

制御演算部14は、A/Dコンバータ(図示せず)を内蔵しており、各A/Dコンバータ入力ポートは、入力データを変換して制御演算部14内のA/Dコンバータに対してデータの読み取りを可能にするインタフェイス回路を構成している。

0047

また、図2に示されるように、励磁コイル71および72に通電される励磁電流Imは他励磁方式となっており、制御演算部14による定電流制御が可能な構成となっている。

0048

制御演算部14は、負荷電圧Vdに対する発電機7の目標出力電力Poをマップ設定する目標出力電力設定手段と、負荷電圧Vdおよびクランク軸回転数Neに基づいて、目標出力電力Poを得るために発電機7が必要とする目標トルクTo(4.8kg・m程度)をマップ設定する目標トルク設定手段と、発電機7の必要トルクTgが目標トルクToと一致するように発電機7の励磁電流Imを演算する励磁電流演算手段と、演算された励磁電流Imが得られるように発電機7内の励磁コイル71および72を駆動する励磁電流制御手段とを含む。これにより、発電機7の必要トルクTgを目標トルクToで一定制御して出力電力Pgを目標出力電力Poで一定制御するとともに、エンジン6の出力効率が最大となるクランク軸回転数で運転するようになっている。

0049

図3は負荷電圧Vdに対する発電機7の必要トルクTgおよび出力電力Pgの特性曲線を示す特性図であり、実線は一定制御される前の必要トルクTgおよび出力電力Pgの各変動を示す。破線はこの発明の実施例1によりマップ設定された目標トルクToおよび目標出力電力Poの値を示す。

0050

図3のように、出力電力Pgが目標出力電力Po(定格電力に対応)以上となる下限値VL(280V程度)から上限値VH(400V程度)までの範囲内の負荷電圧Vdに対して、必要トルクTgおよび出力電力Pgは、各マップ値(破線)の目標トルクToおよび目標出力電力Poで一定に制御される。なお、目標トルクToおよび目標出力電力Poのマップ値は、制御演算部14内のメモリにあらかじめ記憶されているものとする。

0051

次に、図3とともに図4フローチャートを参照しながら、図1および図2に示したこの発明の実施例1の動作について説明する。まず、発電機7を一定トルク制御する前の従来動作について説明すると、一般に、励磁電流Imおよびクランク軸回転数を一定とすると、発電機7の必要トルクTgおよび出力電力Pgは、負荷電圧Vdの変動に対して、図3内の実線で示した特性にしたがって変化する。

0052

すなわち、必要トルクTgおよび出力電力Pgは、それぞれ、負荷電圧Vdの中央値((VL+VH)/2)においてピークとなり、下限値VLおよび上限値VHで示した両側で減少する特性曲線となる。

0053

したがって、もし発電機7が連結されているエンジン6の出力トルクが変化すると、スロットル弁4によるクランク軸回転数Neの制御のみでは、吸入空気量の制御遅れ(制御系無応答時間)等の関係から、回転脈動の抑制に間に合わず、クランク軸回転数Neがハンチングしてしまい、エンジン効率および排気ガスの悪化の要因となり得る。

0054

そこで、図2に示すこの発明の実施例1においては、制御演算部14により、励磁電流Imを一定電流制御することが可能な構成となっている。すなわち、制御演算部14は、検出されたスロットル弁4の開度θ、エンジン6のクランク軸回転数Neおよび負荷電圧Vdに応じて、発電機7内の励磁コイル71および72に供給する励磁電流Imを決定する。

0055

図4において、まず、発電機7の定格電力に対応する負荷電圧Vdの範囲(下限値VL〜上限値VH)を仮定し、この負荷電圧範囲内で発電機7の出力電力Pg(および必要トルクTg)が目標値Po(およびTo)で一定となるように、目標出力電力Poのマップ値を設定する(ステップS1)。

0056

続いて、制御演算部14は、負荷電圧Vdおよびクランク角回転数Neに基づいて、発電機7が目標出力電力Poに等しい出力電力Pgを発電するために必要な目標トルクToをマップ設定する(ステップS2)。次に、負荷電圧Vdの変動にかかわらず発電機7の必要トルクTgが目標トルクToと一致するように、発電機7内の励磁コイル71および72に供給する励磁電流Imを演算する(ステップS3)。

0057

こうして、ステップS1〜S3により、負荷電圧Vd、クランク角回転数Neおよび目標トルクToに基づいて一定周期毎に励磁電流Imを演算する。次に、演算された励磁電流Imを実際に得るために、駆動部15のパワートランジスタ19を開閉させて発電機7内の励磁コイル71および72をPWM駆動する(ステップS4)。

0058

このとき、発電機7内のステータコイル73に誘起される出力電圧Vgと励磁電流Imとの関係は、以下の式(1)のようになる。

0059

Vg=Pm・M・ωm・Im …(1)

0060

但し、式(1)において、Vgは発電機7から発電される高周波の出力電圧、Pmは発電機7の出力磁極対を示す電機子定数、Mは相互インダクタンスを示す電機子定数、ωmは回転角速度(=2πNe/60rad/sec)、Imはフィールド電流すなわち励磁電流である。

0061

式(1)から、PWMデューティ値に相当する励磁電流Imが出力電圧Vgに比例することが分かる。ここで、励磁電流Imは、以下の式(2)により与えられる。

0062

Im=VP/{Rf(1+S・τr)} …(2)

0063

但し、式(2)において、VPはPWMデューティ電圧、Rfは励磁コイル71および72等の等価抵抗値、Sはラプラス変換一次遅れ演算子、τrは励磁コイル71および72の時定数である。

0064

式(1)および式(2)から明らかなように、PWMデューティ値を可変にすることにより、励磁電流Imが可変となり、発電機7の必要トルクTgおよび出力電力Pgを制御することが可能なことが分かる。

0065

以上の点を考慮して、また、励磁コイル71および72の温度ドリフト等を考慮して、さらに、制御演算部14は、励磁電流検出部16により実際の励磁電流Imを測定する。そして、励磁電流Imの演算値と検出値との差に基づいて、パワートランジスタ19に対する駆動信号のPWMデューティ値を微調整することにより、発電機7の必要トルクTgを目標トルクToに近づけるように制御を行う(ステップS5)。

0066

これにより、発電機7は、負荷電圧Vdの変動にかかわらず一定トルク制御されるので、エンジン6から見たときの負荷変動は発生しない。したがって、負荷電圧Vdが急変したときにおいても、スロットル弁4に対して極めて緩慢な操作を行えばよいので、スロットル弁4の操作性が向上し、また、エンジン6を最高効率の回転数でポイント運転することができ、燃費が向上する。

0067

このように、クランク軸回転数Neに対応した発電機7の回転数、負荷電圧Vdおよび目標トルクToから励磁電流Imを常に制御し、エンジン6の負荷トルクを一定にすることにより、スロットル弁4をほとんど操作することなく、エンジン6を一定回転制御することができる。したがって、エンジン6の効率向上、燃費の向上ならびに排気ガスの浄化を容易に実現することができる。

0068

また、制御演算部14は、エンジン制御装置10を制御し、たとえば排気ガスを浄化するために、A/F(空燃比)値が常に理論空燃比14.7となるように燃料噴射量を制御している。このとき、エンジン6の吸入空気量に対応するスロットル弁4の開度θはほとんど変化しないため、燃料噴射量に加減速補正をかけなくても済み、したがって、排気ガスの浄化を容易に行うことができる。

0069

実施例2.なお、上記実施例1では、発電機7の定格電力範囲における励磁電流Imの制御のみについて説明したが、過渡的な負荷変動により発電機7の必要トルクTgが目標トルクTo以下に低下し、発電機7の出力電力Pgが定格電力に満たなくなった場合には、次のようにエンジン6の回転吹き上がりを防止してもよい。すなわち、発電機7の定格電力範囲内では、目標トルクと必要トルクとの制御誤差を補間する目的で、遅角および進角させていた点火時期の制御範囲を大きくし、スロットル弁4を閉成側に動かさずに点火時期に対して遅角補正制御を行うようにしてもよい。

0070

たとえば、実施例1においては、負荷電圧Vdの変動に応じて発電機7の励磁電流Imを制御し、一定トルク制御を実現しているので、発電機7の出力電力Pgが定格電力で発電されている場合は、エンジン6の出力トルクTeがほぼ一定となり、スロットル弁4の変化量は極めて少ない。

0071

しかしながら、発電機7の負荷が小さく、出力電力Pgが定格電力に満たない場合は、発電機7の必要トルクTgが目標トルクTo以下となるため、エンジン6の出力トルクTeが軽くなり、回転吹き上がりが発生することになる。したがって、このようなエンジン6の回転吹き上がりを抑制するためには、スロットル弁4を全閉側に移行せざるを得なくなり、排気ガスの浄化作用劣化することになる。

0072

そこで、過渡的な定格電力の低減変動に対しては、スロットル弁4を閉成側に変化させずに、エンジン6の点火時期を遅角補正し、エンジン6の出力トルクTeを一時的に低下させて回転吹き上がりを抑制し、エンジン6のクランク軸回転数Neを目標回転数Noで一定回転制御することが望ましい。

0073

過渡的な負荷変動時に点火時期遅角補正を行うようにしたこの発明の実施例2において、制御演算部14は、発電機7の出力電力Pgが定格電力以上か否かを、負荷電圧Vdが所定範囲(VL〜VH)内であるか否かにより判定する負荷変動判定手段と、負荷電圧Vdが所定範囲内でなく、発電機7の出力電力Pgが定格電力に満たないと判定された場合に、クランク軸回転数Neが目標回転数Noと一致するようにエンジン6の点火時期を遅角補正する点火時期補正手段とを含んでいる。

0074

図5はこの発明の実施例2による点火時期遅角補正動作を示すフローチャートである。この場合、制御演算部14は、ステップS5(図4参照)に続いて、発電機7の出力電力Pgが定格電力以上か否か(すなわち、必要トルクTgが目標トルクTo以上か否か)を、負荷電圧Vdが所定範囲(VL〜VH)内であるか否かにより判定する(ステップS6)。

0075

もし、負荷電圧Vdが所定範囲内(すなわち、YES)であると判定されれば、そのまま図5ルーチンを終了する。一方、負荷電圧Vdが所定範囲内でなく、発電機7の出力電力Pgが定格電力に満たない(Tg<To)と判定された場合には、クランク軸回転数Neが目標回転数Noと一致するようにエンジン6の点火時期を遅角補正する(ステップS7)。

0076

このように、発電機7の発電出力が定格電力に満たない場合に、スロットル弁4を動かさずにエンジン6の点火時期を遅角補正することにより、エンジン6の効率は瞬時的に低下するが、スロットル弁4の開度θは変化しないため、排気ガスの浄化を容易に向上させることができる。

0077

したがって、負荷電圧Vdの過渡的な変動による電力変動とは無関係に、発電機7が最適効率となるようにクランク軸回転数Neを維持し、スロットル弁4を操作せずに、エンジン6の効率が最高となるポイント運転を維持して一定の出力電力Pgを得ることができる。また、スロットル弁6の開度変化が緩慢な場合であっても、エンジン6の回転脈動を抑制して最適効率のクランク軸回転数に安定させ、負荷9の過渡的な変動時にもクランク軸回転数Neを安定化させることができる。

0078

実施例3.なお、上記実施例2では、定格電力に満たない場合に、エンジン6の点火時期を遅角補正したが、スロットル弁4を比較的低速度の一定速度で閉成側に制御してもよい。図6はスロットル弁4の開度θを制御するようにしたこの発明の実施例3による電子制御ユニット30A、駆動部2、アクチュエータ3およびスロットル弁4の具体的な構成を示す回路ブロック図である。

0079

図6において、各種センサとして、アクチュエータ3の駆動位置Dを検出する駆動位置センサ31と、アクチュエータ3により駆動されるスロットル弁4の開度θを検出する開度センサ41と、エンジン6のブースト圧力(インマニ圧)を検出する圧力センサ(図示せず)とが設けられている。

0080

たとえば、駆動位置センサ31はホール素子により構成され、開度センサ41は可変抵抗器により構成されている。

0081

アクチュエータ3を制御するための電子制御ユニット30A内の駆動部2は、制御演算部14のPWM駆動出力ポートからのPWM制御信号によって駆動制御されるPWM相切替回路21と、PWM相切替回路21の出力信号に基づいてアクチュエータ3の駆動信号を生成するためのトランジスタブリッジからなる三相フルブリッジ回路22とを備えている。

0082

アクチュエータ3は、駆動信号に応答してスロットル弁4を回転位置決めするための三相コイルからなる。電子制御ユニット30Aは、各種情報として、アクチュエータ3の駆動位置D、スロットル弁4の開度θ、負荷電圧Vd、エンジン6のブースト圧力PBおよびクランク軸回転数Neを取り込んでいる。

0083

スロットル弁4の開度θ、負荷電圧Vdおよびブースト圧力PBは、A/D入力ポートを介して制御演算部14に入力され、クランク軸回転数Neは、回転数計数入力ポートを介して制御演算部14に入力されている。また、アクチュエータ3の駆動位置Dは、駆動部2内のPWM相切替回路21に入力されている。

0084

また、制御演算部14は、発電機7の出力電力Pgが定格電力以上か否かを、負荷電圧Vdが所定範囲内であるか否かにより判定する負荷変動判定手段と、負荷電圧Vdが所定範囲内でなく、発電機7の出力電力Pgが定格電力に満たない場合に、クランク軸回転数Neが目標回転数Noと一致するようにスロットル弁4の開度θを閉成側に一定速度で制御する開度補正手段とを含んでいる。

0085

このように、発電機7の出力電力Pgが定格電力に満たない場合に、クランク軸回転数Neが目標回転数Noと一致するようにスロットル弁4の開度θを閉成側に制御することにより、負荷電圧Vdが変動して出力電力Pgが定格電力に満たない場合でも、エンジン6の回転脈動を抑制して一定回転制御することができる。

0086

これにより、発電機7の必要トルクTgが負荷の低減によって低下する前に、スロットル弁4を閉成側に先行制御し、エンジン6の回転脈動を抑制して一定回転制御し、高効率化、低騒音化および排気ガス浄化を実現する。また、制御演算部14は、エンジン6を最高効率のクランク軸回転数でポイント運転するように、クランク軸回転数Neをフィードバック制御している。

0087

この場合、制御演算部14は、検出されたスロットル弁4の開度θと、制御演算部14内で演算された目標開度θoとを常に比較してD−PI(比例積分先行微分)制御し、両者の偏差量をPWMデューティ値として、駆動部2内のPWM相切替回路21に入力するようになっている。

0088

この結果、アクチュエータ3を介してスロットル弁4が開閉駆動され、PWMデューティ値の変化量に応じて、エンジン6のクランク軸回転数Neを任意に増減制御することができる。このとき、スロットル弁4の開度θは、比較的低速度で駆動され、急変されることがないので、排気ガスの悪化を招くことはない。

0089

図7は一般的な三相同期型の発電機7の出力電圧Vgと出力電流Igとの関係を示す特性図であり、出力電圧範囲V0〜V1および出力電流範囲A0〜A1は、それぞれ、負荷変動時に発電機7の定格出力電圧が得られる範囲を示している。

0090

図8はこの発明の実施例3により制御されるスロットル弁4の開度θおよび発電機7の必要トルクTgと発電機7の負荷電圧Vdとの関係を示す特性図であり、開度θは基準電圧Vd1以上で閉成側に制御され、発電機7の必要トルクTgは基準電圧Vd2以上で低下されている。

0091

図9は負荷電圧Vd、スロットル弁4の開度θ、励磁電流Imおよびクランク軸回転数Neの変化タイミングを経過時間tとともに時系列的に示す特性図であり、吸入空気量の遅れ時間τは、開度θの閉成開始タイミングから励磁電流Imの低減開始タイミングまでの間隔に相当する。

0092

図10はこの発明の実施例3の動作を示すフローチャートであり、図4内のステップS5に続いて開度θの補正ステップS8および発電機7の必要トルクTgの補正ステップS9を挿入した場合を示す。

0093

以下、図7図10を参照しながら、図1および図6に示したこの発明の実施例3によるスロットル弁4の先行制御動作について、さらに詳細に説明する。ここでは、前述したように、発電機7の出力電力Pgが定格電力に満たない場合にスロットル弁4を閉成側に制御し、エンジン6のクランク軸回転数Neの吹き上がりおよび脈動を抑制する場合のみについて説明する。

0094

一般に、発電機7の出力電圧Vgおよび出力電流Igの特性は、図7に示すようになる。このとき、発電機7の構造仕様等から、出力電圧Vgおよび出力電流Igが変動した場合に定格電力が得られる範囲V0〜V1およびA0〜A1が制限される。

0095

ここでは、発電機7を他励として一定トルク制御を行っているため、発電機7の負荷が定格電力以下の消費量に低下した場合のみに、スロットル弁4の制御が必要となる。このとき、図7から明らかなように、出力電流Igすなわち負荷電流が減少すると、出力電圧Vgが増加する傾向にある。

0096

したがって、図8に示すように、基準電圧Vd1およびVd2をあらかじめ制御演算部14内にマップ設定しておき、負荷電圧Vdが基準電圧Vd1以上に達したときにスロットル弁4の開度θを閉成側に低下させ、負荷電圧Vdが基準電圧Vd2以上に達したときに発電機7の必要トルクTgを低下させる。

0097

このとき、スロットル弁4の開度θを閉成させるための基準電圧Vd1は、発電機7の必要トルクTgを低下させるための基準電圧Vd2よりも低い値にマップ設定され、スロットル弁4の開度θが発電機7の必要トルクTgよりも早く低下制御されるようになっている。

0098

すなわち、図10において、まず、負荷電圧Vdを基準電圧Vd1と比較し、負荷電圧Vdが基準電圧Vd1以上か否かを判定する(ステップS61)。もし、Vd<Vd1(すなわち、NO)と判定されれば、次の判定ステップS62に進み、Vd1≦Vd(すなわち、YES)と判定されれば、エンジン6のクランク軸回転数Neが目標回転数Noと一致するように、開度θを閉成側に補正する(ステップS8)。

0099

続いて、負荷電圧Vdが基準電圧Vd2以上か否かを判定し(ステップS62)、もし、Vd<Vd2(すなわち、NO)と判定されれば図10のルーチンを終了し、Vd2≦Vd(すなわち、YES)と判定されれば、発電機7の必要トルクTgが低減するように励磁電流Imを補正する(ステップS9)。

0100

以上の動作を時系列的に表現した図9から明らかなように、スロットル弁4の開度θは、発電機7の必要トルクTgに相当する励磁電流Imの減少タイミングよりも先行して閉成側に移行するため、吸入空気量の遅れや制御系の無応答時間が相殺される。したがって、エンジン6の回転吹き上がりを抑制することができる。

0101

ここで、吸気系の遅れおよびエンジン6の燃焼遅れ無駄時間tL)を先行制御時の遅れ時間をτとし、吸気系遅れを固定時間とし、無駄時間tLが吸気行程圧縮行程および燃焼行程の3行程からなるものとすると、無駄時間tLは、エンジン6の1.5回転分に等しい。したがって、無駄時間tLは、クランク軸回転数Neに反比例し、以下の式(3)により表わされる。

0102

tL=(60×1.5)/Ne …(3)

0103

実際の制御に関しては、無駄時間tLは、クランク軸回転数Neの時間変化を考慮して近似的に一次遅れと見なされ、ラプラス演算子Sを用いた無駄時間tLの関数として、以下の式(4)のように表わされる。

0104

exp(−tL・S)≒1−tL・S
≒1/(1+tL・S) …(4)

0105

図8および図9のように、スロットル弁4の開度θを発電機7の必要トルクTg(励磁電流Im)よりも先行して制御することにより、エンジン6の回転吹き上がりや回転脈動は抑制されるため、エンジン6の低騒音化および排気ガスの浄化を容易に実現することができる。

0106

実施例4.なお、スロットル弁4の先行制御を行う上記実施例3では、発電機7の必要トルクTg(励磁電流Im)を変化させる前にスロットル弁4の開度θを変化させることによってエンジン6の吸気系の遅れ時間を相殺したが、先行制御により移行する目標開度θoの位置が曖昧な場合は、逆にエンジン6のクランク軸回転数Neが低下するおそれがある。

0107

そこで、エンジン6の出力トルクTeと発電機7の必要トルクTgとの偏差トルク余裕)が常に一定値となるように、必要トルクTgのマップ値を演算することが望ましい。すなわち、制御演算部14内のマイクロコンピュータにより、発電機7の目標トルクToに応じたエンジン6の出力トルクTeを推定し、推定されたエンジン出力トルクTeに基づく開度θにスロットル弁4を固定制御すればよい。

0108

以下、エンジン出力トルクTeの推定および目標開度θoのマップ補間演算を行うこの発明の実施例4について説明する。なお、この発明の実施例4における電子制御ユニット30Aのブロック構成は、図6に示した通りである。

0109

この場合、制御演算部14は、検出された開度θおよびブースト圧力PBに基づいてエンジン6の出力トルクTeを推定する出力トルク推定手段と、発電機7の必要トルクTgとエンジン6の出力トルクTeとの関係に基づいて、スロットル弁4の目標開度θoをマップ補間演算する目標開度演算手段とを含む。

0110

したがって、開度補正手段は、発電機7の出力電力Pgが定格電力に満たない場合に、クランク軸回転数Neが目標回転数Noと一致するようにスロットル弁4の開度θを目標開度θoに制御するようになっている。これにより、発電機7の必要トルクTgが負荷の低減によって低下する前に、スロットル弁4を閉成側に先行制御し、エンジン6の回転脈動を抑制して一定回転制御し、高効率化、低騒音化および排気ガス浄化を実現する。

0111

これにより、発電機7の目標トルクTo(発電機7の出力電力Pgに対応)が変化しても、常に最適な開度θに先行制御で移行させ、エンジン6の回転吹き上がりや脈動を抑制することができる。次に、図11図13を参照しながら、この発明の実施例4によるエンジン出力トルクTeの推定処理および開度θの目標値θoのマップ補間演算処理について詳細に説明する。

0112

図11は一般的なエンジン6のクランク軸回転数Neと出力トルクTeとの関係を示す特性図であり、ブースト圧力PBが大気圧WOT(開度θが全開状態)から開度θの全閉方向に対応して、−100mmHg〜−400mmHgの単位でマップデータ化されている。

0113

図12はエンジン6の出力トルクTeおよび発電機7の必要トルクTgとクランク軸回転数Neとの関係を示す特性図であり、エンジン6の出力トルクTeと発電機7の必要トルクTgとの偏差(余裕トルク)は、最大効率となるポイント運転回転数Npのみならず、全てのクランク軸回転数Neに対して一定となるようにマップ演算されている。

0114

図13はこの発明の実施例4の動作を示すフローチャートであり、図10内の開度補正ステップS8に代えて、出力トルク推定ステップS81、目標開度θoのマップ補間演算ステップS82および開度補正ステップS83を挿入した場合を示す。

0115

電子制御ユニット30A内の制御演算部14は、エンジン6のクランク軸回転数Neおよび出力トルクTeのマップデータを、図11のように、各ブースト圧力PB単位であらかじめ格納している。

0116

図13において、まず、制御演算部14内のマイクロコンピュータは、ステップS61によりVd1≦Vd(発電機7の出力電力Pgが定格電力に満たない状態)であることを判定すると、図11のマップデータに基づいて、クランク軸回転数Neおよびブースト圧力PBに基づいてエンジン6の出力トルクTeを推定する(ステップS81)。

0117

なお、このとき推定されるエンジン出力トルクTeは、スロットルボア径、シリンダ容積および排気容積が全て固定値であることから、静的にはエンジン6に固有の値として不変である。

0118

続いて、推定されたエンジン出力トルクTeに基づいて目標開度θoを決定し、この目標開度θoを、エンジン出力トルクTeと発電機7の目標トルクToとの関係からマップ補間演算する(ステップS82)。すなわち、発電機7の必要トルクTgが変化した後のクランク軸回転数Neの偏差に基づいて目標開度θoを毎回学習し、マップデータを補正する。

0119

続いて、クランク軸回転数Neが目標回転数Noと一致するように、スロットル弁4の開度θを目標開度θoに補正する。これにより、さらに高精度のエンジン6の一定回転制御を実現することができる。

発明の効果

0120

以上のようにこの発明によれば、エンジンの吸入空気量を調整するスロットル弁と、エンジンに対する燃料噴射量および点火時期を制御するエンジン制御装置と、スロットル弁の開度を調整するアクチュエータと、エンジンの回転出力により発電を行う発電機と、発電機の出力電圧を整流して直流の負荷電圧を生成する整流回路と、負荷電圧が印加されて発電機の出力電力が供給される負荷と、エンジンの運転状態を示す各種情報に基づいて、発電機に対する励磁電流、エンジン制御装置およびアクチュエータを制御する電子制御ユニットとを備え、各種情報は、負荷の抵抗値に対応する負荷電圧およびエンジンのクランク軸回転数を含み、電子制御ユニットは、負荷電圧に対する発電機の目標出力電力をマップ設定する目標出力電力設定手段と、負荷電圧およびクランク軸回転数に基づいて、目標出力電力を得るために発電機が必要とする目標トルクをマップ設定する目標トルク設定手段と、発電機の必要トルクが目標トルクと一致するように発電機の励磁電流を演算する励磁電流演算手段と、演算された励磁電流が得られるように発電機内の励磁コイルを駆動する励磁電流制御手段とを含み、発電機の必要トルクを目標トルクで一定制御して出力電力を目標出力電力で一定制御するとともに、エンジンの出力効率が最大となるクランク軸回転数で運転する。これにより、発電機の出力電力が定格電力を出力できる状態であれば負荷変動にかかわらず発電機を一定トルク制御し、スロットル弁を開閉制御することなくエンジンから見た負荷トルクを一定にしたので、エンジンのクランク軸回転数を維持して回転変動および脈動を抑制し、エンジン効率の最適化、低騒音化、燃費の向上および排気ガスの浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置が得られる効果がある。

0121

また、この発明によれば、発電機に供給される励磁電流を検出する励磁電流検出手段と、励磁電流の検出値と演算値との差に基づいて励磁電流を微調整する励磁電流補正手段とを設け、発電機に供給される励磁電流の検出値と演算値との差に基づいて励磁電流を微調整し、温度ドリフト等を補償するようにしたので、エンジンの回転変動および脈動をさらに確実に抑制し、エンジン効率の最適化、低騒音化、燃費の向上および排気ガスの浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置が得られる効果がある。

0122

また、この発明によれば、発電機の出力電力が定格電力以上か否かを、負荷電圧が所定範囲内であるか否かにより判定する負荷変動判定手段と、負荷電圧が所定範囲内でなく、発電機の出力電力が定格電力に満たないと判定された場合に、クランク軸回転数が目標回転数と一致するようにエンジンの点火時期を補正する点火時期補正手段とを設け、スロットル弁の開度の変化を抑制するようにしたので、過渡的な電力変動時においてもスロットル弁をほとんど操作せずにエンジンを一定回転制御し、また、スロットル弁の開度変化が緩慢な場合でもエンジンの回転脈動を抑制して最適効率のクランク軸回転数に安定させることができ、さらにエンジン効率および燃費の向上ならびに排気ガスの浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置が得られる効果がある。

0123

また、この発明によれば、発電機の出力電力が定格電力以上か否かを、負荷電圧が所定範囲内であるか否かにより判定する負荷変動判定手段と、負荷電圧が所定範囲内でなく、発電機の出力電力が定格電力に満たない場合に、クランク軸回転数が目標回転数と一致するようにスロットル弁の開度を閉成側に一定速度制御する開度補正手段とを設け、負荷変動により発電機の出力電力が定格電力に満たない場合にスロットル弁を一定速度で開閉制御するようにしたので、エンジンのクランク軸回転数の脈動を抑制してエンジン効率の最適化するとともに、燃費の向上および排気ガスの浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置が得られる効果がある。

0124

また、この発明によれば、開度およびブースト圧力に基づいてエンジンの出力トルクを推定する出力トルク推定手段と、発電機の必要トルクとエンジンの出力トルクとの関係に基づいて、スロットル弁の目標開度をマップ補間演算する目標開度演算手段とを設け、負荷変動により発電機の出力電力が定格電力に満たない場合に、クランク軸回転数が目標回転数と一致するようにスロットル弁の開度を目標開度に制御するようにしたので、発電機の必要トルクが負荷の低減によって低下する前にスロットル弁を閉成側に先行制御し、エンジンの回転脈動を抑制して一定回転制御することができ、エンジン効率を最適化するとともに、燃費の向上および排気ガスの浄化を容易に実現したエンジン発電機の制御装置が得られる効果がある。

図面の簡単な説明

0125

図1この発明の実施例1〜実施例4に対応したエンジン発電機の制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図2この発明の実施例1による図1内の電子制御ユニットおよび発電機の具体的構成を示す回路ブロック図である。
図3この発明の実施例1の動作を説明するための発電機の必要トルクおよび出力電力と負荷電圧との関係を示す特性図である。
図4この発明の実施例1による励磁電流の制御動作を示すフローチャートである。
図5この発明の実施例2による点火時期補正動作を示すフローチャートである。
図6この発明の実施例3による図1内の電子制御ユニット、アクチュエータおよびスロットル弁の具体的構成を示す回路ブロック図である。
図7この発明の実施例3の動作を説明するための発電機の出力電圧と出力電流との関係を示す特性図である。
図8この発明の実施例3の動作を説明するためのスロットル弁の開度および発電機の必要トルクと負荷電圧との関係を示す特性図である。
図9この発明の実施例3の動作を説明するための負荷電圧、スロットル弁の開度、発電機の励磁電流およびクランク軸回転数の時間変化を示す特性図である。
図10この発明の実施例3によるスロットル弁制御動作を示すフローチャートである。
図11この発明の実施例4の動作を説明するためのブースト圧力単位毎のエンジン出力トルクとクランク軸回転数との関係を示す特性図である。
図12この発明の実施例4の動作を説明するためのエンジン出力トルクおよび発電機必要トルクとクランク軸回転数との関係を示す特性図である。
図13この発明の実施例4によるエンジン出力トルクの推定動作および目標開度の補間演算動作を示すフローチャートである。
図14従来のエンジン発電機の制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図15図14内の電子制御ユニットおよびスロットル弁の具体的構成を示す回路ブロック図である。

--

0126

3アクチュエータ、4スロットル弁、6エンジン、7発電機、71、72励磁コイル、8整流回路、9インバータ回路(負荷)、10エンジン制御装置、16励磁電流検出部、30A電子制御ユニット、Im励磁電流、Neクランク軸回転数、No目標回転数、PBブースト圧力、Pg発電機の出力電力、Po目標出力電力、Te エンジンの出力トルク、Tg発電機の必要トルク、To目標トルク、Vd負荷電圧、Vg 発電機の出力電圧、θ スロットル弁の開度、θo目標開度、S1 目標出力電力設定ステップ、S2 目標トルク設定ステップ、S3磁電流演算ステップ、S4励磁電流制御ステップ、S5 励磁電流補正ステップ、S6、S61、S62負荷変動判定ステップ、S7点火時期補正ステップ、S8、S83 開度補正ステップ、S81 出力トルク推定ステップ、S82 目標開度演算ステップ。

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