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技術 毛髪前処理剤および毛髪前処理化粧料ならびに染毛方法

出願人 海岸ベルマネジメント株式会社
発明者 堀越俊雄南野博美
出願日 1995年1月24日 (25年1ヶ月経過) 出願番号 1995-028735
公開日 1996年8月6日 (23年6ヶ月経過) 公開番号 1996-198730
状態 未査定
技術分野 化粧料
主要キーワード 容量割合 タンパク繊維 ケラチン含有物質 毛髪タンパク質 健常毛髪 好ましくない傾向 抗原抽出液 分岐鎖型
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年8月6日)のものです。
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構成

架橋構造を有するケラチンタンパク繊維液体中で還元処理し、ついで不溶物を除いた溶液脂肪酸アルカリ塩および/または脂肪酸有機塩基塩、アニオン界面活性剤両性界面活性剤、からなる界面活性剤の群から選ばれる1種以上を加えた後に、還元剤を除去することにより得られる、可溶性ケラチンタンパク質ケラチンタンパク質からなる毛髪前処理剤、該毛髪前処理剤を含有する毛髪化粧料毛髪を処理した後、ケラチンタンパク質に対して免疫活性を有する抗体に顔料または色素酵素を修飾したものを含有する染毛剤

効果

本発明によれば、毛髪を損傷させず、また皮膚刺激もなく、高い染毛効果を得ることができる。しかも、毛髪を官能面でも改善することができる。

概要

背景

近年、抗体を利用した化粧料の研究がなされている (特開平5−163123号公報)。抗体を用いる化粧料は、抗体がタンパク質であること等から、毛髪を損傷させず、また皮膚に対する刺激も少ない等の利点を有する。

しかし、これを染毛剤として用いる際には、抗体に充分量の色素を結合させることはできず、また抗体の毛髪への結合力も不十分となり、到底染毛料として実用に供することはできなかった。その点を解決するために特願平4−351973号、特願平4−351971号および特開平2−134012号公報においては、抗体に、色素 (顔料染料) を修飾したものや酵素を修飾したものを染毛剤として使用する方法が示されている。しかしながら、実際に染毛効果を十分に発揮させるためには、さらに抗体自身を毛髪へ効率的に結合させる必要があった。

そこで本発明者らは、上記課題を達成する方法を鋭意検討した結果、架橋構造を有するケラチンタンパク繊維液体中で還元処理し、ついで不溶物を除いた溶液に(A)脂肪酸アルカリ塩および/または脂肪酸有機塩基塩、(B)アニオン界面活性剤、(C)両性界面活性剤、からなる界面活性剤の群から選ばれる1種以上を加えた後に、還元剤を除去することにより得られる可溶性ケラチンタンパク質からなる毛髪前処理剤または該毛髪前処理剤を含有する毛髪前処理化粧料で毛髪を処理した後、ケラチンタンパク質に対して免疫活性を有する抗体に顔料または色素や酵素を修飾したものを含有する染毛剤で染毛することにより、着色性飛躍的に向上できることを発見し、本発明を完成した。

概要

架橋構造を有するケラチンタンパク繊維を液体中で還元処理し、ついで不溶物を除いた溶液に脂肪酸アルカリ塩および/または脂肪酸有機塩基塩、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、からなる界面活性剤の群から選ばれる1種以上を加えた後に、還元剤を除去することにより得られる、可溶性ケラチンタンパク質かケラチンタンパク質からなる毛髪前処理剤、該毛髪前処理剤を含有する毛髪化粧料で毛髪を処理した後、ケラチンタンパク質に対して免疫活性を有する抗体に顔料または色素や酵素を修飾したものを含有する染毛剤。

本発明によれば、毛髪を損傷させず、また皮膚刺激もなく、高い染毛効果を得ることができる。しかも、毛髪を官能面でも改善することができる。

目的

したがって、本発明の目的とするところは、抗毛髪抗体を利用した、着色性が良く、色落ちしにくく、皮膚を染色せず、皮膚刺激がなく、しかも毛髪の感触を向上させる染毛剤または毛髪化粧料の、染毛効果を高める毛髪前処理剤、さらに該毛髪前処理剤を含有する毛髪化粧料を提供するにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

架橋構造を有するケラチンタンパク繊維液体中で還元処理し、ついで不溶物を除いた溶液に、(A)脂肪酸アルカリ塩および/または脂肪酸有機塩基塩、(B)アニオン界面活性剤、(C)両性界面活性剤、からなる界面活性剤の群から選ばれる1種以上を加えた後に、還元剤を除去することにより得られる可溶性ケラチンタンパク質、または架橋構造を有するケラチンタンパク繊維を還元剤と、(A)脂肪酸アルカリ塩および/または脂肪酸有機塩基塩、(B)アニオン界面活性剤、(C)両性界面活性剤、からなる界面活性剤の群から選ばれる1種以上を含む液体中で接触させ、ついで不溶物を除いた溶液から還元剤を除去することにより得られる可溶性ケラチンタンパク質からなる毛髪前処理剤

請求項2

請求項1記載の毛髪前処理剤を含有することを特徴とする毛髪前処理化粧料

請求項3

毛髪を、請求項1記載の毛髪前処理剤または請求項2記載の毛髪前処理化粧料で処理した後、顔料または色素で修飾された、ケラチンタンパク質に対して免疫活性を有する抗体で染毛することを特徴とする染毛方法

請求項4

毛髪を、請求項1記載の毛髪前処理剤または請求項2記載の毛髪前処理化粧料で処理した後、酵素で修飾された、ケラチンタンパク質に対して免疫活性を有する抗体で染毛することを特徴とする染毛方法。

技術分野

0001

本発明は、皮膚につかず、毛髪に特異的に結合する抗毛髪ケラチン抗体を用いた染毛方法において用いられる毛髪前処理剤、それを含有する毛髪前処理化粧料、およびそれを用いた染毛方法に関する。

背景技術

0002

近年、抗体を利用した化粧料の研究がなされている (特開平5−163123号公報)。抗体を用いる化粧料は、抗体がタンパク質であること等から、毛髪を損傷させず、また皮膚に対する刺激も少ない等の利点を有する。

0003

しかし、これを染毛剤として用いる際には、抗体に充分量の色素を結合させることはできず、また抗体の毛髪への結合力も不十分となり、到底染毛料として実用に供することはできなかった。その点を解決するために特願平4−351973号、特願平4−351971号および特開平2−134012号公報においては、抗体に、色素 (顔料染料) を修飾したものや酵素を修飾したものを染毛剤として使用する方法が示されている。しかしながら、実際に染毛効果を十分に発揮させるためには、さらに抗体自身を毛髪へ効率的に結合させる必要があった。

0004

そこで本発明者らは、上記課題を達成する方法を鋭意検討した結果、架橋構造を有するケラチンタンパク繊維液体中で還元処理し、ついで不溶物を除いた溶液に(A)脂肪酸アルカリ塩および/または脂肪酸有機塩基塩、(B)アニオン界面活性剤、(C)両性界面活性剤、からなる界面活性剤の群から選ばれる1種以上を加えた後に、還元剤を除去することにより得られる可溶性ケラチンタンパク質からなる毛髪前処理剤または該毛髪前処理剤を含有する毛髪前処理化粧料で毛髪を処理した後、ケラチンタンパク質に対して免疫活性を有する抗体に顔料または色素や酵素を修飾したものを含有する染毛剤で染毛することにより、着色性飛躍的に向上できることを発見し、本発明を完成した。

発明が解決しようとする課題

0005

したがって、本発明の目的とするところは、抗毛髪抗体を利用した、着色性が良く、色落ちしにくく、皮膚を染色せず、皮膚刺激がなく、しかも毛髪の感触を向上させる染毛剤または毛髪化粧料の、染毛効果を高める毛髪前処理剤、さらに該毛髪前処理剤を含有する毛髪化粧料を提供するにある。

課題を解決するための手段

0006

すなわち、本発明の請求項1は、架橋構造を有するケラチンタンパク繊維を液体中で還元処理し、ついで不溶物を除いた溶液に、(A)脂肪酸アルカリ塩および/または脂肪酸有機塩基塩、(B)アニオン界面活性剤、(C)両性界面活性剤、からなる界面活性剤の群から選ばれる1種以上を加えた後に、還元剤を除去することにより得られる可溶性ケラチンタンパク質、または架橋構造を有するケラチンタンパク繊維を還元剤と、(A)脂肪酸アルカリ塩および/または脂肪酸有機塩基塩、(B)アニオン界面活性剤、(C)両性界面活性剤、からなる界面活性剤の群から選ばれる1種以上を含む液体中で接触させ、ついで不溶物を除いた溶液から還元剤を除去することにより得られる可溶性ケラチンタンパク質からなる毛髪前処理剤である。

0007

また、請求項2は、請求項1記載の毛髪前処理剤を含有することを特徴とする毛髪前処理化粧料である。

0008

さらに、請求項3は、毛髪を、請求項1記載の毛髪前処理剤または請求項2記載の毛髪前処理化粧料で処理した後、顔料または色素で修飾された、ケラチンタンパク質に対して免疫活性を有する抗体で染毛することを特徴とする染毛方法である。

0009

請求項4は、毛髪を、請求項1記載の毛髪前処理剤または請求項2記載の毛髪前処理化粧料で処理した後、酵素で修飾された、ケラチンタンパク質に対して免疫活性を有する抗体で染毛することを特徴とする染毛方法である。

0010

以下、本発明について詳細に説明する。本発明に用いるケラチン含有物質としては、ヒト、山羊、兎等の毛や爪、各種鳥類羽毛が好ましく用いられるが経済的な面からは羊毛が望ましい。また、効果の面からは、抗体を作製する時の抗原を調製した動物の種に近い種を用いることが望ましい。

0011

還元剤としては一般的なもので良く、チオグリコール酸メルカプトエタノール亜硫酸水素ナトリウムが用いられる。これら還元剤の濃度は、ケラチン含有物質10 gに対して0.05〜0.5モルで使用される。ケラチン含有物質の還元処理に用いる溶媒は、使用時の簡便さから水や緩衝液が用いられる。その量は、ケラチン含有物質の溶媒に対する割合が0.5〜10重量%程度が好ましい。

0012

また、毛髪、爪、獣毛、羽毛、角、等は、ジスルフィド結合開裂しても水素結合のために液体媒体に対する溶解性が十分でない事がある。この様な場合は液体媒体中尿素チオ尿素等のタンパク質変性剤水酸化ナトリウムアンモニア等のアルカリ塩化ナトリウム等の無機塩などを溶解助剤として含有させ還元物の溶解性を増した溶液を用いるのが良い。このような溶解助剤は、その用量が多いほど有効であるが、液体媒体に対する溶解性や後の還元剤等の除去操作の効率を考慮して適当量が決定される。

0013

還元可溶化反応は中性でも良好な結果が得られるが、望ましくはアルカリ性下、さらに望ましくはpH10〜11で行なうことが好ましい。また、反応温度と反応時間は、還元反応が完全に行なわれるように適宜組み合わせる。たとえば、室温では3〜6時間、5℃では24〜48時間、40〜60℃では30〜120分反応を行なえば十分である。

0014

得られたケラチン溶液中には還元剤や溶解助剤等が含まれており、除去する必要があるが、除去処理の前に、溶液中に存在している不溶物を予め遠心分離濾過によって除去しておく必要がある。

0015

還元剤の除去は、透析ゲル濾過膜濾過電気透析等の手段で行なう。この除去によりケラチン溶液は、濁りや不溶物の全くない液として得ることができる。

0016

不溶物の除去後、ケラチン溶液に加える(A)脂肪酸アルカリ金属塩または脂肪酸有機塩基塩、(B)アニオン界面活性剤、(C)両性界面活性剤は、以下の成分により構成される。

0017

(A)脂肪酸アルカリ金属塩または脂肪酸有機塩基塩の構成成分である脂肪酸としては、たとえばラウリン酸トリデカン酸、ヤシ油脂肪酸パーム核油脂肪酸、ミリスチン酸ペンタデカン酸、パルミチン酸ヘプタデカン酸ステアリン酸ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ベヘニン酸リグノセリン酸セロチン酸モンタン酸メリシン酸、ラクセロン酸、ゲーダ酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸パルミトレイン酸オレイン酸ガドレイン酸エルカ酸リノール酸リノレン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−イソヘプチルイソウンデカン酸、イソステアリン酸、18−メチルイコサン酸、2−オクチルアキン酸、2−メチルステアリン酸、2−デシルドデカン酸、2−ドデシルテトラデカン酸、2−テトラデシルヘキサデカン酸、2−ヘキサデシルオクタデカン酸、2−オクタデシルイコサン酸、3−ペンチオクタン酸、3−ヘプチルデカン酸、3−ノニルドデカン酸、3−ウンデシルテトラデカン酸、3−トリデシルヘキサデカン酸、2−オクチルドデカン酸、2−ペンチルノナン酸、2−ヘキシルデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。

0019

脂肪酸および脂肪酸および塩の種類は、目的に応じて適宜選択される。また、中和度は80〜100%の間であれば、特に問題はないが、好ましくは90〜100%である。

0020

脂肪酸アルカリ金属塩または脂肪酸有機塩基塩の添加量は、可溶化の効果を得る上で溶液中に0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは1.0〜2重量%が良い。添加量はケラチン溶液の濃度や、原料ケラチンの種類によって異なるが、10重量%を超えると経済的に好ましくない傾向になる。

0021

(B)アニオン界面活性剤としては、硫酸エステル塩であるアルキル硫酸ナトリウムスルホン酸塩であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムリン酸エステル塩であるアルキルリン酸カリウム等が挙げられる。

0022

アニオン界面活性剤の添加量は、溶液中に0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。添加量はケラチン溶液の濃度や、原料ケラチンの種類によって異なるが、10重量%を超えると経済的に好ましくない傾向になる。

0024

両性界面活性剤の添加量は、溶液中に0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。添加量はケラチン溶液の濃度や、原料ケラチンの種類によって異なるが、10重量%を超えると経済的に好ましくない傾向になる。

0025

さらに、これら界面活性剤は、最初の還元剤添加時に予め加えておいても良い。

0026

還元剤の除去は、透析、ゲル濾過、膜濾過、電気透析等の手段で行う。この除去により、ケラチン溶液は、濁りや不溶物の全くない液として得ることができる。

0027

上述の如く操作して得られたケラチン溶液は、膜や乾燥によって濃縮することができ、またさらに乾燥させることにより、乾燥粉末を得ることができる。なお、このようにして得られたケラチンは水溶解性が非常に高い。また、ケラチンタンパク中のアミノ酸100残基あたり、システインを0.5〜5個、シスチンを0.5〜5個含み、分子量は40,000〜70,000の高分子ケラチンである。さらに、この保存安定性は非常に高く、溶液状態で少なくとも半年間は不溶物を生じなかった。

0028

この可溶性ケラチンタンパク質からなる毛髪前処理剤は、溶液状態、あるいはシャンプーリンススタイリングフォームヘアーコンディショナーヘアーパックヘアークリーム、ヘアーリキッドヘアートニックパーマネントウェーブ用剤シャンプー、リンス、セット剤パーマ剤に配合し、毛髪に適用される。

0029

その配合量は、最終ケラチン濃度で0.01〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0重量%である。

0030

本発明において毛髪前処理剤あるいは毛髪化粧料と、毛髪とを固定化するには、物理的吸着化学的結合等が用いられる。

0031

物理的吸着は、毛髪に、毛髪前処理剤あるいは該毛髪前処理剤を含有する毛髪化粧料を施与することによって行うことができる。

0032

化学的結合による場合は、毛髪の官能基アミノ基、カルボキシル基スルフィド基等)を利用して行なう。

0033

これらの官能基と、毛髪前処理剤あるいは該毛髪前処理剤を含有する毛髪化粧料は、公知の方法により結合させることができる。官能基がアミノ基である場合はグルタルアルデヒドにより、カルボキシル基である場合には水溶性カルボジイミドである1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドにより結合できる。また、SH基の場合にはN−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート(以下SPDP略記する)のような架橋試薬が利用できる。

0034

本発明に用いられる、毛髪タンパク質に対して免疫活性を有する抗体は、特願平4−351973号、特願平4−351971号および特開平2−134012号公報における記載の方法を用いることができる。すなわち、上述した毛髪タンパク質を牛、馬、羊、ヤギ、兎、ニワトリ等に免疫し、その常乳初乳血清卵黄等から抽出することによって、得ることができるが、牛の常乳または初乳、あるいは卵黄より得られる抗体が、大量に取得できるため好ましい。

0035

以上述べた抗体原料からの抗体の精製は公知の方法に従えばよく、たとえば適当な方法により脂質を除いたのち、硫安分画法、アルコール沈澱法あるいは膜分離法などにより精製し、粗精製抗体を得ることができる。必要ならばイオン交換クロマトグラフィーゲル濾過クロマトグラフィー等でさらに精製を行ない精製抗体を得ることができる。また、必要ならば免疫に用いた抗原をリガンドとするアフィニティークロマトグラフィーを行なうことにより、高純度精製抗体を得ることができる。

0036

また、目的とする抗体を産生する抗体産生細胞ミエローマ細胞融合細胞から、モノクローン抗体として抗体を得ることもできる。

0037

以上のようにして得られた抗体は、パパインあるいはペプシン等の酵素で処理し、免疫グロブリンFc部分を除去した抗体断片としてもよい。また、2−メルカプトエタノールで抗体を還元して得られるH鎖L鎖を用いてもよい。さらに、免疫した動物の脾臓細胞あるいはリンパ球からクローニングされた免疫グロブリン遺伝子断片を導入した微生物あるいは培養細胞の産物であってもよい。

0038

本発明において抗体を顔料に固定化するには、直接固定化する方法と高分子担体を介する方法があり、そのいずれも、色素結合抗体直接結合)に比べて毛髪への結合力に優れているが、直接固定化する方法は毛髪との結合力がより強いという点で好ましく、一方高分子担体を介する方法は、官能面での改善が著しいという点で好ましい。なお、抗体を色素に固定化するには、高分子担体を介する方法が挙げられる。

0039

本発明に用いられる高分子担体としては、不溶性高分子担体水溶性高分子担体等が挙げられる。不溶性高分子担体は、毛髪のはり、弾力感、こし、すべりまとまり風合いの改善が著しいという点で好ましく、水溶性高分子担体は、毛髪のしっとり感、なめらかさ、しなやかさ、すべり、風合いの改善が著しいという点で好ましい。

0040

不溶性高分子担体としては、合成高分子ポリマー不溶性タンパク質不溶性多糖リポソーム等が挙げられる。

0041

合成高分子ポリマーとしては、ポリスチレンポリα−メチルスチレン)、ポリビニルトルエンポリクロメチルスチレン、ポリクロルスチレンポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニルポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸オクチル、ポリアクリル酸ヒドロキシプロピルポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メトキシエチル、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、ポリアクリル酸ラウリルポリアクリル酸アンモニウムポリメタクリル酸メチルポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチルアミノエチル、ポリヒドロキシメタクリル酸ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸ポリスチレンスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリアクリルアミドポリメタクリルアミド、ポリ〔N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド〕、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(グリセロールモノメタクリレート)、ポリ(2−オキシエチルアクリレート)、ポリ(2−オキシエチルメタクリレート)、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレンポリプロピレンポリブテンポリイソブテン等の重合体およびこれらの共重合体ポリウレタン、ポリウレタンとシリコン等との共重合体、ナイロンビーズ等が挙げられる。また、それらのビーズの表面を改質したものを用いることもできる。これらの合成高分子のうち、粒子径の制御が容易であるという点で、ポリスチレンが好ましい。

0042

不溶性タンパク質としては、中性で不溶性のものや、水溶性のタンパク質を架橋して不溶化高分子化したものを使用すればよい。具体的には、フィブロインゼラチンコラーゲン等が挙げられる。

0043

不溶性多糖としては、架橋したアガロースデキストランキチン等が挙げられる。

0044

リポソームの原料となる脂質としては、フォスファチジルコリンフォスファチジルセリンフォスファチジルエタノールアミンリゾレシチン等のリン脂質が挙げられる。

0045

これらの不溶性高分子担体の粒子形態は特に限定されるものではなく、球形や板状であっても使用できるが、粒子サイズの揃った球形のものが好ましい。また、大きさについては特に限定されないが、0.001〜100μmの大きさが好ましく、特に0.001〜1μmが、高い染毛度が得られる点で好ましい。

0046

不溶性高分子担体と抗体の量比は使用する不溶性高分子担体によって異なり一概に規定できるものではないが、不溶性高分子担体1g あたりに、抗体0.01〜100mgが固定化されているのが好ましい。

0047

水溶性高分子担体としては、天然物合成物を問わず使用することができる。このようなものとしては天然物由来多糖類、タンパク質等が挙げられる。多糖類としては、たとえば植物由来デンプンアミロースアミロペクチンペクチンカラギーナンマンナンガラクタンアルギン酸ナトリウムトラガントゴムアラビアゴム等、微生物由来のデキストラン、プルランカードランレバングルカン、スクシノグルカン、キサンタンガム等、動物由来ヒアルロン酸コンドロイチン硫酸等が挙げられる。

0048

タンパク質としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、フィブロイン等が挙げられる。

0051

これらの水溶性高分子担体の粒子形態は特に限定されるものではなく、直鎖型でも分岐鎖型であっても使用できるが、ある程度分子量の揃ったものが好ましく、たとえば分子量1万から200万のものが挙げられる。

0052

水溶性高分子と抗体の量比は、使用する高分子によって異なり一概に規定できるものではないが、水溶性高分子1gあたりに、抗体0.01mg〜1g が固定化されているのが好ましい。

0053

本発明に用いられる顔料、色素としては、チタンブラックや白色チタン等の酸化チタン酸化鉄磁性粒子等の無機顔料有機顔料タール系色素を始めとする各種の合成色素反応性色素蛍光色素、合成メラニン色素、動物、植物、微生物由来の天然色素等が挙げられるが、顔料およびタール系色素が、刺激が少ないという点で好ましい。また、顔料は、抗体の毛髪への結合を強固にするという点でも好ましい。

0054

顔料の大きさは、一概には規定できないが、0.01〜6μmが好ましい。

0055

顔料、色素と抗体の量比は、その種類によって異なり一概に規定できるものではないが、抗体を直接固定化する場合、抗体1g に対して顔料5〜100g (顔料1g に対して抗体10〜200mg)が好ましく、高分子担体を介して固定化する場合、高分子担体1g あたり1mg〜10g が好ましい。

0056

本発明において顔料と抗体を直接固定化するには、物理的吸着や化学的結合が用いられる。物理的吸着は、顔料と抗体を混合することによって行なうことができる。化学的結合による場合は、顔料が有機官能基を有している場合はよいが、無機顔料のように有機官能基を有していない場合には、顔料の表面に有機官能基を導入する必要がある。顔料の表面に有機官能基を導入する方法としては、カップリング剤を用いる方法やシリコン処理等による方法等が挙げられる。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤チタネート系カップリング剤アルミニウム系カップリング剤ジルコアルミネート系カップリング剤等が挙げられる。シリコン処理に用いるものとしては、アミノ変性シリコンや、カルボキシ変性シリコン等が挙げられる。たとえば、3−アミノプロピルトリエトキシシランを反応させれば、顔料表面にアミノ基を導入することができる。このアミノ基に無水グルタル酸無水コハク酸を反応させることによりカルボキシル基に変換することも可能である。また、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを反応させれば、SH基を導入することができる。

0057

これら有機官能基と抗体は、公知の方法により結合させることができる。官能基がアミノ基である場合はグルタルアルデヒドにより、カルボキシル基である場合には水溶性カルボジイミドである1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドにより結合できる。また、SH基の場合にはN−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネートのような架橋試薬が利用できる。

0058

本発明において、不溶性高分子担体または水溶性高分子担体に顔料、色素を保持させる方法としては、物理的方法と化学的方法が挙げられる。物理的方法としては、顔料、色素を不溶性高分子担体に吸着させる吸着法、不溶性高分子担体作製時に顔料、色素を添加する内添法、不溶性高分子担体内に顔料、色素を包み込む内包法、不溶性高分子担体内で色素前駆体重合させる重合法等がある。官能基を有する不溶性高分子担体あるいは水溶性高分子担体を用いる場合、化学的結合により固定化することができる。官能基としてはアミノ基、カルボキシル基、アルデヒド基水酸基チオール基等が利用される。多糖はそのまま用いてもよいが、必要に応じて化学修飾を施してもよい。たとえば、多糖をメタ過ヨウ素酸等で酸化すればアルデヒド基を生成させることができる。このアルデヒド基にジアミン類を反応させればアミノ基を、ε−アミノカプロン酸等を反応させればカルボキシル基を導入させることも可能である。また、多糖に塩化シアヌルシアン化臭素等の活性化試薬を反応させ多糖に反応性をもたせることも可能である。

0059

本発明において、不溶性高分子担体または水溶性高分子担体に抗体を固定化させる方法としては、物理的吸着または化学的結合が挙げられる。化学的結合に用いられる抗体の官能基としてはアミノ基、カルボキシル基、チオール基、糖鎖部分などがあり、色素と担体の結合の場合と同様にして固定化することができる。たとえば糖鎖部分を結合に用いる場合は糖鎖部分をメタ過ヨウ素酸等で酸化してアルデヒド基を生成させ、担体のアミノ基との間でシッフ塩基形成により固定化することができる。チオール基を用いる場合はSPDP試薬等を用いて固定化することができる。

0060

以上のようにして得られた、抗体が固定化された顔料または色素は、水溶液等の様に適当な溶媒を用いた溶液または分散液として、あるいは凍結乾燥噴霧乾燥等の操作により得た乾燥品として供される。

0061

また酵素結合抗体は、以下に示す方法によって作製することができる。これら酵素と抗体は、公知の方法により結合させることができる。官能基がアミノ基である場合はグルタルアルデヒドにより、カルボキシル基である場合には水溶性カルボジイミドである1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドにより結合できる。さらに、SH基の場合にはN−スクシニミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネートのような架橋試薬が利用できる。この酵素結合抗体を染毛剤として用いる場合には、毛髪に抗体を結合させた後、発色薬剤を用いることにより酵素の作用で毛髪を染色することができる。

0062

以上のようにして得られた修飾抗体は、着色に十分な量の顔料または色素を担っており、毛髪に特異的に反応結合し、着色することができるほか、はり、すべり、まとまり、風合い、しっとり感、なめらかさ、しなやかさ等の毛髪の感触を向上させることもできる。特に、不溶性高分子担体として合成高分子ポリマーを用いた場合には、毛髪にこしと弾力感を、不溶性タンパク質を用いた場合には、しなやかさを、不溶性多糖を用いた場合には、しっとり感を、リポソームを用いた場合にはつやを、水溶性高分子担体を用いた場合には、しっとり感を付与することができる。また、顔料に直接抗体を固定化した染毛剤は、従来の色素(直接)結合抗体に比べて、毛髪タンパク質に対する結合力が強固である。

0063

本発明の毛髪化粧料中における染毛剤の含有量は、化粧料の種類等により適宜定めれば良いが、一般に化粧料総量を100として0.01〜80重量%程度である。

0064

本発明では、色素,顔料や酵素等で修飾した抗毛髪タンパク質抗体と本発明の毛髪前処理剤あるいは該毛髪前処理剤を含有する毛髪前処理化粧料を組み合わせることによって、従来にない高い染毛度を有する染毛方法を提供することができる。

0065

また、本発明の毛髪前処理剤あるいは該毛髪前処理剤を含有する毛髪前処理化粧料を使用することによって、抗毛髪タンパク質抗体を含有する染毛料の毛髪に対する結合力が増大し、さらには官能面でも改善が著しく改善するといった優れた効果を得ることができる。

0066

毛髪に施与されたケラチン等に染毛料を有する抗毛髪ケラチン抗体が特異的に結合することによって、高い染毛効果を得ることができる。

0067

以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。

0068

実施例1(可溶性ケラチンの調製)
羊毛(雑種) 20g を3%β−メルカプトエタノールと1mMEDTAを含む8M尿素水溶液(600ml)に浸漬し、10%水酸化カリウムでpHを10.5にした。ついで脱気操作を行なったのちに密閉した。室温で3時間攪拌し還元を行なった後、6N HClでpHを中性に戻し、12,000r.p.m.、4℃で30分間遠心分離を行ない740mlの上清を得た。この溶液に脂肪酸アルカリ金属塩であるヤシカリ液 (ヤシカリ液、カネボウ石鹸製、30%品、中和度100%) を最終濃度2重量%になるように加え、完全に均一にした後、還元剤を除去するために透析膜を用い、10リットルイオン交換水に対して各3時間、3回透析操作を行なった。その結果、不溶物のない透明なケラチン溶液を得ることができた。羊毛20g から可溶化ケラチンタンパクの回収率は76.5重量%であった。タンパク濃度は30.0 mg/mlであった。また、分子量を測定したところ、還元剤非存在下処理で40,000〜70,000であった。なお、分子量の測定はソジウムドデシルサルフェートポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS−PAGE)により行った。また、以下分子量の測定は本装置によった。

0069

実施例2(抗カルボキシメチル化ケラチン抗体の調製)
1)抗原(カルボキシメチル化ケラチン)の調製
男性健常毛髪5g と女性の健常毛髪5g とを混合し、2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(3E.O.)水溶液にて洗浄した。洗浄した健常毛髪を2500mlの、8M尿素および0.2M β−メルカプトエタノールを含有する0.2Mトリス塩酸緩衝液(pH9.2)中で50℃窒素バブリング下にて1時間撹拌し、テフロンホモジナイザーを用いてすりつぶした。上記の抽出操作を繰り返し、得られた抽出液を1,000×Gで30分間遠心することで不溶物を除き、毛髪ケラチン抗原抽出液を得た。これに200g のモノヨード酢酸(予め400g のトリスを溶かした溶液760mlに溶かす)溶液を加え、室温遮光下で1時間撹拌反応させた。7mlのβ−メルカプトエタノールを加えて反応を止め、充分量の水に対して透析し、5μmのフィルターを通し、不溶物を除去し毛髪ケラチン抗原水溶液を得た(6リットル)。さらに、この液4容量部に0.5M酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.2)1容量部を添加し(pH4.2になる様に酢酸で調製)、毛髪ケラチンを等電点沈澱させた。10,000×Gで10分間遠心し、上清部を除き、沈澱物を集めた。その沈澱物を生理食塩水にて溶解させ、0.2μmのフィルターを通して除菌し、さらに限外濾過膜にて濃縮してカルボキシメチル化ケラチンを得た(タンパク質として2.6g )。

0070

2)牛の免疫化
上記で調製したカルボキシメチル化ケラチン抗原溶液タンパク質濃度を生理食塩水にて20mg/ml に調整し、その溶液とフロインド完全アジュバントを1:1の容量割合で混合して油中水型エマルジョンを作製した。出産2か月前の妊娠ホルスタイン牛2頭の首に1頭当たり5.0mlの前記エマルジョンを皮下投与した。その後10日間隔で、フロインドの不完全アジュバントで作製した初回免疫同量の抗原を含んだエマルジョンを、皮下あるいは筋注にて投与し免疫化した(1〜3回目:皮下投与、4〜5回目;筋注)。

0071

3)抗体の採取と精製
上記抗原を免疫した牛の初乳を出産直後より3日間補集した。クリームセパレーターを用いて、初乳より脂肪層を除き、脱脂乳を得た。このようにして得られた脱脂乳から、以下のような方法にて抗体の分画精製を行なった。すなわち、脱脂乳に0.1N塩酸を添加してpH4.5に調整し、カゼインを沈澱させた。沈澱物を濾布にて荒く除いた後、2,500×Gの連続遠心操作にて上清を得た。得られた上清を中和した後、33%飽和になるように硫酸アンモニウム(硫安)を加え、抗体を塩析させた。2,500×Gの連続遠心操作にて沈澱部を集め、生理リン酸緩衝液(以下PBSと略記)に溶解した。この硫安塩析操作を繰り返した。得られた溶液を10mMリン酸緩衝液(pH7.5)に対して透析し、同緩衝液にて平衡化した2リットルのジエチルアミノセルロースカラムDEAE−セルロースカラム、DE−52、ワットマン製)に5回に分けてアプライした。同緩衝液にて、未吸着のタンパクを洗い流した後、50mM塩化ナトリウム含有の同緩衝液にて抗体を溶出させ、この画分を集めた(抗体として200g )。この画分の抗体純度は90重量%以上であった。この画分を、精製毛髪ケラチンを常法にて結合させた400mlのアフィニティ担体(アフィゲル15、バイオラッド社)に5回に分けて供した。アフィニティ担体に結合した抗毛髪ケラチン抗体を、0.2Mグリシン塩酸緩衝液(pH2.5)にて溶出させ、直ちに3Mトリス溶液にてpHを8付近に調整し、毛髪ケラチン抗原に対して特異的に結合する抗毛髪ケラチン抗体(アフィニティ精製)を得た。以下、単に抗ケラチン抗体と記載する。

0072

4)対照抗体の調製
免疫化しない牛の初乳からも本手法と同様に抗体を精製し、これを対照抗体とした。なお、比較例に使用した対照抗体は、DEAE−セルロースカラムで精製した、純度90重量%以上のものであった。

0073

実施例3(チタンブラックへの抗カルボキシメチル化ケラチン抗体の固定化)
1)チタンブラックの表面処理
チタンブラック10S(粒径0.025μm、三菱金属社製)1g を蒸留水10mlに超音波で分散させた。この分散液に1%の3−アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液75μlを加え、室温で2時間撹拌した。40℃に加温しながらエバポレーター減圧脱水した後、110℃で10分間乾燥させることで、チタンブラック表面にアミノ基を導入した。

0074

2)シラン処理チタンブラックとグルタルアルデヒドとの反応
シラン処理にてアミノ基を導入したチタンブラック80mgを蒸留水4mlに超音波で分散させた。この分散液に0.25%グルタルアルデヒド水溶液4mlを加え、室温で2時間撹拌した。20℃、10,000r.p.m.、20分間遠心し、蒸留水8mlに再分散させた。この洗浄操作を5回繰り返した。

0075

3)チタンブラックと抗ケラチン抗体の結合
グルタルアルデヒド処理したチタンブラック1%分散液0.5mlに、PBSで10mg/ml に調整した抗ケラチン抗体溶液0.5mlを加え、4℃で一晩撹拌した。20℃、12,000r.p.m.、20分間遠心し、0.1%ウシ血清アルブミン(以下BSAと略記する)含有PBS0.5mlに再分散させた。もう一度20℃、12,000r.p.m.、20分間遠心し、0.1%BSA含有PBS 0.5mlに再分散させたのち、室温で1時間放置した。つぎに0.005M水素化ホウ素ナトリウム水溶液を10μl加え、室温で1時間放置した。20℃、12,000r.p.m.、20分間遠心し、0.1%Tween20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、20E.O.)および0.1%BSAを含有するPBS0.5mlに再分散させた。得られた染毛剤には、チタンブラック1g あたり144mgの抗体が固定化されていた。

0076

比較例1
実施例3において、抗ケラチン抗体の代わりに実施例2−4)の対照抗体を固定化したチタンブラックを製造し、これを比較例1とした。得られた染毛剤には、チタンブラック1g あたり243mgの抗体が固定化されていた。

0077

実施例4(可溶化ケラチンによる毛髪処理
実施例1にて調製した可溶化ケラチンをPBSによりタンパク濃度10mg/mlに調整した。この可溶化ケラチン溶液に約4cmのヒト白髪毛束を浸積させた。5分後、白髪毛束を取り出し、乾燥させた。この操作により、可溶化ケラチンが表面ないしは、毛髪内部に固定化したヒト白髪毛束を作製することができた。

0078

試験例1(染毛試験)
実施例3および比較例1の染毛剤を0.1%Tween20および0.1%BSAを含有するPBSで希釈し、顔料およびラテックスの濃度が0.1%になるように調整した。各染毛剤1mlに実施例4で作製したヒト白髪の毛束または可溶化ケラチン処理をしていない未処理のヒト白髪の毛束を浸漬し、室温下1時間回転させた。ついで、この毛束を0.02%Tween20含有生理食塩水中で振り洗いして風乾し、目視により染毛度を評価した。なお、○は「染まっている。」、×は「染まっていない。」を表す。また、○の数が多いほどよく染毛されていることを示しておりその最高数は5である。結果を表1に示す。以下、染毛試験の評価は、本法による。

0079

0080

表1からわかる通り、何も処理していないヒト白髪は、抗ケラチン抗体を用いた実施例3の染毛剤にて染毛されたが、可溶化ケラチンで処理した実施例4の毛髪はそれ以上に染毛され、可溶化ケラチンで前処理することにより飛躍的に染毛度が向上した。一方、対照抗体を用いた比較例1では、未処理、可溶化ケラチン処理にかかわらず、ほとんど染毛されなかった。

0081

実施例5(シャンプー)
実施例1の可溶化ケラチンを表2に示した組成でシャンプーに配合し、常法に従い製造した。

0082

0083

実施例6(リンス)
実施例3の染毛剤を表3に示す組成で配合し、着色効果のあるリンスを常法に従い製造した。

0084

0085

実施例6のリンスを1ケ月間連用した。そして白髪の染まり具合、顔や手の染まり具合、シャンプーによる色落ち、頭皮かゆみやかぶれの有無、官能を評価した。その結果、実施例6のリンスは白髪の染まりが良く、顔や手の染まりも見られなかった。また、シャンプーによる色落ちも見られず、頭皮のかゆみやかぶれ等もなく、官能の向上も見られた。

0086

試験例2〔前処理による染毛度向上試験(実用テスト)〕
3名の白髪が目立つボランティア協力により、ハーフヘッドにて、片方は実施例5のシャンプー、もう片方には実施例5の可溶化ケラチンを除く以外は実施例5と同組成のシャンプーを使用させ、つぎに実施例6の染毛剤配合のリンスを使用させた。1週間連用の結果、実施例5のシャンプーを使用したほうが白髪の染まりがよく、目立たなくなるのが早かった。

0087

実施例7(可溶性ケラチンの調製)
羊毛(雑種) 20g を3%β−メルカプトエタノールと1mMEDTAを含む8M尿素水溶液(600ml)に浸漬し、10%水酸化カリウムでpHを10.5にした。ついで脱気操作を行なったのちに密閉した。室温で3時間攪拌し還元を行なった後、6N HClでpHを中性に戻し、12,000r.p.m.、4℃で30分間遠心分離を行ない740mlの上清を得た。この溶液にアニオン界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム(SDS、半井社製) を最終濃度1%になるように加え、完全に均一にした後、還元剤を除去するために透析膜を用い、10リットルのイオン交換水に対して各3時間、3回透析操作を行なった。その結果、不溶物のない透明なケラチン溶液を得ることができた。羊毛20g から可溶化ケラチンタンパクの回収率は76.5重量%であった。タンパク濃度は30.0 mg/mlであった。また、分子量を測定したところ、還元剤非存在下処理で40,000〜70,000であった。

0088

実施例8(可溶化ケラチンによる毛髪処理)
実施例7にて調製した可溶化ケラチンをPBSによりタンパク濃度10mg/mlに調整した。この可溶化ケラチン溶液に約4cmのヒト白髪毛束を浸積させた。5分後、白髪毛束を取り出し、乾燥させた。この操作により、可溶化ケラチンが表面ないしは、毛髪内部に固定化したヒト白髪毛束を作製することができた。

0089

試験例3(染毛試験)
実施例3および比較例1の染毛剤を0.1%Tween20および0.1%BSAを含有するPBSで希釈し、顔料およびラテックスの濃度が0.1%になるように調整した。各染毛剤1mlに実施例8で作製したヒト白髪の毛束または可溶化ケラチン処理をしていない未処理のヒト白髪の毛束を浸漬し、室温下1時間回転させた。ついで、この毛束を0.02%Tween20含有生理食塩水中で振り洗いして風乾し、目視により染毛度を評価した。結果を表4に示す。

0090

0091

表4からわかる通り、何も処理していないヒト白髪は、抗ケラチン抗体を用いた実施例3の染毛剤にて染毛されたが、可溶化ケラチンで処理した実施例8の毛髪はそれ以上に染毛され、可溶化ケラチンで前処理することにより飛躍的に染毛度が向上した。一方、対照抗体を用いた比較例1では、未処理、可溶化ケラチン処理にかかわらず、ほとんど染毛されなかった。

0092

実施例9(可溶性ケラチンの調製)
羊毛(雑種) 20g を3%β−メルカプトエタノールと1mMEDTAを含む8M尿素水溶液(600ml)に浸漬し、10%水酸化カリウムでpHを10.5にした。ついで脱気操作を行なったのちに密閉した。室温で3時間攪拌し還元を行なった後、6N HClでpHを中性に戻し、12,000r.p.m.、4℃で30分間遠心分離を行ない740mlの上清を得た。この溶液に両性界面活性剤であるラウリン酸アミドプロピルベタイン(アンレックスLB2、30重量%純度) を最終濃度3%になるように加え、完全に均一にした後、還元剤を除去するために透析膜を用い、10リットルのイオン交換水に対して各3時間、3回透析操作を行なった。その結果、不溶物のない透明なケラチン溶液を得ることができた。羊毛20g から可溶化ケラチンタンパクの回収率は76.5重量%であった。タンパク濃度は30.0 mg/mlであった。また、分子量を測定したところ、還元剤非存在下処理で40,000〜70,000であった。

0093

実施例10(可溶化ケラチンによる毛髪処理)
実施例9にて調製した可溶化ケラチンをPBSによりタンパク濃度10mg/mlに調整した。この可溶化ケラチン溶液に約4cmのヒト白髪毛束を浸積させた。5分後、白髪毛束を取り出し、乾燥させた。この操作により、可溶化ケラチンが表面ないしは、毛髪内部に固定化したヒト白髪毛束を作製することができた。

0094

試験例4(染毛試験)
実施例3および比較例1の染毛剤を0.1%Tween20および0.1%BSAを含有するPBSで希釈し、顔料およびラテックスの濃度が0.1%になるように調整した。各染毛剤1mlに実施例10で作製したヒト白髪の毛束または可溶化ケラチン処理をしていない未処理のヒト白髪の毛束を浸漬し、室温下1時間回転させた。ついで、この毛束を0.02%Tween20含有生理食塩水中で振り洗いして風乾し、目視により染毛度を評価した。結果を表5に示す。

0095

0096

表5からわかる通り、何も処理していないヒト白髪は、抗ケラチン抗体を用いた実施例3の染毛剤にて染毛されたが、可溶化ケラチンで処理した実施例10の毛髪はそれ以上に染毛され、可溶化ケラチンで前処理することにより飛躍的に染毛度が向上した。一方、対照抗体を用いた比較例1では、未処理、可溶化ケラチン処理にかかわらず、ほとんど染毛されなかった。

0097

実施例11(シャンプー)
実施例9の可溶化ケラチンを表6に示した組成でシャンプーに配合し、常法に従い製造した。

0098

0099

試験例5〔前処理による染毛度向上試験(実用テスト)〕
3名の白髪が目立つボランティアに協力により、ハーフヘッドにて、片方は実施例11のシャンプー、もう片方には実施例11の可溶化ケラチンを除く以外は実施例9と同組成のシャンプーを使用させ、つぎに実施例6の染毛剤配合のリンスを使用させた。1週間連用の結果、実施例11のシャンプーを使用したほうが白髪の染まりがよく、目立たなくなるのが早かった。

0100

実施例12(ペルオキシダーゼと抗カルボキシメチル化ケラチン抗体の固定化)
実施例2−3)で得られた抗カルボキシメチル化ケラチン抗体を、0.1M のリン酸緩衝液(PBS、pH 7.0)で20mg/ml になる様に調整し、その溶液2mlにペルオキシダーゼ40mgを加え、完全に溶解させた。つぎに、静かに攪拌しながら1%グルタルアルデヒドを0.1ml滴下し、2時間・室温で反応させた。反応終了後飽和硫安を等量加えて攪拌し、遠心分離により沈殿回収し、得られた沈殿物を4mlの蒸留水に溶かし、PBSに対して透析した。透析終了後、Sephacyl S−200を用いてゲル濾過し、ペルオキシダーゼ結合抗体を回収した。

0101

試験例6(染毛試験)
実施例12で得られたペルオキシダーゼ結合抗体を、1mg/ml になる様にPBSで希釈した。その溶液1mlに実施例10で作製したヒト白髪の毛束を浸漬し、室温下1時間回転させた。ついで、この毛束を0.02%Tween20含有生理食塩水で振り洗いした。さらに、この毛束を、0.05%4−クロロ−1−ナフトールと、0.01%H2 O2 を含有した12mMTris−HCl(pH8.0)緩衝液1mlに浸漬し、室温下5分間放置した。放置後の毛束を水洗した後、乾燥させた。 乾燥後の毛束を目視により染毛度を評価した結果、良好な染毛度を得た。

発明の効果

0102

本発明によれば、毛髪を損傷させず、また皮膚刺激もなく、高い染毛効果を得ることができる。しかも、毛髪を官能面でも改善することができる。

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