図面 (/)
概要
背景
データキャリアシステムは、非接触で移動局10のデータを読み、又書き込むことができることから、スキー場でのリフト券チェック、改札口での定期券検札、入退室管理等幅広い用途で利用されるようになっている。
このデータキャリアシステムは、固定局20と移動局10間で複数回の無線通信を繰り返し、移動局10のデータを読み出したり、移動局10へ固定局20からデータを書き込むものである。
図5と、図6は、データキャリアシステムにおける固定局20と移動局10のブロック図であり、固定局20は、移動局10との送受信端末となるアンテナユニット21と、その後段の制御ユニット22からなっている。
制御ユニット22は、インターフェース210、220、222を介して、アンテナユニット21と、ホストコンピュータ30に接続され、ホストコンピュータ30の制御データとデータキャリアシステムのデータ形式をデータ変換器221で相互に変換するものである。
制御ユニット22を介してホストコンピュータ30から出力された制御データは、図7(イ)の様にパルス幅変調されパルス信号としてアンテナユニット21に入力され、このパルス信号は、更にASK変調回路部211において、500kHzのキャリア周波数でASK(Amplitude Shift Keying)変調されて、同図(ロ)の固定局送信信号として送信アンテナ23より送信される。
図6に示すように移動局10は、受信・復調回路14においてこの固定局送信信号を受信してASK復調し、図7(ハ)の出力信号とする。
この受信・復調回路14の出力信号は、パルス信号であるが、図のようにパルス振幅が充分ではなく、又パルス波形もくずれているため、演算増幅器112によって、図中の電圧Vrefを基準電圧として図7(ニ)の受信パルス信号RxDに増幅波形整形する。
受信パルス信号RxDは、制御部12に入力され判定される。制御部12は、この判定された受信パルス信号RxDの内容に従って、内部メモリーに記憶したデータの読み出し、書き込みなどの処理を行い、その処理結果をパルス幅変調した図7(ホ)の送信パルス信号TxDとして送信部13へ出力する。
送信部13は、この送信パルス信号TxDをFSK(Frequency Shift Keying)変調し、図7(ヘ)に示す300MHzの移動局送信信号として送信アンテナ131から固定局20へ送信する。
固定局20は、アンテナユニット21の受信アンテナ24でこの移動局送信信号を受信し、FSKフロントエンド212において図7(ト)の出力信号にFSK復調する。固定局20側においてもこの出力信号を更に増幅波形整形回路213で増幅波形整形して、同図(チ)のパルス信号とし、このパルス信号を制御ユニット22を介してホストコンピュータへ出力する。従って、移動局10での処理結果は、パルス信号によってホストコンピュータに伝送される。
概要
消費電流を低減させ、しかも固定局との高速通信が可能なデータキャリアシステムにおける移動局を提供する。
受信・復調回路の出力信号を増幅波形整形する演算増幅器を、固定局との通信待機中はLスルーレート動作とし消費電流を低減させ、通信中はHスルーレート動作としてパルスレートの高い出力信号をも増幅波形整形できるようにし、固定局との高速伝送を可能とする。
目的
この発明は、以上の問題点を解決するためになされたもので、演算増幅器112の消費電流を低減させ、しかもパルスレートの高い受信・復調回路14からの出力信号を増幅波形整形することができ、固定局からの高速データ通信が可能なデータキャリアシステムにおける移動局10を提供することを目的とする。
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 0件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
固定局(20)から送信される固定局送信信号を受信し復調する受信・復調回路(14)と、演算増幅器(112)によって受信・復調回路(14)の出力信号を増幅し波形整形して受信パルス信号(RxD)とする波形整形回路(17)とからなる受信部(11)と、受信パルス信号(RxD)を入力し、送信パルス信号(TxD)を出力する制御部(12)と、送信パルス信号(TxD)を移動局送信信号に変調し、移動局送信信号を固定局(20)へ送信する送信部(13)を備えたデータキャリアシステムにおける移動局(10)において、演算増幅器(112)は、制御部(12)から出力される受信制御信号(RxEN)で選択的にHスルーレートとLスルーレートのいずれかで動作する動作選択機能を備え、制御部(12)は、受信パルス信号(RxD)が、少なくともLスルーレート動作の演算増幅器(112)で増幅波形整形することができるパルス幅を備えた固定局(20)からの通信開始を促す呼びかけ信号(ENQ)である場合に、演算増幅器(112)をHスルーレート動作とする受信制御信号(RxEN)を出力し、受信パルス信号(RxD)が、固定局(20)からの通信終了を伝える通信終了信号(EOT)である場合に、演算増幅器(112)をLスルーレート動作とする受信制御信号(RxEN)を出力することを特徴とするデータキャリアシステムの移動局。
請求項2
制御部(12)は、呼びかけ信号(ENQ)を入力してから通信終了信号(EOT)を入力するまでの通信期間中、送信パルス信号(TxD)を出力した後、演算増幅器(112)をHスルーレート動作とする受信制御信号(RxEN)を出力し、受信パルス信号(RxD)を入力した後、演算増幅器(112)をLスルーレート動作とする受信制御信号(RxEN)を出力することを特徴とする請求項1記載のデータキャリアシステムの移動局。
--
0001
この発明は、固定局と移動局の間で非接触でデータを読み書きするデータキャリアシステムにおける移動局に関し、特に電池を内蔵する能動型の移動局に関する。
背景技術
0002
データキャリアシステムは、非接触で移動局10のデータを読み、又書き込むことができることから、スキー場でのリフト券チェック、改札口での定期券検札、入退室管理等幅広い用途で利用されるようになっている。
0004
図5と、図6は、データキャリアシステムにおける固定局20と移動局10のブロック図であり、固定局20は、移動局10との送受信端末となるアンテナユニット21と、その後段の制御ユニット22からなっている。
0005
制御ユニット22は、インターフェース210、220、222を介して、アンテナユニット21と、ホストコンピュータ30に接続され、ホストコンピュータ30の制御データとデータキャリアシステムのデータ形式をデータ変換器221で相互に変換するものである。
0006
制御ユニット22を介してホストコンピュータ30から出力された制御データは、図7(イ)の様にパルス幅変調されパルス信号としてアンテナユニット21に入力され、このパルス信号は、更にASK変調回路部211において、500kHzのキャリア周波数でASK(Amplitude Shift Keying)変調されて、同図(ロ)の固定局送信信号として送信アンテナ23より送信される。
0008
この受信・復調回路14の出力信号は、パルス信号であるが、図のようにパルス振幅が充分ではなく、又パルス波形もくずれているため、演算増幅器112によって、図中の電圧Vrefを基準電圧として図7(ニ)の受信パルス信号RxDに増幅波形整形する。
0009
受信パルス信号RxDは、制御部12に入力され判定される。制御部12は、この判定された受信パルス信号RxDの内容に従って、内部メモリーに記憶したデータの読み出し、書き込みなどの処理を行い、その処理結果をパルス幅変調した図7(ホ)の送信パルス信号TxDとして送信部13へ出力する。
0010
送信部13は、この送信パルス信号TxDをFSK(Frequency Shift Keying)変調し、図7(ヘ)に示す300MHzの移動局送信信号として送信アンテナ131から固定局20へ送信する。
0011
固定局20は、アンテナユニット21の受信アンテナ24でこの移動局送信信号を受信し、FSKフロントエンド212において図7(ト)の出力信号にFSK復調する。固定局20側においてもこの出力信号を更に増幅波形整形回路213で増幅波形整形して、同図(チ)のパルス信号とし、このパルス信号を制御ユニット22を介してホストコンピュータへ出力する。従って、移動局10での処理結果は、パルス信号によってホストコンピュータに伝送される。
発明が解決しようとする課題
0012
このように構成されたデータキャリアシステムにおける移動局10の各回路への電源供給の方式には、移動局10に内蔵された電池から電源を供給する能動型と、固定局20からの固定局送信信号等外部からの電磁誘導による誘導起電力を利用して電源を供給する受動型とがある。
0013
受動型は、移動局10の電池交換の必要がないものの、固定局20と移動局10間の通信距離が数10mmと近接し、実用性に欠ける為、データキャリアシステムの移動局10には、電池を内蔵した能動型が多く採用されている。
0014
しかしながら、長期間の使用が要求される定期券、リフト券などを能動型の移動局10とする場合には、その使用期間以上の電池寿命が要求され、各回路の消費電流をできるだけ低減させる必要があるという課題を有している。
0015
前述の演算増幅器112にあっても、スルーレートを下げて消費電流を低減させることが可能であるが、高速でデータを読み書きする必要がある定期券、リフト券などでは、受信・復調回路14の出力信号のパルスレートが高く、正確に出力信号を増幅波形整形することができなかった。
0016
すなわち図8に示すように、2400Hz程度の周波数の入力信号を演算増幅器112に入力させて、演算増幅器112をHスルーレートで動作させた場合には、ほぼ矩形波の入力信号と同期した出力信号が得られるが、このモードでは、例えば約70μAの電流を消費する。
0018
従って、従来の移動局10の演算増幅器112では、Lスルーレート動作として消費電流を減少させ、電池の寿命を延ばすということができず、移動局10を長期間使用が要求される定期券、リフト券などに利用できないという課題を有していた。
0019
この発明は、以上の問題点を解決するためになされたもので、演算増幅器112の消費電流を低減させ、しかもパルスレートの高い受信・復調回路14からの出力信号を増幅波形整形することができ、固定局からの高速データ通信が可能なデータキャリアシステムにおける移動局10を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0020
以上の問題点を解決するため、請求項1の発明は、固定局から送信される固定局送信信号を受信し復調する受信・復調回路と、演算増幅器によって受信・復調回路の出力信号を増幅し波形整形して受信パルス信号とする波形整形回路とからなる受信部と、受信パルス信号を入力し、送信パルス信号を出力する制御部と、送信パルス信号を移動局送信信号に変調し、移動局送信信号を固定局へ送信する送信部を備えたデータキャリアシステムにおける移動局において、演算増幅器は、制御部から出力される受信制御信号で選択的にHスルーレートとLスルーレートのいずれかで動作する動作選択機能を備え、制御部は、受信パルス信号が、少なくともLスルーレート動作の演算増幅器で増幅波形整形することができるパルス幅を備えた固定局からの通信開始を促す呼びかけ信号である場合に、演算増幅器をHスルーレート動作とする受信制御信号を出力し、受信パルス信号が、固定局からの通信終了を伝える通信終了信号である場合に、演算増幅器をLスルーレート動作とする受信制御信号を出力することを特徴とする。
0021
更に請求項2の発明は、制御部が、呼びかけ信号を入力してから通信終了信号を入力するまでの通信期間中、送信パルス信号を出力した後、演算増幅器をHスルーレート動作とする受信制御信号を出力し、受信パルス信号を入力した後、演算増幅器をLスルーレート動作とする受信制御信号を出力することを特徴とする。
0022
請求項1の発明では、制御部12が通信開始を促す呼びかけ信号ENQを入力すると、演算増幅器112をHスルーレート動作とする受信制御信号RxENを出力し、通信終了を伝える通信終了信号EOTを入力すると、演算増幅器112をLスルーレート動作とする受信制御信号RxENを出力する。
0023
従って、固定局20との通信期間外の待機状態では、演算増幅器112が消費電流の低いLスルーレート動作となる。少なくともLスルーレート動作の演算増幅器112で波形整形することができるパルス幅を備えた呼びかけ信号ENQは、待機状態の演算増幅器112であっても増幅波形整形することができ、制御部12で呼びかけ信号ENQを検出することができる。固定局20との通信期間中、演算増幅器112は、Hスルーレートで動作しているので、パルス幅の短い受信・復調回路14の出力信号も増幅波形整形することができる。
0024
請求項2の発明では、制御部12は、呼びかけ信号ENQを入力してから通信終了信号EOTを入力するまでの通信期間中、送信パルス信号TxDを出力した後、演算増幅器112をHスルーレート動作とする受信制御信号RxENを出力し、受信パルス信号RxDを入力した後、演算増幅器112をLスルーレート動作とする受信制御信号RxENを出力する。従って、演算増幅器112は、固定局20との通信期間中においても、移動局が受信パルス信号RxDを入力して、送信パルス信号TxDを出力するまでの処理期間中は、Lスルーレート動作であり、更に消費電流が低減する。
0025
以下この発明によるデータキャリアシステムにおける移動局10の好適な実施例について説明する。なお、この実施例において、従来例で説明した構成と同一の固定局20と移動局10の構成は、同一の番号を付してその説明を省略する。
0026
図1は、このデータキャリアシステムにおける移動局10の回路図であり、移動局10は、受信部11と制御部12と送信部13を備えている。
0027
受信部11は、固定局20から送信される固定局送信信号を受信し復調する受信・復調回路14と、演算増幅器112によって受信・復調回路14の出力信号を増幅し波形整形して受信パルス信号RxDとする波形整形回路17とからなっている。
0028
固定局送信信号は500kHzのASK変調された信号であり、受信・復調回路部の受信アンテナ141より、移動局10に入力される。受信アンテナ141には、ダイオード検波回路で構成された包絡線検波回路142が接続され、受信した固定局送信信号からその包絡線を出力し、図7(ハ)の出力信号に復調する。
0029
この受信・復調回路14の出力信号は、包絡線検波回路142の出力に接続された演算増幅器112によって、図7(ニ)のような受信パルス信号RxDに増幅波形整形される。演算増幅器112は、動作選択端子の入力レベルによって、2種類のスルーレートで動作する動作選択機能を備えている。すなわち、動作選択端子の入力レベルがLレベルであるとき、演算増幅器112は、Hスルーレートで動作し、入力がHレベルであるとき、Lスルーレートで動作する。
0031
制御部12は、4ビットのシングルチップマイクロコントローラであり、その回路起動端子とデータ入力端子で受信パルス信号RxDを入力する。
0032
固定局20と通信を行わない待機状態において、制御部12は、回路の動作を停止させ、内部状態を低消費電流で保持している回路停止モードとなっていて、回路起動端子で受信パルス信号RxDが入力すると、停止していた回路が起動し、制御部12が動作を開始するようになっている。
0033
データ入力端子から入力された受信パルス信号RxDは、内部で判定され、この判定内容に従って、制御部12は、内部メモリーに記憶されたデータを読み出し若しくは内部メモリーにデータを書き込むなど所定の処理を実行し、処理結果を、パルス幅変調された送信パルス信号TxDとしてデータ出力端子より送信部13へ出力する。
0037
受信制御端子は、演算増幅器112の動作選択端子と接続し、演算増幅器112のスルーレートを決定するLレベルとHレベルの受信制御信号RxENを出力する。
0038
送信制御端子は、送信部13の電源制御トランジスタ16のベースに電源制御信号TxENを出力し、送信部13から移動局送信信号を送信する期間のみ送信部13に電源を供給するようにしたものである。
0040
FSK変調発振部132は、制御部から出力される送信パルス信号TxDにより、FSK変調発振部132の可変容量ダイオード133の容量値を変化させ、変調周波数を変えて送信パルス信号TxDをFSK変調するものである。FSK変調された送信パルス信号TxDは、移動局送信信号として、送信アンテナ131より固定局20に送信される。
0041
固定局20は、このように構成された移動局10に対し、呼びかけ信号ENQ、コマンド信号、通信終了信号EOTなどの命令信号を送信し、移動局10は、これに対しステータス信号、アンサー信号、などの応答信号を返すことによって、移動局10に記憶されたデータを読み出し、若しくは、移動局10のメモリーへデータを書き込む。
0042
すなわち、図4に示すように固定局20は、随時、移動局10を呼び出す呼びかけ信号ENQを送信し、移動局10がこの呼びかけ信号ENQの受信エリアに入ると、移動局10は、ステータス信号を固定局20へ発信することにより、移動局10の存在を固定局20へ伝える。
0043
その後、固定局20と移動局10間で、複数回の無線通信が相互に繰り返され、移動局10のデータ読み書きが行われる。
0044
一連の処理が完了すると、固定局20から通信終了信号EOTが送信され、通信が終了する。
0046
固定局20との通信前の待機状態で、制御部12は、回路を停止させ、内部状態を低消費電流で保持している回路停止モードとなっている。
0047
この状態で、受信制御端子のRxEN信号と送信制御端子のTxEN信号は、図3に示すようにHレベルとなっている。従って、演算増幅器112の動作選択端子は、Hレベルで、演算増幅器112は、Lスルーレートで動作するとともに、送信部13の電源制御トランジスタ16はOFFであり、送信部13に電源は供給されない。
0048
一方、固定局20から常時発信される呼びかけ信号ENQは、数10msecのパルス幅を有するパルス信号をASK変調した500kHzの信号波である。
0049
移動局10がこの呼びかけ信号ENQの受信エリアに入ると、移動局10の受信アンテナ141はこの呼び出し信号ENQを受信し、受信・復調回路14でASK復調する。
0050
受信・復調回路14の出力信号は、Lスルーレートの演算増幅器112で増幅波形整形されるが、Lスルーレートでも十分増幅波形整形することができる数10msecのパルス幅を有しているので、支障なく増幅波形整形することができる。
0051
演算増幅器112の出力は、PNPトランジスタを介して、受信パルス信号RxDとして制御部12の回路起動端子と、データ入力端子に入力される。
0052
回路起動端子に受信パルス信号RxDが入力されると、制御部12内の停止していた回路が起動し、制御部12全体が動作を開始するようになる。
0053
一方、呼びかけ信号ENQのパルス信号をデータ入力端子より入力すると、制御部12は、図3に示すように、TxEN信号をLレベルとして電源制御トランジスタ16をONとし、送信部13に電源を供給した後、電圧検出端子からの入力データをもとに形成した応答信号をデータ出力端子より出力する。
0054
呼びかけ信号ENQに対するこの応答信号は、図2のように5msecのヘッダーパルスとステータスデータをパルス幅変調したステータス信号である。ステータスデータは、電圧検出器15で検出した電池の電圧情報を表すもので、固定局20に移動局10の電源電圧が正常であるが、低下しているかを伝える。
0055
同図のように、送信部13は、TxEN信号がLレベルとなり電源の供給を受けてから、しばらくの間発振が不安定であることから、ステータス信号は、発振が安定した後に制御部12より出力される。固定局20では、ヘッダーパルスによりステータス信号を認識し、不安定な発振によるノイズの影響を受けずに、ステータス信号に続いて送信されるステータスデータを復調することができる。
0056
図3に示すように制御部12は、ステータス信号を出力した後、RxEN信号をLレベルとし、演算増幅器112をHスルーレート動作とする。
0057
本実施例では、ステータス信号を出力した後、RxEN信号をLレベルとしているが、呼びかけ信号ENQのパルス信号を全てデータ入力端子で入力した段階でRxEN信号をLレベルとしてもよい。
0058
移動局10からの最初の送信パルス信号TxDであるステータス信号が送信部13に出力されると、送信部13は、前述のようにこの送信パルス信号TxDをFSK変調し、送信アンテナ131より300MHzの移動局送信信号として送信する。
0059
固定局20は、ステータス信号を検出すると、ステータス信号のステータスデータが移動局10の電源電圧低下を示している場合には、ホストコンピュータでその旨を表示処理するとともに、通信終了信号EOTをASK変調して送信し、移動局10との通信を終了する。
0060
又、ステータス信号のステータスデータが移動局10の電源電圧が正常であることを示している場合には、コマンド信号をASK変調して送信する。
0061
コマンド信号の受信パルス信号RxDを全て、データ入力端子で入力すると、制御部12は、RxEN信号をHレベルとするとともに、受信パルス信号RxDを判定し、その内容に対応する応答信号であるアンサー信号をデータ出力端子より送信部13へ出力する。
0062
データ出力端子からアンサー信号を全て出力すると、制御部12は、RxEN信号を再びLレベルとして、演算増幅器112をHスルーレート動作とする。
0063
すなわち、制御部12が受信パルス信号RxDを入力し、送信パルス信号TxDを出力するまでの期間は、制御部12でのデータ処理期間、及び送信パルス信号TxDの送信期間であり、固定局送信信号を受信することがないので、この期間の演算増幅器112をLスルーレート動作として、消費電流を更に低減させるものである。
0064
一方、コマンド信号は、上述のように移動局10で復調され、演算増幅器112で増幅波形整形されて受信パルス信号RxDとなるが、演算増幅器112は、Hスルーレートで動作しているため、高速で伝送されパルス幅の短いコマンド信号であっても正確に増幅波形整形することができる。
0065
一連の移動局10に対する制御が終了すると、固定局20は、移動局10との通信終了を伝える通信終了信号EOTを送信する。
0066
移動局10が通信終了信号EOTを変調した固定局送信信号を受信すると、演算増幅器112は、Hスルーレート動作でこの固定局送信信号の復調出力信号を増幅波形整形し、通信終了信号EOTとする。
0067
制御部12は、通信終了信号EOTが入力されると、RxEN信号とTxEN信号をともにHレベルとする。
0068
RxEN信号がHレベルとなると、演算増幅器112はLスルーレート動作となり、TxEN信号がHレベルとなると、電源制御トランジスタ16はOFFとなり、送信部13への電源供給が停止される。
0070
このように、本実施例に係る移動局10では、固定局20と通信しない待機状態において、受信部11、制御部12、送信部13の全てが低消費電流となり、消費電流を大幅に減少させることができる。
0071
例えば、固定局20との通信時間中である動作モードでは、数10mAの電流を消費するが、待機モードで、消費電流の合計は10μA以下に減少する。従って、190mAhの容量のリチウム電池で、少なくとも1年間移動局10を動作させることができる。
0072
本実施例においては、HスルーレートとLスルーレートの2種類の動作を備えた演算増幅器112を用いているが、これに限らず3種類以上のスルーレート動作を備えた演算増幅器112を用い、そのうちの異なる二つの動作を選択的に使用するようにしてもよい。
0073
本実施例では、呼びかけ信号ENQに対する移動局10からの最初の送信パルス信号TxDに電池の電圧情報を表すステータスデータを含めているので、移動局10の電源電圧が低下している場合に、更に通信により電池を消耗することなく、その状態を固定局20に伝えることができる。
発明の効果
0074
以上のように本発明によれば、固定局20との通信期間外の待機状態では、演算増幅器112が消費電流の低いLスルーレート動作となり、移動局10の消費電流を低減させて、電池の寿命を延ばすことができる。
0075
一方、少なくともLスルーレート動作の演算増幅器112で増幅波形整形することができるパルス幅を備えた呼びかけ信号ENQを受信すると、演算増幅器112は、Hスルーレート動作となるので、通信期間中は、パルス幅の短い受信・復調回路14からの出力信号であっても増幅波形整形することができ、受信・復調回路14の出力信号のパルスレートを上げることにより、固定局20と移動局10間の高速通信が可能となる。
0076
従って、移動局10の演算増幅器112の消費電流を低減して電池の寿命を延ばし、長期間使用が要求される定期券、リフト券などに能動型の移動局10を利用することができる。
0077
請求項2の発明によれば、移動局10の演算増幅器112は、固定局20との通信期間中であっても、移動局10が受信パルス信号RxDを入力して送信パルス信号TxDを出力するまでの処理期間中は、Lスルーレート動作であり、更に消費電流が低減する。
0078
図面の簡単な説明
0079
図1本発明の実施例に係る移動局の回路図である。
図2移動局からのステータス信号の送信と固定局での復調を示すタイムチャートである。
図3受信パルス信号RxDと送信パルス信号TxDによる受信制御信号RxENと送信制御信号TxENの変化を示すタイムチャートである。
図4固定局と移動局間の通信の説明図である。
図5固定局のブロック図である。
図6移動局のブロック図である。
図7固定局と移動局内の波形図である。
図8演算増幅器の波形図である。
--
0080
10移動局
11 受信部
12 制御部
13 送信部
14 受信・復調回路
17波形整形回路
20固定局
112演算増幅器
RxD受信パルス信号
TxD送信パルス信号
ENQ呼びかけ信号
EOT通信終了信号
RxEN受信制御信号
TxEN 送信制御信号