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図面 (12)

目的

流し込み材用の不定形耐火物成形、乾燥した耐火物試験片実炉に近い条件下で溶融スラグ浸透スポーリング試験を行う。

構成

スラグ浸透スポーリング試験装置1を構成するアーク電気炉2内に耐火物試験片5を載置し、スラグ留め用6内で電極23による加熱によってスラグを溶解してスラグ浸透試験を行う際に、側壁12に取り付けたナット部材11にねじ込んだスクリューロッド14をハンドル15を回転して水冷ボックス7、ダミーれんが22を介して耐火物試験片5を拘束することにより、実炉内張り状態に近い条件でスラグ浸透試験を実現する。

概要

背景

不定形耐火物材料のうち酸性材であるジルコン質は、その主な損耗形態が化学反応による溶損であることから、改良には限界があると思われる。また、中性材であるアルミナスピネル質は、スラグ浸透に伴う構造スポーリングの発生が問題となっており、この問題解決にも様々な検討がなされている。塩基性材であるマグネシア質については、耐溶損性は問題が少ないものの、その熱膨張性などからくるスポーリングの問題が解決されていないのが現状である。

このような問題が解決されない原因のひとつとして、実使用上発生する構造スポーリングを再現できる評価・試験方法がなかったことがあげられる。従来の耐火物評価・試験方法としては、
(1)スラグ回転浸食
(2)高周波溶解炉内張り
(3)アコースティックエミッションAE計測法{窯業協会誌87(5) 259〜296 (1979)など}
(4)耐剥離性評価法{日本鉄鋼協会誌 材料とプロセスVo1.1(1992)、250 }
などがあげられる。

(1)スラグ回転浸食法では、回転炉試料を内張りし、ガスバーナなどで昇温し、スラグなどの侵蝕粉末を数回加えて2〜3時間加熱する。冷却後、試料の中央を切断し残存厚さや浸潤深さを測定する。
(2)高周波溶解炉内張り法では、高周波炉メタルとスラグの界面に供試体を内張りし、高周波加熱により昇温し、冷却後供試体の残厚さや浸食深さを測定する。

(3)AE計測法は、試料(寸法 230×114 ×65mm)の1/3を所定温度に片面加熱し、この試料を炉中から取出して加熱部50mmを流水中に漬け急冷する。一定時間後、所定温度に保たれた加熱炉中に再び装入して急加熱する。一般に、15分加熱、3分間水冷、12分間空冷を1サイクルとして、これを繰り返しAEセンサを用いて剥落が生ずるまでの回数抵抗性を測定する。

(4)耐剥離性評価法は、試験炉プレキャストブロックを2個配置し、上部溶射バーナにより温度を制御しスラグを吹き付けて浸透させる。試験後、サンプルを切断し亀裂の発生形態を評価する。

概要

流し込み材用の不定形耐火物成形、乾燥した耐火物試験片実炉に近い条件下で溶融スラグの浸透スポーリング試験を行う。

スラグ浸透スポーリング試験装置1を構成するアーク電気炉2内に耐火物試験片5を載置し、スラグ留め用6内で電極23による加熱によってスラグを溶解してスラグ浸透試験を行う際に、側壁12に取り付けたナット部材11にねじ込んだスクリューロッド14をハンドル15を回転して水冷ボックス7、ダミーれんが22を介して耐火物試験片5を拘束することにより、実炉内張り状態に近い条件でスラグ浸透試験を実現する。

目的

以上の問題点により、これまでの耐火物開発においては、その開発段階で十分に実使用を反映するような評価・試験方法がなかった。本発明では、不焼成品であるため流し込みを行う不定形耐火物の材料開発にあたり、焼結の影響、スラグ浸透深さ、およびスラグ浸透量がおよぼす亀裂発生について、実炉使用を再現できる評価・試験を行うことができる拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
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請求項1

不定形耐火物成形、乾燥した耐火物試験片加熱炉の底部にセットし、該耐火物試験片の上面でスラグ溶融させ、加熱炉内で耐火物試験片を上方からの片面加熱により温度の上昇、降下を繰り返すようにしたスラグ浸透スポーリング試験装置において、前記加熱炉の底部にセットした耐火物試験片の側面を一軸方向に拘束する押圧装置を配置し、この押圧装置を用いて前記耐火物試験片を実炉内張り状態に近い条件でスラグ浸透スポーリング試験するように構成したことを特徴とする拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置。

請求項2

押圧装置により耐火物試験片の側面を一軸方向に拘束するときの発生応力を測定する応力測定装置と、耐火物試験片の温度を測定する温度測定装置と、耐火物試験片の拘束側面および非拘束な自由側面の形状変化を測定する形状変化測定装置とを具備したことを特徴とする請求項1記載の拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置。

請求項3

耐火物試験片のリアルタイムでの亀裂発生を検出するアコースティックエミッション計測装置を具備したことを特徴とする請求項2記載の拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置。

技術分野

0001

本発明は、不定形耐火物、特に流し込施工用不定形耐火物の開発にあたって、評価、解析に用いる拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験のための装置に関するものである。

背景技術

0002

不定形耐火物材料のうち酸性材であるジルコン質は、その主な損耗形態が化学反応による溶損であることから、改良には限界があると思われる。また、中性材であるアルミナスピネル質は、スラグ浸透に伴う構造スポーリングの発生が問題となっており、この問題解決にも様々な検討がなされている。塩基性材であるマグネシア質については、耐溶損性は問題が少ないものの、その熱膨張性などからくるスポーリングの問題が解決されていないのが現状である。

0003

このような問題が解決されない原因のひとつとして、実使用上発生する構造スポーリングを再現できる評価・試験方法がなかったことがあげられる。従来の耐火物評価・試験方法としては、
(1)スラグ回転浸食
(2)高周波溶解炉内張り
(3)アコースティックエミッションAE計測法{窯業協会誌87(5) 259〜296 (1979)など}
(4)耐剥離性評価法{日本鉄鋼協会誌 材料とプロセスVo1.1(1992)、250 }
などがあげられる。

0004

(1)スラグ回転浸食法では、回転炉試料を内張りし、ガスバーナなどで昇温し、スラグなどの侵蝕粉末を数回加えて2〜3時間加熱する。冷却後、試料の中央を切断し残存厚さや浸潤深さを測定する。
(2)高周波溶解炉内張り法では、高周波炉メタルとスラグの界面に供試体を内張りし、高周波加熱により昇温し、冷却後供試体の残厚さや浸食深さを測定する。

0005

(3)AE計測法は、試料(寸法 230×114 ×65mm)の1/3を所定温度に片面加熱し、この試料を炉中から取出して加熱部50mmを流水中に漬け急冷する。一定時間後、所定温度に保たれた加熱炉中に再び装入して急加熱する。一般に、15分加熱、3分間水冷、12分間空冷を1サイクルとして、これを繰り返しAEセンサを用いて剥落が生ずるまでの回数抵抗性を測定する。

0006

(4)耐剥離性評価法は、試験炉プレキャストブロックを2個配置し、上部溶射バーナにより温度を制御しスラグを吹き付けて浸透させる。試験後、サンプルを切断し亀裂の発生形態を評価する。

発明が解決しようとする課題

0007

前記(1)、(2)についは、スポーリング現象を評価するのに必要な大きさの試料が得られないこと、試料内に適度な温度勾配をつけられないことなどの問題があった。(3)についてはスラグ浸透の影響を評価することができないなどの問題があった。(4)はスラグ浸透後の保持時間が短いためか、スラグ浸透深さ、亀裂発生深さが実炉結果と一致しないという問題があった。

0008

以上の問題点により、これまでの耐火物開発においては、その開発段階で十分に実使用を反映するような評価・試験方法がなかった。本発明では、不焼成品であるため流し込みを行う不定形耐火物の材料開発にあたり、焼結の影響、スラグ浸透深さ、およびスラグ浸透量がおよぼす亀裂発生について、実炉使用を再現できる評価・試験を行うことができる拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、まず流し込みを行う不定形耐火物材へのスラグ浸透深さと時間の関係を調査し、取鍋での使用を考えた場合のような十分長い使用条件のもとでのスラグ浸透の深さは温度のみによって決定されること、浸透したスラグ量と亀裂発生の間に密接な関係があることを見出し、引き続き焼結の進行とスラグ浸透による物性の変化、特に弾性率の増加が応力割れの主因であることを見出し、実炉使用を忠実に再現できる評価・試験を行うための本装置の発明に至った。

0010

前記目的を達成するための請求項1記載の本発明は、不定形耐火物を成形、乾燥した耐火物試験片を加熱炉の底部にセットし、該耐火物試験片の上面でスラグを溶融させ、加熱炉内で耐火物試験片を上方からの片面加熱により温度の上昇、降下を繰り返すようにしたスラグ浸透スポーリング試験装置において、前記加熱炉の底部にセットした耐火物試験片の側面を一軸方向に拘束する押圧装置を配置し、この押圧装置を用いて前記耐火物試験片を実炉内張り状態に近い条件でスラグ浸透スポーリング試験するように構成したことを特徴とする拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置である。

0011

請求項2記載の本発明は、押圧装置により耐火物試験片の側面を一軸方向に拘束するときの発生応力を測定する応力測定装置と、耐火物試験片の温度を測定する温度測定装置と、耐火物試験片の拘束側面および非拘束な自由側面の形状変化を測定する形状変化測定装置とを具備したことを特徴とする請求項1記載の拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置である。

0012

請求項3記載の本発明は、耐火物試験片のリアルタイムでの亀裂発生を検出するアコースティックエミッション計測装置を具備したことを特徴とする請求項2記載の拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置である。すなわち本発明では、
(1)炉の底部に設置された耐火物試料の上面でスラグを溶融させた後、炉の温度を上昇、降下させるスラグ浸透スポーリング試験を行うに際し、試験片の一側面を拘束することによってコントロール可能な応力を発生させ、応力割れに至るまでの弾性率変化を求めようとするものである。

0013

(2)この時、本発明の試験装置が具備する機能としては一軸方向に拘束する押圧装置、発生応力の測定装置、試験片内の温度測定装置、形状変化(膨張収縮)を測定する形状変化測定装置であり、さらにリアルタイムでの亀裂発生観察のためのAE(アコースティックエミッション)計測装置を具備させるのが好ましい。

0014

スラグ浸透による構造スポーリングの発生をみるためには十分な量のスラグを溶融させ、耐火物試験片に実炉と同様の温度勾配を持たせたうえで、十分な時間保持し、スラグを十分に耐火物試験片に浸透させる必要がある。この時耐火物試験片の一側面を拘束状態とし、発生する応力と寸法の変化を測定することによって試験片の焼結の進行とスラグ浸透による弾性率の変化を求め、応力割れに至る物性変化を明らかにする。

0015

以下、本発明の構成および作用を図面に基いて説明する。図1は本発明による拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置1の一例を一部断面で示す全体側面図であり、該試験装置1を構成する加熱炉としてはアーク電気炉2を用いている。アーク式電気炉2を設置したケーシング3の炉底部には断熱れんが4が敷設してあり、炉底を構成する断熱レンガ4の上には流し込み材として使用される不定形耐火物を所定の形状に成形、乾燥した耐火物試験片5をセットしてある。耐火物試験片5のサイズは図2に示すように幅W= 100〜300mm 、奥行D= 100〜300mm 、厚みt=50〜200mm を有し、その上部中央には溶融スラグを入れるための幅w=15mm、高さh=30mmのスラグ留め用6(図1参照)を設けてある。

0016

ここで耐火物試験片5の幅Wおよび奥行Dが100mm 未満ではスポーリングによる亀裂の発生が実炉の再現とならない。また300mm を越えても亀裂の発生状況に変化はなく、しかも試験装置が大きくなり過ぎて経済的でない。厚さtは、50mm未満では薄すぎて亀裂が発生しにくく、また200mm を越えると厚すぎて異なったタイプの亀裂が見られるようになる。厚さtは好適には80〜150mm であり、これは実ライニング厚みにほぼ等しい。

0017

ケーシング3の前部(図1の左側)および後部(図1の右側)にはそれぞれ水冷ボックス7が設けてあり、各々の水冷ボックス7には給水管7aおよび排水管7bが接続してある。給水管7aから供給された冷却水は水冷ボックス7を通過して冷却したのち、排水管7bから排出されるようになっている。なお、後部の水冷ボックス7はケーシング3に固定してあるのに対し、前部の水冷ボックス7には下部の幅方向に向けて半割円柱部材8を設けてあり、水冷ボックス7に設けた半割円柱部材8は、図3に示すように支持ブロック9上に前記半割円柱部材8と直交するように形成した2個の平行な半割円柱ガイド部材10上に各々の円弧面を当該して支持されている。

0018

このため前部の水冷ボックス7は、支持ブロック9上に形成した半割円柱ガイド部材10上で、下部に設けた半割円柱部材8を介して矢印Aで示すように前後進することが可能であると共に矢印Bで示すように前傾および後傾することが可能となっている。このような耐火物試験片5の膨張、収縮に追従する前部の水冷ボックス7の傾動は、スクリューロッド14の先端に設けた球面部材16と球面座18との接合面により許容される。

0019

前部の水冷ボックス7に対向するケーシング3の側壁12に開孔13を設け、この開孔13を設けた側壁12の外面にナット部材11が溶接により固定されている。このナット部材11にはスクリューロッド14が前後進自在にねじ込まれており、スクリューロッド14の外端部にはハンドル15が取り付けてあり、一軸方向の押圧装置を形成している。さらにスクリューロッド14の先端部には球面部材16が取り付けてある。

0020

スクリューロッド14に取り付けた球面部材16は、部材17に固定した球面座18に接触している。そして部材17と前部の水冷ボックス7との間には、応力測定装置となるロードセル19が配設してあり、部材17に設けた凹部20とロードセル19に設けた凸部21とが嵌合するようにセットされている。前部の水冷ボックス7と耐火物試験片5との間および後部の水冷ボックス7と耐火物試験片5との間には、それぞれ2個のダミーれんが22が介装してある。ダミーれんが22に囲まれた耐火物試験片5の上方には2本の電極を備えた炉体蓋24が着脱可能に装着してある。なお、耐火物試験片5の温度は、耐火物試験片5内に埋設した複数の熱電対27を備えた温度測定装置を用いて測定する。

0021

耐火物試験片5の寸法変化を測定する形状変化測定装置としては、図4に示すように耐火物試験片5の2つの側面すなわち、側壁12に固定して取り付けたナット部材11にねじ込まれたスクリューロッド14をハンドル15を回転し前部の水冷ボックス7等を介して所定の圧力で拘束されている面と、拘束されていない自由面とにそれぞれ上下に配設した複数の石英ガラス棒28の先端を当接し、石英ガラス棒28の炉外側端部に取り付けたダイヤルゲージ29によって測定する。

0022

耐火物試験片5の拘束面は、スクリューロッド14の両側位置に上下2個所に石英ガラス棒28を計4本、また自由面は耐火物試験片5の中央部に上下3個所に計3本配置してある。耐火物試験片5の拘束面に当接する石英ガラス棒28は、側壁12に設けた貫通孔30a、水冷ボックス7に設けた貫通孔30b、および2個のダミーれんが22に設けた貫通孔30cを貫通して耐火物試験片5の表面に達している。また耐火物試験片5の自由面に当接する石英ガラス棒28は、図6に示すように2個のダミーれんが22に設けた貫通孔30dを貫通して耐火物試験片5の表面に達している。これら石英ガラス棒28の平面的な全体配置は図7に示すようにしている。

0023

耐火物試験片5の加熱試験中においてより正確な判定を可能にするためには、アコースティックエミッション(AE)計測装置を配置するのが好ましい。アコースティックエミッション(AE)は、材料中に蓄えられた弾性エネルギーが放出されるときに発生する弾性波であり、材料が変形しただけではAEはそれほど発生しないが、材料破壊につながる亀裂の伝播などが生じるとAE数は急増する。図8に示すように水冷ボックス7には、挿通孔33aが、また2個のダミーれんが22には、挿通孔33bが設けてある。これら、挿通孔33a、挿通孔33bにはステンレス製導波棒34が挿通してあり、その先端は耐火物試験片5の拘束面に当接してある。そしてステンレス製導波棒34の端部には、AEセンサ32が取り付けてあり、AEセンサ32の出力は増幅器35を介してAE計測装置31へ入力されAE解析される。

0024

なお、図8に示す挿通孔33a、33bはスクリューロッド14の両側でかつ図5に示す水冷ボックス7に設けた貫通孔30b、2個のダミーれんが22に設けた貫通孔30cと干渉しない他の位置に配置してあるのはもちろんである。また図8では、AEセンサ32と増幅器35との間に存在する側壁12等は図示を略してある。なお、AE計測装置31は耐火物試験片5の自由面側に設けてもよい。

0025

次に、本発明の拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置1の作用について説明する。流し込み材として使用する不定形耐火物を成形、乾燥した耐火物試験片5を図1および図2に示すようにアーク式電気炉2の炉底部に敷設した断熱れんが4上に載置し、耐火物試験片5の周囲にダミーれんが22を2個ずつ配置する。耐火物試験片5の上部に設けたスラグ留め用堰6の内側に溶解に供するスラグ原料をスラグ留め用堰6内の試験片面積に対して 0.1〜0.4 g/cm2 を供給する。

0026

ハンドル15を回転することにより側壁12に固定したナット部材11を介してスクリューロッド14を炉内方向にねじ込むと、スクリューロッド14の先端部に取り付けた球面部材16が部材17に固定した球面座18およびロードセル19を介して前部の水冷ボックス7を押圧する。耐火物試験片5の後方は、2個のダミーれんが22を介してケーシング3に固定された後部の水冷ボックス7に受け止めるようになっているため、押圧された前部の水冷ボックス7は、その下部に設けてある半割円柱部材8が支持ブロック9上に形成した半割円柱ガイド部材10上を炉内方向に移動し、これによって2個のダミーれんが22を介して耐火物試験片5を押圧することになる。この時の一軸方向の押圧力をロードセル19によって測定しながら耐火物試験片5の一側面を拘束することによって実炉に近い状態でコントロール可能な応力を発生させる。

0027

前部および後部の水冷ボックス7に接続した給水管7aから冷却水を供給し、水冷ボックス7を冷却したのち冷却水を排水管7bから排出する。一方、アーク式電気炉2の炉体蓋24を被せたのち電極23に通電して炉内の加熱を開始する。引続きアーク式電気炉2内の温度を上昇することによってスラグ留め用堰6内の耐火物試験片5の上面で電極23による片面加熱でスラグ原料を溶融させたのち、炉の温度を上昇、下降させることにより耐火物試験片5へのスラグ浸透スポーリング試験を行う。

0028

スラグ浸透による構造スポーリングの発生をみるためには十分な量のスラグを溶融させ、実炉と同様の温度勾配を持たせたうえで、十分な時間保持し、スラグを十分に耐火物試験片5に浸透させる必要がある。この時、耐火物試験片5の一側面を拘束状態とし、発生する応力と寸法の変化を測定することによって、耐火物試験片5の焼結の進行とスラグ浸透による弾性率の変化を求め、応力割れに至る物性変化を実炉に近い条件下で明らかにしようとするものである。

0029

アーク式電気炉2内に配置した耐火物試験片5の加熱状況は、耐火物試験片5内の高さ方向5点に埋設した熱電対27により温度を測定することにより行われる。耐火物試験片5は電極23によって上方から片面加熱されるので耐火物試験片5の厚さt方向に温度勾配(上部が高く、下部が低い)が発生し、上下で膨張と収縮との差が出る。このような耐火物試験片5の上下での膨張と収縮の差は、図3に示すように耐火物試験片5の下部に設けた半割円柱部材8を支持ブロック9に形成した半割円柱ガイド部材10上で傾動させることによって吸収され、耐火物試験片5の厚みt方向に均一な応力を発生させる。

0030

加熱試験中における耐火物試験片5の形状変化(寸法変化)は、図4図7に示すように、耐火物試験片5の二つの側面すなわち一軸方向の拘束面および拘束のない自由面とを石英ガラス棒28を介してダイヤルゲージ29によって測定する。さらに加熱試験中に耐火物試験片5に図8に示すようにAEセンサ32と耐火物試験片5とを結ぶステンレス製導波棒34を設置し、耐火物試験片5に発生したAEをステンレス製導波棒34を介してAEセンサ32に導波し、AEセンサ32の出力を増幅器35を介してAE計測装置31へ入力してAE解析を行うのが好ましい。

0031

従来では、冷却後の耐火物試験片5の切断面からスラグ浸透スポーリングによる亀裂を判定していたため、温度変化の際に亀裂が発生したのか判定するのが困難であったが、AEセンサ32を取り付けることによって耐火物試験片5に発生した亀裂の量、発生時間、発生位置を評定することによりより正確な判定ができるようになった。

0032

なお前記実施例では、押圧装置としてナット部材11、スクリューロッド14およびハンドル15を組み合わせたね機構方式を採用した場合について説明したが、これに限定するものではない。たとえば図9に示すようにねじのない進退ロッド14aを側壁12に設けた開孔13に貫通させ、進退ロッド14aを側壁12に配置したエアシリンダ25のピストン25aに連結し、エアシリンダ25に設けた制御弁26を制することにより一軸方向に前部の水冷ボックス7を押圧するようにしてもよい。エアシリンダ25の代わりに油圧シリンダを用いることができるのは勿論である。

0033

また、上方より片面加熱される耐火物試験片5の厚さt方向の温度勾配による上下の膨張と収縮の差を吸収するためには、スクリューロッド14による押圧面を上下二分割にするようにしてもよい。すなわち図10に示すようにスクリューロッド14を上下に2本配設すると共に、前部の水冷ボックス7および2個のダミーれんが22をそれぞれ上下二分割し、耐火物試験片5の上下の膨張、収縮の差をスクリューロッド14の進退によって吸収するものである。必要に応じ3段以上の多段にすることも可能である。

0034

次に、図1に示す拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置を用いて、スラグ浸透スポーリング試験を行った結果の一部を以下に説明する。マグネシア質流し込み材を 200×200 ×100mm に成形し、 110℃で24時間の乾燥を行って耐火物試験片を得た。耐火物試験片の中には測温のため、高さ方向に5点の熱電対を埋設した。

0035

この耐火物試験片を図1に示すスラグ浸透スポーリング試験装置にセットした。耐火物試験片の周囲のダミーれんが厚さは15mm×2個とした。耐火物試験片のスラグ留め用堰内にスラグ原料を装入し、電極から通電により8℃/分の昇温速度で加熱して1500℃まで昇温してスラグ原料を溶解した。1500℃で保持時間は2時間であり、室温までの冷却は自然冷却とした。スラグは転炉タップスラグであり、スラグ留め用堰内の耐火物試験片の面積に対して 0.3g/cm2 装入した。溶融スラグの組成を表1に示す。

0036

0037

以下、同様にアーク式電気炉内で耐火物試験片の昇温と降温とをくり返し、一軸方向の拘束を付加したスラグ浸透スポーリング試験における耐火物試験片の発生応力と温度の関係を測定した。図11に耐火物試験片に亀裂の発生がない1回目の試験とAEセンサによって亀裂の発生ができた3回目の試験において、発生応力と耐火物試験片の断面積との積で表される総荷重(kgf )と耐火物試験片の最上部温度との関係を示す。図11に示すように直線の傾きは、耐火物試験片の弾性率E1 、E2 に比例した量となり、1回目に比べ亀裂の発生した3回目は約1.7倍大きくなっている。このことから、亀裂の発生した試験片の弾性率およそ70%増加したことが推定できる。

発明の効果

0038

本発明によるスラグ浸透スポーリング試験装置は、拘束力を付加することによって、発生応力と弾性率変化の関係を明らかにすることが可能となり、新材料の開発に貢献できる。また、実炉での耐火物環境を再現できることから、スラグ浸透スポーリング現象の評価に有効である。

図面の簡単な説明

0039

図1本発明に係る拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置の全体を一部断面で示す側面図である。
図2本発明に係る拘束力を付加したスラグ浸透スポーリング試験装置の要部を示す斜視図である。
図3本発明に係る前部の水冷ボックス支持機構を示す斜視図である。
図4本発明に係る石英ガラス棒とダイヤルゲージを具備した形状変化測定装置の配置を示す斜視図である。
図5本発明に係る拘束面側に設けた形状変化測定装置を示す側面図である。
図6本発明に係る自由面側に設けた形状変化測定装置を示す側面図である。
図7本発明に係る形状変化測定装置の配置を示す平面図である。
図8本発明に係るAE計測装置の配置を断面で示す側面図である。
図9本発明に係る押圧装置の変形例を示す側面図である。
図10 本発明に係る押圧装置の二分割形変形例を示す側面図である。
図11耐火物試験片の総荷重(kgf )と温度の関係を示す線図である。

--

0040

1スラグ浸透スポーリング試験装置
2アーク式電気炉
3ケーシング
4断熱れんが
5耐火物試験片
6スラグ留め用堰
7水冷ボックス
8半割円柱部材
9支持ブロック
10 半割円柱ガイド部材
11ナット部材(押圧装置)
12側壁
13開孔
14スクリューロッド(押圧装置)
15ハンドル(押圧装置)
16球面部材
17 部材
18球面座
19ロードセル(応力測定装置)
20 凹部
21 凸部
22ダミーれんが
23電極
24炉体蓋
25エアシリンダ
26制御弁
27熱電対(温度測定装置)
28石英ガラス棒(形状変化測定装置)
29ダイヤルゲージ(形状変化測定装置)
30貫通孔
31AE計測装置
32 AEセンサ(アコースティックエミッション計測装置)
33挿通孔
34ステンレス製導波棒
35 増幅器

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