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技術 人体活動量算出装置、人体活動量着衣量算出装置およびそれを備えた空気調和機、人体異常通報機

出願人 シャープ株式会社株式会社高取育英会
発明者 井尻良洪子泉
出願日 1994年12月22日 (25年11ヶ月経過) 出願番号 1994-320645
公開日 1996年7月12日 (24年4ヶ月経過) 公開番号 1996-178390
状態 未査定
技術分野 画像処理 異常警報装置 空調制御装置 空調制御装置1
主要キーワード 警報用ランプ 交点間距離 活動位置 移動面積 背景輻射 感覚尺度 各入力ユニット 動体部分
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年7月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

目的

人体活動量を人体に対して非接触で精度良く測定できる人体活動量算出装置を提供する。

構成

人体が存在し得る場所を撮影する撮像手段1を備える。撮像手段1が経時的に出力する画像の差分をとって、この差分の画像に現れた動体の中から人体を認識するとともに、撮像手段1と上記人体との距離および上記人体の高さを算出する画像処理手段2を備える。画像処理手段2が算出した情報に基づいて、上記人体の移動速度および上記人体の移動面積を算出し、算出した移動速度および移動面積に基づいて、上記人体の活動レベルに関する複数種類の活動特徴量を算出する活動特徴量演算手段3を備える。活動特徴量演算手段3が算出した活動特徴量に基づいて、上記人体の活動レベルを定量的に表す活動量(met)を算出する活動量変換手段4を備える。

概要

背景

概要

人体活動量を人体に対して非接触で精度良く測定できる人体活動量算出装置を提供する。

人体が存在し得る場所を撮影する撮像手段1を備える。撮像手段1が経時的に出力する画像の差分をとって、この差分の画像に現れた動体の中から人体を認識するとともに、撮像手段1と上記人体との距離および上記人体の高さを算出する画像処理手段2を備える。画像処理手段2が算出した情報に基づいて、上記人体の移動速度および上記人体の移動面積を算出し、算出した移動速度および移動面積に基づいて、上記人体の活動レベルに関する複数種類の活動特徴量を算出する活動特徴量演算手段3を備える。活動特徴量演算手段3が算出した活動特徴量に基づいて、上記人体の活動レベルを定量的に表す活動量(met)を算出する活動量変換手段4を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
9件
牽制数
18件

この技術が所属する分野

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請求項1

人体が存在し得る場所を撮影する撮像手段と、上記撮像手段が経時的に出力する画像の差分をとって、この差分の画像に現れた動体の中から人体を認識するとともに、上記撮像手段と上記人体との距離および上記人体の高さを算出する画像処理手段と、上記画像処理手段が算出した情報に基づいて、上記人体の移動速度および上記人体の移動面積を算出し、算出した移動速度および移動面積に基づいて、上記人体の活動レベルに関する複数種類の活動特徴量を算出する活動特徴量演算手段と、上記活動特徴量演算手段が算出した活動特徴量に基づいて、上記人体の活動レベルを定量的に表す活動量を算出する活動量変換手段を備えたことを特徴とする人体活動量算出装置

請求項2

請求項1に記載の人体活動量算出装置において、上記画像処理手段は、上記差分の画像に現れた動体の上縁の形状が弓形であるか否かに基づいて、上記動体が人体であるか否かを認識することを特徴とする人体活動量算出装置。

請求項3

請求項1または2に記載の人体活動量算出装置において、上記活動特徴量演算手段は、上記画像中の人体を含むすべての動体の移動速度および移動面積を算出することを特徴とする人体活動量算出装置。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか一つに記載の人体活動量算出装置において、上記活動量変換手段は、上記活動特徴量が入力される複数の神経回路ユニットを含む入力層と、上記活動量を出力する一つの神経回路ユニットを含む出力層と、上記入力層の神経回路ユニットと上記出力層の神経回路ユニットとの間に介在する複数の神経回路ユニットを含む中間層とを有する神経回路網を備え、上記各層に含まれる神経回路ユニットは、所定の変換関数を記憶し、かつ個々に重み付けされるようになっていることを特徴とする人体活動量算出装置。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか一つに記載の人体活動量算出装置と、人体が存在し得る場所の熱輻射観測する輻射センサと、上記輻射センサの出力を受けて、上記観測範囲に人体が存在するときの背景と人体との総和の輻射温度と、上記輻射センサの観測範囲に人体が存在しないときの背景輻射温度との差をとって、上記人体の着衣表面温度を算出するとともに、気温と、上記人体活動量算出装置が算出した人体の活動量とに基づいて、上記人体の皮膚温度を算出し、上記着衣の表面温度と上記人体の皮膚温度とに基づいて、上記人体の着衣の熱抵抗着衣量として算出する着衣量演算手段を備えたことを特徴とする人体活動量着衣量算出装置

請求項6

請求項1乃至4のいずれか一つに記載の人体活動量算出装置と、上記人体活動量算出装置が算出する人体の活動量に基づいて、少なくとも設定温度室内ファンモータ回転数風向ルーバ角度を含むアクチュエータを制御する制御手段を備えたことを特徴とする空気調和機

請求項7

請求項5に記載の人体活動量着衣量算出装置と、上記人体活動量着衣量算出装置が算出する人体の活動量および着衣量に基づいて、少なくとも設定温度、室内ファンモータ回転数、風向ルーバ角度を含むアクチュエータを制御する制御手段を備えたことを特徴とする空気調和機。

請求項8

請求項1乃至4のいずれか一つに記載の人体活動量算出装置と、上記人体活動量算出装置が算出する人体の活動量に基づいて、観測中の人体の活動量が一定量以下である状態が一定期間以上続いたとき、上記人体に異常が発生したと判断する人体異常検出手段と、上記人体異常検出手段の判断結果に基づいて、上記人体に異常が発生したことを表す警報を発生する警報発生手段を備えたことを特徴とする人体異常通報機

技術分野

0001

この発明は人体活動量算出装置、人体活動量着衣量算出装置およびそれを備えた空気調和機、人体異常通報機に関する。より詳しくは、人体の活動レベルを定量的に表す活動量を算出する人体活動量算出装置に関する。また、人体の活動量に加えて、人体の着衣量を算出する人体活動量着衣量算出装置に関する。また、上記人体活動量算出装置または人体活動量着衣量算出装置を備えて、その出力に基づいて各種アクチュエータを制御する空気調和機に関する。また、上記人体活動量算出装置を備えて、その出力に基づいて、観測中の人体に異常が発生したことを検出して通報する人体異常通報機に関する。

0002

空気調和機とは室内の温熱環境居住者の快適な状態に保つために室内気流等を制御するものである。このため、室内の温熱環境が快適かどうかを判断しなければならない。現在一般的に使用されている快適指標として、国際標準化機構(ISO)の国際規格ISO−7730に記載されているPMVプレディクテド・ミーン・ボウト)がある。この快適指標PMVは、室温、湿度輻射温度気流速度、着衣量、活動量の6要素の関数であり、この6要素の値から上記ISO−7730に記載の算式によって求められる。具体的には、表1に示すような熱的感覚尺度で表される。

0003

空気調和機は、このPMV値が、ある範囲内(例えば−0.5〜0.5)になるように各種アクチュエータを制御し、室内環境を快適に保つようになっている。PMV値に寄与する6要素のうち室温、湿度、輻射温度、気流速度については、それぞれ検出するのに適した各種センサが存在する。したがって、その出力に基づいて室温、湿度、輻射温度、気流速度を制御することができる。しかし、PMV値に寄与する6要素のうち活動量、着衣量は、人体に関する情報であるため、測定に適した手段が存在しない。人体に測定装置を取り付ければ活動量や着衣量を測定することはできるが、人に不快感を与えるため現実的ではない。

0004

最近、活動量については、非接触で測定できる検出装置として、焦電赤外線センサを用いた人体活動量算出装置が提案された(特開平5−215374号公報)。この人体活動量算出装置では、焦電型赤外線センサによって人が放射する赤外線を検出し、その動き電気信号として出力し、出力された電気信号をスペクトル分析周波数とその強度)することにより活動量を算出する。しかし、この人体活動量算出装置は、人体の放射エネルギ背景放射エネルギとの差が大きい場合はある程度動作するが、その差があまり大きくない場合は良好に動作できないという問題がある。つまり、人体の放射エネルギと背景放射エネルギとの差が小さい場合は、人体の動きをとらえることすら難しく、人体の活動量を算出することができない。また、人体を検出できる場合であっても、人体の状態(座位立位)等が考慮されていないため、装置と人体との距離を精度良く測定できず、活動量の算出精度が良くないという問題がある。

0005

そこで、この発明の第1の目的は、人体の活動量を人体に対して非接触で精度良く測定できる人体活動量算出装置を提供することにある。

0006

また、着衣量については、上に述べたように測定に適した手段が存在しないため、年月日データを出力するカレンダを記憶されたIC等の記憶手段を用いて季節を得て、季節に基づいて標準的な着衣量を推測している。しかし、着衣量は、季節のほかに、1日毎の気温変化個人差、服の流行等により変化する。このため、推測した着衣量と実際の着衣量とが大きくずれるおそれがある。

0007

そこで、この発明の第2の目的は、人体の活動量に加えて、人体の着衣量を人体に対して非接触で精度良く測定できる人体活動量着衣量算出装置を提供することにある。

0008

また、この発明の第3の目的は、上述のような人体活動量算出装置または人体活動量着衣量算出装置を備えて、これらの装置が算出する人体の活動量や着衣量に基づいて室内の温熱環境を快適な状態に制御することができる空気調和機を提供することにある。

0009

また、この発明は、上記人体活動量算出装置を応用した人体異常通報機に関する。現在、日本の高齢者人口は増え続けており、65以上の人口割合は全人口の13%を越え、さらに2020年では25.5%となるといわれている。また、高齢者の1人暮らしでは、突然の事故病気に対して自分自身で適切な処置をとることができないことも多い。高齢者にとって事故の起こりやすい場所としては、トイレ浴室階段等が挙げられる。このような場所で人体に異常が発生して、動けないまま長時間放置されれば、その人の生命にかかわることとなる。そこで、この発明の第4の目的は、人体に異常が発生して動けなくなったときに、そのことを検出して他人に素早く通報できる人体異常通報機を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の人体活動量算出装置は、人体が存在し得る場所を撮影する撮像手段と、上記撮像手段が経時的に出力する画像の差分をとって、この差分の画像に現れた動体の中から人体を認識するとともに、上記撮像手段と上記人体との距離および上記人体の高さを算出する画像処理手段と、上記画像処理手段が算出した情報に基づいて、上記人体の移動速度および上記人体の移動面積を算出し、算出した移動速度および移動面積に基づいて、上記人体の活動レベルに関する複数種類の活動特徴量を算出する活動特徴量演算手段と、上記活動特徴量演算手段が算出した活動特徴量に基づいて、上記人体の活動レベルを定量的に表す活動量を算出する活動量変換手段を備えたことを特徴としている。

0011

また、請求項2に記載の人体活動量算出装置は、請求項1に記載の人体活動量算出装置において、上記画像処理手段は、上記差分の画像に現れた動体の上縁の形状が弓形であるか否かに基づいて、上記動体が人体であるか否かを認識することを特徴としている。

0012

また、請求項3に記載の人体活動量算出装置は、請求項1または2に記載の人体活動量算出装置において、上記活動特徴量演算手段は、上記画像中の人体を含むすべての動体の移動速度および移動面積を算出することを特徴としている。

0013

また、請求項4に記載の人体活動量算出装置は、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の人体活動量算出装置において、上記活動量変換手段は、上記活動特徴量が入力される複数の神経回路ユニットを含む入力層と、上記活動量を出力する一つの神経回路ユニットを含む出力層と、上記入力層の神経回路ユニットと上記出力層の神経回路ユニットとの間に介在する複数の神経回路ユニットを含む中間層とを有する神経回路網を備え、上記各層に含まれる神経回路ユニットは、所定の変換関数を記憶し、かつ個々に重み付けされるようになっていることを特徴としている。

0014

上記第2の目的を達成するために、請求項5に記載の人体活動量着衣量算出装置は、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の人体活動量算出装置と、人体が存在し得る場所の熱輻射観測する輻射センサと、上記輻射センサの出力を受けて、上記観測範囲に人体が存在するときの背景と人体との総和の輻射温度と、上記輻射センサの観測範囲に人体が存在しないときの背景輻射温度との差をとって、上記人体の着衣表面温度を算出するとともに、気温と、上記人体活動量算出装置が算出した人体の活動量とに基づいて、上記人体の皮膚温度を算出し、上記着衣の表面温度と上記人体の皮膚温度とに基づいて、上記人体の着衣の熱抵抗を着衣量として算出する着衣量演算手段を備えたことを特徴としている。

0015

上記第3の目的を達成するために、請求項6に記載の空気調和機は、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の人体活動量算出装置と、上記人体活動量算出装置が算出する人体の活動量に基づいて、少なくとも設定温度室内ファンモータ回転数風向ルーバ角度を含むアクチュエータを制御する制御手段を備えたことを特徴としている。

0016

また、請求項7に記載の空気調和機は、請求項5に記載の人体活動量着衣量算出装置と、上記人体活動量着衣量算出装置が算出する人体の活動量および着衣量に基づいて、少なくとも設定温度、室内ファンモータ回転数、風向ルーバ角度を含むアクチュエータを制御する制御手段を備えたことを特徴としている。

0017

上記第4の目的を達成するために、請求項8に記載の人体異常通報機は、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の人体活動量算出装置と、上記人体活動量算出装置が算出する人体の活動量に基づいて、観測中の人体の活動量が一定量以下である状態が一定期間以上続いたとき、上記人体に異常が発生したと判断する人体異常検出手段と、上記人体異常検出手段の判断結果に基づいて、上記人体に異常が発生したことを表す警報を発生する警報発生手段を備えたことを特徴としている。

0018

請求項1の人体活動量算出装置は次のように動作する。まず、撮像手段が人体が存在し得る場所を撮影する。画像処理手段は、上記撮像手段が経時的に出力する画像の差分をとる。画像の差分をとっているので、画像中の背景部分が消去され、動体部分のみが精度良く抽出される。上記画像処理手段は、この差分の画像に現れた動体の中から人体を認識する。これとともに、上記画像処理手段は、上記撮像手段と上記人体との距離および上記人体の高さを算出する。画像中の動体部分のみを精度良く抽出したので、上記撮像手段と上記人体との距離および上記人体の高さが精度良く算出される。次に、活動量特徴量演算手段は、上記画像処理手段が算出した情報に基づいて、上記人体の移動速度および上記人体の移動面積を算出し、算出した移動速度および移動面積に基づいて、上記人体の活動レベルに関する複数種類の活動特徴量を算出する。活動量変換手段は、上記活動特徴量演算手段が算出した活動特徴量に基づいて、上記人体の活動レベルを定量的に表す活動量を算出する。このようにして活動量が得られる。

0019

この人体活動量算出装置では、撮像手段によって人体を撮影し、その画像に基づいて活動量を算出しているので、人体に対して非接触で活動量が得られる。また、上記画像処理手段が、上記撮像手段と上記人体との距離および上記人体の高さを精度良く算出するので、活動量特徴量が精度良く得られ、結果として、活動量が精度良く得られる。

0020

また、請求項2の人体活動量算出装置では、上記画像処理手段は、上記差分の画像に現れた動体の上縁の形状が弓形であるか否かに基づいて、上記動体が人体であるか否かを認識する。人体の頭部は通常弓形の形状になっているので、上記動体が人体であるか否かが精度良く判断される。また、このとき同時に、人体の頭部の高さも検出される。したがって、上記撮像手段と上記人体との距離および上記人体の高さがさらに精度良く算出され、結果として、活動量がさらに精度良く算出される。

0021

また、請求項3の人体活動量算出装置では、上記活動特徴量演算手段は、上記画像中の人体を含むすべての動体の移動速度および移動面積を算出する。したがって、人体全体の移動速度、移動面積だけでなく、人体の各部位の移動速度、移動面積も活動量特徴量の算出に寄与する。この結果、例えば、腕のみ、足のみというような局部的な動きも活動量に反映され、活動量がさらに精度良く得られる。

0022

また、請求項4の人体活動量算出装置では、上記活動量変換手段の神経回路網が望ましい値の活動量を出力するように学習を行うことができる。すなわち、既知の活動レベルを表す活動特徴量を神経回路網の入力層に入力して、神経回路網の出力層が望ましい値の活動量を出力するように、例えば公知の逆誤差伝播法により、各神経回路ユニットの重み付けを調節することができる。したがって、活動量がさらに精度良く得られる。

0023

また、請求項5の人体活動量着衣量算出装置では、輻射センサが、人体が存在し得る場所の熱輻射を観測する。着衣量演算手段は、上記輻射センサの出力を受けて、上記観測範囲に人体が存在するときの背景と人体との総和の輻射温度と、上記輻射センサの観測範囲に人体が存在しないときの背景輻射温度との差をとって、上記人体の着衣の表面温度を算出する。また、上記着衣量演算手段は、気温と、人体活動量算出装置が算出した人体の活動量とに基づいて、上記人体の皮膚温度を算出する。さらに、上記着衣量演算手段は、上記着衣の表面温度と上記人体の皮膚温度とに基づいて、上記人体の着衣の熱抵抗を着衣量として算出する。

0024

このように、この人体活動量着衣量算出装置では、輻射センサによって人体の熱輻射を観測し、その出力に基づいて着衣量を算出しているので、人体に対して非接触で着衣量が得られる。また、単に季節から着衣量を推測するのではなく、実際の人体を観測して着衣量を算出しているので、着衣量が精度良く得られる。

0025

また、請求項6の空気調和機では、制御手段は、人体活動量算出装置が算出する人体の活動量に基づいて各種アクチュエータを制御する。したがって、在室者の活動量に応じて、室内の温熱環境が快適な状態に制御される。

0026

また、請求項7の空気調和機では、制御手段は、人体活動量着衣量算出装置が算出する人体の活動量および着衣量に基づいて各種アクチュエータを制御する。この場合、従来用いられている室温、湿度、輻射温度、気流速度と、上記人体活動量着衣量算出装置が算出する人体の活動量、着衣量とを併せて、快適指標であるPMV値を決める温熱6要素すべてに基づく制御が可能となる。したがって、室内の温熱環境がよりきめ細かく、快適な状態に制御される。

0027

また、請求項8の人体異常通報機では、人体活動量算出装置が人体の活動量を観測する。人体異常検出手段は、上記人体活動量算出装置が算出する人体の活動量に基づいて、観測中の人体の活動量が一定量以下である状態が一定期間以上続いたとき、上記人体に異常が発生したと判断する。警報発生手段は、上記人体異常検出手段の判断結果に基づいて、上記人体に異常が発生したことを表す警報を発生する。したがって、人体に異常が発生して動けなくなったときに、そのことが他人に素早く通報される。この結果、医者を呼ぶなど、素早い対処が可能となる。

0028

以下、この発明を実施例の図面を参照して詳細に説明する。

0029

(第1実施例)図1は、この発明の第1実施例の人体活動量算出装置20のブロック構成を示している。この人体活動量算出装置20は、撮像手段としてのCCD(チャージカップルド・デバイスカメラ1と、このカメラ1が出力する連続画像から人体を認識し、人体の動きをとらえる画像処理手段2と、この画像処理手段2が出力する情報に基づいて人体の活動レベルに関する活動特徴量を求める活動特徴量演算手段3と、この活動特徴量演算手段3が求めた活動特徴量を活動量(met)に変換する活動量変換手段4とを備えている。なお、metは活動量の単位であり、1metは安静座位状態にある人体単位表面積当たりの代謝量58W/m2に相当する。

0030

図3はこの人体活動量算出装置20の全体的な動作フローを示している。

0031

まず、カメラ1は、周囲環境を経時的に撮影して、撮影した画像を画像処理手段2へ送る(S1)。ここで、図2概念的に示すように、カメラ1は、高さhの位置に、レンズLの光軸水平線に対して角度φだけ下方へ向けて設置されている。カメラ1の焦点距離fは、人Mの立位状態における全身像IMを撮れるように、できるだけ無限大に合わされる。これらのカメラ1の焦点距離f、カメラ1の傾き角度φ、カメラ1の高さhの値は、カメラ1を設置するときに測定され、既知のものとして後述する演算に使用される。

0032

次に、画像処理手段2は、カメラ1が出力する連続画像の中から人体を認識し(S2)、カメラ1と人体との距離および人体の高さを検出する(S3)。

0033

この画像処理手段2の動作を図4に示す動作フローに従って具体的に説明する。

0034

(i)まず、画像の中から動きのある物体(動体)を認識するために、カメラ1から画像を連続的に2回取り込み(S11)、2つの画像の差分(絶対差)をとる(S12)。このとき、画像中で、動体が映っている部分(動体部分)は輝度の差が大きくなり、静止している背景の部分は輝度の差がほぼ0となる。したがって、その差分した画像を2値化することにより(S13)、画像の中から動体部分を精度良く抽出することができる。

0035

(ii)次に、抽出した動体部分の面積2値画像面積)が、人体の面積の上限、下限を表す閾値LL,UL)の範囲内にあるか否か、すなわち
LL<(2値画像面積)<UL
であるか否かを判別する(S14)。抽出した動体部分の面積が(LL,UL)の範囲内にあるときは、その動体は人体である可能性が高いと判断する。一方、抽出した動体部分の面積が(LL,UL)の範囲外にあるときは、その動体は人体である可能性がないと判定する。

0036

なお、抽出した動体部分の面積が(LL,UL)の範囲内であっても、焦点が合わず判別が困難な場合は、その動体が人体であるとは判断しない。ただし、人体が常に何らかの活動(デスクワーク等)を行なっている可能性もあるため、総合的な活動量の算出には用いる。

0037

(iii)ステップS14で動体が人体である可能性が高いと判断した場合は、、ステップS15〜S16に進んでその動体が人体であるかどうかをさらに正確に判断する。

0038

この判断は、人体の頭頂部の形状が一般的に弓形になっていることに基づいて行う。つまり、女性などではヘアーバンドを着けていたり、パーマパーマネントウエーブ)をかけていたりして髪型が複雑な場合もあるが、頭頂部に限って言えば弓形が崩れることは非常に少ないと考えられる。また、この人体活動量算出装置は主として室内での使用を想定しているため、帽子等によって頭頂部が隠れる(外形が変形する)場合は少ないと考えられる。したがって、動体上部の形状が弓形であるか否かを調べることによって、その動体が人体であるか否かを精度良く判断することができる。

0039

具体的には、2値画像上で動体に外接する矩形を設定し、この外接矩形内に存在する動体の上部(この例では上から1/5の部分)に相当する図形を抽出する(S15)。なお、画面に、互いに離間した複数の動体が含まれている場合は、各動体に外接矩形を設定して、各動体の上部に相当する図形を抽出する。

0040

次に、抽出した図形の上縁が弓形であるか否かを判断する(S16)。この判断は、抽出した図形にできるだけ多くの外接線を引いた場合、抽出図形の上縁の曲率変化所定範囲内にあるか否かに基づいて行う。図5に示すように、抽出した図形が弓形である場合、例えば点P0,…,P8における接線同士の交点間距離は短く、曲率変化は小さい。これに対して、図6に示すように、抽出した図形が弓形でない場合、例えば点P0,…,P3における接線同士の交点間距離は長く、曲率変化は大きい。そこで、この曲率変化が所定範囲内のときに弓形であると判断する。

0041

抽出した図形の上縁が弓形ではなく、その元になる動体が人体ではないと判断した場合は、人体を認識できるまでS11〜S16の処理を繰り返す。

0042

(iv)ステップS16で、抽出した図形の上縁が弓形であり、その元になる動体が人体であると判断した場合は、カメラ1と人体頭部との距離、すなわちカメラ1と人体との距離を計測する(S17)。

0043

この計測は、平均的にみて人体頭部の横幅がある一定の範囲に分布することに基づいて行う。すなわち、頭部が大きい人でも頭部の横幅が40cmを超える人はほとんどいない。また、乳幼児でなければ頭部の横幅が10cm未満である人もほとんどいない。そこで、頭部の横幅をある値に決めることによって、カメラ1と人体頭部との距離を計算することができる。

0044

例えば図7は人体頭部Hとカメラ1との位置関係を示している。カメラ1のレンズLから撮像面1vまでの距離をDi、レンズLから人体頭部Hまでの距離をDo、撮像面1v上での人体頭部の像IHの横幅をwi、人体頭部の横幅をWo(一定)とすると、幾何光学的関係により次式(1)がほぼ成り立つ。
Do=Wo/wi×Di …(1)
この式(1)によって、カメラ1と人体頭部Hとの距離Doを算出することができる。

0045

また、画像から人体頭部Hの座標を求め、この人体頭部Hの座標と、カメラ1の焦点距離f、カメラ1の傾き角度φ、カメラ1の高さhとから、透視投影原理により、人体頭部Hの高さ、すなわち人体の高さを算出することができる。

0046

ここで、図8を用いて透視投影の原理を説明する。

0047

図8に示すように、世界座標系oxyz、カメラ座標系o″x″y″z″、レンズ観測座標系o′x′y′z′、2次元画像座標系OXZを定義する。すべての座標系は直交的である。世界座標系の三つの軸xyzは、部屋の壁の隅にそって設置されている。世界座標系の平面oxyとカメラ座標系の平面o″x″y″とは、いずれも水平面であり、床面に設置されている。2次元画像座標系の軸X、レンズ座標系の軸x′、カメラ座標系の軸x″は、互いに平行になっている。また、y′軸はレンズLの中心o′を通る光軸であり、軸z″はレンズLの中心o′を通っている。

0048

カメラ1の世界座標を(xc,yc,zc)とする。カメラ1は垂直方向チルト角度φ、水平方向にパン角度θだけ傾き、カメラの中心軸周りの回転の傾きがないものとする。

0049

また、カメラ1のスクリーンのサイズを512×432画素とし、カメラ1のCCD受光素子のサイズを(sx,sy)とする。

0050

この場合、幾何光学的関係に基づいて次の式(2)〜(4)が成立する。
y′=Wo・f/(wi・sx) …(2)
x″=(Xh−255.5)sx・y′/f …(3)
z″=zc−(Zh−215.5)y′(cosφ)/f−ysinφ
+(Zh−215.5)cosφ …(4)
y″=y′/cosφ−(zc−z″)tanφ …(5)
ここで、(Xh,Zh)は人体頭頂部の画像座標であり、使用しているスクリーンの中心座標(255.5,215.5)で換算すれば(Xh−255.5,Zh−255.5,215.5)が人体頭頂部の画像座標を表す。また、実際にはy″=y′と近似できる。

0051

カメラ座標系から世界座標系へは次式(6)〜(8)によって変換される。
x=xc+x″cosθ−y″sinθ …(6)
y=yc+x″sinθ+y″cosθ …(7)
z=z″ …(8)
これにより、人体の世界座標(x,y,z)を算出でき、カメラ1と人体との距離、人体の高さを知ることができる。

0052

なお、カメラ1の世界座標(xc,yc,zc)は、部屋の端からカメラ1までの距離を実測することによって得ることができる。カメラ1を部屋の一つの壁oxz面の中央に設置するものとすると、xc=xw/2、yc=0とすることができる(ただし、xwは壁の幅を表す。)。

0053

この画像処理手段2は、検出結果を表すデータを活動特徴量演算手段3へ送る。

0054

次に、図3に示すように、活動特徴量演算手段3は、画像処理手段2から送られてきたデータを用いて、次のようにして活動特徴量を算出する(S4,S5)。

0055

(i)まず、活動特徴量演算手段3は、画像処理手段2から送られてきたデータと、カメラ1が経時的に画像を取り込む走査時間、観測時間等とに基づいて、まず人体の移動速度、移動面積を算出する(S4)。なお、観測時間内に、走査時間の周期で経時的に複数回の観測を行うものとする。

0056

詳しくは、移動速度を求めるためには、連続的に2回取り込んだ差分画像から画像上の位置の変化を測定する。カメラ1と人体との距離Doは前述の式(1)により計算できるため、人体の実際の移動距離を算出できる。この人体の移動距離と、カメラ1が画像を経時的に取り込むときの走査時間とから人体の移動速度を算出する。

0057

また、移動面積は、画像上で動体の像の輪郭内に含まれる画素数と、画素の面積とにより定まる画像面積に基づいて計算する。画像上の動体面積は、図2に示した幾何学的関係を介して実際の動体面積と対応する。

0058

なお、移動面積や移動速度を観測時間で割れば、単位時間当たりの移動面積や移動速度が得られる。また、移動速度を人体検出回数で割れば、1人当たりの移動速度(移動速度/人体検出回数)を検出することができる。

0059

(ii)次に、活動特徴量演算手段3は、上記走査時間、観測時間、人体の移動速度および移動面積を用いて、表2に示す活動特徴量を算出する(S5)。活動特徴量とは、人体の活動レベル、すなわち人体がどの程度活発に動作しているかに関する量である。

0060

人は動作をすれば必ず体の移動を行う。この移動は体全体の移動に限らず、腕のみ、足のみ、頭のみといった局部的な移動も含まれる。カメラ1は人体に動作があれば移動した体の部位を面積(移動面積)としてとらえることができる。当然ながら、動作が大きければ移動する部位の面積も大きくなる。例えば図9に示すように、「座位作業」「立位作業」「ゆっくり歩行」「移動を伴う作業」と活動レベルが高くなるにつれて移動面積が大きくなっている。また、人が単位時間当たりにどの程度体を動かしているか、すなわち人体の動きの速さ(移動速度)も活動レベルに関連する。この人体の動きの速さ(移動速度)は、体全体の移動速度と、部位のみの移動速度とで表される。人の体全体の移動速度が大であれば歩行活動等の活動状態である可能性が高く、部位のみの移動速度が大であればデスクワーク等の座位、立位での作業等の活動状態である可能性が高い。図10に示すように、「座位作業」「立位作業」「ゆっくり歩行」「移動を伴う作業」と活動レベルが高くなるにつれて(移動速度/人体検出回数)が大きくなっている。このように、人体全体および部位の移動面積や移動速度に基づいて、人体の活動レベルを把握することができる。表2に示した活動特徴量は、このような移動面積や移動速度から求められる。

0061

表2中、「人体検出回数」とは、観測時間内に人体が検出された回数を表す。

0062

平均移動速度」とは、観測時間内に検出された人体の動く速度を人体単位で平均した平均値を表す。人体の移動速度から導かれる代表的な量である。

0063

「動体の総合2値画像面積」とは、観測時間内に検出された動体(人体に限られない)の画像面積の総和を表す。

0064

人体検出領域総合実面積」とは、観測時間内に検出された、実空間で人体が占める面積の総和を表す。人体の移動面積から導かれる代表的な量である。

0065

「総合動体個数」とは、観測時間内に検出された動体の延べ個数を表す。

0066

滞留回数」とは、観測時間内に同じ場所(この例では40cm2の範囲内)で人体を検出した延べ回数を表す。人体がその位置に滞留していると判断して、その場所で検出した回数を数えるものである。複数の人がその場所に滞留していれば、その人数倍だけ増える。したがって、人体が主にどの位置で活動しているかの判断に役立ち、同時に複数人がデスクワーク等の作業を行っている場合に有用である。

0067

「座位回数」とは、検出した人体の高さが所定の閾値(この例では150cm)より小さい場合に人体が座位状態にあると判断し、座位状態にあると判断した延べ回数を数えるものである。このとき、身長がその閾値より小さい子供の場合も座位状態にあると判断する可能性がある。しかし、座位状態にあると判断しても移動速度などが大きければ、移動速度に関する活動特徴量が大きくなるので、活動量を算出する上で問題はない。

0068

この活動特徴量算出手段3は、求めた活動特徴量を活動量変換手段4へ出力する。

0069

活動量変換手段4は、活動特徴量演算手段3から活動特徴量のデータを受けて、活動レベルを定量的に表す活動量(met)に変換する(S6)。

0070

図11に示すように、この活動量変換手段4は、入力層、中間層および出力層からなる階層構造を持つ神経回路網を備えている。階層構造をなす各層は1以上の神経回路ユニット(矩形の枠で示す)から構成されている。各神経回路網ユニットは、他のユニットの出力を受け、これに重み付けを行い総和をとり、後述する一定の規則(変換関数)で変換し、変換した結果を出力する。

0071

入力ユニットI1,…,Inは活動特徴量の数だけ用意され、各入力ユニットには活動特徴量算出手段3から表2に示した活動特徴量のデータが直接入力される。入力ユニットの出力は中間層の各ユニットに入力される。中間層の各ユニットの出力は出力層のユニットに入力される。出力層のユニットは1つだけであり、活動量としてmet値を出力する。なお、ユニット間の結合は、入力層から中間層、中間層から出力層という層間の1方向のみの結合しかなく、層内の結合はない。

0072

図12は変換関数の例を示している。図12(a)は、入力がある閾値θよりも小さいときは0、入力が閾値θよりも大きいときは1を出力する閾値関数を示し、図12(b)は、微分連続シグモイド関数を示している。中間層は図12(a)のような不連続関数でも図12(b)のような連続関数でもよいが、出力層の変換関数は連続関数でなければならない。なお、図12では関数の最大値が1に正規化されているがこれに限らなくてもよい。この例では、各層のユニットについて図12(b)に示したシグモイド関数を用いる(学習法として逆誤差伝播法を採用するからである)。

0073

神経回路網を動作させる場合、まず学習を行う。神経回路網の学習とは、この場合、各ユニットの各重みを変化させながら実際の出力を目標値(望ましい出力)に近づけることであり、この重み付けにより、神経回路網の情報あるいは機能が確立される。

0074

この神経回路網を活動量変換手段4として動作させるための学習法を説明する。表3に示すように、予め人体の活動状態を無人状態不動状態、座位状態、立位状態、軽い作業状態、重作業状態などの複数の活動レベルに分けて、これらの活動レベルと活動量の出力値とを定義する。そして、既知の活動レベルに対応する活動特徴量を教師データとして、これで神経回路網の各重みを学習させる。すなわち、既知の各活動レベルに応じた活動特徴量を入力ユニットに与えて、出力ユニットから上記各活動レベルに応じた活動量が出力されるように公知の逆誤差伝播法により各重みを調節する。例えば無人状態の場合、入力ユニットに無人状態の活動特徴量を示す実験データまたは実際にカメラ1を用いて入力された無人状態から算出した活動特徴量のデータを与えて、出力ユニットから活動量0metが出力されるように各重みを調節する。この操作を、実際の神経回路網出力値と望ましい出力値との誤差が所定の出力値以下になるまで繰り返す。同様の操作を、各活動レベルで実際の出力値と望ましい出力値との誤差が所定の値以下になるまで繰り返し行う。なお、1つの活動レベルに対して1つの教師データだけを用いるのではなく、複数の教師データを用いてもよい。

0075

このように、この人体活動量算出装置20では、カメラ1によって人体を撮影し、その画像に基づいて活動量を算出しているので、人体に対して非接触で活動量を得ることができる。また、画像処理手段2によって、カメラ1と人体との距離、人体の高さを精度良く算出するので、活動特徴量を精度良く得ることができ、結果として、活動量を精度良く得ることができる。

0076

この例では、活動量変換手段4の神経回路網を構成する中間層を1層としたが、複数層としてもよい。また、階層構造を持つ神経回路網を採用したが、相互結合構造を持つ神経回路網を採用しても良い。

0077

なお、この人体活動量算出装置20は、カメラ1により人体画像をとらえるため、人体検知センサとしても使用できる。

0078

(第2実施例)図13は、この発明の第2実施例の人体活動量着衣量算出装置21のブロック構成を示している。この人体活動量着衣量算出装置21は、人体の活動量を測定する人体活動量算出装置20と、周囲環境からの熱輻射を観測する輻射センサ5と、輻射センサ5の出力に基づいて人体の着衣量を算出する着衣量演算手段を備えている。なお、人体活動量算出装置20は、第1実施例で述べたものと同じであり、ここでは詳細な説明を省略する。

0079

この人体活動量着衣量算出装置21は、人体活動量算出装置20によって活動量を算出できるのに加えて、次に述べるように、人の着衣の熱抵抗を着衣量として算出することができる。

0080

着衣量の算出方法について説明する。

0081

人体は立位状態にあるものと想定する。認識した人体の高さがある閾値より低い場合、着衣量計算は行わない。また、動体が人体と認識できない場合も着衣量の算出は行わない。

0082

着衣量演算手段6は、輻射センサ5の出力に基づいて、背景のみの輻射温度(背景輻射温度)と、背景と人体とを総和した輻射温度とを得る。連続的に数回にわたって取り込んだ画像の差分画像中に動体が抽出されないとき、その時の輻射温度を背景輻射温度と規定する。

0083

背景の熱輻射が均一であるものとする。この場合、背景と人体との総和の輻射温度と、背景輻射温度との差に対して、人体の面積部分に相当する背景輻射温度の補正を加えれば、熱源としての人体から放射される輻射熱量を計算できる。また、輻射センサ5の出力は、熱源の面積Aに比例し、輻射センサ5と熱源との距離Lの2乗に反比例する。したがって、次式(9)が成り立つ。
σ(Tcl4−To4)=1/C・V・L2/A …(9)
(ただし、σは定数、Tclは着衣の表面温度、Toは環境温度、Cは輻射センサによって決まる定数、Vは人体のみによる輻射センサの出力値、Lは人体と輻射センサとの距離、Aは人体の面積を表す。)
この式(9)から、着衣量演算手段6は着衣の表面温度Tclを算出することができる。

0084

図14気流と皮膚温度との関係を示し、図15は人体の活動量と皮膚温度の上昇分との関係を示している。図14から気温と皮膚温度は比例していることが分かり、また、図15から人体の活動量と皮膚の温度上昇分とが比例していることが分かる。したがって、推定値ではあるが、人体の皮膚温度Tskを、気温(環境温度)Toと、人体活動量算出装置20によって得た人体の活動量とに基づいて、次式(10)により算出することができる。
Tsk=T1+a・To+b・△T2 …(10)
(ただし、T1は定数、△T2は人体の動きによる皮膚温度の上昇分、a,bは比例定数を表す。)

0085

人体は常に熱を放出しているが、人体の放熱形態を伝導対流輻射のみとすれば、着衣は人体の皮膚から放出される熱の抵抗となる役目をしていると考えることができる。人体が放出する熱量は着衣を通して着衣の表面から輻射と対流により放出される。ここで、人体からの輻射による放熱量をE1、人体からの対流による放熱量をE2とすると、次式(11)が成り立つ。
El+E2=1/Icl・(Tsk−Tcl) …(11)
(ただし、Iclは着衣の熱抵抗を表す。)
ここで、人体からの輻射による放熱量E1、人体からの対流による放熱量E2は、それぞれ
E1=1/C・V・L2/A …(12)
E2=hc(Tcl−To) …(13)
(ただし、hcは対流熱伝達率を表す。)と表される。

0086

ID=000006HE=045 WI=078 LX=1110 LY=2350
ここで、対流熱伝達率hcは活動状態に応じて表4に示すように推定することができる。このように推定することにより、式(13)からE2を求めることができる。したがって、式(9),(10),(11)から、着衣量演算手段6は着衣の熱抵抗Iclすなわち着衣量を算出することができる。

0087

このように、この人体活動量着衣量算出装置21は、輻射センサ5によって人体の熱輻射を観測し、その出力に基づいて着衣量を算出しているので、人体に対して非接触で着衣量を得ることができる。また、単に季節から着衣量を推測するのではなく、実際の人体を観測して着衣量を算出しているので、着衣量を精度良く得ることができる。

0088

(第3実施例)図16は、この発明の一実施例の空気調和機50の制御系のブロック構成を示している。

0089

この空気調和機50は、人体の活動量(単位met)を算出する人体活動量算出装置20と、室内温度センサ10と、コンプレッサファンモータおよび風向ルーバ制御モータ等を含むアクチュエータ31と、アクチュエータ31を制御する制御手段としての制御回路30を備えている。

0090

人体活動量算出装置20は、第1,第2実施例のものと同じである。図17に示すように、人体活動量算出装置20のカメラ1は、この空気調和機50の室内機の前面に取り付けられている。カメラ1の高さhは、在室者Mの全身が撮れるように床面FLから1.8m以上に設定されている。カメラ1の傾き角度は下向きに設定され、室RMの中心を含む角度αの範囲がカメラの視野範囲となっている。

0091

図18は、快適指標であるPMVの算出式を用いて、冷房時)と暖房時)における人体の活動量(met)と快適な室内温度快適温度)との関係を示している。快適指標PMVを算出するには、平均的な湿度、輻射温度、気流速度、在室者の着衣量(例えば夏は0.5clo、冬は1cloに固定)を設定した。この活動量と快適温度との関係をあらかじめ制御回路30の記憶部に記憶させておく。

0092

運転時は、まず室内温度センサ10が室内の温度を測定し、人体活動量算出装置20が在室者の位置と活動量を測定する。そして、制御回路30が、記憶部にある上記活動量と快適温度との関係に基づいて、在室者の活動量に対する快適温度を決定する。制御回路30は、この快適温度と室内温度とを比較して、室内温度が快適温度に近づくようにアクチュエータ31を制御する。

0093

この空気調和機50を実験的に動作させたときの結果を説明する。図19は、夏(冷房時)と冬(暖房時)の平均的な湿度、輻射温度、着衣量(夏は0.5clo、冬は1cloに固定)の状態で、気流速度(風速)と温度とを変化させて、在室者が快適であると感ずる関係を調べたときの結果を示している。この快適な温度と気流速度との関係から、室内温度の変化に応じて快適な気流速度を決定することができる。気流速度を決定したならば、この気流速度を室内ファンモータ回転数に換算する。詳しくは、気流速度を、室内ファンモータ回転数の吹出性能と、平均的な在室者とファンモータとの距離とを用いて、実験的に室内ファンモータ回転数に換算する。図20は、このように求めた室内温度と室内ファンモータ回転数との関係を示している。この室内温度と快適なファンモータ回転数を制御回路30の記憶部に記憶させておく。快適性はPMVの算出式にみられるように、温度、気流の関数であり、また空気調和機50は気流の温度と風速で室内を制御するものであるから温度と風速の双方を制御することが望ましい。

0094

人が不満を持たない環境を空気調和機50で作り出すとき、快適指標であるPMVの算出パラメータ要素のうち快適性に最も影響の大きいパラメータは温度と気流速度である。また、温冷感で最も影響の大きいパラメータは温度である。そこで、空気調和機50を制御する場合、まず、人体活動量算出装置20により活動量を得て、制御回路30が快適温度を決定し、室内温度を快適温度に近づける。このとき、室内ファンモータ回転数を、室内温度が最短時間で快適温度となるように制御する。また、冷房時には、在室者の位置が素早く快適温度に近づくように、ルーバ角度を、在室者の方向へ気流を流すように制御する。暖房時には、ルーバ角度を、在室者の足元へ気流を流すように制御する。そして、室内温度と快適温度との差がある程度小さくなった時点で、先の室内温度と快適な気流速度を与える室内ファンモータ回転数との関係から室内ファンモータの快適な回転数を得て、この回転数となるように室内ファンモータ回転数を制御する。

0095

室内が快適温度にあり、在室者の活動量が座位など1.2met以下である場合は、ルーバ角度を制御して、在室者に直接風が当たらないようにする。また、在室者の活動量が座位以下の0.7met以下である場合は、在室者が睡眠に入ったと判断して、一定時間の経過後、空気調和機50の運転能力下げる。または運転を停止しても良い。さらに、活動量が0.7met以下の状態から所定値以上に大きくなったような場合は、在室者が活動を始めたと判断し、自動的に空気調和機50を運転させても良い。

0096

このように、この空気調和機50は、在室者の活動量に応じて快適な室内温度、気流速度を提供することができる。

0097

(第4実施例)図21は、この発明の第4実施例の空気調和機51の制御系のブロック構成を示している。

0098

この空気調和機51は、人体の活動量(単位met)および着衣量(単位clo)を算出する人体活動量着衣量算出装置21と、室内温度センサ10と、湿度センサ11と、輻射センサ12と、風速センサ13と、PMV演算手段32と、コンプレッサ、ファンモータおよび風向ルーバ制御モータ等を含むアクチュエータ31と、PMV演算手段32からの情報に基づいて上記アクチュエータ31を制御する制御回路33を備えている。

0099

人体活動量着衣量算出装置21は第2実施例のものと同じである。人体活動量着衣量算出装置21のカメラ1と輻射センサ12は、この空気調和機51の室内機の前面に取り付けられ、在室者を観測できるように室内の中心に向けられている。

0100

人体活動量着衣量算出装置21が人体の活動量と着衣量を実測する。この結果、快適指標であるPMV値算出式におけるパラメータをすべて実測できることになる。

0101

PMV演算手段32は室内温度、湿度、輻射温度、気流速度、着衣量、活動量の6要素からPMV算出式によってPMV値を算出する。制御回路33は、PMV演算手段からのPMV値に基づいてこの値が−0.5から0.5の範囲となるようにアクチュエータ31を制御する。

0102

このようにして、この空気調和機51は、室内温度センサ10、室内湿度センサ11、室内輻射センサ12、風速センサ13と、人体活動量着衣量算出装置21との情報に基づいて、設定温度、ファンモータ回転数、ルーバ角度を制御する。

0103

この空気調和機51によれば、正確な人体活動量および着衣量に基づいてPMV値を算出し、これを快適性の評価基準としてアクチュエータ31を制御し、PMV値を0近傍に維持するので、在室者に対して、時々刻々の活動量の変化、毎日の着衣量の変化に即応した快適な温熱環境を提供することができる。

0104

なお、上記説明では快適指標としてPMV値を基準におく制御を述べたがこれに限るものではない。

0105

(第5実施例)図22は、この発明の第5実施例の人体異常通報機60のブロック構成を示している。

0106

この人体異常通報機60は、人体の活動量(met)を算出する人体活動量算出装置20と、この人体活動量算出装置20の出力に基づいて人体に異常が発生したか否かを判断する人体異常検出手段40と、警報発生手段としての信号発信機41およびスピーカ42を備えている。

0107

この例では、人体活動量算出装置20のカメラ1はトイレや浴室などの個室RMの壁に取り付けられる。図23はトイレにカメラ1を設置した場合を例示している。カメラ1の傾き角度は在室者Mを観測できるように下向きに設定され、室RMの中心を含む角度αの範囲がカメラの視野範囲となっている。スピーカ42は、居間や寝室などの常時人がいる場所に設置されている。

0108

上記室RMに人が入ってきた場合、図24に示すように、カメラ1の視野範囲1sに人が入る。カメラ1の画面上では人Mの姿は視野1sの端から現れて中央に移り、目的が終わると視野1sの中央から端へ移り、しかる後視野1sから外れる。

0109

図25に示すように、人体活動量算出装置20が必ず人体の活動位置や活動量を検知する(S21)。人Mが室RM内で正常に活動を行っていれば、必ず一定量以上の活動量が計測される。しかし、室内で事故や病気など人体に異常が起これば動きが鈍くなり、停止するため、活動位置の変動がないまま活動量が著しく下がる。そこで、人体異常検出手段40は、人体の位置変動がなく、活動量がある値より小さい状態で一定時間以上続いたとき、人体に異常が発生したものと判断する。この例では、活動量が0.7met以下の状態が20分以上続いたとき、異常が発生したものと判断して異常検出信号を出力する。(S22,S23)。そして、信号発信機41は、この異常検出信号に応じて鳴動信号発信して(S24)、スピーカ42を鳴動させる(S25)。したがって、人Mに異常が発生したことを、居間、寝室などにいる家族の他の者に直ちに通報することができる。

0110

このようにして、この人体異常通報機60は、人体活動量算出装置20の情報に基づいて、人体の活動状態を判断して、人体に異常が発生したことを直ちに通報することができる。したがって、家族の他の者は医者を呼ぶなど、必要な行動を素早くとることができる。

0111

なお、この人体異常通報機60では、人体活動量算出装置20のカメラ1を設置すべき場所として、トイレや浴室など常に人体の活動がなされ、かつ発見遅れると危険度の高い場所を想定している。寝室や居間など常時人がいる場所には適用しない。

0112

なお、この例では、異常が発生したことをスピーカ42の音で通報することとしたが、通報する手段は音に限られるものではない。警報用ランプなどを用いて、光などで通報しても良い。

発明の効果

0113

上より明らかなように、請求項1の人体活動量算出装置は、撮像手段によって人体を撮影し、その画像に基づいて活動量を算出しているので、人体に対して非接触で活動量を得ることができる。また、上記画像処理手段によって、上記撮像手段と上記人体との距離および上記人体の高さを精度良く算出するので、活動量特徴量を精度良く得ることができ、結果として、活動量を精度良く得ることができる。

0114

また、請求項2の人体活動量算出装置では、上記画像処理手段は、上記差分の画像に現れた動体の上縁の形状が弓形であるか否かに基づいて、上記動体が人体であるか否かを認識する。人体の頭部は通常弓形の形状になっているので、上記動体が人体であるか否かを精度良く判断できる。また、このとき同時に、人体の頭部の高さも検出できる。したがって、上記撮像手段と上記人体との距離および上記人体の高さをさらに精度良く算出でき、結果として、活動量をさらに精度良く算出できる。

0115

また、請求項3の人体活動量算出装置では、上記活動特徴量演算手段は、上記画像中の人体を含むすべての動体の移動速度および移動面積を算出して、人体全体の移動速度、移動面積だけでなく、人体の各部位の移動速度、移動面積も活動量特徴量の算出に用いる。この結果、例えば、腕のみ、足のみというような局部的な動きも活動量に反映させることができ、活動量をさらに精度良く得ることができる。

0116

また、請求項4の人体活動量算出装置では、上記活動量変換手段の神経回路網が望ましい値の活動量を出力するように学習を行うことができる。すなわち、既知の活動レベルを表す活動特徴量を神経回路網の入力層に入力して、神経回路網の出力層が望ましい値の活動量を出力するように、例えば公知の逆誤差伝播法により、各神経回路ユニットの重み付けを調節することができる。したがって、活動量をさらに精度良く得ることができる。

0117

また、請求項5の人体活動量着衣量算出装置は、輻射センサによって人体の熱輻射を観測し、その出力に基づいて着衣量を算出しているので、人体に対して非接触で着衣量を得ることができる。また、単に季節から着衣量を推測するのではなく、実際の人体を観測して着衣量を算出しているので、着衣量を精度良く得ることができる。

0118

また、請求項6の空気調和機では、制御手段は、人体活動量算出装置が算出する人体の活動量に基づいて各種アクチュエータを制御する。したがって、在室者の活動量に応じて、室内の温熱環境を快適な状態に制御できる。

0119

また、請求項7の空気調和機では、制御手段は、人体活動量着衣量算出装置が算出する人体の活動量および着衣量に基づいて各種アクチュエータを制御する。この場合、従来用いられている室温、湿度、輻射温度、気流速度と、上記人体活動量着衣量算出装置が算出する人体の活動量、着衣量とを併せて、快適指標であるPMV値を決める温熱6要素すべてに基づく制御を行うことができる。したがって、室内の温熱環境をよりきめ細かく、快適な状態に制御できる。

0120

また、請求項8の人体異常通報機では、人体異常検出手段は、人体活動量算出装置が算出する人体の活動量に基づいて、観測中の人体の活動量が一定量以下である状態が一定期間以上続いたとき、上記人体に異常が発生したと判断する。したがって、人体に異常が発生して動けなくなったときに、そのことを他人に素早く通報することができる。この結果、医者を呼ぶなど、素早い対処が可能となる。

図面の簡単な説明

0121

図1この発明の第1実施例の人体活動量算出装置のブロック構成を示す図である。
図2上記人体活動量算出装置のカメラを設置した状態を概念的に示す図である。
図3上記人体活動量算出装置の概略動作フローを示す図である。
図4上記人体活動量算出装置の画像処理手段の動体フローを示す図である。
図5画面から抽出した図形の形状が弓形であるか否かを判断する方法を説明する図である。
図6画面から抽出した図形の形状が弓形であるか否かを判断する方法を説明する図である。
図7頭頂部とカメラとの位置関係を概念的に示す図である。
図8透視投影の原理を説明する図である。
図9活動レベルと移動面積との関係を表す実験データを示す図である。
図10活動レベルと(移動速度/人体検出回数)との関係を表す実験データを示す図である。
図11神経回路網の構成を示す図である。
図12神経回路ユニットの変換関数を例示する図である。
図13この発明の第2実施例の人体活動量着衣量算出装置のブロック構成を示す図である。
図14気温と皮膚温度の関係を示す図である。
図15活動量と皮膚温度上昇との関係を示す図である。
図16この発明の第3実施例の空気調和機の制御系のブロック構成を示す図である。
図17室内にカメラを設置したときのカメラの視野を概念的に示す図である。
図18活動量と快適な室内温度との関係を示す図である。
図19室内温度と快適な気流速度との関係を示す図である。
図20室内温度とファンモータ回転数との関係を示す図である。
図21この発明の第4実施例の空気調和機の制御系のブロック構成を示す図である。
図22この発明の第5実施例の人体異常通報機のブロック構成を示す図である。
図23トイレにカメラを設置したときのカメラの視野を概念的に示す図である。
図24カメラが人体を撮影したときの画像を概念的に示す図である。
図25上記人体異常通報機の動作フローを示す図である。

--

0122

1カメラ
2画像処理手段
3 活動特徴量演算手段
4活動量変換手段
5輻射センサ
6着衣量演算手段
20人体活動量算出装置
21 人体活動量着衣量算出装置
30,33制御回路
31アクチュエータ
32PMV演算手段
40 人体異常検出手段
50,51空気調和機
60 人体異常通報機

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