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技術 廃棄物から固形燃料を製造する方法及びその固形燃料の利用方法

出願人 太平洋セメント株式会社
発明者 柴崎英夫和田千春増田賢太永田憲史
出願日 1994年12月22日 (25年6ヶ月経過) 出願番号 1994-336542
公開日 1996年7月9日 (23年11ヶ月経過) 公開番号 1996-176567
状態 未査定
技術分野 固体廃棄物の処理 固形燃料及び燃料附随物
主要キーワード 発熱成分 産廃物 ロールプレス成形 環境汚染対策 塩化物イオン量 廃棄物重量 固化作用 自燃性
関連する未来課題
重要な関連分野

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目的

廃棄物から塩素含有量の少ない固形燃料を製造する。この固形燃料をを有効に利用する。

構成

可燃性の廃棄物を乾式又は湿式でたとえば30mm以下程度に粉砕した後、必要に応じて、この粉砕物水洗し又は水中に分散させ、これを脱水してケーキを得、このケーキに固化作用及び/又は吸水性を有する粉粒物を混合する。さらに、この混合物成形したり、乾燥させたりしてもよい。製造した固形燃料をセメント自燃原料及び/又はセメント焼成時の燃料として使用する。

概要

背景

従来の廃棄物処理は、可燃物であれば焼却して減容化した後に埋設処理し、不燃物であれば埋設処理することが一般的に行なわれている方法である。しかしながら、近年、可燃性廃棄物の高カロリー化が進んだため、焼却温度の上昇により焼却設備に大きな負担がかかること、また、焼却温度の上昇が塩化水素有害物質の生成を促し、深刻な環境汚染をもたらすことなど、様々な問題が表面化している。一方、不燃物や焼却灰の埋設処理についても、用地獲得に伴う自然破壊の問題、あるいは周辺の環境汚染の問題から、容易に埋設処理することは困難になっている。 そのため、廃棄物の再資源化エネルギー化に対する関心が高まっており、それに伴い、再資源化のための分別技術や、より効率的にエネルギー化するための固体燃料化あるいは液体燃料化の技術も現われてきた。

例えば、廃棄物の固形燃料化の技術については、特開平4ー80296号公報に示されているように、厨芥類を含む廃棄物でも、生石灰のような無機物の混合により安定的な固形物に変換することが可能になり、処理物長期保存運搬が容易になった。また、これらを燃焼させることにより、燃料の一部として代替することも可能となり、廃棄物処理によるエネルギーリサイクル方法としても有用性の高いものである。

ところで、廃棄物の中には様々な物質が混在するので、製造された固形燃料を燃焼すると、その燃焼温度により塩素ガスを発生させる場合がある。例えば、可燃産廃物に含まれる塩素成分は、厨芥類に含まれる種々の塩化物から発生すると考えられる。これらの塩素成分は、動物細胞あるいは植物細胞の中に取り込まれているため、物理的に抽出することは困難である。このような厨芥類を含む産廃物を従来の技術により固形燃料化した場合、その燃料中には一般に2000ppm 〜5000ppm の塩素を含有する。そして、これらが800℃〜900℃で燃焼されると、相当量の塩素ガスを発生し、塩化水素、ダイオキシン等の人体に有害な化合物を生成する危険性が高い。さらに、塩素ガス自体は、常温乾燥状態であれば金属に対する侵食性は低いが、少量の水分の共存により著しい腐食作用を示すこともよく知られている。すなわち、廃棄物から製造した固形燃料中の塩素成分は、廃棄物の燃焼によって生成した二酸化炭素と水により著しい腐食作用を呈することになる。しかしながら、こうした腐食作用に対して抵抗力のある高温材料は現状では存在しないため、廃棄物から製造した固形燃料を燃焼する装置では、早期の寿命劣化が懸念されている。

また、これまでの廃棄物再資源化技術では、廃棄物の焼却処理を安定的に実施できるように廃棄物燃料発熱量を均質化したり、機械的に可燃物と不燃物を出来るだけ分別し、得られた廃棄物燃料の単位重量当たりの発熱量を増大させることが重要であった。しかし、燃焼後の焼却灰については、やはり埋設処理する以外には方法がなく、その焼却灰埋設地の獲得や、埋設地域周辺の環境汚染対策等、最終処理問題については依然解決されていないのが現状である。

このように廃棄物を原料とする固形燃料は再生資源を利用する側の設備に解決困難な問題を多数発生させているが、その対策利用者の対応に委ねられており、廃棄物処理工程の中で抜本的対策はなされていない。

概要

廃棄物から塩素含有量の少ない固形燃料を製造する。この固形燃料をを有効に利用する。

可燃性の廃棄物を乾式又は湿式でたとえば30mm以下程度に粉砕した後、必要に応じて、この粉砕物水洗し又は水中に分散させ、これを脱水してケーキを得、このケーキに固化作用及び/又は吸水性を有する粉粒物を混合する。さらに、この混合物成形したり、乾燥させたりしてもよい。製造した固形燃料をセメント自燃原料及び/又はセメント焼成時の燃料として使用する。

目的

本発明の目的は、上述したような種々の問題を解決するために、可燃性の廃棄物の固形燃料化において、燃焼時に装置の腐食や有害物質の発生を伴わない低塩素含有の固形燃料の製造方法を提供するものであり、かつ、製造された固形燃料を有効に資源化するための利用方法を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

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請求項1

可燃性廃棄物を乾式で粉砕した後、この粉砕物水洗し又は水中に分散させ、これを脱水してケーキを得、このケーキに固化作用及び/又は吸水性を有する粉粒物を混合することを特徴とする廃棄物から固形燃料を製造する方法。

請求項2

可燃性の廃棄物を湿式で粉砕した後、この粉砕物を脱水してケーキを得、このケーキに固化作用及び/又は吸水性を有する粉粒物を混合することを特徴とする廃棄物から固形燃料を製造する方法。

請求項3

上記廃棄物の粉砕後に、この粉砕物を水洗し又は水中に分散させ、ついで、これを脱水することを特徴とする請求項2に記載の廃棄物から固形燃料を製造する方法。

請求項4

上記ケーキに上記粉粒物を混合した後、成形することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の廃棄物から固形燃料を製造する方法。

請求項5

上記ケーキに上記粉粒物を混合した後、乾燥することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の廃棄物から固形燃料を製造する方法。

請求項6

上記廃棄物の粉砕物の大きさを30mm以下にすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の廃棄物から固形燃料を製造する方法。

請求項7

請求項1ないし6のいずれかに記載の方法により得られた固形燃料をセメント自燃原料及び/又はセメント焼成時の燃料として使用することを特徴とする固形燃料の利用方法

技術分野

0001

本発明は、廃棄物から固形燃料を製造する方法及びその固形燃料の利用方法係り、特に塩素含有量の少ない固形燃料を製造し、さらに、これを有効に利用する方法に関する。

背景技術

0002

従来の廃棄物処理は、可燃物であれば焼却して減容化した後に埋設処理し、不燃物であれば埋設処理することが一般的に行なわれている方法である。しかしながら、近年、可燃性の廃棄物の高カロリー化が進んだため、焼却温度の上昇により焼却設備に大きな負担がかかること、また、焼却温度の上昇が塩化水素有害物質の生成を促し、深刻な環境汚染をもたらすことなど、様々な問題が表面化している。一方、不燃物や焼却灰の埋設処理についても、用地獲得に伴う自然破壊の問題、あるいは周辺の環境汚染の問題から、容易に埋設処理することは困難になっている。 そのため、廃棄物の再資源化エネルギー化に対する関心が高まっており、それに伴い、再資源化のための分別技術や、より効率的にエネルギー化するための固体燃料化あるいは液体燃料化の技術も現われてきた。

0003

例えば、廃棄物の固形燃料化の技術については、特開平4ー80296号公報に示されているように、厨芥類を含む廃棄物でも、生石灰のような無機物の混合により安定的な固形物に変換することが可能になり、処理物長期保存運搬が容易になった。また、これらを燃焼させることにより、燃料の一部として代替することも可能となり、廃棄物処理によるエネルギーリサイクル方法としても有用性の高いものである。

0004

ところで、廃棄物の中には様々な物質が混在するので、製造された固形燃料を燃焼すると、その燃焼温度により塩素ガスを発生させる場合がある。例えば、可燃産廃物に含まれる塩素成分は、厨芥類に含まれる種々の塩化物から発生すると考えられる。これらの塩素成分は、動物細胞あるいは植物細胞の中に取り込まれているため、物理的に抽出することは困難である。このような厨芥類を含む産廃物を従来の技術により固形燃料化した場合、その燃料中には一般に2000ppm 〜5000ppm の塩素を含有する。そして、これらが800℃〜900℃で燃焼されると、相当量の塩素ガスを発生し、塩化水素、ダイオキシン等の人体に有害な化合物を生成する危険性が高い。さらに、塩素ガス自体は、常温乾燥状態であれば金属に対する侵食性は低いが、少量の水分の共存により著しい腐食作用を示すこともよく知られている。すなわち、廃棄物から製造した固形燃料中の塩素成分は、廃棄物の燃焼によって生成した二酸化炭素と水により著しい腐食作用を呈することになる。しかしながら、こうした腐食作用に対して抵抗力のある高温材料は現状では存在しないため、廃棄物から製造した固形燃料を燃焼する装置では、早期の寿命劣化が懸念されている。

0005

また、これまでの廃棄物再資源化技術では、廃棄物の焼却処理を安定的に実施できるように廃棄物燃料発熱量を均質化したり、機械的に可燃物と不燃物を出来るだけ分別し、得られた廃棄物燃料の単位重量当たりの発熱量を増大させることが重要であった。しかし、燃焼後の焼却灰については、やはり埋設処理する以外には方法がなく、その焼却灰埋設地の獲得や、埋設地域周辺の環境汚染対策等、最終処理問題については依然解決されていないのが現状である。

0006

このように廃棄物を原料とする固形燃料は再生資源を利用する側の設備に解決困難な問題を多数発生させているが、その対策利用者の対応に委ねられており、廃棄物処理工程の中で抜本的対策はなされていない。

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、上述したような種々の問題を解決するために、可燃性の廃棄物の固形燃料化において、燃焼時に装置の腐食や有害物質の発生を伴わない低塩素含有の固形燃料の製造方法を提供するものであり、かつ、製造された固形燃料を有効に資源化するための利用方法を提供するものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、かかる実情に鑑み鋭意検討した結果、可燃性の廃棄物から固形燃料を製造する際、廃棄物の粉砕と、その水洗とを有機的に組合せ、さらに、これを脱水した後、固化作用及び/又は吸水性を有する粉粒物を混合することによって、塩素含有量が極めて少ない、例えば塩素含有量が500ppm 以下の固形燃料を製造することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、第1の発明は、可燃性の廃棄物を乾式で粉砕した後、この粉砕物を水洗し又は水中に分散させ、これを脱水してケーキを得、このケーキに固化作用及び/又は吸水性を有する粉粒物を混合することにより、塩素含有量が極めて少ない固形燃料を製造するものである。

0009

第2の発明は、可燃性の廃棄物を湿式で粉砕した後、この粉砕物を脱水してケーキを得、このケーキに固化作用及び/又は吸水性を有する粉粒物を混合することにより、塩素含有量が極めて少ない固形燃料を製造するものである。そして、第2の発明の方法において、廃棄物の粉砕後に、この粉砕物を水洗し又は水中に分散させてから、脱水し、粉粒物を混合する方法を採用することもできる。

0010

また、上述した第1及び第2の発明の方法において、粉粒物の混合後に、必要に応じて、混合物成形したり、乾燥させたりすることもできる。さらに、上述した第1及び第2の発明の方法において、廃棄物の粉砕を30mm以下にすると、塩素の分離その他の面で有効である。

0011

第3の発明は、上述した方法によって製造した固形燃料をセメント自燃原料及び/又はセメント焼成時の燃料として使用するものである。

0012

続いて本発明の詳細を以下に述べる。先ず、本発明で用いる廃棄物は可燃物に分別されているものを対象とする。すなわち、可燃性の廃棄物を対象とするが、このものは一般家庭から収集される生活廃棄物も含まれるため、その中には、燃焼中に発熱成分として作用する厨芥類が含まれている。廃棄物を可燃物に限定するのは、目的とする最終製品が固形燃料であり、発熱量確保のためにも、金属類の不燃物の混入を極力避けるためである。

0013

これらの産廃物は先ず、乾式で粉砕するか、あるいは水を分散媒として湿式で粉砕する。この粉砕は以下に述べるように水と廃棄物の接触面積を増大させることが目的であり、この目的が達せられるのであれば、粉砕方法としては乾式、湿式のいずれを用いてもよい。続いて粉砕物は水洗又は水中に分散する。なお、湿式で粉砕したものは、既に水中での分散がなされているので、この工程は省略することもできる。粉砕物を水洗又は水中に分散する目的は、粉砕された可燃性の廃棄物に含まれる塩素成分を出来るだけ水中に抽出するためである。可燃性の廃棄物中に含まれる塩素成分は、主に塩分に起因するものであるため、水に対して容易に溶出し、しかも水温にあまり左右されない比較的大きい溶解度を有するので、こうした水洗又は水中に分散することにより、塩素の分離が可能となる。

0014

なお、廃棄物と水の接触面積が増大するほど、すなわち廃棄物が小さければ小さいほど塩素は溶出しやすくなるので、粉砕度を高めた廃棄物であれば使用する水量を軽減でき、水に分散せずとも水洗のみで本発明の効果を得ることができるので、以下に続く種々の工程におけるハンドリング等を考慮した場合、粉砕物の大きさとしては30mm以下にすることが望ましいが、粉砕に関わるコスト等を考慮した場合、5mm程度以上が好ましい。

0015

ついで、水洗又は水に分散した粉砕物を脱水する。脱水は言うまでもなく固形燃料化に不可欠な操作であるが、ここでは後工程におけるハンドリングや塩素成分の除去のため、ケーキ含水量については充分な配慮が必要とされる。すなわち、粉砕物に含まれる水分中には厨芥類から抽出された塩素イオンが溶解しているので、固形燃料中の塩素量を減少させるためには、この時点で出来るだけ固形分から水分を除去し、塩素を固形燃料製造工程の系外へ除去する必要がある。ただし、水洗操作を充分に行なったものでは、溶液中に残存する塩素は著しく低下しているので、こうした場合には、含水量に対して余り注意払う必要はない。また、固形燃料としての保形性を確保するためには、後工程でセメントや生石灰等の固化作用や吸水性を有する添加材を配合するが、これらの操作を十分に考慮して、ケーキ含水量を決定する必要がある。

0016

続いて、脱水されたケーキに、固化作用あるいは吸水性あるいはこの両者の性質を合わせ持つ粉粒物を添加して混合する。このような粉粒物の添加は脱水物に保形性を与えて、後工程でのハンドリングを容易にすることが目的である。ここで、固化作用や吸水性を有する粉粒物とは、セメント、石膏ドロマイトプラスター、生石灰、消石灰フライアッシュ高炉スラグ珪酸カルシウム珪酸ナトリウムシリカゾルポリビニルアルコールメチルセルロースカルボキシメチルセルロースデンプン珪藻土ベントナイトカオリナイトゼオライトゼラチン寒天等が挙げられるが、これらを単独もしくは2種以上を併用して使用することができる。なお、本発明において、固化作用を有する粉粒物とは、ケーキ中の水分と化合して固化するものをいい、吸水性を有する粉粒物とは、ケーキ中の水分を吸収することで成形時の保形性を向上させるものである。

0017

このようにして得られた混合物は必要に応じて成形する。成形は固形燃料としての形状を得るために行なうが、その形状、大きさ、均一性、強度、硬度等は、要求にあわせて適宜に設定することができる。また、成形方法についても、上記の目的が達成できれば、特に限定するものではないが、例えば押し出し成形脱水プレス成形あるいはロールプレス成形等で対応できる。なお、燃焼設備によっては、粉粒状の燃料が供給できるものもあるので、この場合には、成形工程は不要となる。

0018

また、上述した脱水ケーキと粉粒物との混合物は後工程を考慮して乾燥してもよい。乾燥は固形燃料としての熱量確保を目的に行なうものであり、混合物に含まれる水分が多い場合には、極力実施した方が良い。なお、乾燥工程は成形後に組み込んでもよいし、成形を必要としない場合には混合物を直接乾燥してもよい。

0019

このようにして得られた固形燃料は、従来の技術により製造された固形燃料よりも塩素含有量が少ないため、燃焼方法や装置の材質に大きな制約を受けることなく利用することができる。例えば、発電用あるいは空調用等、各種ボイラーの燃料としても装置の腐食を軽減あるいは抑止することができる。

0020

また、このような固形燃料においては、燃焼後の焼却灰も安全にかつ完全に処分できればなお好ましい。本発明により得られた固形燃料は、セメントの自燃原料及び/又はセメント焼成時の燃料として有効に利用することができ、さらに、 燃焼により灰分を約25%発生するが、この成分はセメントの構成元素と同様な元素すなわちカルシウム珪素アルミニウム、鉄を含むため、セメント原料の一部として位置づけることができる。すなわち、この固形燃料は自燃性だけでなく、約4000kcal/kg の発熱量を有するので、セメント焼成時の燃料の一部に代替することができ、しかも燃焼に伴う焼却灰はセメントに化合されるため、外部に放出されない。

0021

なお、従来の技術により廃棄物から製造した固形燃料をセメント製造に使用すると、固形燃料中に含まれる2000ppm 〜5000ppm の塩素が、セメント焼成時にセメント鉱物中に化合されることになる。したがって、従来の方法で製造したこの種の固形燃料の場合、その使用量にもよるが、これを使用して得られたセメントはJISーR−5210に規定されるセメント中塩化物イオン量の上限値を超越する可能性が高く、事実上利用することは困難である。これに対して、本発明により得られる固形燃料では、含有塩素が500ppm 以下とすることができるため、セメント製造の原料代替に使用されても、セメント中の塩化物イオン量が上限値を超越する可能性はなく、自燃性を有するセメント原料として使用することができる。また、この固形燃料の灰分は、ほとんどが珪酸炭素を中心とする化合物であり、珪酸はセメントの原料になり、炭素は燃料に代替できるため、焼却灰も外部に放出されず、通常の廃棄物処理のように最終処分時の焼却灰の拡散による環境汚染の懸念もない。

0022

さらに、通常の焼却処理では焼却温度の関係から有機系有害物質の発生が憂慮されているが、セメントの焼成温度は1400℃以上になるのですべての有機系有害物質は分解されるため、最も効率的で安全かつ完璧な廃棄物処理方法といえる。次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例によりなんら制約を受けるものではない。

0023

実施例1
使用した可燃性の廃棄物の固形分は、紙類が28.5重量%、プラスチック類が15.2重量%、厨芥類が52.8重量%、衣類が3.1重量%、金属類が0.4重量%の組成で構成され、このうち可燃分は75.8重量%であり、この廃棄物中に含まれる塩素含有量は4200ppm であった。この組成の廃棄物を原料とし、固形燃料の製造を実施した。先ず、この廃棄物10kgをジョークラッシャーにより乾式で30mm以下に粉砕し、この粉砕物を樹脂製の濾布を施した濾板上に分散し、廃棄物重量の10倍相当量の水を散水し、水洗を行った後、濾布付きの圧縮プレス機で元の粉砕物重量の2.8倍になるまで脱水した。得られた脱水物に対して、セメントを10重量%添加し、モルタルミキサーで均一に混合後、押し出し成形機投入し、直径20mmの円筒形に成形し固形燃料を得た。得られた固形燃料の発熱量は4200kcal/kg であり、塩素含有量は420ppm であった。

0024

実施例2
使用した可燃性の廃棄物の固形分は紙類が31.5重量%、プラスチック類が13.4重量%、厨芥類が50.1重量%、衣類が4.2重量%、金属類が0.8重量%の組成で構成され、このうち可燃分は78.1重量%であり、この廃棄物中に含まれる塩素含有量は3900ppm であった。この組成の廃棄物を原料とし、固形燃料の製造を実施した。先ず、この廃棄物10kgをジョークラッシャーにより乾式で30mm以下に粉砕し、この粉砕物を樹脂製の濾布を施した濾板上に分散し、廃棄物重量の10倍相当量の水を散水し、水洗を行った後、濾布付きの圧縮プレス機で元の粉砕物重量の2.5倍になるまで脱水した。得られた脱水物に対して、生石灰を10重量%添加し、モルタルミキサーで均一に混合後、押し出し成形機に投入し、直径20mmの円筒形に成形し固形燃料を得た。得られた固形燃料の発熱量は4500kcal/kg であり、塩素含有量は460ppm であった。

0025

実施例3
使用した可燃性の廃棄物の固形分は紙類が33.5重量%、プラスチック類が14.0重量%、厨芥類が45.8重量%、衣類が5.4重量%、金属類が1.3重量%の組成で構成され、このうち可燃分は79.4重量%であり、この廃棄物中に含まれる塩素含有量は3200ppm であった。この組成の廃棄物を原料とし、固形燃料の製造を実施した。先ず、この廃棄物10kgをジョークラッシャーにより乾式で30mm以下に粉砕し、次に廃棄物重量の10倍相当量の水道水混合槽貯水後、粉砕した廃棄物を投入し、10r.p.m.の回転速度で混合し、この混合物を樹脂製濾布付きの圧縮プレス機で元の粉砕物重量の2.7倍になるまで脱水した。得られた脱水物に対して、セメントを10重量%添加し、さらに生石灰もセメントと同量添加し、再度モルタルミキサーで均一に混合後、押し出し成形機に投入し、直径20mmの円筒形に成形後、この成型物を105℃の熱風乾燥器に投入し、2時間乾燥後取り出し固形燃料を得た。得られた固形燃料の塩素含有量は250ppm であり、発熱量も4600kcal/kg を有する固形燃料を得た。

0026

実施例4
使用した可燃性の廃棄物の固形分は紙類が31.5重量%、プラスチック類が11.2重量%、厨芥類が52.8重量%、衣類が3.7重量%、金属類が0.8重量%の組成で構成され、このうち可燃分は76.8重量%であり、この廃棄物中に含まれる塩素含有量は4000ppm であった。この組成の廃棄物を原料とし、固形燃料の製造を実施した。先ず、この廃棄物10kgをすでに廃棄物重量の10倍の水道水を満たした貯槽に投入し、貯槽下に設置したディスクミルにより30mm以下に粉砕し、この粉砕物を濾布付きの圧縮プレス機で元の粉砕物重量の2.5倍になるまで脱水した。得られた脱水物に対して、石膏を10重量%添加し、モルタルミキサーで均一に混合後、直ちに押し出し成形機に投入し、直径20mmの円筒形に成形し固形燃料を得た。得られた固形燃料の発熱量は3700kcal/kg であり、塩素含有量は400ppm であった。

0027

実施例5
使用した可燃性の廃棄物の固形分は紙類が34.5重量%、プラスチック類が11.8重量%、厨芥類が47.8重量%、衣類が4.5重量%、金属類が1.4重量%の組成で構成され、このうち可燃分は69.7重量%であり、この廃棄物中に含まれる塩素含有量は3000ppm であった。この組成の廃棄物を原料とし、固形燃料の製造を実施した。先ず、この廃棄物10kgをすでに廃棄物重量の10倍の水道水を満たした貯槽に投入し、貯槽下に設備したディスクミルにより30mm以下に粉砕し、この粉砕物を樹脂製の濾布を施した濾板上に分散し、廃棄物重量の10倍相当量の水を散水し水洗を行った後、この粉砕物を濾布付きの圧縮プレス機で元の粉砕物重量の2.2倍になるまで脱水した。得られた脱水物に対して、生石灰を10重量%添加し、モルタルミキサーで均一に混合後、さらに珪酸ナトリウムを2重量%を添加し、再度モルタルミキサーで均一に混合後、直ちに押し出し成形機に投入し、直径20mmの円筒形に成形し固形燃料を得た。さらにこの成形物を105℃の熱風乾燥器に投入し、2時間乾燥後取り出し固形燃料を得た。得られた固形燃料の塩素含有量は190ppm であり、発熱量も5000kcal/kg 有する固形燃料を得た。

0028

実施例6
使用した可燃性の廃棄物の固形分は紙類が45.5重量%、プラスチック類が10.2重量%、厨芥類が35.8重量%、衣類が6.1重量%、金属類が2.4重量%の組成で構成され、このうち可燃分は78.2重量%であり、この廃棄物中に含まれる塩素含有量は2500ppm であった。この組成の廃棄物を原料とし、固形燃料の製造を実施した。先ず、この廃棄物10kgをジョークラッシャーにより乾式で30mm以下に粉砕し、この粉砕した廃棄物を廃棄物重量の10倍相当量の水道水を貯水した混合槽に投入し、10r.p.m.の回転速度で混合し、この混合物を樹脂製濾布付きの圧縮プレス機で元の粉砕物重量の2.5倍になるまで脱水した。得られた脱水物に対して、珪藻土を5重量%添加し、さらにカルボキシメチルセルロースを0.1重量%添加し、再度モルタルミキサーで均一に混合後、押し出し成形機に投入し、直径20mmの円筒形に成形後、この成形物を105℃の熱風乾燥器に投入し、2時間乾燥後取り出し固形燃料を得た。得られた固形燃料の塩素含有量は120ppm であり、発熱量も5100kcal/kg を有する固形燃料を得た。

0029

実施例7
使用した可燃性の廃棄物の固形分は紙類が52.2重量%、プラスチック類が8.2重量%、厨芥類が30.8重量%、衣類が6.6重量%、金属類が1.9重量%の組成で構成され、このうち可燃分は75.2重量%であり、この廃棄物中に含まれる塩素含有量は2000ppm であった。この組成の廃棄物を原料とし、固形燃料の製造を実施した。先ず、この廃棄物10kgをジョークラッシャーにより乾式で30mm以下に粉砕し、この粉砕した廃棄物を廃棄物重量の10倍相当量の水道水を貯水した混合槽に投入し、10r.p.m.の回転速度で混合し、この混合物を樹脂製濾布付きの圧縮プレス機で元の粉砕物重量の2.5倍になるまで脱水した。得られた脱水物に対して、ドロマイトプラスターを10重量%添加し、押し出し成形機に投入し、直径20mmの円筒形に成形後、この成形物を105℃の熱風乾燥器に投入し、2時間乾燥後取り出し固形燃料を得た。得られた固形燃料の塩素含有量は170ppmであり、発熱量も4500kcal/kg を有する固形燃料を得た。

0030

実施例8
使用した可燃性の廃棄物の固形分は紙類が63.5重量%、プラスチック類が18.2重量%、厨芥類が15.2重量%、衣類が2.6重量%、金属類が0.5重量%の組成で構成され、このうち可燃分は82.2重量%であり、この廃棄物中に含まれる塩素含有量は1800ppm であった。この組成の廃棄物を原料とし、固形燃料の製造を実施した。先ず、この廃棄物10kgをジョークラッシャーにより乾式で30mm以下に粉砕し、この粉砕した廃棄物を廃棄物重量の10倍相当量の水道水を貯水した混合槽に投入し、10r.p.m.の回転速度で混合し、この混合物を樹脂製濾布付きの圧縮プレス機で元の粉砕物重量の2.5倍になるまで脱水した。得られた脱水物に対して、ベントナイトを5重量%添加し、さらに、デンプンを2重量%加え、モルタルミキサーで均一に混合後、押し出し成形機に投入し、直径20mmの円筒形に成形後、この成形物を105℃の熱風乾燥器に投入し、2時間乾燥後取り出し固形燃料を得た。得られた固形燃料の塩素含有量は120ppm であり、発熱量も6500kcal/kg を有する固形燃料を得た。

0031

実施例9
実施例3で得られた固形燃料をセメント原料の一部に利用してセメントの試作を行った。セメントの原料として、炭酸カルシウム100重量部、珪酸20重量部、水酸化アルミニウム10重量部、酸化第二鉄3重量部を粉砕混合し、加圧成形後、1000℃の電気炉で5時間仮焼成を行い、予備焼成物を調製した。この予備焼成物10重量部に対して実施例3で得られた固形燃料を3重量部粉砕混合し、1500℃の電気炉で7時間焼成後、粉砕して廃棄物からなる固形燃料を原料の一部としたセメントを作成した。得られたセメントはJISーR−5210に規定されているセメントの化学的組成ならびに物性値満足するものであった。

0032

実施例10
実施例1で得られた固形燃料をセメント原料の一部に利用してセメントの試作を行った。時間当り200トンセメントクリンカーを製造しているプラントの仮焼炉から実施例1で得られた固形燃料を時間あたり20トン投入し、この作業を3時間継続したのち、当該クリンカー採取し、粉砕後、石膏を5%添加しセメントを得た。このセメントをJISーR−5210に規定されているセメントの化学的組成ならびに物性の調査を行なった結果、すべての項目を満足するものであった。

0033

比較例1
実施例1で使用した可燃性の廃棄物と同じく、固形分は紙類が28.5重量%、プラスチック類が15.2重量%、厨芥類が52.8重量%、衣類が3.1重量%、金属類が0.4重量%の組成で構成され、このうち可燃分は75.8重量%であり、この廃棄物中に含まれる塩素含有量は4200ppm である廃棄物を原料とし、固形燃料の製造を実施した。先ず、これら廃棄物をジョークラッシャーにより乾式で30mm以下に粉砕し、セメントを10重量%添加し、モルタルミキサーで均一に混合後、押し出し成形機に投入し、直径20mmの円筒形に成形し固形燃料を得た。得られた固形燃料の塩素含有量は3000ppm で発熱量は4000kcal/kg であり、塩素含有量から見て良質の固形燃料には成り得ないと判断された。

0034

比較例2
比較例1で得られた固形燃料を用い、セメントの試作を行った。時間当り200トンのセメントクリンカーを製造しているプラントの仮焼炉から比較例1で得られた固形燃料を時間あたり20トン投入し、この作業を3時間継続し、製造したクリンカーを採取した。採取したクリンカーを粉砕後、クリンカーに対して5%の石膏を添加し、セメントを得た。得られたセメントはJISーR−5210に規定されているセメントの品質のうち、塩化物イオン量が規定の0.02%を越え、0.03%の含有量を示した。

発明の効果

0035

本発明の方法によって製造した固形燃料は、塩素含有量が極めて少なく、燃焼時における有害物質の発生と燃焼装置の腐食を大きく軽減し、燃焼設備の建設費用の軽減をはかることが可能になる。さらにこの固形燃料は、セメント製造における自燃原料あるいはセメント焼成時の燃料となり、燃焼に伴って発生する焼却灰はセメント中に化合されるため、最終処理の必要がなくなる。これらの作用は廃棄物の再資源化の課題である廃棄物処理に伴うコスト高に対して有効であり、セメント製造以外でもエネルギー代替として広く活用が期待される。

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