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技術 貼付剤

出願人 フェリック株式会社
発明者 宮下永二
出願日 1994年12月21日 (26年8ヶ月経過) 出願番号 1994-335841
公開日 1996年7月9日 (25年1ヶ月経過) 公開番号 1996-175979
状態 特許登録済
技術分野 医薬品製剤
主要キーワード 圧縮空気噴出口 圧縮炭酸ガス 初期タック力 外皮表面 多孔質面 ODT 噴気口 吸水性ポリマー層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年7月9日)のものです。
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図面 (8)

目的

本発明は、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体及び/又は吸水層が皮膚から滲出した等の体液を吸収して粘着力の低下を防止する結果、貼付剤の剥がれが防止されたり、外皮との密着性の低下を阻止し、これによって、薬物の経皮吸収性を向上させたり、又、担持体及び/又は吸水層が皮膚から滲出した汗等の体液を吸収する結果、皮膚のふやけ皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間にわたって防止されるので、安全性が著しく高い貼付剤を提供することを目的とする。

構成

本発明は、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が吸水性を有するもので形成されていることを特徴とする。

概要

背景

一般に、罨法経皮治療システムに用いられる貼付剤は、粘着層と、これを担持する膜状の担持体とを備えており、必要に応じて発熱体薬物貯蔵層が設けられている。上記粘着層はゴム系粘着剤、あるいは、アクリル系粘着剤を担持体の片側全面にローラー回転ブラシドクターブレードなどによって塗布することにより形成されている。

概要

本発明は、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体及び/又は吸水層が皮膚から滲出した等の体液を吸収して粘着力の低下を防止する結果、貼付剤の剥がれが防止されたり、外皮との密着性の低下を阻止し、これによって、薬物の経皮吸収性を向上させたり、又、担持体及び/又は吸水層が皮膚から滲出した汗等の体液を吸収する結果、皮膚のふやけ皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間にわたって防止されるので、安全性が著しく高い貼付剤を提供することを目的とする。

本発明は、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が吸水性を有するもので形成されていることを特徴とする。

目的

本発明は、上記技術的課題に鑑み完成されたものであって、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体及び/又は吸水層が皮膚から滲出した汗等の体液を吸収して粘着力の低下を防止する結果、貼付剤の剥がれが防止されたり、外皮との密着性の低下を阻止し、これによって、薬物の経皮吸収性を向上させたり、又、担持体及び/又は吸水層が皮膚から滲出した汗等の体液を吸収する結果、皮膚のふやけや皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間にわたって防止されるので、安全性が著しく高い貼付剤を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が吸水性を有するもので形成されていることを特徴とする貼付剤。

請求項2

担持体が吸水性の紙、織布又は不織布で形成されている請求項1に記載の貼付剤。

請求項3

外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が支持体と、この支持体と上記粘着層の間に介在された吸水層からなることを特徴とする貼付剤。

請求項4

粘着層が担持体に部分的に形成されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項5

支持体が合成樹脂製のフィルム又はシートで形成されている請求項3又は4に記載の貼付剤。

請求項6

支持体が合成樹脂製の不織布又は織布で形成されている請求項3又は4に記載の貼付剤。

請求項7

支持体が合成樹脂製のフィルム又はシートと、合成樹脂製の不織布又は織布の積層体で形成されている請求項3又は4に記載の貼付剤。

請求項8

吸水層が吸水性の紙、織布又は不織布からなる請求項3ないし7のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項9

吸水層が吸水性ポリマーで形成された層である請求項3ないし7のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項10

吸水層が吸水性の紙、織布又は不織布と、これに担持された吸水性ポリマー層からなる請求項3ないし7のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項11

粘着層がホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤発泡体で形成され、且つこの発泡体が連通孔を有する層である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項12

粘着層がホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤の糸状体で形成された層である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項13

粘着層がホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤の発泡体と糸状体の混合体で形成された層である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項14

ホットメルト型高分子物質がA−B−A型ブロック共重合体飽和ポリエステル系高分子物質アクリル系高分子物質ウレタン系高分子物質、ポリアミド系高分子物質、ポリオレフィン系高分子物質又はポリオレフィン系共重合体或いはこれらの変性体である請求項11ないし13のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項15

ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤がホットメルト型高分子物質、脂環族系石油樹脂及び軟化剤で形成されている請求項11ないし14のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項16

ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤がホットメルト型高分子物質5〜40重量部、脂環族系石油樹脂5〜55重量部及び軟化剤5〜55重量部で形成されている請求項15に記載の貼付剤。

請求項17

粘着層が合成樹脂及び/又はゴムエマルジョンを用いて形成された粘着剤の多孔質体である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項18

粘着層には経皮吸収性の薬物が含有されている請求項1ないし17のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項19

担持体における粘着層側と反対側に発熱体が積層されている請求項1ないし18のいずれか1項に記載の貼付剤。

請求項20

発熱体が通気性を有する袋と、これの内部に封入された発熱体組成物とからなる請求項19に記載の貼付剤。

請求項21

通気性フィルム透湿量がASTM法(E−96−80D法)で50〜800g/m2・24hrのものである請求項20に記載の貼付剤。

請求項22

発熱体が、順に積層された薄膜抵抗断熱層及び充電可能な電池と、スイッチとを備える請求項19に記載の貼付剤。

技術分野

0001

本発明は、外皮貼付されて患部治療温熱効果を与える貼付剤に関するものであり、特に、等の体液による粘着力の低下、皮膚のふやけ皮膚炎の発生などを長期間にわたって防止できるようにした貼付剤に関するものである。

背景技術

0002

一般に、罨法経皮治療システムに用いられる貼付剤は、粘着層と、これを担持する膜状の担持体とを備えており、必要に応じて発熱体薬物貯蔵層が設けられている。上記粘着層はゴム系粘着剤、あるいは、アクリル系粘着剤を担持体の片側全面にローラー回転ブラシドクターブレードなどによって塗布することにより形成されている。

発明が解決しようとする課題

0003

ところで、従来の貼付剤においては、貼付剤が覆っている皮膚から放散される熱が貼付剤によって閉じ込められるので、その部分の皮膚温度が高くなり、発汗作用が促進される。この場合、貼付剤に発熱体が設けられると、この発汗作用は一層促進される。

0004

そして、この発汗作用によって皮膚から滲出した汗等の体液によって粘着層の粘着力が低下し、剥がれ易くなったり、又は、皮膚表面と粘着層の間に汗等の体液が滞留して皮膚がふやけたり、皮膚炎や皮膚の痒み等が発生するという課題が発生する。

0005

又、このように皮膚表面と粘着層の間に汗等の体液が滞留すると、皮膚との密着性が低下して薬物の経皮吸収性が低下したり、低温やけどが生じ易く、薬理効果や安全性が低下する等の課題がある。

0006

本発明は、上記技術的課題に鑑み完成されたものであって、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体及び/又は吸水層が皮膚から滲出した汗等の体液を吸収して粘着力の低下を防止する結果、貼付剤の剥がれが防止されたり、外皮との密着性の低下を阻止し、これによって、薬物の経皮吸収性を向上させたり、又、担持体及び/又は吸水層が皮膚から滲出した汗等の体液を吸収する結果、皮膚のふやけや皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間にわたって防止されるので、安全性が著しく高い貼付剤を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本願の第1の発明に係る貼付剤は、上記の目的を達成するために、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が吸水性を有するもので形成されていることを特徴とするものである。

0008

本願の第2の発明に係る貼付剤は、上記の目的を達成するために、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が支持体と、この支持体と上記粘着層の間に介在された吸水層からなることを特徴とするものである。

0009

この明細書において、外皮とは健常なものだけでなく、患部も含めた意味であり、又、本発明とは本願の第1と第2の発明を含む概念である。

0010

更に、この貼付剤において、発熱体を積層したものは、単に外皮に熱を与えて寒さを凌ぐために用いられるものの他、患部に温熱を加えることにより、例えば薬物治療効果が乏しい慢性疾患や温熱による治療効果が期待できる人体などの生体の部位に適用されたり、経皮吸収性の薬物投与によって治療効果が期待できる人体などの生体に適用されるものである。

0011

本願の第1の発明と第2の発明の相違は担持体が異なる点にあり、まず本願の第1の発明を詳細に説明し、次いで、本願の第2の発明について詳細に説明する。

0012

本願の第1の発明に係る貼付剤(以下、本願第1発明と略称する。)は、上記の目的を達成するために、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が吸水性を有するもので形成されていることを特徴とするものである。

0013

即ち、本願第1発明においては、吸水性を有する担持体の全面或いは部分的に、通水性を有する粘着層が形成されている点に最も大きな特徴を有する。

0014

本願第1発明で用いられる担持体としては、使用中や取扱中に破損しない程度の強度を有し、しかも吸水性を有するものであれば特に限定されるものではない。

0015

具体的には、例えばパルプ天然繊維等で形成された紙や不織布或いは織布、或いは合成樹脂製の発泡体に、後述の吸水性ポリマー粉末を保持させたもの、合成樹脂製の繊維に、後述の吸水性ポリマーをコーティングしたもので形成された不織布や織布等、種々のものが挙げられる。

0016

これらのうち、特に、吸水性を向上させたパルプやレーヨンで形成された織布や不織布が好ましい。

0017

又、本発明で用いられる粘着層としては、外皮に貼着され、且つ通水性を有するものであれば特に限定されるものではない。

0018

本発明において、通水性とは皮膚から滲出した汗等の体液が担持体側に透過できる機能を有することであって、粘着層に多数の微細連通孔を有するものなどをいう。

0019

具体的には、例えば以下の粘着層が挙げられる。即ち、例えば粘着層に、高エネルギー電子線やレーザー等の照射線照射して連通孔(貫通孔)を形成した層でも良く、或いは粘着層がホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤の発泡体で形成され、且つこの発泡体が連通孔を有する層でも良いのである。

0020

又、本発明に用いられる他の粘着層としては、粘着層がホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤の糸状体で形成された層、つまり粘着剤の糸状体を重ねて形成した粘着層、或いは粘着層がホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤の発泡体と糸状体の混合体で形成された層、等が挙げられる。

0021

この粘着層の厚さとしては特に限定されるものではないが、5〜1000μm、特に、10〜500μm、更に好ましくは15〜250μmとするのが好ましく、粘着層の厚さが、5μm未満になると所要の粘着力を得られない場合があり、一方、1000μmを超えると使用感が悪くなるだけでなく、経済性が悪くなるので好ましくない。

0022

本発明で用いられる粘着剤としては、通水性の粘着層が得られるものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤或いはホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤等が挙げられるが、これらのうち、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤は、初期タック力が強く、低温ないし常温での粘着性が非常に優れ、しかも、上述のように、発泡等によって多数の微細な連通孔を有する粘着層を簡単に形成できるので最も有利である。

0023

本発明において、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤としては、ホットメルト型高分子物質を含有するものであれば良く、従って、他の成分、例えば他の粘着剤、粘着賦与剤、老化防止剤充填剤、粘着調整剤、粘着改良剤着色剤消泡剤増粘剤改質剤防カビ剤抗菌剤殺菌剤消臭剤又は脱臭剤等が配合されていても良い。

0024

本発明において、通水性とは皮膚から滲出した汗等の体液が担持体側に透過できる機能を有することであって、粘着層に多数の微細な連通孔を有するものなどをいう。

0025

例えば、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤をノズルから糸状に吐出するにあたり、ノズルが円を描くように一方向に移動させつつ加圧強制的に糸状の粘着剤を吐出させたり、或いはノズルをジグザグに移動させつつ加圧、強制的に糸状の粘着剤を適宜二次元方向に吐出させる等、担持面の全面或いは部分的に粘着層を形成しても良いのである。

0026

このように構成すると、粘着層に連通孔が形成されたり、交差された糸状体の間や糸状体と糸状体の間が連通し、通水性を有する粘着層が形成される。

0027

更に、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤を用いる場合には、この粘着剤を発泡させることにより通水性を有する粘着層を形成することができ、この粘着剤を発泡させて形成した粘着層は以下の理由で最も好ましい。

0028

まず、この粘着層は、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤を、空気もしくは窒素ガス炭酸ガス等を用いて発泡させたものであり、この発泡によって体積が元の粘着剤の1倍を超え数倍に膨張するのである。

0029

この発泡体の特性としては、本来の粘着性を維持することは勿論、発泡によって原料の削減、多孔質面や粗大面に対する接着性の向上及びシール性の向上等の利点があるが、特に、このような発泡体を用いると、弾力性が著しく向上して人体皮膚凹凸面にも追従して密着し、しかも粘着性及び使用感が良好である上、剥離時の苦痛が無く、又、温熱を与えたとき、粘着層が発泡体であり、この発泡体が熱伝導を制御して低温火傷が生じ難い等、貼付剤に適用することによって、極めて多くの利点を発現するのである。

0030

つまり、この粘着発泡体は、粘着力が大であり、粘着発泡体内に形成される気孔内気体弾性変形するので、弾力性、伸縮性及び柔軟性が著しく高められ、人体の動作によって凹凸が変化する体表面に全面的になじませて密着させることが容易になり、換言すると、外皮との追従性が良好で、外皮との密着性が一層増大するのである。その結果、外皮の凹凸面に対しても弾力的に順応して粘着するので、粘着強度の低下は生じ難い上、使用感が高められる。

0031

又、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤の発泡倍率を制御することによって、弾力性、凹凸面への追従性や密着性、更に粘着性及び使用感、剥離時の苦痛、断熱性熱伝導性等を容易に制御できるのである。

0032

更に、発泡率を制御することにより、容易に熱伝導性を制御することができるので、発熱体から体表面への熱伝導を制御して低温火傷を防止することが容易になる。

0033

加えて、この粘着剤の発泡体とは、化学的発泡或いは物理的発泡に拘わらず、又、連通孔又は独立気泡と連通孔が混在したものなど、いずれのものでも良いが、外皮に適用されるものであるから、常温で粘着性を有するものであることを要する。

0034

上記化学的発泡方法とは無機系発泡剤又は有機系発泡剤もしくはこれらの混合物を用い、その分解反応の際に発生する窒素ガスや炭酸ガスを利用して発泡させる方法であり、上記物理的発泡とは粘着剤に圧縮空気圧縮窒素圧縮炭酸ガスなどの気体を圧力などの物理力によって混入させ、大気圧の環境下に吐出することによって発泡させる方法である。

0035

これらの発泡方法の中では、特に、特公昭60−3350号公報、特開昭62−87267号公報、特公昭63−17295号公報、特開平1−59023号公報に記載されている物理的発泡方法が以下に述べる理由より、望ましい。

0036

これらの物理的発泡方法は、ホットメルト型高分子物質を含有する粘着剤中に、空気や窒素ガス更に炭酸ガス等の加圧気体機械的に、しかも加熱混入して均一に分散した後、大気圧下で発泡させたものであるから、発泡剤を用いるものに比べて圧力条件加熱温度条件等の設定が容易であり、しかも無数の微細な連通孔が形成された比較的均質な発泡体が再現性良く得られる。

0037

つまり、その発泡率は粘着剤の粘度に関連する温度と、加圧気体の圧力とに依存するので、発泡剤を用いる場合に比べて、所要の発泡率の粘着剤発泡体を得るための温度条件及び圧力条件を設定し易い。

0038

また、この物理的発泡方法において、発泡率を安定させるためにはノズルからの粘着剤の噴出量ないし噴出速度加圧空気の圧力とを安定させればよいので、均質な粘着剤の発泡体、つまり粘着層を得ることが容易である。

0039

この物理的発泡方法を実施する場合、発泡率の制御精度を高めるためには、ノズルから噴出する粘着剤にできるだけ早く圧縮気体を接触させることが好ましいので、例えば、粘着剤を噴出する粘着剤噴出口の周囲に圧縮気体を噴出する噴気口を開口させ、粘着剤の噴出と同時に圧縮気体を粘着剤に接触させることが好ましい。

0040

又、粘着剤を噴出する粘着剤噴出口は、同時にできるだけ広範囲に粘着剤を噴出して、塗工時間を短縮するため、スリット状にしたり、多数の粘着剤噴出口を列状に順に隣接させて設けたりすることが好ましい。

0041

更に、予め所定の形状の粘着発泡体を形成した後、この粘着発泡体を担持体に転着させてもよいが、工程数の削減によるコストダウンを図るため、圧縮気体を接触させながら担持体の粘着層担持面に向かって粘着剤を噴射して、直接に粘着層担持面に形成する方法が好ましい。

0042

本発明で用いられるホットメルト型高分子物質としては、上記目的を達成できるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えばA−B−A型ブロック共重合体飽和ポリエステル系高分子物質ポリアミド系高分子物質、アクリル系高分子物質ウレタン系高分子物質、ポリオレフィン系高分子物質又はポリオレフィン系共重合体或いはこれらの変性体、若しくはこれらの2種以上の混合物が挙げられる。

0043

この変性体とは、ホットメルト型高分子物質の成分の一部を他の成分に置き換えてホットメルト型高分子物質の性質、例えばホットメルト型高分子物質の粘着性の改善や安定性等を変えたものをいう。

0044

上記A−B−A型ブロック共重合体において、Aブロックはスチレンメチルスチレン等のモノビニル置換芳香族化合物Aで、非弾性重合体ブロックであり、Bブロックはブタジエンイソプレン等の共役ジエン弾性重合体ブロックであり、具体的には、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられるのであり、また、これらを混合して用いても良いのである。

0045

A−B−A型ブロック共重合体の市販品の例としては、具体的にはカリフレックスTR−1101、カリフレックスTR−1107、カリフレックスTR−1111(シェル化学製)、或いはフィリップトロリアム製のソルプレン418等が挙げられる。

0046

本発明において、粘着剤がホットメルト型高分子物質、脂環族系石油樹脂及び軟化剤で形成されているものが有益であり、この粘着剤は、上述の方法で発泡される。

0047

本発明において、ホットメルト型高分子物質としては、上述のものが挙げられる。このホットメルト型高分子物質は、粘着剤中の主ポリマーであり、これを用いて形成した粘着剤の発泡体は、優れた保形性を有し、しかも初期タックがあり、常温時や加温時の粘着性が良好で、且つ粘着後における粘着力が安定しているのである。

0048

又、本発明において、脂環族系石油樹脂は、粘着性賦与剤であり、ホットメルト型高分子物質との組合せにより、所要の粘着特性が得られる。

0049

脂環族系石油樹脂とは、環状骨格を持った石油系樹脂であり、具体的には、例えばロジン脱水ロジン、脱水素ロジンのグリセリンエステル類ガムロジンのグリセリンエステル類、水添ロジン、水添ロジンのメチルエステル類、水添ロジンのグリセリンエステル類、水添ロジンのペンタエリトリットロジン類重合ロジン、重合ロジンのグリセリンエステル類、クマロンインデン樹脂水添石油樹脂無水マレイン酸変性ロジン、ロジン誘導体類又はC5系石油樹脂等が挙げられるのであり、貼付剤に所要の粘着力を賦与するために、単独或いは2種以上を組み合わせて適宜用いられる。

0050

その具体的な市販品の例としては、例えばアルコンP−85、アルコンP−100、アルコンP−125(荒川化学製)等、クイントン(日本ゼオン製)、エスコレッツ3000(エクソン製)等が挙げられる。

0051

又、本発明で用いられる軟化剤はホットメルト型高分子物質を溶解ないし分散させて軟化させるものであり、ホットメルト型高分子物質と脂環族系石油樹脂の組み合わせによって、適度の保形性や柔軟性更に粘着力を発現させるのである。この軟化剤としては高級脂肪酸液化ゴム鉱油等が挙げられる。

0053

ところで、この粘着剤には、所望により、他の成分、例えば他の粘着剤、粘着賦与剤、老化防止剤、充填剤、粘着調整剤、粘着改良剤、着色剤、消泡剤、増粘剤、改質剤、防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭剤又は脱臭剤等が適宜適量配合されても良いのである。

0054

本発明においては、密着性、粘着性、使用感及び皮膚からの剥離性等の観点から、粘着層がホットメルト型高分子物質5〜40重量部、脂環族系石油樹脂5〜55重量部及び軟化剤5〜55重量部で形成されたもの、特に、粘着層がホットメルト型高分子物質10〜30重量部、脂環族系石油樹脂10〜50重量部及び軟化剤15〜45重量部で形成されており、このものを発泡させた発泡体や糸状体更にこれらの混合体が、弾力性があって人体皮膚の凹凸面にも追従して密着し、しかも粘着性及び使用感が良好である上、剥離時の苦痛が無く、又、温熱を与えたとき、低温火傷が生じ難いので望ましい。

0055

本発明で好適に用いられる粘着層の他例としては合成樹脂及び/又はゴムのエマルジョンを用いて形成された粘着剤の多孔質体が挙げられる。

0056

即ち、合成樹脂及び/又はゴムのエマルジョンは水及び/又は溶剤を比較的多量に含有するが、これを、例えば剥離紙等の剥離シート(支持体又はライナー等)上に形成し、これを、後述の方法で架橋した後、乾燥すると、溶剤を含む場合には、まず、溶剤が蒸発し、次いで、水が蒸発するが、この際に、連通孔が形成される。

0057

この場合において、合成樹脂及び/又はゴムのエマルジョンが溶剤を含まない場合には、多量の水を含有するが、これを、例えば剥離紙等の剥離シート(支持体又はライナー等)上に形成し、これを、後述の方法で架橋した後、乾燥すると、水が蒸発するが、この際に、連通孔が形成される。

0058

ところで、この架橋は多量の水及び/又は溶剤が蒸発する際に、連通孔が形成されるが、これを放置すると、この連通孔が粘着剤の流動等の現象によって塞がれる。

0059

従って、この架橋は粘着剤を架橋することによって、粘着剤の流動等を抑制して連通孔が塞がれるのを阻止するのであるから、合成樹脂及び/又はゴムのエマルジョンを、例えば剥離紙等の剥離シート(支持体又はライナー等)上に形成し、これを乾燥して連通孔を形成した後、直ちに架橋しても良いのである。

0060

しかしながら、合成樹脂及び/又はゴムのエマルジョンを乾燥中や乾燥した後、架橋するまでの間に、連通孔が塞がれる虞れが有るから、乾燥前に、予め、粘着剤を架橋するのが望ましい。

0061

本発明において、合成樹脂及び/又はゴムのエマルジョンとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えばアクリル系エマルジョンエチレンー酢酸ビニル系エマルジョン酢酸ビニルエマルジョンウレタン系エマルジョン硬化型酢酸ビニルエマルジョン、天然ゴム合成ゴムなどのゴムラテックスが挙げられるのであり、この合成ゴムラテックスとしては、例えばニトリルゴムラテックススチレンブタジエンラテックスクロロプレンゴムラテックス、スチレンイソプレンゴムラテックス等が挙げられる。

0062

本発明においては、所要により、粘着剤が架橋される。

0063

即ち、粘着剤が架橋されていると、熱安定性が向上し、加温時のダレやべたつき更に糊残りが極めて少なくなって使用感が良好になり、しかも加温時の粘着力や保形性も良好になり、更に薬物の保持性が向上する。

0064

この粘着剤の架橋方法としては特に限定されるものではないが、具体的には、例えば紫外線や電子線等の照射線を、得られた粘着剤の発泡体に直接照射したり、支持体又はライナーの上で直接、照射線架橋を行ったり、あらかじめ別の装置で照射線架橋を行い、転移により粘着剤の発泡体を支持体上に転着しても良いのである。

0065

照射線架橋としては、例えば特公昭62−39184号公報に準じて行うことができる。そして、例えば、紫外線の場合、通常300〜680nmで5〜30分間照射、電子線の場合、通常1〜20Mradで、照射時間1〜60秒である。勿論、粘着剤に種々の化学的架橋剤を加え、化学的に架橋しても良いのである。

0066

ところで、本発明においては、粘着剤を上述の方法で架橋し、次いで、これを支持体又はライナーの上に形成した後、水及び/又は溶剤を蒸発して連通孔を形成しても良いのである。

0067

又、本発明においては、粘着剤を上述の方法で架橋し、次いで、これを発泡させたものを支持体又はライナーの上に形成しても良いのである。

0068

本発明においては、粘着剤がホットメルト型高分子物質とアクリル系粘着剤の混合物からなるものが、これらの混合比を変更することによって、種々の粘着力や発泡状態の異なる粘着剤が得られるので望ましい。

0069

この場合、ホットメルト型高分子物質とアクリル系粘着剤の混合比は、ホットメルト型高分子物質70〜99重量%とアクリル系粘着剤1〜30重量%の範囲から、貼付剤の用途や形態、つまり後述する発熱体を具備するものか否か等によって、任意に決定される。

0070

本発明においては、粘着剤に経皮吸収性の薬物を配合することにより、局所治療効果を向上させたり、全身治療効果を向上させたり、温熱効果によって循環活発になった血液などに薬物を吸収させて一層効果的に生体内の各部に薬物を循環させることができるので、各部位の投与効果を一層高める上ですこぶる好ましい。

0071

本発明で用いられる薬物としては、経皮吸収性のものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば皮膚刺激剤、鎮痛消炎剤、中枢神経作用剤睡眠鎮静剤抗てんかん剤、精神神経用剤)、利尿剤血圧降下剤冠血管拡張剤、鎮咳去痰剤抗ヒスタミン剤不整脈用剤、強心剤副腎皮質ホルモン剤局所麻酔剤等が挙げられる。これら薬効成分は、一種又は必要に応じて二種以上配合されて用いられる。

0072

この薬物の含有量としては薬効を期待できる範囲であれば特に限定されるものではないが、薬理効果や経済性更に粘着力等の観点より、経皮吸収性の薬物の含有量が粘着剤100重量部に対し0.01〜25重量部、特に0.5〜15重量部の範囲で適宜決定される。

0073

本発明においては、担持体における粘着層側と反対側に発熱体が積層され、この発熱体で温熱効果を発現させるように構成したものが有益である。

0074

この発熱体としては外皮に適用されて温熱効果を発現するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば化学的な反応熱を利用するもの、抵抗体電力を供給して発生するジュール熱を利用するもの、等が挙げられる。

0075

発熱体において、化学的な反応熱を利用するものとしては空気の存在下で発熱する、いわゆる発熱カイロ等が挙げられる。この発熱体組成物としては、例えば特公昭60−12381号公報、特公昭61−8116号公報及び特公昭63−24030号公報等、種々のものが提案されているが、特に、その組成としては鉄粉系、反応助剤、水及び保水剤から構成されるもので、空気の存在下で発熱する物質が好ましい。具体的には還元鉄粉活性炭、保水剤、塩化ナトリウム塩化カリウム等の塩化物等の発熱体組成物を適宜配合したものである。

0076

この場合、発熱体の温度条件としては低温火傷を発生しない範囲に制御することが重要であり、この観点から、粘着層(発泡体)の表面温度が38〜43℃に制御するのが好ましい。

0077

この温熱型の貼付剤は、期において、単に、人体に温熱を供給して快適に過ごすことができるだけでなく、局所のこり、疼痛及び冷え等を伴う症状、例えば肩こり筋肉痛筋肉のこり、腰痛手足の冷え、神経痛リューマチ打ち身、捻挫等の疾患に使用され、温熱による治療効果を充分に期待できるのである。

0078

本発明で用いられる発熱体としては特に限定されるものではないが、特に、以下に述べる発熱体が、低温火傷の発生がなく安全であり、又、優れた温熱効果を比較的長時間にわたって提供できるうえ、使用中に異臭がなく、しかも発熱体組成物の偏りがないので使用感が優れる結果、至極有益である。

0079

本発明においては、発熱体が通気性を有する袋と、これの内部に封入された発熱体組成物とからなるものが挙げられるが、特に、本発明で好適に用いられる発熱体としては、少なくとも片面通気性フィルムで構成された開放部のない偏平状袋体の内部に、鉄粉40〜75重量%、活性炭1〜10重量%、塩化ナトリウム等の塩化物1〜10重量%、水10〜40重量%及び保水剤1〜40重量%からなる発熱体組成物を封入してなるものが望ましい。

0080

この場合において、発熱体からの温熱を一層厳格に制御して、一層安全で、しかも一層優れた温熱効果を確保するために、特に、通気性フィルムの透湿量がASTM法(E−96−80D法)で50〜800g/m2・24hrのものが望ましい。

0081

このように、透湿度で通気性フィルムを管理するのは、温度が安定するだけでなく、発熱時間もほぼ一定化するからである。

0082

即ち、このように、温度範囲を38〜43℃という微妙な範囲に設定するには、発熱体組成物の組成と、フィルム通気度で管理するのではなく、透湿度で管理する必要があり、しかも通気性フィルムの透湿度をASTM法(E−96−80D法)で50〜800g/m2・24hrとすることにより、空気(酸素)と発熱体組成物との酸化反応による発熱と、水の蒸散等による放熱バランスによって温度が制御されるのである。

0083

又、透湿度を上記範囲にコントロールすることにより、空気(酸素)と発熱体組成物との酸化反応によって酸素が消費され(減圧状態)、一方、発熱によって蒸気圧が上昇するが、この両方の相殺によっても偏平状袋体内は減圧状態になり(蒸気圧の上昇より空気中の酸素の消費による体積の減少の方が大)、このため発熱体組成物は偏平状袋体によって押圧されるので発熱体組成物が固定され、偏りがなく、従って、温熱型の貼付剤の形状が一定で、しかも貼付剤全面の温度が均一になるので、優れた温熱型の貼付剤が得られるのである。

0084

事実、このように水蒸気透過性を制御した通気性フィルムを用いると、使用中の温度変化が小さく、しかもロット間のバラツキが極めて小さく安定した温度特性が再現性良く得られる。

0085

本発明に用いられる偏平状袋体は片面が通気性フィルムで構成された開放部のないものであって、該通気性フィルムの透湿量がASTM法(E−96−80D法)で50〜800g/m2・24hrの範囲のものである。

0086

又、上記偏平状袋体においてその他面は上記の通気性フィルムと同様のものを用いて形成してもよく、或いは他のフィルムやシートを用いて形成してもよいのであり、通気性や透湿性の有無は問わない。

0088

又、上記偏平状袋体は、目的に応じて2層以上の樹脂層で形成されたものでもよいが、その素材の選択に当たり、ヒートシール性があり、簡単に熱融着できるものを選ぶのが好ましい。この場合、2層以上の樹脂層が熱融着できないときには、その間にホットメルト系接着フィルムを介在させてこれらの樹脂層を接合してもよいが、このように構成することにより、片面の通気性フィルムの透湿性が失われないように注意することを要する。

0089

ところで、この袋の強度を増大させるために、更に、織布又は不織布からなる通気性補強用フィルムを積層するのが望ましく、この場合、この織布又は不織布からなる通気性補強用フィルムで袋の片面、或いは両面を補強してもよい。

0090

この通気性補強用フィルムとしては、例えば、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテートアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の人工繊維、綿、等の天然繊維から選ばれる1種または2種以上の素材を用いて形成される。

0091

上記ASTM法(E−96−80D法)とは以下に述べる方法である。即ち、カップ内径(直径)6.18cm、高さ1.5cmの容器内に純水20mlを入れ、該容器の上面を通気性フィルムで閉蓋してロウで固定し、これを恒温(32.2℃)、恒湿(50%)の中に24時間放置する。次いで、この容器内の水の減少量を測定し、放出(蒸散)した水の量を[g/m2・24hr]に換算して表示する。

0092

通気性フィルムの透湿量が、50g/m2・24hr未満であると発熱量が少な過ぎて温湿布効果が乏しくなるので好ましくなく、一方、800g/m2・24hrを超えると温度が上昇して最高温度が50℃を超える場合があり、このため、低温火傷の危険性があるのでこの場合も好ましくなく、従って、通気性フィルムの透湿量が、好ましくは75〜700g/m2・24hr、特に、100〜450g/m2・24hrの範囲のものが最も望ましい。

0093

又、本発明に用いられる発熱体組成物は、空気の存在下で発熱反応を起こすものが用いられるが、この発熱体組成物としては、例えば、鉄粉と、該鉄粉の酸化反応を起こさせたり、pHの調整及び触媒作用を有する活性炭、鉄粉表面の酸化皮膜破壊し、鉄粉の酸化反応を円滑に進行させるための塩化ナトリウム、更に水、及び該水によるベトツキをなくするために用いられる保水剤からなる。

0094

上記発熱体組成物はその成分比率が鉄40〜75重量%、活性炭1〜10重量%、塩化ナトリウム等の塩化物1〜10重量%、水10〜40重量%、保水剤1〜40重量%からなるものであり、この範囲以外では、低温やけどを生じることがなく安全で、しかも長時間にわたって優れた温湿布効果を発現する貼付剤を得られないのである。

0095

この場合、上記発熱体組成物は上記偏平状袋体に均一に封入されるが、その充填量は200〜5000g/m2の範囲とするのが望ましく、その充填量が、200g/m2未満であると発熱体組成物の充填量が少な過ぎて所望の温度を長時間に亘って維持できず優れた温熱効果が得られないのであり、一方、5000g/m2を超えると発熱体組成物の充填量が過剰になって袋詰めが困難になったり、貼付剤が厚くなり過ぎて使用感や携帯性が悪くなるうえ、不経済であるから好ましくない。

0096

ところで、上記発熱体組成物中の各成分は製法、用途によって種々のものがあるが、使捨てカイロに用いられるものであれば、種類、形状、純度を問わず、使用が可能である。

0097

又、上記保水剤としては、保水性が高く、発熱体組成物においてそのベトツキを無くするものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えばバーミキュライトシリカ粉木粉、吸水性ポリマーのうち少なくとも一種が挙げられる。

0098

ところで、この発熱体組成物を封入する袋は、少なくとも片面が通気性を有するフィルムからなる側面シール型、2方シール型、三方シール型封筒型、中央合掌シール型などのプラスチック小袋に形成すればよく、発熱体組成物を投入あるいは挟入してから開放部をシールすることにより密封される。

0099

この袋のシール方法としてはヒートシールが多用されるが、表裏両側のフィルム或いはシートが互いにヒートシールできない素材で作られている場合には、両側の樹脂フィルムの間にホットメルト系接着剤などの接着剤、或いは、ホットメルト系の接着フィルムを介在させて接合させることができる。

0100

本発明においては、発熱体が、順に積層された薄膜抵抗断熱層及び充電可能な電池、更にスイッチとを備えるものが、温度の制御が一層容易で、取り扱い易く、しかも低温やけどを確実に防止できるので、至極有益である。

0101

即ち、本発明においては、発熱体として、抵抗電流を流した時に生じるジュール熱を利用するものも挙げられるが、この場合、抵抗に電力を供給する電源が必要になる。

0102

この電源としては、携帯性を高めるために電池を使用することが好ましく、更に、繰り返し使用を可能にするため、充電可能な乾電池を用いることが一層好ましい。

0103

この充電可能な乾電池としては、コイン型円筒型ピン型薄膜型などのニッカド電池リチウム電池などが挙げられるが、使用感を高める上では薄膜型のものを用いることが好ましい。

0104

又、上記電池が抵抗の発熱によって過剰に加熱されることを防止したり、放熱を極力避けてジュール熱の有効利用を図るために、電池と抵抗との間に断熱層を設けることが好ましい。

0105

更に、この場合、電池から抵抗への電力の供給を断続させるために、スイッチを設けることが好ましく、このスイッチは、抵抗の発熱から保護するために、断熱層で抵抗から断熱されていることが好ましい。

0106

なお、この場合、電池から抵抗に供給される電流を制御する可変抵抗を設け、温熱効果が得られ、且つ低温やけどが発生しない温度範囲に制御できるようにすることが好ましい。

0107

本発明においては、遠赤外線効果を発現させるうえで、発熱体組成物中及び/又は発熱体における粘着層側に、遠赤外線を放射するセラミックスの粉末或いは成形体が設けるのが望ましい。

0108

即ち、上記発熱体組成物と共に、或いはこれに代えて遠赤外線を放射するセラミックスを用いることができ、このセラミックスは発熱体組成物と共に袋に封入したり、上記発熱体組成物と同様にして担持体に担持させたりすることができ、更にこのセラミックスは粘着層に担持させることもできる。

0109

本発明において、経皮吸収性薬物を用いる場合には、上述した発熱体、或いは遠赤外線を放射するセラミックスなどを併用し、温熱効果により血行などの全身作用を高めることにより、薬物の経皮吸収性を高め全身治療効果や局所治療効果を一層高めることができる。

0110

このようにして得られた温熱型の貼付剤は、冬期において、単に、人体に温熱を供給して寒さを凌ぎ、快適に過ごすことができるだけでなく、局所のこり、疼痛及び冷え等を伴う症状、例えば肩こり、筋肉痛、筋肉のこり、腰痛、手足の冷え、神経痛、リューマチ、打ち身、捻挫等の疾患に使用され、温熱による治療効果を充分に期待できるのである。

0111

次に、本願の第2の発明に係る貼付剤(以下、本願第2発明と略称する。)について説明する。

0112

本願第2発明においては、上記目的を達成するために、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が支持体と、この支持体と上記粘着層の間に介在された吸水層からなることを特徴とする。

0113

本願第1発明においては、担持体自体が吸水性を有し、この吸水性の担持体における全面或いは部分的に、通水性を有する粘着層が形成されている点に特徴を有するが、本願第2発明においては、担持体が支持体と吸水層からなり、しかもこの吸水層が支持体と通水性の粘着層の間に介在されている点に最も大きな特徴を有する。

0114

従って、本願第2発明において用いられる粘着層、経皮吸収性の薬物、発熱体や発熱体組成物等は、本願第1発明と同様なので、重複説明を避けるために省略する。

0115

ところで、本願第1発明で用いられる担持体は、吸水性を有し、しかも粘着層を担持できるものであれば特に限定されるものではないので、担持体全体が吸水性を有するもので構成することが可能であるが、この場合には、担持体が使用中に吸水によって強度が低下し、貼付剤が破損する恐れが生じる場合がある。

0116

従って、担持体を支持体と吸水層で構成し、この支持体によって貼付剤全体を補強するのが望ましい。

0117

本願第2発明で用いられる支持体としては、吸水層を担持し、且つ吸水後に貼付剤の強度の低下を防止するものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば合成樹脂製のフィルム又はシート、又は合成樹脂製の不織布又は織布、更に合成樹脂製のフィルム又はシートと、合成樹脂製の不織布又は織布の積層体等が挙げられる。

0118

この合成樹脂製のフィルム又はシートは単層のフィルム又はシートや2種以上が積層されたフィルム又はシートでも良いのである。

0119

上記合成樹脂としては、フィルム状又はシート状に成形できるもの、或いは不織布又は織布を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば以下のものが挙げられる。

0120

この合成樹脂としては特に限定されるものではないが、具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、スチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。

0121

このように、支持体を合成樹脂製のフィルム又はシートで形成すると、皮膚表面が密封されて汗等の体液の蒸散が阻止され、いわゆるODT効果による老廃物の滲出促進や薬物の吸収が促進される結果、一層優れた薬理効果等が得られるのである。

0122

勿論、本願第2発明で用いられる支持体としては、天然繊維又は人造繊維で形成された布も用いられる。

0123

上記天然繊維としては植物繊維又は動物繊維が挙げられるが、具体的には例えば木綿カポックマニラ麻サイザル麻、絹、羊毛モヘア、カシミア、ラクダまたはアルパカなどが挙げられる。

0124

又、人造繊維としては再生繊維半合成繊維又は合成繊維が挙げられるが、このうち、再生繊維としては、例えばビスコースレーヨン又は銅アンモニアレーヨン等が挙げられるのであり、又、半合成繊維としては、例えばアセテートが挙げられる。

0125

更に、本願第2発明で用いられる支持体としては、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴムで形成されたフィルムないしシート、アルミ箔などの金属箔で形成されたフィルムないしシート、或いは、これらのフィルムないしシートを積層した積層フィルムないし積層シートを用いることができる。

0126

本願第2発明で用いられる吸水層としては吸水性の層であれば特に限定されるものではないが、本願第2発明においては吸水層が支持体に担持されるので当該吸水層の強度は問題ではない。

0127

従って、本願第2発明においては、本願第1発明で挙げた吸水性の担持体を吸水層として用いることができるだけでなく、例えば吸水層が吸水性ポリマーで形成された層、或いは吸水層が吸水性の紙、織布または不織布と、これに担持された吸水性ポリマー層からなるもの等が挙げられる。

0128

本願第2の発明において、粘着層の厚さは、本願第1の発明の場合と同様であり、従って、5〜1000μmの範囲から適宜選択して決定される。

0129

又、 本願第2の発明において、吸水層の厚さは、5〜500μm、特に、15〜300μm、更に、30〜200μmとするのが好ましく、吸水層の厚さが、5μm未満では吸水量が乏しく、皮膚表面の体液を完全に吸収できなくなる虞れが有り、一方、500μmを超えると意味が無いだけでなく、使用感が悪くなるので好ましくない。

0130

本発明で用いられる吸水性ポリマーとしては、自重の10倍以上、特に50倍以上の水を吸収してゲル化するものであれば特に限定されるものではないが、特に、架橋結合を導入して水に対する溶解性を制御した吸水性ポリマーが望ましい。

0131

具体的には、特公昭49−43395号公報に開示されている澱粉ポリアクリロニトリル共重合体、特公昭51−39672号公報に開示されている架橋ポリアルキレンオキシド、特公昭53−13495号公報に開示されているビニルエステルエチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、特公昭54−30710号公報に開示されている逆相懸濁重合法によって得られる自己架橋ポリアクリル酸塩、特開昭54−20093号公報に開示されているポリビニルアルコール系重合体環状無水物との反応生成物、特開昭59−84305号公報に開示されているポリアクリル酸塩架橋物ポリアクリル酸ソーダCMCポリビニルアルコールポリビニルピロリドンポリビニルメチルエーテルアラビアゴムヒドロキシエチルセルロースメチルセルロースアルギン酸ソーダペクチンカルボキシビニルポリマーゼラチンポリエチレンオキサイド等から選ばれた1種又は2種以上の混合物が挙げられる。

0132

この吸水性ポリマーの市販品の例としては、例えば三洋化成社製のサンウェットIM−300、サンウェットIM−300MPS、サンウェットIM−1000又はサンウェットIM−1000MPS等の他、製鉄化学社製のアクアキープ4Sやアクアキープ4SH等が挙げられるのであり、又、住友化学社製のスミカゲルNP−1020、スミカゲルNP−1040、スミカゲルSP−520及びスミカゲルN−1040等が挙げられるのであり、更に、クラレ社製KIゲル201−KやKIゲルー201K−F2等が挙げられるのであり、又、荒川化学社製のアラソープ800やアラソープ800F等が挙げられるのであり、これらのうち、皮膚からの汗や分泌物等の体液の吸収・吸着性が高い等の理由より、三洋化成社製のサンウェットIM−300MPSやサンウェットIM−1000MPS、住友化学社製のスミカゲルNP−1020やスミカゲルNP−1040、クラレ社製のKIゲル−201K−F2、荒川化学社製のアラソープ800F等が特に好ましい。

0133

この場合、吸水性ポリマーが、皮膚からの汗や分泌物等の体液との親和性が悪く、体液の吸収速度が悪い場合には、界面活性剤で処理するのが望ましい。

0134

本発明で用いられる界面活性剤としては吸水性ポリマーを処理することによって当該吸水性ポリマーの吸水性が向上するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、陰イオン界面活性剤陽イオン界面活性剤非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤が挙げられる。

0136

なお、この吸水性ポリマーで吸水層を構成する場合、吸水性ポリマーは粉末状のものを用いても、合成樹脂フィルム状ないしシートに練り込んだものを用いてもよい。

0137

ところで、本願第2発明においては、吸水層を支持体に全面的に、或いは部分的に融着溶着接着などによって互いに固定して位置ずれを防止するようにしてもよく、又、吸水層を挟む支持体の周縁部に連続して、或いは、断続して粘着層を粘着させることにより支持体と粘着層との間に支持させ、吸水ポリマーを粘着層に粘着させることにより位置ずれを防止するようにしてもよい。

0138

又、この吸水層には、所望により、他の成分、例えば防カビ剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭剤又は脱臭剤等が適宜適量配合されても良いのである。

0139

尚、本願第2発明において、発熱体の積層形態については特に限定されるものではないが、具体的は、例えば発熱体を担持体における粘着層と反対側に設けたり、担持体の支持体と兼用したり、担持体における支持体を2層以上とし、この支持体間に配置する等、種々の構成が挙げられる。

0140

ところで、本発明の貼付剤における粘着層の露出面には、剥離処理を施した剥離紙、セロファン又はポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムを積層して被覆される。

0141

この貼付剤は1個或いは2個以上の単位で気密性包装材密封包装され、流通に供される。

0142

本願第1発明は、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が吸水性を有するもので形成されている。

0143

即ち、本願第1発明においては、粘着層が通水性を有し、しかも担持体が吸水性を有するから、発汗作用などによって皮膚から滲出した汗等の体液が粘着層を透過し、この透過した体液は担持体に吸収される。

0144

この結果、皮膚のふやけや皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間にわたって防止されるので、安全性が著しく高くなる作用を有する。

0145

又、本願第1発明においては、粘着層が通水性を有し、しかも担持体が吸水性を有するから、貼付剤の剥がれが防止されたり、外皮との密着性の低下を阻止し、これによって、薬物の経皮吸収性を向上させる作用を有するのである。

0146

更に、本願第1発明においては、皮膚のふやけや皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間にわたって防止されるから、皮膚組織の弱体化が防止される結果、外皮に温熱を与えたとき、低温やけどが生じ難い作用を有するのである。

0147

本願第2発明においては、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が支持体と、この支持体と上記粘着層の間に介在された吸水層からなる。

0148

即ち、本願第2発明においては、粘着層が通水性を有し、しかも担持体における吸水層が吸水性を有するから、発汗作用などによって皮膚から滲出した汗等の体液が粘着層を透過し、この透過した体液は吸水層に吸収される結果、本願第1発明と同様の作用を有するのである。

0149

加えて、本願第2発明においては、担持体が支持体と吸水層からなり、この支持体は貼付剤の強度を上げるものであるから、吸水層が吸水した後でも貼付剤の強度の低下を防止できる作用を有するのである。

0150

又、このように、支持体を合成樹脂製のフィルム又はシートで形成すると、皮膚表面が密封されて汗等の体液の蒸散が阻止され、いわゆるODT効果による老廃物の滲出促進や薬物の吸収が促進される作用を有するのである。

0151

以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0152

実施例1
図1断面模式図に示すように、本発明の一実施例に係る貼付剤は、外皮に粘着される粘着層1と、これを担持する担持体2とからなる。

0153

この場合、上記粘着層1は後述する方法で得た粘着性を有する厚さ約170μmの層であって通水性を有するものである。

0154

即ち、まずスチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体33重量部、水素添加石油樹脂28.5重量部、テルペン系樹脂7.5重量部、パラフィン系オイル18.5重量部、アロマ系オイル6.5重量部、酸化チタン3重量部、亜鉛華2.5重量部及びトリノニルフェニルフォスファイト0.5重量部からなる粘着剤を窒素気流中で165℃の温度で充分に撹拌して均一な溶融混合物とした。

0155

次に、図2に示すように、この溶融混合物を、厚さが100μmのフィルムとなるように、T字型口金(Tダイ)6aから溶融押し出を行うと同時に、その周囲に開口させた圧縮空気噴出口6bから0.5〜10kg/cm2程度、この場合、2〜4kg/cm2程度の圧縮空気を噴出させて溶融状態のフィルムに衝突させ、これによって、糸状の粘着剤と発泡状態の粘着剤からなる厚さが約170μmの粘着層1を得た。このようにして得た粘着層1は多数の微細な連通孔を備え、優れた通水性を有する。

0156

この場合、圧縮空気噴出口は、図2に示すようにスリット状の噴出口6bでもよく、或いはこれに代えて、図3に示すように、列状に順に独立して隣接させた噴出口16bでもよく、更に、これらに代えて、溶融混合物を、複数列図4に示す例では、3列で、しかも粘着剤噴出口26aから糸状に溶融押し出しを行う等、糸状の粘着剤を重ねて通水性の粘着層1を形成しても良いのである。

0157

この実施例では、図2に示す方法で、通水性の粘着層1を、後述する担持体2の吸水層4における皮膚面側3に形成した。

0158

上記担持体2はその自体が吸水性を有するもので形成しても良いが、この場合、担持体2の強度を向上するために、支持体5と吸水層4からなる積層体を用いている。

0159

上記支持体5は、厚さ40μmのポリエチレン製フィルムの片面に、レーヨン繊維含有量60重量%で且つ坪量40g/m2のレーヨン・ポリエステル混合不織布をラミネートしたものを用いた。

0160

又、上記吸水層4は澱粉ーポリアクリル酸グラフト共重合体(三洋化成株式会社製、サンウェットIM=300)を用い、坪量が100g/m2となるように、上記支持体5の不織布側に形成した吸水性ポリマーの層である。

0161

次いで、上記粘着層1上に、塩酸リドカインゼリーを塗工して、塩酸リドカイン含有粘着層を形成した。この場合、塩酸リドカイン含有粘着剤層全体中の塩酸リドカイン含有量は1.5重量%になるように調整した。

0162

かくして、本発明の貼付剤を得た。この貼付剤の大きさは、縦9.5cm、横13.0cmとした。

0163

実施例2
図5は本発明の他の実施例を示し、外皮に貼着される粘着層11と、この粘着層11を担持する担持体12とからなり、この担持体12は支持体15とその片面に形成された吸水層14からなる。

0164

そして、この場合、支持体15は、後述する表裏両フィルムを重ね合わせ、その周縁部が熱融着された偏平袋状に形成されており、しかも表フィルム15bは透湿性を有する。

0165

又、上記支持体15、つまり偏平状袋体の中には空気の存在によって発熱する発熱体組成物15aが封入されている。

0166

即ち、この貼付剤は吸水層14において、その片面、つまり皮膚面側13には粘着層11が、又、他面には発熱体が積層された構造を有する。

0167

この粘着層11は、以下の方法で、発熱体の片面に形成したものである。即ち、まず離形性のフィルムの片面に、実施例1と同様にして、通水性の粘着層11を形成し、この通水性の粘着層11を発熱体の片面に転写する。

0168

又、この貼付剤における吸水層14は、実施例1のものと同様のものを用いた。

0169

表フィルムである透湿性フィルムの製造
ポリエチレン製の透湿性基材フィルム(厚さ40μm)の片面に、ポリエステル製多孔質補強用基材(坪量60g/m2)をラミネートしたものを用いた[透湿度がASTM法(E−96−80D法)で400g/m2・24hr]。

0170

裏フィルムの製造
厚さ40μmのポリエチレン製フィルムの片面にレーヨン繊維含有量60重量%で且つ坪量40g/m2のレーヨン・ポリエステル混合不織布をラミネートしたものを用いた。

0171

上記の表フィルムと裏フィルムを重ね合わせるにあたり、裏フィルムにおけるポリエチレン製フィルム側と、表フィルムにおける透湿性基材フィルムとが接触するように積層し、つまり不織布が露出するように積層し、その積層体の三周縁部をヒートシールして一方端開放の偏平状袋体を形成し、この偏平状袋体の内部に後述する空気の存在によって発熱する発熱体組成物を充填し(1666.7g/m2)、この開放部をヒートシールして、上記発熱体を得た。

0172

従って、吸水層14は、支持体12である偏平状袋体における裏フィルムの露出面側、つまりレーヨン・ポリエステル混合不織布側に、更に、澱粉ーポリアクリル酸グラフト共重合体(三洋化成株式会社製、サンウェットIM=300)を用い、坪量が100g/m2となるように形成した吸水性ポリマーの層である。

0173

発熱体組成物の成分
鉄粉60重量%、活性炭3重量%、塩化ナトリウム3重量%、保水剤3重量%及び水31重量%の組成物

0174

かくして、本発明の温熱型の貼付剤を得た。この温熱型の貼付剤の大きさは、縦9.5cm、横13.0cmとした。

0175

実施例3
実施例2において、粘着層として以下に述べる薬物含有の粘着層を用いた以外は、実施例2と同様に、温熱型の貼付剤を得た。

0176

即ち、実施例2と同様にして得た粘着剤層上に、塩酸リドカインゼリーを塗工して、塩酸リドカイン含有粘着層を形成した。この場合、塩酸リドカイン含有粘着剤層全体中の塩酸リドカイン含有量は1.5重量%になるように調整した。

0177

かくして、本発明の温熱型の貼付剤を得た。この温熱型の貼付剤の大きさは、縦9.5cm、横13.0cmとした。

0178

比較例1
実施例1と同様の粘着剤を用い、公知の方法で粘着層を形成し、しかも吸水層を設けていない以外は、実施例1と同様にして貼付剤を得た。

0179

即ち、この貼付剤における粘着剤層は全く発泡させていないものを用い、従って、通水性が無く、しかも粘着層の厚さを100μmとしたものである。

0180

比較例2
実施例3と同様の粘着剤を用い、公知の方法で粘着層を形成し、しかも吸水層を設けていない以外は、実施例3と同様にして発熱型の貼付剤を得た。

0181

即ち、この発熱型の貼付剤における粘着剤層は全く発泡させていないものを用い、従って、通水性が無く、しかも薬物を含有し、且つ粘着層の厚さを100μmとしたものである。

0182

上記の実施例1〜3及び比較例1・2の各貼付剤を用い、下肢痛訴えパネラー(男性7人、女性8人年令55〜65)に適用し、粘着性、使用感、人体皮膚の凹凸面への追従性、下肢痛の自覚症状、剥離時の苦痛及び低温火傷について試験を行った。

0183

この場合、下肢痛の箇所に1枚貼着し、これを毎日張り替えつつ1週間続けた。

0184

その結果、粘着性は実施例及び比較例共に良好であり、しかも実施例1〜3のものは剥離の際の苦痛を訴える人はいなかったが、比較例1・2のものは剥離の際の苦痛を15名中4名が訴えた。

0185

又、実施例1のものは粘着層に弾力性があり、人体皮膚の凹凸面に対する追従性が良好で使用感が良好であると主張したものが15名中11名おり、又、実施例2のものは、同様の理由で、15名中4名が使用感が良好であると主張し、実施例3のものは、同様の理由で、15名中6名が使用感が良好であると主張した。

0186

これに対し、比較例1のものは15名中4名が使用感が問題無いと主張したが、比較例2のものは15名中全員が人体皮膚の凹凸面に対する追従性が悪く、突っ張り感が有り使用感が悪いと主張した。

0187

実施例2・3において、発熱体を積層しているにも拘わらず、使用感が良好であると主張した理由は明確ではないが、粘着層が発泡しているので、粘着層に弾力性がある結果、人体皮膚の凹凸面に対する追従性が生じたためと解される。

0188

更に、薬理効果において、実施例1と比較例1、実施例3と比較例2では差異が認められなかったが、温熱型の貼着剤(実施例3及び比較例2)の方が顕著な効果が認められた。

0189

又、実施例2においては、粘着層に薬物を含有させていないにも拘わらず、実施例1と同等ないしそれ以上の薬理効果が認められた。

0190

ところで、実施例3及び比較例2を皮膚(下肢)に貼着し、この皮膚(下肢)側に固定した5本の熱電対を用いて当該皮膚(下肢)部の温度変化を理化工業株式会社のSBR187−35CAにて記録したところ、実施例3のものは41.5〜42.2℃の範囲であったが、比較例2のものは41.8〜42.1℃の範囲であることが認められた。

0191

尚、実施例3及び比較例2を下肢痛の箇所に1枚貼着し、これを毎日張り替えつつ1週間続けた。

0192

この張り替えの際、実施例3及び比較例2の温熱型の貼付剤の剥離箇所肉眼で観察した所、実施例3の場合には15名全員の皮膚表面に汗等の体液の滞留が全く認められなかったが、比較例2の場合には15名全員の皮膚表面に汗等の体液が滞留し、しかも15名中12名には皮膚のふやけや痒みの発生が認められた。

0193

特に、低温火傷において、実施例3では低温火傷は全く認められなかったが、比較例2のものは15名中3名の人に低温火傷が認められた。。

0194

この理由は明確ではないが、比較例2の場合には、貼付剤と皮膚表面との間に滞留した汗等の体液が、温熱型の貼付剤によって加熱され、この加熱された体液が皮膚組織を弱体化させ、この結果、比較的低い温度でも低温やけどが発生し易くなったものと解される。

0195

以上の実験から、本発明の温熱型の貼付剤は、安全性が高いので、冬期において、単に、人体に温熱を供給して快適に過ごすことができるだけでなく、局所のこり、疼痛及び冷え等を伴う症状、例えば肩こり、筋肉痛、筋肉のこり、腰痛、手足の冷え、神経痛、リューマチ、打ち身、捻挫等の疾患に使用され、温熱による治療効果を充分に期待できるのである。

0196

尚、本発明においては、実施例1で述べたように、粘着剤の溶融混合物を、1列以上、図6及び図7に示す例では、1列で、しかも粘着剤噴出口から糸状に溶融押し出しを行うにあたり、この噴出ノズルを、図6に示すように楕円(円でもよい)を描きながら一方向に移動する軌跡41を描くように繰り返し運行したり、或いは図7に示すように、ジグザグに移動する軌跡42を描くように繰り返し運行したり、適宜二次元方向に運行させて、吸水層43における皮膚面側44に糸状の粘着剤を重ねて通水性の粘着層を形成しても良いのである。

発明の効果

0197

本願第1発明は、上記構成を有し、粘着層が通水性を有し、しかも担持体が吸水性を有するから、発汗作用などによって皮膚から滲出した汗等の体液が粘着層を透過し、この透過した体液は担持体に吸収される結果、皮膚のふやけや皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間にわたって防止されるので、安全性が著しく高くなり、貼付剤として至極有益である。

0198

又、本願第1発明においては、粘着層が通水性を有し、しかも担持体が吸水性を有するから、貼付剤の剥がれが防止されたり、外皮との密着性の低下を阻止し、これによって、薬物の経皮吸収性が向上する結果、優れた薬理効果を発現するのである。

0199

更に、本願第1発明においては、担持体が体液を吸収して皮膚のふやけや皮膚炎更に皮膚の痒み等が長期間にわたって防止されるから、皮膚組織の弱体化が防止される結果、外皮に温熱を与えたとき、低温やけどが生じ難く、この点からも安全性が至極高いのである。

0200

本願第2発明においては、外皮に貼着される粘着層と、この粘着層を担持する担持体とからなる貼付剤であって、上記粘着層が通水性を有し、しかも上記担持体が支持体と、この支持体と上記粘着層の間に介在された吸水層からなる。

0201

即ち、本願第2発明においては、粘着層が通水性を有し、しかも担持体における吸水層が吸水性を有するから、発汗作用などによって皮膚から滲出した汗等の体液が粘着層を透過し、この透過した体液は吸水層に吸収される結果、本願第1発明と同様の効果を有するのである。

0202

加えて、本願第2発明においては、担持体が支持体と吸水層からなり、この支持体は貼付剤の強度を上げるものであるから、吸水層が吸水した後でも貼付剤の強度の低下を防止できるので、信頼性が著しく向上するのである。

0203

又、このように、支持体を合成樹脂製のフィルム又はシートで形成すると、皮膚表面が密封されて汗等の体液の蒸散が阻止され、いわゆるODT効果による老廃物の滲出促進や薬物の吸収が促進される結果、一層優れた薬理効果等が得られるのである。

0204

本発明において、粘着剤の発泡体に経皮吸収性の薬物を配合することにより、局所治療効果を向上させたり、全身治療効果を向上させることができる結果、医薬品として至極有益である。

0205

本発明においては、貼付剤の片面に発熱体が積層されていると、この発熱体により、冬期において、単に、人体に温熱を供給して快適に過ごすことができるだけでなく、局所のこり、疼痛及び冷え等を伴う症状、例えば肩こり、筋肉痛、筋肉のこり、腰痛、手足の冷え、神経痛、リューマチ、打ち身、捻挫等の疾患に使用されると、温熱による治療効果を発現するのである。

0206

この温熱型の貼付剤において、粘着剤の発泡体に経皮吸収性の薬物が配合されていることにより、温熱効果によって、循環が活発になった血液などに薬物を吸収させて一層効果的に生体内の各部に薬物を循環させることができるので、局所治療効果を一層向上させたり、全身治療効果を一層向上させて、薬理効果を一層高める結果、医薬品として至極有益である。

0207

この場合、この温熱によって、皮膚からの発汗等が活発になるが、担持体或いは担持体における吸水層によって汗等の体液を円滑に吸収、吸着し、常に外皮表面を清潔に保つので、ムレや痒みがなく、しかも至極衛生的である。

図面の簡単な説明

0208

図1図1は本発明の一実施例の断面模式図である。
図2図2粘着層形成用ノズルの正面図である。
図3図3は他の粘着層形成用ノズルの正面図である。
図4図4は更に他の粘着層形成用ノズルの正面図である。
図5図5は本発明の他の実施例の断面模式図である。
図6図6は本発明のスプレー運行方法の説明図である。
図7図7は本発明の他のスプレー運行方法の説明図である。

--

0209

1粘着層
2担持体
3皮膚面側
4吸水層
5 支持体

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