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技術 内燃機関の点火時期制御装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 山田大輔
出願日 1994年12月6日 (26年0ヶ月経過) 出願番号 1994-302233
公開日 1996年6月18日 (24年6ヶ月経過) 公開番号 1996-158999
状態 未査定
技術分野 点火時期の電気的制御 内燃機関の複合的制御 内燃機関の複合的制御
主要キーワード 定時間制御 所定回転角毎 固定点火 要求電圧 標準温度 吸入空気温 角度制御 圧縮圧力
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

目的

本発明は内燃機関始動時における点火時期を制御する内燃機関の点火時期制御装置に関し、バッテリ電圧の変動に伴う内燃機関の失火を防止することを目的とする。

構成

バッテリ電圧に基づいて、固定点火時期制御と演算点火時期制御とを切り換え回転数ESTAを設定する。機関回転数NEが切り換え回転数NESTAより小さく、かつスタータスイッチオンとなっている場合は(ステップ100,102)、予め設定した固定点火時期を点火時期として採用する(ステップ104,106)。一方、NE≧NESTAである場合、又はスタータスイッチがオフである場合は(ステップ100,102)、内燃機関の運転状態に応じた演算点火時期を点火時期として採用する(ステップ108,110)。

概要

背景

従来より、例えば特公昭64−10663号公報、又は特開平2−37170号公報に開示される如く、内燃機関始動時において、機関回転数が所定の切り換え回転数に達するまでは、内燃機関の点火時期を所定のクランク角に固定し、所定の切り換え回転数に到達した後は、点火時期を内燃機関の運転状態に応じた演算点火時期に制御する装置が知られている。

すなわち、内燃機関において理想的な燃焼状態を実現し得る点火時期は、常に一定ではなく、機関回転数や吸入空気量等に応じて変動する。従って、内燃機関の運転状態が的確に把握できる場合には、その運転状態に応じて適宜点火時期を設定することが好ましい。一方、内燃機関の運転状態は、始動が開始された後所定の完爆状態に達するまでの間は比較的不安定である。このため、この間は、内燃機関の運転状態を表す各種パラメータの値にも大きな変動が生じ、的確に内燃機関の運転状態を把握することが困難であり、運転状態に応じた点火時期を設定すれば、却って円滑な運転状態が損なわれる場合を生ずる。

これに対して、上記各公報に開示される装置の如く、内燃機関の機関回転数が所定の切り換え回転数に達するまでは点火時期を所定のクランク角に固定し、その後機関回転数が切り換え回転数に達した時点で内燃機関の運転状態に基づいた点火時期制御を開始することとすれば、常に安定した燃焼状態を維持することができ、円滑な始動性を得ることができる。

ところで、内燃機関の始動時における運転状態は、始動時における冷却水温が高いほど、すなわち内燃機関の暖機が進行しているほど安定である。従って、始動時において冷却水温が既に適当に昇温している場合は、冷間始動時に比して早期に内燃機関の運転状態が安定な状態に達する。上記各公報に開示される装置は、かかる点をも考慮して構成されており、内燃機関の始動時における冷却水温が高いほど、固定点火時期から演算点火時期へ切り換える際の切り換え回転数を低く変更する機能を備えている。

この場合、冷却水温が低く、内燃機関が安定状態移行し難い場合には、機関回転数が比較的高い回転数に達するまでは固定点火時期を用いた点火時期制御が実行され、一方、冷却水温が高く、始動後即座に内燃機関が安定状態に移行し得る場合には、機関回転数が比較的低い時点で演算点火時期による点火時期制御が実行され、実情に沿った点火時期制御が実現されることになる。

概要

本発明は内燃機関の始動時における点火時期を制御する内燃機関の点火時期制御装置に関し、バッテリ電圧の変動に伴う内燃機関の失火を防止することを目的とする。

バッテリ電圧に基づいて、固定点火時期制御と演算点火時期制御とを切り換える回転数NESTAを設定する。機関回転数NEが切り換え回転数NESTAより小さく、かつスタータスイッチオンとなっている場合は(ステップ100,102)、予め設定した固定点火時期を点火時期として採用する(ステップ104,106)。一方、NE≧NESTAである場合、又はスタータスイッチがオフである場合は(ステップ100,102)、内燃機関の運転状態に応じた演算点火時期を点火時期として採用する(ステップ108,110)。

目的

これに対して、上記従来の装置は、内燃機関の冷却水温に基づいて切り換え回転数を変更する機能は備えているものの、バテッリ電圧高低吸入空気温度の高低等については何らの配慮もなされておらず、その意味で、固定点火時期の実行中に内燃機関の失火を生ずる可能性を有するものであった。本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、バッテリ電圧、吸入空気温度等に基づいて切り換え回転数を変更することにより、点火コイル発生電圧が安定した燃焼の確保に必要とされる要求電圧を満たす領域でのみ、点火時期として固定点火時期を用いることとすることにより上記の課題を解決する内燃機関の点火時期制御装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

機関回転数が所定の切り換え回転数に満たない場合には、内燃機関点火時期を予め設定した固定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御する内燃機関の点火時期制御装置において、バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、該バッテリ電圧検出手段の検出結果に基づいて、前記切り換え回転数を変更する切り換え回転数変更手段とを備えることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。

請求項2

機関回転数が所定の切り換え回転数に満たない場合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御する内燃機関の点火時期制御装置において、吸入空気温を検出する吸入空気温検出手段と、該吸入空気温検出手段の検出結果に基づいて、前記切り換え回転数を変更する切り換え回転数変更手段とを備えることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。

請求項3

機関回転数が所定の切り換え回転数に満たない場合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御する内燃機関の点火時期制御装置において、バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、吸入空気温を検出する吸入空気温検出手段と、前記バッテリ電圧検出手段と、前記吸入空気温検出手段の検出結果とに基づいて、前記切り換え回転数を変更する切り換え回転数変更手段とを備えることを特徴とする内燃機関の点火時期制御装置。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関点火時期制御装置係り、特に内燃機関の始動時における点火時期を制御する内燃機関の点火時期制御装置に関する。

背景技術

0002

従来より、例えば特公昭64−10663号公報、又は特開平2−37170号公報に開示される如く、内燃機関の始動時において、機関回転数が所定の切り換え回転数に達するまでは、内燃機関の点火時期を所定のクランク角に固定し、所定の切り換え回転数に到達した後は、点火時期を内燃機関の運転状態に応じた演算点火時期に制御する装置が知られている。

0003

すなわち、内燃機関において理想的な燃焼状態を実現し得る点火時期は、常に一定ではなく、機関回転数や吸入空気量等に応じて変動する。従って、内燃機関の運転状態が的確に把握できる場合には、その運転状態に応じて適宜点火時期を設定することが好ましい。一方、内燃機関の運転状態は、始動が開始された後所定の完爆状態に達するまでの間は比較的不安定である。このため、この間は、内燃機関の運転状態を表す各種パラメータの値にも大きな変動が生じ、的確に内燃機関の運転状態を把握することが困難であり、運転状態に応じた点火時期を設定すれば、却って円滑な運転状態が損なわれる場合を生ずる。

0004

これに対して、上記各公報に開示される装置の如く、内燃機関の機関回転数が所定の切り換え回転数に達するまでは点火時期を所定のクランク角に固定し、その後機関回転数が切り換え回転数に達した時点で内燃機関の運転状態に基づいた点火時期制御を開始することとすれば、常に安定した燃焼状態を維持することができ、円滑な始動性を得ることができる。

0005

ところで、内燃機関の始動時における運転状態は、始動時における冷却水温が高いほど、すなわち内燃機関の暖機が進行しているほど安定である。従って、始動時において冷却水温が既に適当に昇温している場合は、冷間始動時に比して早期に内燃機関の運転状態が安定な状態に達する。上記各公報に開示される装置は、かかる点をも考慮して構成されており、内燃機関の始動時における冷却水温が高いほど、固定点火時期から演算点火時期へ切り換える際の切り換え回転数を低く変更する機能を備えている。

0006

この場合、冷却水温が低く、内燃機関が安定状態移行し難い場合には、機関回転数が比較的高い回転数に達するまでは固定点火時期を用いた点火時期制御が実行され、一方、冷却水温が高く、始動後即座に内燃機関が安定状態に移行し得る場合には、機関回転数が比較的低い時点で演算点火時期による点火時期制御が実行され、実情に沿った点火時期制御が実現されることになる。

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、内燃機関において安定した燃焼を確保するためには、点火コイルが、所定の要求電圧以上の電圧を発生することが必要である。一方、点火コイルは、点火コイルへの通電時間が短いほど、また点火コイルへの供給電圧が低いほど、低い電圧を発生する特性を有している。

0008

これに対して、点火コイルへの通電時間は、点火時期として演算点火時期が採用される場合は定時間制御により、また点火時期として固定点火時期が採用される場合は定角度制御により制御されるのが通常である。従って、点火時期として演算点火時期が用いられている場合には、機関回転数によって点火コイルへの通電時間が変動することはないが、点火時期として固定点火時期が用いられている場合には、機関回転数が上昇するに連れて点火コイルへの通電時間が短縮されることになる。

0009

このため、点火時期が固定点火時期に制御されている状況下で機関回転数が適当に上昇し、かつバッテリ電圧が低下して点火コイルへの供給電圧が低下した場合には、点火コイルの発生電圧が比較的大きく低下することになり、常に安定した燃焼を得るためには、かかる状況においても要求電圧が満されるように各諸元を設定する必要がある。

0010

また、内燃機関に吸入される吸入空気が比較的低温である場合には、吸気充填効率が高まり、その結果高い圧縮圧力を得ることができるが、かかる場合には、圧縮圧力が低い場合に比して、安定した燃焼を得るために必要とされる点火コイルの発生電圧が上昇することが知られている。従って、内燃機関において常に安定した燃焼状態を実現するためには、吸入空気の温度が低いほど点火コイルに高い電圧を発生させる必要があり、そのためには、吸入空気の温度が低いほど点火コイルへの通電時間を長くすることが必要である。

0011

これに対して、上記従来の装置は、内燃機関の冷却水温に基づいて切り換え回転数を変更する機能は備えているものの、バテッリ電圧の高低吸入空気温度の高低等については何らの配慮もなされておらず、その意味で、固定点火時期の実行中に内燃機関の失火を生ずる可能性を有するものであった。本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、バッテリ電圧、吸入空気温度等に基づいて切り換え回転数を変更することにより、点火コイルの発生電圧が安定した燃焼の確保に必要とされる要求電圧を満たす領域でのみ、点火時期として固定点火時期を用いることとすることにより上記の課題を解決する内燃機関の点火時期制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記の目的は、請求項1に記載する如く、機関回転数が所定の切り換え回転数に満たない場合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御する内燃機関の点火時期制御装置において、バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、該バッテリ電圧検出手段の検出結果に基づいて、前記切り換え回転数を変更する切り換え回転数変更手段とを備える内燃機関の点火時期制御装置により達成される。

0013

また、上記の目的は、請求項2に記載する如く、機関回転数が所定の切り換え回転数に満たない場合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御する内燃機関の点火時期制御装置において、吸入空気温を検出する吸入空気温検出手段と、該吸入空気温検出手段の検出結果に基づいて、前記切り換え回転数を変更する切り換え回転数変更手段とを備える内燃機関の点火時期制御装置によっても達成される。

0014

更に、上記の目的は、請求項3に記載する如く、機関回転数が所定の切り換え回転数に満たない場合には、内燃機関の点火時期を予め設定した固定点火時期に制御し、機関回転数が所定の切り換え回転数以上である場合には、内燃機関の点火時期を、内燃機関の運転状態に基づいて演算した演算点火時期に制御する内燃機関の点火時期制御装置において、バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出手段と、吸入空気温を検出する吸入空気温検出手段と、前記バッテリ電圧検出手段と、前記吸入空気温検出手段の検出結果とに基づいて、前記切り換え回転数を変更する切り換え回転数変更手段とを備える内燃機関の点火時期制御装置によっても達成される。

0015

請求項1記載の発明において、内燃機関の点火時期は、現実の機関回転数が、前記切り換え回転数変更手段によって変更された切り換え回転数より低い場合には、機関回転数が上昇するに連れて点火コイルへの通電時間が短縮される、すなわち点火コイルの発生電圧が低下する固定点火時期制御が実行される。

0016

一方、前記切り換え回転数以上である場合には、機関回転数に因らず点火コイルへの通電時間が常に十分に確保される、すなわち点火コイルの発生電圧として常に十分な電圧を確保し得る演算点火時期制御が実行される。この際、前記切り換え回転数には、前記バッテリ電圧検出手段の検出結果が反映されており、バッテリ電圧が低いため点火コイルに供給される電圧が低い場合には、切り換え回転数が比較的低い回転数に、またバッテリ電圧が高いため点火コイルに供給される電圧が高い場合には、切り換え回転数が比較的高い回転数に設定される。

0017

この場合、バッテリ電圧が低ければ、点火コイルへの通電時間として比較的長い時間が確保されているうちに固定点火時期制御から演算点火時期制御への切り換えが行われ、またバッテリ電圧が高ければ、点火コイルへの通電時間が比較的短時間となるまで上記切り換えが行われない。従って、固定点火時期制御の実行中において点火コイルから発生される電圧は、バッテリ電圧の高低に関わらず、要求電圧に対して常に十分な電圧となる。

0018

請求項2記載の発明において、前記切り換え回転数には、前記吸入空気温検出手段の検出結果が反映されている。すなわち、吸入空気温が低い場合は、点火コイルに対する要求電圧が上昇することに対応して、切り換え回転数が比較的低く、一方、吸入空気温が高い場合は点火コイルに対する要求電圧が低下することに対応して、切り換え回転数が比較的高く設定される。

0019

この場合、内燃機関において安定な燃焼を確保するための要求電圧が高い場合は、点火コイルへの通電時間として比較的長い時間が確保されているうちに、すなわち点火コイルにおいて比較的高圧の発生電圧が確保されているうちに固定点火時期制御から演算点火時期制御への切り換えが行われ、また内燃機関において安定な燃焼を確保るための要求電圧が低い場合は、点火コイルへの通電時間が比較的短時間となるまで上記切り換えが行われない。

0020

従って、吸入空気温の変動に伴って、内燃機関において安定な燃焼を確保するために必要な要求電圧が変動した場合においても、固定点火時期制御の実行中に点火コイルから発生される電圧は、常に要求電圧に対して十分な電圧となる。請求項3記載の発明において、前記切り換え回転数には、前記バッテリ電圧検出手段、及び前記吸入空気温検出手段の検出結果が反映されている。すなわち、バッテリ電圧、及び吸入空気温に基づいて、要求電圧を十分に満たすためには長い通電時間を確保する必要がある場合には比較的低い切り換え回転数が、一方、比較的短い通電時間で十分に要求電圧を満たすことができる場合には、比較的高い切り換え回転数が設定される。

0021

この場合、バッテリ電圧、及び吸入空気温が変動した場合においても、固定点火時期制御の実行中に点火コイルから発生される電圧は、常に要求電圧に対して十分な電圧となる。

0022

図1は、本発明の一実施例である内燃機関の点火時期制御装置の構成概念図を示す。同図に示すように、内燃機関10のシリンダ内部には、ピストン12が摺動自在に配設されている。ピストン12の上部に形成される燃焼室14には、それぞれ吸気通路16又は排気通路18に連通する吸気ポート、及び排気ポートが開口していると共に、点火プラグ20の先端部が挿入されている。

0023

また、内燃機関10のシリンダ周辺には、内部を冷却水循環するウォータジャケット22が設けられている。そして、ウォータジャケット22の壁面には、冷却水温THWを検出すべく、水温センサ24が組み込まれている。吸気通路16には、その内部を流通する吸入空気の温度THAを検出するための吸気温センサ26、アクセルペダル連動して吸入空気量を制御するスロットルバルブ28、及び吸入空気量を検出するエアフロメータ30等が配設されている。

0024

ここで、上述した水温センサ24、吸気温センサ26、及びエアフロメータ30の各出力は、本実施例の要部である電子制御ユニット(ECU)32に供給されている。ECU32は、マイクロコンピュータ主体に構成されるユニットであり、上記各センサの出力信号に加え、バッテリ34の出力電圧(以下、バッテリ電圧と称す)、スタータスイッチ35のオンオフ信号、及びディストリビュータ36に内蔵される回転角センサ38,40からそれぞれ所定回転角毎に発せられるパルス信号の供給を受けている。

0025

ディストリビュータ36は、点火コイル42から供給される高圧の2次電流を、内燃機関の回転角に応じて適当な気筒の点火プラグ20に順次供給する装置である。ここで、点火コイル42には、イグナイタ44から断続的に1次電流が供給されており、誘導起電力により高圧の2次電流を発生する。また、イグナイタ44は、点火コイル42に供給する1次電流を制御するパワートランジスタを内蔵する装置であり、ECU32から供給される点火信号に応じて、点火コイル42に供給する1次電流を遮断すべく機能する。従って、内燃機関10の各気筒に配設された点火プラグ20には、ECU32から点火信号が発せられるタイミング毎にスパークが生ずる。

0026

図2は、ECU32が、点火時期を算出すべく実行する点火時期算出ルーチンの一例のフローチャートを示す。以下、本ルーチンの内容について説明する。図2に示すルーチンが起動すると、先ずステップ100において機関回転数NEが所定の切り換え回転数NESTA以上であるかが判別される。内燃機関10の運転状態は、始動開始後十分にNEが上昇するまでは比較的不安定であることから、上記条件の成立性に基づいて内燃機関の安定性を判断するためである。

0027

上記判別の結果、基礎としてNE≧NESTAが不成立であると判別された場合は、次にステップ102において、スタータスイッチ35がオン状態であるかを判別する。そして、スタータスイッチ35がオン状態であると判別された場合は、以後ステップ104において、固定点火制御の実行条件の成立性を表示するフラグXFIXに“1”をセットし、次いでステップ106において固定点火時期制御を実行して今回の処理を終了する。

0028

NE≧NESTAが成立せず、かつスタータスイッチ35がオンとなるのは、内燃機関の始動が開始された後未だ完爆状態に至らない場合、すなわち内燃機関が不安定な運転状態にある場合に限られ、かかる場合には、点火時期を予め設定した固定時期に制御することが適切だからである。尚、この場合、点火コイル42への通電時間は、定角度制御により、例えば内燃機関が30°CA回転するのに要する時間等と設定されている。従って、機関回転数NEが上昇するに連れて点火コイル42への通電時間は短縮されることになる。

0029

一方、上記ステップ100においてNE≧NESTAが成立すると判別された場合、及び上記ステップ102においてスタータスイッチ35がオフであると判別された場合は、以後ステップ108において、固定点火制御の実行条件の成立性を表示するフラグXFIXに“0”をセットし、次いでステップ110において演算点火時期制御を実行して今回の処理を終了する。

0030

すなわち、NE≧NESTAが成立する場合、又はスタータスイッチ35がオフである場合は、既に内燃機関10が完爆状態に移行していると、すなわち不安定な状態を脱していると判断することができ、内燃機関10の運転状態を表す各種パラメータの検出精度も安定していると推定できることから、運転状態に応じた適切な点火時期を設定することとしたものである。

0031

ここで、内燃機関10の運転状態に応じた点火時期を演算する手法としては、種々の手法が公知であるが、本実施例においては、例えば機関回転数NEと、吸入空気量Q/Nとの関係で設定したマップを参照して基準の点火時期を求め、その値を冷却水温THWで補正する等の手法によって、適切な点火時期を設定することができる。

0032

尚、この場合、点火コイル42への通電時間は、定時間制御により制御される。従って、点火コイル42への通電時間は、機関回転数NEの高低に関わらず常に十分に確保することができる。ところで、図3は、点火コイル42において発生し得る電圧Vcと、点火コイル42への通電時間Tcとの関係を、バッテリ電圧BATをパラメータとして表したものである。すなわち、同図に示す如く、点火コイル42の発生電圧Vcは、通電時間Tcが長いほど、またバッテリ電圧BATが大きいほど高圧となる。

0033

言い換えれば、同一の通電時間Tcが確保されていたとしても、その際のバッテリ電圧BATが標準時に比して低圧であれば、点火コイル42の発生電圧Vcは標準時に比して低圧となる。これに対して、内燃機関10において安定した燃焼を得るためには、点火プラグ20が発するスパークに所定値以上のエネルギを付与する必要があり、そのためには、点火コイル42の発生電圧Vcが図3中に破線で示す要求電圧以上であることが必要である。

0034

従って、例えば点火コイル42の通電時間として図3中に示すT0 が確保されている場合、バッテリ電圧BATが12V以上確保されていれば、内燃機関10に失火が生ずることはないが、BATが12Vに満たない状況下では、内燃機関10が失火する可能性が生ずる。ここで、本実施例においては、固定点火時期制御が実行される場合、点火コイル42への通電時間Tcは、定角度制御により制御され、機関回転数NEの上昇に伴ってその時間が短縮されることは前記した通りであり、仮にNE=NESTAである場合の通電時間Tcが図3中に示すT0 に相当するとすれば、バッテリ電圧BATの低下時には、固定点火時期制御の実行中に内燃機関10が失火する可能性が生ずることになる。

0035

一方、かかる失火の可能性を排除すべく、BATの低下を当初から想定して、NE=NESTAにおいて確保される通電時間Tcを図3中に示すT1 の如く設定するためには、BATの正常時を想定すると不当に低いと認識される回転数にNESTAを設定する必要が生じ、円滑な始動性を確保する観点からすれば好ましくない事態が生ずる。

0036

これに対して、演算点火時期制御の実行時は、点火コイル42への通電時間Tcが上記の如く定時間制御によって制御され、そのため、定角度制御の場合と異なり機関回転数NEの高低に関わらず十分な通電時間Tcを確保することができる。そこで、本実施例においては、バッテリ電圧BATに対して十分な発生電圧Vcを得るための通電時間Tcが得られる領域でのみ固定点火時期制御を実行し、固定点火時期制御によっては十分な通電時間Tcが得られない全領域で演算点火時期制御を実行することとした。

0037

図4は、かかる機能を実現すべくECU32が実行するNESTA算出ルーチンの一例のフローチャートを示す。すなわち、本実施例においては、先ずバッテリ電圧BATを読み込み(ステップ200)、次に予め図5に示す如く設定したマップを、上記の如く読み込んだBATで検索してNESTAを求めることで(ステップ202)BATに対応したNESTAの設定を行う。

0038

尚、図5に示すマップは、上記図3に示す通電時間Tc、発生電圧Vc、及びバッテリ電圧BATの関係に基づいて、各BATに対して要求電圧を満たす通電時間Tcの最小値を求め、その値を対応するNEに換算してBATとの関係で整理したものである。この場合、バッテリ電圧BATが低く、要求電圧を超える電圧を得るために比較的長期の通電時間Tcを確保する必要があると推定される状況下では、比較的低回転領域から演算点火時期制御が実行され、またバッテリ電圧BATが高く、比較的短期の通電時間Tcで要求電圧を超える電圧が得られる場合には、比較的高回転領域に至るまで固定点火時期制御が実行されることになる。

0039

従って、本実施例に係る内燃機関の点火時期制御装置によれば、バッテリ電圧BATが変動した場合においても、内燃機関を失火させることなく円滑に始動させることができる。ところで、図6は、内燃機関10の吸入空気温THAと、内燃機関10において安定した燃焼を得るために必要とされる要求電圧V0 との関係を表した図であるが、同図に示す如く、要求電圧V0 は、THAが低いほど高圧となる。

0040

かかるV0 の変化は、THAの変化に伴う吸気充填効率の変化、すなわち燃焼室14内での圧縮圧力の変化に起因していることは前記した通りであるが、このように要求電圧V0 が変化する場合、点火コイル42への通電時間Tcも、その変化を考慮したうえで決定する必要がある。すなわち、図7は、THAが標準温度である場合、低温である場合、及び高温である場合の要求電圧V0 ,V0 ′,V0 ″と、それらを満たすために必要とされる通電時間T0 ,T0 ′,T0 ″とを示したものであるが、同図に示す如く、THAが変化すれば、その変化に応じて必要とされる通電時間Tcにも変化が生じ、より高精度な点火時期制御を実行するためには、THAをも考慮して固定点火時期制御と演算点火時期制御とを切り換える回転数NESTAを決定する必要がある。

0041

図8及び図9は、かかる機能を満たすべくECU32が実行するNESTA演算ルーチンの一例のフローチャートと、そのNESTA演算ルーチン中で用いるマップの一例とをそれぞれ示している。尚、図9は、上記図5に示すマップをTHAについての3次元マップとして求めたものである。すなわち、上記の機能を実現するために、ECU32は、先ずバッテリ電圧BATを読み込み(ステップ300)、次いで吸入空気温THAを読み込み(ステップ302)、それらに基づいて図9に示すマップを検索してNESTAを算出する処理を行う(ステップ304)。

0042

この場合、バッテリ電圧BATの変動のみならず、THAの変動をも考慮した上で、内燃機関10において安定した燃焼が得られると推定される場合にのみ固定点火時期制御が実行されることになり、内燃機関の失火を防止しつつ良好な始動性を確保する点火時期制御がより精度良く実現できることになる。ところで、上記図4に示すNESTA算出ルーチンは、バッテリ電圧BATに基づいてNESTAを決定するルーチンであり、また上記図8に示すNESTA算出ルーチンは、バッテリ電圧BATと吸入空気温THAとに基づいてNESTAを決定するルーチンであるが、同様の手法によりTHAのみに基づいてNESTAを決定することも可能である。

0043

尚、上述した実施例においては、ECU32が上記図4中ステップ200、又は上記図8中ステップ300の処理を行うことにより前記したバッテリ電圧検出手段が、上記図8中ステップ302の処理を行うことにより前記した吸入空気温検出手段が、また、上記図4中ステップ202、又は上記図8中ステップ304の処理を行うことにより前記した切り換え回転数変更手段がそれぞれ実現されることになる。

発明の効果

0044

上述の如く、請求項1記載の発明によれば、バッテリ電圧に応じて切り換え回転数を変更することにより、固定点火時期制御の実行中においては、バッテリ電圧の高低に関わらず、常に要求電圧に対して十分な電圧を点火コイルで発生させることができる。

0045

一方、演算点火時期制御の実行中においては、機関回転数とは無関係に十分に長い通電時間が確保されていることから、バッテリ電圧に変動に起因して、点火コイルの発生電圧が要求電圧を下回ることはない。従って、本発明に係る内燃機関の点火時期制御装置によれば、バッテリ電圧の変動に関わらず、常に要求電圧を超える電圧を点火コイルから発生させることができ、始動時における内燃機関の失火を有効に防止することができる。

0046

また、請求項2記載の発明によれば、吸入空気温に応じて切り換え回転数を変更することにより、固定点火時期制御の実行中においては、吸入空気温の高低に関わらず、常に要求電圧に対して十分な電圧を点火コイルで発生させることができる。一方、演算点火時期制御の実行中においては、機関回転数とは無関係に十分に長い通電時間が確保されていることから、バッテリ電圧に変動に起因して、点火コイルの発生電圧が要求電圧を下回ることはない。

0047

従って、本発明に係る内燃機関の点火時期制御装置によれば、吸入空気温の変動に関わらず、常に要求電圧を超える電圧を点火コイルから発生させることができ、上記請求項1記載の発明に係る装置と同様に、始動時における内燃機関の失火を有効に防止することができる。更に、請求項3記載の発明によれば、バッテリ電圧と吸入空気温とに基づいて切り換え回転数が決定される。このため、本発明に係る内燃機関の点火時期制御装置によれば、それらが共に変動した場合においても、常に要求電圧を超える電圧を点火コイルから発生させることができ、上記請求項1及び請求項2記載の発明に係る装置に比して、更に有効に始動時における内燃機関の失火を防止することができる。

図面の簡単な説明

0048

図1本発明の一実施例である内燃機関の点火時期制御装置の構成概念図である。
図2本実施例において実行される点火時期算出ルーチンの一例のフローチャートである。
図3点火コイルへの通電時間と点火コイルに発生する電圧との関係をバッテリ電圧をパラメータとして表した図である。
図4本実施例において実行される切り換え回転数NESTA算出ルーチンの一例のフローチャートである。
図5本実施例において実行される切り換え回転数NESTA算出ルーチン中で用いられるマップの一例である。
図6吸入空気温と内燃機関において安定した燃焼を得るために必要な要求電圧との関係を示す図である。
図7吸入空気温と内燃機関において安定した燃焼を得るために必要な通電時間との関係を示す図である。
図8本実施例において実行される切り換え回転数NESTA算出ルーチンの他の例のフローチャートである。
図9本実施例において実行される切り換え回転数NESTA算出ルーチン中で用いられるマップの他の例である。

--

0049

10内燃機関
20点火プラグ
26吸気温センサ
32電子制御ユニット(ECU)
34バッテリ
35スタータスイッチ
38,40回転角センサ
THA吸入空気温
BATバッテリ電圧
NE機関回転数
NESTA切り換え回転数
Tc通電時間
Vc発生電圧
V0 要求電圧

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