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技術 アクリル水性分散体用造膜助剤及びその製法

出願人 旭化成株式会社
発明者 林静恵渡辺智也
出願日 1994年12月2日 (26年6ヶ月経過) 出願番号 1994-299331
公開日 1996年6月18日 (24年11ヶ月経過) 公開番号 1996-157757
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 後期乾燥 アクリル分散体 エチレングリコール系溶剤 高引火点 ターシャリブチル基 水性分散体組成物 総量規制 固体塩基
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年6月18日)のものです。
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図面 (1)

目的

生体への毒性が少なく、乾燥性造膜性能に優れ、ラテックスに配合した場合、貯蔵安定性に優れたアクリル水性分散体造膜助剤を提供する。

構成

下記一般式(1)で示されるグルタル酸エステルの1種もしくは2種以上からなり、その1重量%水溶液(または懸濁液)のPHが3.5以上12以下の範囲に調整したことを特徴とするアクリル水性分散体の造膜助剤である。

化1

但し、式(1)においてR1、R2は炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル、脂環式アルキル基を示す。R1、R2は同じでよい。

概要

背景

近年、地球環境及び労働環境問題議論され、その中でも環境破壊直接関係する溶剤については、その使用禁止総量規制により、その使用量の削減と低毒性溶剤への代替化が急務となつている。例えば塗料インクの溶剤として用いられているエチレングリコール系溶剤は、毒性の低いプロピレングリコール系溶剤へと代替化が進んでおり、メチル基エチル基ブチル基等の低級アルキル基エーテル化したグリコールエーテルが開発されている。特に塗料の分野では、溶剤削減の為、溶剤系塗料から水系塗料への移行が進められてが、この塗料の水系化に伴い、溶剤系では必要の無い造膜助剤が必要となり、塗料分野ではイソ酪酸エステルブチルセロソルブセロソルブアセテート等が使用されてきたが、これらの助剤乾燥性加水分解性臭気、毒性等に問題があった。その代替化が望まれていた。

これらの代替物質への要求性能としては、乾燥性、造膜性顔料混和性耐加水分解性が良く、低毒性、安全性(不燃性叉は高引火点)、低臭気性であることが挙げられる。このような代替物質としては、特開平4ー55479号公報に見られるようなジプロピレングリコール誘導体があるが、これらの物質は毒性及び安全性と低臭気性は良好とはいえ、乾燥性、造膜性に問題があった。また造膜性・乾燥性において極めて高い性能を有する代替物質としてはコハク酸アジピン酸等のメチルエステルがあるが、エステル加水分解によりアクリル水性分散体添加後著しいPH低下を引き起こし、組成物貯蔵安定性を損なうため使用されておらず、先に述べた性能を持つ助剤の開発が望まれていた。このコハク酸やアジピン酸のメチルエステルの加水分解を抑制する方法としては、特開昭57ー34166号公報やPoly.Mater.Sci.Eng.,Vol.58,1125〜1132(1988)に見られるように、エステル部分分岐アルキルにする方法があるが、造膜性・乾燥性に劣る2、2、4ートリメチルー1、3ーペンタンジオールモノイソブチレート(以下TPIBと略す)などのエステル従来品に比べ、加水分解によるPHの低下が大きく、組成物の貯蔵安定性に関する問題については充分な結果は得られておらず、依然未解決の課題であった。

概要

生体への毒性が少なく、乾燥性、造膜性能に優れ、ラテックスに配合した場合、貯蔵安定性に優れたアクリル水性分散体用造膜助剤を提供する。

下記一般式(1)で示されるグルタル酸エステルの1種もしくは2種以上からなり、その1重量%水溶液(または懸濁液)のPHが3.5以上12以下の範囲に調整したことを特徴とするアクリル水性分散体の造膜助剤である。

但し、式(1)においてR1、R2は炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル、脂環式アルキル基を示す。R1、R2は同じでよい。

目的

本発明は、生体内での代謝過程においても有害物質を生成することのない、乾燥性、造膜性能に優れ、ラテックスに配合した場合、貯蔵安定性に優れたアクリル水性分散体用造膜助剤を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

下記一般式(1)で示されるグルタル酸エステルの1種もしくは2種以上からなり、その1重量%水溶液(または懸濁液)のPHが3.5以上12以下の範囲に調整したことを特徴とするアクリル水性分散体造膜助剤

請求項

ID=000003HE=015 WI=053 LX=0335 LY=0650但し、式(1)においてR1、R2は炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル、脂環式アルキル基を示す。R1、R2は同じでよい。

請求項2

請求項1のグルタル酸エステルがグルタル酸ジイソプロピルであるアクリル水性分散体の造膜助剤。

請求項3

請求項1のグルタル酸エステルを有機アミンまたは無機アルカリで処理することを特徴とするアクリル水性分散体の造膜助剤の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、生体への毒性が少なく、乾燥性造膜性能に優れ、ラテックスに配合した場合、貯蔵安定性に優れたアクリル水性分散体造膜助剤に関するものである。

背景技術

0002

近年、地球環境及び労働環境問題議論され、その中でも環境破壊直接関係する溶剤については、その使用禁止総量規制により、その使用量の削減と低毒性溶剤への代替化が急務となつている。例えば塗料インクの溶剤として用いられているエチレングリコール系溶剤は、毒性の低いプロピレングリコール系溶剤へと代替化が進んでおり、メチル基エチル基ブチル基等の低級アルキル基エーテル化したグリコールエーテルが開発されている。特に塗料の分野では、溶剤削減の為、溶剤系塗料から水系塗料への移行が進められてが、この塗料の水系化に伴い、溶剤系では必要の無い造膜助剤が必要となり、塗料分野ではイソ酪酸エステルブチルセロソルブセロソルブアセテート等が使用されてきたが、これらの助剤は乾燥性、加水分解性臭気、毒性等に問題があった。その代替化が望まれていた。

0003

これらの代替物質への要求性能としては、乾燥性、造膜性、顔料混和性耐加水分解性が良く、低毒性、安全性(不燃性叉は高引火点)、低臭気性であることが挙げられる。このような代替物質としては、特開平4ー55479号公報に見られるようなジプロピレングリコール誘導体があるが、これらの物質は毒性及び安全性と低臭気性は良好とはいえ、乾燥性、造膜性に問題があった。また造膜性・乾燥性において極めて高い性能を有する代替物質としてはコハク酸アジピン酸等のメチルエステルがあるが、エステル加水分解によりアクリル水性分散体添加後著しいPH低下を引き起こし、組成物の貯蔵安定性を損なうため使用されておらず、先に述べた性能を持つ助剤の開発が望まれていた。このコハク酸やアジピン酸のメチルエステルの加水分解を抑制する方法としては、特開昭57ー34166号公報やPoly.Mater.Sci.Eng.,Vol.58,1125〜1132(1988)に見られるように、エステル部分分岐アルキルにする方法があるが、造膜性・乾燥性に劣る2、2、4ートリメチルー1、3ーペンタンジオールモノイソブチレート(以下TPIBと略す)などのエステル従来品に比べ、加水分解によるPHの低下が大きく、組成物の貯蔵安定性に関する問題については充分な結果は得られておらず、依然未解決の課題であった。

発明が解決しようとする課題

0004

本発明は、生体内での代謝過程においても有害物質を生成することのない、乾燥性、造膜性能に優れ、ラテックスに配合した場合、貯蔵安定性に優れたアクリル水性分散体用造膜助剤を提供するものである。

課題を解決するための手段

0005

すなわち、本発明は、下記一般式(1)で示されるグルタル酸エステルの1種もしくは2種以上からなり、その1重量%水溶液(または懸濁液)のPHが3.5以上12以下の範囲に調整したことを特徴とするアクリル水性分散体の造膜助剤である。

0006

0007

但し、式(1)においてR1、R2は炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル、脂環式アルキル基を示す。R1、R2は同じでよい。以下本発明を詳細に説明する。式(1)においてR1、R2は炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル、脂環式のアルキル基であって、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、ターシャリーブチチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2ーエチルヘキシル基等が挙げられ、R1、R2は同一または異なつていても良い。

0008

具体的な化合物としては、グルタル酸ジメチルグルタル酸ジエチル、グルタル酸ジイソプロピル、グルタル酸ジターシャリーブチル、グルタル酸ジブチル、グルタル酸ジヘキシル、グルタル酸ジシクロヘキシル、グルタル酸ジ(2ーエチルヘキシル)、グルタル酸ブチルシクロヘキシル、グルタル酸ターシャリーブチルシクロヘキシルがあり、そのうち、グルタル酸ジイソプロピルが好まい。

0009

又、これらのグルタル酸エステルを主成分としてその性能を損なわない範囲で、アジピン酸エステルコハク酸エステル、TPIB等の他のエステル類、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールブチルエーテルジプロピレングリコールブチルエーテル等のエーテル類ベンジルアルコール等のアルコール類ヘキサントルエンベンゼン等の炭化水素類を添加して使用することができ、具体的には、40重量%以下の範囲で添加して用いることが可能である。

0010

本発明の化合物の製造方法としては、二塩基酸アルコールとのエステル化反応や酸クロライドとアルコールとの反応、及び二塩基酸エステルとアルコールとのエステル交換反応を挙げる。一例として、グルタル酸ジイソプロピル(以下GIPと略す)の製造方法に於いて、グルタル酸(以下GAと略す)とイソプロパノール(以下IPAと略す)の反応を例として説明すると以下の様になる。GAに2〜10倍モルのIPAを加え、酸触媒鉱酸樹脂等)存在下で50〜150℃に加熱し、常圧叉は加圧下で3〜20時間反応させ、未反応原料とグルタル酸のモノイソプロピルエステル及びジイソプロピルエステルの平衡組成合物を得る。この混合物から未反応IPAと生成水を除去し、更に未反応GAとモノエステル蒸留分離することにより、グルタル酸ジイソプロピルを得ることができる。又原料として低純度グルタル酸(不純物;コハク酸5〜20%、アジピン酸35〜10%等)を用いた場合も同様にして反応が可能であり、蒸留によりグルタル酸ジイソプロピルの純度を制御することが出来る。

0011

一般に造膜助剤としての要求性能は造膜性乾燥性貯蔵安定性が挙げられ、上述のような二塩基酸エステルは造膜性・乾燥性に優れていると考えられていたが、実際には二塩基酸エステルを造膜助剤に用いる場合造膜性と乾燥性は二塩基酸の炭素数に依存し、特にコハク酸など炭素数4以下の二塩基酸エステルでは乾燥性に優れているが著しく造膜性に劣り、またアジピン酸など炭素数6以上の二塩基酸エステルでは造膜性は優れているものの乾燥性に問題があり、この造膜性の炭素数依存性は二塩基酸の炭素数が大きい程顕著になる。この原因についての詳細は明かではないが、一般に造膜助剤の造膜性に関与する因子としては、SP値等で示されるラテックスポリマーとの相溶性水溶性の程度で予想されるラテックスポリマーへの分配の大きさが挙げられ、二塩基酸の炭素数が大きい程その疎水性が増加し、ポリマーとの相溶性及びポリマーへの分配が向上し、ポリマーをより可塑化させるためであると考えられる。一方乾燥性に関する因子としては、助剤の沸点蒸気圧に依存する初期乾燥性ラテックスフィルム内部での助剤の拡散性、即ち助剤の形状・大きさに依存する後期乾燥性が挙げられ、二塩基酸の炭素数が4以下である場合、その沸点の降下と蒸気圧の上昇により初期乾燥性が向上するため、優れた乾燥性能を有すると考えられる。しかしながら、二塩基酸の炭素数が6以上では分子の形状の大きさにともない塗膜内での拡散性の低下により後期乾燥性が低下するため乾燥性能が劣ると考えられ、その結果助剤がラテックスフィルム中に残存する。すなわち造膜性と乾燥性、特に後期乾燥性は相反する因子であり、これを克服することは困難であった。

0012

このような造膜助剤の性能における相反する因子を検討した結果、炭素数5の二塩基酸であるグルタル酸エステルがこの相反する性能すなわち造膜性と後期乾燥性に優れることを見いだした。グルタル酸エステルが優れた造膜性と良好な後期乾燥性を持つ原因についての詳細は明かではないが、1つには二塩基酸としての性質が炭素数4や炭素数6のものは高融点であるのに対し、炭素数5のグルタル酸は低融点液体)であることに基ずくものであると推定できる。即ち、グルタル酸をポリエステルに用いた場合低融点・低Tgの樹脂ができることから、グルタル酸エステルをラテックスに添加した場合同様にTgを低下(可塑化)させ、その結果優れた造膜性を持つと考えられる。またこの特異的な低Tg化(高可塑化効果)が、ラテックスフィルム中の助剤の拡散性を向上させ、即ち後期乾燥性を促進させる結果となったと考えられる。

0013

一方、造膜性・乾燥性と並んで実用面で重要な因子となる貯蔵安定性を、本発明におけるグルタル酸エステル及びグルタル酸エステルを主成分とする造膜助剤を有機アミン叉は無機アルカリで処理し、その1重量%水溶液(または懸濁液)のPHを3.5〜12の範囲に調整することにより改善することができる。本発明で貯蔵安定性とは、ラテックスへ助剤を添加した後、25℃で6ヶ月及び50℃で1ヶ月以上の長期的なラテックスPHの安定性てある。この間ラテックスのPHが7.0以下に低下した場合は、ポリマーの凝集沈澱が生じ、実用困難となる。例えば二塩基酸エステルのメチル基をターシャリブチル基のような嵩高いアルキル基に替える方法を用いても、短期的にはラテックスPHの低下の抑制を実現できるが、特にPHが7.5以下程度に下がると、著しい加水分解速度の増加が見られ、急激にPHが低下し、ポリマーの凝集・沈澱が生じ実用化されていないのが現状である。即ち、ラテックスの安定性を得る為には、この急激なPHの低下を抑制することが必要であり、これが重要なポイントとなる。そこで我々は、ラテックスのPHを7.5までに低下させない手法を検討し、ラテックスの初期PHがその後のラテックス安定性すなわちエステルの加水分解速度に大きく影響することを見いだし、さらに初期PHは添加する二塩基酸エステルの1重量%水溶液(懸濁液)のPHに大きく依存することを見いだした。すなわち、1重量%水溶液にしてPH3.5〜12のグルタル酸エステルを添加した場合ラテックスの貯蔵安定性を実現できることは、ラテックスの初期PHを低下させず、これによりエステルの加水分解速度が抑制されるためであると考えられる。このような従来得られなかった造膜性・乾燥性・貯蔵安定性における高い性能を、グルタル酸エステルのPHを1重量%水溶液にしてPH3.5以上12以下の範囲になるように調整することにより初めて得られたという事実は、何人も想像し得なかったことである。

0014

処理に使用する有機アミン又は無機アルカリはとして、例えば、有機アミンとしては、トリメチルアミントリエチルアミントリプロピルアミンピリジン置換ピリジンエチレンジアミン等が挙げられ、特に低沸点のアミンが好ましい。無機アルカリとしては、アルカリ及びアルカリ土類金属水酸化物酸化物炭酸塩等であり、具体例として、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化カルシウム炭酸カルシウム酸化カルシウム酸化マグネシウム等を挙げることができる。又陰イオン交換樹脂等の固体塩基を用いても良い。

0015

有機アミン、無機アルカリの使用量は、グルタル酸エステルに対し重量で0.01%から10%の範囲で用いることが好ましい。処理温度と処理時間は処理前のPHと有機アミン、無機アルカリの使用量により異なるが、10℃から100℃の範囲で1分から数時間で、PHが3.5〜12、好ましくは、4〜8の範囲になるまで処理を行う。

0016

有機アミン又は無機アルカリによる処理は、グルタル酸エステルの蒸留前でも良いし、グルタル酸エステルの蒸留後に行つても良い。処理方法としては、回分式、半回分式、連続式のどれもが可能であるが、固体のアルカリを管型反応器充填し、連続的に処理することが効率的である。グルタル酸エステル及びグルタル酸エステルと添加物の混合物のPHが3.5以下のものを用いた場合、ラテックスの貯蔵安定性が著しく損なわれる。この原因についての詳細は明かではないが、PHが3.5以下では添加後のラテックスの初期PHを著しく低下させ、エステルの加水分解速度を加速させるためと考えられる。またPHが12以上のものを用いた場合、添加後のラテックスの初期PHを著しく上昇させ、エステルの加水分解速度が加速してラテックスの貯蔵安定性が損なわれると考えられる。

0017

このグルタル酸エステルの使用量は、水性分散体の粘度、MFT等の性質により異なるが、好ましくは水性分散体の固形分に対し0.5〜20重量%の範囲である。使用量が0.5重量%より少ないときは造膜助剤としての効果が無くなり、また20重量%より多い場合は、水性分散体の粘度が著しく上昇し、塗膜形成速度も低下するため好ましくない。

0018

本発明の造膜助剤が使用されるアクリル水性分散体は、ビニル系モノマー乳化重合したものや、粉末樹脂を水ないしは少量の水性アルコールとの混合物等からなる水性媒体乳化分散させたもの等であって、一般には樹脂濃度30〜60重量%である。中でも、ビニル系モノマーを乳化重合したものが好ましい。また本発明の助剤の添加方法は、アクリル水性分散体の乳化重合前の添加や重合後のアクリル水性分散体への添加が可能である。

0019

乳化重合に使用されるビニル系モノマーとしては、アクリル酸エステルメタアクリル酸エステルアクリル酸メタアクリル酸アクリロニトリル等のアクリル系モノマーや、スチレン、αーメチルスチレン等のスチレン系モノマー酢酸ビニルアクリルアミドマレイン酸フマル酸イタコン酸等が挙げられ、1種または2種以上が混合して使用される。これらのモノマーを常法により乳化重合することによって上記アクリル水性分散体が製造される。

0020

またアクリル分散体には、被覆組成物として使用する場合に添加されるクレー、炭酸カルシウム、酸化チタンタルク等の無機顔料や、着色顔料増粘剤可塑剤消泡剤防腐剤離型剤等を添加したもので差し支えない。

0021

実施例・比較例で用いた評価方法を示す。造膜性評価方法は、各種造膜助剤をアクリル水性分散体の固形分に対し所定量添加した組成物を用いて高林理化(株)製最低成膜温度測定装置によりMFTを測定し造膜性を評価した。

0022

乾燥性・ベタツキ評価方法は、各種造膜助剤をアクリル水性分散体の固形分に対し10wt%添加した組成物を80℃で膜厚100μmで成膜し、経時的にアセトン抽出により塗膜中の残存造膜助剤をガスクロ島津GC−14Bにより定量し、初期濃度の1/2すなわち5wt%となる時間を比較した。この時一般に使用されている造膜助剤であるTBIPにおける乾燥時間を100として、他の造膜助剤における時間を相対値として示した。また成膜後5時間後のべたつき性を触感により、べたつきが全くない:◎、ほとんどべたつきがない:○、ややべたつく:△、べたつく:×として評価した。

0023

塗膜外観評価方法は、各種造膜助剤をアクリル水性分散体の固形分に対し所定量添加した組成物をガラス板上に塗布し室温成膜した塗膜の外観目視により、均一で表面平滑性に優れた塗膜を形成している:◎、ひび割れのない均一な塗膜を形成している:○、わずかにひび割れがおこっている:△、ひび割れて塗膜にならない:×として評価した。

0024

貯蔵安定性評価方法は、各種造膜助剤をアクリル水性分散体の固形分に対し所定量添加した組成物を50℃で1ヶ月間保管し、その間の経時的なPH変化を東亜電波工業(株)製PHメーターHM−205により測定し評価した。

0025

リットル4つ口フラスコにグルタル酸250g(1.89mol)とイソプロパノール570g(9.45mol)を入れ80℃に加熱し溶解させ、触媒として全体の20重量%のスルホン酸系樹脂触媒(アンバーリスト15E)を165g添加し、80℃、16時間反応させ、1重量%懸濁液にしてPH3.1のグルタル酸ジイソプロピルを230g得た。

0026

2リットル4つ口フラスコにグルタル酸250g(1.89mol)とメタノール292g(9.45mol)を入れ60℃に加熱し溶解させ、触媒として全体の20重量%のスルホン酸系樹脂触媒(アンバーリスト15E)を103g添加し、60℃、4時間反応させ、1重量%水溶液にしてPH3.1のグルタル酸ジメチルを210g得た。

0027

リットルオートクレーブにグルタル酸70重量%、コハク酸20重量%、アジピン酸10重量%の二塩基酸混合物260g(2mol)とイソプロパノール360g(6mol)を加え、触媒として硝酸70%水溶液を500ppm添加し、135℃で5時間反応させ、1重量%懸濁液にしてPH2.9のグルタル酸ジイソプロピル70重量%、コハク酸ジイソプロピル21重量%、アジピン酸ジイソプロピル9重量%の混合物を190gを得た。

0028

アジピン酸276g(1.89mol)を用いる以外は合成例1と同様にして、1重量%懸濁液にしてPH3.0のアジピン酸ジイソプロピルを304gを得た。

0029

コハク酸223g(1.89mol)を用いる以外は合成例1と同様にして、1重量%懸濁液にしてPH3.2のコハク酸ジイソプロピルを260gを得た。

0030

300mlナスフラスコに合成例1のグルタル酸ジイソプロピル100gと水酸化ナトリウム1gを加え室温で3時間撹拌後、水酸化ナトリウムを濾過し、1重量%懸濁液のPHが4.6のグルタル酸ジイソプロピルを95gを得た。

0031

300mlナスフラスコに合成例1のグルタル酸ジイソプロピル100gとトリエチルアミン8gを添加し、室温で1時間撹拌後、トリエチルアミンを蒸留回収し、1重量%懸濁液のPHが10.1のグルタル酸ジイソプロピルを90gを得た。

0032

合成例2のグルタル酸ジメチルを使用する以外は、実施例1と同様にして1重量%水溶液のPHが4.0のグルタル酸ジメチルを90gを得た。

0033

合成例3の二塩基酸エステル混合物を使用する以外は、実施例1と同様にして、1重量%懸濁液のPHが4.1の二塩基酸エステル混合物を90gを得た。

0034

実施例1のグルタル酸ジイソプロピルをアクリル水性分散体(アクリルースチレン系、MFT50℃、PH8.00)の固形分に対して10重量%を撹拌しながら室温で添加した。この水性分散体組成物を用いて造膜性・乾燥性及びべたつき性・塗膜外観の評価を行った。その結果を表1に示した。表1に示したようにグルタル酸エステルは、良好な造膜性に加え、乾燥性・べたつき性・塗膜外観における評価においても良好な結果を与えた。表2で比較しているようにグルタル酸エステルは、アジピン酸ジイソプロピル匹敵する造膜性をもちながらコハク酸ジイソプロピルと同等の乾燥性を示し、さらに現在一般に用いられているTPIBとの比較においても、造膜性だけでなく乾燥性において、グルタル酸ジイソプロピルは極めて優れた特徴を示している。

0035

0036

0037

実施例3のグルタル酸ジメチルを用いて実施例5と同様な評価を行った。その結果を表1に示した。

0038

実施例4の二塩基酸エステル混合物(以下DBIPと略す)を用いて、実施例5と同様な評価を行った。その結果を表1に示した。

0039

実施例1のグルタル酸ジイソプロピルをアクリル水性分散体(アクリル系、MFT22℃、PH8.00)の固形分に対して10重量%を撹拌しながら室温で添加した。この水性分散体組成物を用いて造膜性・乾燥性の評価を行った。その結果を表1に示した。

0040

アジピン酸ジイソプロピル(合成例4)をアクリル水性分散体(アクリルースチレン系、MFT50℃)の固形分に対して10重量%を撹拌しながら室温で添加した。この水性分散体組成物を用いて造膜性・乾燥性及びべたつき性・塗膜外観の評価を行った。その結果を表2に示した。

0041

造膜助剤としてコハク酸ジイソプロピル(合成例5)、TPIB、ブチルセルソルブ、TPIB・ブチルセルソルブ混合物、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルを用いて比較例1と同様な評価を行い、その結果を表2に示した。造膜性の比較的良好な従来品のTPIBやジプロピレングリコールn−ブチルエーテルに比べ、表2に挙げた二塩基酸エステルは、造膜性や乾燥性において優れており、中でもグルタル酸ジイソプロルはこの両者の良い性能を備えている。

0042

1重量%懸濁液にしてPH4.6のグルタル酸ジイソプロピル(実施例1)をアクリル水性分散体(アクリルースチレン系、MFT50℃、PH8.00)の固形分に対して10重量%を撹拌しながら室温で添加した。この水性分散体組成物を用いて貯蔵安定性評価をした。TPIBより優れた貯蔵安定性を示した。その結果を表3に示した。

0043

0044

1重量%懸濁液にしてPH10.1のグルタル酸ジイソプロピル(実施例2)を用いて実施例9と同様な評価を行ったところ、イソ酪酸エステルと同等以上の貯蔵安定性を示した。その結果を表3に示した。

0045

1重量%懸濁液にしてPH3.10のグルタル酸ジイソプロピル(合成例1)をアクリル水性分散体(アクリルースチレン系、MFT50℃)の固形分に対して10重量%を撹拌しながら室温で添加した。この水性分散体組成物を用いて貯蔵安定性評価を行った。その結果を表3に示した。

0046

1重量%懸濁液にしてPH12.5のグルタル酸ジイソプロピルを用いて比較例7と同様な評価を行った。その結果を表3に示した。

0047

造膜助剤として1重量%懸濁液にしてPH3.0のアジピン酸ジイソプロピル(合成例4)、TPIBを用いて比較例7と同様な評価を行った。その結果を表3に示した。

0048

実施例9の貯蔵安定性評価に用いた水性分散体組成物を50℃、4週間保管後、実施例1と同様な評価を行った。フィルム性能は、実施例5と同様であった。その結果を表4に示した。

0049

0050

実施例10の貯蔵安定性評価に用いた水性分散体組成物を50℃、4週間保管後、フィルム性能は、実施例5と同様であった。その結果を表4に示した。

0051

比較例7の貯蔵安定性評価に用いた水性分散体組成物を50℃、4週間保管後、実施例1と同様な評価を行った。フィルム性能は、実施例5に見られたような良好なものでなく、造膜性・塗膜外観において著しい低下が見られた。その結果を表4に示した。

0052

比較例9の貯蔵安定性評価に用いた水性分散体組成物を50℃、4週間保管後、実施例1と同様な評価を行った。フィルム性能は、実施例5に見られたような良好なものでなく、造膜性・塗膜外観において著しい低下が見られた。その結果を表4に示した。

発明の効果

0053

本発明は、生体内での代謝過程においても有害物質を生成することのない、乾燥性、造膜性能に優れ、ラテックスに配合した場合、貯蔵安定性に優れたアクリル水性分散体用造膜助剤である。

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