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この項目の情報は公開日時点(1996年6月7日)のものです。
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図面 (11)

目的

キャリア分布に応じた電位分布の変化とバンド構造の非放物線性の両者を正確に取り込んだシミュレーション方法を提供する。

構成

量子井戸構造初期設定値に基づいて初期バンドプロファイルを決定し(S11およびS12)、マルチバンド有効質量方程式を解き、エネルギーバンド構造を決定し(S13)、キャリア分布を算出し(S14)、ポアソン方程式を解いて電位分布を算出し(S15)、この電位分布に基づいて更新バンドプロファイルを算出し(S16)、この更新バンドプロファイルと前記初期バンドプロファイルとを比較し、この比較した結果の差が所定値を越える場合にはステップS13〜S17を繰り返し、前記比較した結果の差が所定値以下の場合には次のステップに進み(S17)、最新のキャリア分布から前記半導体レーザの特性をシミュレーションする(S18)。

概要

背景

光通信システムの主要光源である半導体レーザでは、活性層量子井戸構造幅広く用いられている。このような半導体レーザを設計する上で、デバイス光学特性電気特性コンピュータを用いてシミュレーションすることが不可欠となっている。従来の半導体レーザのシミュレーション方法を図7に示す。従来の方法では、まず、ステップS1において量子井戸領域を構成する材料の組成や寸法、動作温度等を初期設定する。この初期設定値に基づき、ステップS2で図8に示すようなバンドプロファイルを決定する。量子井戸構造を活性層とする半導体レーザでは、バンド構造の非放物線性がデバイス特性を決定する重要な要因である。そこで、図8(A)および(B)に示した伝導帯および価電子帯のバンドプロファイルに基づき、ステップS3においてマルチバンド有効質量方程式を解いて、エネルギーバンド構造を決定する。このようにして求めた価電子帯のエネルギーバンド構造の一例を図9に示す。このバンド構造には、強い非放物線性が現われていることがわかる。引き続いてステップS4において、このエネルギーバンド構造を基に量子井戸領域中のキャリア分布を算出する。図10に算出したキャリア分布を示す。最後にステップS5において、上述したように求めたキャリア分布から半導体レーザの光学特性や電気特性を求め、シミュレーションを終了する。

概要

キャリア分布に応じた電位分布の変化とバンド構造の非放物線性の両者を正確に取り込んだシミュレーション方法を提供する。

量子井戸構造の初期設定値に基づいて初期バンドプロファイルを決定し(S11およびS12)、マルチバンド有効質量方程式を解き、エネルギーバンド構造を決定し(S13)、キャリア分布を算出し(S14)、ポアソン方程式を解いて電位分布を算出し(S15)、この電位分布に基づいて更新バンドプロファイルを算出し(S16)、この更新バンドプロファイルと前記初期バンドプロファイルとを比較し、この比較した結果の差が所定値を越える場合にはステップS13〜S17を繰り返し、前記比較した結果の差が所定値以下の場合には次のステップに進み(S17)、最新のキャリア分布から前記半導体レーザの特性をシミュレーションする(S18)。

目的

本発明の目的は、上記の問題点を解決し、キャリア分布に応じた電位分布の変化とバンド構造の非放物線性の両者を正確に取り込んだシミュレーション方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

量子井戸構造を有する半導体レーザシミュレーション方法において、前記量子井戸構造の初期設定値に基づいて初期バンドプロファイルを決定する第1のステップ、このバンドプロファイルに基づいてマルチバンド有効質量方程式を解き、エネルギーバンド構造を決定する第2のステップ、このエネルギーバンド構造からキャリア分布を算出する第3のステップ、ポアソン方程式を解いて前記キャリア分布に応じた電位分布を算出し、この電位分布に基づいて更新バンドプロファイルを算出する第4のステップ、この更新バンドプロファイルと前記初期バンドプロファイルとを比較し、この比較した結果の差が所定値を越える場合にはこの更新バンドプロファイルに基づいて前記第2〜第4のステップを繰り返し、前記比較した結果の差が所定値以下の場合には次のステップに進む第5のステップ、および最新の更新バンドプロファイルに対応する最新の前記キャリア分布から前記半導体レーザの特性をシミュレーションする第6のステップ、を具備することを特徴とする半導体レーザのシミュレーション方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体レーザ光学特性および電気特性などの特性ををコンピュータ上で解析するためのシミュレーション方法に関するものである。

背景技術

0002

光通信システムの主要光源である半導体レーザでは、活性層量子井戸構造幅広く用いられている。このような半導体レーザを設計する上で、デバイスの光学特性や電気特性をコンピュータを用いてシミュレーションすることが不可欠となっている。従来の半導体レーザのシミュレーション方法を図7に示す。従来の方法では、まず、ステップS1において量子井戸領域を構成する材料の組成や寸法、動作温度等を初期設定する。この初期設定値に基づき、ステップS2で図8に示すようなバンドプロファイルを決定する。量子井戸構造を活性層とする半導体レーザでは、バンド構造の非放物線性がデバイス特性を決定する重要な要因である。そこで、図8(A)および(B)に示した伝導帯および価電子帯のバンドプロファイルに基づき、ステップS3においてマルチバンド有効質量方程式を解いて、エネルギーバンド構造を決定する。このようにして求めた価電子帯のエネルギーバンド構造の一例を図9に示す。このバンド構造には、強い非放物線性が現われていることがわかる。引き続いてステップS4において、このエネルギーバンド構造を基に量子井戸領域中のキャリア分布を算出する。図10に算出したキャリア分布を示す。最後にステップS5において、上述したように求めたキャリア分布から半導体レーザの光学特性や電気特性を求め、シミュレーションを終了する。

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、上述した従来の方法でのシミュレーションで求めた光学特性や電気特性は、十分に正確ではなく、特に、注入キャリア密度の増加につれてより一層正確さに欠けるという問題がある。

0004

この従来のシミュレーション方法の問題点を検討した結果、シミュレーションの不正確さはキャリア分布が正確でないことに起因することを知見した。この点を端的に表わしているのが、図10(A)および(B)に示したキャリア分布である。この図から分かるように、電子正孔との空間分布は大きく異なっており、局所的には電荷中性条件が満たされていない。具体的に述べると、量子井戸内部には正孔が集中し、電子の負電荷を補って余りあるほどの正電荷蓄積されているが、一方、量子井戸周辺は、量子井戸内部とは逆に電子が過剰になっており、負電荷が蓄積されている。このような電荷分布アンバランスは、量子井戸内の電位分布を大きく変化させる原因となる。この結果、キャリア注入された動作状態の半導体レーザのバンドプロファイルは図8に示したものとは異なるものとなる。

0005

このように、従来の半導体レーザのシミュレーション方法は、前提としているバンドプロファイルが実際の動作状態におけるバンドプロファイルとは大きく異なるという問題があり、この結果、正確な結果が得られていないことになる。また、特に、この傾向は注入キャリア密度の増加につれてより一層顕著になるが、この点は、従来の半導体レーザのシミュレーション方法によると、高温での半導体レーザの動作特性をシミュレーションした結果ほどより正確さに欠けることと符合する。

0006

本発明の目的は、上記の問題点を解決し、キャリア分布に応じた電位分布の変化とバンド構造の非放物線性の両者を正確に取り込んだシミュレーション方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

前記目的を達成する本発明は、量子井戸構造を有する半導体レーザのシミュレーション方法において、前記量子井戸構造の初期設定値に基づいて初期バンドプロファイルを決定する第1のステップ、このバンドプロファイルに基づいてマルチバンド有効質量方程式を解き、エネルギーバンド構造を決定する第2のステップ、このエネルギーバンド構造からキャリア分布を算出する第3のステップ、ポアソン方程式を解いて前記キャリア分布に応じた電位分布を算出し、この電位分布に基づいて更新バンドプロファイルを算出する第4のステップ、この更新バンドプロファイルと前記初期バンドプロファイルとを比較し、この比較した結果の差が所定値を越える場合にはこの更新バンドプロファイルに基づいて前記第2〜第4のステップを繰り返し、前記比較した結果の差が所定値以下の場合には次のステップに進む第5のステップ、および最新の更新バンドプロファイルに対応する最新の前記キャリア分布から前記半導体レーザの特性をシミュレーションする第6のステップ、を具備することを特徴とする半導体レーザのシミュレーション方法にある。

0008

従来のシミュレーション方法では、エネルギーバンド構造の非放物線性を記述するマルチバンドの有効質量方程式だけを解いているため、キャリア分布に応じた電位分布の変化や、それに起因したエネルギーバンド構造の変化、さらには両者の相互作用等の影響を取り入れることができず、半導体レーザの動作特性を正確にシミュレーションできなかった。

0009

これに対し、本発明では、電位分布を記述するポアソン方程式とエネルギーバンド構造の非放物線性を記述するマルチバンドの有効質量方程式とを自己無頓着解くことにより、キャリア分布に応じた電位分布の変化、およびそれに起因するエネルギーバンド構造の変化、さらに両者の相互作用等の影響をシミュレーションに取り入れることができ、キャリアが注入された動作状態の素子特性を算出することができる。

0010

本発明のシミュレーション方法を実施例に基づいて説明する。

0011

図1は、本発明のシミュレーション方法の一実施例を示すフローチャートである。ここで、ステップS11〜S14は、従来の手法(図7)のステップS1〜S4と同様である。

0012

まず、ステップS11において、半導体レーザの量子井戸領域を構成する材料の組成や寸法等の初期状態を設定し、ステップS12において、初期設定値に基づき、初期バンドプロファイルを決定する。引き続いてステップS13において、上記バンドプロファイルに基づいてマルチバンドの有効質量方程式を解き、エネルギーバンド構造を決定する。さらに、ステップS14において、上記エネルギーバンド構造にしたがってキャリア分布を算出する。

0013

本発明は以下に説明するように、これ以降のステップに特長がある。ステップS15では、ポアソン方程式を解いてステップS14で求めたキャリア分布に応じた電位分布を算出し、ステップS16では、この電位分布に基づいて更新バンドプロファイルを算出する。すなわち、ステップS15およびS16では、ポアソン方程式を積分して算出した電位分布を更新前の最新のバンドプロファイルに重ね合わせてバンドプロファイルを更新する。そして、ステップS17において、ステップS16で得られた更新後の更新バンドプロファイルと更新前のバンドプロファイルとの差を比較し、その差が所定値よりも大きい場合には、ステップS13〜S17を繰り返す。すなわち、ステップ更新した最新のバンドプロファイルのもとで、マルチバンドの有効質量方程式を解いてエネルギーバンド構造を算出し、次いで、キャリア分布を算出し、さらにポアソン方程式を解き、バンドプロファイルを更新する作業を再度行う。そして、このステップS13からステップS16までの作業を更新前のバンドプロファイルと更新後のバンドプロファイルの差が所定値(本実施例では0.1)よりも小さくなるまで繰り返す。更新前のバンドプロファイルと更新後のバンドプロファイルの差が所定値より小さくなった場合、ステップS18にて、このときの最新のバンドプロファイルに対応する最新のキャリア分布から光学利得しきい値電流等のレーザの動作特性を算出し、シミュレートを終了する。

0014

このようにして、本実施例では、ステップS13からステップS17を繰り返して、ポアソン方程式とマルチバンドの有効質量方程式とを自己無頓着に解くことにより、量子井戸領域中のキャリア分布に応じた電位分布の変化とエネルギーバンド構造の非放物線性を同時にシミュレーションに取り入れることができ、正確なキャリア分布を求めることが可能となる。そして、ステップS18において、両方程式を自己無頓着に解くことによって得られたキャリア分布に基づき、素子特性を正確に導出することができる。

0015

図2は、本実施例においてシミュレーションの対象とした量子井戸レーザの量子井戸領域の断面構造を示したものである。このレーザは、InPクラッド層21上に、InGaAsP光閉じ込め層22(層厚50nm、バンドギャップ波長1.1μm)、InGaAs量子井戸層23(層厚6nm、発振波長1.3μm、圧縮歪1.0%)、InGaAsP光閉じ込め層24(層厚50nm、バンドギャップ波長1.1μm)、InPクラッド層25を順次積層した構造を有する。

0016

図3(A)および(B)は、図2に示した構造のレーザ素子について、上述したように、ポアソン方程式とマルチバンドの有効質量方程式との両方程式を自己無頓着に解いた結果得られた最終のバンドプロファイルを示したものである。量子井戸中の正孔の蓄積を反映して、バンドプロファイルが下向きに変形しており、動作状態のバンドプロファイルを正確に示していることが分かる。

0017

図4は、図3に示したバンドプロファイルに基づいてマルチバンドの有効質量方程式を解いた結果得られた価電子帯のエネルギーバンド構造を示したものである。バンドプロファイルの変形の影響を浮けて、従来方法で求めた図9に示した結果とはサブバンド間隔等のエネルギーバンド構造が変化していることが分かる。

0018

また、図5(A)および(B)は、本発明のシミュレーション方法によって得られたキャリア分布を示したものである。図10に示した従来のシミュレーション方法によって得られたキャリア分布と比較すると、量子井戸中ばかりでなく量子井戸に接した光閉じ込め領域中においても分布形状が大きく異なっており、自己無頓着に解く本発明のシミュレーション方法の必要性が示されている。

0019

図6は、半導体レーザのしきい値電流の温度依存性を、本発明のシミュレーション方法で計算した結果と従来のシミュレーション方法で計算した結果を比較したものである。本発明のシミュレーション方法によって得られた結果は、温度上昇に伴ってしきい値電流が非線形に増大する様子をよく再現しており、従来のシミュレーション方法の問題点であった高温での動作特性のシミュレーション結果の正確さが大きく改善されていることが分かる。

発明の効果

0020

以上説明したように、本発明のシミュレーション方法によれば、従来のシミュレーション方法において問題となっていたキャリア分布に応じた電位分布の変化、およびそれに起因したエネルギーバンド構造の変化、さらに両者の相互作用等の影響を解析に取り込むことができ、半導体レーザの素子特性をより一層正確に算出することができる。

図面の簡単な説明

0021

図1本発明のシミュレーション方法の一実施例のフローチャートを示した図である。
図2本発明の一実施例中でシミュレーションの対象とした量子井戸レーザの量子井戸領域の断面構造を示した図である。
図3本発明のシミュレーション方法で得られたバンドプロファイルを示した図である。
図4本発明のシミュレーション方法で得られた価電子帯のエネルギーバンド構造を示した図である。
図5本発明のシミュレーション方法で得られたキャリア分布を示した図である。
図6本発明のシミュレーション方法で得られたしきい値電流密度の温度依存性と従来のシミュレーション方法で得られたしきい値電流密度の温度依存性とを比較した図である。
図7従来のシミュレーション方法のフローチャートを示した図である。
図8従来のシミュレーション方法で用いられたバンドプロファイルを示した図である。
図9従来のシミュレーション方法で得られた価電子帯のエネルギーバンド構造を示した図である。
図10従来のシミュレーション方法で得られたキャリア分布を示した図である。

--

0022

21InPクラッド層
22InGaAsP光閉じ込め層
23 InGaAsP量子井戸層
24 InGaAsP光閉じ込め層
25 InPクラッド層

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