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図面 (10)

目的

駆動力制御手段、制動力制御手段及び後輪舵角制御手段を備え、迅速に車両の操縦定性を確保し得る車両の安定制御装置を提供する。

構成

ヨーレイト偏差演算手段DYにて実ヨーレイト目標ヨーレイトに対する偏差を演算し、この演算結果に応じて後輪舵角制御手段RCを制御すると共に、同演算結果に基づき、第1のスリップ率演算手段SYにて第1のスリップ率を演算する。また、後輪舵角検出手段DAによって車輪RL,RR舵角を検出し、この検出舵角に基づき第2のスリップ率演算手段SRにて第2のスリップ率を演算する。これら第1及び第2のスリップ率に基づき目標スリップ率設定手段TSにて目標スリップ率を設定し、この目標スリップ率に基づき駆動力制御手段DC及び制動力制御手段BCを制御し、ヨーレイト偏差が所定レベル以下となるように制御する。

概要

背景

近時の車両は、駆動力制御手段を備えると共に、制動力制御手段を備え、アンチスキッド制御をはじめ、トラクション制御前後制動力配分制御等種々の制御機能を有している。更に、後輪舵角制御手段を具備し、従前の前輪操舵機能に加えて車両後方車輪舵角制御を可能とし、四輪操舵機能を有するに至っている。例えば、特開平4−317863号公報には駆動輪操舵機能を具備した車両が開示されている。同公報に従来技術として記載されているように、トラクション制御装置においては、駆動輪と従動輪との回転速度差から駆動輪のスリップ発生の有無を検出し、スリップ発生時にはエンジン出力トルクを、吸入空気量制御点火時期制御により、抑制してスリップを防止するようにしており、駆動輪を制御することにより、スリップを防止することも行なわれる。同公報においては、路面の摩擦係数が左右の駆動輪で異なっていても走行性を安定できるようにするため、左右の駆動輪の軸トルクを検出し、それらの軸トルク差が発生したときには軸トルクが小さな側の駆動輪にスリップが発生したと判断し、軸トルクが小さな側の駆動輪を旋回外側になるように駆動輪を操舵制御する旨記載されている。

また、特開昭63−315355号公報に記載のアンチスキッド制御装置においては、アンチスキッド制御機能と四輪操舵機能を備えた車両に関し、ブレーキ操作時に車両の垂直軸回りに現れる運動打ち消す方向に後輪操舵角を制御する装置が提案されている。

概要

駆動力制御手段、制動力制御手段及び後輪舵角制御手段を備え、迅速に車両の操縦定性を確保し得る車両の安定制御装置を提供する。

ヨーレイト偏差演算手段DYにて実ヨーレイト目標ヨーレイトに対する偏差を演算し、この演算結果に応じて後輪舵角制御手段RCを制御すると共に、同演算結果に基づき、第1のスリップ率演算手段SYにて第1のスリップ率を演算する。また、後輪舵角検出手段DAによって車輪RL,RR舵角を検出し、この検出舵角に基づき第2のスリップ率演算手段SRにて第2のスリップ率を演算する。これら第1及び第2のスリップ率に基づき目標スリップ率設定手段TSにて目標スリップ率を設定し、この目標スリップ率に基づき駆動力制御手段DC及び制動力制御手段BCを制御し、ヨーレイト偏差が所定レベル以下となるように制御する。

目的

そこで、本発明は駆動力制御手段、制動力制御手段及び後輪舵角制御手段を備え、迅速に車両の操縦安定性を確保し得る車両の安定制御装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

車両に搭載したエンジンによる前記車両後方車輪に対する駆動力を制御する駆動力制御手段と、前記車両の各車輪に装着したブレーキ装置制動力を制御する制動力制御手段と、少くとも前記車両前方の車輪の操舵量に応じて前記車両後方の車輪の舵角を制御する後輪舵角制御手段と、前記車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段の検出結果に応じて目標ヨーレイトを設定する目標ヨーレイト設定手段と、前記車両の実ヨーレイトを検出する実ヨーレイト検出手段と、前記実ヨーレイトの前記目標ヨーレイトに対する偏差演算するヨーレイト偏差演算手段とを備え、該ヨーレイト偏差演算手段の演算結果に応じて前記後輪舵角制御手段を制御する車両の安定制御装置において、前記ヨーレイト偏差演算手段の演算結果に基づき第1のスリップ率を演算する第1のスリップ率演算手段と、前記後輪舵角制御手段による前記車両後方の車輪の舵角を検出する後輪舵角検出手段と、該後輪舵角検出手段の検出舵角に基づき第2のスリップ率を演算する第2のスリップ率演算手段と、前記第1及び第2のスリップ率に基づき目標スリップ率を設定する目標スリップ率設定手段を備え、該目標スリップ率設定手段が設定した目標スリップ率に基づき前記駆動力制御手段及び前記制動力制御手段を制御するようにしたことを特徴とする車両の安定制御装置。

請求項2

前記駆動力制御手段が、前記エンジンのスロットル開度を制御するスロットル制御装置を含み、前記目標スリップ率設定手段が設定した目標スリップ率に基づき、前記スロットル制御装置によるスロットル開度制御及び前記制動力制御手段による制動力制御を行なうように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の安定制御装置。

請求項3

前記車両の各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、該車輪速度検出手段の検出出力に基づき車体速度推定する車体速度推定手段を備え、前記運転状態検出手段が、前記車両前方の車輪の操舵角を検出する前輪舵角センサを含み、該前輪舵角センサが検出した操舵角と前記車体速度推定手段が推定した車体速度に基づき前記車両の運転状態を検出するように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の安定制御装置。

請求項4

前記実ヨーレイト検出手段が、前記車輪速度検出手段の検出車輪速度のうち前記車両の従動輪側の左右の車輪速度の差に基づいて前記実ヨーレイトを演算するように構成したことを特徴とする請求項3記載の車両の安定制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両に搭載したエンジンによる車両後方車輪に対する駆動力を制御する駆動力制御手段及び車両の各車輪に装着したブレーキ装置制動力を制御する制動力制御手段に加え、車両後方の車輪の舵角を制御する後輪舵角制御手段を具備し、操縦定性を維持する車両の安定制御装置に関する。

背景技術

0002

近時の車両は、駆動力制御手段を備えると共に、制動力制御手段を備え、アンチスキッド制御をはじめ、トラクション制御前後制動力配分制御等種々の制御機能を有している。更に、後輪舵角制御手段を具備し、従前の前輪操舵機能に加えて車両後方の車輪の舵角制御を可能とし、四輪操舵機能を有するに至っている。例えば、特開平4−317863号公報には駆動輪操舵機能を具備した車両が開示されている。同公報に従来技術として記載されているように、トラクション制御装置においては、駆動輪と従動輪との回転速度差から駆動輪のスリップ発生の有無を検出し、スリップ発生時にはエンジンの出力トルクを、吸入空気量制御点火時期制御により、抑制してスリップを防止するようにしており、駆動輪を制御することにより、スリップを防止することも行なわれる。同公報においては、路面の摩擦係数が左右の駆動輪で異なっていても走行性を安定できるようにするため、左右の駆動輪の軸トルクを検出し、それらの軸トルク差が発生したときには軸トルクが小さな側の駆動輪にスリップが発生したと判断し、軸トルクが小さな側の駆動輪を旋回外側になるように駆動輪を操舵制御する旨記載されている。

0003

また、特開昭63−315355号公報に記載のアンチスキッド制御装置においては、アンチスキッド制御機能と四輪操舵機能を備えた車両に関し、ブレーキ操作時に車両の垂直軸回りに現れる運動打ち消す方向に後輪操舵角を制御する装置が提案されている。

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、前掲の特開平4−317863号公報に記載の装置は、左右の駆動輪で摩擦係数が異なる所謂スプリット路面での加速運転性の向上が企図され、駆動輪の軸トルクを検出し駆動輪に対する操舵制御を行なうこととしたものであり、制動力制御手段とは直接関連性を有していない。また、同装置は、エンジンによる駆動力を制御しトラクション制御等を行なう駆動力制御手段、従動輪を含む車両後方の車輪の舵角を制御する後輪舵角制御手段とも無関係である。一方、特開昭63−315355号公報に記載の装置は、駆動力制御手段を備えておらず、その必要性が示唆されているものではない。

0005

そこで、本発明は駆動力制御手段、制動力制御手段及び後輪舵角制御手段を備え、迅速に車両の操縦安定性を確保し得る車両の安定制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記の目的を達成するため、本発明は、図1に構成の概要を示したように、車両に搭載したエンジンEGによる車両後方の車輪RL,RRに対する駆動力を制御する駆動力制御手段DCと、各車輪FL,FR,RL,RRに装着したブレーキ装置BRの制動力を制御する制動力制御手段BCと、少くとも車両前方の車輪FL,FRの操舵量に応じて車両後方の車輪RL,RRの舵角を制御する後輪舵角制御手段RCと、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段DSと、この運転状態検出手段DSの検出結果に応じて目標ヨーレイトを設定する目標ヨーレイト設定手段TYと、車両の実ヨーレイトを検出する実ヨーレイト検出手段AYと、実ヨーレイトの目標ヨーレイトに対する偏差演算するヨーレイト偏差演算手段DYとを備え、このヨーレイト偏差演算手段DYの演算結果に応じて後輪舵角制御手段RCを制御する車両の安定制御装置において、ヨーレイト偏差演算手段DYの演算結果に基づき第1のスリップ率を演算する第1のスリップ率演算手段SYと、後輪舵角制御手段RCによる車両後方の車輪RL,RRの舵角を検出する後輪舵角検出手段DAと、この後輪舵角検出手段DAの検出舵角に基づき第2のスリップ率を演算する第2のスリップ率演算手段SRと、第1及び第2のスリップ率に基づき目標スリップ率を設定する目標スリップ率設定手段TSを備え、この目標スリップ率設定手段TSが設定した目標スリップ率に基づき駆動力制御手段DC及び制動力制御手段BCを制御するようにしたものである。

0007

上記の車両の安定制御装置において、駆動力制御手段DCは、エンジンEGのスロットル開度を制御するスロットル制御装置を含み、目標スリップ率設定手段TSが設定した目標スリップ率に基づき、スロットル制御装置によるスロットル開度制御及び制動力制御手段BCによる制動力制御を行なうように構成するとよい。

0008

また、上記の車両の安定制御装置において、各車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、車輪速度検出手段の検出出力に基づき車体速度推定する車体速度推定手段を備えたものとし、運転状態検出手段DSとしては、車両前方の車輪FL,FRの操舵角を検出する前輪舵角センサを含み、この前輪舵角センサが検出した操舵角と車体速度推定手段が推定した車体速度に基づき車両の運転状態を検出するように構成することができる。

0009

更に、実ヨーレイト検出手段として、車輪速度検出手段の検出車輪速度のうち従動輪側の左右の車輪速度の差に基づいて実ヨーレイトを演算するように構成することもできる。

0010

上記の構成になる図1に記載の車両の安定制御装置においては、エンジンEGから車両後方の車輪RL,RRに伝達される駆動力が駆動力制御手段DCによって制御されると共に、各車輪FL,FR,RL,RRに付与されるブレーキ装置BRの制動力が制動力制御手段BCによって制御される。また、後輪舵角制御手段RCによって、少くとも車両前方の車輪FL,FRの操舵量に応じて車両後方の車輪RL,RRの舵角が制御される。更に、目標ヨーレイト設定手段TYにおいて、運転状態検出手段DSの検出結果に応じて目標ヨーレイトが設定されると共に、実ヨーレイト検出手段AYにより車両の実ヨーレイトが検出される。そして、ヨーレイト偏差演算手段DYにて実ヨーレイトの目標ヨーレイトに対する偏差が演算され、この演算結果に応じて後輪舵角制御手段RCが制御される。また、ヨーレイト偏差演算手段DYの演算結果に基づき、第1のスリップ率演算手段SYにて第1のスリップ率が演算されると共に、後輪舵角制御手段RCによって制御された車輪RL,RRの舵角が後輪舵角検出手段DAにて検出され、この後輪舵角検出手段DAの検出舵角に基づき第2のスリップ率演算手段SRにて第2のスリップ率が演算される。これら第1及び第2のスリップ率に基づき目標スリップ率設定手段TSにて目標スリップ率が設定され、この目標スリップ率に基づき駆動力制御手段DC及び制動力制御手段BCが制御され、ヨーレイト偏差が所定レベル以下となるように制御される。

0011

請求項2に記載の車両の安定制御装置においては、目標スリップ率設定手段TSが設定した目標スリップ率に基づき、スロットル制御装置によってエンジンEGのスロットル開度が制御されると共に、制動力制御手段BCによって制動力制御が行なわれる。

0012

請求項3に記載の車両の安定制御装置においては、車輪速度検出手段の検出出力に基づき車体速度推定手段にて車体速度が推定されると共に、運転状態検出手段DSを構成する前輪舵角センサによって車両前方の車輪の操舵角が検出され、この操舵角と車体速度推定手段にて推定された車体速度に基づき、車両の運転状態が検出される。更に、請求項4に記載の車両の安定制御装置においては、車輪速度検出手段で検出された従動輪側の左右の車輪速度の差に基づいて実ヨーレイトが演算される。

0013

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図2は本発明の安定制御装置の一実施例を示すもので、車両に搭載されたエンジンによる後輪に対する駆動力を制御する駆動力制御手段、各車輪の制動力を制御する制動力制御手段、及び後輪の舵角を制御する後輪舵角制御手段を備えている。先ず、駆動系について説明すると、本実施例のエンジンEGはスロットル制御装置THを備えた内燃機関で、スロットル制御装置THはアクセルペダルAPの操作に応じてスロットル開度が制御されると共に、電子制御装置ECUの出力に応じてスロットル開度が制御されるように構成されている。このエンジンEGは周知のディファレンシャルギヤDFを介して車両後方の車輪RL,RRに連結されており、所謂後輪駆動方式が構成されている。

0014

次に、制動系については、車輪FL,FR,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wfr,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイールシリンダWfl等とマスタシリンダMCとを接続する液圧路液圧制御装置FVが介装されている。尚、車輪FLは運転席からみて前方左側の車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方左側、車輪RRは後方右側の車輪を示しており、本実施例では前輪液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分された前後配管が構成されているが、所謂X配管としてもよい。

0015

マスタシリンダMCはブレーキペダルBPの操作に応じて駆動され、マスタシリンダMCとホイールシリンダWfl等との間に介装される液圧制御装置FVは、図3に車輪RLの制御部分を代表して示すように構成されており、マスタシリンダMCの一方の出力ポートとホイールシリンダWrlを接続する液圧路に常開の電磁弁EV1及び常閉の電磁弁EV2が図3に示すように介装され、これらとマスタシリンダMCとの間にポンプHPの吐出側が接続されている。尚、その他の車輪についても同様に構成されている。ポンプHPはモータFMによって駆動され、上記液圧路に所定の圧力に昇圧されたブレーキ液が供給される。常閉の電磁弁EV2の排出側液圧路はリザーバRVを介してポンプHPに接続され、リザーバRVは夫々ピストンスプリングを備えており、電磁弁EV2から排出側液圧路を介して還流されるブレーキ液を収容し、ポンプHP作動時にこれに対しブレーキ液を供給するものである。

0016

電磁弁EV1,EV2は2ポート2位置電磁切換弁であり、夫々ソレノイドコイル通電時には図3に示す第1位置にあって、ホイールシリンダWrlはマスタシリンダMC及びポンプHPと連通している。ソレノイドコイル通電時には第2位置となり、ホイールシリンダWrlはマスタシリンダMC及びポンプHPとは遮断され、リザーバRVと連通する。これらの電磁弁EV1,EV2は図2の電子制御装置ECUに接続されており、この電子制御装置ECUにより車両の制動状態に応じてソレノイドコイルに対する通電、非通電が制御され、ホイールシリンダWrl内のブレーキ液圧増圧減圧、又は保持される。即ち、電磁弁EV1,EV2のソレノイドコイル非通電時にはホイールシリンダWrlにマスタシリンダMC及びポンプHPからブレーキ液圧が供給されて増圧し、通電時にはリザーバRV側に連通し減圧する。また、電磁弁EV1のソレノイドコイルが通電され電磁弁EV2のソレノイドコイルが非通電であれば、ホイールシリンダWrl内のブレーキ液圧が保持される。従って、通電、非通電の時間間隔を調整することにより所謂パルス増圧(ステップ増圧)又はパルス減圧を行ない、緩やかに増圧又は減圧するように制御することができる。尚、本実施例では一対の2ポート2位置電磁切換弁を用いたが、3ポート3位置電磁切換弁を用いることとしてもよい。また、ポンプHPを駆動するモータFMも電子制御装置ECUに接続され、これにより駆動制御される。

0017

図2に示すように、車輪FL,FR,RL,RRには車輪速度センサWS1乃至WS4が配設され、これらが電子制御装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち車輪速度に比例するパルス数パルス信号が電子制御装置ECUに入力されるように構成されている。更に、ブレーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレーキスイッチBS、及び車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサYS等が電子制御装置ECUに接続されている。ヨーレイトセンサYSにおいては、車両重心を通る鉛直軸回りの車両回転角ヨー角)の変化速度、即ちヨー角速度(ヨーレイト)γが検出され、電子制御装置ECUに出力される。尚、ヨーレイトγは従動輪(前方の車輪FL,FR)の車輪速度差に基づいて演算することができ、ヨーレイトセンサYSを省略することができる。

0018

後輪舵角制御手段に関しては、図2に示すように車両後方の車輪RL,RR間に舵角制御装置SCDが設けられており、電子制御装置ECUの出力に応じてモータSMによって車輪RL,RRの舵角が制御されるように構成されている。この舵角制御装置SCDには後輪舵角センサSSrが装着され、車輪RL,RRの実舵角が検出される。モータSMは、ヨーレイトセンサYS、車輪速度センサWS1乃至WS4、前輪舵角センサSSf、後輪舵角センサSSrの出力に応じて電子制御装置ECUにて設定された回転量に基づき駆動制御される。

0019

本実施例の舵角制御装置SCDの構造は図4にその一部を示すように、ラック軸60が車両の進行方向に対して直角に設けられており、ラック軸60の両端部はボールジョイント62を介して後輪のナックルアーム63に接続されている。ラック軸60に形成されたラック61は、車両の前後方向に延びるピニオン64と噛合するように構成されている。モータSMのモータ軸の先端にはピニオン65が設けられており、このピニオン65にギヤ66が噛合し、ハイポイドギヤが構成されている。尚、このハイポイドギヤはモータSMのモータ軸の回転をギヤ66の回転として伝えるが、ラック軸60側からギヤ66に回転力が加えられたときには、モータSMが回転しないように構成されている。

0020

電子制御装置ECUは、図2に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポートIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコンピュータCMPを備えている。上記車輪速度センサWS1乃至WS4、ブレーキスイッチBS、ヨーレイトセンサYS等の出力信号増幅回路AMPを介して夫々入力ポートIPTからプロセシングユニットCPUに入力されるように構成されている。また、出力ポートOPTからは駆動回路ACTを介してスロットル制御装置TH、液圧制御装置FV及び舵角制御装置SCDに制御信号が出力されるように構成されている。マイクロコンピュータCMPにおいては、メモリROMは図5に示したフローチャートに対応したプログラムを記憶し、プロセシングユニットCPUは図示しないイグニッションスイッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、メモリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数データを一時的に記憶する。

0021

上記のように構成された本実施例においては、電子制御装置ECUにより前述の各種制御に関する一連の処理が行なわれ、イグニッションスイッチ(図示せず)が閉成されると図5フローチャートに対応したプログラムの実行が開始する。図5において、先ずステップ101にてマイクロコンピュータCMPが初期化され、各種の演算値クリアされる。次にステップ102において、車輪速度センサWS1乃至WS4の検出信号が読み込まれると共に、ヨーレイトセンサYSの検出信号(実ヨーレイト)、及び後輪舵角センサSSrにて検出される車両後方の車輪RL,RRの実舵角が読み込まれる。続いてステップ103に進み、前輪舵角センサSSfにて検出された車両前方の車輪FL,FRの操舵角θfと、車輪速度センサWS1乃至WS4の出力に基づいて演算された推定車体速度Vsoに基づき、目標ヨーレイトγo が設定される。即ち、目標ヨーレイトγo は{1/(1+S・T)}・{Vso/Ks(1+Kh・Vso2 )}・θfとして求められる。ここで、Sはラプラス変換子、Tは目標ヨーレイト1次遅れ時定数、Ksはステアリングギヤ比、Khは目標スタビリティファクタ目標安定性係数)を表す。

0022

次に、ステップ104においてヨーレイトセンサYSにて検出された実ヨーレイトγと目標ヨーレイトγo との偏差Δγ(=γo −γ)が演算され、ステップ105に進む。ステップ105では偏差Δγの絶対値|Δγ|が所定値K0と比較され、これ以下であればそのまま終了するが、所定値K0を超える場合にはステップ106にて後輪舵角制御が行なわれる。ステップ106においては、偏差Δγに基づき舵角制御装置SCDのモータSMがデューティ制御され、偏差Δγが所定レベル以下となるように、即ち絶対値|Δγ|が所定値K0以下となるように車輪RL,RRの舵角が駆動制御される。従って、車両が走行中に生じ得るヨーモーメントに対し、これを打ち消すように舵角制御装置SCDが作動し、補償作動が行なわれる。

0023

続いて、ステップ107において後輪舵角センサSSrによって後輪舵角θrが検出される。次に、ステップ108に進み、図6に示すマップに従い、ステップ104で演算されたヨーレイト偏差Δγの値に基づき第1のスリップ率SyR*(R*は後方の車輪RL,RRの何れか一方を表す)が求められる。また、ステップ109においては、図7に示すマップに従い、ステップ107で検出された後輪舵角θrの値に基づき第2のスリップ率SrR*が求められる。そして、ステップ110において、上記第1及び第2のスリップ率SyR*,SrR*の最小値が目標スリップ率SR*oとして設定される(尚、図5に示すMINは最小値を求める関数を表す)。尚、図6中のK1,K2と、図7中のK3,K4は、マップを設定するときの定数である。

0024

そして、目標スリップ率SR*oが得られるように、ステップ111にてスロットル制御が行なわれると共に、ステップ112にて制動力制御が行なわれる。即ち、スロットル制御装置THによってエンジンEGの出力が制限されると共に、車輪RL,RRに対して制動力が付与される。これにより、図8に示すように、駆動力Fxに対して、ステップ106にて行なわれる後輪舵角制御により横力Fyは矢印RFで示すように増大され、ステップ111にて行なわれるスロットル制御により矢印SFで示すように増大され、更にステップ112にて行なわれる制動力制御によって矢印BFで示すように増大され、理想摩擦円近似するように制御される。尚、図8の左側に示すように、Fxが制動力である場合にも同様に制御される。図8にて駆動力Fxに対して横力Fyが矢印SF及び矢印BFで示すように増大されることにより、図9にて駆動力FxがA点からB点に減少し、横力FyがC点からD点に増大する。而して、本実施例によれば、車両の直進及び旋回の何れの場合においても、迅速に操縦安定性を確保し、確実に維持することができる。

0025

尚、本発明の駆動力制御手段、特に駆動力を制限する手段としては、上述のようにスロットル制御装置THを制御して駆動力を制限する手段に限らず、点火時期制御及び/又はフューエルカットによって駆動力を制限する手段を用いることとしてもよい。

発明の効果

0026

本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明の車両の安定制御装置においては、請求項1に記載のように、目標スリップ率設定手段が設定した目標スリップ率に基づき駆動力制御手段及び制動力制御手段を制御するように構成されているので、迅速に車両の操縦安定性を確保し確実に維持することができる。

0027

請求項2に記載の車両の安定制御装置においては、目標スリップ率設定手段が設定した目標スリップ率に基づき、スロットル制御装置によるスロットル開度制御及び制動力制御手段による制動力制御を行なうように構成されているので、簡単な手段で確実に車両の操縦安定性を維持することができる。

0028

請求項3に記載の車両の安定制御装置においては、運転状態検出手段が、前輪舵角センサが検出した操舵角と車体速度推定手段が推定した車体速度に基づき車両の運転状態を検出するように構成されているので、容易に車両の運転状態を検出することができる。

0029

また、請求項4に記載の車両の安定制御装置においては、実ヨーレイト検出手段が従動輪側の左右の車輪速度の差に基づいて実ヨーレイトを演算するように構成されているので、簡単な手段で実ヨーレイトを求めることができる。

図面の簡単な説明

0030

図1本発明の車両の安定制御装置の概要を示すブロック図である。
図2本発明の車両の安定制御装置の実施例の全体構成図である。
図3本発明の一実施例における液圧制御装置の一例の一部を示す構成図である。
図4本発明の一実施例における舵角制御装置の一例の一部を示す断面図である。
図5本発明の一実施例における車両安定制御のための処理を示すフローチャートである。
図6図5のステップ108において第1のスリップ率を求めるマップの一例を示すグラフである。
図7図5のステップ109において第2のスリップ率を求めるマップの一例を示すグラフである。
図8本発明の一実施例に係る車両における駆動力及び制動力と横力との関係を示すグラフである。
図9本発明の一実施例に係る車両における駆動力及び制動力と横力に関するスリップ率−摩擦特性を示すグラフである。

--

0031

BPブレーキペダル
BSブレーキスイッチ
EGエンジン
APアクセルペダル
YSヨーレイトセンサ
SSf前輪舵角センサ
SSr後輪舵角センサ
SCD舵角制御装置
MCマスタシリンダ
HPポンプ
Wfr,Wfl,Wrr,Wrlホイールシリンダ
WS1〜WS4車輪速度センサ
FR,FL,RR,RL 車輪

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