図面 (/)

技術 二段式乾式減湿システムにおけるロータの劣化診断方法とロータの交換時期の予測方法

出願人 高砂熱学工業株式会社
発明者 川崎健二柴田克彦高橋惇
出願日 1994年11月16日 (25年7ヶ月経過) 出願番号 1994-306824
公開日 1996年6月4日 (24年1ヶ月経過) 公開番号 1996-141352
状態 特許登録済
技術分野 吸着による気体の分離 ガスの乾燥
主要キーワード ロータ出口 ロータエレメント 基準能力 設備業者 診断フロー 単回帰分析 多大な損失 減湿装置
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年6月4日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

目的

二台の乾式減湿装置を備えた二段式乾式減湿システムにおいて、特に劣化の激しい1段目減湿装置ロータの劣化を連続的に診断し、ロータの交換時期予測できる方法を提供する。

構成

外気を最初に減湿させる一段目の減湿装置と、該一段目の減湿装置によって減湿された空気を更に減湿させる二段目の減湿装置を備え、かつ、それら一段目の減湿装置と二段目の減湿装置は、ロータの端面を減湿区域再生区域仕切って処理空気再生空気を流し、ロータを回転させながら減湿と再生を連続的に行う乾式減湿装置で構成される二段式乾式減湿システムにおいて、二段目の減湿装置における再生空気の出口温度を測定し、該測定値に基づいて1段目の減湿装置のロータの劣化を診断する。

概要

背景

従来より、ドライルームなどに必要な超低露点空気を作り出すものとして、二台の乾式減湿装置を用いた二段式乾式減湿システムが公知である。図1に示すように、二段式乾式減湿システムは外気を最初に減湿させる一段目減湿装置1と、該一段目の減湿装置1によって減湿された空気を更に減湿させる二段目の減湿装置2を備える。これら一段目の減湿装置1と二段目の減湿装置2によって作り出された超低露点空気がドライルーム3に供給される。

かかる二段式乾式減湿システムにおいては、ドライルーム内露点温度規定値以下に保つ事が重要である。露点温度の上昇は製品歩留まり直結し、大きな損害をもたらす。ドライルーム露点温度上昇の要因としては、次のようなものが考えられる。
(1)外気負荷人員負荷、扉の開放、ドライルーム内への水の持ち込み等といった負荷の異常。
(2)給・排気ファンクーラーコイル熱源等の周辺機器の異常。
(3)減湿ロータ劣化を除く、プレヒータブロワモータ等の減湿装置を構成している機器の機能の異常。
(4)吸湿剤損耗移行軟化)による含浸量の低下や目詰まりといった、減湿ロータの劣化。

これらの要因の内、(1)〜(3)は異常が起こったことを把握しやすく、また、容易にその異常に対処できる。一方、(4)に示すロータの劣化は、二段式乾式減湿システムにあっては、特に外気と直接接触する一段目の減湿装置において発生する。このロータの劣化は、主として吸湿剤の化学変化吸着部材物理的変化などに起因して発生するが、見た目ではその劣化を診断することは困難である。また、一般に行われているようなドライルームの露点温度を監視する方法によっては、負荷変動や周辺機器の状態などの影響を排除できず、ロータの性能の劣化を純粋に把握することはできない。そこで従来は、減湿装置においてロータ材の一部を抜き取って吸湿剤の濃度をサンプリング調査することにより、ロータの劣化を診断している。

概要

二台の乾式減湿装置を備えた二段式乾式減湿システムにおいて、特に劣化の激しい1段目の減湿装置のロータの劣化を連続的に診断し、ロータの交換時期予測できる方法を提供する。

外気を最初に減湿させる一段目の減湿装置と、該一段目の減湿装置によって減湿された空気を更に減湿させる二段目の減湿装置を備え、かつ、それら一段目の減湿装置と二段目の減湿装置は、ロータの端面を減湿区域再生区域仕切って処理空気再生空気を流し、ロータを回転させながら減湿と再生を連続的に行う乾式減湿装置で構成される二段式乾式減湿システムにおいて、二段目の減湿装置における再生空気の出口温度を測定し、該測定値に基づいて1段目の減湿装置のロータの劣化を診断する。

目的

本発明の目的は、以上のように二台の乾式減湿装置を備えた二段式乾式減湿システムにおいて、特に劣化の激しい一段目の減湿装置のロータの劣化を連続的に診断できる方法を提供し、更に、該ロータの交換時期を予測できる方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
5件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

外気を最初に減湿させる一段目減湿装置と、該一段目の減湿装置によって減湿された空気を更に減湿させる二段目の減湿装置を備え、かつ、それら一段目の減湿装置と二段目の減湿装置は、ロータの端面を減湿区域再生区域仕切って処理空気再生空気を流し、ロータを回転させながら減湿と再生を連続的に行う乾式減湿装置で構成される二段式乾式減湿システムにおいて、二段目の減湿装置における再生空気の出口温度を測定し、該測定値に基づいて一段目の減湿装置のロータの劣化診断する方法。

請求項2

減湿装置における再生空気の出口温度と減湿量との関係を予め定めておき、該関係に従って一段目の減湿装置のロータの劣化を診断する請求項1に記載の方法。

請求項3

請求項1または2に記載の方法によって、二段式乾式減湿システムにおける一段目の減湿装置のロータの劣化を、少なくとも十回以上診断して、その診断の結果から該ロータの劣化の経時的変化を定め、該定められた劣化の経時的変化に基づいてロータの交換時期予測する方法。

技術分野

0001

本発明は、例えばリチウム電池製造用ドライルームなどに必要な超低露点空気を、二台の乾式減湿装置を用いて作り出す二段式乾式減湿システムにおいて、一段目に設置された乾式減湿装置のロータ劣化診断する方法と該ロータの交換時期予測する方法に関する。

背景技術

0002

従来より、ドライルームなどに必要な超低露点空気を作り出すものとして、二台の乾式減湿装置を用いた二段式乾式減湿システムが公知である。図1に示すように、二段式乾式減湿システムは外気を最初に減湿させる一段目の減湿装置1と、該一段目の減湿装置1によって減湿された空気を更に減湿させる二段目の減湿装置2を備える。これら一段目の減湿装置1と二段目の減湿装置2によって作り出された超低露点空気がドライルーム3に供給される。

0003

かかる二段式乾式減湿システムにおいては、ドライルーム内露点温度規定値以下に保つ事が重要である。露点温度の上昇は製品歩留まり直結し、大きな損害をもたらす。ドライルーム露点温度上昇の要因としては、次のようなものが考えられる。
(1)外気負荷人員負荷、扉の開放、ドライルーム内への水の持ち込み等といった負荷の異常。
(2)給・排気ファンクーラーコイル熱源等の周辺機器の異常。
(3)減湿ロータの劣化を除く、プレヒータブロワモータ等の減湿装置を構成している機器の機能の異常。
(4)吸湿剤損耗移行軟化)による含浸量の低下や目詰まりといった、減湿ロータの劣化。

0004

これらの要因の内、(1)〜(3)は異常が起こったことを把握しやすく、また、容易にその異常に対処できる。一方、(4)に示すロータの劣化は、二段式乾式減湿システムにあっては、特に外気と直接接触する一段目の減湿装置において発生する。このロータの劣化は、主として吸湿剤の化学変化吸着部材物理的変化などに起因して発生するが、見た目ではその劣化を診断することは困難である。また、一般に行われているようなドライルームの露点温度を監視する方法によっては、負荷変動や周辺機器の状態などの影響を排除できず、ロータの性能の劣化を純粋に把握することはできない。そこで従来は、減湿装置においてロータ材の一部を抜き取って吸湿剤の濃度をサンプリング調査することにより、ロータの劣化を診断している。

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、このサンプリング調査による方法は、吸湿剤が塩化リチウムの場合は有効であるが、最近、減湿ロータとして使用される機会が増えてきたシリカゲルロータには無効な診断方法である。また、サンプリングするために装置の稼働を一旦停止させなければならず、診断に多大な手間と時間を要し、診断にかかる費用も大きい。

0006

また、最近では、サンプリング調査のような不連続な方法ではなく、二段式乾式減湿システムにおいて特に劣化の激しい一段目の減湿装置のロータの状態を連続的に診断できる方法の出現が望まれている。

0007

ここで、例えば、一個4000円程度するリチウム電池を一日に7000個製造するドライルームにおいて、ロータの劣化によって露点温度が上昇したことを知らずに半日間製造を続けてしまった場合には、
3500個×4000円 = 1400万円
損失となる。このため、ドライルームのユーザーであるリチウム電池製造業者は、かかる多大な損失を防ぐために、ロータの劣化に対して過度神経質になり、常に不安がつきまとうこととなる。一方、ドライルームの空調施行などを行う設備業者は、そのようなユーザーの不安原因を除去するために現場急行する機会も多くなって、必要以上のメンテナンスに追われることとなる。もし、ロータの状態を連続的に診断できる方法があれば、かかるユーザーの不安や、設備業者の必要以上のメンテナンス対応といった問題は解消できる。

0008

また、劣化したロータは交換するのであるが、ロータは比較的高価なものであり、かかる高価な部品の交換の伴う費用の高い作業が突然の事態として起こることは、現実問題として好ましくない。そのような問題を排除するためにも、ロータの劣化度合い、即ち減湿装置の能力を通常から連続的に診断し、交換時期等の予測を行うことが不可欠である。ロータの交換時期を予測できればロータ交換作業にかかる費用の計画的な管理が行え、また、ドライルームの露点温度の上昇といった事態を未然に防ぐことができる。ところが、従来は定期的にロータの劣化を診断するようなことは行われていないために、ロータの劣化進行度合いや、ロータの交換時期を予測できなかった。

0009

本発明の目的は、以上のように二台の乾式減湿装置を備えた二段式乾式減湿システムにおいて、特に劣化の激しい一段目の減湿装置のロータの劣化を連続的に診断できる方法を提供し、更に、該ロータの交換時期を予測できる方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明によれば、外気を最初に減湿させる一段目の減湿装置と、該一段目の減湿装置によって減湿された空気を更に減湿させる二段目の減湿装置を備え、かつ、それら一段目の減湿装置と二段目の減湿装置は、ロータの端面を減湿区域再生区域仕切って処理空気再生空気を流し、ロータを回転させながら減湿と再生を連続的に行う乾式減湿装置で構成される二段式乾式減湿システムにおいて、二段目の減湿装置における再生空気の出口温度を測定し、該測定値に基づいて一段目の減湿装置のロータの劣化を診断する方法が提供される。

0011

なお、この診断方法において、減湿装置における再生空気の出口温度と減湿量との関係を予め定めておき、該関係に従って一段目の減湿装置のロータの劣化を診断することができる。

0012

また、本発明によれば、以上の方法によって、二段式乾式減湿システムにおける一段目の減湿装置のロータの劣化を、少なくとも十回以上診断して、その診断の結果から該ロータの劣化の経時的変化を定め、該定められた劣化の経時的変化に基づいてロータの交換時期を予測する方法が提供される。

0013

一段目の減湿装置と二段目の減湿装置によって超低露点空気を作り出す二段式乾式減湿システムにおいて、劣化が進行しやすいのは一段目の減湿装置のロータである。一段目の減湿装置は外気を直接処理するために、ロータにかかる減湿負荷が高く、吸湿剤の損耗・移行(軟化)が進みやすい。それに対し一段目の減湿装置によって既に処理された外気を処理する二段目の減湿装置のロータは減湿負荷が少なく、劣化は進みにくい。例えば、二段式乾式減湿システムの運転を4年間行った場合、一段目の減湿装置のロータの減湿能力は約76%程度まで劣化するのに対し、二段目の減湿装置のロータの減湿能力は約96%程度の劣化にとどまるという結果を得た。そこで、本発明においては、二段式乾式減湿システムにおいて特に劣化の診断と予測が必要な一段目の減湿装置のロータを対象としている。

0014

ここで、減湿装置におけるロータの能力は、ある条件で入ってきた空気に対し、どれだけの減湿を行っているかということで表される。従って、処理空気の絶対湿度をロータの入口側と出口側で測定してそれら測定値から減湿量を計算し、減湿装置を設定したときの初期の(劣化していない状態での)減湿量と、同条件のもとで比較を行えば、ロータの劣化を診断することができる。即ち、減湿装置に流す再生空気の入口温度を一定として減湿量を求め、初期の減湿量と比較することによってロータの劣化を診断することが可能である。

0015

ところが、一段目の減湿装置の入口側の絶対湿度は相対湿度計により測定できる範囲であるが、一段目の減湿装置の出口側と、二段目の減湿装置の入口側および出口側では既に減湿された状態にあるため、かかる箇所で絶対湿度を測定するために露点計が必要となる。しかし、露点計は高価であり、また露点計自体の劣化も激しいので、長期間連続使用した場合には精度が問題となる。そこで、本発明にあっては、二段式乾式減湿システムにおいて、二段目の減湿装置における再生空気の出口温度を測定して、該測定値に基づいて一段目の減湿装置のロータの劣化を診断するように構成した。

0016

即ち、一段目の減湿装置の入口側においては露点計でなく湿度計で絶対湿度を計測できる。また、一段目の減湿装置の入口側の絶対湿度は、通常はプレクーラによって既に減湿されているので、外気負荷が低くてプレクーラの減湿能力範囲外となっているような場合を除けば一定とみなすことができる。一段目の減湿装置の入口側の絶対湿度が一定であれば、一段目の減湿装置のロータの能力低下は、該ロータの出口側における絶対湿度の上昇となって現れる。そして、一段目の減湿装置のロータ出口側における絶対湿度が上昇すれば、二段目の減湿装置のロータの入口側の絶対湿度が上昇する。

0017

一方、二段目の減湿装置は、既に一段目の減湿装置によって減湿された空気を更に減湿させるものであり、二段目の減湿装置のロータの能力には余裕がある。また、二段目の減湿装置は極限に近い非常に低い絶対湿度にまで減湿させるものであり、二段目の減湿装置の出口側における絶対湿度は一定と見なすことができる。従って、二段目の減湿装置のロータによる減湿量は、二段目の減湿装置の入口側に供給される空気の絶対湿度に左右される。換言すれば、二段目の減湿装置のロータによる減湿量がわかれば二段目の減湿装置の入口側に供給される空気の絶対湿度がわかるはずである。

0018

ここで、二段目の減湿装置のロータによる減湿量は、二段目の減湿装置のロータに流れる再生空気側の温度低下に比例するという性質を利用して求めることができる。即ち、減湿装置において供給される再生空気は、通常、ヒータなどによって一定温度まで昇温された空気である。このように再生空気の入口側温度が一定ならば、再生空気の温度低下から二段目の減湿装置のロータによる減湿量を求めることができる。

0019

しかして、本発明の如く、二段式乾式減湿システムにおいて、二段目の減湿装置における再生空気の出口温度を測定することによって、二段目の減湿装置のロータによる減湿量を求めることができ、ひいては二段目の減湿装置の入口側に供給される空気の絶対湿度、一段目の減湿装置のロータ出口側における絶対湿度の変動を介して、一段目の減湿装置のロータの能力低下を知ることが可能となる。

0020

以下に、吸湿剤として塩化リチウムを利用して減湿を行う減湿システムに基づいて本発明の実施例を説明する。なお、吸湿剤としてシリカゲルを用いた場合についても本発明は同様に実施することが可能である。

0021

図1に示す二段式乾式減湿システムは外気を最初に減湿させる一段目の減湿装置1と、該一段目の減湿装置1によって減湿された空気を更に減湿させる二段目の減湿装置2を備える。外気取入口から系内に取り入れられた空気(処理空気)はプレクーラ7によって予め所定の湿度に減湿された後、一段目の減湿装置1に供給される。減湿装置1において減湿された空気は、ドライルーム3からの還気一緒ファン8によって二段目の減湿装置2に供給されて更に減湿され、こうして作り出された超低露点空気はアフタークーラ10を経た後、ドライルーム3に供給される。なお、二段目の減湿装置2に供給される空気は、一段目の減湿装置1によって昇温された状態にあるので、その分の顕熱を取り除くためのプレクーラ11が設けられる。

0022

一段目の減湿装置1と二段目の減湿装置2の内部には吸湿剤を含浸したロータ12、13がそれぞれ設けられる。図示の例ではこれらロータ12、13の上方に再生区域15、16がそれぞれ形成され、下方に減湿区域17、18が形成されている。外気取入口から系内に取り入れられた空気(処理空気)は、これら減湿装置1、2の内部においてロータ12、13の減湿区域17、18を通過して減湿される。ロータ12、13の再生区域15、16には再生空気が供給されるように構成されている。

0023

これら一段目の減湿装置1と二段目の減湿装置2の構成は図2に示すようになっている。なお、一段目の減湿装置1と二段目の減湿装置2は同様の構成を備えているので、一段目の減湿装置1について説明し、二段目の減湿装置2の説明は省略する。

0024

図2において、12はモータ20によって図中時計回転方向回転駆動されるロータである。ロータ12の内部には、塩化リチウム(吸湿剤)を含浸させたハニカム状ロータエレメント21が全体的に取り付けられている。

0025

ロータ12の端面は全体の約3/4の面積を占める減湿区域17と、全体の約1/4の面積を占める再生区域15に仕切られている。減湿区域17には、予めフィルタ22を通過した処理空気(湿り空気)が供給される。処理空気に含まれている水分は、減湿区域17においてロータ12を通過する際にロータエレメント21に含浸されている吸湿剤に接触して吸収される。こうしてロータ12を通過して乾燥空気となった処理空気が、ファン23によって送風されるようになっている。

0026

再生区域15には、予めフィルタ25を通過した後、ヒータ26で加熱された再生空気が供給される。ヒータ26で高温に加熱された再生空気は、減湿区域15においてロータエレメント21に含浸されている吸湿剤を昇温させて吸湿剤中の水分を蒸発させ、吸湿剤の濃度を高める。ロータ12を通過した再生空気は、ファン27によって適宜排気されるようになっている。

0027

本発明にあっては、先ず、以上のように構成される一段目の減湿装置1と二段目の減湿装置2を備えた二段式乾式減湿システムにおいて、二段目の減湿装置2における再生空気の出口温度を測定し、該測定値に基づいて特に劣化の激しい一段目の減湿装置1のロータ12の劣化を連続的に診断する。

0028

実施例のシステムは、図1に示す如く、一段目の減湿装置1における処理空気の入口温度Aと入口湿度B、及び再生空気の入口温度C、二段目の減湿装置2における再生空気の入口温度D、及び出口温度Eをそれぞれ測定し、二段目の減湿装置2の出口温度Eの測定値に基づいて一段目の減湿装置1のロータ12の劣化を連続的に診断する構成になっている。なお、二段目の減湿装置2以外の、一段目の減湿装置1における処理空気の入口温度Aと入口湿度B、及び再生空気の入口温度C、二段目の減湿装置2における再生空気の入口温度Dは、それぞれ一定になっていることを確認するために測定する。

0029

診断に先立ち、実施例に用いた一段目の減湿装置1及び二段目の減湿装置2において、図3に示すように再生区域15、16に、予めヒータ30で所定の温度まで加熱した再生空気を供給すると共に、減湿区域17、18に加湿器31によって加湿した処理空気を流し、実施例の減湿装置1、2における再生空気の出口温度Fと、処理空気入口絶対湿度Iと出口絶対湿度Gの差である減湿量との関係を調べた。なお、ヒータ30によって加熱された再生空気の温度が一定であることを確認するため、再生空気の入口温度Hも同時に測定した。

0030

その結果、実施例の減湿装置1、2における処理空気入口絶対湿度Iと再生空気の出口温度Fは、図4に示すような負の相関関係になっていることが分かった(以下、この相関関係を表した図4グラフを「基準能力線図」と呼ぶ)。なお、処理空の出口絶対湿度Gは非常に低い一定の値となっていることから、この処理空気入口絶対湿度Iを減湿量と見なすことができる。基準能力線図を求めるにあたっては、平均値を用いた回帰分析に行った。基準能力線図により、実施例に用いた減湿装置1、2において処理空気入口絶対湿度Iが0.2g/kg'上昇した場合には、出口温度Fは約1.6℃降下していることが分かった。

0031

次に、以上のようにして定めた基準能力線図の関係に従い、先に図1に示した二段式乾式減湿システムにおいて、二段目の減湿装置2における再生空気の出口温度Eを測定し、該測定値Eに基づいて一段目の減湿装置1のロータ12の劣化を診断した。その診断フロー図5に示す。

0032

(準備)診断を行う前段階の準備として、二段目の減湿装置2におけるロータ13の基準能力線図(処理空気入口絶対湿度と再生出口温度の関係を示すグラフ図)を作成する必要がある。基準能力線図の作成は、先に説明した手順によって行うことができる。そして先ず、二段目の減湿装置2における再生空気のロータ13出口側における温度の初期値Yを測定し、図6に示すように、基準能力線図に従って該測定値Yから処理空気のロータ13入口側における絶対湿度の初期値Xを求めた。また、この初期値Xから一段目の減湿装置1のロータ12による初期減湿量P(処理空気入口絶対湿度Bと出口絶対湿度Mの差である減湿量の初期値)を算出した。

0033

ここで、初期減湿量Pは次のようにして算出した。即ち、一段目の減湿装置1における初期減湿量Pは、ロータ12の処理空気の入口湿度Bとロータ12の処理空気の初期出口湿度Mとの差で次式で表される。

0034

P = B−M

0035

ここで、一段目の減湿装置1のロータ12の処理空気の初期出口湿度M、ドライルーム3からの還気の絶対湿度K、および二段目の減湿装置2の処理空気のロータ13入口側における絶対湿度の初期値Xには、一段目の減湿装置1のロータ12の通過処理風量J1とドライルーム3からの還気風量J2を用いれば、次式の関係が成り立つ。

0036

M×J1+K×J2 = X×(J1+J2)

0037

従って、通過処理風量J1と還気風量J2の比(J2/J1)をJとおけば、一段目の減湿装置1のロータ12の処理空気の初期出口湿度Mは次式で表される。

0038

M = X+X×J−K×J

0039

よって、一段目の減湿装置1における初期減湿量Pは、次式で表される。

0040

P = B−X−X×J+K×J

0041

かくして、初期値Xから一段目の減湿装置1のロータ12による初期減湿量Pを算出して準備を終了した後、一段目の減湿装置1におけるロータの劣化診断を開始した。

0042

(診断開始)二段式乾式減湿システムを実際に稼働させながら、二段目の減湿装置2の再生空気のロータ13出口側における稼働中の温度Y'を測定した。なお、出口側温度Y'を定めるにあたっては、データのばらつきを除去するために、移動平均または区間平均法を用いた。こうして求めた測定値Y'から、図7に示すように、基準能力線図に従って処理空気のロータ13入口側における湿度X'を求めた。そして、この湿度X'から稼働中における一段目の減湿装置1による減湿量P'を算出した。なお、減湿量P'の算出は、先に説明した一段目の減湿装置1における初期減湿量Pと同様に、次式によって行った。

0043

P' = B−X'−X'×J+K×J

0044

かくして、以上のようにして算出した稼働中における減湿量P'と初期減湿量Pの能力比Q(Q=P'/P×100%)を求め、一段目の減湿装置1におけるロータ12の性能劣化を検出することができるようになった。

0045

次に、本発明にあっては、以上に説明した方法によって、一段目の減湿装置1のロータ12の劣化を、少なくとも十回以上診断して、その診断の結果から該ロータ12の劣化の経時的変化を定め、該定められた劣化の経時的変化に基づいてロータ12の交換時期を予測する。即ち、先に説明した一段目の減湿装置1におけるロータ12の性能劣化を表す能力比Qは、時間が経過するに従って次第に低下する。本発明にあっては、この能力比Qを定期的(例えば1週間毎)に継続して測定して、能力比Qの経時的変化に基づいて将来におけるロータ12の劣化の進行状態を定め、その定められた関係に基づいてロータ12の交換時期を予測する。予測を行うためには、少なくとも三回以上の劣化診断データがあれば、最小二乗法による単回帰分析ができる。しかし、能力比Qと時間の相関関係の算出精度、および能力比Qと時間の相関の有無を確認した上での精度の良い予測を行うためには、劣化診断データは少なくとも十以上必要である。

0046

ロータ12の交換時期の予測は、具体的には、例えば次のような方法によって行うことができる。・経時的に測定された能力比Qを用いて最小二乗法によってロータ12の劣化の進行状態を表す式を定め、その式によって能力比Qが所定の下限値(例えば70%)に低下するまでの時間を、ロータ12の交換時期として算出する方法。・経時的に測定された能力比Qをグラフにプロットして、ロータ12の劣化の進行状態を表す曲線(場合によっては直線)を作図的に定め、その曲線(直線)によって能力比Qが所定の下限値(例えば70%)に低下するまでの時間を、ロータ12の交換時期として求める方法。

0047

以下に参考として、最小二乗法によってロータの交換時期を求める方法を紹介する。

0048

ロータの交換時期を能力比Qが70%となった時と定め、定期的に求めたそれまでのQiの値の推移から70%に達するまでの残り時間を算出する(図8参照)。例えば、1週間毎に求めた能力比Qを過去n回分用いて交換時期を求める場合を説明する。但し、ロータの能力劣化の推移は右下がりのグラフとなるので、そのままではy=a・ebt式で近似できない。そこで、データの基準化を行い計算する。その場合、設定値には100、レベル1には70が当てはまる
i :データ番号1〜n
Qi:データ番号1〜nに対応する能力データ
y :Qiを基準化したデータ
ti:現在を0とした場合のデータ番号1〜nに対応する時間
y = (100−Qi)/(100−70) (データの基準化)
log y = Yとする
ti(day) = −7(day)×(i−1)
これらをy=a・ebtの自然対数をとったY=A+b・tにあてはめ、最小二乗法による一次式近似法の計算を行う。係数bは
b = S(t・Y)/S(t・t)であるから

0049

0050

となる。定数Aは

0051

0052

であるから、

0053

0054

となる。このbとAを代入し、Y=A+btから、Y(log y)がレベル1(y=1)即ち0の時刻T(day)(余寿命時間)を求める。
T(day) = log(1)−A/b = −A/b
この余寿命時間と現在時刻からロータ交換時期の予測ができる。尚、予測の信憑性を増すために、適時最新データをもとに計算を行い予測値更新を行う。

発明の効果

0055

本発明によれば、二段式乾式減湿システムにおいて特に劣化の激しい一段目の減湿装置のロータの状態を常にタイムリーに診断することができるので、ユーザーの不安を取り除くことができ、また、設備業者が必要以上のメンテナンス対応に追われるといった問題も解消される。特に本発明は、最近、減湿ロータとして使用される機会が増えてきたシリカゲルロータに有効な診断方法である。

図面の簡単な説明

0056

図1二段式乾式減湿システムの概略図
図2減湿装置の説明図
図3基準能力線図を求めるために用いた装置の構成図
図4基準能力線図を示すグラフ図
図5ロータの劣化の診断フロー図
図6基準能力線図に従って初期値Xを算出する手順の説明図
図7基準能力線図に従って稼働中の湿度X'を算出する手順の説明図
図8最小二乗法によってロータの交換時期を求める方法を説明するためのグラフ図

--

0057

1一段目の減湿装置
2 二段目の減湿装置
3ドライルーム
12、13 ロータ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社レブセルの「 二酸化炭素除去装置」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】密閉空間内における二酸化炭素を簡便に除去することができる二酸化炭素除去装置を提供することを目的とする。【解決手段】密閉空間20内で使用する二酸化炭素除去装置10であって、二酸化炭素吸着剤を保持... 詳細

  • JFEスチール株式会社の「 有機物の合成装置および合成方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】従来よりもより省エネルギーのプロセスによって、製鉄所において排出される副生ガスから有機物を合成する装置および方法を提案する。【解決手段】副生ガスaと水蒸気とを水性ガスシフト反応させる水性ガスシ... 詳細

  • 大陽日酸株式会社の「 ガス精製装置及びガス精製方法」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】吸着剤の再生工程において、多量の冷媒を用いることなく、精製ガスの使用量の削減が可能なガス精製装置を提供する。【解決手段】吸着塔2A,2Bが、原料ガス中の不純物を吸着除去する吸着剤が充填される内... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ