図面 (/)

技術 回転電機

出願人 株式会社デンソー
発明者 志賀孜林信行大見正昇新美正巳
出願日 1995年9月13日 (24年3ヶ月経過) 出願番号 1995-235146
公開日 1996年5月31日 (23年6ヶ月経過) 公開番号 1996-140324
状態 特許登録済
技術分野 回転形集電装置 電動機、発電機の集電 直流機
主要キーワード 突出範囲 予備スペース ダレ側 各固定爪 薄板リング 樹脂円筒 ダレ面 電気的接続箇所
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年5月31日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

機械的負荷を少なくさせることが可能な回転電機を提供することである。

解決手段

電機子コイル531、532のコイル端部534、537を、電機子コア520の端面に、絶縁リング590及び絶縁スペーサ560のみを介して、略平行に設けると共に、このコイル端部534上にブラシ910を配置するようにしているので、電機子全長を著しく短縮することができる。さらに、上層コイル端部534の突起部534cが、絶縁スペーサ560の穴部561に係合することにより、上層コイル端部534が、外周方向への動き規制されると、電機子鉄心520の端面から、軸方向への突出量がわずかとなり、かつコイル辺532、533は、延長部538、539が固定部材570によって、電機子鉄心520側へ強固に押し圧固定されていることから、耐遠心力飛躍的に高めることができる。

概要

背景

従来の電動機においては、特開平2−241346号公報(USP特許 No.5130596)に示すように、電機子コアスロット内に保持される上層及び下層電機子コイルを、スロットから突出した部分で電機子コア端面に沿って回転軸方向に屈曲させ、さらに、この上層コイル延長部分の外周面を電機子コアのスロット内の上層コイル外周面よりも小径となるように軸方向に屈曲させ、これら複数の導体集合して形成した円筒面の外周上にブラシを当接させる整流子部外側導体を形成している。さらに、その軸端部で電機子コア側に反転させるとともに周方向に傾斜しつつ軸方向電機子コア側に延伸させた整流子部内側導体を形成し、別のスロット内に保持される下層電機子コイルの電機子コア端部に沿って軸方向に屈曲させた下層電機子コイル端部へと接続されている。

そして、下層及び上層電機子コイル辺の反整流子側端部は、それぞれ略極ピッチ隔てた別のスロットに収納される下層及び上層電機子コイル端部に、軸方向に延伸しつつ、周方向にV字状に屈曲した渡り線により電気的に接続されている。また、実開昭63ー143041号公報に示されるように整流子片径方向放射状に配列したサーフェイス型整流子も知られている。サーフェイス型整流子では、軸方向に延設する整流子片や、これを回転軸や他の整流子片から絶縁しつつ、回転軸に担持するための樹脂円筒部材等が不要なので、遠心力によって破壊され易い部品がなく、高速回転において有利である。

概要

機械的負荷を少なくさせることが可能な回転電機を提供することである。

電機子コイル531、532のコイル端部534、537を、電機子コア520の端面に、絶縁リング590及び絶縁スペーサ560のみを介して、略平行に設けると共に、このコイル端部534上にブラシ910を配置するようにしているので、電機子全長を著しく短縮することができる。さらに、上層コイル端部534の突起部534cが、絶縁スペーサ560の穴部561に係合することにより、上層コイル端部534が、外周方向への動き規制されると、電機子鉄心520の端面から、軸方向への突出量がわずかとなり、かつコイル辺532、533は、延長部538、539が固定部材570によって、電機子鉄心520側へ強固に押し圧固定されていることから、耐遠心力飛躍的に高めることができる。

目的

そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、主の目的は、機械的負荷を少なくさせることが可能な回転電機の提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

スロットを有する電機子コアと、この電機子コアを回転可能に支持するシャフトと、前記電機子コアのスロットに組み込まれた上層及び下層コイル辺と、一端が前記下層コイル辺の一端に電気的に接続され、前記シャフトに対して略垂直で前記シャフト方向に延びる下層コイル端部と、一端が前記上層コイル辺の一端に電気的に接続され、前記シャフトに対して略垂直で、前記シャフト方向に延び、かつ他端が下層コイル端部の他端と接続される上層コイル端部と、を備えた回転電機

請求項2

請求項1記載の回転電機において、前記上層コイル端部並びに前記下層コイル端部の前記電機子コアの軸方向長は、前記上層コイル端部並びに下層コイル端部の前記電機子コアの周方向長より略同一以下であることを特徴とする回転電機。

請求項3

請求項1または2に記載の回転電機において、前記上層及び下層コイル辺並びに、前記上層及び下層コイル端部はそれぞれ一本で構成されていることを特徴とする回転電機。

請求項4

請求項1ないし3のいずれかに記載の回転電機において、前記下層コイル端部は、前記下層コイル辺の両端から、前記シャフトに対して略垂直で前記シャフト方向にそれぞれ延び、前記上層コイル端部は、前記上層コイル辺の両端から、前記シャフトに対して略垂直で前記シャフト方向にそれぞれ延びていることを特徴とする回転電機。

請求項5

請求項1ないし3のいずれかに記載の回転電機において、前記下層コイル端部は、前記下層コイル辺の両端から、前記シャフトに対して略垂直で前記シャフト方向にそれぞれ延び、かつ前記下層コイル辺と一本のコイルで一体に形成され、前記上層コイル端部は、前記上層コイル辺の両端から、前記シャフトに対して略垂直で前記シャフト方向にそれぞれ延び、かつ前記上層コイル辺と一本のコイルで一体に形成され、前記一方の上層コイル端部上には、ブラシが配設され、前記両上層コイル端部の先端は、それぞれ前記両下層コイル端部の先端と、前記シャフトに近接した位置で電気的に接続されていることを特徴とする回転電機。

請求項6

請求項1ないし5のいずれかに記載の回転電機において、前記下層コイル端部及び前記電機子コアとの間ならびに前記下層および上層コイル端部間に、絶縁体を配置していることを特徴とする回転電機。

請求項7

請求項1または2または4または6に記載の回転電機において、前記上層および下層コイル辺と、前記上層および下層コイル端部とは、接合されていることを特徴とする回転電機。

請求項8

請求項1または2または4または6または7に記載の回転電機において、前記下層コイル端部及び前記下層コイル辺、並びに前記上層コイル端部及び前記上層コイル辺とが、一体にて形成されていることを特徴とする回転電機。

請求項9

請求項1ないし8のいずれかに記載の回転電機において、前記下層コイル端部の径方向内端は、前記上層コイル端部の径方向内端に接続するために、前記シャフトに沿って延びる軸方向突出部を有していることを特徴とする回転電機。

請求項10

請求項1ないし9のいずれかに記載の回転電機において、前記上層コイル端部を前記電機子コアの軸方向端面側に押圧するカラーを有することを特徴とする回転電機。

請求項11

請求項1ないし10のいずれかに記載の回転電機において、前記上層および下層コイル辺もしくは上層および下層コイル端部は、板材もしくは線材より加工されることを特徴とする回転電機。

請求項12

請求項1または2または3または4または6または7または8または9または10または11に記載の回転電機において、前記上層コイル端部上に、ブラシを配置することを特徴とする回転電機。

請求項13

請求項1または2または3または4または6または7または8または9または10または11に記載の回転電機において、前記上層コイル辺の前記上層コイル端部側外周に、ブラシを配置することを特徴とする回転電機。

請求項14

請求項1または2または3または4または6または7または8または9または10または11に記載の回転電機において、前記下層コイル端部の内周端もしくは前記上層コイル端部の内周端上に、ブラシを配置することを特徴とする回転電機。

請求項15

請求項5または12に記載の回転電機において、前記ブラシが配置される上層コイル端部は、このコイル端部の周方向幅を、径方向外周側に向かって広くしたことを特徴とする回転電機。

請求項16

請求項15に記載の回転電機において、前記上層コイル端部間の空間溝は、径方向内周から径方向外周側につれて前記電機子反回転方向側に延びる略渦巻き形状もしくは放射状に形成されていることを特徴とする回転電機。

請求項17

請求項16に記載の回転電機において、前記溝の深さは、前記上層コイル端部の厚みと略一致していることを特徴とする回転電機。

請求項18

請求項6ないし17のいずれかに記載の回転電機において、前記下層コイル端部及び上層コイル端部間に配設された絶縁体には、上層コイル端部の周方向もしくは径方向の相対変位規制する位置決め部が形成されていることを特徴とする回転電機。

請求項19

請求項18に記載の回転電機において、前記位置決め部は、前記絶縁体に形成された穴部と、前記上層コイル端部に形成された前記穴部に挿入される突部とからなることを特徴とする回転電機。

請求項20

請求項6ないし18のいずれかに記載の回転電機において、前記下層コイル端部の径方向内端には、前記上層コイル端部の径方向端側に延びる軸方向突出部を有し、前記絶縁体の径方向内端部は、互いに周方向に隣接する前記下層コイル端部の軸方向突出部間に挿入され、位置決めするための径内方向凹部を有することを特徴とする回転電機。

請求項21

請求項6ないし20のいずれかに記載の回転電機において、前記上層および下層コイル端部と、これらコイル端部間に設けられた絶縁体を樹脂材料により、固着したことを特徴とする回転電機。

請求項22

請求項6ないし20のいずれかに記載の回転電機において、前記下層コイル辺及び下層コイル端部を、前記電機子コア及び前記上層コイル辺及び上層コイル端部から電気的に絶縁する樹脂の絶縁体は、モールド成形により形成されると共に、このモールド成形によって、前記上層コイル辺及び上層コイル端部及び前記下層コイル辺及び下層コイル端部を前記電機子コアに固着することを特徴とする回転電機。

請求項23

請求項1ないし22のいずれかに記載の回転電機において、前記電機子コアの両端面より突出した上層コイル辺の外周に、円筒体を嵌着したことを特徴とする回転電機。

請求項24

請求項1ないし22のいずれかに記載の回転電機において、前記電機子コアの外周に円筒体を嵌着したことを特徴とする回転電機。

請求項25

請求項1ないし24のいずれかに記載の回転電機において、前記上層コイル辺もしくは上層コイル端部は、良導体で形成されるとともに、少なくとも表面硬度がHv硬度55以上であることを特徴とする回転電機。

請求項26

請求項5または12または15に記載の回転電機において、前記上層コイル端部は、プレス加工によって、平面状に形成されることを特徴とする回転電機。

請求項27

請求項5または12または15または26に記載の回転電機において、前記上層コイル端部はプレス加工され、ダレ側をブラシの摺接面とすることを特徴とする回転電機。

請求項28

請求項1ないし16のいずれかに記載の回転電機において、前記上層コイル端部と近接して対抗配置され、前記シャフトを回転自在に保持する金属製の保持板を備え、この保持板において、前記ブラシを保持することを特徴とする回転電機。

技術分野

0001

本発明は、特に高速回転用電動機としての使用が適している回転電機に関するものである。

背景技術

0002

従来の電動機においては、特開平2−241346号公報(USP特許 No.5130596)に示すように、電機子コアスロット内に保持される上層及び下層電機子コイルを、スロットから突出した部分で電機子コア端面に沿って回転軸方向に屈曲させ、さらに、この上層コイル延長部分の外周面を電機子コアのスロット内の上層コイル外周面よりも小径となるように軸方向に屈曲させ、これら複数の導体集合して形成した円筒面の外周上にブラシを当接させる整流子部外側導体を形成している。さらに、その軸端部で電機子コア側に反転させるとともに周方向に傾斜しつつ軸方向電機子コア側に延伸させた整流子部内側導体を形成し、別のスロット内に保持される下層電機子コイルの電機子コア端部に沿って軸方向に屈曲させた下層電機子コイル端部へと接続されている。

0003

そして、下層及び上層電機子コイル辺の反整流子側端部は、それぞれ略極ピッチ隔てた別のスロットに収納される下層及び上層電機子コイル端部に、軸方向に延伸しつつ、周方向にV字状に屈曲した渡り線により電気的に接続されている。また、実開昭63ー143041号公報に示されるように整流子片径方向放射状に配列したサーフェイス型整流子も知られている。サーフェイス型整流子では、軸方向に延設する整流子片や、これを回転軸や他の整流子片から絶縁しつつ、回転軸に担持するための樹脂円筒部材等が不要なので、遠心力によって破壊され易い部品がなく、高速回転において有利である。

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、特に高速回転用の回転電機において、上記前者の従来技術のものでは、電機子コイルの延長部分である整流子部外側導体及び内側導体部分をこれに働く遠心力に抗して保持しなければならず、これらの導体を担持するモールド樹脂筒部には大きな機械的負荷がかかる。即ち、モールド樹脂筒に外側及び内側導体の両方を径方向に二段に担持せねばならず、モールド樹脂筒の外周にのみ整流子片を担持するものに比べて一層過酷となっている。

0005

また、上記後者の従来技術では、必要ピッチ隔てたスロット内に収納される少なくとも2つの電機子コイル辺を1つの整流子片で電気的に接続するために電機子鉄心の端面からサーフェイス型整流子片に至るまでの空間、いわゆるコイルエンド部で電機子コイル延長部を円周方向に屈曲せねばならない。即ち、電機子コイルを強固に保持できる電機子鉄心のスロット部分に対し、ここから延長し電機子鉄心の端面から突出した部分がどうしても長くなるので、コイルエンド部とこれに連なる整流子片に働く遠心力で、電機子鉄心のスロット開口部の角部を中心に径方向外側にモーメントが働き、サーフェイス型整流子を破壊に至らしめることになる。

0006

そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、主の目的は、機械的負荷を少なくさせることが可能な回転電機の提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために、請求項1に記載の手段を採用することができる。この手段によると、上層および下層アーマチャコイルの下層及び上層コイル端部を、シャフトに対して略垂直に設けており、上層コイル端部を下層コイル端部の他端と接続することにより、電機子コアよりも突出する少ない間隙において、下層および上層コイル端部を収納することができ、この下層及び上層コイル端部にかかる遠心力で作用する径方向外側向きモーメントが、モーメント中心である電機子コアのスロット開口端部からの突出量が小さいため極力小さく抑えられ、発生する遠心力を低減できるので、機械的負荷を著しく少なくできる。

0008

また、下層及び上層コイル端部を電機子コアに近接することができるために、下層および上層コイル端部に発生する熱が電機子コア側に放熱しやすくなり、熱的負荷をも少なくさせることができる。また、請求項2の手段によると、上層コイル端部並びに下層コイル端部の電機子コアの軸方向長は、上層コイル端部並びに下層コイル端部の電機子コアの周方向長より略同一以下であるので、電機子コアから軸方向に突出する上層並びに下層コイル端部の長さが非常に短くなり、発生する遠心力をさらに低減できるため、機械的負荷を著しく少なくすることができる。

0009

また、請求項3の手段によると、上層及び下層コイル辺並びに、上層及び下層コイル端部はそれぞれ一本で構成されているので、上層及び下層コイル辺以外の電機子コア端面から突出した部分(上層及び下層コイル端部)の重量を低く抑えることができるとともに、電機子コア端面からこの部分の重心までの距離を短く設定することができる。このことは高回転させる回転電機において、上層及び下層コイル端部に働く遠心力を低減することはもちろん、この遠心力によって、電機子コア端面のスロット開口角部を中心にして、上層及び下層コイル端部に働く軸方向及び径方向に向かうモーメントを非常に小さく抑えることができ、機械的強度耐遠心力強度)を格段に向上できる。さらに、上層及び下層コイル端部に発生する熱が電機子コア側に放熱伝達し易くなり、熱的耐力をも向上させることができる。

0010

さらに、電機子鉄心端面から突出する少ない空間に、下層及び上層コイル端部を効率的に収納できる。また、請求項4の手段によると、下層コイル端部は、下層コイル辺の両端から、シャフトに対して略垂直でシャフト方向にそれぞれ延び、上層コイル端部は、上層コイル辺の両端から、シャフトに対して略垂直でシャフト方向にそれぞれ延びているので、各々上層および下層コイル端部を電機子コアに近接することができ、回転電機の軸方向の体格を大幅に小型化することができる。

0011

また、請求項5の手段によると、回転電機を高速回転で回転させる場合に、最も機械的強度が弱い接続部を、シャフトに近接した位置でのみで、1箇所とすることで、高速回転時に接続部にかかる遠心力作用を可能な限り少なくして、コイルの切断等の不具合を防止することができる。また、両上層、両下層コイル端部及び上層、下層コイル辺は、電機子コアから軸方向に突出する軸方向突出範囲が短く、上記と同様に回転電機の回転時にコイル辺コイル端部にかかる遠心力作用を押さえることができる。

0012

さらに、ブラシが配設される一方の上層コイル端部が、コイル辺と一体に形成されることで、上層コイル端部と上層コイル辺との間の屈曲部の機械的強度が強く、上述の如く、遠心力に対しても強度が高く、かつこれにより、上層コイル端部の表面が傾斜したりすることがないため、ブラシとの摺動面を単一の平面に確実に維持することができる。これに関連して、一方の上層コイル端部の先端の先端と一方の下層コイル端部との接続箇所が一箇所でもあり、この接続時に発生する下層コイル端部の変形も押さえることができる。

0013

また、コイル辺とコイル端部とが、一体に形成されていることで、コイル端部の保持が強く、コイル端部の変形、移動等を防止するための手段を極力少なくすることができる。さらに、接続箇所が一箇所でもあり、コイルの組み付けも非常に容易にできる。

0014

また、請求項6の手段によると、絶縁体により、下層コイル端部および電機子コア間、ならびに下層および上層コイル端部間を絶縁すると共に、下層および上層コイル端部に発生する熱が絶縁体を介して、電機子コアに伝熱されることができる。また、請求項7の手段によると、上層および下層コイル辺と下層および上層コイル端部とを接合しているので、複数のスロットに上層及び下層コイル辺を装着した電機子コアと、複数の上層及び下層コイル端部を集合させた集合体とを別組み付けして用意し、それぞれのコイル辺とコイル端部を接合するという製造ができ、組み付けが非常に容易となる。

0015

また、請求項8の手段によると、上層および下層コイル辺と下層及び上層コイル端部とを一体に形成しているので、電機子コアのスロットへの挿入が容易にできるとともに、上層及び下層コイル辺との接触抵抗が低減でき回転電機の出力特性が向上できる。また、請求項9の手段によると、下層コイル端部の軸方向突出部と、上層コイル端部との接続面端部が軸方向端面に現れるので、アーク溶接等の接続工程が容易となる。

0016

また、請求項10の手段によると、カラーにより、上層コイル端部を押さえて、上層コイル端部が電機子コアのスロット開口端部を中心にして径方向外方へかかるモーメントによって、径方向への拡がることをさらに抑止することができる。また、請求項11の手段によると、コイルを板材もしくは線材により加工することで、容易に作ることができる。

0017

また、請求項12の手段によると、上層及び下層コイル辺を電気的に接続する上層及び下層コイル端部の上層コイル端部に整流子機能を持たせているので、別に整流子部材を設けることはなく、そのための体格増大がない。さらに、遠心力を受ける部材が余分にないので、更なる高回転化が可能である。また、請求項13の手段によると、ブラシによる軸方向の体格を大きくすることがない。

0018

また、請求項14の手段によると、ブラシを下層もしくは上層コイル端部の内周の空間に利用して配置することで、軸方向の体格を大きくすることはない。また、請求項15の手段によると、整流子として作用するコイル端を、径方向に広げて設けることにより、ブラシとの接触面積が大きくなる。この結果、ブラシの熱がコイルバー伝わり易くなり、ブラシや上層コイル端部の温度を低く抑えることができる。

0019

また、請求項16の手段によると、上層コイル端部間に溝を有することにより、電機子コアの回転により、該溝が遠心ファンとして作用することで、整流子面及びブラシ熱による温度を低く抑えることができる。また、請求項17の手段によると、溝の深さを上層コイル端部の厚みと略一致させることで、遠心ファンとしての効力を向上させつつ、かつ上層コイル端部の摩耗を非常に多く許容することができる。

0020

また、請求項18の手段によると、絶縁体には、位置決め部を設けることで、上層コイル端部が径方向へ拡がるのを防止することができる。また、請求項19の手段によると、絶縁体には穴部を、上層コイル端部には突部をしており、これらは絶縁体及び上層コイル端部の外形を形成する際にプレス打ち抜き打ち出し等で容易に形成することができる。

0021

また、請求項20の手段によると、絶縁体に径方向凹部を形成することで、この凹部により下層コイル端部の軸方向突出部と上層コイル端部の軸方向突出部との位置決めを行うことができ、かつ下層コイル端部の径方向外周側への拡がりを確実に防止することができる。また、請求項21の手段によると、絶縁体を樹脂材料により、下層および上層コイル端部に固着することで、下層および上層コイル端部間の微小な隙間が埋まり、熱伝導性が更に向上すると共に、微小な動きがなくなり、整流子としての精度が向上する。さらに、それぞれの接合部が離れ、遠心力によるモーメントで軸方向及び外径方向へ変形するのを抑止することができる。

0022

また、請求項22の手段によると、絶縁体をモールド成形することで、絶縁のための工数を減らすと共に、下層および上層コイル端部間、下層コイル端部および電機子コア間の固着も行ってしまうことができる。また、請求項23の手段によると、円筒体により、コイル辺の径方向及び軸方向側への拡がりを防止し、かつこれによって、カラーを廃止して、上層コイル端部を内周端まで、広い範囲において、整流子として使用することもできる。

0023

また、請求項24の手段によると、電機子コアの外周に設けた円筒体により、コイル辺の径方向及び軸方向側への拡がりを確実に防止することができ、かつ鉄心の外周の凹凸がなくなり、回転時の風損および風きり音をも低減することができる。また、請求項25の手段によると、上層コイル辺もしくは上層コイル端部は、良導体であり、少なくとも表面硬度がHv硬度55以上で形成することで、ブラシとの摩耗を低減し、磨耗粉による上層コイル端部間の導通による不具合を押さえることができる。

0024

また、請求項26の手段によると、上層コイル端部をプレス加工し、平面状に形成することで、硬度を容易に出して、ブラシとの摩耗を低減することができる。また、請求項27の手段によると、プレス加工によるダレ側摺接面とすることで、ブラシの摺動を確実とし、かつダレ面切削を行う必要がなくなる。

0025

また、請求項28の手段によると、金属性保持板によりブラシを摺動自在に保持することで、ブラシに発生した熱を保持板を介して、放熱することができ、また、この保持板をシュラウドとして利用することができ、遠心ファンによって発生する風の回り込みを防止して、整流子面を効率的に冷却することができる。

0026

〔実施例1〕図1ないし図11に基づいて、本発明回転電機の実施例1を説明する。回転電機500は、図1及び図2に示すように、シャフト510、このシャフト510に固定されて一体に回転する電機子鉄心(電機子コア)520および電機子コイル530から構成されるアーマチャと、該アーマチャを回転させる固定磁極550とから構成され、固定磁極550はヨーク501の内周に固定される。

0027

〔シャフト510の説明〕シャフト510は、図示されない保持部材に設けられたメタル軸受910、およびエンドフレーム900の内周に固着されたメタル軸受920によって回転自在に支持される。このシャフト510の前端は、図示されない遊星歯車機構ギア係合するギア511が形成されている。

0028

〔電機子鉄心520の説明〕電機子鉄心520は、図3に示すリング状のコアプレート521を多数積層して、中央に設けられた穴522内にシャフト510を圧入固定したものである。コアプレート521は、薄い鋼板をプレス加工によって打ち抜いて形成されている。コアプレート521の内径側(穴522の周囲)には、コアプレート521の軽量化を図る打抜き穴523が複数形成されている。コアプレート521の外周には、電機子コイル530を収納する複数(例えば25個)のスロット524が形成されている。さらに、コアプレート521の外周端部の各スロット524間には、スロット524内に収納された電機子コイル530をスロット524内に固定するための固定爪525が形成されている。この固定爪525は、後述する電機子コイル530の固定手段において説明する。

0029

〔電機子コイル530の説明〕電機子コイル530は、本実施例では複数(例えば25本)の上層の電機子コイルをなす上層コイルバー531と、この上層コイルバー531と同数の下層の電機子コイルをなす下層コイルバー532とを用い、それぞれの上層コイルバー531と下層コイルバー532とを径方向に積層した2層巻コイルを採用する。そして、各上層コイルバー531と各下層コイルバー532とを組み合わせ、各上層コイルバー531の端部と各下層コイルバー532の端部とを電気的に接続して環状のコイルを構成している。

0030

〔上層コイルの説明〕上層コイルバー531は、電導性に優れた材質(例えば銅)よりなり、固定磁極550に対して平行に伸び、スロット524の外周側に保持される上層コイル辺533と、この上層コイル辺533の両端から内側に折曲され、シャフト510の軸方向に対して垂直方向に伸び、かつ電機子コア520の両端面522に対し略平行にのびる2つの上層コイル端部534とを備える。なお、上層コイル辺533の両端は、2つの上層コイル端部534の一端に形成された凹部534aに接合されている。

0031

上層コイル辺533は、図4ないし図7に示すように、断面矩形の直線状の棒で、図7に示すように、周囲が上層絶縁フィルム540(例えばナイロン等の樹脂薄膜や紙)に覆われた状態で、後述する下層コイル辺536とともに、スロット524内に強固に収容される。図6に示す如く、2つの上層コイル端部534のうち、一方の上層コイル端部534は、回転方向に対して前進側に傾斜して設けられ、他方の上層コイル端部534は、回転方向に対して後退側に傾斜して設けられている。2つの上層コイル端部534の径方向に対する傾斜角は、上層コイル辺533に対して同一の傾斜角で、且つ2つの上層コイル端部534は、同一の形状に設けられている。これによって、上層コイルバー531を中心に180°反転させても、上層コイルバー531は反転前と同一の形状となる。つまり、2つの上層コイル端部534には区別がないため、上層コイルバー531を電機子鉄心520に組付ける際の作業性に優れる。

0032

2つの上層コイル端部534のうち、エンドフレーム900側に位置する上層コイル端部534は、後述するブラシ910と直接当接して電機子コイル530に通電する。そのため、少なくともブラシ910が当接する上層コイル端部534の表面は、平滑に処理されている。本実施例の回転電機は、電機子コイル530を通電するための独立した整流子を設ける必要がない。つまり、独立した整流子が不要となるため、部品点数を低減することができる。また、独立した整流子をヨーク501内に配置する必要がなくなることにより、回転電機の軸方向の体格を小型化できる効果も生じる。さらには、独立した整流子に働く遠心力も存在しないため、耐遠心強度上、この独立した整流子が一番遠心強度が低く、これによって、電機子全体の遠心強度を低下させるということがない。

0033

さらに、上層コイル端部534がブラシ910と直接当接することにより、上層コイル端部534とブラシ910との摺接による熱が、上層コイル端部534から上層コイル辺533や、電機子鉄心520、シャフト510等に伝わる。電機子コイル530、電機子鉄心520、シャフト510等の熱容量は、従来独立した整流子に比較して熱容量が大変大きいため、上層コイル端部534とブラシ910との摺接部分の温度を低く保つことができる。

0034

上層コイル端部534の形状は、図8に示すように、形状が径方向に向かって広がって設けられるとともに、各上層コイル端部534の周方向の間隔が内周から外周に亘ってほぼ一定に設けられている。このため、ブラシ910と当接する上層コイル端部534とブラシ910との接触面積が大変大きくなる。この結果、ブラシ910の熱がコイルバーに伝わり易くなり、ブラシ910の温度を大変低く抑えることができる。なお、図8は、上層コイル端部534の形状を分かりやすくする説明するためのもので、上層コイル端部534の数は、図3のスロット524の数と一致しない。

0035

また、ブラシ910と当接する各上層コイル端部534の間隔の溝(空間溝)535の形状は、図8に示すように、外径に向かうに従い回転方向に対して後退する略渦巻状に設けられている。従って、各上層コイル端部534の間隔の溝535により、電機子コイル530が回転すると、上層コイル端部534の溝535による遠心風が、内径から外径に向けて生じる。そして、ブラシ910と当接する各上層コイル端部534の各溝535の回転によって生じる遠心風は、後述するように、ブラシ910と上層コイル端部534との摺接による発熱の冷却、およびブラシ粉の外部排出に利用される。

0036

2つの上層コイル端部534は、外周側で互いに対抗する面に、軸方向に突出する小径の突起534cを備える。この突起534cは、上層コイル端部534と後述する下層コイル端部537との間に配されて、上層コイル端部534と下層コイル端部537とを絶縁する絶縁スペーサ(絶縁体)560に設けられた穴(位置決め部)561に嵌め合わされる(図9参照)。

0037

なお、上層コイル端部534の電機子鉄心520の軸方向長は、上層コイル端部534の電機子鉄心520の周方向長より略同一以下である。さらに言えば、この軸方向長は、図2に示される紙面における左右方向の上層コイル端部534の長さのことであり、周方向長は、図8に示される紙面における周方向の上層コイル端部534の長さ(上層コイル端部の1本分の周方向長さ)のことである。

0038

〔下層コイルバー532の説明〕下層の電機子コイルをなす下層コイルバー532は、上層コイルバー531と同様、電導性に優れた材質(例えば銅)よりなり、固定磁極550に対して平行に伸び、スロット524の内側に保持される下層コイル辺536と、この下層コイル辺536の両端から内側に曲折され、シャフト510の軸方向に対して垂直方向に伸びる2つの下層コイル端部537とを備える。そして、下層コイル辺536の両端が、2つの下層コイル端部537の一端に設けた凹部537aに挿入され、接合される。

0039

なお、各上層コイル端部534と各下層コイル端部537との絶縁は、絶縁スペーサ560によって確保され、各下層コイル端部537と電機子鉄心520との絶縁は、樹脂製(例えばナイロンやフェノール樹脂)の絶縁リング590によって確保される。下層コイル辺536は、図4および図7に示すように、断面矩形の直線状の棒で、図7に示すように、上層コイル辺533とともに、スロット524内に強固に収容される。なお、下層コイル辺536は、上層絶縁フィルム540で覆われた上層コイル辺533とともに、下層絶縁フィルム541(例えばナイロンや紙)で覆われた状態で、スロット524内に収容される。

0040

2つの下層コイル端部537のうち、ギヤ511側に位置する下層コイル端部537は、上層コイル端部534の傾斜方向とは逆方向に傾斜して設けられ、後側の下層コイル端部537も上層コイル端部534の傾斜方向とは逆方向に傾斜して設けられている。2つの下層コイル端部537の径方向に対する傾斜角は、下層コイル辺536に対して同一の傾斜角で、且つ2つの下層コイル端部537は、同一の形状に設けられている。これによって、上層コイルバー531と同様、下層コイルバー532を中心に180°反転させても、下層コイルバー532は反転前と同一の形状となる。つまり、2つの下層コイル端部537には区別がないため、下層コイルバー532を電機子鉄心520に組付ける際の作業性に優れる。

0041

2つの下層コイル端部537の内周端部には、軸方向に伸びる下層内部延長部539を備える。この下層内部延長部539の外周面は、絶縁スペーサ560の内周に形成された凹部562に嵌まり合うとともに、上層コイル端部534の端部の上層内部延長部(突出部)538の内周に重ね合わされ、溶接等の接合技術で電気的、且つ機械的に接続される。なお、下層内部延長部(突出部)539の内周面は、シャフト510に対して離れて絶縁配置される。

0042

また、2つの上層コイル端部534の内周端部には、軸方向に伸びる上層内部延長部538を備える。この上層内部延長部538の内周面は、前述した下層コイルバー532の内端に設けられた下層内部延長部539の外周に重ね合わされ、溶接等の接合技術で電気的、且つ機械的に接続される。また、上層内部延長部538の外周面は、シャフト510に圧入固定された固定部材(カラー)570の外周環状部571の内面に、絶縁キャップ580を介して当接する(図10及び図11参照)。

0043

なお、下層コイル端部537の電機子鉄心520の軸方向長は、下層コイル端部537の電機子鉄心520の周方向長より略同一以下である。さらに言えば、この軸方向長は、図2に示される紙面における左右方向の下層コイル端部537の長さのことであり、周方向長は、図8に示される紙面における周方向の下層コイル端部537の長さ(下層コイル端部の1本分の周方向長さ)のことである。

0044

〔絶縁スペーサ560の説明〕絶縁スペーサ560は、樹脂製(例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ナイロン)の薄板リングで、図9に示すように、外周側に各上層コイル端部534の突起534cが嵌め合わされる複数の穴561が形成されている。また、絶縁スペーサ560の内周には、下層コイル端部537の内側の下層内部延長部539が嵌め合わされる凹部562が形成されている。この絶縁スペーサ560の穴561および凹部562は、後述するように、電機子コイル530の位置決め、および固定に用いられる。絶縁スペーサ560には、外周側に各上層コイル端部534の突起534cが嵌め合わされる複数の穴561が予め形成しているが、上層コイル端部534の外周側から、突起534cを形成するようにピン状の打ち出し型で押圧することで、突起534cの形成と共に、絶縁スペーサ560にも突起534cにより穴561を形成するようにしてもよい。これによれば、上層コイル端部534が塑性変形して加工硬化することで、ブラシ910の摺動面として利用した時の摩耗を低減することができる。

0045

〔固定部材570の説明〕固定部材570は、鉄製の環状体で、図10に示すように、シャフト510に圧入される内周環状部572と、上層コイル端部534および下層コイル端部537が軸方向に広がるのを阻止する軸方向に垂直に伸びる規制リング573と、上層コイル端部534の上層内部延長部538を内包して、電機子コイル530の内径が、遠心力によって広がるのを防ぐ外周環状部571とから構成される。

0046

さらに、シャフト510の外周にはコアプレート521が圧入固定されるため、ローレット510aが設けられている。そして、内周環状部572はコアプレート521とともに、シャフト510のローレット510aに圧入固定されている。従って、固定部材570をシャフト510に圧入固定するのに、コアプレート521が圧入固定されるローレット510aを共用するため、固定部材570をシャフト510に圧入固定するために別にローレット加工する必要はなく、固定部材570が強固にシャフト510に固定される。

0047

なお、この固定部材570は、上層コイル端部534および下層コイル端部537との絶縁を確保するために、上層コイル端部534および下層コイル端部537と固定部材570との間に、図11に示す樹脂製(例えばナイロン)の円盤状の絶縁キャップ580を介在させている。スタータの前側に配置された固定部材570は、この固定部材570の前方に隣接するフロント隔壁800の後面に当接して、アーマチャ540の前方への移動を規制するスラスト受け部としても作用する。一方、スタータの後側に配置された固定部材570は、この固定部材570の後方に隣接するエンドフレーム900の前面に当接して、アーマチャ540の後方への移動を規制するスラスト受け部としても作用する。

0048

このように、電機子コイル530の内側端部を固定するそれぞれの固定部材570が、アーマチャ540のスラスト受け部として作用するため、別途、アーマチャ540のスラスト受け部を別途設ける必要がない。このため、スタータの部品点数を低減し、且つ組付工数を低減することができる。
〔電機子コイル530の固定の説明〕電機子コイル530の上層コイルバー531および下層コイルバー532を、電機子鉄心520に位置決めおよび固定する手段として、電機子鉄心520のスロット524および固定爪525、絶縁スペーサ560の穴561および凹部562、およびシャフト510に圧入固定される固定部材570を備える。

0049

電機子鉄心520のスロット524は、上層コイル辺533および下層コイル辺536を収容し、固定爪525を図7の矢印に示すように内径側に折り曲げることにより、上層コイル辺533および下層コイル辺536が各スロット524内に強固に固定され、スロット524内から上層コイル辺533および下層コイル辺536が遠心力を受けても外径側へ移動するのを防ぐ。なお、上層コイル辺533の外周表面は、下層絶縁フィルム541と上層絶縁フィルム540の2層で絶縁されるため、固定爪525を内周側に強固に折り曲げても、充分な絶縁を確保できる。

0050

絶縁スペーサ560の内周の凹部562は、下層コイル端部537の下層内部延長部539が嵌め合わされて下層コイル端部537の位置決めを行うとともに、下層コイル端部537にかかる遠心力を受けて、下層コイル端部537が外径側へ移動するのを防ぐ。絶縁スペーサ560の外周側の穴561は、上層コイル端部534の突起534aに嵌め合わされて、上層コイル端部534の位置決めを行うとともに、上層コイル端部534にかかる遠心力を受けて、上層コイル端部534が外径側へ移動するのを防ぐ。

0051

固定部材570は、接合された上層内部延長部538と下層内部延長部539を周囲から保持し、電機子コイル530の内径部分が遠心力によって外径側へ移動するのを防ぐ。また、固定部材570は、接合された上層内部延長部538と下層内部延長部539の軸方向端部の移動を規制し、電機子コイル530の電機子鉄心520のスロット524から軸方向へ突出した部分全体がスロット524開口端部を中心に遠心力によりモーメントの作用で径方向外側に回転移動して拡がり軸方向寸法と径方向寸法が変化するのを防ぐ。なお、上層コイル端部534および下層コイル端部537がスタータの使用中に軸方向寸法が長くなると、予め変形によるスペースをスタータ内に確保する必要が生じるが、固定部材570によって、上層コイル端部534および下層コイル端部537が軸方向に長くなることが防がれるため、本実施例のスタータは予備スペースを無くすことができ、この結果、スタータの軸方向寸法を短くすることができる。

0052

〔電機子の製作〕電機子の組付手順を説明する。まず、シャフト510の周囲にコアプレート521を積層した電機子鉄心520を圧入する。次に、電機子鉄心520の両側に絶縁リング590を配置する。続いて、各スロット524内に、下層コイルバー532の下層コイル辺536を、下層絶縁フィルム541とともに収納する。

0053

次に、下層コイルバー532の下層コイル端部537の両側に、絶縁スペーサ560を装着し、下層内部延長部539を各凹部562内に配置する。これによって、下層コイルバー532の位置決めが完了する。次に、上層コイルバー531の上層コイル辺533を、上層絶縁フィルム540とともに収納する。この時、各上層コイル端部534の突起534cを、絶縁スペーサ560の各穴561内に嵌め合わせる。これによって、上層コイルバー531の位置決めが完了する。

0054

続いて、上層および下層電機子コイル辺533、536の各上層内部延長部と各下層内部延長部538、539とを溶接などの接合技術によって接合し、電気的且つ機械的に結合する。その後、電機子鉄心520の各固定爪525を内周側へ曲げて、スロット524内に上層コイル辺533および下層コイル辺536を固定するとともに、シャフト510の両端から固定部材570を圧入して電機子コイル530の上層内部延長部538の外周面を覆うことで、上層コイル端部534の径方向外周側への拡がりを防止する。

0055

なお、絶縁体590が電機子鉄心520と下層コイル端部537との間に配設され、電機子鉄心520、及び下層コイル端部537に密着当接し、絶縁体560が下層コイル端部537と上層コイル端部534との間に配設され、下層コイル端部537、及び上層コイル端部534に密着当接している。以上によって、電機子が完成する。
(固定磁極550の説明)固定磁極550は、本実施例では内周面にスリーブが当接され、ヨーク501に固定された永久磁石を用いている。なお、固定磁極550として永久磁石の代わりに通電によって磁力を発生するフィールドコイルを用いても良い。

0056

〔エンドフレーム〕モータ500のヨーク501の端部には、エンドフレーム900が固定されており、このエンドフレーム900には、金属製のブラシホルダ920が設けられている。そして、このブラシホルダ920の内側には、ブラシ910が、軸方向に摺動自在に保持されている。そして、ブラシホルダ920内に設けられたスプリング930によって、ブラシ910は電機子コイルの上層コイル端部534に押接されている。

0057

〔電機子コイルの巻線図の説明〕図12においては、電機子コイルの巻線を模式的に示したもので、上層コイル端部534上に、ブラシ910が配設されているものが示されている。
〔実施例1の効果〕本発明の回転電機においては、電機子コイル531、532のコイル端534、537を、電機子鉄心520の端面に、絶縁リング590及び絶縁スペーサ560のみを介して、略平行に設けると共に、このコイル端534上にブラシ910を配置するようにしているので、電機子の全長を著しく短縮することができる。また、従来必要としていた独立のコンミュテータを無くすことができ、電機子の製造工程を省略することができる。

0058

さらに、上層コイル端部534の突起部534cが、絶縁スペーサ560の穴部561に係合することにより、上層コイル端部534が、外周方向への動きを規制されると、電機子鉄心520の端面から、軸方向への突出量がわずかとなり、かつコイル辺532、533は、延長部538、539が固定部材570によって、電機子鉄心520側へ強固に押圧固定されていることから、耐遠心力を飛躍的に高めることができる。また、下層コイル端部537の延長部539が、絶縁スペーサ560の凹部562に係合しているので、下層コイル端部537が径方向外周側への拡がりを確実に防止することができる。よって、従来の構造に比べて、2倍以上の高速回転に耐えることができる。

0059

また、ブラシ910が接している上層コイル端部534に発生した熱も、絶縁スペーサ560、下層コイル端部537および絶縁リング590を介して、電機子鉄心520に比較的容易に伝達され、放熱し、ブラシ910の当接面及びブラシ910の温度上昇も低減することができる。これについては、絶縁スペーサ560及び絶縁キャップ580を高熱伝導性セラミック等を使用することで、さらに、温度上昇を低減することができる。

0060

更に、本発明においては、図8に示す如く、上層コイル端部534が渦巻き状に形成されると共に、コイル端534間には、約1.5ミリから3ミリ程度のコイル端の略厚さに対応した溝535が形成してある。ブラシ910と当接するコイル端534側の溝535は、回転方向に沿って突出した形状となっており、これによって、この溝535が、電機子の回転によって、遠心ファンとして作用する。すなわち、コイル端534の内周から、外周方向に向かって空気の流れを生じる。この空気の流れは、コイル端534の外周付近において、電機子回転8000rpm/h時に、約4m/sの風速となり、コイル端534及びブラシ910の冷却に効力を発する。

0061

また、電機子コイル530を重巻きとすることにより、ブラシ910と接しない側(減速機構のギア511側)も、電機子鉄心520の回転方向に対して、溝535が、突出した形状となり、結果的に、この溝535も遠心ファンとして作用することができ、こちら側のコイル端534も同様に、冷却することができる。

0062

また、モータ500のヨーク501の一部に貫通孔を設けることで、モータ500の小型化した場合に発生するブラシ910の摩耗粉によるコイル間等のリークを、上述した遠心ファン作用により、確実に、ヨーク501の貫通孔から、摩耗粉を外部に排出することにより、防止することができる。この溝535は、電機子コイルを電機子鉄心520のスロット524に挿入することで、必然的に形成されるもので、この溝を通常のモールド整流子のように切削加工等によって作成する必要はなく、コスト的に極めて有利である。さらに、この溝は、コイル端534の厚さとすることができ、ブラシ910の摺動面が磨耗しても、十分長く使用することができる。

0063

さらに、ブラシホルダ920を金属製とすることで、ブラシ910に発生する熱を、このブラシホルダ920を介して放熱することができる。また、外周面にブラシ910が配設された上層コイル端部534及び下層コイル端部537が、シャフト510に対して略垂直でシャフト510方向に延び、絶縁体590が電機子鉄心520と下層コイル端部537との間に配設され、電機子鉄心520、及び下層コイル端部537に密着当接し、絶縁体560が下層コイル端部537と上層コイル端部534との間に配設され、下層コイル端部537、及び上層コイル端部534に密着当接しているので、ブラシ910と当接する上層コイル端部534の抵抗発熱、及びブラシ910による摩擦熱を上層コイル端部534、絶縁体560、下層コイル端部537、絶縁体590を介して、電機子鉄心520に放熱するため、例えば、使用時間がごく短時間で高速回転する回転電機において、熱的負荷を大幅に低減することができ、整流子部、即ち上層コイル端部534の損傷が防止できる。

0064

また、上層および下層アーマチャコイルの下層及び上層コイル端部534を、シャフト510に対して略垂直に設けており、上層コイル端部534を下層コイル端部537の他端と接続することにより、電機子鉄心520よりも突出する少ない間隙において、下層537および上層コイル端部534を収納することができ、この下層537及び上層コイル端部534にかかる遠心力で作用する径方向外側向きモーメントが、モーメント中心である電機子鉄心520のスロット524開口端部からの突出量が小さいため極力小さく抑えられ、発生する遠心力を低減できるので、機械的負荷を著しく少なくできる。

0065

また、下層537及び上層コイル端部534を電機子鉄心520に近接することができるために、下層537および上層コイル端部534に発生する熱が電機子鉄心520側に放熱しやすくなり、熱的負荷をも少なくさせることができる。また、上層コイル端部534並びに下層コイル端部537の電機子鉄心520の軸方向長は、上層コイル端部534並びに下層コイル端部537の電機子鉄心520の周方向長より略同一以下であるので、電機子鉄心520から軸方向に突出する上層534並びに下層コイル端部537の長さが非常に短くなり、発生する遠心力をさらに低減できるため、機械的負荷を著しく少なくすることができる。

0066

また、上層533及び下層コイル辺536並びに、上層534及び下層コイル端部537はそれぞれ一本で構成されているので、上層533及び下層コイル辺536以外の電機子鉄心520端面から突出した部分(上層534及び下層コイル端部537)の重量を低く抑えることができるとともに、電機子鉄心520端面からこの部分の重心までの距離を短く設定することができる。このことは高回転させる回転電機において、上層534及び下層コイル端部537に働く遠心力を低減することはもちろん、この遠心力によって、電機子鉄心520端面のスロット524開口角部を中心にして、上層534及び下層コイル端部537に働く軸方向及び径方向に向かうモーメントを非常に小さく抑えることができ、機械的強度(耐遠心力強度)を格段に向上できる。さらに、上層534及び下層コイル端部537に発生する熱が電機子鉄心520側に放熱伝達し易くなり、熱的耐力をも向上させることができる。

0067

さらに、電機子鉄心520端面から突出する少ない空間に、下層534及び上層コイル端部537を効率的に収納できる。また、下層コイル端部537は、下層コイル辺536の両端から、シャフト510に対して略垂直でシャフト510方向にそれぞれ延び、上層コイル端部534は、上層コイル辺536の両端から、シャフト510に対して略垂直でシャフト510方向にそれぞれ延びているので、各々上層534および下層コイル端部537を電機子鉄心520に近接することができ、回転電機の軸方向の体格を大幅に小型化することができる。

0068

また、回転電機を高速で回転させる場合に、最も機械的強度の弱い接続部538、539を、シャフト510に近接した位置のみで、1箇所とすることで、高速回転時に接続部にかかる遠心力作用を可能な限り少なくして、コイルの切断等の不具合を確実に防止することができる。さらに、ブラシ910が配設される上層コイル端部534が、上層コイル辺533と一体に形成されていることで、上層コイル端部534と上層コイル辺533との間の屈曲部の機械的強度が強く、上述の如く、遠心力に対しても強度が高く、かつこれにより、上層コイル端部534の表面が傾斜したりすることがないため、ブラシ910との摺動面を単一の平面に確実に維持することができる。これに関連して、上層コイル端部534の先端と下層コイル端部537との接続箇所が一箇所でもあり、この接続時に発生するコイル端部534、537の変形も押さえることができる。

0069

また、上層コイル辺533と上層コイル端部534、及び下層コイル辺536と下層コイル端部537とが一体に形成されているので、コイル端部534、537の保持が強く、コイル端部534、537の変形、移動等を防止するための手段を極力少なくすることができる。さらに、接続箇所が一箇所でもあり、上層コイルバー531、下層コイルバー532の組み付けも非常に容易にできるという付加的効果も備えている。

0070

また、コイル辺533、534を、スロット524の形状の断面形状に合わせることにより、スロットスペースに対する導体断面積占積率を上げることができるので、回転電機の性能を向上させることができる。
〔電機子コイルの他の実施例〕図13ないし図17には、電機子コイルの製作法の他の実施例が示されており、特に、コイル辺533、536とコイル端534、537とを別々に製作するものである。

0071

図13及び図14においては、上層及び下層コイル辺533、536の両端に、それぞれ、上層コイル端部534及び下層コイル端部537を接合するものである。特に、図14に示すものでは、上層コイル端部534及び下層コイル端部537の一端に、貫通孔534b、537bを設け、この貫通孔534b、537bに上層及び下層コイル辺533、536の両端の小径部533a、536aを係合して、接合している。小径部533a、536aの形状は、角柱でもよい。係合することにより、接合精度、機械的な強度が向上し信頼性が上がる。

0072

図15においては、上層及び下層コイル辺533、536の一端が、連結部533b、536bを介して、一体に形成されていると共に、他端には、それぞれ、上層コイル端部534及び下層コイル端部537の一端が接合されている。これによれば、上層および下層コイル辺533、536と、コイル端533、536とを分割して製作することで、各部材の材料の歩留りが向上すると共に、量産性が向上する。また、電機子の製作においても、予め電機子鉄心520のスロットに直線状のコイル辺533、536を挿入しておき、その後、上層コイル端部534及び下層コイル端部537の一端を接合してもよく、この場合には、セミクローズドスロットもしくはクローズドスロットの電機子鉄心を使用することができる。そのために、コイル辺533、536の挿入後に、スロット524の開口部を塞ぐための、固定爪525を使用する必要がなくなる。

0073

次に、コイル辺533、536とコイル端534、537とを一体に製作するものを、図16および図17に基づいて説明する。このものでは、いずれも、製作コスト的に有利なプレス加工による製作法を示している。図16(a)ないし(c)においては、板材より、図16(a)に示すように、棒状の上層及び下層コイル辺533、536、台形状の上層及び下層コイル端部534、537、上層内部延長部及び下層内部延長部538、539を、まず、打ち抜く。ここでは、厚さは、全ての部分において、均一に形成されている。次に、図16(b)に示すように、上層及び下層コイル辺533、536と、台形状の上層及び下層コイル端部534、537との間の境界部において、コイル辺の幅寸法と同じ寸法において、切り溝533c、536cを設けながら、上層及び下層コイル端部534、537を所定の角度で折り曲げる。次に、図16(c)において、さらに、コイル端534、537をコイル辺533、536に対して、略直角に曲げると共に、上層内部延長部及び下層内部延長部538、539を、コイル辺533、536と平行となるように、折り曲げる。これによれば、コイル端534、537の端面534e、537eが、コイル辺533、536の上面533d、536dと略同じ高さとなる。よって、コイル辺の上面533d、536d近傍まで、ブラシ910の当接面として利用することができ、整流子面を広く、有効に確保でき、整流子面の電流密度低減に効果を有する。

0074

図17(a)ないし(d)においては、まず、銅等の良導体よりなる線材100を所定の長さに切断する。次に、(b)において、コイル端534、537となる部分を、幅方向に、所定の角度となるように、曲げる。さらに、(c)において、コイル端534、537を台形状の幅広とすると共に、上層内部延長部及び下層内部延長部538、539を突起状に狭く加工する。コイル端534、537は、コイル辺側が、幅広く、先端側につれて、細くなるように、幅方向に縁をつぶして広げる。また、延長部538、539は、長手方向にしごいて、狭くする。最後に、(d)に示すように、コイル端534、537は、コイル辺533、536に対して、直角方向に曲げると共に、延長部538、539も、コイル端534、537に対して、直角方向にまげて、完成する。この時、コイル端534、537のコイル辺533、536側は、厚さが薄く形成されているので、折り曲げ時の歪みが及ぶことなく、図16における実施例と同様に、整流子面を広く確保することができる。また、コイル端534、537は、プレス加工により、幅広く形成していることで、コイル端534、537面の硬度が高くなり、ブラシ910の当接面としてそのまま利用することができるという効果を有している。また、下層コイル端部537及び上層コイル端部534のブラシ910の当接面ではない部位は、図17(d)に示すような、幅広の形状とする必要はない。また、上層のコイル辺533、コイル端534は、表面硬度がHv硬度55以上の良導体で形成されると良い(つまり、通常、銅はHv硬度50であるが、プレス加工によりHv硬度55以上とすることができる)。

0075

以上の図16図17に示すようなコイル辺533、536を一体にした上層531及び下層コイルバー532を用いれば、電機子鉄心520に設けたスロット524に複数本用意したコイルバーを外径方向からシャフト510方向に同時に挿入することにより、電機子コイル巻線工程が非常に簡単にある。さらに、図18に示す如く、ブラシの当接する側の上層コイル端部534面は、プレス加工のダレ側(=反バリ側)とすることで、上層コイル面のエッジ部が、アール形状で形成され、ブラシ910の摺動性が向上する。

0076

〔上層及び下層コイル端部の接続〕図19ないし図21は、上層コイル端部534及び下層コイル端部537との間の接続の他の実施例を示している。図19においては、上層コイル端部534の一端に、延長部538を設けることなく、かつ下層コイル端部537の延長部539を、上層コイル端部534の表面までに留めておくものである。よって、上層コイル端部534の延長部538を無くすことができ、上層コイルバー531の加工コストを低減することができる。

0077

図20においては、図19に比べて、下層コイル端部537の延長部539を短くし、上層コイル端部534の端面の一部に接続してもよい。よって、接合が容易となる効果がある。図21においては、上層コイル端部534及び下層コイル端部537からそれぞれに向かって、わずかの延長部538、539を延ばし、それぞれを接合してもよい。延長部538、539の高さが低くてすむために、加工が容易となる。

0078

〔絶縁スペーサ及び絶縁リングの他の実施例〕絶縁スペーサ560及び絶縁リング590として、液状樹脂もしくは薄葉接着シートを利用することによって、各コイル端534、537間、コイル端537及び電機子鉄心520との間の微小隙間が、なくなり、熱伝導性がさらに向上することができ、かつコイル端の微小の動きを防止することができる。

0079

また、上層および下層コイル辺533、536ならびにコイル端534、537に、絶縁皮膜を施すことにより、上層および下層絶縁フィルム540、541を省略することができ、絶縁スペーサ560等の点数削減を行うことができる。さらに、上層コイル端部534及び下層コイル端部537と絶縁スペーサ570との隙間、上層コイル端部534及び下層コイル端部537と絶縁リング590との隙間に流れ性の良い樹脂を含浸させることによって、ブラシ粉の侵入を防止することができる。

0080

〔実施例2〕図22に示す実施例2では、電機子鉄心520のスロット524を、オープンスロットとして、電機子コイル530をスロット524内に装着後、薄肉金属円筒600を鉄心520の外周に装着することにより、電機子コイル530の径方向への飛び出しを防止するようにしている。これによれば、鉄心520の外周面の凹凸がなくなるために、電機子回転時の風損が低減すると共に、風切り音が減少して、低騒音とすることができる。従って、高回転の回転電機に対して適している。

0081

〔実施例3〕図23に示す実施例3では、上層コイル辺533の両端側、すなわち電機子鉄心520から軸方向に離れた外周部に、薄肉の非磁性体の円筒610で阻止することにより、第1の実施例における固定部材570を廃止することができる。よって、ブラシ910の摺動面として、より内周側まで使用することができるため、ブラシ910の断面積が大きくとれ、回転電機の高出力化長寿命化を計ることができる。

0082

〔実施例4〕図24に示す実施例4においては、電機子鉄心520、上層コイル辺533及びを含む全てをモールド樹脂602で、一体に成型したものである。
〔実施例5〕図25に示す実施例5においては、上層のコイル辺533を、ブラシ910の厚み分、軸方向に延長するもので、この上層のコイル辺533の端部の外周にブラシ910を摺動自在に保持するものである。ブラシスプリング930としては、板バネを使用している。また、上層コイル辺533を軸方向に延長させる際には、絶縁スペーサ560の厚みを大きいものとしている。

0083

また、磁石550間の空間551を形成して、この空間551にブラシ910を配設することで、ブラシ910の収納場所を確保しつつ、回転電機の全体の軸方向長を更に短縮することができる。
〔実施例6〕図26に示す実施例6においては、実施例5に示すように、一方のブラシ910を上層のコイル辺533の端部外周に配置すると共に、他方のブラシ910を下層コイル端部537の延長部539の内周面に摺動するように配設されている35れら両ブラシ910は、それぞれ板バネ930によって、コイル辺533および延長部539に押圧している。このものでは、他方のブラシ910を、下層コイル端部537の延長部539の内周空間を利用して、回転電機の全体の軸方向長を更に短縮することができる。

0084

この実施例6では、下層コイル端部537の延長部539の代わりに、上層コイル端部536に、下層コイル端部537側に突出させる延長部を設け、この延長部にブラシ910を摺動させてもよい。なお、実施例1ないし実施例6において、上層コイル端部534および下層コイル端部537が、電機子鉄心520の端面と略平行とは、上層コイル端部534および下層コイル端部537と電機子鉄心520の端面との間に形成される角度が、45度までを意味している。

0085

また、本発明回転電機の実施例では、スロット524内に2本のコイルを挿入しているが、4本等、偶数本のコイルを使用してもよい。
〔電機子コイルの他の実施例〕図27に上層531及び下層コイルバー532の上層534、542及び下層コイル端部537、541の内ブラシ910を外表面に摺接しない方の上層コイル端部542と、この上層コイル端部542と電機子鉄心520との間に配設される下層コイル端部541の径方向寸法をブラシ910を摺接する側の上層534及び下層コイル端部537より短くしたものを示す。即ち、ブラシ910を摺接しない方の上層コイル端部542は、ブラシ910を摺動させるための寸法は必要ないので、略極ピッチ隔てた上層533及び下層コイル辺536を電気的に接続するだけで良く、径方向寸法をできるだけ小さくとれば、この部分の遠心強度はさらに向上する。

0086

また、図28は、電機子コイル辺及びコイル端部をなす導体に絶縁被膜銅線を使用したものを示している。この図26では上層コイル端部534と下層コイル端部537の電気的接続箇所並びに上層コイル端部534のブラシ910の摺接面は切削加工面等により被膜が除去されている。このようにすれば、下層コイル端部537を電機子鉄心520、上層コイル端部534から電気絶縁するための絶縁体や電機子鉄心520のスロット524内の絶縁体の代わりとすることができ、電機子鉄心520端面や、下層コイル端部537、上層コイル端部534を各々密着させるようにすれば、ブラシ910や、上層コイル端部534のブラシ摺接面で発生する熱を良好に電機子鉄心520に伝達できる。

図面の簡単な説明

0087

図1本発明の回転電機の実施例1を図示する軸方向断面図である。
図2実施例1における回転電機の回転子の軸方向断面図である。
図3実施例1における回転電機の電機子鉄心の平面図である。
図4実施例1における回転電機の電機子コイルの一部を断面した平面図である。
図5実施例1における回転電機のコイル端の平面図である。
図6実施例1における回転電機の上層及び下層コイルバーの配置状態を示す概略斜視図である。
図7スロット内に収容される上層及び下層コイル辺の断面図である。
図8電機子の平面図である。
図9絶縁スペーサの平面図である。
図10固定部材の断面図である。
図11絶縁キャップの断面図である。
図12電機子コイルの巻線を示した模式図である。
図13電機子コイルの他の実施例を示す斜視図である。
図14電機子コイルの他の実施例を示す斜視図である。
図15電機子コイルの他の実施例を示す斜視図である。
図16(a)、(b)及び(c)は、電機子コイルの製造過程を示す斜視図である。
図17(a)ないし(d)は、他の電機子コイルの製造過程を示す斜視図である。
図18上層コイル端部とブラシとの位置関係を示す断面図である。
図19上層及び下層コイル端部の他の接続を示す断面図である。
図20上層及び下層コイル端部の他の接続を示す断面図である。
図21上層及び下層コイル端部の他の接続を示す断面図である。
図22本発明の実施例2を適用した回転電機の回転子の軸方向断面図である。
図23本発明の実施例3を適用した回転電機の回転子の軸方向断面図である。
図24本発明の実施例4を適用した回転電機の回転子の軸方向断面図である。
図25本発明の実施例5を適用した回転電機の回転子の軸方向断面図である。
図26本発明の実施例6を適用した回転電機の回転子の軸方向断面図である。
図27電機子コイルの他の実施例であり、回転電機の回転子の軸方向断面図である。
図28電機子コイルの他の実施例であり、回転電機の回転子の軸方向断面図である。

--

0088

510シャフト
520電機子鉄心(電機子コア)
524スロット
533上層のコイル辺
534上層コイル端部
534a突起
535 空間溝
536下層のコイル辺
537下層コイル端部
538、539 突出部をなす延長部
560絶縁スペーサ(第2、第4の絶縁体)
561位置決め部
570固定部材
534 第3の接続部
537 第4の接続部
590絶縁リング(第1、第3の絶縁体)
900保持板
910ブラシ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ