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技術 レーザ加工方法およびこれを用いた液体噴射記録ヘッドの製造方法

出願人 キヤノン株式会社
発明者 石松伸工藤清光益田和明杉谷博志河合潤長田虎近佐藤陽平日隈昌彦種谷陽一稲本忠喜
出願日 1994年10月31日 (24年10ヶ月経過) 出願番号 1994-290599
公開日 1996年5月28日 (23年3ヶ月経過) 公開番号 1996-132260
状態 未査定
技術分野 インクジェット(粒子形成、飛翔制御) レーザ加工
主要キーワード 底部蓋 大気圧分 包囲空間 一体成型部品 汚染面積 全接触状態 角部領域 保護用部材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年5月28日)のものです。
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図面 (16)

目的

レーザ加工の副成物によるトラブルを回避する。

構成

液体噴射記録ヘッド樹脂天板等の基体10の表面10aに界面活性剤等を塗布し、液状保護膜12を設ける。基体10の所定の部分にエキシマレーザ等のレーザ光A1 を照射して溝11を形成し、このときの副成物B1 を液状保護膜12に捕捉させる。レーザ加工後に液状保護膜12を軽く拭き取るだけで副成物B1 を除去できる。

概要

背景

記録液インク)を、微細吐出口(オリフィス)から飛翔液滴として吐出して被記録媒体(記録紙等)に記録(印刷)を行なう液体噴射記録ヘッドは、複数の電気熱変換素子とそのリード電極を有する基板ヒーターボード)を有し、該基板上に液流路ノズル)や共通液室を形成する樹脂製のノズル層を積層したうえで、記録液の供給管を備えたガラス製の天板を重ねたものが一般的であるが、最近では、ガラス製の天板を省略し、液流路および共通液室に加えて記録液の供給管等を一体的に設けた樹脂製の天板部材(以下、「樹脂製天板」という)を射出成形等によって製作し、これを、弾性部材によって基板に押圧一体化した液体噴射記録ヘッドが開発されている。このような液体噴射記録ヘッドは、組立部品点数が大幅に低減され、かつ組立工程も極めて簡略化されるため、液体噴射記録装置低コストに大きく貢献するものとして期待されている。

図15は樹脂製天板を用いた液体噴射記録ヘッドE0 の主要部を、樹脂製天板の一部分を破断した状態で示すもので、これは、複数の電気熱変換素子1001aを有する基板1001と、各電気熱変換素子1001a上に位置する液流路1002aとこれに連通する共通液室1002bを備えた樹脂製天板1002を有し、樹脂製天板1002には、各液流路1002aに連通する吐出口(オリフィス)1002cを有するオリフィスプレート部1002dと、共通液室1002bに開口する記録液供給口1002eを有する筒状突出部1002fが一体的に設けられている。

このように液流路1002aや共通液室1002bに加えてオリフィスプレート部1002dと筒状突出部1002fを有する樹脂製天板1002を射出成形等によって一体的に形成し、各液流路1002aが基板1001の電気熱変換素子1001a上に位置するように位置決めしたうえで、図示しない弾性部材によって樹脂製天板1002を基板1001に押圧し、これと一体的に結合させる。基板1001は、各電気熱変換素子1001aに電気信号を発生する駆動回路を搭載した配線基板1003とともに、ベースプレート1004上にビス止め等公知の方法で固着される。

樹脂製天板1002は、液流路1002aを設ける前の本体部分とオリフィス1002cを設ける前のオリフィスプレート部1002dからなるブランクを射出成形等によって一体成形したうえで、図13に示すように、エキシマレーザ等のレーザ光A0 を用いて樹脂製天板1002の本体部分の各液流路1002aを溝加工し、続いて、同様のレーザ光を用いてオリフィスプレート部1002dに各オリフィス1002cを穴開け加工することによって製作される。

このように、射出成形とレーザ加工を組み合わせれば、樹脂製天板1002を安価に製造することができるため、液体噴射記録ヘッドの低コスト化を一層促進できる。

概要

レーザ加工の副成物によるトラブルを回避する。

液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板等の基体10の表面10aに界面活性剤等を塗布し、液状保護膜12を設ける。基体10の所定の部分にエキシマレーザ等のレーザ光A1 を照射して溝11を形成し、このときの副成物B1 を液状保護膜12に捕捉させる。レーザ加工後に液状保護膜12を軽く拭き取るだけで副成物B1 を除去できる。

目的

本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板等にレーザー光を用いて溝加工や穴開け加工を行なうに際して、被加工物の表面に堆積するレーザ加工の副成物によるトラブルを容易に回避できるレーザ加工方法およびこれを用いた液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
4件

この技術が所属する分野

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請求項1

被加工物の表面に液状またはムース状塗膜を設けたうえで前記被加工物にレーザ光照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物から液状またはムース状の塗膜を除去する工程を有するレーザ加工方法

請求項2

被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物に熱衝撃を与えて加工の副成物を分離する工程を有するレーザ加工方法。

請求項3

熱衝撃を与える工程を所定の回数だけ繰り返えすことを特徴とする請求項2記載のレーザ加工方法。

請求項4

被加工物を常温または加熱された水に浸したうえで液体窒素浸すことで熱衝撃を与えることを特徴とする請求項2または3記載のレーザ加工方法。

請求項5

水に界面活性剤を添加することを特徴とする請求項4記載のレーザ加工方法。

請求項6

被加工物の表面に金属またはセラミックからなる硬質膜を設けたうえで前記被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物の硬質膜の表面を清浄化する工程を有するレーザ加工方法。

請求項7

被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物の表面に金属またはセラミックからなる硬質膜を設けて加工の副成物を覆う工程を有するレーザ加工方法。

請求項8

樹脂天板ブランク一体成形し、該ブランクに液流路オリフィスを形成する加工を請求項1ないし7いずれか1項記載のレーザ加工方法によって行なうことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、液体噴射記録ヘッド等に溝加工や穴開け加工等を行なうためのレーザ加工方法およびこれを用いた液体噴射記録ヘッドの製造方法に関するものである。

背景技術

0002

記録液インク)を、微細吐出口(オリフィス)から飛翔液滴として吐出して被記録媒体(記録紙等)に記録(印刷)を行なう液体噴射記録ヘッドは、複数の電気熱変換素子とそのリード電極を有する基板ヒーターボード)を有し、該基板上に液流路ノズル)や共通液室を形成する樹脂製のノズル層を積層したうえで、記録液の供給管を備えたガラス製の天板を重ねたものが一般的であるが、最近では、ガラス製の天板を省略し、液流路および共通液室に加えて記録液の供給管等を一体的に設けた樹脂製の天板部材(以下、「樹脂製天板」という)を射出成形等によって製作し、これを、弾性部材によって基板に押圧一体化した液体噴射記録ヘッドが開発されている。このような液体噴射記録ヘッドは、組立部品点数が大幅に低減され、かつ組立工程も極めて簡略化されるため、液体噴射記録装置低コストに大きく貢献するものとして期待されている。

0003

図15は樹脂製天板を用いた液体噴射記録ヘッドE0 の主要部を、樹脂製天板の一部分を破断した状態で示すもので、これは、複数の電気熱変換素子1001aを有する基板1001と、各電気熱変換素子1001a上に位置する液流路1002aとこれに連通する共通液室1002bを備えた樹脂製天板1002を有し、樹脂製天板1002には、各液流路1002aに連通する吐出口(オリフィス)1002cを有するオリフィスプレート部1002dと、共通液室1002bに開口する記録液供給口1002eを有する筒状突出部1002fが一体的に設けられている。

0004

このように液流路1002aや共通液室1002bに加えてオリフィスプレート部1002dと筒状突出部1002fを有する樹脂製天板1002を射出成形等によって一体的に形成し、各液流路1002aが基板1001の電気熱変換素子1001a上に位置するように位置決めしたうえで、図示しない弾性部材によって樹脂製天板1002を基板1001に押圧し、これと一体的に結合させる。基板1001は、各電気熱変換素子1001aに電気信号を発生する駆動回路を搭載した配線基板1003とともに、ベースプレート1004上にビス止め等公知の方法で固着される。

0005

樹脂製天板1002は、液流路1002aを設ける前の本体部分とオリフィス1002cを設ける前のオリフィスプレート部1002dからなるブランクを射出成形等によって一体成形したうえで、図13に示すように、エキシマレーザ等のレーザ光A0 を用いて樹脂製天板1002の本体部分の各液流路1002aを溝加工し、続いて、同様のレーザ光を用いてオリフィスプレート部1002dに各オリフィス1002cを穴開け加工することによって製作される。

0006

このように、射出成形とレーザ加工を組み合わせれば、樹脂製天板1002を安価に製造することができるため、液体噴射記録ヘッドの低コスト化を一層促進できる。

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら上記従来の技術によれば、射出成形されたブランクにレーザ光による溝加工を施すときにカーボンを主成分とする副成物B0 が発生し、これが各液流路1002aの間のリブ等の端面に堆積する。また、オリフィスプレート部1002dに穴開け加工を施すときにも、図14に示すように、各オリフィス1002cの周囲にカーボン等の粉末D0が堆積する。

0008

これらのレーザ加工の副成物は、一般に、樹脂との結合力が強いため、樹脂製天板の端面やオリフィスプレート部の表面を軽くこすった位では除去することができない。

0009

そこで、粘着テープを用いたり、ヘリウムガスを吹きつけたり、あるいは超音波洗浄を採用する等の清浄化の方法が提案されているが、樹脂製天板の表面は比較的軟質であるから、粘着テープを用いたり、あるいは強くこすったり、超音波洗浄することで微細な液流路やオリフィスの形状精度が損なわれるおそれがあり、また、ヘリウムガスを吹きつける方法は、ヘリウムガスが高価であるために液体噴射記録ヘッドの高コスト化を招くばかりでなく、ヘリウムガスを均一に吹きつけることが困難で充分な効果を期待できない。

0010

また、樹脂製天板の表面に予め易溶性の樹脂からなる保護膜を塗布しておき、レーザ加工による副成物を保護膜に捕捉させ、レーザ加工終了後に保護膜を除去する方法も開発されているが(特開平4−279355号公報参照)、レーザ加工による熱のために樹脂製天板の表面に保護膜が溶着し、これを除去するのが難しくなる。

0011

レーザ加工の副成物や不要な保護膜が樹脂製天板等の表面に残ったままで基板等に対する組み付けが行なわれると、著しい組付誤差を発生して液体噴射記録装置の性能を劣化させたり、オリフィスの周囲に堆積したカーボン粉末等のために記録紙等を汚染する等のトラブルを発生する。

0012

本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであって、液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板等にレーザー光を用いて溝加工や穴開け加工を行なうに際して、被加工物の表面に堆積するレーザ加工の副成物によるトラブルを容易に回避できるレーザ加工方法およびこれを用いた液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成するため、本発明のレーザ加工方法は、被加工物の表面に液状またはムース状塗膜を設けたうえで前記被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物から液状またはムース状の塗膜を除去する工程を有することを特徴とする。

0014

また、被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物に熱衝撃を与えて加工の副成物を分離する工程を有することを特徴とする。

0015

被加工物を常温または加熱された水に浸したうえで液体窒素浸すことで熱衝撃を与えるとよい。

0016

また、被加工物の表面に金属またはセラミックからなる硬質膜を設けたうえで前記被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物の硬質膜の表面を清浄化する工程を有することを特徴とする。

0017

また、被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物の表面に金属またはセラミックからなる硬質膜を設けて加工の副成物を覆う工程を有することを特徴とする。

0018

上記レーザ加工方法によれば、被加工物の表面に設けられた液状またはムース状の塗膜によって加工の副成分を捕捉させ、加工後に軽く拭き取ることができる。

0019

軽く拭くだけであるから加工後の被加工物を傷つけるおそれがない。

0020

また、被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物に熱衝撃を与えて加工の副成物を分離する工程を有するレーザ加工方法によれば、加工後の被加工物の表面に機械的刺激を一切与えることなく加工の副成物を分離し、除去できる。

0021

従って、加工後の被加工物の形状精度を劣化させるおそれが皆無であり、特に微細なレーザ加工に好適である。

0022

また、被加工物の表面に金属またはセラミックからなる硬質膜を設けたうえで前記被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物の硬質膜の表面を清浄化する工程を有するレーザ加工方法によれば、加工の副成物が硬質膜の表面に堆積するため、これを拭きとるのが極めて簡単である。加えて、硬質膜によって被加工物の強度が向上するという利点もある。

0023

また、被加工物にレーザ光を照射して加工を行なう工程と、加工を行なった被加工物の表面に金属またはセラミックからなる硬質膜を設けて加工の副成物を覆う工程を有するレーザ加工方法によれば、加工の副成物が硬質膜によって覆われるため、前記副成物が被加工物に隣接する物体を汚染する等のトラブルを回避できる。加えて、硬質膜によって被加工物の強度が向上するという利点もある。

0024

本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

0025

図1は第1実施例によるレーザ加工方法を説明するもので、被加工物であるポリサルフォン樹脂製の基体10にKrFエキシマレーザのレーザ光A1 (λ=248nm)を用いて溝11を加工するに際して、まず(a)に示すように、基体10の表面10aに界面活性剤(サフィノールS−141)を塗布し、液状の塗膜である液状保護膜12を設けておく。レーザ光A1 が照射されると、液状保護膜12を透過したレーザエネルギーによって基板10の表面が局部的に溶融し、(b)に示すように、溝11が形成される。このとき発生する副成物はB1 は、(c)に示すように、基体10の表面10aを覆う液状保護膜12によって捕捉され、基体10の表面10aに直接強固に被着することなく、(d)に示すように液状保護膜12の表面に浮上した状態となる。レーザ光A1 による溝加工を終了後、基体10の表面10aを軽く拭くだけで副成物B1 を液状保護膜12ごと除去することができる。

0026

本実施例によるレーザ加工方法を用いて図2に示す液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板2にオリフィス2aを形成する穴開け加工や液流路2bを形成する溝加工を行なったところ、清浄化が不充分で副成物B1 が残ったままである部分は全体の汚染面積の略10%にとどまり、製品としての液体噴射記録ヘッドの不良品発生率は0%であった。

0027

図3は第1実施例の一変形例を示す。これは、界面活性剤等の液状保護膜12の替わりに、(a)に示すように、トリエタノールアミンベンジンアルコールポリオキシエチレンラノリンを主成分とする発泡剤を用いたムース状の塗膜である発泡塗膜22を設けたものであり、(b)に示すように、レーザ光A1 の照射によって発生した副成物B2 は発泡塗膜22の泡の中に取り込まれ、(c)に示すように発泡塗膜22上へ浮上する。

0028

発泡塗膜22は基体10の表面10aに密着しないため、液状保護膜12より拭きとりが容易であるという利点を有する。

0029

本変形例によるレーザ加工方法を用いて前述と同様に液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板に液流路を形成する溝加工を行なったところ、副成物B1 が残ったままである部分は全体の汚染面積の略5%であり、製品としての液体噴射記録ヘッドの不良品発生率は0%であった。

0030

また、前記発泡剤の替わりに、塩化ステアリルメチルアモンニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムセタノールエデト酸塩安息香酸塩パラベンを主成分とする発泡剤を用いてもよい。この方法によって前述と同様に液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板に液流路を形成する溝加工を行なったところ、清浄化が不充分なままである部分は全体の汚染面積の略5%であり、製品としての液体噴射記録ヘッドの不良品発生率は0%であった。なお、液体噴射記録ヘッドは、図2の(b)に示すように表面1aに複数の電気熱変換素子1bを有する基板1に(a)に裏返した状態で示す樹脂製天板2をかぶせて、図示しない弾性部材を用いて基板1と樹脂製天板2を一体化することによって組み立てられる。液体噴射記録ヘッドの不良品発生率については、上記のように組み立てた液体噴射記録ヘッドを100個サンプルとして取り出して印字し、所定の印字の品位に達していないものを不良品とするテスト方法を採用した。

0031

本実施例によれば、液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板等にレーザ加工を施すに際して、レーザ加工による副成物が堆積する表面に予め液状保護膜や発泡塗膜を設けておくだけでレーザ加工後の副成物の除去を極めて簡単に行なうことができる。

0032

従って、従来例のように副成物を除去する工程で製品に傷がついて製品の歩留まりが低下したり、高価なヘリウムガス等を必要とすることなく、液体噴射記録ヘッド等の製造コストの低減に大きく貢献できる。

0033

図4は第2実施例による副成物除去方法を説明するもので、これは、レーザ光による液流路の溝加工とオリフィスの穴開け加工を施した樹脂製天板32を、オートハンドル30に保持させて水槽33内の常温もしくは加熱した純水33aに浸したうえで、液体窒素34aを入れた超低温槽34に沈めて急激に冷却して熱衝撃を与える熱衝撃工程を所定のサイクル数だけ繰り返すことで、レーザ加工の副成物を分離し、最後に水洗槽35内の純水35aに浸して洗浄し、N2ブロー36によって乾燥させるものである。

0034

レーザ加工によって樹脂製天板32の端面やオリフィスプレート部に堆積した例えば厚さ3μmのカーボン粉末は、熱衝撃によって分離され、水槽33内の純水33a中や超低温槽34の液体窒素34a中に拡散するものと推測される。

0035

本実施例によれば、樹脂製天板32に機械的刺激を一切与えることなくレーザ加工の副成物をほぼ100%除去することができる。従って、液体噴射記録ヘッドの液流路やノズルの形状精度を損なうおそれが皆無であり、極めて微細化された高性能な液体噴射記録ヘッドを製造できる。

0036

なお、水槽33内の純水33aに例えば1%程度の界面活性剤を添加すると、純水100%の場合より少ないサイクル数でレーザ加工の副成物をほぼ100%除去できることが判明している。この場合に使用する界面活性剤としては、サフィノールS−141、サフィノール465、サフィノール104E等が望ましい。

0037

また、オートハンドル30によって樹脂製天板を1個ずつ処理する替わりに、図5に示すように、複数の樹脂製天板42を金網籠40に入れて一括処理してもよい。すなわち、樹脂製天板42を入れた金網籠40を水槽33および超低温槽34に繰り返し浸したうえで水洗槽35に運び、最後にN2ブロー36の替わりにクリーンオーブン46に搬入する。次に本実施例の具体例について説明する。
(第1具体例)ポリサルフォンを射出成形して得られた樹脂製天板のブランクにKrFエキシマレーザのレーザ光(λ=248nm)を用いて液流路とオリフィスをレーザ加工し、96℃の純水に10秒間浸したのち、−196℃の液体窒素に10秒間浸す熱衝撃工程を30サイクル繰り返し、N2 ブローによって20秒間乾燥させた。樹脂製天板の表面を調べたところ、レーザ加工による副成物は100%除去されていた。この場合は、100%の純水を用いたため、水洗槽による水洗は不要である。
(第2具体例)96℃の純水に1%の界面活性剤(サフィノールS−141)を添加した以外は第1具体例と同様の熱衝撃工程を10サイクル繰り返したうえで、水洗槽に20秒間浸し、N2 ブローによって20秒間乾燥させた。樹脂製天板の表面を調べたところ、レーザ加工による副成物は100%除去されていた。
(第3具体例)第1具体例と同様にレーザ加工された樹脂製天板を20個金網籠に入れ、1%の界面活性剤(サフィノールS−141)を添加した96℃の純水と−196℃の液体窒素に交互に浸す熱衝撃工程を10サイクル繰り返したうえで、水洗槽に20秒間浸し、80℃のクリーンオーブン内で120秒間乾燥させた。20個の樹脂製天板の表面を調べたところ、レーザ加工の副成物はすべての樹脂製天板において100%除去されていた。

0038

第1具体例の樹脂製天板をサンプルA、熱衝撃工程のサイクル数と純水の温度を変えて同様に処理したものをサンプルB,C、第2具体例の樹脂製天板をサンプルD、純水の温度やこれに添加する界面活性剤の種類を変えて同様に処理したものをサンプルE〜I、純水の替わりに24℃のイソプロピルアルコール(IPA)を用いて処理したものをサンプルJ、純水の替わりに1%のサフィノールS−141を添加したアルカリイオン水を用いて温度を変えて処理したものをサンプルK,L、水槽に入れることなく液体窒素に浸す工程だけを10回繰り返したものをサンプルMとして、処理後の各サンプルの表面を調べた結果を表1に示す。

0039

ID=000003HE=085 WI=128 LX=0410 LY=1050
図6は第3実施例によるレーザ加工方法を説明するもので、(a)に示すようなポリサルフォン、ポリプロピレンポリスチレン等の樹脂製の基体50にKrFエキシマレーザ等のレーザ光を用いて穴開け加工を施すに際して、まず、(b)に示すように基体50の表面50aおよびその反対側に形成された溝51の内面メッキあるいは蒸着等によって硬質膜である金属またはセラミックであるガラスの被覆膜52を被着させ、(c)に示すように、溝51の側からレーザ光A3 を照射してオリフィス等の貫通孔53を形成する。このとき、レーザ加工によって発生するカーボン粉末等の副成物B3 が被覆膜52の表面に堆積する。続いて、基体50を純水に浸し、シリコンゴムブレードで副成物B3 を拭きとる。

0040

副成物B3 が堆積する表面は硬質の金属またはガラスの被覆膜52で覆われているため、レーザ加工中にその熱で副成物が溶着するおそれはない。従って、前述のようなワイピングによって簡単に除去することができる。

0041

なお、被覆膜52の成膜は、例えば以下のように行なわれる。基体50を70℃のクロム硫酸溶液に10分間浸してエッチング処理を行ない、中和後、触媒反応促進剤等によって処理し、40℃の無電解ニッケル槽に15分間浸して0.5μmのニッケルメッキを施す。

0042

ガラス製の被覆膜の場合には、公知の蒸着等による成膜装置を用いて、例えばSiO2 膜等を被着させればよい。

0043

本実施例において、基体50が液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板であれば、そのオリフィスプレート部にオリフィスを形成する穴開け加工による副成物がオリフィスプレート部に残ってインクと反応し印字品位が低下するおそれがないばかりでなく、オリフィスプレート部の強度が金属やガラスの被覆膜によって大幅に強化されるため、印字性能の安定した液体噴射記録ヘッドを得ることができる。図7は第3実施例の一変形例によるレーザ加工方法を示す。これは、(a)に示す基体60に、まず、(b)に示すようにレーザ光A4 によって貫通孔63を形成したうえで、(c)に示すように、基体60の表面60aと溝61の内面に金属またはガラスの被覆膜62を被着させるもので、レーザ加工の副成物B4 を被覆膜62によって覆うことで、副成物B4 による印字品位低下等のトラブルを回避し、かつ、基体60の強度を向上させることができる。

0044

次に、本発明による液体噴射記録ヘッド(以下、「インクジェットヘッドユニット」という。)を装着するインクジェットヘッドカートリッジ(以下、「カートリッジ」という。)IJCを図8ないし図11に基づいて説明する。

0045

このカートリッジIJCは、液体噴射記録装置であるインクジェット記録装置本体(IJRA)に装備されるキャリッジ(HC)(図12参照)の後述する位置決め手段および電気的接点によって固定支持されるもので、キャリッジHCに対して着脱可能なディポーザブルタイプである。

0046

カートリッジIJCは、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換素子である電気熱変換体を用いて記録を行なうバブルジェット方式ユニットである。

0047

図8において、100は基板であるヒータボードであり、ヒータボード100にはSi基板上に複数の列状に配された電気熱変換体(吐出ヒーター)と、これに電力を供給するA1等の電気配線とが成膜技術により形成されている。200はヒータボード100に対する配線基板であり、ヒータボード100の配線に対応する配線(例えばワイヤボンディングにより接続される)と、この配線の端部に位置し本体内からの電気信号を受けるパッド201とを有している。

0048

1300は吐出口形成部材400を有する樹脂製天板(以下、「天板」という。)であり、天板1300には不図示の複数の液流路であるインク流路をそれぞれ区分するための隔壁や各インク流路へインクを与えるためにインクを収納するための共通液室等が設けられていて、インクタンクITから供給されるインクを受けて上述の共通液室へ導入するインク受け口(供給口)1500と、各インク流路に対応した吐出口を複数有する吐出口形成部材400とが天板1300と一体成型されている。なおこれらの一体成型材料としてはポリサルフォンが好ましいが、他の成型用樹脂材料でもよい。

0049

300は配線基板200の裏面を平面で支持する例えば金属製の支持体であり、インクジェットヘッドユニット(IJU)の底板となる。500は弾性部材である押えばねであり、ほぼM字形状をなし、そのM字の中央部で天板1300の不図示の共通液室近傍を軽圧で押圧すると共にその前だれ部501で液路の一部、好ましくは吐出口オリフィス近傍の領域を線圧で集中押圧する。かくして、押えばね脚部が支持体300の穴3121を通って支持体300の裏面側に係合することでヒータボード100および天板1300を支持体300との間に挟み込んだ状態で両者を係合させることができ、押えばね500とその前だれ部501の集中付勢力によってヒータボード100と天板1300とを圧着固定する。

0050

また、支持体300は、インクタンクITの2つの位置決め凸起1012および位置決めと熱融着保持兼用凸起1800,1801(図10参照)に係合する位置決め用穴312,1900,2000を有する他、装置本体IJRAのキャリッジHCに対する位置決め用突起2500,2600を裏面側に有している。加えて支持体300はインクタンクITからのインク供給を機能とするインク供給管2200(後述)を貫通可能にする穴320も有している。なお、このような支持体300に対し、配線基板200を取付けるにあたっては、接着剤等で貼着して行なわれる。

0051

また、支持体300の凹部2400,2401は、それぞれ位置決め用の突起2500,2600の近傍に設けられており、組み立てられたカートリッジIJC(図9)において、その支持体300の周囲の3辺に形成される平行溝3000,3001の複数によって画成されるインクジェットヘッドユニットIJUの先端延長域にあって、ゴミやインク等の不要物が突起2500,2600に至ることがないようになっている。

0052

蓋部材800は、図8および図9からもわかるように、カートリッジIJCの外壁を形成すると共に、インクタンクITとの間にインクジェットヘッドユニットIJUを収納する空間部を形成している。また、上記の平行溝3001が形成されているインク供給部材600側には、前述したインク供給管2200に連続するインク導管1600の供給管2200側が固定の片持ち梁として形成されており、インク導管1600の固定側とインク供給管2200との間に毛管現象を確保するための封止ピン602が挿入されている。なお、601はインクタンクITと供給管2200との間を結合シールするパッキン、700は供給管2200のタンク側端部に設けられたフィルタである。

0053

このインク供給部材600は、モールド成型されるもので、廉価でしかも位置精度が高く、形成上の精度低下を無くしているだけでなく、導管1600を片持ち梁構造としたことによって大量生産においても導管1600の上述インク受け口1500に対する安定した圧接状態が得られる。本例では、このような圧接状態下で封止用接着剤をインク供給部材600の側から流し込むだけで、より完全な連通状態を確実に得ることができている。なお、インク供給部材600の支持体300に対する固定は、支持体300の穴1901,1902に対してインク供給部材600の裏面側ピン(不図示)を貫通突出させた上、その支持体300の裏面側に突出した部分を熱融着することで容易に行なわれる。なお、この熱融着された裏面部のわずかな突出領域は、インクタンクITのインクジェットヘッドユニットIJU取付面側壁面のくぼみ(不図示)内に収められるのでインクジェットヘッドユニットIJUの位置決め面を正確に確保することができる。

0054

インクタンクITは、図8および図9に示すようにカートリッジ本体1000と、後に詳述するインク吸収体900とインク吸収体900をカートリッジ本体1000の上記インクジェットヘッドユニットIJU取付面とは反対側の側面から挿入した後、これを封止する蓋部材1100とで構成されている。

0055

900はインクを含浸させるための吸収体であり、カートリッジ本体1000内に配置される。

0056

インク供給口1200は上記各部100〜600からなるインクジェットヘッドユニットIJUに対してインクを供給するための供給口であると共に、当該インクジェットヘッドユニットIJUをカートリッジ本体1000の内部に配置する前の工程でインクを注入することにより吸収体900のインク含浸を行なうための注入口でもある。

0057

本例のインクタンクITでは、インクの供給が可能な部分は、大気連通口1401とこのインク供給口1200とになるが、インク吸収体900からのインク供給性を良好に行なうためにカートリッジ本体1000内にはリブ2300が、また蓋部材1100には部分リブ2301,2302が設けられていて、これらにより形成されたタンク内空存在領域があり、かかる空気存在領域が大気連通口1401側からインク供給口1200に最も遠い角部領域にわたって連続的に形成されているので、インク吸収体900へのインクの良好かつ均一な供給を、この供給口1200側から行なうことができる。

0058

このことは実用上極めて有効であって、インクタンクITはカートリッジ本体1000の後面において、キャリッジ移動方向に平行なリブ2300を4本有し、インク吸収体900が後面に密着することを防止している。また、部分リブ2301,2302は、リブ2300に対して対応するその延長上の蓋部材1100の内面に設けられているが、リブ2300とは異なり、分割された状態となっていて、空気の存在空間を前者より増加させている。なお、部分リブ2301,2302は蓋部材1100の全面積の半分以下の面に分散されており、かくしてこれらのリブによりインク吸収体900のインク供給口1200から最も遠い角部の領域のインクをより安定させつつ、しかも確実に、インク供給口1200側の毛細力で導くことができる。1400は大気連通口1401の内方に配置されている撥液材であり、これにより大気連通口1401からのインク漏洩が防止される。

0059

前述したインクタンクITのインク収容空間長方体形状であり、その長辺がカートリッジ本体1000の側面となるので上述したリブの配置構成は特に有効であるが、キャリッジの移動方向に長辺を持つ場合または立方体の場合は、蓋部材1100の全体にリブを設けるようにすることでインク吸収体900からのインク供給を安定化できる。限られた空間内にインクをできるだけ収納するためには直方体形状が適しているが、この収納されたインクを無駄なく記録に使用するためには、上述したように、角部の領域に近接する2面領域に上記作用を行なえるリブを受けることが重要である。

0060

さらに本実施例におけるインクタンクITの内面リブは、直方体形状のインク吸収体900の厚み方向に対してほぼ均一な分布で配設されるので、このことは、インク吸収体900全体のインク消費に対して大気圧分布を均一化しつつインク残量をほとんど無くすることができるために重要な構成となる。さらに、このリブの配置上の技術思想を詳述すると、直方体の4角形上面においてインク供給口1200の投影位置を中心として、長辺を半径とする円弧を描いたときに、その円弧よりも外側に位置するインク吸収体900に対して、大気圧状態が早期に与えられるようにその円弧よりも外側の面に上記リブを配設することが重要となる。この場合、インクタンクITの大気連通口は、このリブ配設領域大気を導入できる位置であれば、本例の位置に限られるものではないことは勿論である。

0061

加えて、本実施例では、カートリッジIJCのヘッドIJHに対する後面を平面化して、装置に組み込まれたときの必要スペースを最小化ならしめるとともに、インクの収容量最大化している構成としているために、装置の小型化を達成できるだけではなく、カートリッジIJCの交換頻度を減少できるという優れた利点が得られる。そして、インクジェットヘッドユニットIJUを一体化するための空間の後方部を利用して、そこに、大気連通口1401用の突出部分を形成し、この突出部分の内部を空洞化して、ここに前述した吸収体900の厚み全体に対する大気圧供給空間1402を形成している。このように構成することで、従来には見られない優れたカートリッジを提供することができた。

0062

なお、この大気圧供給空間1402は、従来よりもはるかに大きい空間であり、上記大気連通口1401が上方に位置しているので、何らかの異常で、インクが吸収体900から遊離しても、この大気圧供給空間1402により、そのインクが一時的に保持されて、再びインクを確実に吸収体900に回収させることができる。

0063

図10はインクタンクITを上記インクジェットヘッドユニットIJUが取付けられる面の側から見て示すもので、L1 はインク吐出口形成部材400の突出口列のほぼ中央を通り、インクタンクITの底面もしくはキャリッジ表面の載置基準面に平行な直線であり、図8に示す支持体300の孔312,312に係合する2つの位置決め凸起1012,1012がそれぞれこの直線L1 上にある。この凸起1012の高さは支持体300の厚みよりわずかに低く、支持体300の位置決めを行なう。また、図10で直線L1 の延長上には図11に示すキャリッジHCの位置決め用フック4001の90゜角の係合面4002が係合する爪2100が配設されていて、キャリッジHCに対する位置決めの作用力がこの直線L1 を含む上記基準面に平行な面領域で作用するように構成されている。図11で後述するが、このような関係により、インクタンク自体の位置決め精度をヘッドIJHの吐出口位置決め精度と同等まで高めるという効果が得られる。

0064

また、支持体300のインクタンク側面への固定用孔1900,2000のそれぞれに対応するインクタンクの突起1800,1801は前述の凸起1012よりも長く、支持体300を貫通して突出した部分を熱溶着して支持体300をその側面に固定するためのものである。そこで上述の直線L1 に垂直でこの突起1800を通る直線をL3 、突起1801を通る直線をL2 としたとき、直線L3 上には上記インク供給口1200のほぼ中心が位置することになり、インク供給口1200と供給管2200との結合状態を安定化する作用をし、落下や衝撃によってもこれらの結合状態への負荷を軽減することができる。また、直線L2とL3 とは一致しておらず、ヘッドIJHの吐出口側の凸起1012周辺に突起1800,1801が存在しているので、さらにヘッドIJHのタンクに対する位置決めの補強高かが得られる。なお、L4 で示される曲線は、インク供給部材600の装着時の外壁位置である。突起1800,1801はその曲線L4 に沿っているので、ヘッドIJHの先端側構成の重量に対しても充分な強度と位置精度を与えている。2700はインクタンクITの先端ツバで、図11に示すようにキャリッジHCの前板4000の溝孔に挿入されて、インクタンクITの変位極端に悪くなるような異変時に対して備えている。また、図10および図11に示す2101は、キャリッジHCに対する抜け止めで、キャリッジHCの不図示のバーに対して設けられ、カートリッジIJCが後述のように旋回装着された位置でこのバーの下方に侵入して、不要に位置決め位置から離脱させる上方方向への力が作用しても装着状態を維持するための保護用部材である。

0065

インクタンクIT、インクジェットユニットIJUが装着された後に蓋800により覆蓋されることで、インクジェットユニットIJUを下方開口を除き、取囲む形となるが、カートリッジIJCとしては、キャリッジHCに搭載するための下方開口部がキャリッジHCに近接するため、実質的にはここに4方包囲空間が形成されることになる。従って、この包囲空間内にあるヘッドIJHからの発熱がこの空間内に溜り保温効果として有効となるものの長期連続使用の場合は、わずかながら昇温する結果を生じる。このために本実施例では、支持体300の自然放熱を助けるためにカートリッジIJCの上方面に、この空間より小さい幅のスリット1700を設けて、消音を防止しつつインクジェットユニットIJU全体の温度分布の均一化を図り、環境に左右されないようにした。

0066

さて、カートリッジIJCとして組み立てられると、インクはカートリッジ内部で供給口1200、支持体300に設けた孔320およびインクタンクITの中裏面側に設けた不図示の導入口を介してタンク内に供給され、その内部を通った後、導出口から適宜の供給管および天板1300のインク導入口1500を介して共通液室内へと流入する。以上におけるインク連通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチルゴム等のパッキンが配設され、これによって封止が行なわれてインク供給路が確保される。

0067

なお、本実施例においてはヘッドIJHの天板1300には耐インク性に優れたポリサルフォン、ポリエーテルサルフォンポリフェニレンオキサイド、ポリプロピレンなどの樹脂が用いられ、また、インク吐出口形成部材400と共に金型内で一体に同時成型される。

0068

上述のように、インク供給部材600、天板300とインク吐出口形成部材400とを一体化した部材およびカートリッジ本体1000をそれぞれ一体成型部品としたので組立て精度が高水準になるばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効である。また、部品点数個数は従来に比較して減少できているので、優れた所望特性を確実に発揮できる。

0069

また、本実施例では、上記組立後の形状において、図8ないし図10で示されるように、インク供給部材600は、その上面部603がインクタンクITのスリット1700を備えた屋根部の端部4008との間に図8に示したようにスリットSを形成し、また、インク供給部材600の下面部604と底部蓋800が接着される薄板のヘッド側端部4011との間には上記スリットSと同様のスリット(不図示)が形成される。このようにしてインクタンクITとインク供給部材600との間に形成したスリットにより、上記スリット1700の放熱を一層促進させる作用を実質的に行なうとともに、インクタンクITへ加わる不要な圧力があってもこれを直接供給部材、強いてはインクジェットユニットIJUへ及ぼすことを防止する効果が得られる。

0070

上記構成は、従来にはない構成であって、それぞれが単独で有効な効果をもたらすと共に、複合的にも各構成要件によって相乗的な各種の構成効果をもたらすことができる。

0071

図11において、5000はプラテンローラで、記録媒体Pを紙面下方から上方へ案内する。キャリッジHCは、プラテンローラ5000に沿って移動するもので、キャリッジHCにはその前方プラテン側に、カートリッジIJCのカートリッジ本体1000の前面側に位置する前板4000(厚さが例えば2mm)と、カートリッジIJCの配線基板200のパッド201に対応するパッド2011を具備したフレキシブルシート4005およびこれを裏面側から各パッド2011に対して押圧する弾発力を発生するためのポッチ付きゴムシート4007を保護する電気接続部用支持板4003と、カートリッジIJCを記録位置に固定するための位置決め用フック4001とが設けられている。

0072

前板4000は位置決め用突出面4010をカートリッジIJCの支持体300の前述した位置決め突起2500,2600にそれぞれ対応して2個有し、カートリッジIJCの装着後はこの位置決め用突出面4010に垂直な力が負荷される。このため、不図示の複数の補強用リブが力の方向に沿って前板4000のプラテンローラ側に、設けられている。なお、このリブは、カートリッジIJC装着時の前面位置L5よりもわずかに(約0.1mm程度)プラテンローラ側に突出しているヘッド保護用突出部をも形成している。

0073

電気接続部用支持板4003は、補強用リブ4004を紙面とは垂直の方向に複数有し、プラテン5000側からフック4001側に向かって個々の側方への突出割合漸減させることにより、カートリッジ装着時の位置を図のように傾斜させるための機能を持たせている。また、支持板4003は電気的接触状態を安定化するため、上記2つの位置決め用突出面4010がカートリッジIJCに及ぼす作用方向と逆方向に、カートリッジIJCへの作用力を及ぼすためのフック側の位置決め面4006を位置決め用突出面4010に対応して2個有し、これらの間にパッドコンタクト域を形成すると共にパッド2011対応のポッチ付ゴムシート4007のポッチの変形量を一義的に規定する。これらの位置決め面4006は、カートリッジIJCが記録可能な位置に固定されると、配線基板300の表面に当接した状態に保たれる。

0074

なお、本実施例では、さらに配線基板300のパッド201を前述した直線L1 に関して対称となるように分布させているので、ポッチ付きゴムシート4007の各ポッチの変形量を均一化してパッド2001と201との当接圧をより安定化させることができる。本実施例のパッド201の分布は、上方、下方、縦2列である。

0075

フック4001は、固定軸4009に係合する長孔を有し、この長孔の移動空間を利用して図の位置から反時計方向回動した後、プラテンローラ5000に沿って左方側へ移動することでキャリッジHCに対するカートリッジIJCの位置決めを行なう。このフック4001の移動はどのようなものでもよいが、レバー等で行なえる構成が好ましい。いずれにしてもこのフック4001の回動時にカートリッジIJCはプラテンローラ5000側に移動しつつ位置決め突起2500,2600が前板の位置決め用突出面4010に当接可能な位置へ移動し、フック4001の左方側移動によって90゜のフック面4002がカートリッジ本体100の爪2100の90゜面に密着しつつカートリッジIJCを位置決め突出面2500と位置決め用突出面4010同志の接触域を中心に水平面内で旋回させて最終的にパッド201,2011同志の接触が始まる。

0076

かくしてフック4001が所定位置、すなわち固定位置に保持されると、パッド201,2011同志の完全接触状態と、位置決め突起2500と位置決め用突出面4010同志の完全面接触と、90゜面4002およびその爪の39°面の2面接触と、配線基板300と位置決め面4006との面接触が同時に形成され、キャリッジHCに対するカートリッジIJCの保持が完了する。

0077

図12は液体噴射記録装置であるインクジェット記録装置の全体を示す。ここで、5003はキャリッジHCを矢印aおよびb方向に案内する案内軸、5004はリードスクリュ5005に形成されている螺旋溝であり、キャリッジHCはリードスクリュー5005の正逆回転に従って案内軸5003に沿い矢印aまたはb方向に移動する。そして、移動しながらキャリッジHCに搭載されたカートリッジIJCのインクジェットヘッドIJHにより記録シートPに向けて記録が行なわれる。

0078

5013はキャリッジ駆動モータ、5009,5011はキャリッジ駆動モータ5013の駆動力をリードスクリュー5005に伝達するためのギヤ、5002は記録シートPをプラテンローラ5000に向けて押付けているシート押え板である。また、本実施例では開口部5023を有し、インクジェットヘッドIJHの吐出面形成部材400を覆蓋するキャップ部材5022、これに連結され、回復動作時にキャップ部材5022を介してインクジェットヘッドIJHからインクを吸収する吸引手段5015、さらに回復動作の前後等に使用されるクリーニングブレード5017、キャップ部材5022を支持する支持部材5016を備えていて、クリーニングブレード5017は部材5019を介して矢印方向に移動させられ、ヘッドの吐出面を掃拭する。

0079

5021はギヤ5010、カム5020を介して吸引手段5015を駆動するためのレバーであり、吸引動作時にはキャリッジ駆動モータ5013により不図示のクラッチ切換手段および上述の伝達手段を介してその駆動力が伝達される。また、5007および5008はキャリッジHCのホームポジションを検知するためのフォトカプラであり、キャリッジHCに設けられた吐出レバー5006の光路遮断により、ホームポジションが検知され、キャリッジ駆動モータ5013の正逆回転方向の切換算が行なわれる。

0080

なお、本実施例ではこれらのキャッピングクリーニング吸引回復は、キャリッジHCがホームポジション側領域にきたときにリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行なえるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行なうように構成されるものであれば、どのような構成であってもよい。ただ、本実施例は本発明にとって好ましい構成例を示したものである。

発明の効果

0081

本発明は上述のとおり構成されているので、次に記載するような効果を奏する。

0082

液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板等にレーザ光を用いて液流路やオリフイ等の溝加工や穴開け加工を行なうに際して、レーザ加工の副成物によるトラブルを容易に回避できる。

0083

請求項1記載の発明によれば、被加工物の表面を軽く拭くだけで前記副成物を容易に除去することができる。

0084

請求項2記載の発明によれば、被加工物に機械的刺激を与えることなく前記副成物を除去できる。

0085

請求項6記載の発明によれば、前記副成物を容易に除去できるばかりでなく、被加工物の強度を向上させることができる。

0086

請求項7記載の発明によれば、前記副成物が被加工物の表面に露出するのを防ぎ、加えて、被加工物の強度を向上させることができる。

0087

このようなレーザ加工方法を用いて液体噴射記録ヘッドの樹脂製天板の溝加工や穴開け加工を行なえば、液体噴射記録ヘッドの性能向上や製造コストの削減に大きく役立つ。

図面の簡単な説明

0088

図1第1実施例によるレーザ加工方法を説明する説明図である。
図2液体噴射記録ヘッドの主要部を示すもので、(a)は樹脂製天板を裏返した状態で示す斜視図、(b)は基板を示す斜視図である。
図3第1実施例の一変形例を説明する説明図である。
図4第2実施例による副成物除去方法を説明する説明図である。
図5第2実施例の一変形例を説明する説明図である。
図6第3実施例によるレーザ加工方法を説明する説明図である。
図7第3実施例の一変形例を説明する説明図である。
図8液体噴射記録ヘッドのカートリッジを分解した状態で示す分解斜視図である。
図9図8の装置を組み立てた状態で示す斜視図である。
図10図8の装置のインクタンクを示す斜視図である。
図11図8の装置を液体噴射記録装置に装着した状態を示す模式断面図である。
図12液体噴射記録装置全体を示す斜視図である。
図13従来例による溝加工を説明する説明図である。
図14従来例による穴開け加工を説明する説明図である。
図15液体噴射記録ヘッドを組み立てた状態で示す斜視図である。

--

0089

B1 ,B2 ,B3 ,B4 副成物
1基板
2,32,42樹脂製天板
2aオリフィス
2b液流路
10,50,60基体
11,51,61 溝
12 液状保護膜
22発泡塗膜
33水槽
34超低温槽
35水洗槽
36 N2ブロー
40金網籠
52,62被覆膜
53,63 貫通孔

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