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技術 振動検出装置とこれを用いた災害予知装置

出願人 明星電気株式会社
発明者 佐藤家郷
出願日 1994年10月14日 (25年1ヶ月経過) 出願番号 1994-249410
公開日 1996年5月7日 (23年7ヶ月経過) 公開番号 1996-114496
状態 特許登録済
技術分野 地球物理、対象物の検知 機械的振動・音波の測定
主要キーワード 駆動信号周期 レベル変化率 通過レベル 振動周波数範囲 自動制御動作 音響的振動 振動伝播特性 微弱振動
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年5月7日)のものです。
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図面 (8)

構成

レーザーダイオード101からのレーザー光分光器102で第1及び第2の光ファイバ103,104に分光通過させ、合成器105で合成したレーザー光に現われる干渉現象の変動で受感部103Aに加わった振動を検出する。また、超音波発振器110で第1の光ファイバ103に人工的振動を与え、これによって第1同期検波器116から得られる信号と、微変調スイッチ111によって発光電流を微変調し、これによって第2同期検波器117から得られる信号に基づきCPU121により発光電流制御部109を制御し、レーザーダイオード101の発光周波数を常時最大感度が得られる周波数に制御する。

効果

マハツエンダ干渉計の原理により、自然災害前兆振動のような極微少振動を正確かつ高感度で、しかも環境条件の変動に影響されることなく検出することができる。

概要

背景

防災の分野において、地滑り地震自然災害現象顕現する前段階で当該災害現象の種別ごと独特周波数スペクトラムを有する音響(AE:Acous−tic Emmission)を伴なった前兆振動が発生することが知られており、この前兆振動を検出して自然災害の発生を予知する試みがなされている。

従来の自然災害現象に伴う前兆振動の検出は、数メートル金属性ロッドの一端に加速度計を取り付けた音響センサを用い、当該音響センサのロッドを地中打ち込み、当該ロッドを介して伝わる音響を上記加速度計で電気信号として検出し、ハイパスフィルタを通してトランジェントレコーダ等に記録し、後日に解析する方法で行なわれるのが一般的である。

概要

レーザーダイオード101からのレーザー光分光器102で第1及び第2の光ファイバ103,104に分光通過させ、合成器105で合成したレーザー光に現われる干渉現象の変動で受感部103Aに加わった振動を検出する。また、超音波発振器110で第1の光ファイバ103に人工的振動を与え、これによって第1同期検波器116から得られる信号と、微変調スイッチ111によって発光電流を微変調し、これによって第2同期検波器117から得られる信号に基づきCPU121により発光電流制御部109を制御し、レーザーダイオード101の発光周波数を常時最大感度が得られる周波数に制御する。

マハツエンダ干渉計の原理により、自然災害前兆振動のような極微少振動を正確かつ高感度で、しかも環境条件の変動に影響されることなく検出することができる。

目的

そこで、本発明は、極めて微かな前兆振動をも検出可能な振動検出装置を得ることを第1の課題とする。

そこで、本発明は、上記第1の課題の振動検出装置において、自動補正処理により常に安定し、かつ高感度で上記前兆振動を検出できるようにすることを第2の課題とする。

そこで、本発明は、前兆振動の発生を可能な限り早期に、かつ見落しがないように検出できる災害予知装置を得ることを第3の課題とする。

そこで、本発明は災害予知装置の設置地域による振動の地中伝播特性の違いに影響されることが少ない災害予知装置を得ることを第4の課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
3件

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請求項1

単一周波数の光を発光する発光体と、該発光体が放出した光を2方向に分光する分光手段と、該分光手段で分光された2方向のそれぞれの光を通過させるとともに、一方を振動受感部とし、他方を振動に対する不感動部とした第1及び第2の光ファイバと、該第1及び第2の光ファイバを通過した光を合成する合成手段と、該合成手段で合成された光を受光して、受光信号交流成分を被検出振動信号として出力する受光手段を有する振動検出装置

請求項2

請求項1に記載の振動検出装置において、第1及び第2の光ファイバのいずれか一方に人工的に振動を加える振動印加手段と、受光手段から出力される振動信号を上記振動印加手段による振動の周期に同期して検波する第1の同期検波手段と、該第1の同期検波手段からの検波信号に基づいて被検出振動の検出感度が最大となるように発光体の発光周波数を制御する周波数制御手段を更に含む振動検出装置。

請求項3

請求項2に記載の振動検出装置において、発光体の発光周波数を狭い発光周波数範囲で変調する微変調手段と、受光手段から出力される振動信号を上記微変調手段の変調信号に同期して検波する第2の同期検波手段と、該第2の同期検波手段からの検波信号に基づいて周波数制御手段による発光周波数の増減制御方向を判断する手段を更に含む振動検出装置。

請求項4

周波数制御手段が発光体の発光電流の制御によって当該発光体の発光周波数を制御する手段である請求項2又は3に記載の振動検出装置。

請求項5

周波数制御手段が発光体の周囲温度の制御によって当該発光体の発光周波数を制御する手段である請求項2又は3に記載の振動検出装置。

請求項6

振動印加手段と微変調手段とは、互に無関係な擬似ランダムコードに従ったランダム信号によって駆動されるものである請求項3に記載の振動検出装置。

請求項7

請求項1乃至6のいずれかに記載の振動検出装置を用いた災害予知装置であって、該振動検出装置と、該振動検出装置で検出した振動を解析する処理装置でなり、上記振動検出装置の振動の受感部をなす光ファイバを地中に設置し、上記処理装置は、地中で生ずる自然災害現象前兆振動の周波数スペクトラム特性を基準データとして予め格納してある基準データ格納手段と、該基準データ格納手段に格納された上記基準データに基づいて信号の通過周波数帯域及び通過レベル比率が設定されるデジタルフィルタと、上記振動検出手段で検出され、かつ上記デジタルフィルタを通過した振動信号を解析して該振動信号から自然災害現象の前兆振動を識別する解析手段を有する災害予知装置。

請求項8

請求項7に記載の災害予知装置において、該災害予知装置の設置地域特有の地中の振動伝播特性に従って基準データ格納手段に格納された基準データを補正し、該補正した基準データに基づいてデジタルフィルタの特性を設定する補正手段を更に含む災害予知装置。

請求項9

請求項8に記載の補正手段による補正方法であって、振動検出装置の振動の受感部をなす光ファイバの設置地点から離れた地点の地中に振動発生手段を設置し、該振動発生手段により自然災害現象の前兆振動に含まれる周波数成分を含んだ振動を発生せしめて、該振動を上記振動検出装置で受信し、これによって得られる振動信号の受信レベルと平均的受信レベルとの差に対応させて基準データ格納手段に格納した基準データを補正するようにした補正方法。

請求項10

請求項7に記載の災害予知装置において、解析手段は、デジタルフィルタを通過する振動信号の振幅成分を検出する手段と、該手段で検出した振幅成分をサンプリングして、各サンプルのレベルを検出する手段と、該手段で検出したレベル毎サンプル数集計してヒストグラムを作成する手段と、該手段で作成したヒストグラムの最大サンプル数のレベルを通る軸を対称軸とする当該ヒストグラムの非対称度合いにより災害の予知解析を行なう手段を含む災害予知装置。

請求項11

請求項10に記載の災害予知装置において、比較的長期に設定した一定期間のヒストグラムの非対称度合いを累積する手段と、該手段による累積値に基づいて自然災害発生の危険度推定する手段を更に含む災害予知装置。

技術分野

0001

本発明は、例えば微弱音響(音波)のように、極めて小さな振動を検出するのに最適の振動検出装置に関するものであり、更に当該振動検出装置は例えば地表面近傍又は地殻で生ずる地滑り地震等、自然災害現象前兆振動のような極めて微かな音響的振動をも検出できることから、これを利用した災害予知装置を提供するものである。

背景技術

0002

防災の分野において、地滑り、地震等自然災害現象が顕現する前段階で当該災害現象の種別ごと独特周波数スペクトラムを有する音響(AE:Acous−tic Emmission)を伴なった前兆振動が発生することが知られており、この前兆振動を検出して自然災害の発生を予知する試みがなされている。

0003

従来の自然災害現象に伴う前兆振動の検出は、数メートル金属性ロッドの一端に加速度計を取り付けた音響センサを用い、当該音響センサのロッドを地中打ち込み、当該ロッドを介して伝わる音響を上記加速度計で電気信号として検出し、ハイパスフィルタを通してトランジェントレコーダ等に記録し、後日に解析する方法で行なわれるのが一般的である。

発明が解決しようとする課題

0004

上記従来の音響センサは加速度計を用いるものであるため感度が低く、かつ前記前兆振動の帯域である数KHz帯の周波数の振動に対して特に感度が低下するため、自然災害現象の発生源監視点から遠方にあって、監視点に到達する前兆振動のレベルが低い場合、又は前兆振動自体の発生レベルが低い場合には、当該前兆振動の検出がむづかしく、災害の早期予知が不可能である。

0005

そこで、本発明は、極めて微かな前兆振動をも検出可能な振動検出装置を得ることを第1の課題とする。

0006

また、自然災害現象の前兆振動のように、極めて微かな振動を検出するためには、周囲温度等の環境状況の変動があっても常時検出感度を安定かつ高感度に保つ必要がある。

0007

そこで、本発明は、上記第1の課題の振動検出装置において、自動補正処理により常に安定し、かつ高感度で上記前兆振動を検出できるようにすることを第2の課題とする。

0008

また、従来の自然災害現象の前兆振動の検出は、地中を伝わる振動を記録し、後日の解析で検出する方法によっているので、当該前兆振動の検出の遅れや検出の見落しが生じがちであった。

0009

そこで、本発明は、前兆振動の発生を可能な限り早期に、かつ見落しがないように検出できる災害予知装置を得ることを第3の課題とする。

0010

更に、地中を伝わる振動の伝播特性は、伝播経路となる地中の土質の違いによって異なるため、自然災害現象の前兆振動はいずれの地域においても全て同じ特性で受信されるとは限らず、当該前兆振動の誤検出の恐れがある。

0011

そこで、本発明は災害予知装置の設置地域による振動の地中伝播特性の違いに影響されることが少ない災害予知装置を得ることを第4の課題とする。

課題を解決するための手段

0012

以上の課題を解決するため、本発明は、単一周波数の光、例えばレーザー光発光するレーザー発光体と、該レーザー発光体が放出するレーザー光を2方向に分光する分光手段と、該分光手段で分光された2方向それぞれのレーザー光を通過させる第1及び第2の光ファイバと、該第1及び第2の光ファイバを通過したレーザー光を合成する合成手段とで所謂マハツエンダ干渉計を構成し、該マハツエンダ干渉計の上記第1の光ファイバを被検出振動受感部とし、上記第2の光ファイバを被検出振動から遮蔽して振動の不感動部とし、上記第1の光ファイバに振動が加わることによって上記合成手段の出力に現われる干渉現象の変動成分を分離抽出して、該干渉現象の変動成分に基いて上記被検出振動を検出するようにしたものである。

0013

また、本発明は、上記した振動検出装置において、第1及び第2の光ファイバのいずれか一方に人工的に振動を加え、これによって合成手段が出力する信号を上記振動に同期して検波し、これによって得られる同期検波信号に基づいてレーザー光の発光周波数を制御して振動の検出感度を常時最大に保つようにし、更に、レーザー光の発光周波数を狭い発光周波数範囲で微変調し、このときの合成手段の出力信号を変調振動で同期検波し、この同期検波出力に基づき、レーザー光の発光周波数の増減制御方向を判別するようにしたものである。

0014

また、本発明は、以上の振動検出装置を自然災害現象の前兆振動検出器として用いる災害予知装置であって、当該振動検出装置の第1の光ファイバを地中に設置するとともに、自然災害現象の前兆振動の周波数スペクトラムを基準データとして予め格納してある基準データ格納手段と、該基準データ格納手段に格納された基準データに基いて特性が設定されるデジタルフィルタと、該デジタルフィルタが出力する振動信号を解析して、該振動信号から自然災害現象の前兆振動を分離抽出する解析手段を有する処理装置により災害予知装置を構成するものであり、更に、自然災害現象の前兆振動に含まれる周波数成分を含む振動によって予め測定した振動伝播特性に基づきデジタルフィルタの特性を補正する補正手段を当該処理装置に設け、また、上記解析手段による解析方法は、デジタルフィルタを通過する振動信号の振幅成分サンプリングして該振幅成分のレベル毎サンプル数集計したヒストグラムを作成し、最大サンプル数のレベルを通る縦軸対称軸とする当該ヒストグラムの左右の非対称度合いによって災害の予知解析を行なうようにしたものである。

0015

一方向のレーザー光が分光手段によって2方向に分光され、該分光されたそれぞれのレーザー光が第1及び第2の光ファイバを通過したときの双方のレーザー光の位相関係は第1の光ファイバに振動が加わらない状態では変化せず、従って合成手段で合成されて再度一方向となったレーザー光に含まれる干渉成分は変動しない。

0016

第1の光ファイバに振動が加わると、当該振動によって第1の光ファイバに屈伸が発生し、これにより当該第1の光ファイバによる光路長が変動して当該第1の光ファイバを光路とするレーザー光(2方路に分光された一方のレーザー光)と、第2の光ファイバを光路とするレーザー光(2方路に分光された他方のレーザー光)との間の位相差が変動し、合成手段によって1方向に合成されたレーザー光に現われている干渉成分にレベル変動が生じる。このレベル変動に基いて上記第1の光ファイバに加わった振動(被検出振動)を検出する。

0017

上記干渉成分のレベル変動は前記位相差関係の極めて小さい変動であっても広い振動周波数範囲にわたって顕著に現われるので、例えば非常にレベルが低く、かつ広範囲の周波数スペクトラムを有する微弱振動が検出可能である。

0018

また、例えば被検出振動の受感側である第1の光ファイバに人工的に振動を与え、該振動によって第1の光ファイバが屈伸することにより生ずる前記干渉成分のレベル変動が最大となるようにレーザー光の発光周波数を制御することにより、振動の検出感度を常に高感度に維持する。なお、第1の光ファイバに印加される人工的振動と被検出振動の区別は、受光信号を当該人工的振動の振動周波数で同期検波することにより行なう。

0019

また、上記レーザー光の発光周波数の制御において、当該発光周波数を狭い発光周波数の範囲で変化させ(微変調)、そのときの振動検出信号のレベルから検出感度を最大とする上記発光周波数の制御方向を判断する。すなわち、レーザー光の発光周波数が所期の周波数(最高感度が得られる周波数)より低いときには、上記微変調によって発光周波数が低い方に振れたときより高い方に振れたときの方が受光信号(干渉変動成分)のレベルが高いので、このときの振動検出信号のレベルは正(+)レベルとなり、このことによって発光周波数を高くする方向に制御し、また、以上とは逆の場合には、発光周波数を低くする方向に制御する。

0020

このようにして、判断した方向にレーザー光の発光周波数を変化させていくと、やがて当該発光周波数は上記微変調による振動検出信号のレベルが0となる(可及的に0となる。)発光周波数となり、この発光周波数が最大感度を与えるレーザー光の発光周波数となる。

0021

以上のように、本発明に係る振動検出装置は、環境変化に影響されることが少なく、かつ非常に高い感度で極微小振動を検出できるので、これを利用して、自然災害現象に伴なう前兆振動の検出を行って当該自然災害を予知する災害予知装置が構成できる。

0022

当該災害予知装置では、自然災害現象の前兆振動の周波数スペクトラムを基準データとして予め記憶しておき、上記振動検出装置が検出した振動を上記基準データに基づいて特性が設定されたデジタルフィルタを通して受信し、これを解析することにより、自然災害現象の前兆振動をリアルタイムに検出する。

0023

また、自然災害現象の前兆振動に含まれる周波数成分を含む振動を災害予知地域で人工的に発生させ、このときの振動受信データによって上記基準データを補正してデジタルフィルタの特性を設定することにより、災害予知地域特有の振動伝播特性に合致した前兆振動検出を行ない、自然災害現象の予知の信頼度を高める。

0024

図面はいずれも本発明の実施例を説明するもので、図1は振動検出装置の基本構成を示す図、図2は振動検出装置のブロック図、図3(A),(B)は振動検出装置の発光周波数制御を説明するための振動検出感度対発光周波数特性図、図4は災害予知装置のブロック図、図5(A),(B)はデジタルフィルタの特性とその補正処理を説明するためのレベル変化率又はレベル対振動周波数特性図、図6は災害予知装置の動作を説明するための特性図、図7は災害予知装置の受信特性補正方法を説明する図である。

0025

図1により本発明に係る振動検出装置の基本構成を説明する。

0026

振動検出装置は、基本的には、単一周波数の光を放出する光源発光体)、具体的にはレーザーダイオード101と、該レーザーダイオード101が放出するレーザー光を2方向に分光する分光器(分光手段)102と、該分光器102で分光されたそれぞれのレーザー光を通過させる第1の光ファイバ103及び第2の光ファイバ104と、該第1及び第2の光ファイバ103,104を通過した光を合成して再度1方向のレーザー光とする合成器(合成手段)105と、該合成器105が出力するレーザー光を受光して電気信号に変換する受光手段、具体的にはフォトダイオード106と、レーザーダイオード101から放出されたレーザー光を分光器102に導く入力用光ファイバ107と、合成器105から出力されたレーザー光をフォトダイオード106に導く出力用光ファイバ108で構成されており、この構成は公知のマハツエンダ干渉計において、光路を光ファイバで構成したものと等価である。

0027

なお、レーザー光が光路中を通過する際には、その位相乱れることは許されないので、本実施例では光ファイバとして、単一モード光ファイバ又は偏波面保存光ファイバを用いている。

0028

マハツエンダ干渉計は、周知のように、単一周波数の光を2方向の光路に分光し、一方の光路中に被検体を置いて当該被検体を通過した光(又は被検体で反射した光、等)と上記とは他の光路を通過した光、すなわち上記被検体を通過しない光とを合成した光に現われる干渉現象により、上記被検体の性質を調べるものであり、上記光の干渉現象は、一方の光路を通過する光が被検体により位相偏位を受けることにより、他方の光路を通過する光との間に位相差が生ずることによって生ずる。

0029

上記位相差は、上記一方の光路長と他の光路長との間に差がある場合にも生じ、上記一方の光路長が振動によって変化すると、上記位相差が変化して干渉成分のレベル変動となるので、このレベル変動を検出することで上記一方の光路長に加わった振動が検出できることとなる。本発明は、被検出振動を上記光路長の変化に変換してマハツエンダ干渉原理によって検出するものである。すなわち、本発明の実施例では、被検出振動を光ファイバに印加することによって光路長の変化に変換している。

0030

図1により基本構成の動作を説明する。

0031

第1の光ファイバ103の一部は被検出振動の受感部103Aを構成し、第2の光ファイバ104は、理想的には、その全体が被検出振動に対する不感動部となっている。

0032

レーザーダイオード101が放出するレーザー光は入力用光ファイバ107により分光器102に入力され、該分光器102で第1の光ファイバ103と第2の光ファイバ104の2方向に分光され、当該第1及び第2の光ファイバ103,104を通過したレーザー光は合成器105で再度一方向の光に合成されて出力用光ファイバ108に出力され、フォトダイオード106で受光される。

0033

受感部103Aに被検出振動が加わらない状態での第1の光ファイバ103を通過したレーザー光と第2の光ファイバ104を通過したレーザー光との間の位相差は一定であり、この状態では合成器105が出力するレーザー光の干渉成分に変化はない。

0034

受感部103Aに被検出振動が加わると、当該受感部103Aが振動により屈伸し、これにより第1の光ファイバ103で構成される光路長が変動するので、合成器105から出力されるレーザー光に干渉成分の変動が現われる。

0035

合成器105から出力されたレーザー光はフォトダイオード106で受光され電気信号に変換されて出力される。従って、上記したように合成器105から出力されるレーザー光に干渉成分の変動が含まれるときには、フォトダイオード106からは当該干渉成分の変動に応じたレベル変動を含む信号が出力され、このレベル変動のは上記被検出振動の振幅と一定の相関関係を有する。

0036

半導体レーザーによって発振されるレーザー光の波長は、GaAsレーザーダイオードで約8,400Å(オングストローム)であり、本発明は、このような極めて短かい波長の2方路の光信号の位相差の変化に基いて振動を検出するため、例えば非常に低いレベルの音波によって受感部103Aが受ける非常に微かな振動をも検出可能な振動検出装置を得ることができる。

0037

次に図2により、本発明の実施例を説明する。この実施例は、前記図1に示す基本構成に、被検出振動を高感度で検出するためのレーザーダイオードの発光周波数の自動制御機構を加えた構成となっている。

0038

図2において、振動検出装置1の構成中、符号101〜108で示されるものは、前記図1に示す基本構成中の同符号と同じものであり、それら相互の接続も基本構成と同じである。その他の符号が付されたものは、以上の通りである。

0039

109は発光電流制御部で、レーザーダイオード101の発光電流を制御することによって当該レーザーダイオードー101の発光周波数を制御する(周波数制御手段)。この発光電流制御部109への制御信号は後述するCPU121からのデジタル信号であり、かつ、レーザーダイオード101の発光電流はアナログ信号であるため、当該発光電流制御部109は基本的にはD/A変換器で構成されている。

0040

110は超音波発振器で、第1の光ファイバ103に人工的な振動を加える(振動印加手段)。なお、当該超音波発振器110による振動は第2の光ファイバ104に加えてもよい。この振動は、第1及び第2の光ファイバ103,104を通過する2方向のレーザー光間に人工的に位相差の変動を生じせしめるものであり、これによって合成器105の出力信号に現われる干渉成分の変動に基づいて振動検出感度を最大とする制御が行なわれる。また、当該超音波発振器110はその振動部が第1の光ファイバ103に固定されている。

0041

111は微変調スイッチで、レーザーダイオード101に供給する発光電流を浅いレベルで変調し、当該レーザーダイオード101の発光周波数を狭い発光周波数巾で微変調する(微変調手段)。この微変調は、振動検出感度を最大に調整するためのレーザーダイオード101の発光周波数の増減制御方向の判断のために用いられる。また、この微変調スイッチ110は半導体スイッチ手段(例えば、トランジスタ)で構成される。

0042

112は第1クロック発振器で、超音波発振器110の発振駆動信号の基となるクロック信号を発振する。

0043

113は第2クロック発振器で、微変調スイッチ111の駆動信号の基となるクロック信号を発振する。この第2クロック発振器113と上記第1クロック発振器112が出力するクロック信号の周期は互に異なるように設定されている。

0044

114は第1ランダム信号発生器で、第1クロック発振器112が出力するクロック信号に基づいて、ランダム信号を発生し、このランダム信号により超音波発振器110を駆動する。

0045

115は第2ランダム信号発生器で、第2クロック発振器113が出力するクロック信号に基づいて、ランダム信号を発生し、このランダム信号により微変調スイッチ111を駆動する。この第2ランダム信号発生器115と上記第1ランダム信号発生器114とは、互に異った疑似ランダムコードに基いてそれぞれのランダム信号を生成している。

0046

116は第1同期検波器(第1の同期検波手段)で、第1ランダム信号発生器114が発生するランダム信号、すなわち、超音波発振器110の駆動信号周期に同期してフォトダイオード106の出力信号の交流成分を同期検波する。従って当該第1同期検波器116は、超音波発振器110により第1の光ファイバ103に振動が付与されたことで当該第1の光ファイバ103を通過するレーザー光と第2の光ファイバ104を通過するレーザー光との間に生ずる位相差の変動(すなわちフォトダイオード106の出力信号に含まれる干渉成分のレベル変動)を表わす信号を出力することとなる。

0047

117は第2同期検波器(第2の同期検波手段)で、第2ランダム信号発生器115が発生するランダム信号、すなわち微変調スイッチ111の駆動信号周期に同期してフォトダイオード106の出力信号の交流成分を同期検波する。従って当該第2同期検波器117は、微変調スイッチ111によってレーザーダイオード101の駆動電流が微変調されたことで生ずるレーザー光の発光周波数の変動に伴なう出力信号レベルの変化を表わす信号を出力することとなる。

0048

上記第1同期検波器116と第2同期検波器117の同期検波動作の相互関係について述べると、前記したように、第1クロック発振器112と第2クロック発振器113のクロック周期は互に異っており、かつ第1ランダム信号発生器114と第2ランダム信号発生器115とは互に異った疑似ランダムコードに基いて作動しているので、当該第1及び第2ランダム信号発生器114,115からのランダム信号をぞれぞれ同期信号とする上記第1及び第2同期検波器116,117の同期検波動作は、相互に無関係にそれぞれが独立して行なわれ、これにより同じ信号(フォトダイオード106の出力信号)からそれぞれの目的に合致した信号(検波信号)を抽出できる。

0049

118は第1A/D変換器で、第1同期検波器116の出力信号(アナログ信号)をデジタルデータに変換して後述CPU121に送付する。

0050

119は第2A/D変換器で、第2同期検波器117の出力信号(アナログ信号)をデジタルデータに変換して後述CPU121に送付する。

0051

120は第3A/D変換器で、フォトダイオード106の出力信号(アナログ信号)の交流成分をデジタルデータに変換して出力する。この出力信号は当該振動検出装置によって検出された振動信号である。

0052

121はCPUで、第1A/D変換器118及び第2A/D変換器119からのデジタルデータに基づいてレーザーダイオード101の発光電流を制御することにより、その発光周波数を制御する。

0053

122及び123はそれぞれアンプ、Cはコンデンサ、R1〜R3は抵抗器である。なお、コンデンサCはフォトダイオード106の出力信号に含まれる交流成分のみを後段に出力するために挿入されたものである。

0054

ところで半導体発光素子(レーザーダイオード)は、周知のようにその発光周波数が駆動電流(発光電流)の変化によって変化する他、その周囲温度の変化によっても変化する。従って、レーザーダイオード101の発光周波数の制御は、前記したように発光電流制御部109による発光電流の制御で可能である他、周囲温度の制御によっても可能である。

0055

すなわち、一般にレーザーダイオードは、その周囲温度の変動による発光周波数の変動を抑制するために、例えばペルチェ素子又はポジスタ等により一定温度で加熱し、これによって周囲温度が一定に保たれるようにして使用されるが、ペルチェ素子又はポジスタ等によってレーザーダイオード101に印加されている温度を当該ペルチェ素子又はポジスタ等の駆動電流の値によって制御することで、レーザーダイオード101の発光周波数の制御が可能であり、このようにして本発明を実施することもできる。なお、この場合にはレーザーダイオード101の駆動電流(発光電流)は一般的には一定に保たれる。

0056

次に図2に示す振動検出装置1の動作を説明する。

0057

レーザーダイオード101は発光電流制御部109から後述する動作によって制御された値の発光電流の供給を受けて一定周波数のレーザー光を発光している。

0058

レーザーダイオード101から放出されたレーザー光は入力用光ファイバ107で分光器102に導かれて該分光器102で2方向に分光され、該分光されたそれぞれのレーザー光はそれぞれ第1及び第2の光ファイバ103,104に導かれ、これらを通過する。

0059

第1及び第2の光ファイバ103,104を通過したそれぞれのレーザー光は合成器105で合成されて再び一方向のレーザー光となり、出力用光ファイバ108に導かれてフォトダイオード106で受光され、電気信号に変換される。

0060

上記フォトダイオード106で受光されるレーザー光は、第1の光ファイバ103を通過したレーザー光と第2の光ファイバ104を通過したレーザー光との間の位相差により生じた干渉を受けており、当該レーザー光は上記干渉の度合い(すなわち、上記位相差の大きさ)と一定の相関関係を有するレベル(明るさ)を有している。従って、フォトダイオード106から出力される電気信号のレベルは上記干渉の度合いに応じたレベルとなっている。

0061

第1の光ファイバ103の受感部103Aに振動が加わっていないときには、合成器105から出力用光ファイバ108を経て出力されるレーザー光が受けている干渉の度合いは一定であるので、フォトダイオード106から出力される電気信号は直流レベルの信号となる。従って、入力経路にコンデンサCが挿入されているアンプ123には、当該コンデンサCによって上記直流レベルの電気信号が阻止されるため、信号入力がない。

0062

第1の光ファイバ103の受感部103Aに振動が加わると、出力用光ファイバ108から出力されているレーザー光が受けている干渉の度合いが当該振動の周期とレベルに応じて交流的に変動し、この変動は当該レーザー光の明るさの交流的変動となって現われる。従ってフォトダイオード106は交流成分を含む電気信号を出力し、この電気信号は、その交流成分のみがコンデンサCを通過してアンプ123に入力され、これにより当該アンプ123は上記振動の波形(周期とレベル)と相関関係を有する振動信号を出力する。この振動信号は第3A/D変換器120によってデジタルコードに変換されて振動検出装置1から出力される。

0063

ところで、合成器105から出力される干渉変動成分、すなわちフォトダイオード106の出力信号に含まれる交流成分のレベルは、受感部103Aに加わる振動が同じであっても、レーザーダイオード101の発光周波数の変動(発光電流の変動、周囲温度の変化等、作動環境の変化、及び特性の経時変化等で生ずる。)又は第1及び第2の光ファイバ103,104の伸縮(周囲温度の変化、経時変化等で生ずる)による光路長の変化等によって変動し、この変動は振動の検出感度に影響を及ぼす。

0064

そこで、振動の検出感度を常に最大に保つためには、フォトダイオード106の出力信号に含まれる交流成分のレベルが同一レベルの振動に対して最大となるように、レーザーダイオード101の発光周波数を制御する自動制御系が必要となる。なお、第1及び第2の光ファイバ103,104の長さと上記交流成分のレベルを最大とするレーザー光の周波数との間には相関関係が存在するので、前記第1及び第2の光ファイバ103,104の伸縮に起因する検出感度の変化はレーザーダイオード101の発光周波数によって制御できる。

0065

当該自動制御系は、図3(A)に示すようにレーザーダイオード101の発光周波数が作動環境条件の変化によって振動検出感度(以下、単に感度という。)が最大感度G0である発光周波数F0より低い周波数F1(又は高い周波数F2)に偏移したときには、当該発光周波数をF0に戻す制御を行ない、また、図3(B)に示すように、レーザーダイオード101の特性の経時変化等により感度特性が(イ)から(ロ)に変化したときには、発光周波数をF00からF01に変化させる制御を行なう。この制御は、レーザーダイオード101を発光駆動する電流又はレーザーダイオード101の周囲温度を一定に保つために当該レーザーダイオード101に強制的に印加されている温度の制御により行なうことができる。

0066

図2に戻って当該自動制御系の具体的な実施例を説明する。図2において、前記図1で説明した基本構成の構成部分(符号101から108で示したもの)及び第3A/D変換器120、アンプ123以外の部分は全てレーザーダイオード101の発光周波数の自動制御機構を構成するものである。なお、本実施例では、発光周波数の制御をレーザーダイオード101に印加する発光電流の制御で行なうものである。

0067

第1の光ファイバ103には、超音波発振器110により人工的に一定振幅の振動が加えられている。この超音波発振器110は第1ランダム信号発生器114から出力されるランダム信号により振動しているので、その振動周期は一定していない。

0068

超音波発振器110で第1の光ファイバ103に人工的振動が加えられると、この状態は前記振動検出動作において第1の光ファイバ103の受感部103Aに振動が加わったのと同等である(第1の光ファイバ103のいずれの部位に振動が加わっても、当該第1の光ファイバ103の屈伸による光路長の変動が生ずる。)ことから明らかなように、フォトダイオード106は干渉現象の変動成分を含む信号を出力し、アンプ123の出力には当該変動成分に対応した信号が現われる。

0069

アンプ123から出力された上記信号は第1ランダム信号発生器114からのランダム信号に基づいて、すなわち超音波発振器110の振動周期に同期して第1同期検波器116により同期検波され、これによって当該同期検波器116は前記人工的振動の印加によって生じている干渉現象の変動のみに対応するレベルの信号を出力し、この信号は第1A/D変換器118によってデジタルデータに変換され、CPU121に読み込まれる。図3(A)において、レーザーダイオード101が例えば発光周波数F1で発光しているものとすると、上記CPU121によって第1A/D変換器118から読み込まれるデータは、感度G10に対応するレベル(以下、このレベルを感度に云い替えて説明する。)を示すデータとなる。

0070

ところで、以上のようにして例えば感度G10がCPU121に読み込まれても、当該CPU121は、これだけで当該感度G10に対応するレーザーダイオード101の発光周波数F1が振動検出装置1の感度を最大とする周波数であるか否かを判断することはできない。この判断を行ってレーザーダイオード101の発光周波数が最大感度G0を得る発光周波数F0となるように制御するために、次の動作が行なわれる。なお、以下の説明で明らかとなるように、CPU121はレーザーダイオード101の発光周波数自体を認識する必要はない。

0071

発光電流制御部109から供給されているレーザーダイオード101の発光電流は、微変調スイッチ111のオンオフによって一定巾の範囲で電流量増減させるような変調を受けており、これによりレーザーダイオード101の発光周波数は一定巾で変動している。この微変調スイッチ111は第2ランダム信号発生器115から出力されるランダム信号により駆動されている(図2において、丸で囲んだ符号A−A間は接続されている。)ので、当該微変調スイッチ111のオン/オフ周期は一定していない。また、抵抗器R1とR2の抵抗値の設定(2つの抵抗値の比の設定)により、当該微変調スイッチ111のオン/オフによる発光電流の変動巾は小さく設定してあり、これによるレーザーダイオード101の発光周波数の変動も狭い範囲内である。すなわち、微変調スイッチ111による発光周波数の変調は浅い範囲の微変調となっている。

0072

以上の微変調によりレーザーダイオード101の発光周波数が変動すると、これに伴って前記超音波発振器110で付与した人工的振動によってアンプ123から出力されている信号のレベルが変動する。前記発光周波数がF1の場合を例とすると、図3(A)において、発光周波数が±ΔFの範囲で変動し、これに伴なう当該レベルの変動に対応して、感度がG10を中心にG11からG12の範囲で変動する。

0073

アンプ123から出力された信号は第2ランダム信号発生器115からのランダム信号に基いて、すなわち、微変調スイッチ111のオン/オフ動作の周期に同期して第2同期検波器117により同期検波され、これによって当該第2同期検波器117は、前記微変調に伴って上記アンプ123からの信号に生じているレベル変動(上記例で、感度のG11からG12の範囲の変動に対応したレベル変動)のみに対応する信号を出力し、この信号は第2A/D変換器119によってデジタルデータに変換され、CPU121に読み込まれる。

0074

以上のようにして、第1A/D変換器118と第2A/D変換器119からのデジタルデータを読み込むと、CPU121は次のようにしてレーザーダイオード101の発光周波数を振動検出が最大感度で行なえる周波数となるように制御する。

0075

図3(A)において、レーザーダイオード101の発光周波数F1が正(+)方向にΔF偏移したときの感度はG10から正(+)方向にG12まで変化し、また負(−)方向にΔF偏移したときの感度はG10から負(−)方向にG11まで変化する。このように、発光周波数の偏移方向と感度の変化方向とが同じ方向であることは、レーザーダイオード101の発光周波数の偏移方向と前記微変調に伴なうアンプ123の出力信号のレベル変動方向とが同じであることを意味しており、従って上記第2同期検波器117の同期検波出力は正(+)レベルの信号となり、上記第2A/D変換器119からCPU121に読み込まれたデジタルデータは、正(+)レベルを示すデータとなる。

0076

CPU121は当該正(+)レベルのデータによって、このときのレーザーダイオード101の発光周波数F1が、最大感度を得られる周波数より低い周波数であるものと判断し、この判断のもとに、発光電流制御部109に送付している電流制御データを発光電流が減少する方向に変化させていき、これに伴ってレーザーダイオード101の発光周波数がF1から高くなる方向に変化していく。この発光周波数を高くしていく制御の間も、前記微変調スイッチ111による発光周波数の微変調動作及び第2同期検波器119による同期検波動作が繰り返されており、やがて±ΔFの範囲の発光周波数変化によって第2A/D変換器119から読み込まれる前記同期検波出力データが0レベルを示すデータとなる。

0077

CPU121は、以上のようにして第2A/D変換器119から0レベルを示すデータを読み込むと、発光電流制御部109に送付している電流制御データをそのときのデータに維持する。これによりレーザーダイオード101の発光周波数はF0となり、感度は最大感度G0となる。

0078

次に、例えばレーザーダイオード101の周囲温度の変化により、発光周波数がF0より高い方向に変化したものとする。図3(A)から明らかなように、当該発光周波数が高い方向に変化すると、フォトダイオード106によるレーザー光の干渉変動成分の受光レベルが低下し、振動検出装置1の感度も低下する。

0079

いま、レーザーダイオード101の発光周波数が図3(A)に示すF0からF2に変化したものとすると、前記動作から明らかなように、CPU121は超音波発振器110の振動に基づいて、このときの感度がG20であることを認識し、また、微変調スイッチ111による発光周波数の±ΔFの範囲の微変調により第2A/D変換器119から読み込むデータは、発光周波数の偏移方向と感度の変化方向が図3(A)に示すように逆方向であることにより負(−)レベルを示すデータとなるので(前記発光周波数がF1を中心に±ΔF変動した場合と反対の関係となる。)、これによりCPU121は、このときのレーザーダイオード101の発光周波数F2は最大感度が得られる周波数より高い周波数であると判断し、この判断のもとに、発光電流制御部109に送付している電流制御データを発光電流が増大する方向に変化させていく。

0080

この発光電流の制御に伴ない、レーザーダイオード101の発光周波数はF2から低くなる方向に変化していき、前記と同様にして、発光周波数はやがて最大感度G0が得られる周波数F0に制御される。

0081

また、本実施例では、レーザーダイオード101の発光周波数と感度の関係を示す特性が例えば経時変化によって変化した場合にも、最大感度が得られる発光周波数に自動的に制御される。以下、その動作を図3(B)により説明する。

0082

レーザーダイオード101が図3(B)の(イ)に示す特性に基づいて最大感度G00が得られる発光周波数F00のレーザー光を発光していたものとする。このとき、前記した処から明らかなように、微変調スイッチ111による発光周波数の±ΔFの範囲の微変調による感度の変動は生じていない。

0083

いま、経時変化によりレーザーダイオード101の特性が(ロ)のように変化したものとすると、発光周波数のF00を中心とする±ΔFの範囲の微変調により、感度はG10を中心にG11からG12の範囲で変動するようになる。CPU121は当該感度の変動を読み込むと、前記図3(A)で説明した制御と同様にして発光電流制御部109に送付している電流制御データを、レーザーダイオード101の発光周波数が高くなる方向に変化させていき、やがて±ΔFの発光周波数の変動による感度の変化がなくなる発光周波数F01となる。この発光周波数F01が、特性が(ロ)に変化したときに最大感度G01を得ることのできる発光周波数である。なお、以上の制御における各部の動作は、前記図3(A)で説明した制御における動作と何等変わる処はない。

0084

以上の説明で明らかなように、CPU121は振動検出の感度を最大とするレーザーダイオード101の発光周波数制御を、フォトダイオード106の受光レベルの判定に基づいて行っており、従ってCPU121はレーザーダイオード101の発光周波数そのものを制御データとして読み込んだり、又は判断する必要はない。

0085

ところで、超音波発振器110によって第1の光ファイバ103に加えられた人工的振動によって生ずるレーザー光の干渉現象変動成分及び微変調スイッチ111による微変調によって生じた当該干渉現象変動成分の変化は、アンプ123から出力されたのち第3A/D変換器120に入力され、その出力信号、すなわち、振動検出装置1の検出振動信号としても現われる。従って、当該人工的振動及び微変調による出力信号と被検出振動(受感部103Aに加わる振動)による出力信号とを区別するために、上記超音波発振器110の振動周波数の帯域を被検出振動の周波数帯域と異ならせて設定するとともに、例えば第3A/D変換器120の後段に被検出振動の周波数帯域を通過域とし、超音波発振器110の振動周波数帯域を通過域に含まないフィルタ手段を設ける。このようにすることで、第3A/D変換器120の出力信号から被検出振動を現わす信号のみを取り出すことができる。

0086

また、被検出振動の周波数帯域が超音波発振器110の振動の周波数帯域と明確に区分できない範囲にまで拡がっている場合には、上記したレーザーダイオード101の発光周波数の自動制御動作間欠的に行ない(CPU121による時間監視により一定時間の経過ごとに行なう。)、その間は被検出振動の検出動作を停止する。なお、発光周波数の自動制御動作に要する時間は極めて短かいので、当該被検出振動の検出動作の一時停止による検出データへの影響は殆んど生じない。

0087

また、以上とは逆に、被検出振動によるレーザー光の干渉現象変動成分は、アンプ123から出力されたのち第1同期検波器116及び第2同期検波器117にも印加されるが、当該干渉現象成分はそれぞれの同期検波器116及び117における同期検波作用によって排除されるのでその出力に現われることはない。

0088

また、超音波発振器110の振動によるレーザー光の干渉現象変動成分と微変調スイッチ111の微変調によるレーザー光干渉現象変動成分とは、双方が混合された状態でアンプ123から出力されるが、これらの変動成分は、検波段階において、互に全く異なっていて周期が重なり合う期間がない(当該期間が現われる確率が非常に少ない)それぞれの同期信号(クロック周期が互に異なる第1及び第2のクロック発振器112,113と、互に異った擬似ランダムコードにより作動している第1及び第2ランダム信号発生器114,115によって作成されている。)に基づいて同期検波されるので、それぞれの変動成分が明確に区分されて、それぞれ第1及び第2A/D変換器118,119からCPU121に送付される。

0089

以上の説明から明らかなように本発明の実施例に係る振動検出装置1は、これを取り巻く環境の変化や構成部材、特にレーザーダイオード101の経時変化があっても、常に最大感度で極微少振動の検出動作を行なうことができる。

0090

次に、図4により本発明の実施例に係る災害予知装置2を説明する。

0091

1は前記図2により説明した振動検出装置で、地中に伝わる振動を捉える。該振動検出装置1が捉える振動は音波領域を含む広範囲の振動であり、しかも、その極めて高い感度により自然災害前兆現象として発生する音響現象、すなわちAE音のような極めて微かな微弱振動をも捉えることができる。

0092

振動検出装置1の受感部103A(第1の光ファイバ103の一部)は地中に埋設され(例えば、ボーリングされた細い縦孔内に設けられる。)、その深さは予知対象とする自然災害現象により異なる。例えば、地表面近傍で生ずる地滑り等、斜面災害予知用では数m乃至数10m程度の比較的浅い個所に埋設すればよく、また例えば特定地域岩盤の歪蓄積監視や岩盤の崩壊の前兆現象の検出(地震予知)を目的とする場合には、岩盤に達する深さとする必要があることから数100m乃至数kmの深さを必要とするものと思われる。なお、岩盤が地表露出している場合を含めて地表面近傍に存在する地形においては、当該受感部103Aを水平方向に埋設することができるので、ボーリングによる縦孔の掘削作業を必要とせず、設置工事が容易かつ低コストで可能である。

0093

また、振動検出装置1の第2の光ファイバ104は、音波に対して不感動であるように、音波シール容器124に収納されている。

0094

201はデジタルフィルタで、検出目的の自然災害前兆現象で発生する振動が有する周波数スペクトラムの分布範囲を通過域とし、振動検出装置1の第3A/D変換器120から出力された振動信号(音波信号)から当該周波数スペクトラムの分布範囲内の成分のみを通過させる。

0095

また、このデジタルフィルタ201は、振動検出装置1の第3A/D変換器120の出力信号から受感部103Aで受感した振動に基づく信号のみを選択する機能を有する。すなわち、前記したように、上記第3A/D変換器120の出力信号には、レーザーダイオード101の発光周波数の自動制御に基づく信号成分が含まれており、超音波発振器110による振動周波数を、受感部103Aで受感しようと意図している振動の周波数帯域外に設定することで、当該自動制御に基づく信号成分の通過がこのデジタルフィルタ201で阻止され、このデジタルフィルタ201を通過する信号は、自然災害前兆振動の周波数スペクトラム分布範囲内の信号のみとなる。

0096

202は基準データメモリ(基準データ格納手段)で、検出目的の自然災害現象前兆振動の周波数スペクトラム特性を示すデータが格納されており、当該メモリ202の格納データによって前記デジタルフィルタ201の特性が設定される。従って、当該基準データメモリ202への格納データの変更により、いかなる自然災害の予知であっても対処できるシステムが実現できる。

0097

203はCPUで、デジタルフィルタ201を介して振動検出装置1から送付された振動信号を解析して所期の振動(検出目的の自然災害現象の前兆として発生する特定のAE音)を検出するための解析手段であるソフトウェア(以下、解析ソフトという。)203A及び基準データメモリ202に格納されたデータ、すなわち、デジタルフィルタ201の特性を振動検出装置1の設置地域の土質の振動伝播特性に合致した特性に補正するための補正手段であるソフトウェア(以下、補正ソフトという。)203Bを本発明に関する主なソフトウェアとして有し、その他に表示、記録、警報等の処理を行なうソフトウェアを有している。また、当該CPU203としては、特に上記解析ソフト203A及び補正ソフト203Bによる処理が高速性を要求されることから、並列処理による高速処理が可能なDSP(Digital Signal Processor)が用いられる(少くとも高速演算処理が要求されるソフトウェアを当該DSPによって実行するようにする。)。

0098

204はヒストグラムメモリで、CPU203の解析ソフト203Aによる処理で得られた結果をヒストグラム化して記憶する。

0099

205は記録器でCPU203による処理結果(ヒストグラムメモリ204に現われるデータ)を記録する。

0100

206は表示器で、ヒストグラムメモリ204に現われるデータ中に所期の振動が認められる場合にはこれを表示し、緊急を要する場合は(例えば、所期の振動が継続する場合等)警報を発生する。

0101

次に図5(A),(B)及び図6により図4に示す実施例の災害予知動作について説明する。

0102

図5(A)は基準データメモリ202に格納されたデジタルフィルタ201の特性データを示しており、実線は検出目的とする振動の周波数スペクトラムの分布を示す標準的な特性を示し、破線は振動検出地域の振動伝播特性に基づいて補正した後の上記周波数スペクトラム特性を示す(但し、周波数がf1からf2までの特性は上記補正の前後で変化がないものとして、上記標準的な特性のみで示してある。)。

0103

また、図5(B)は振動検出地域の振動伝播特性(受信レベルで表わしたもの)を示しており、実線は実際の特性を、破線は補正によって変化させるべき特性(レベルの平坦な平均的特性)を示している。

0104

図6はCPU23による解析処理の各ステップにおける信号波形又は処理データを模式的に示している。

0105

振動検出地域の振動伝播特性(周波数対レベル特性)が振動の周波数スペクトラムの全分布域にわたって均一であるものとして、災害予知動作を説明する。なお、実際には上記振動伝播特性は均一でなく、これに基づくデジタルフィルタ201の特性の補正が必要となるが、この補正については後で述べることとする。

0106

基準データメモリ202には、検出対象となる自然災害現象の前兆振動(AE音)の周波数スペクトラムと一致する基準特性データが格納され、これに基づいてデジタルフィルタ201の特性は、例えば図5(A)の実線で示すような特性に設定されている。すなわち、上記前兆振動の周波数スペクトラムは、周波数f1〜f5及び周波数f6〜f8に分布し、f1からf2の間、f2からf3の間、f3からf4の間、f4からf5の間、f6からf7の間及びf7からf8の間にそれぞれレベルが極大となる周波数成分が存在し、それぞれのレベル極大値は互に異っているような分布であるものとする。

0107

振動検出装置1は、前記動作によって地中を伝播する振動を受感部103Aで受感し、これによる振動信号を第3A/D変換器120からデジタル符号によって出力している。この様子を図6の(a)に示す。

0108

デジタルフィルタ201は図5(A)に示す特性で作動しており、第3A/D変換器120から出力された上記振動信号は、図6の(b)に示すように周波数がf1〜f5及びf6〜f8である成分のみ、当該デジタルフィルタ201を通過し、該通過した各成分は図5(A)に示す特性によって変化したレベルでCPU203に読み込まれる。すなわち、例えば周波数faの成分がA/D変換器120からレベルaで出力されたものとすると、当該周波数faの成分は“α×a”のレベルで出力される。ここで“α”はデジタルフィルタ201の該当周波数faにおけるレベル変化率を示す。但し、フィルタの特性から当該変化率αは1以下である。

0109

以上のようにしてデジタルフィルタ201から出力された振動信号はCPU203に読み込まれ、該CPU203は、その解析ソフト203Aの検波に類似する第1の処理によって当該振動信号の振幅成分を検出する。この様子を図6の(c)に示す。この振幅成分はデジタルフィルタ201を通過した振動信号の全成分のレベルの合算値に比例するレベルとなる。

0110

次にCPU203は、その解析ソフト203Aの第2の処理によって上記振幅成分を示す信号(振幅成分信号)を、図6の(d)に示すように高速でサンプリングして各サンプルのレベルを検出し、次に解析ソフト203Aの第3の処理によって設定時間分の各レベルごとのサンプル数Nを集計してヒストグラムメモリ204に格納する。

0111

ヒストグラムメモリ204は、メモリのアドレス信号レベルを順次割り当てて構成され、各アドレスのデータが当該各アドレスに対応するレベルのサンプル数によって書き替えられていくようになっている。そして当該ヒストグラムメモリ204には現時点を遡る上記設定時間の間の集計データが以上のサンプル数の書き替えによりヒストグラムとして常時記録されている。この様子を図6の(e)に示す(例えば、レベルLkに対応するアドレスのデータはNk(サンプル数)となっている。)。

0112

CPU203は、以上のようにして振動検出装置1で検出した特定周波数範囲の信号成分を、そのレベル毎のサンプル数としてデータ化するとともに、当該データ化によって得たヒストグラムを常時監視し、解析ソフト203Aの第4の処理によってその最大サンプル数のレベルL0を対称軸とする当該ヒストグラムの対称性を判断する。

0113

いま、振動検出装置1から図5(A)に示す特性と類似性はないが、周波数f1〜f5、f6〜f8の範囲にわたって分布する周波数スペクトラムを含む振動信号が出力されたものとすると(類似性がないとは、今の場合、レベルの傾向が図5(A)の特性とは類似していないことをいう。)、このような振動信号の上記周波数範囲内の各成分のレベルは上記特性との非類似性に基づきデジタルフィルタ201の作用によって平均化され(レベルの高い成分が図5(A)に示す特性のレベル変化率の高い領域に存在することは確率的にみて非常に希であり、当該レベルの高い成分はデジタルフィルタ201によって大きく減衰し、その他の成分とのレベル差が減少する。)、このような振動信号の前記処理による集計では、そのヒストグラムの形状が図6の(e)において、右側(高レベル側)を破線で示したように、レベルL0を対称軸とする対称性のよい(図6(e)に示す面積Sが小さい)ガウス分布に類似する集計結果となる。このように上記ヒストグラムの対称性が設定範囲内(実施例の場合、面積Sの大きさで設定している。)にあるときには、CPU203は所期の自然災害現象前兆振動が検出されていないものと判断し、記録器205及び表示器206に異常なしを表わすデータを記録し、又は表示する。なお、振動検出装置1からの振動信号の周波数スペクトラム分布が図5(A)に示す周波数範囲内に及んでいないときには、当該振動信号を上記前兆振動として検出することがないことは論を俟つことなく明らかである。

0114

振動検出装置1から周波数分布及びレベルとも図5(A)の特性と(極めて類似性の高い場合を含めて)略一致する周波数スペクトラムを有した振動信号が出力されたものとすると、このような振動信号の周波数f1〜f5及びf6〜f8に分布する各信号成分がフィルタ201を通過することにより受けるレベル変化は、図5(A)の特性に従ってレベルの高い成分が強調されるような変化となり(当該振動信号の周波数スペクトラム分布が図5(A)の特性に従っていることにより、低いレベルの信号成分がより大きな減衰を受けるので、結果的に高いレベルの信号成分が強調されることとなる。)、このような振動信号の前記処理による集計では、高レベル側に分布するサンプル数が低レベル側に分布するサンプル数より多くなり、そのヒストグラムの形状が、図6の(e)において右側(高レベル側)を実線で示したように、レベルL0を対称軸とする対称性が崩れた集計結果となる。なお、当該集計結果(ヒストグラム)の非対称性多寡(度合い)は面積Sの大きさで表わされる。

0115

ヒストグラムの非対称性が設定範囲を越えて崩れたとき、すなわち、上記面積Sが設定値を越えて大きくなったとき、CPU203は所期の自然災害現象前兆振動が発生しているものと判断して記録器205及び表示器206に異常発生を表わすデータを記録し又は表示する。

0116

また、CPU203は以上のようにして検出された上記前兆振動の検出データ、すなわち上記面積Sを比較的長期間にわたって累積する処理を解析ソフト203Aの第5の処理によって行なっており、当該面積Sの設定期間中の累積値警報レベルとして設定された値を越えたときには、表示器206に警報を表示する。すなわち、当該面積Sの累積値が大きくなることは、上記設定期間中に繰り返し同じ前兆振動が検出されていることを示しており、このことは所期の自然災害の発生が確実で、しかも近未来において生じ得ることを表わしており、上記警報によって注意喚起することは非常に有意義である。なお、当該警報表示は、可視的(例えば赤色警報ランプの点滅)又は可聴的(例えば警報音の放音)のいずれか一方又は双方により可能である。

0117

以上の動作説明では、地中を伝播する振動の伝播特性は、当該振動の周波数スペクトラム分布全域にわたり均一であるものとしたが、実際には伝播特性が均一でなく、しかも地中の土質によって伝播特性の不均一性まちまちである。そこで、災害予知装置2、特にその振動検出装置1の設置場所における地中の振動伝播特性に左右されることなく前記前兆振動の検出を正しく行なう(検出感度を上げる)ためには、デジタルフィルタ201の特性を災害予知装置2の設置地域の振動伝播特性に合わせて補正することが望ましい。

0118

以下、この補正処理について説明する。

0119

当該補正を行なうには、図7に示すように災害予知装置2を設置した場所から離れた個所に人工的な振動発生手段として音源3を設置する。

0120

音源3は、音域にわたる広い周波数範囲の振動信号を発生する装置でこの振動信号は地中に打ち込まれた棒状の振動体301に全周波数範囲にわたり同一レベルで出力され、これが地中を伝播して災害予知装置2の受感部103Aに到達する。なお、上記振動信号は単音正弦波振動)の周波数を広範囲にスイープするか、又はスペクトラム拡散により同時に広範囲の周波数成分を有する信号を生成する公知の手法により発生させることができる。

0121

また、振動伝播特性の周波数帯域による不均一性の原因は、その大部分が災害予知装置2の受感部103Aとこれを取り巻く地中の境界面で生ずる音響インピーダンス不整合にあり、従って災害予知装置2の設置地域近傍に音源3を置くことによって以下に説明する補正処理が充分に行なえる。

0122

災害予知装置2と音源3とは起動信号伝送線302で結合されており、災害予知装置2において、図示しない操作部で補正処理開始操作を行なうと、CPU203は補正ソフト203Bをスタートさせ、まず、当該補正ソフト203Bによる第1の処理によって図示しない信号送出手段から上記伝送線302に起動信号を送出し、これを受けて音源3は振動体301から前記した広範囲の周波数成分を均一レベルで含む振動信号を地中に放出する。

0123

この振動信号は地中を伝播して災害予知装置2の受感部103Aに到達し、当該災害予知装置2の振動検出装置1は、前記した振動検出動作によって当該振動信号を検出し、その第3A/D変換器120からデジタルコード化された振動信号を出力する。

0124

当該第3A/D変換器120から出力された振動信号は、デジタルフィルタ201を経由することなくCPU203によって直接読み込まれ(補正ソフト203Bにより振動信号の読み取り図4に示すライン207から行なわれる。)、CPU203は補正ソフト203Bによる第2の処理によって前記検出した振動信号の周波数対受信レベル特性を得る。なお、この補正処理時の振動信号の読み込みはデジタルフィルタ201の特性を、全周波数帯域にわたり均一なレベル変化率となるように制御した上で当該デジタルフィルタ201を介して読み込んでもよい。

0125

上記周波数対受信レベル特性が図5(B)に実線で示すように、例えば周波数f2より高い領域で平均的な受感レベルLsより低くなるような特性であったものとすると(通常、周波数が高くなると前記音響インピーダンスの不整合性が急激に増加し、図5(B)に示すような傾向を示す。)、CPU203は補正ソフト203Bによる第3の処理によって、基準データメモリ202に格納されている前記前兆振動の周波数スペクトラム特性のうち、周波数f2以上の領域にある特性を図5(A)において破線で示すレベル変化率まで引き上げてデジタルフィルタ201の特性を設定する。このレベル変化率の引き上げ巾は、図5(B)に破線で示すように、受感レベルの低い領域のレベルを全周波数領域にわたって均一レベルとする巾である。すなわち、図5(A),(B)において、例えば周波数fbの振動成分に着目すると、該振動成分の受感レベルと上記平均的受感レベルLsとの差はLbであり、従って、デジタルフィルタ201の特性は、補正処理により当該周波数fbにおいて、その部分のレベル変化率が当該レベル差Lbに相当するαbだけ引き上げられたような特性となる。

0126

以上により、災害予知装置2の設置地域特有の振動伝播特性により平均的受感レベルLsより低いレベルで受感される振動成分がデジタルフィルタ201を通ることにより、レベル低下分を相殺した本来のレベルで出力されることとなり、これにより前記前兆振動の検出感度が飛躍的に向上する。

0127

以上の実施例から理解されるように、本発明は、極めて微弱な極微少振動を検出できる振動検出装置を実現し、更にこの振動検出装置を利用して自然災害現象の前兆振動を捉えることにより早期に災害を予知できる災害予知装置を実現するものである。なお、振動検出装置自体は、前記前兆振動の検出に限らず、あらゆる微弱振動の検出が可能であり、種々のシステムに利用できるものである。

発明の効果

0128

以上に説明したように、本発明に係る振動検出装置は、光ファイバを光路としてマハツエンダ干渉計の原理により振動を検出し、かつ環境の変化等に伴う振動検出感度の補正を行なう自動制御系を具備したものであり、極微少振動を極めて高い感度で正確に検出できるものである。

0129

また、本発明に係る災害予知装置は、上記振動検出装置を使用して地中の振動を検出し、これを自然災害現象の前兆振動が有する周波数スペクトラム特性に基づいて処理することにより上記前兆振動を検出し、かつ上記周波数スペクトラム特性を災害予知装置の設置地域に合せて補正する手段を具備したものであり、自然災害の予知を、高感度(高信頼性)で、地域の特性に左右されることなく、しかもリアルタイムに可能とするものであり、また、上記周波数スペクトラム特性の設定を変えることにより、あらゆる自然災害現象の予知に対処できるシステムが構築できるものである。

図面の簡単な説明

0130

図1本発明実施例に係る振動検出装置の基本構成を示す図
図2本発明実施例に係る振動検出装置のブロック図
図3(A),(B)は、本発明実施例における発光周波数自動制御を説明するための特性図
図4本発明実施例に係る災害予知装置のブロック図
図5(A),(B)は、本発明実施例に係るデジタルフィルタの特性例とその特性の補正処理を説明するための特性図
図6本発明実施例に係る災害予知装置の動作を説明するための特性図
図7本発明実施例に係る災害予知装置の受信特性の補正方法を説明する図

--

0131

1…振動検出装置2…災害予知装置
3…音源101…レーザーダイオード
102…分光器103…第1の光ファイバ
103A…受感部
104…第2の光ファイバ(不感動部)
105…合成器106…フォトダイオード
109…発光電流制御部 110…超音波発振器
111…微変調スイッチ112…第1クロック発振器
113…第2クロック発振器 114…第1ランダム信号発生器
115…第2ランダム信号発生器 116…第1同期検波器
117…第2同期検波器 118…第1A/D変換器
119…第2A/D変換器 120…第3A/D変換器
121…CPU 201…デジタルフィルタ
202…基準データメモリ203…CPU
203A…解析ソフト203B…補正ソフト
204…ヒストグラムメモリ205…記録器
206…表示器

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