図面 (/)

技術 測定子交換式測定ヘッド及びそれを備えた自動寸法 測定装置

出願人 株式会社東京精密
発明者 南悟大久保信宏
出願日 1994年10月11日 (26年1ヶ月経過) 出願番号 1994-271758
公開日 1996年4月30日 (24年6ヶ月経過) 公開番号 1996-110220
状態 特許登録済
技術分野 測定手段を特定しない測長装置
主要キーワード 着脱シリンダ 自動駆動機構 支点ブロック 軸受けベース 穴径寸法 長センサー アナログセンサー 公差下限
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年4月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

目的

多数の測定内容に低価格で対応できる測定ヘッド提供するとともに、測定時間が短く低価格の自動寸法測定装置を提供する。

構成

測定子穴径測定用や点測定用等の測定子ユニットにまとめ、検出センサー交換せず、測定子ユニットを交換するとともに、測定ヘッドの検出センサーに測定範囲の広い検出センサーを用いる。また、この測定ヘッドを自動三次元座標測定機に装着するとともに、複数の測定子ユニットを格納する測定子格納ラック及び測定ヘッドの校正をするマスターゲージ装備して自動寸法測定装置を構成する。

概要

背景

ワークの穴径軸径・穴の心間距離・穴深さ等の寸法を自動的に測定する測定装置として、該当するワークに専用に設計された専用測定機や、各種の測定ヘッドを自動的に交換することによってある程度の種類のワークの測定ができる測定ヘッド交換式測定機、さらに、1個の測定ヘッドで多種類のワークの測定ができる座標測定機が知られている。

この場合、専用測定機や測定ヘッド交換式測定機の測定ヘッドとしては、一般的に差動トランス等のアナログセンサーを用い、マスターゲージを基準とする比較測定方式が採用されているが、差動トランス等のアナログセンサーの測定精度は一般的に測定範囲反比例するので、測定精度を高くするために測定範囲はあまり広くとることができない。

また、図19及び図20に示すように、測定子のワークへの当接姿勢がマスターゲージ測定時に対して変化すると姿勢誤差が発生する。図19及び図20はいずれも穴径を測定する場合の例で、図19は測定子101が半径方向にずれた場合、図20は測定子101が軸方向に傾いた場合である。図19で測定径U、ずれ量εとすると、測定値Uaは次のようになる。
Ua2=U2−4ε2
図20で測定径V、傾きθとすると、測定値Vaは次のようになる。
Va=V/cosθ
このため、例えば穴径を測定する場合には穴径の公差下限値より僅かに小さい外径ガイドシャフトを測定子101の近傍に設けて、測定子101とともにワークに挿入する。

したがって、測定範囲が広くとることができないことと、ガイドシャフトを必要とすることから、測定ヘッドは測定内容に合わせて専用に設計される。なお、これらの測定ヘッドは一般的に2個の測定子101がワークに同時に当接し1回の動作(穴径であれば穴への挿入)で測定ができる機構になっている。以下、ここで述べた測定ヘッドを専用測定ヘッドと呼ぶ。

専用測定機は、前述した専用測定ヘッドがすべての測定位置に取り付けられるので、前述した3種類の測定機の中では測定時間を一番短くできる。

測定ヘッド交換式測定機の例としては、当出願人から開示されている「特開平4−005510号(計測機)」や、他の出願人から開示されている「特開平4−74902号(自動内径測定装置及びその零点設定方法)」及び「特開平4−74903号(自動測定装置)」がある。

「特開平4−005510号」で開示されているものは、検出器装着部をホリゾタルアーム形三次元移動機構に水平方向に設けて、3軸方向移動自在に支持するとともに、複数の検出器を格納する検出器チェンジャを設け、検出器チェンジャから対象ワークの測定内容に該当する検出器を取り出し、検出器装着部に取り付けて測定する。この場合、用いられている検出器、つまり測定ヘッドは前述した専用測定ヘッドであり、穴径だけでなく穴の心間距離等についても、それだけで測定できる専用測定ヘッドを用いている。

また、「特開平4−74902号」及び「特開平4−74903号」で開示されているものは、着脱装置を固定ブリッジ形(テーブル移動形)等の三次元移動手段(3軸の測長手段が内蔵されたもの)に下向きに設けて、3軸方向移動自在に支持するとともに、測定ヘッド(内径測定ゲージヘッドや接触式プローブ)を格納するストッカを設け、ストッカから対象ワークの測定内容に該当する測定ヘッド(内径測定ゲージヘッドや接触式プローブ)を取り出し、着脱装置に取り付けて測定する。この場合、測定ヘッドのうち内径測定ゲージヘッドは前述した専用測定ヘッドで、これによってワークの内径を測定し、接触式プローブは次に述べるタッチプローブであり座標測定機と同様にして穴の心間距離等を測定する。

座標測定機は、測定ヘッドとしてタッチプローブ(ワークに当接した瞬間に信号を出力する電子プローブ)を直交する2軸方向、または互いに直交する3軸方向に移動自在に支持するとともに、タッチプローブの座標位置を検出する測長手段を各軸に備え、ワークの測定位置にタッチプローブを当接したときのタッチプローブの座標位置のデータを演算することによって、ワークの寸法を測定する。この場合はマスターゲージを基準とする比較測定方式ではなく、測長手段そのものが基準となる絶対測定方式である。汎用性があり専用測定機や測定ヘッド交換式測定機に比べて一般的に低価格である。

概要

多数の測定内容に低価格で対応できる測定ヘッド提供するとともに、測定時間が短く低価格の自動寸法測定装置を提供する。

測定子を穴径測定用や点測定用等の測定子ユニットにまとめ、検出センサーは交換せず、測定子ユニットを交換するとともに、測定ヘッドの検出センサーに測定範囲の広い検出センサーを用いる。また、この測定ヘッドを自動三次元座標測定機に装着するとともに、複数の測定子ユニットを格納する測定子格納ラック及び測定ヘッドの校正をするマスターゲージを装備して自動寸法測定装置を構成する。

目的

本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、多数の測定内容に低価格で対応できる測定ヘッドを提供するとともに、その測定ヘッドを用いて測定時間が短く低価格の自動寸法測定装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

検出センサーが内蔵された測定ヘッド本体と、一方の端が被測定物に当接し、他方の端が前記検出センサーに当接する測定子を備えた測定子ユニットと、前記測定ヘッド本体に対する前記測定子ユニットの取付位置を決める位置決め手段と、前記測定ヘッド本体に前記測定子ユニットを固定するとともに、前記測定ヘッド本体から前記測定子ユニットを解放する着脱手段と、から構成されたことを特徴とする測定子交換式測定ヘッド。

請求項2

前記位置決め手段が、前記測定ヘッド本体と前記測定子ユニットが係合する2つの係合面のうち、一方の面の絶縁部分同一円周中心角約120度間隔で固着された2個1組で3組の導電性球体と、前記係合面の他方の面の絶縁部分に前記球体に対応する位置に固着された3個の導電性の円筒体と、前記3組の球体と前記3個の円筒体とで構成する3箇所すべての接触点が接触した場合に、前記3組の球体が導通して信号を出力する接点回路と、から構成されたことを特徴とする請求項1に記載の測定子交換式測定ヘッド。

請求項3

前記検出センサーが、ディジタル長センサーで、同一円周上中心角約90度間隔で4個設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の測定子交換式測定ヘッド。

請求項4

前記測定子を測定方向と反対方向に移動する逃がし手段を、前記測定ヘッド本体の前記検出センサー近傍4箇所に設けたことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の測定子交換式測定ヘッド。

請求項5

前記測定子ユニットが、前記位置決め手段及び前記着脱手段によって、前記測定ヘッド本体に位置決めされるとともに着脱自在に構成されたユニットベースと、前記ユニットベースに同一円周上中心角約90度間隔で設けられ、測定子を揺動自在に支持する4個の支持機構と、前記支持機構に支持され、一方の端が被測定物に当接し、他方の端が前記検出センサーに当接するとともに、直交する2方向の互いに離れる方向に測定方向を有する4個の測定子と、前記4個の測定子を測定方向に付勢する付勢手段と、から構成されたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の測定子交換式測定ヘッド。

請求項6

前記測定子ユニットが、前記位置決め手段及び前記着脱手段によって、前記測定ヘッド本体に位置決めされるとともに着脱自在に構成されたユニットベースと、前記ユニットベースに設けられ、測定子を揺動自在に支持する1個の板バネ支持機構と、前記板バネ支持機構に支持され、一方の端が被測定物に当接し、他方の端が前記検出センサーに当接する1個の測定子と、から構成されたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載の測定子交換式測定ヘッド。

請求項7

前記測定子交換式測定ヘッドを互いに直交する3軸方向に移動自在に支持するとともに自動的に駆動し、さらに、前記測定子交換式測定ヘッドの三次元座標位置を検出する測長手段を備えた三次元座標測定機と、前記三次元座標測定機に支持された前記測定子交換式測定ヘッドの測定ヘッド本体と、少なくとも1個の請求項5に記載の測定子ユニットと、少なくとも1個の請求項6に記載の測定子ユニットと、前記三次元座標測定機の固定部分に設けられ、複数の前記測定子ユニットを格納する測定子格納ラックと、前記三次元座標測定機の固定部分に設けられ、前記測定子交換式測定ヘッドを校正する基準となるマスターゲージと、から構成されたことを特徴とする自動寸法測定装置

技術分野

0001

本発明は被測定物(以下、「ワーク」という)の寸法を測定する測定ヘッド及びそれを備えた測定装置に係わり、特に測定子交換することによって多種類の寸法を1個の測定ヘッドで測定できる測定子交換式測定ヘッドに関し、さらに、それを備えて自動的にワークの寸法を測定する自動寸法測定装置に関する。

背景技術

0002

ワークの穴径軸径・穴の心間距離・穴深さ等の寸法を自動的に測定する測定装置として、該当するワークに専用に設計された専用測定機や、各種の測定ヘッドを自動的に交換することによってある程度の種類のワークの測定ができる測定ヘッド交換式測定機、さらに、1個の測定ヘッドで多種類のワークの測定ができる座標測定機が知られている。

0003

この場合、専用測定機や測定ヘッド交換式測定機の測定ヘッドとしては、一般的に差動トランス等のアナログセンサーを用い、マスターゲージを基準とする比較測定方式が採用されているが、差動トランス等のアナログセンサーの測定精度は一般的に測定範囲反比例するので、測定精度を高くするために測定範囲はあまり広くとることができない。

0004

また、図19及び図20に示すように、測定子のワークへの当接姿勢がマスターゲージ測定時に対して変化すると姿勢誤差が発生する。図19及び図20はいずれも穴径を測定する場合の例で、図19は測定子101が半径方向にずれた場合、図20は測定子101が軸方向に傾いた場合である。図19測定径U、ずれ量εとすると、測定値Uaは次のようになる。
Ua2=U2−4ε2
図20で測定径V、傾きθとすると、測定値Vaは次のようになる。
Va=V/cosθ
このため、例えば穴径を測定する場合には穴径の公差下限値より僅かに小さい外径ガイドシャフトを測定子101の近傍に設けて、測定子101とともにワークに挿入する。

0005

したがって、測定範囲が広くとることができないことと、ガイドシャフトを必要とすることから、測定ヘッドは測定内容に合わせて専用に設計される。なお、これらの測定ヘッドは一般的に2個の測定子101がワークに同時に当接し1回の動作(穴径であれば穴への挿入)で測定ができる機構になっている。以下、ここで述べた測定ヘッドを専用測定ヘッドと呼ぶ。

0006

専用測定機は、前述した専用測定ヘッドがすべての測定位置に取り付けられるので、前述した3種類の測定機の中では測定時間を一番短くできる。

0007

測定ヘッド交換式測定機の例としては、当出願人から開示されている「特開平4−005510号(計測機)」や、他の出願人から開示されている「特開平4−74902号(自動内径測定装置及びその零点設定方法)」及び「特開平4−74903号(自動測定装置)」がある。

0008

「特開平4−005510号」で開示されているものは、検出器装着部をホリゾタルアーム形三次元移動機構に水平方向に設けて、3軸方向移動自在に支持するとともに、複数の検出器を格納する検出器チェンジャを設け、検出器チェンジャから対象ワークの測定内容に該当する検出器を取り出し、検出器装着部に取り付けて測定する。この場合、用いられている検出器、つまり測定ヘッドは前述した専用測定ヘッドであり、穴径だけでなく穴の心間距離等についても、それだけで測定できる専用測定ヘッドを用いている。

0009

また、「特開平4−74902号」及び「特開平4−74903号」で開示されているものは、着脱装置を固定ブリッジ形(テーブル移動形)等の三次元移動手段(3軸の測長手段が内蔵されたもの)に下向きに設けて、3軸方向移動自在に支持するとともに、測定ヘッド(内径測定ゲージヘッドや接触式プローブ)を格納するストッカを設け、ストッカから対象ワークの測定内容に該当する測定ヘッド(内径測定ゲージヘッドや接触式プローブ)を取り出し、着脱装置に取り付けて測定する。この場合、測定ヘッドのうち内径測定ゲージヘッドは前述した専用測定ヘッドで、これによってワークの内径を測定し、接触式プローブは次に述べるタッチプローブであり座標測定機と同様にして穴の心間距離等を測定する。

0010

座標測定機は、測定ヘッドとしてタッチプローブ(ワークに当接した瞬間に信号を出力する電子プローブ)を直交する2軸方向、または互いに直交する3軸方向に移動自在に支持するとともに、タッチプローブの座標位置を検出する測長手段を各軸に備え、ワークの測定位置にタッチプローブを当接したときのタッチプローブの座標位置のデータを演算することによって、ワークの寸法を測定する。この場合はマスターゲージを基準とする比較測定方式ではなく、測長手段そのものが基準となる絶対測定方式である。汎用性があり専用測定機や測定ヘッド交換式測定機に比べて一般的に低価格である。

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、専用測定機は測定内容(測定項目の種類や測定寸法の種類)が変わると新たに設計製造しなければならないため、測定内容の変更に対応しにくいとともに、測定位置の数だけ測定ヘッドの駆動手段が必要であるため高価格になるという問題がある。

0012

また、測定ヘッド交換式測定機の例として紹介した「特開平4−005510号」や、「特開平4−74902号」及び「特開平4−74903号」は、測定内容分の数だけ測定ヘッドが必要であるため、座標測定機に比べて高価格になるとともに、測定ヘッドの交換を頻繁に行う必要があるため専用測定機に対して測定時間がかかるという問題がある。

0013

さらに、座標測定機は、ワークの測定位置を1点ずつしか測定できないため、専用測定ヘッドを用いた専用測定機や測定ヘッド交換式測定機に比べて測定時間がかかる(例えば穴径を決定するためには3点以上の点が必要であるので、タッチプローブを3回以上当接しなければならない)という問題がある。

0014

本発明はこのような事情を鑑みてなされたもので、多数の測定内容に低価格で対応できる測定ヘッドを提供するとともに、その測定ヘッドを用いて測定時間が短く低価格の自動寸法測定装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

本発明は、前記目的を達成するために、測定子を穴径測定用や点測定用等の測定子ユニットにまとめ、検出センサーは交換せず、測定子ユニットを交換するとともに、測定範囲の広い検出センサーを用いて1種類の測定子の測定範囲を広くする。

0016

すなわち、測定ヘッドを、(イ)検出センサーが内蔵された測定ヘッド本体と、(ロ)一方の端がワークに当接し、他方の端が検出センサーに当接する測定子を備えた測定子ユニットと、(ハ)測定ヘッド本体に対する測定子ユニットの取付位置を決める位置決め手段と、(ニ)測定ヘッド本体に測定子ユニットを固定するとともに測定ヘッド本体から測定子ユニットを解放する着脱手段と、から構成した。

0017

この場合、位置決め手段を、測定ヘッド本体と測定子ユニットが係合する2つの係合面のうち、一方の面の絶縁部分に2個1組で3組の導電性球体同一円周中心角約120度間隔で固着し、他方の面の絶縁部分に3個の導電性の円筒体を3組の球体に対応する位置に固着するとともに、3組の球体と3個の円筒体とで構成する3箇所すべての接触点が接触した場合に、3組の球体が導通して信号を出力する接点回路を設けて構成した。

0018

また、検出センサーをディジタル長センサーとし、同一円周上中心角約90度間隔で4個設けた。

0019

また、測定子を測定方向と反対方向に移動する逃がし手段を、測定ヘッド本体の検出センサー近傍4箇所に設けた。

0020

さらに、測定子ユニットの1つの種類(測定子ユニット40)を、位置決め手段及び着脱手段によって測定ヘッド本体に位置決めされるとともに着脱自在に構成されたユニットベースに、測定子を揺動自在に支持する4個の支持機構を同一円周上中心角約90度間隔で設け、測定子を、一方の端がワークに当接し他方の端が検出センサーに当接するとともに、直交する2方向の互いに離れる方向に測定方向を有するようにし、さらに、測定子を測定方向に付勢する付勢手段を設けて構成した。

0021

また、測定子ユニットの他の種類(測定子ユニット60)を、位置決め手段及び着脱手段によって測定ヘッド本体に位置決めされるとともに着脱自在に構成されたユニットベースに、測定子を揺動自在に支持する1個の板バネ支持機構を設け、1個の測定子を、一方の端がワークに当接し他方の端が検出センサーに当接するように構成した。

0022

さらに、本発明は、前記目的を達成するために、自動寸法測定装置を、(イ)測定子交換式測定ヘッドを互いに直交する3軸方向に移動自在に支持するとともに自動的に駆動し、さらに、測定子交換式測定ヘッドの三次元座標位置を検出する測長手段を備えた三次元座標測定機と、(ロ)三次元座標測定機に支持された測定子交換式測定ヘッドの測定ヘッド本体と、(ハ)少なくとも1個の測定子ユニット40と、(ニ)少なくとも1個の測定子ユニット60と、(ホ)三次元座標測定機の固定部分に設けられ、複数の測定子ユニットを格納する測定子格納ラックと、(ヘ)三次元座標測定機の固定部分に設けられ、測定子交換式測定ヘッドを校正する基準となるマスターゲージと、から構成した。

0023

本発明に係る測定子交換式測定ヘッドによれば、測定子が備えられた測定子ユニットが、検出センサーを内蔵した測定ヘッド本体に着脱自在に構成され、測定内容が変わると測定子ユニットのみが交換される。この場合、測定子ユニットと測定ヘッド本体は、係合する一方の面に固着された2個1組で3組の球体と、他方の面に固着された3個の円筒体とによって位置決めされるとともに、着脱手段によって固定または解放され、さらに、3箇所すべての接触点が接触した場合に位置決めの確認信号が出力される。

0024

また、測定子が4個の測定子ユニット40は主として穴径測定に、測定子が1個の測定子ユニットは1点測定(端面、穴深さ等)に使用される。検出センサーは4個備えられているが、測定子が1個の測定子ユニット60の場合は、1個の検出センサーのみが使用される。検出センサーにはディジタル測長センサーが用いられているので、1種類の測定子ユニットで広い範囲の測定ができる。

0025

さらに、本発明に係る自動寸法測定装置によれば、予め複数の測定子ユニットを格納ラックに格納しておくが、測定する寸法や測定位置が変わっても、ワークの測定項目と測定寸法がその測定子ユニットの測定対象範囲内にあるうちはそのままの測定子ユニットで測定が継続される。測定項目が変わったり測定寸法がその測定子ユニットの測定対象範囲から外れた場合は測定子ユニットが交換される。測定ヘッドは各測定子ユニットごとにマスターゲージによって校正される。ワークの各測定値は、測定ヘッドの検出センサーによって検出された値と三次元座標測定機の測長手段によって検出された値から算出される。

0026

以下、本発明に係る測定ヘッドの好適な実施例を説明する。
測定ヘッドの実施例1
図1から図5に本発明に係る測定ヘッドの実施例1を示す。実施例1では、測定ヘッドは測定ヘッド本体20に主として穴径測定用の測定子ユニット40が装着されている。図1は、測定子ユニット40が測定ヘッド本体20に装着された状態を示す図、図2図1のA矢視図(正面図)でカバー55が外された状態、図3図1のB−B断面に相当する部分で、位置決め部分展開して接点回路を模式的に表現した図、図4は測定子ユニット40を測定ヘッド本体20から取り外した状態を示す図、図5は測定子ユニット40が装着されていない状態の測定ヘッド本体20を示す図である。

0027

まず、測定ヘッド本体20について説明する。図1図3図5において、外形円形で脚21aが形成された取付台21に外形が円形の本体ベース22がネジ等で固定され、本体ベース22の外周近傍には同一円周上中心角約90度間隔で4箇所に4個の検出センサー36が取り付けられている。検出センサー36はディジタル測長センサーである。この明細書でいうディジタル測長センサーとはスケール光学的または磁気目盛りが設けられ、その目盛りを計数することによって測定長さを得るセンサーをいい、これらのセンサーは測定距離が長くなっても精度はほとんど変わらないので、三次元座標測定機の測長手段にも用いられている。

0028

本体ベース22の測定子ユニット40側(以下、「F方向」または「F側」という)には、検出センサー36より内側の同一円周上中心角約120度間隔に、2個1組で後述する円筒体42を挟む導電性の球体23が3組固着されている。球体23が固着されている部分は他と電気的に絶縁されており、図3に示すように、6個の球体23には円筒体42を挟む2個同士を除いて隣同士の球体23間に電線24aが接続されるとともに、電源24bと信号出力部24cが接続されて接点回路24が構成されている。

0029

また、本体ベース22の中央には着脱シリンダー25が固着され、着脱シリンダー25の一端はキャップ26で覆われ、キャップ26側から圧縮空気が供給される。着脱シリンダー25内には着脱ピストン27が摺動自在に設けられるとともに、着脱ピストン27は圧縮バネ28によって後述する三次元座標測定機10のYスピンドル15側(以下、「G方向」または「G側」という)に付勢されている。また、着脱ピストン27の先端の同一円周上に少なくとも2個形成された穴に、チャック球体29が着脱ピストン27の半径方向移動自在で内側には抜けないように設けられている。

0030

さらに、本体ベース22には検出センサー36と同一中心角方向の内側4箇所に、逃がしシリンダー31が4個固着され、逃がしシリンダー31の一端はキャップ32で覆われ、キャップ32側から圧縮空気が供給される。逃がしシリンダー31内にはピストン33が摺動自在に設けられるとともに、ピストン33は圧縮バネ34によってG方向に付勢されている。取付台21と本体ベース22の外周にはカバー37が設けられている。

0031

次に、測定子ユニット40について説明する。図1図2図3図4において、ユニットベース41は外形が円形で、G側には本体ベース22に固着された3組の球体23に対応する位置に、3個の導電性の円筒体42が軸方向をユニットベース41の中心に向けて固着されている。球体23と同様に、円筒体42が固着されている部分も他と電気的に絶縁されている。ただし、この例では円筒体42は半円筒形状のものが用いられている。

0032

ユニットベース41の外周の1箇所には、測定子ユニット40が後述する測定子格納ラック70に格納されたときに姿勢が変わらないようにするために、切り欠き41aが形成されている。また、G側の中央には軸部41aが形成され、軸部41aには軸部41aの半径方向に移動自在であるが軸方向には抜けないように支持されたチヤックリング43が取り付けられている。

0033

ユニットベース41のF側には、軸受けベース44が固着され、軸受けベース44には中央付近に同一円周上中心角約90度間隔で4箇所に軸受け部44aが形成されている。軸受け部44aには支軸46が深溝玉軸受け45に揺動自在に支持され、支軸46には略L字形の測定子48が固定されている。深溝玉軸受け45は支軸46に設けられた皿バネ47及びナット46aによって軸方向に予圧かけられて内外輪鋼球すきま押さえられている。

0034

また、軸受けベース44の側面4箇所には、側面の一端に固着された軸49に回転自在にプーリ50が支持され、測定子48のフック部48aに取り付けられたワイヤ52がプーリ50を介して引っ張りバネ53に取り付けられている。引っ張りバネ53の他端は、軸受けベース44の側面の他端に設けられたバネ掛け51に掛けられている。さらに、測定子48の一方(検出センサー36側)の先端には先端球48bが固着され、他方(ワークに当接する側)の先端には先端球48cが固着されているとともに、フック部48aの近傍にはストッパー54が取り付けられている。55は測定子ユニット40のカバーである。

0035

次に、このように構成された測定ヘッドの測定ヘッド本体20と測定子ユニット40の取付関係及び作用について説明する。測定子ユニット40は測定ヘッド本体20から解放されると、測定子48がストッパー54によって拘束されるまで開いて図4のようになり、この状態で測定子格納ラック70に格納されているが、測定ヘッド本体20が図5に示す状態(着脱シリンダー25に圧縮空気が供給され、逃がしシリンダ31には圧縮空気が供給されていない)でF方向に移動すると、測定子ユニット40のチャックリング43が測定ヘッド本体20のチャツク球体29を外側に押し退け、着脱ピストン27先端の穴27aに入る。

0036

この状態から着脱シリンダー25の圧縮空気を解放すると圧縮バネ28によって着脱ピストン27がG方向に移動するので、チャツク球体29は着脱シリンダー25の大径部25aから小径部25bに移動してチャックリング43のテーパ部43aに当接しチャックリング43をG方向に引き込む。これによって、本体ベース22に固着された3組の球体23とユニットベース41に固着された3個の円筒体42が当接して、測定ヘッド本体20に測定子ユニット40が固定される。この結果、図3に示すように、接点回路24が閉回路になるので信号出力部24cから信号が出力される。

0037

測定ヘッド本体20に測定子ユニット40が固定されると、検出センサー36のスピンドル36aが測定子48の先端球48bに当接されるので測定可能状態となるが、測定子48は外側に開いた状態(図1仮想線)になっているので、逃がしシリンダ31に圧縮空気を供給しピストン33によって測定子48を閉じた状態(図1実線)にした後、測定対象の穴に挿入する。次に、逃がしシリンダ31の圧縮空気を解放するとピストン33がG方向に移動し、測定子48が開いて先端球48cが測定位置に当接する。

0038

この場合、測定子48の揺動支点から検出センサー36までの距離をC、測定子48の先端球48cまでの距離をDとすると、検出センサー36のスピンドル36aの変位量は測定寸法のおよそ「C/D」倍となるが、厳密には円弧誤差が生じるので、後述するようにマスターゲージ80により校正する。この例ではC/D=1/3程度にとっており、前述したように検出センサー36にはディジタル測長センサーが用いられ測定可能範囲が広くなっているので、この測定子ユニット40でEaからEb(例えば10mm程度から50mm程度)までの穴径寸法が測定できる。

0039

なお、測定対象の穴径や穴位置深さの範囲が広い場合は、測定子ユニット40の測定子48の形状(D寸法やEaからEbの範囲)をいくつかの範囲に区分して測定子ユニット40を準備しておく。

0040

また、測定子ユニット40は主として穴径測定に用いるが、測定子48を1つずつ使用することもできる。例えば、測定可能最大径Ebより大きい穴径を測定する場合、測定子48の先端球48cが穴の測定面に当接して検出センサー36から所定の値が検出されるまで測定ヘッドを4方向に移動させ、三次元座標測定機で検出された測定ヘッドの移動量と検出センサー36からの検出値を演算して穴径を算出する。軸径等についても、同様にすれば測定子ユニット40を装着した測定ヘッドで測定することができる。

0041

測定ヘッドの実施例2
図6及び図7に本発明に係る測定ヘッドで、測定子が1個の測定子ユニット60を示す。図6が側面図で測定ヘッド本体20に装着されている状態、図7が正面図でカバー69が外された状態である。

0042

図6及び図7において、ユニットベース61はユニットベース41と同じ形状寸法で、G側には本体ベース22に固着された3組の球体23に対応する位置に3個の円筒体42が固着されているとともに、ユニットベース61の外周の1箇所には切り欠き61aが形成されている。また、図には現れないがユニットベース61のG側の中央には軸部61aが形成されチヤックリング43が取り付けられている。

0043

ユニットベース61のF側には、支点ブロック62が固着され、支点ブロック62にはL字形の板バネ63がバネ押さえ64によって両端が固定されている。板バネ63の角部分には測定子65がバネ押さえ66とで板バネ63を挟んで取り付けられており、測定子65にはバー65aが固着されて略L字形に形成されるとともに、検出センサー36側の先端には先端球65bが固着され、バー65aの先端(ワークに当接する側)には先端球65cが固着されている。また、測定子65にはバネガイド67が取り付けられ、バネガイド67に支持されて圧縮バネ68が設けられている。69は測定子ユニット60のカバーである。

0044

次に、このように構成された測定子ユニット60の作用について説明する。ただし、測定ヘッド本体20に対する測定子ユニット60の位置決め及び固定方法は測定子ユニット40の場合と同様であるので説明は省略する。

0045

前述した測定子ユニット40で穴径を測定する場合は、4個の検出センサー36で検出された値を演算して穴径を算出し、三次元座標測定機で検出された測定ヘッドの座標値は、検出センサー36で検出された値の補正や測定された穴と穴との心間距離の測定等に用いられるが、測定子ユニット60の場合は、基本的な測定値は三次元座標測定機で検出された測定ヘッドの座標値で、従来から三次元座標測定機に用いられている変位プローブ(ある範囲の測定が可能な電子プローブで、ならいプローブともいわれている)と同じように用いられる。

0046

したがって、測定子65の変位量は測定子ユニット40の測定子48に比べて非常に小さくてよいので、測定ヘッド本体20に固定された状態で測定子65の先端球65cが所定の位置になるように圧縮バネ68の圧力が調整される。当然、逃がしシリンダ31による逃がしは必要なく、ピストン33は後退したままの状態にする。

0047

この場合、測定子65の揺動支点(角部分)から検出センサー36までの距離をH、先端球65cまでの距離をI及びJとすると、検出センサー36のスピンドル36aの変位量は、K及びL方向で測定寸法のおよそ「H/J」倍、G方向で測定寸法のおよそ「H/I」倍となる。なお、測定子ユニット60の測定方向はG・K・Lの方向であるが、支点ブロック62関係や測定子65の向きをK・Lと直角方向にした測定子ユニットを構成すると、K・Lと直角方向及びG方向に測定できる測定子ユニットとなる。

0048

図8及び図9に本発明に係る測定ヘッドの測定子ユニット40や測定子ユニット60を格納する測定子格納ラック70の要部を示す。図8が正面図、図9が側面図で、測定子ユニット40が格納されている状態である。図8及び図9において、格納ベース71は測定ヘッド出し入れ自在に略半円形の切り欠き部71aが所定の間隔で形成されている。また、切り欠き部71aには測定子ユニット40のユニットベース41の外径及び幅より一回り大きい溝71bが形成されるとともに、切り欠き部71aの周辺近傍には圧縮バネ73で付勢されたピン72が複数設けられ、ユニットベース41を溝71bの端面に押しつけている。さらに、溝71bの1箇所N方向に向け位置決めピン75が固着され、ユニットベース41に形成された切り欠き41aと係合している。

0049

このように構成された測定子格納ラック70に測定子ユニット40を格納する場合、測定子ユニット40は測定ヘッド本体20に固定された状態で図8のM方向から溝71bにユニットベース41が所定の位置まで挿入され、ユニットベース41の切り欠き41aが位置決めピン75に係合する。次に、着脱シリンダー25に圧縮空気が供給されて着脱ピストン27がF方向に移動し、チャツク球29が小径部25bから大径部25aに移動して、ユニットベース41のチャックリング43がチャック球体29から解放される。この後、測定ヘッド本体20がG方向に移動して、測定子ユニット40から離れ測定子ユニット40の格納が完了する。

0050

また、測定子格納ラック70から測定子ユニット40を取り出す場合は、測定ヘッド本体20の中心と測定子ユニット40の中心が概略一致した位置で、測定ヘッド本体20がF方向に移動し、測定子ユニット40のチャックリング43が測定ヘッド本体20のチャツク球体29を外側に押し退け、着脱ピストン27先端の穴27aに入る。次に、着脱シリンダー25から圧縮空気が解放され着脱ピストン27がG方向に移動して、ユニットベース41のチャックリング43がチャック球体29によってG方向に引き込まれ、測定ヘッド本体20に測定子ユニット40が固定される。この後、測定ヘッド本体20を図8のN方向に移動して測定子ユニット40を測定子格納ラック70から取り出す。測定子ユニット60を格納あるいは取り出す場合も同様である。

0051

なお、測定子ユニット40、60は格納されている状態ではピン72に押圧されて溝71bのG側に当接しているが、格納あるいは取り出すときは、測定ヘッド本体20の目標位置を溝71bとユニットベース41、61との幅隙間の半分程度F方向に設定する。これによって、測定子格納ラック70に対する測定ヘッド本体20のF及びG方向の位置決め誤差が吸収される。また、測定子格納ラック70に対する測定ヘッド本体20のM及びN方向と直角な方向は、溝71bとユニットベース41、61との半径方向隙間で吸収する。

0052

次に、本発明に係る測定ヘッドを自動三次元座標測定機に組み込んだ自動寸法測定装置の例を説明する。図10(正面図)及び図11(側面図)に示す三次元座標測定機10はホリゾンタルアーム形の三次元座標測定機で、ベース11に載置されたX軸案内部12上にXキャリッジ13がX軸方向移動自在に支持されている。Xキャリッジ13にはZ軸案内部が設けられていて、Z軸案内部に沿ってZキャリッジ14がZ軸方向移動自在に支持され、Zキャリッジ14に内蔵されたY軸案内部に沿ってYスピンドル15がY軸方向移動自在に支持されている。また、各案内部には自動駆動機構及び測長手段が内蔵されており、これによって、Yスピンドル15の先端は互いに直交するXYZの3軸方向に移動自在となり自動的に駆動されるとともに、座標位置が検出される。

0053

Yスピンドル15の先端には本発明に係る測定ヘッドの測定ヘッド本体20が取り付けられており、測定ヘッド本体20には測定子ユニット60が装着されている。また、ベース11には測定子ユニット40や測定子ユニット60を格納する測定子格納ラック70及びマスターゲージ80が設けられている。ワークは図示していないが、ベース11上またはベース11の前方に設けられた搬送ラインのテーブル上に載置される。

0054

このように構成された自動寸法測定装置でワークを測定する場合、まず、測定子ユニット40や60が装着された状態でマスターゲージ80を測定して、測定ヘッドの校正(マスターゲージ80に対する測定子ユニットの位置関係、測定子48や65の位置と検出センサー36の検出値の関係等)を行う。マスターゲージ80は図12に示すように角形リング形状をしていて中央の穴81aの直径P及び中心81bから4面(81c・81d・81e・81f)までの距離Qa・Qb・Qc・Qdが既知であり、支持台82を介してベース11に固定されている。

0055

まず、測定子ユニット40を装着したときの校正は次のように行う。測定子48をマスターゲージ80の穴81aに挿入したところ、図12に示すように、測定子ユニット40の中心48d(同じ軸方向の測定子48の先端球48cの中心を結んだ2つの線の交点)が、X軸方向にα、Z軸方向にβだけ偏心していたと仮定する。この状態では先端球48cは穴81aの直径部分に当接していないので、検出センサー36の検出値が大きくなる方向に測定ヘッドを移動させ、検出センサー36の検出値が最大になったところを、測定子ユニット40の中心48dがマスターゲージ80の中心81bと一致した位置とみなし、このときの測定ヘッドのX軸及びZ軸座標値をその測定ヘッドのX軸及びZ軸座標値基準とする。

0056

この後、各測定子48の位置と検出センサー36の検出値の関係を校正するが、前述した測定子ユニット40の中心位置設定も含めて、Z軸方向を例にして詳述する。図13から図15は測定子ユニット40を装着した測定ヘッドの校正方法を説明するため模式図である。

0057

図13は測定子ユニット40の中心位置設定を示す図で、マスターゲージ80の穴81aを測定して検出センサー36の検出値が最大になった状態を表している。このときの検出センサー36の検出値がRo、測定ヘッドの座標値がZoである。

0058

次に、測定ヘッドをマスターゲージ80の外側下側に出し、検出センサー36の検出値がRoになるまで上側の測定子48をマスターゲージ80の面81fに当接させるとともに、このときの測定ヘッドの座標値Zaを記憶する(図14の左側)。この状態から測定ヘッドをさらに上側に座標値Zbまで移動させ、そのときの検出センサー36の検出値Raを読みとる(図14の右側)。これによって、上側の測定子48の変位量に対する検出センサー36の検出値の変化量の比kaが次のように求められる。
ka=(Ra−Ro)/(Zb−Za)
この操作を所定の間隔ごとに、また、下方向にも行う。

0059

なお、図14の左側から明らかなように、
Zo−Za=Qd+P/2
であるから、三次元座標測定機10で検出された座標値(Zo−Za)をマスターゲージ80の値(Qd+P/2)で校正することもできる。

0060

こうして測定ヘッドの校正を行った後、ワークの穴径を測定した例が図15で、上側の測定子48による検出センサー36の検出値がRb、測定ヘッドの座標値がZcであったとすると、Zcからワークの穴の測定面までの距離Saは次のように求まる。
Sa=(Rb−Ro)/ka
同様にして、下側の測定子48も校正しておくと、検出センサー36の検出値RcによってZcからワークの穴の測定面までの距離Sbが求まるので、これからワークの穴径が「Sa+Sb」として求められる。

0061

また、このとき、ワークの穴の中心の座標値は次のようになる。
Zc+(Sa−Sb)/2

0062

測定子ユニット60を装着したときの校正は次のように行う。この例の測定子ユニット60ではYの1方向及びZの2方向の測定が可能であるので、マスターゲージ80のZ方向の2面(81d・81f)及び端面81gを測定し、測定子ユニット40を装着したときと同様に測定子65の先端球65cの位置と検出センサー36の検出値の関係を算出する。

0063

この場合、測定子ユニット40でY軸方向は測定しないので、Y軸方向については測定子ユニット60を装着したときと測定子ユニット40を装着したときの相関関係は不要であるが、Z軸方向については測定子ユニット40を装着してマスターゲージ80のZ方向の2面(81d・81f)の座標値を求めおき、この座標値を用いて測定子ユニット60を装着した測定ヘッドの校正する。

0064

つまり、図16の左側に示すように、測定子ユニット40を装着した測定ヘッドでマスターゲージ80の面81fを測定したときの座標値をZcとし、測定子ユニット60を装着した測定ヘッドの測定子65の先端球65cをマスターゲージ80の面81fに当接させたとき(測定子65を中立の状態から少し変位させた状態)の検出センサー36の検出値をRd、測定ヘッドの座標値をZdとすると、検出センサー36の検出値がRdと検出されたときの、先端球65cの上側が当接している面の座標値をZcに設定する。

0065

また、この状態から、図16の右側に示すように、測定ヘッドを「Ze−Zd」だけ上方に移動し、そのときの検出センサー36の検出値をReとすると、先端球65cの変位量に対する検出センサー36の検出値の変化量の比kbは次のようになる。
kb=(Re−Rd)/(Ze−Zd)

0066

このようにして、マスターゲージ80の面81fの座標値Zcに対するZdとRdの関係及びkbを求めた後、図17に示すようにワークの下面を測定すると、ワークの下面のZ軸座標値Zgは次のように求めることができる。このときの測定ヘッドのZ軸座標値をZf、検出センサー36の検出値をRfとすると、測定子65の変位量は、
(Rf−Rd)/kb
であるから、
Zg=Zf−Zd+Zc−(Rf−Rd)/kb
となる。

0067

マスターゲージ80の位置に対する測定ヘッドの位置関係の校正は三次元座標測定機10に電源を入れた後に必ず行う必要があるが、測定子の変位量と検出センサー36の検出値の変化量の比kaやkbの校正は、測定前にまとめて行うか、測定子ユニット40、60を交換する都度行うかいずれでもよい。

0068

測定ヘッドの校正が完了すると、次に、測定子ユニット60を装着した測定ヘッドでワークの基準面等を測定して、三次元座標測定機10のXYZ座標基準位置とワークの位置関係やXYZ座標軸に対するワークの傾き量を得る。この後、ワークの端面や穴の深さ等を測定する場合は測定子ユニット60のままでよいが、穴径を測定する場合は、測定子ユニット60を測定子ユニット40に替えて測定する。

0069

穴径を測定する場合、従来の技術で説明したように、測定子のワークへの当接姿勢がマスターゲージ測定時に対して変化すると姿勢誤差が発生する。ただし、本発明にかかる測定ヘッドでは穴の4方向を測定して4個の測定値から穴径を算出する(3つの測定値があれば穴径が特定できる)ので、従来の技術で説明したように測定子が半径方向にずれても(図19)、正確に測定できる。本発明にかかる測定子ユニット40を装着した測定ヘッドで必要な補正は穴の測定面が三次元座標測定機の座標軸に対して傾いた場合(図20に示した例と同じ)であり、これを図18に示す。

0070

この場合は、あらかじめ測定子ユニット60でワークの基準面Waを測定して三次元座標測定機の座標軸に対する傾き量を求めておき、それを用いて補正する。ただし、ワークの基準面Waに対して穴の測定面が直角になっていないことがあらかじめ分かっている穴については、その傾き分も補正する。三次元座標測定機の座標軸に対するワークの基準面Waの傾きをγ゜、ワークの基準面Waに対すると穴の傾きをδ゜、2個の検出センサー36の値の演算値をTaとすると、穴径Tは次のようになる。
T=Ta×cos(γ+δ−90)

0071

なお、本発明は以上に説明した内容に限らず、次の場合にも適用できる。

0072

位置決め手段を、測定ヘッド本体20に2個1組で3組の球体23を固着し、測定子ユニット40や60に3個の円筒体42を固着して設けたが、これと反対に設けてもよいし、2個1組で3組の球体23の代わりに2個1組で3組の円筒体をV字形に設けてもよい。

0073

測定ヘッド本体20に4個の検出センサー36を設け、測定子ユニット40に測定子を4個設けたが、3個ずつとしてもよい。

0074

検出センサー36を測定範囲が長くてもあまり精度が変わらないディジタル測長センサーとしたが、高い測定精度が要求されない場合は、測定子48のレバー比(C/D)を小さくして測定範囲が広くとれないセンサー(差動トランス等)を用いてもよい。

0075

測定子ユニット40の測定子48の支持機構を深溝玉軸受け45による軸受け部44aとしたが、測定子48の揺動角度が小さい場合は、測定子ユニット60のように板バネ支持機構としてもよい。

0076

測定子逃がしシリンダー31を測定ヘッド本体20に設けたが、測定子ユニット40に設けて、測定ヘッド本体20に固定された後に測定ヘッド本体20側から圧縮空気が供給される方法でもよい。

0077

測定子逃がしシリンダー31は測定子ユニット40の着脱時には圧縮空気が供給されない状態としたが、圧縮空気が供給される状態としてもよい。

0078

測定子ユニット40や60と測定ヘッド本体20との着脱手段は従来から用いられている方法であり、他の方法でもよいことはいうまでもない。

0079

測定子格納ラック70についても一つの例であり、他の方法でもよい。測定子格納ラック70の構造によって、ユニットベース41や61の形状を変更すれば本発明は適用できる。

0080

三次元座標測定機は実施例で示したホリゾンタルアーム形以外にも、ブリッジ門移動形の三次元座標測定機や他の構造形式のものについても、本発明に係る測定ヘッドを用いてワークを測定することができる。ただし、測定ヘッドを装着する軸が下向きの場合は、測定子格納ラック70を水平方向(G方向を上)に配設するとともに、マスターゲージ80の姿勢も端面80gを上向きにする。

発明の効果

0081

以上説明したように本発明に係る測定子交換式測定ヘッドによれば、測定子を穴径測定用や点測定用等の測定子ユニットにまとめ、検出センサーは交換せず、測定子ユニットを交換するとともに、測定範囲の広い検出センサーを用いたので、多数の測定内容に低価格で対応できる測定ヘッドを提供することができる。

0082

また、この測定ヘッドを自動三次元座標測定機に装着して自動寸法測定装置を構成した。したがって、多数の測定内容に対しても低価格であり、測定子の交換も頻繁に行う必要がないので測定時間が短い自動寸法測定装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0083

図1本発明に係る測定ヘッド実施例1の測定子ユニット40が測定ヘッド本体に固定された状態を示す図
図2図1のA矢視図(正面図)
図3図1のB−B断面に相当する部分で、位置決め部分を展開して接点回路を模式的に表現した図
図4本発明に係る測定ヘッド実施例1の測定子ユニット40を測定ヘッド本体から取り外した状態を示す図
図5本発明に係る測定子ユニットが装着されていない状態の測定ヘッド本体を示す図
図6本発明に係る測定ヘッド実施例2の測定子ユニット60が測定ヘッド本体に固定された状態を示す図(側面図)
図7図6の正面図
図8本発明に係る測定ヘッドの測定子ユニットを格納する測定子格納ラックの要部を示す図(正面図)
図9図8の側面図
図10本発明に係る自動寸法測定装置の正面図
図11本発明に係る自動寸法測定装置の側面図
図12マスターゲージの概要
図13測定子ユニット40の中心位置設定方法を説明する図
図14測定子ユニット40の測定子の変位量に対する検出センサー検出値の変化量を求める方法を説明する図
図15測定子ユニット40を装着した測定ヘッドでワークの穴径を測定する例を示す図
図16測定子ユニット60の測定子の変位量に対する検出センサー検出値の変化量を求める方法を説明する図
図17測定子ユニット60を装着した測定ヘッドでワークの端面を測定する例を示す図
図18本発明に係る測定ヘッドで三次元座標測定機の座標軸に対して傾いた穴を測定した場合の補正を説明する図
図19従来の測定ヘッドで測定子が半径方向にずれた場合の誤差を説明する図
図20従来の測定ヘッドで測定子が軸方向に傾いた場合の誤差を説明する図

--

0084

20……測定ヘッド本体
22……本体ベース
23……2個1組の球体
24……接点回路
25……着脱シリンダー
27……着脱ピストン
29……チャック球体
31……逃がしシリンダー
33……ピストン
36……検出センサー
36a…スピンドル
40……測定子ユニット
41……ユニットベース
42……円筒体
43……チャックリング
46……支軸
48……測定子
48b…先端球
48c…先端球
53……引っ張りバネ
54……ストッパー

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社東京精密の「 三次元測定システム及び三次元測定方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】 測定姿勢に簡便に変更させることができる三次元測定システム及び三次元測定方法を提供する。【解決手段】 三次元測定システムは定盤18と、測定対象であるワークWを保持し、ワークWの姿勢を可変な... 詳細

  • 株式会社東京精密の「 三次元測定システム及び三次元測定方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】ワークの三次元測定の精度を向上させる三次元測定システム及び三次元測定方法を提供する。【解決手段】三次元測定システム5000は、定盤18と、測定対象であるワークWを保持し、ワークWの姿勢を可変な... 詳細

  • 株式会社東京精密の「 三次元測定システム及び三次元測定方法」が 公開されました。( 2020/09/24)

    【課題】 測定姿勢に簡便に変更させることができる三次元測定システム及び三次元測定方法を提供する。【解決手段】 三次元測定システムは定盤18と、測定対象であるワークWを保持し、ワークWの姿勢を可変な... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ