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技術 溶鋼の真空脱硫精錬方法

出願人 住友金属工業株式会社
発明者 樋口善彦
出願日 1994年10月11日 (26年2ヶ月経過) 出願番号 1994-245539
公開日 1996年4月30日 (24年7ヶ月経過) 公開番号 1996-109411
状態 特許登録済
技術分野 溶融状態での鋼の処理
主要キーワード ランス長 熱補償 清浄処理 IC鋼 含有フラックス 複合処理 ガス攪拌 Ca化合物
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この項目の情報は公開日時点(1996年4月30日)のものです。
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図面 (6)

目的

耐HIC鋼を溶製の際に、CaO含有フラックスを吹き込むことなく極低硫、極清浄処理を行い、かつ、熱ロスを最小限にとどめる溶製方法の提供。

構成

下記(i) 〜(iii) の条件下で、取鍋溶鋼に1本足の筒状浸漬管を浸漬して真空脱ガス処理を行う。

(i)取鍋スラグ組成が以下の条件を満たして、0.8 ≦ (%CaO)/(%Al2O3)≦ 2.5、(%SiO2)≦ 10、(%FeO)+(%MnO) ≦ 2.0

概要

背景

今日、鋼材に対する要求特性が一層厳しくなり、品質面からもまた製造コストの面からも多くの改善がなされつつある。特に、S≦10ppm という低硫化鋼の安価な製造方法が求められており、これまでにも多くの提案がなされている。

特開昭56−98415 号公報では、「転炉から取鍋へ出鋼中の溶鋼生石灰を2〜8kg/T添加し、出鋼後の取鍋表面スラグ層へAlを0.05〜0.40kg/T添加し、脱ガス処理を施してから、溶鋼内へ浸漬した上吹きランスを通じてArガスを0.006 〜0.009 Nm3/min の条件で10分以上供給して溶鋼を脱硫したのち、さらに該溶鋼にCa分として0.125 〜0.500 kg/Tに相当するCa物質を添加することを特徴とする鋼の製造方法」を提案している。

特開昭56−9317号公報では、「取鍋内の予め脱酸処理した溶鋼にCaO含有フラックスキャリアガスにより吹込脱酸脱硫した後、引き続いて該溶鋼にCa合金を吹き込み、溶鋼中の硫化物形態を制御することを特徴とする硫化物の形態を制御した低酸素低硫黄鋼の製造方法」を提案している。

ところで、上記では、脱ガス処理を施して溶鋼中水素濃度を低減しているが、その後に脱硫処理を行うために、スラグ中の水分により溶鋼中水素濃度が上昇してしまうという問題が生じてしまう。

また、上記においては、さらに吹込みCaO含有フラックスからの水素ピックアップも問題となってしまうのである。そこで、今度はこれらの問題を解決すべく、次のような従来技術が提案されている。

特開昭58−3913号公報では、「予め脱酸処理した溶鋼にCaO含有フラックスをキャリアガスにより吹込み脱酸脱硫した後、溶鋼にCa合金を吹き込んで溶鋼中の硫化物形態を制御する低酸素低硫黄鋼の製造方法において、前記CaO 含有フラックスを吹き込む工程とCa合金を吹き込む工程との間に真空脱ガス処理を行うことを特徴とする硫化物形態を制御した低水素鋼の製造方法」を提案し、CaO 含有フラックスを吹き込む工程で上昇した水素濃度を低減するためにCa合金を吹き込む工程の前に真空脱ガス処理を行っているのである。

しかし、上記では、吹込み処理と真空脱ガス処理とで異なる精錬装置を使用する必要がある。このような複合処理では、それぞれの工程で溶鋼温度降下があり、この温度を補償するため通常材に比べ著しく吹き止め温度を高くする必要があること、また処理工程が複雑になり、サイクルタイム延長による工程ネック、たとえば連々鋳ができないなどの理由から生産性および歩留下等を招き大量処理には不向きとなる。そこで、単一プロセスで極低硫、極清浄Ca添加、極低水素を満たすために、次のような提案もされている。

特開昭58−22320 号公報では、「真空脱ガス槽と組み合わせた取鍋内の溶鋼に不活性ガス等のキャリアガスで処理剤を吹き込み減圧精錬する方法において、真空脱ガス槽内を減圧するとともに取鍋内に脱硫剤を吹き込み、引き続いて真空脱ガス槽内を真空状態にしたまま脱硫剤の添加を止めて不活性ガス等の吹込みだけを行い、次いで真空脱ガス槽内を大気圧に復圧したるのちCa合金またはCa化合物を吹き込むことを特徴とする取鍋精錬方法」が提案されている。

特開平4−99812 号公報では、「取鍋内に予め脱酸処理した溶鋼を 0.1〜1TorrでCaO 1.5 〜4.5 kg/TS吹込み、その後大気圧下でCaSi 0.3〜0.7 kg/TS 吹込み、溶鋼中の[Ca]、[Al]、[O] の濃度を制御することを特徴とする優れた耐HIC特性を有する鋼の製造方法」が提案されている。

概要

耐HIC鋼を溶製の際に、CaO含有フラックスを吹き込むことなく極低硫、極清浄処理を行い、かつ、熱ロスを最小限にとどめる溶製方法の提供。

下記(i) 〜(iii) の条件下で、取鍋中溶鋼に1本足の筒状浸漬管を浸漬して真空脱ガス処理を行う。

(i)取鍋スラグ組成が以下の条件を満たして、0.8 ≦ (%CaO)/(%Al2O3)≦ 2.5、(%SiO2)≦ 10、(%FeO)+(%MnO) ≦ 2.0

目的

したがって、本発明の目的は、極低硫鋼または耐HIC鋼を溶製するに際して、単一プロセスにおいてCaO含有フラックスを吹き込むことなく、極低硫、極清浄処理を行い、かつ、熱ロスを最小限にとどめる溶製方法を提案することにある。より具体的には、本発明の目的は、[S] ≦10ppm の耐HIC 鋼を溶製するための経済的かつ効率的真空脱硫精錬法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

取鍋溶鋼に1本足からなる筒状浸漬管を浸漬したのち、該浸漬管内を減圧することにより溶鋼を浸漬管内に吸い上げ、浸漬管の投影面下の取鍋内下部あるいは浸漬管内壁に設けた羽口から攪拌ガスを吹き込む溶鋼の真空脱硫精錬方法において、下記条件(i)ないし(iii) を満足する取鍋スラグ組成攪拌、および浸漬管と取鍋形状の条件下で溶鋼を処理することを特徴とする方法。(i) 取鍋スラグ組成:0.8 ≦ (%CaO)/(%Al2O3)≦ 2.5(%SiO2) ≦ 10(%FeO)+(%MnO) ≦ 2.0ここで、(%CaO) :スラグ中CaO 濃度 (重量%)、(%Al2O3):スラグ中Al2O3 濃度 (重量%)、(%SiO2) :スラグ中SiO2濃度 (重量%)、(%FeO) :スラグ中FeO 濃度 (重量%)、(%MnO) :スラグ中MnO 濃度 (重量%)

技術分野

ここで、(%CaO) :スラグ中CaO 濃度 (重量%)、(%Al2O3):スラグ中Al2O3 濃度 (重量%)、(%SiO2) :スラグ中SiO2濃度 (重量%)、(%FeO) :スラグ中FeO 濃度 (重量%)、(%MnO) :スラグ中MnO 濃度 (重量%)

背景技術

0001

本発明は、溶鋼真空脱硫精錬方法、特に真空槽に長い吹込みランスを設けることなく効率的な処理を可能とする真空脱硫精錬方法に関する。

0002

今日、鋼材に対する要求特性が一層厳しくなり、品質面からもまた製造コストの面からも多くの改善がなされつつある。特に、S≦10ppm という低硫化鋼の安価な製造方法が求められており、これまでにも多くの提案がなされている。

0003

特開昭56−98415 号公報では、「転炉から取鍋へ出鋼中の溶鋼に生石灰を2〜8kg/T添加し、出鋼後の取鍋表面スラグ層へAlを0.05〜0.40kg/T添加し、脱ガス処理を施してから、溶鋼内へ浸漬した上吹きランスを通じてArガスを0.006 〜0.009 Nm3/min の条件で10分以上供給して溶鋼を脱硫したのち、さらに該溶鋼にCa分として0.125 〜0.500 kg/Tに相当するCa物質を添加することを特徴とする鋼の製造方法」を提案している。

0004

特開昭56−9317号公報では、「取鍋内の予め脱酸処理した溶鋼にCaO含有フラックスキャリアガスにより吹込脱酸脱硫した後、引き続いて該溶鋼にCa合金を吹き込み、溶鋼中の硫化物形態を制御することを特徴とする硫化物の形態を制御した低酸素低硫黄鋼の製造方法」を提案している。

0005

ところで、上記では、脱ガス処理を施して溶鋼中水素濃度を低減しているが、その後に脱硫処理を行うために、スラグ中の水分により溶鋼中水素濃度が上昇してしまうという問題が生じてしまう。

0006

また、上記においては、さらに吹込みCaO含有フラックスからの水素ピックアップも問題となってしまうのである。そこで、今度はこれらの問題を解決すべく、次のような従来技術が提案されている。

0007

特開昭58−3913号公報では、「予め脱酸処理した溶鋼にCaO含有フラックスをキャリアガスにより吹込み脱酸脱硫した後、溶鋼にCa合金を吹き込んで溶鋼中の硫化物形態を制御する低酸素低硫黄鋼の製造方法において、前記CaO 含有フラックスを吹き込む工程とCa合金を吹き込む工程との間に真空脱ガス処理を行うことを特徴とする硫化物形態を制御した低水素鋼の製造方法」を提案し、CaO 含有フラックスを吹き込む工程で上昇した水素濃度を低減するためにCa合金を吹き込む工程の前に真空脱ガス処理を行っているのである。

0008

しかし、上記では、吹込み処理と真空脱ガス処理とで異なる精錬装置を使用する必要がある。このような複合処理では、それぞれの工程で溶鋼温度降下があり、この温度を補償するため通常材に比べ著しく吹き止め温度を高くする必要があること、また処理工程が複雑になり、サイクルタイム延長による工程ネック、たとえば連々鋳ができないなどの理由から生産性および歩留下等を招き大量処理には不向きとなる。そこで、単一プロセスで極低硫、極清浄Ca添加、極低水素を満たすために、次のような提案もされている。

0009

特開昭58−22320 号公報では、「真空脱ガス槽と組み合わせた取鍋内の溶鋼に不活性ガス等のキャリアガスで処理剤を吹き込み減圧精錬する方法において、真空脱ガス槽内を減圧するとともに取鍋内に脱硫剤を吹き込み、引き続いて真空脱ガス槽内を真空状態にしたまま脱硫剤の添加を止めて不活性ガス等の吹込みだけを行い、次いで真空脱ガス槽内を大気圧に復圧したるのちCa合金またはCa化合物を吹き込むことを特徴とする取鍋精錬方法」が提案されている。

発明が解決しようとする課題

0010

特開平4−99812 号公報では、「取鍋内に予め脱酸処理した溶鋼を 0.1〜1TorrでCaO 1.5 〜4.5 kg/TS吹込み、その後大気圧下でCaSi 0.3〜0.7 kg/TS 吹込み、溶鋼中の[Ca]、[Al]、[O] の濃度を制御することを特徴とする優れた耐HIC特性を有する鋼の製造方法」が提案されている。

0011

しかし、上述した従来法およびにおいても以下のような問題点が生じてしまう。従来法では、単一プロセスで極低硫、極清浄、Ca添加、極低水素を満たすことが可能となったとしている。ところが、CaO含有フラックスの吹込みを前提としているために、その実施例にあるように真空槽内に長大な昇降ストロークを有するCaOフラックス吹込み用ランスが必要となり、その設備費は膨大なものとなる。また、ランス長も長くなるためランスの折損の可能性が高くなること、ストロークが大きいためランス交換の手間も非常にかかり、安定操業が困難である。また、CaO 含有フラックス吹込み中の温度降下は非常に大きく、従来法のような単一プロセスにおいても熱ロスが大きくなり、この熱ロスを補償するため通常材に比べ吹き止め温度を高くすること、あるいは、取鍋精錬におけるAl添加と酸素供給によるAl酸化反応熱での昇熱アーク加熱プラズマ加熱等、が必要になってしまう。

0012

転炉吹き止め温度を高くする場合、転炉耐火物溶損が増加し、炉寿命の低下による耐火物コストの上昇・築炉頻度増加による耐火物施工コストの上昇を招いてしまう。

0013

取鍋精錬において熱補償する場合、上記と同一のプロセスで熱補償すると、処理溶鋼が同一のプロセスに滞留する時間が長くなり、サイクルタイムの延長およびそれに伴う連々鋳数の制限等による生産性および歩留低下等を招き大量処理には不向きとなってしまう。

0014

もしも、上記のプロセスと異なるプロセスで熱補償するのであれば、昇熱用のプロセスを別個に設けることにより設備費の二重投資になってしまう。従来法においても、CaO含有フラックスを吹き込むことは同一であり、上記と同様の問題点を解決する必要がある。

0015

したがって、本発明の目的は、極低硫鋼または耐HIC鋼を溶製するに際して、単一プロセスにおいてCaO含有フラックスを吹き込むことなく、極低硫、極清浄処理を行い、かつ、熱ロスを最小限にとどめる溶製方法を提案することにある。より具体的には、本発明の目的は、[S] ≦10ppm の耐HIC 鋼を溶製するための経済的かつ効率的真空脱硫精錬法を提供することである。

0016

以上の課題を解決するために、本発明者らは単一プロセスにおいてCaO含有フラックスを吹き込むことなく極低硫、極清浄(Ca添加、極低水素を含んでもよい) を行い、かつ、熱ロスを最小限にとどめる溶製方法を鋭意検討した。

0017

その結果、CaO含有フラックスを吹き込むことなく、極低硫、極清浄を得るためには、適切なスラグ組成の下で、適切なガス攪拌力を設定し、浸漬管径を適切にする必要があることを見い出した。

図面の簡単な説明

0018

ここに、本発明の要旨とするところは、取鍋中溶鋼に1本足からなる筒状浸漬管を浸漬したのち、該浸漬管内を減圧することにより溶鋼を浸漬管内に吸い上げ、浸漬管の投影面下の取鍋内下部あるいは浸漬管内壁に設けた羽口から攪拌ガスを吹き込むにあたり、
(i) 取鍋スラグ組成が以下の条件を満たして、
0.8 ≦ (%CaO)/(%Al2O3)≦ 2.5
(%SiO2) ≦ 10
(%FeO)+(%MnO) ≦ 2.0

0019

図1本発明にかかる方法を実施するための装置の概略図である。
図2CaO-Al2O3-SiO2 3元素状態図である。
図3処理後[S] とスラグ中(%FeO)+(%MnO)の関係を示すグラフである。
図4攪拌力と処理後[S] の関係を示すグラフである。
図5浸漬管径の[S] に及ぼす影響を示すグラフである。

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