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技術 クロムめっき製品の製造方法

出願人 マルイ工業株式会社キザイ株式会社
発明者 藤井新山辺泰治船田清孝丸田正敏柘植雅信
出願日 1994年4月14日 (26年2ヶ月経過) 出願番号 1995-175930
公開日 1996年4月16日 (24年2ヶ月経過) 公開番号 1996-100273
状態 特許登録済
技術分野 電気鍍金;そのための鍍金浴 表面反応による電解被覆 その他の表面処理 電気メッキ方法,物品 電気分解または電気泳動による被覆
主要キーワード 装飾的価値 リンめっき浴 リンめっき層 ニッケル電気めっき 霜降り状 下地ニッケル層 二次光沢剤 一次光沢剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年4月16日)のものです。
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図面 (2)

課題

従来のマイクロポーラスクロムめっき製品は、過酷な条件下で長期間にわたって使用すると、腐食孔が拡大し、遂には部分的なクロム被覆層欠落をもたらすが、本発明方法は、過酷な条件下で長期間にわたって使用してもクロム被覆層の欠落はなく、したがって外観劣化することのないマイクロポーラスクロムめっき製品を提供することである。

解決手段

導電性素地に、所要金属下地層電気めっきで形成させたのち、ニッケル供給源リン供給源及びアニオン系又はノニオン系界面活性剤を含有するニッケルリン合金めっき浴組成非金属不活性微粒子を添加して調製した電解液中において電解めっきを行って厚さ0.15〜20μmの非金属不活性微粒子を分散含有するニッケル・リン合金めっき層を形成させ、次いでその上に厚さ0.01〜0.5μmのクロムめっき被覆を施すことによりマイクロポーラスクロムめっき製品を製造する方法である。

概要

背景

亜鉛ダイカスト品、鋼板プレス品アルミニウムダイカスト品、無電解めっきを施し導電性を付与した合成樹脂成形品などの基材に、銅とニッケルクロム又はニッケルとクロムを順次電気めっきしたものが、自動車装飾用外装用建築物の外装用として広く用いられている。

ところで、ニッケル層上にクロムを電気めっきした場合、図1の(a)に示すように、めっき時に発生するクロム層を貫通したピットクラックなどの欠陥に起因して、クロム側が陰極、ニッケル側が陽極となり、両者間に電流が流れるが、ニッケル側の陽極面積が小さいため、ニッケル層の腐食電流密度が大きくなり、腐食が速かに進行する結果、形成された腐食空洞上のクロムめっき層が早期に脱離し、短時間で外観を損なうという現象がみられる。

このような欠点を改良するために、図1の(b)に示すように、非金属不活性微粒子を分散したニッケルめっき浴でめっきを行い、その微粒子ニッケルめっき層中に析出させて複合ニッケルめっき層としたのち、その上にクロムめっきを施してクロムめっき層に多数の微孔を形成させることにより陽極の面積を増大させて腐食電流密度を小さくし、耐食性を向上させる方法、いわゆるマイクロポーラスクロムめっき法が知られている。この方法においては下地層として設けるニッケルめっき層を光沢ニッケル層単層又は、光沢ニッケル層と半光沢ニッケル層複層とすることが行われている。

しかしながら、このマイクロポーラスクロムめっき品には、これが腐食環境にさらされると、腐食液がクロムめっき層の微孔に侵入し、クロムめっき層と複合ニッケルめっき層との間で電池を形成し、陽極となった複合ニッケルめっき層が溶解、消失しついで光沢ニッケルめっき層円形状に溶解、消失して空洞化し、クロムめっき層はこれを支持していた複合ニッケル層と光沢ニッケル層を失うことにより、この空洞内に破片状となって折落するか、腐食液によって流失する。この結果クロムめっき表面に腐食孔散在し、短期間に霜降り状の外観になるという欠点がある。

このような欠点を改善するために、クロムめっき層と複合ニッケルめっき層との間、複合ニッケルめっき層と光沢ニッケルめっき層との間、及び光沢ニッケルめっき層と半光沢ニッケルめっき層との間の電位差を厳密に調整する方法(特開平5−287579号公報、特開平5−171468号公報)が提案されているが、電位差は、光沢剤の濃度、電流密度の不均一、かきまぜ条件、不純物の有無によって左右されるので、これを製造ラインにおいては常時一定の範囲に保つことは困難である。

さらに、複合ニッケルめっき層を厚付けして強度を上げることにより、下地光沢ニッケルめっき層が空洞化してもクロムめっき層を支持しうるようにする方法も考えられるが、複合ニッケル層の厚さが増すとともにクロムめっき層の表面に曇りを生じ、装飾用としての価値が低下するので、この方法は不適当である。

概要

従来のマイクロポーラスクロムめっき製品は、過酷な条件下で長期間にわたって使用すると、腐食孔が拡大し、遂には部分的なクロム被覆層欠落をもたらすが、本発明方法は、過酷な条件下で長期間にわたって使用してもクロム被覆層の欠落はなく、したがって外観が劣化することのないマイクロポーラスクロムめっき製品を提供することである。

導電性素地に、所要金属下地層を電気めっきで形成させたのち、ニッケル供給源リン供給源及びアニオン系又はノニオン系界面活性剤を含有するニッケル・リン合金めっき浴組成に非金属不活性微粒子を添加して調製した電解液中において電解めっきを行って厚さ0.15〜20μmの非金属不活性微粒子を分散含有するニッケル・リン合金めっき層を形成させ、次いでその上に厚さ0.01〜0.5μmのクロムめっき被覆を施すことによりマイクロポーラスクロムめっき製品を製造する方法である。

目的

本発明は、従来のマイクロポーラスめっき製品のもつ欠点を克服し、過酷な条件下の使用においても、長期間にわたって高い耐食性と優れた光沢外観を有するクロムめっき製品の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
7件

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請求項1

導電性素地に、所要金属下地層電気めっきで形成させたのち、ニッケル供給源リン供給源及びアニオン系又はノニオン系界面活性剤を含有するニッケルリン合金めっき浴組成非金属不活性微粒子を添加して調製した電解液中において電解めっきを行って厚さ0.15〜20μmの非金属不活性微粒子を分散含有するニッケル・リン合金めっき層を形成させ、次いでその上に厚さ0.01〜0.5μmのクロムめっき被覆を施すことを特徴とするマイクロポーラスクロムめっき製品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、長期間にわたって高い耐食性と優れた光沢外観を示す、自動車建築物等の外装屋外装飾品として好適なクロムめっき製品の製造方法に関するものである。さらに詳しくいえば、本発明は、いわゆるマイクロポーラスめっきを施された製品における耐食性をいっそう向上させるとともに光沢剤を使用せずに、外観光沢を付与させたクロムめっき製品の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

亜鉛ダイカスト品、鋼板プレス品アルミニウムダイカスト品、無電解めっきを施し導電性を付与した合成樹脂成形品などの基材に、銅とニッケルクロム又はニッケルとクロムを順次電気めっきしたものが、自動車の装飾用外装用や建築物の外装用として広く用いられている。

0003

ところで、ニッケル層上にクロムを電気めっきした場合、図1の(a)に示すように、めっき時に発生するクロム層を貫通したピットクラックなどの欠陥に起因して、クロム側が陰極、ニッケル側が陽極となり、両者間に電流が流れるが、ニッケル側の陽極面積が小さいため、ニッケル層の腐食電流密度が大きくなり、腐食が速かに進行する結果、形成された腐食空洞上のクロムめっき層が早期に脱離し、短時間で外観を損なうという現象がみられる。

0004

このような欠点を改良するために、図1の(b)に示すように、非金属不活性微粒子を分散したニッケルめっき浴でめっきを行い、その微粒子ニッケルめっき層中に析出させて複合ニッケルめっき層としたのち、その上にクロムめっきを施してクロムめっき層に多数の微孔を形成させることにより陽極の面積を増大させて腐食電流密度を小さくし、耐食性を向上させる方法、いわゆるマイクロポーラスクロムめっき法が知られている。この方法においては下地層として設けるニッケルめっき層を光沢ニッケル層単層又は、光沢ニッケル層と半光沢ニッケル層複層とすることが行われている。

0005

しかしながら、このマイクロポーラスクロムめっき品には、これが腐食環境にさらされると、腐食液がクロムめっき層の微孔に侵入し、クロムめっき層と複合ニッケルめっき層との間で電池を形成し、陽極となった複合ニッケルめっき層が溶解、消失しついで光沢ニッケルめっき層円形状に溶解、消失して空洞化し、クロムめっき層はこれを支持していた複合ニッケル層と光沢ニッケル層を失うことにより、この空洞内に破片状となって折落するか、腐食液によって流失する。この結果クロムめっき表面に腐食孔散在し、短期間に霜降り状の外観になるという欠点がある。

0006

このような欠点を改善するために、クロムめっき層と複合ニッケルめっき層との間、複合ニッケルめっき層と光沢ニッケルめっき層との間、及び光沢ニッケルめっき層と半光沢ニッケルめっき層との間の電位差を厳密に調整する方法(特開平5−287579号公報、特開平5−171468号公報)が提案されているが、電位差は、光沢剤の濃度、電流密度の不均一、かきまぜ条件、不純物の有無によって左右されるので、これを製造ラインにおいては常時一定の範囲に保つことは困難である。

0007

さらに、複合ニッケルめっき層を厚付けして強度を上げることにより、下地光沢ニッケルめっき層が空洞化してもクロムめっき層を支持しうるようにする方法も考えられるが、複合ニッケル層の厚さが増すとともにクロムめっき層の表面に曇りを生じ、装飾用としての価値が低下するので、この方法は不適当である。

発明が解決しようとする課題

0008

本発明は、従来のマイクロポーラスめっき製品のもつ欠点を克服し、過酷な条件下の使用においても、長期間にわたって高い耐食性と優れた光沢外観を有するクロムめっき製品の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、マイクロポーラスめっき製品の耐食性及び外観光沢の向上について鋭意研究を重ねた結果、非金属不活性微粒子を分散させたニッケル・リン合金めっき層界面活性剤を含むめっき浴で形成させ、非金属不活性微粒子を含むニッケル・リン合金めっき層とクロム層との電位差を小さくすることにより、このニッケル・リン合金めっき層の腐食速度を低下させるとともに、光沢ニッケルめっき層の腐食開始を大幅に遅延させること、及びニッケル・リン合金自体が高い強度を有するため、腐食により光沢ニッケル層に空洞を生じても長期間にわたりクロム層の支持を可能にし、しかも光沢剤を使用せずに優れた光沢外観が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。

0010

すなわち、本発明は、導電性素地に、所要金属下地層を電気めっきで形成させたのち、ニッケル供給源リン供給源及びアニオン系又はノニオン系界面活性剤を含有するニッケル・リン合金めっき浴組成に非金属不活性微粒子を添加して調製した電解液中において電解めっきを行って厚さ0.15〜20μmの非金属不活性微粒子を分散含有するニッケル・リン合金めっき層を形成させ、次いでその上に厚さ0.01〜0.5μmのクロムめっき被覆を施すことを特徴とするマイクロポーラスクロムめっき製品の製造方法を提供するものである。

発明を実施するための最良の形態

0012

これらの導電性素地の上に設けられる金属電気めっき下地層としては、通常のマイクロポーラスクロムめっき製品の場合と同じく、光沢ニッケルめっき層と半光沢ニッケルめっき層との組合せが一般的に用いられる。

0013

この光沢ニッケルめっき層はその上に施されるクロム被覆に鏡面を付与するとともに、その下地層の半光沢ニッケルめっき層に対する陽極防食役割を果すもので、通常のニッケル電気めっき浴例えばワット浴に光沢剤を添加して形成することができる。この際の光沢剤としては一次光沢剤として例えば1,5‐ナフタレンジスルホン酸ナトリウム、1,3,6‐ナフタレントリスルホン酸ナトリウムサッカリンなどと、二次光沢剤として例えば1,4‐ブチンジオールプロパルギルアルコールアリスルホン酸ナトリウムなどの組み合わせを用いることができる。この光沢剤の含有量としては0.04〜1.0重量%の範囲が適当である。

0014

次に半光沢ニッケルめっき層は素地の平滑性を向上させて、全体の外観性を改善するとともに、柔軟性に富むので素地の変形や熱膨張を吸収し、層剥離を抑制する役割を果たすものである。この半光沢ニッケルめっき層は実質的に硫黄を含まないものであり、この電位の貴な半光沢ニッケルめっき層を形成するには、例えばワット浴にクマリンホルマリン抱水クロラールのような光沢剤を添加した電気めっき浴を用いる。

0015

この半光沢ニッケルめっき層と基体の導電性素地の間には、素地表面平滑化に加え、半光沢ニッケルめっき層の電着応力緩和及び素地の熱膨張の吸収のために、通常、銅層のような金属下地層を設けるが、この金属下地層は必ずしも必要ではなく、場合によっては省くこともできる。本発明においては、クロム被覆の直接接触する層として、非金属不活性微粒子を分散含有するニッケル・リン合金めっき層を有することが必要である。

0016

このニッケル・リン合金層は、酸、アルカリに対し、良好な耐性を示し、硝酸のような酸化性の酸にも侵されにくく、金に近い耐薬品性を有する。このニッケル・リン合金めっき層を形成させるには、無電解法電解法とがあるが、低温における析出速度が大きくめっき時間が短かいこと及び亜リン酸次亜リン酸などのリン供給源の添加量によって生成するめっき層中のリン含有量を制御しうること、リン供給源の消耗量が少ないこと、浴寿命が長いことから、本発明においては電解法を用いるのが好ましい。

0017

本発明における非金属不活性微粒子を含有するニッケル・リン合金層は、公知の方法例えば特公平5−60000号公報に記載されている方法に準じ、公知のニッケル・リン合金めっき浴組成に、非金属不活性微粒子を添加した液を電解液として用いて行うことができる。この際のニッケル・リン合金めっき浴組成におけるニッケル供給源として硫酸ニッケル塩化ニッケル炭酸ニッケルのようなニッケル塩が、またリン供給源としては、亜リン酸、次亜リン酸又はこれらの塩がそれぞれ用いられる。このめっき浴組成にはそのほか、所望に応じ緩衝剤としてホウ酸錯化剤が加えられ、またpH調整剤例えばリン酸水酸化ナトリウムによってpH0.5〜4.0に調整される。

0018

本発明方法で形成される非金属不活性微粒子を分散含有するニッケル・リン合金めっき層を形成するのに好適なめっき浴組成の例としては、硫酸ニッケル100〜300g/リットル、塩化ニッケル0〜200g/リットル、炭酸ニッケル0〜100g/リットル、亜リン酸又は次亜リン酸ナトリウム5〜100g/リットル、リン酸0〜100g/リットル、残部水の組成を挙げることができる。

0019

本発明方法で形成されるニッケル・リン合金めっき層中のリン含有量は3〜19重量%の範囲が好ましい。この量が3重量%未満では光沢めっきが得られにくく装飾的価値が低下するし、また19重量%を超えると光沢が低下するとともに、陰極電流効率が低下し、所要のめっき厚を得るのに長時間を要することになる。そして、前記した光沢ニッケル層に対するニッケル・リン合金めっき層電気化学的電位は、そのリン含有量3〜19重量%の範囲で140〜1150mV貴な値を示す。

0020

このリン含有量は、ニッケル濃度、リン供給源濃度、pH、電流密度に左右され、ニッケル塩の量を少なくしたり、リン供給源の量を増加させたり、pHを小さくしたり、電流密度を低下させることによって、ニッケル・リン合金めっき層中のリン含有量を増大することができる。また、陰極電流効率は、リン含有量が増加するとともに低下する。

0021

このニッケル・リンめっき浴に添加される非金属不活性微粒子としては、現在工業的に広く行われているマイクロポーラスクロムに添加される微粒子、すなわち酸化ケイ素酸化チタン酸化アルミニウム硫酸バリウム酸化ジルコニウムケイ酸アルミニウムケイ酸カルシウムなどをそのまま使用することができる。

0022

めっき液中に分散している状態での非金属不活性微粒子の粒径は0.01〜20μm、最頻粒径は1〜9μmが好ましい。20μmを超えると、めっき層に曇りを生じたり、梨地状のめっきとなり光沢外観の装飾用として好ましくない。

0023

添加量は0.001〜30g/リットルの範囲であり、微粒子の種類と粒径により添加量を調整する。一般的に0.001g/リットル未満であると顕著な耐食性の向上効果が少なく、また30g/リットルを超えると、曇りを生じたり、撹拌で均一な濃度に維持するのが困難になる。

0024

これらの微粒子の比重は比較的大きいので、ニッケル・リンめっき浴中で沈降しやすかったり、また微粒子の水漏れ性と分散性が悪く均一に共析しにくいので本発明方法においては、ニッケル・リンめっき浴中の微粒子の分散性をよくするために低起泡性のアニオン系あるいはノニオン系の界面活性剤を添加することが必要である。カチオン系は下地ニッケル層との密着性を低下させるので好ましくない。これらの微粒子はニッケル・リンめっき液中に直接加えても良いが、界面活性剤を添加した少量の水あるいはニッケル‐リンめっき液で撹拌、超音波等の方法にてあらかじめ懸濁液として調整して添加するのが好ましい。めっき浴のかきまぜは従来のマイクロポーラスクロムと同じく、空気撹拌プロペラ撹拌、ポンプ撹拌等の機械撹拌を採用することができる。

0025

このようにして形成されたニッケル・リンめっき層のめっき厚は耐食性に大きな影響があり厚くなるほど、耐食性が向上する。しかし生産性経済性を考慮すると0.15〜20μmが好ましい。0.15μm未満であると耐食性向上の効果が少なく、また20μmを超えると過剰品質となり不経済である。

0026

次に、この非金属不活性微粒子を分散含有するニッケル・リン合金めっき層の上に施されるクロム被覆は、従来のマイクロポーラスクロム製品の場合と全く同様にして形成される。そして、このクロムめっきの膜厚は0.01〜0.5μm、好ましくは0.1〜0.3μmの範囲である。0.5μmを超えて厚くなると、クラックを生じてむしろ耐食性が悪くなる場合があり、また0.01μm未満では耐摩耗性の点で問題がある。

0027

次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、各例中の耐食性試験はJIS H8502の規定に従って、キャス試験方法で評価した。この結果はレイティングナンバーにより示した。また、いずれの試料においても素地からの発錆は認められなかったので表面腐食のみを評価した。

0028

実施例1
(1)金属電気めっき下地層の形成
常法により導電化処理されたABS樹脂板(50×90mm)に、硫酸銅めっき浴を用いて厚さ20μmの銅めっきを施したものを導電性素地として用い、次の組成及び条件により、金属めっき下地層を形成させた。

0029

すなわち、先ず硫酸ニッケル300g/リットル、塩化ニッケル60g/リットル、ホウ酸45g/リットル、クマリン0.1g/リットルを含みpH4.0の電解液を用い、温度50℃、電流密度3A/dm2の条件下で電解めっきを行い、厚さ12μmの半光沢ニッケルめっき層を形成させた。

0030

次いで、この上に硫酸ニッケル300g/リットル、塩化ニッケル60g/リットル、ホウ酸45g/リットル、一次光沢剤としてサッカリン2g/リットル、二次光沢剤として1,4‐ブチジオールを0.2g/リットルを含みpH4.0の電解液を用い、温度50℃、電流密度3A/dm2の条件下で電解めっきを行ない、厚さ8μmの光沢ニッケル層を形成させた。

0031

(2)非金属不活性微粒子を分散したニッケル・リン合金めっき層の形成
金属電気めっき下地層を設けた試料の上に、硫酸ニッケル210g/リットル、塩化ニッケル90g/リットル、亜リン酸20g/リットル、リン酸100g/リットル、酸化ケイ素微粒子(最頻径8.3μm)20g/リットル及びノニオン性界面活性剤日本油脂(株)製;ノニオンNS−210]0.02g/リットルを含み、pH0.5の電解液を用い、温度55℃、電流密度3A/dm2の条件下で電解めっきを行い、厚さ3μm、リン含有量9重量%のニッケル・リン合金めっき層を形成させた。

0032

(3)クロムめっき層の形成
前記の電解めっき層をもつ試料で、無水クロム酸200g/リットル、硫酸1.5g/リットル、ケイフッ化カリウム5g/リットルを含む電解液を用い、温度46℃、電流密度15A/dm2の条件下で電解めっきを行い、厚さ0.2μmのクロムめっき被覆を施した。このようにして、マイクロポーラスクロムめっき製品を製造した。

0033

実施例2
工程(2)を、硫酸ニッケル150g/リットル、塩化ニッケル40g/リットル、亜リン酸20g/リットル、微粒状酸化ジルコニウム(最頻径4.5μm)5g/リットル、ノニオン性界面活性剤[三洋化成工業(株)製;ニューポールPE−64]0.01g/リットルを含みpH0.8の電解液を用い、温度60℃、電流密度2.0A/dm2の条件下で行って、厚さ3μm、リン含有量16重量%のニッケル・リン合金めっき層を形成させることに変える以外は実施例1と全く同様にして、マイクロポーラスクロムめっき製品を製造した。

0034

実施例3
工程(2)を、硫酸ニッケル120g/リットル、塩化ニッケル80g/リットル、亜リン酸15g/リットル、錯化剤30g/リットル、微粒状酸化チタン(最頻径2.5μm)0.05g/リットル、ノニオン性界面活性剤[三洋化成工業(株)製;ニューポールPE−64]0.01g/リットルを含み、pH2.5の電解液を用い、温度50℃、電流密度2.5A/dm2の条件下で、電解時間を変えることにより、リン含有量12重量%のニッケル・リン合金めっき層の厚さを1μm(A)、3μm(B)及び5μm(C)にすること以外は全く実施例1と同様にして、マイクロポーラスクロムめっき製品を製造した。

0035

実施例4
工程(2)を、硫酸ニッケル250g/リットル、塩化ニッケル5g/リットル、次亜リン酸ナトリウム10g/リットル、錯化剤50g/リットル、微粒状酸化ケイ素(最頻径8.3μm)20g/リットル、アニオン性界面活性剤[東邦化学工業(株)製;アルスコープLN−90]0.03g/リットルを含みpH3.5の電解液を用い、温度50℃、電流密度3A/dm2の条件下で行い、リン含有量7重量%のニッケル・リン合金めっき層を厚さ3μmで形成させること以外は実施例1と全く同様にして、マイクロポーラスクロムめっき製品を製造した。

0036

実施例5
工程(2)を、硫酸ニッケル150g/リットル、塩化ニッケル150g/リットル、亜リン酸20g/リットル、リン酸100g/リットル、微粒状酸化アルミニウム(最頻径2.1μm)1g/リットル、アニオン性界面活性剤[東邦化学工業(株)製;アルスコープLN−90]0.05g/リットルを含み、pH0.5の電解液を用い、温度55℃、電流密度5A/dm2の条件下で行い、リン含有量5重量%、厚さ3μmのニッケル・リン合金めっき層を形成させること以外は、実施例1と全く同様にしてマイクロポーラスクロムめっき製品を製造した。

0037

比較例1
工程(2)を、硫酸ニッケル210g/リットル、塩化ニッケル90g/リットル、ホウ酸40g/リットル、微粒状酸化ケイ素(最頻径8.3μm)20g/リットルを含み、pH3.5のリンを含まない電解液を用い、温度55℃、電流密度4A/dm2の条件下で非金属不活性微粒子を分散した厚さ0.25μmのニッケルめっき層を形成するように変えた以外は、実施例1と同様にしてマイクロポーラスクロムめっき製品を製造した。

0038

比較例2
実施例3における電解液から微粒状酸化チタンを除いた組成の電解液を用いる以外は、全く実施例3と同様にして、ニッケル・リン合金めっき層の厚さが1μm(A′)、3μm(B′)及び5μm(C′)のクロムめっき製品を製造した。

0039

参考例
実施例1〜5及び比較例1、2で得た試料について、キャス試験を240時間まで行い、その結果を表1に示す。また、実施例3と比較例2との結果をグラフ上で対比して図2に示す。また、比較のために従来のマイクロポーラスめっき品についてのデータをDとして示す。

0040

0041

これから明らかなように、本発明方法により得られるマイクロポーラスクロムめっき製品は、長期間にわたり優れた耐食性を保ち、従来の製品のように腐食孔に起因する外観劣化をもたらすことがない。

発明の効果

0042

従来のマイクロポーラスクロムめっき製品は、過酷な条件下で長期間にわたって使用すると、腐食孔が拡大し、遂には部分的なクロム被覆層欠落をもたらすが、本発明方法により得られるマイクロポーラスクロムめっき製品は、過酷な条件下で長期間にわたって使用してもクロム被覆層の欠落はなく、したがって外観が劣化することはない。

図面の簡単な説明

0043

図1通常のクロムめっき品とマイクロポーラスクロムめっき品との腐食の進行状態を説明するための模式断面図。
図2本発明の実施例と比較例の外観レイティングナンバーの変化を対比したグラフ。

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