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技術 振動子とこれを用いたヨーレイトセンサ

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 原田健司
出願日 1994年9月21日 (24年9ヶ月経過) 出願番号 1994-254371
公開日 1996年4月12日 (23年3ヶ月経過) 公開番号 1996-094363
状態 特許登録済
技術分野 平均速度の測定;速度、加速度の試験較正 ジャイロスコープ
主要キーワード 増幅出力回路 理想モデル 励起振動 質量調整 軸方向厚み 励振回路 横振動 特公表
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重要な関連分野

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図面 (6)

目的

振動子における励起振動共振周波数検出振動の共振周波数との調整の簡略化を図る。

構成

ヨーレイトセンサ10は、振動子12を固定体14に固定・支持して備える。振動子12は、その中央に位置する振動片18と、振動片18両端の各端面に接着された励振子20,22と、この励振子に接着された検出子24,26とを備える。そして、励振子20,22により振動片18の左方振動片部18a,右方振動片部18bをx軸方向の定常的な縦振動の状態におく。この振動子12にz軸の回りの回転角速度が作用すると、y軸に沿ってコリオリの力を発生させる。従って、このコリオリの力によって、左方振動片部18a,右方振動片部18bに、縦振動とは異質横振動たるy軸に沿ったすべり振動を引き起こし、このすべり振動の振動状態を検出子24,26により検出する。

概要

背景

振動状態にある振動片がその振動の方向と直交する軸の回りに回転すると、その回転角速度により振動片にはコリオリの力が作用する。このコリオリの力は角速度に依存して定まることから、コリオリの力を振動片の撓み変位量等として間接的に、或いは圧電素子圧電効果により直接的に測定して、振動片の角速度を求めることができる。このため、振動する振動片を車両等に搭載して、車両旋回時に発生するヨーレイトを検出したり車両の走行軌跡を記録することが行なわれている。

このような振動子の一例として、特公表平4−504617には対となる振動片を音叉型に構成した振動子が、実開平1−81514にはH字型の振動子が提案されている。そして、これらの各振動子では、振動片は所定の軸、例えばx軸方向の横振動励振状態におかれており、当該横振動が起きているx−y平面と直交するz軸がヨーレイト軸とされている。従って、振動子の振動片がこのヨーレイト軸回りに回転すると、コリオリの力により振動片にはy軸方向の横振動が引き起こされ、この横振動の振動状態からヨーレイトの検出が行なわれている。

これら公報に提案された振動子では、コリオリの力の検出感度を向上させるために、次のように技術が提案されている。例えば、特公表平4−504617では、励振対象となる振動片についてのx軸方向の横振動の共振周波数と、検出対象となる振動片についてのy軸方向の横振動の共振周波数とが一致するよう質量調整することが提案されている。そして、この質量調整の一手法として、実開平1−81514には、各振動片に調整用ウェイトくびれ部を介して一体に設け、各振動片の共振周波数を測定しつつ各調整用ウェイトを溶融除去する技術が提案されている。なお、励振対象となる振動片と検出対象となる振動片との間で各方向の共振周波数を一致させることが必要なのは、次のような理由による。

x軸方向に横振動するよう励振されている振動片に角速度に起因するコリオリの力がy軸方向に加わると、この振動片の運動は単一方向(x軸方向)の横振動から回転運動に変化する。この際、振動片はその自由端が撓んだ状態で回転運動を起こす。この回転運動をx軸とこれに直交するy軸のベクトルに分解すると、当該回転運動はx軸方向の横振動である励振振動とy軸方向の横振動である検出振動に分けられる。そして、コリオリの力の検出感度を上げるためには、検出振動としての横振動の振幅を極力大きくして振動片の撓み変位量を大きくすることが効果的である。このため、コリオリの力による検出振動の振幅を最大の振幅とすべく、検出振動としての横振動の共振周波数を励振振動としての横振動の共振周波数に一致させればよいのである。

概要

振動子における励起振動の共振周波数と検出振動の共振周波数との調整の簡略化を図る。

ヨーレイトセンサ10は、振動子12を固定体14に固定・支持して備える。振動子12は、その中央に位置する振動片18と、振動片18両端の各端面に接着された励振子20,22と、この励振子に接着された検出子24,26とを備える。そして、励振子20,22により振動片18の左方振動片部18a,右方振動片部18bをx軸方向の定常的な縦振動の状態におく。この振動子12にz軸の回りの回転角速度が作用すると、y軸に沿ってコリオリの力を発生させる。従って、このコリオリの力によって、左方振動片部18a,右方振動片部18bに、縦振動とは異質の横振動たるy軸に沿ったすべり振動を引き起こし、このすべり振動の振動状態を検出子24,26により検出する。

目的

本発明は、上記問題点を解決するためになされ、振動子における励振振動の共振周波数と検出振動における共振周波数の調整作業の簡略化を図ることをその目的とする。また、周波数の調整を経た振動子を用いたヨーレイトセンサの検出感度の向上を図ることをも目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

一方向に縦振動が可能で、且つ該一方向と直交する他方向に横振動可能な振動片と、前記縦振動と横振動のうちいずれか一方向の振動励起振動として前記振動片に励起させる励振手段と、前記振動片における前記縦振動と前記横振動のうち前記励起振動とは異なる振動の振動状態を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする振動子

請求項2

請求項1記載の振動子を用いたヨーレイトセンサであって、前記一方向と前記他方向の両方向ともヨーレイト軸に直交するよう請求項1記載の振動子を配置して備え、前記振動片に前記縦振動を励起振動として励起させる励起手段と、前記振動片における前記横振動の振動状態を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された振動状態に基づいて、ヨーレイトを演算する演算手段とを備えたことを特徴とするヨーレイトセンサ。

技術分野

0001

本発明は、縦振動を起こし得る振動片を有する振動子とこれを用いたヨーレイトセンサに関する。

背景技術

0002

振動状態にある振動片がその振動の方向と直交する軸の回りに回転すると、その回転角速度により振動片にはコリオリの力が作用する。このコリオリの力は角速度に依存して定まることから、コリオリの力を振動片の撓み変位量等として間接的に、或いは圧電素子圧電効果により直接的に測定して、振動片の角速度を求めることができる。このため、振動する振動片を車両等に搭載して、車両旋回時に発生するヨーレイトを検出したり車両の走行軌跡を記録することが行なわれている。

0003

このような振動子の一例として、特公表平4−504617には対となる振動片を音叉型に構成した振動子が、実開平1−81514にはH字型の振動子が提案されている。そして、これらの各振動子では、振動片は所定の軸、例えばx軸方向の横振動励振状態におかれており、当該横振動が起きているx−y平面と直交するz軸がヨーレイト軸とされている。従って、振動子の振動片がこのヨーレイト軸回りに回転すると、コリオリの力により振動片にはy軸方向の横振動が引き起こされ、この横振動の振動状態からヨーレイトの検出が行なわれている。

0004

これら公報に提案された振動子では、コリオリの力の検出感度を向上させるために、次のように技術が提案されている。例えば、特公表平4−504617では、励振対象となる振動片についてのx軸方向の横振動の共振周波数と、検出対象となる振動片についてのy軸方向の横振動の共振周波数とが一致するよう質量調整することが提案されている。そして、この質量調整の一手法として、実開平1−81514には、各振動片に調整用ウェイトくびれ部を介して一体に設け、各振動片の共振周波数を測定しつつ各調整用ウェイトを溶融除去する技術が提案されている。なお、励振対象となる振動片と検出対象となる振動片との間で各方向の共振周波数を一致させることが必要なのは、次のような理由による。

0005

x軸方向に横振動するよう励振されている振動片に角速度に起因するコリオリの力がy軸方向に加わると、この振動片の運動は単一方向(x軸方向)の横振動から回転運動に変化する。この際、振動片はその自由端が撓んだ状態で回転運動を起こす。この回転運動をx軸とこれに直交するy軸のベクトルに分解すると、当該回転運動はx軸方向の横振動である励振振動とy軸方向の横振動である検出振動に分けられる。そして、コリオリの力の検出感度を上げるためには、検出振動としての横振動の振幅を極力大きくして振動片の撓み変位量を大きくすることが効果的である。このため、コリオリの力による検出振動の振幅を最大の振幅とすべく、検出振動としての横振動の共振周波数を励振振動としての横振動の共振周波数に一致させればよいのである。

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記したように質量調整する方法では、共振周波数の測定と特定箇所の溶融除去処理とを平行して行なわなければならない。また、溶融除去した質量を測定することができない。このため、その調整作業は煩雑であった。

0007

しかも、振動片を2個以上としたとき、一般に各振動片にはx軸方向の共振周波数fxi(添え字iは振動片を意味する)とy軸方向の共振周波数fyiが存在し、これらの4個以上の共振周波数が互いに関係し合う。このため、従来の技術では共振周波数の調整を行うと励振振動の共振周波数と検出振動の共振周波数とを独立に調整することが必要となり困難である。即ち、各振動片のx軸方向の共振周波数fxiとy軸方向の共振周波数fyi、これらの4個以上の共振周波数が互いに複雑に変化するため、共振周波数の調整は容易ではなく高度の熟練を要するという問題があった。

0008

本発明は、上記問題点を解決するためになされ、振動子における励振振動の共振周波数と検出振動における共振周波数の調整作業の簡略化を図ることをその目的とする。また、周波数の調整を経た振動子を用いたヨーレイトセンサの検出感度の向上を図ることをも目的とする。

課題を解決するための手段

0009

かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の振動子の採用した手段は、一方向に縦振動が可能で、且つ該一方向と直交する他方向に横振動可能な振動片と、前記縦振動と横振動のうちいずれか一方向の振動を励起振動として前記振動片に励起させる励振手段と、前記振動片における前記縦振動と前記横振動のうち前記励起振動とは異なる振動の振動状態を検出する検出手段とを備えたことをその要旨とする。

0010

また、請求項2記載のヨーレイトセンサの採用した手段は、前記一方向と前記他方向の両方向ともヨーレイト軸に直交するよう請求項1記載の振動子を配置して備え、前記振動片に前記縦振動を励起振動として励起させる励起手段と、前記振動片における前記横振動の振動状態を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された振動状態に基づいて、ヨーレイトを演算する演算手段とを備えたことをその要旨とする。

0011

上記構成を有する請求項1記載の振動子では、振動片の縦振動の共振周波数は、その振動が縦振動であるがために、この縦振動方向に沿った振動子全体としての長さに依存して定まる。そして、振動片の縦振動は、横振動とは異質の振動なので、この振動片が横振動する際の振動状態になんら影響を与えない。つまり、振動片の横振動は、この振動片の縦振動の影響を受けることがない。そして、振動片の横振動の共振周波数は、この横振動方向に沿った振動子全体としての幅に依存して定まる。

0012

従って、振動片についての縦振動の共振周波数と横振動の共振周波数とを一致或いは近似させる作業は、振動子全体としての縦振動方向に沿った長さと横振動方向に沿った幅の調整で済む。

0013

この請求項1記載の振動子にあっては、振動片に縦振動又は横振動のいずれかの振動を励起振動として励起する。そして、この振動片を定常的な縦振動又は横振動の状態におくので、振動子の回転に伴うコリオリの力の発生を可能とする。このため、このコリオリの力により、振動片に上記した励起振動に直交する方向の横振動又は縦振動を引き起こすことができる。

0014

ここで、共振周波数の調整作業の様子について、理想モデルを用いて説明する。振動片の縦振動は、まっすぐな一様断面(縦×横=a×b)の棒の縦振動に近似できる。そして、この棒の縦振動の共振周波数fxは、下記の式で表わされる。

0015

fx=(λ/2π・l)√(E/ρ) …

0016

ここで、λは境界条件と振動モードによって定まる無次元係数,Eは縦弾性係数,ρは密度,lは棒の長さである。この縦弾性係数Eおよび密度ρは振動片の材料を規定すれば自ずから定まる値であるので、式における変数は、lのみとなる。

0017

一方、振動片の横振動は、まっすぐな一様断面(縦×横=a×b)の梁の横振動に近似できる。そして、この梁の横振動の共振周波数fyは、下記の式で表わされる。

0018

fy=(λ2 /2π・l2 )√(E・I/A・ρ) …

0019

ここで、λは境界条件と振動モードによって定まる無次元の係数,Eは縦弾性係数,Iは断面二次モーメント,Aは断面積,ρは密度,lは梁の長さである。ここで、この横振動を起こす加振力が梁の横から加わったとすると、断面二次モーメントIは、a・b3 /12となり、断面積Aはa・bであることから式は式に変形できる。

0020

fy=(λ2 /2π・l2 )√(E・(a・b3 /12)/(a・b)・ρ)
=(λ2 /2π・l2 )√(E・b2 /12・ρ)
=(λ2 ・b/2π・l2 )√(E/12・ρ) …

0021

この式にあっても、縦弾性係数Eおよび密度ρは振動片の材料を規定すれば自ずから定まる値であるので、式における変数は、bとlである。

0022

従って、まずlを定めて、式から振動片の縦振動の共振周波数fxを規定し、その後、振動片の横方向の幅bを調整すれば横振動の共振周波数fyのみを独立に変化させ、fx=fyとすることができる。よって、コリオリの力が作用して振動片に横振動又は縦振動のいずれかの振動が引き起こされると、振動片はコリオリの力による振動と共振して大きな振幅で横振動又は縦振動まを起こす。このため、横振動又は縦振動による振動片の撓み変位量を大きくすることができる。そして、この引き起こされた横振動又は縦振動の振動状態を検出子で検出することで、コリオリの力の検出感度を上げることが可能となる。

0023

この場合、振動片の横方向の幅bの調整は、切削研磨等の適宜な機械加工を行なったり、蒸着スパッタリングCVD等の薄膜形成処理を施すことで行なうことができる。そして、調整の良・不良は、振動片の横方向の幅を測定することで確認できる。

0024

なお、振動子を構成する振動片については、縦振動を起こし得るものであれば材質的な制約を特に受けない。例えば、ステンレス,鉄ニッケル系合金恒弾性体合金などの種々の金属のほか、水晶PZTなどの誘電体シリコンなどの半導体、および粉末燒結体結晶体セラミックス等を用いて、振動片を形成することができる。

0025

また、振動片を振動(縦振動又は横振動のいずれかの振動)させる励振手段については、振動片の材質等を考慮して適宜な構成を選択すればよい。例えば、振動片が金属、水晶,半導体等の結晶体、ガラスセラミック等を用いて形成されていれば、ピエゾ素子(PZT)等の圧電素子を用い、当該素子逆圧電効果により振動片を振動させればよい。また、振動片が水晶,半導体等の結晶体やセラミック等の圧電効果を有する材料を用いて形成されていれば、電極を用いて当該振動片自体の逆圧電効果により振動片を振動させればよい。一方、振動片に引き起こされた振動の振動状態を検出する検出手段については、ピエゾ素子(PZT)等の圧電素子や電極を介した圧電効果や、誘導磁力や容量電荷の変化により検出する構成を採ることができる。

0026

請求項2記載のヨーレイトセンサでは、請求項1記載の振動子を配置するに当たり、振動片の縦振動の振動方向および横振動の振動方向とヨーレイト軸とが直交するようにした。そして、励振手段により振動片を定常的な縦振動の状態におく。このため、この振動片がヨーレイト軸回りに回転すると、コリオリの力が発生するので、振動片にはこのコリオリの力により横振動が引き起こされる。この引き起こされた横振動の振動状態は振動子の検出手段で検出され、その検出信号に基づいて、請求項2記載のヨーレイトセンサは、演算手段によりヨーレイトを演算する。ところで、振動片の横振動の共振周波数fyは縦振動の共振周波数fxと一致していることから、コリオリの力により引き起こされた横振動を振動片が起こす際には、振動片は共振により大きな振幅で横振動してその撓み変位量は大きくなる。よって、コリオリの力、延いてはヨーレイトを感度良く検出できる。

0027

次に、本発明に係るヨーレイトセンサの好適な実施例について、図面に基づき説明する。図1は、実施例のヨーレイトセンサ10の概略斜視図である。図示するように、ヨーレイトセンサ10は、振動子12を一対の固定体14に固定・支持して備える。振動子12は、その中央に位置し固定体14に支持体16で支持された振動片18と、振動片18両端の各端面に接着された励振子20,22と、この励振子に接着された検出子24,26とを備える。

0028

振動片18は、鉄−ニッケルクロム合金であるいわゆるエランバー材の板材から形成されており、恒弾性を有する。そして、この振動片18を支持体16と溶接することで、或いは固定体14,支持体16および振動片18を一体に形成することで、振動子12は、固定体14に支持体16により固定・支持される。

0029

励振子20,22は、圧電素子であるピエゾ素子であり、交流電圧印加を後述の励振回路30から受けて伸縮し、図示する3次元直交座標軸におけるx軸方向に沿った縦振動を起こす。そして、励振子20,22は、図中の白抜き矢印で示すように、振動片18をこの縦振動で励振する。なお、励振子20,22による振動片18の励振の様子については、後述する。

0030

検出子24,26は、同じく圧電素子であるピエゾ素子であり、その伸縮に応じた交流電圧の電気信号を生じる。即ち、振動子12の平面図である図2に示すように、検出子24,26は、振動片18をy軸に沿って分割した際の左方振動片部18a,右方振動片部18bがy軸方向に沿って横振動すると、その振動に伴って伸縮する。そして、この検出子24,26は、各検出子の伸縮の程度である左方振動片部18a,右方振動片部18bのy軸方向の横振動の振幅に応じた交流電圧の電気信号を、圧電効果により生じる。検出子24,26から得られる交流電圧の電気信号は、それぞれ後述の検出バランス調整回路38に出力される。

0031

次に、このヨーレイトセンサ10の回路構成について説明する。振動子12における励振子20,22のそれぞれは励振回路30に、検出子24,26のそれぞれは検出側回路37に接続されている。

0032

検出側回路37は、振動子12の検出子24,26からその圧電効果により生じる電気信号(交流電圧)の位相の調整を行なう検出バランス調整回路38と、検出バランス調整回路38により調整された電気信号の出力レベル増幅する増幅回路40と、交流電圧である電気信号の負の部分を反転して正電圧とし、整流作用をはたす同期検波回路42と、正電圧化された電気信号を整流電圧の電気信号とする積分回路44と、整流電圧の電気信号の出力レベルを増幅する増幅出力回路46とから構成される。

0033

励振回路30からは、励振子20と励振子22とに、左方振動片部18a,右方振動片部18bのx軸方向の縦振動の共振周波数fxと一致する周波数の交流電圧が180度位相をずらして印加される。よって、励振子20と励振子22とは、励振子20が−x方向に伸びるときには励振子22は+x方向に伸びるよう、また、励振子20が+x方向に縮むときには励振子22は−x方向に縮むよう、x軸方向に沿って逆圧電効果により電圧に応じた伸縮を逆向きに起こす。この結果、振動片18の左方振動片部18a,右方振動片部18bは、共振周波数fxの周波数でx軸方向に縦振動し、両振動片部の縦振動の向きは逆となる。

0034

この縦振動は、振動子12が振動片18の中央で固定体14に固定支持されていることから断面一様の棒の縦振動に近似できる。つまり、左方振動片部18a,右方振動片部18bは、振動片18の中央を振動の節とし、且つ振動子12全体としてのx軸方向長さlx(図2参照)を1/2波長とする縦振動を起こす。そして、この際の共振周波数fxは、弾性係数等の定数を除くと、振動子12全体としてのx軸方向長さlx(図2参照)で規定される。

0035

このように、振動片18の左方振動片部18a,右方振動片部18bがx軸方向の縦振動を継続しているときに、ヨーレイトセンサ10にx−y平面に直交するz軸の回りに回転角速度ωが作用すると、左方振動片部18a,右方振動片部18bは以下の数式で表わされるコリオリの力Fをy軸に沿って受ける。つまり、このヨーレイトセンサ10では、図1に示したz軸がヨーレイト軸とされている。

0036

F=2mV・ω

0037

ここで、mは左方振動片部18a,右方振動片部18bの質量、Vはそれぞれの振動片部の回転速度である。

0038

このため、左方振動片部18a,右方振動片部18bは、図2中に二点鎖線で示すように、このコリオリの力Fによりy軸に沿った横振動たるすべり振動を起こす。しかも、左右の振動片部では縦振動の振動の向きが逆であることから、すべり振動の振動の向きも逆となる。

0039

このすべり振動は、振動子12が振動片18の中央で固定体14に固定支持されていることから断面一様の梁の縦振動に近似できる。つまり、左方振動片部18a,右方振動片部18bは、振動子12全体としてのy軸方向幅wy(図2参照)と振動子12の厚みt(図1参照)と弾性係数等の定数とで規定される共振周波数fyで逆向きにすべり振動する。なお、この厚みtを所定の値に定めらば、このすべり振動の共振周波数fyは、振動子12全体としてのy軸方向幅wyで規定される。

0040

このように左方振動片部18a,右方振動片部18bがコリオリの力Fを受けてy軸に沿ってすべり振動(横振動)すると、検出子24,26は、この振動に伴って伸縮し、各素子の圧電効果により各素子の伸縮に応じた電圧の電気信号を生じる。この電気信号は、各素子の伸縮を反映したものであるので、交流の電気信号であるとともに、伸縮が大きくなれば大きな出力レベルの電気信号となる。この際、検出子24,26はその伸び或いは縮みの向きが互いに逆となるよう伸縮する。このため、検出子24,26の生じる電気信号は、図3に示すように、位相が180度異なる交流電圧となる。

0041

左右の振動片部の検出子24,26から得られた電気信号は、検出バランス調整回路38に入力され、この検出バランス調整回路38では、各検出子からの電気信号の位相が揃えられる。増幅回路40では、電気信号の出力レベルが増幅される。同期検波回路42では、交流電圧である電気信号が励振回路30の参照信号と同期して検波され正電圧の電気信号とされる。積分回路44では、正電圧化された電気信号は整流電圧の電気信号となる。整流電圧の電気信号は、増幅出力回路46により増幅されて出力される。つまり、コリオリの力Fによる振動片18のy軸に沿ったすべり振動の振動状態を反映した電気信号が、検出側回路37の検出バランス調整回路38等を経てリニア出力信号として得られる。この出力信号は、ヨーレイトセンサ10がz軸回りに回転した際の回転角速度ωの方向とその大きさを表わすヨーレイト信号となる。このため、ヨーレイトセンサ10を車両に搭載すれば、車両の旋回方向とその単位時間当たりの大きさを検出することができる。

0042

ところで、本実施例のヨーレイトセンサ10では、振動子12の形成に当たり、次のようにした。つまり、まず、振動片18に用いたエランバー材や励振子20,検出子24等の弾性係数等の定数と、振動子12全体としてのx軸方向長さlxとに基づいて、左方振動片部18a,右方振動片部18bが縦振動する際の共振周波数fxを求めた。続いて、振動子12全体としてのy軸方向幅wyを切削等の方法により調整してすべり振動(横振動)の共振周波数fyのみを独立に変化させ、fx=fyとした。このようにすべり振動の共振周波数fyのみを独立に変化できるのは、左方振動片部18a,右方振動片部18bの振動が縦振動と横振動の異質の振動であることによる。

0043

以上説明したように、本実施例のヨーレイトセンサ10では、左方振動片部18a,右方振動片部18bに振動を励起してこれら振動片部を定常的な振動状態に置く際の励起振動を縦振動とし、コリオリの力が作用して引き起こされる検出振動を、この縦振動とは異質な振動であるすべり振動(横振動)とした。しかも、本実施例のヨーレイトセンサ10では、エランバー材からなる振動片18や圧電素子である励振子20,検出子24等を有する振動子12について、その全体としてのx軸方向長さlxやy軸方向幅wyの寸法をその設計段階で規定して振動子12を形成し、その後y軸方向幅wyを調整するだけで、この縦振動の共振周波数fxと横振動の共振周波数fyを一致させることができる。この場合、蒸着,スパッタリング,CVD等の薄膜形成処理を施すことにより、y軸方向幅wyや厚みtを容易に調整することもできる。

0044

よって、本実施例のヨーレイトセンサ10によれば、振動子12における励起振動たる振動片18の縦振動の共振周波数fxと検出振動たるすべり振動(横振動)の共振周波数fyの調整するに当たり、測定が容易なy軸方向幅wyの調整を必要とするに過ぎない。この結果、本実施例のヨーレイトセンサ10によれば、励起振動の共振周波数と検出振動の共振周波数の調整作業を簡略化することができる。

0045

この場合、設計段階で定めたx軸方向長さlxやy軸方向幅wy通りに振動子12の形成しただけでも、縦振動の共振周波数fxとすべり振動(横振動)の共振周波数fyとは、ある程度一致している。よって、y軸方向幅wyを僅かに調整するだけでよく、場合によっては、その調整をも必要としない。

0046

また、本実施例のヨーレイトセンサ10では、振動子12における励起振動たる振動片18の縦振動の共振周波数fxと検出振動たるすべり振動(横振動)の共振周波数fyとを一致させた。このため、振動片18がすべり振動を起こす際に振動の共振現象をもたらして、すべり振動の振幅を大きくし振動片の撓み変位量を大きくすることができる。よって、本実施例のヨーレイトセンサ10によれば、ヨーレイトの検出感度を向上することができる。

0047

また、本実施例のヨーレイトセンサ10では、振動片18の左方振動片部18a,右方振動片部18bにおける縦振動の振動の向きを逆にして、コリオリの力によりこの左右の振動片部に引き起こされるすべり振動の振動の向きも逆とした。このため、ヨーレイトセンサ10では、z軸回りの回転に基づかない外乱、例えばこのヨーレイトセンサ10を搭載した車両に路面勾配等により作用する横加速度等の外乱を、図3中に点線で示すように、左方振動片部18aと右方振動片部18bとで検出子24,26の電気信号に逆向きに重畳させる。よって、本実施例のヨーレイトセンサ10によれば、これら外乱を相殺して、ヨーレイトの検出感度をより向上させることができる。

0048

次に、本発明にかかる他の実施例(第2実施例)について説明する。この第2実施例では、上記したヨーレイトセンサ10と振動子の支持の様子と、検出振動の検出子の設置位置が異なる。なお、以下の説明に当たっては、ヨーレイトセンサ10と同一の構成部材については同一の符号を用いてその説明を省略することとする。

0049

第2実施例のヨーレイトセンサ50は、その概略斜視図である図4に示すように、振動子52をその上下で一対の固定体54に固定・支持して備える。この振動子52は、その中央に位置し固定体54に支持体56で支持された振動片58と、振動片58両端の各端面に接着された励振子20,22と、振動片58の上下面にそれぞれ接着された検出子54a,54bおよび検出子57a,57bとを備える。そして、このヨーレイトセンサ50では、励振子20,22により振動片58をx軸方向の縦振動で励振し、振動片58の上下面と平行でx軸と直交するz軸をヨーレイト軸とする。

0050

なお、励振子20,22による振動片58の励振の様子は、ヨーレイトセンサ10と同一である。また、検出子54a,54bおよび検出子57a,57bは、圧電素子であるピエゾ素子であり、その伸縮に応じた交流電圧の電気信号を生じる点でヨーレイトセンサ10と変わることはない。

0051

従って、第2実施例のヨーレイトセンサ50では、支持体56を挟んだ左右の左方振動片部58a,右方振動片部58bをx軸方向の縦振動の振動状態におき、z軸の回りに回転角速度ωが作用すると、左方振動片部58a,右方振動片部58bに、側面図である図5に示すように、y軸方向に沿った横振動を引き起こす。そして、この横振動を検出子54a,54bおよび検出子57a,57bにより検出し、ヨーレイトを求める。

0052

その一方で、この第2実施例のヨーレイトセンサ50にあっても、振動片58が縦振動する際の共振周波数fxと横振動の共振周波数fyとは、振動子52全体としてのx軸方向長さlxと振動子52のy軸方向厚みtyとによりを調整されている。なお、図における振動子12のx軸方向長さlxやy軸方向厚みtyは誇張されており、これらの比は実際の寸法比を反映したものではない。

0053

つまり、第2実施例のヨーレイトセンサ50では、振動子52全体としてのx軸方向長さlxと振動子52のy軸方向厚みtyの寸法をその設計段階で規定して振動子52を形成し、縦振動の共振周波数fxを規定する。その後、振動子52のy軸方向厚みtyを調整すれば横振動の共振周波数fyを独立に変更できるので、縦振動の共振周波数fxと横振動の共振周波数fyを一致させることができる。

0054

よって、本実施例のヨーレイトセンサ50によれば、振動子52における励起振動たる振動片58の縦振動の共振周波数fxと検出振動たる横振動の共振周波数fyを調整するに当たり、測定が容易なy軸方向厚みtyの調整を必要とするに過ぎない。この結果、本実施例のヨーレイトセンサ50によっても、励起振動の共振周波数と検出振動の共振周波数の調整作業を簡略化することができる。

0055

また、本実施例のヨーレイトセンサ50にあっても、共振周波数の一致化を通して振動片58が横振動を起こす際に振動の共振現象をもたらし、ヨーレイトの検出感度を向上することができる。

0056

以上本発明の一実施例について説明したが、本発明はこの様な実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。

0057

例えば、本実施例では、振動片に縦振動を励起させ横振動を検出するようにしたが、これに限るわけではない。つまり、振動片に横振動(すべり振動)を励起させ縦振動を検出するよう構成することもできる。

0058

また、本実施例では、ヨーレイトセンサ10をエランバー材なる軽合金を用いたが、これに限るわけではない。つまり、ヨーレイトセンサ10の振動子12における振動片18を単結晶体である水晶の板材(水晶基板)をエッチングして形成することもできる。この場合には、水晶自体が圧電効果を有するので、x軸方向に定常的に縦振動させる電極と、横振動を検出するための電極とを、適宜なパターンで形成すればよい。

0059

また、第1実施例のヨーレイトセンサ10において、振動片18に引き起こされた横振動を検出する検出子を、図1に示すように、振動片18の側面19a,19bに設けることもできる。更に、ヨーレイトセンサ10,ヨーレイトセンサ50において、振動片18又は振動片58を左右の振動片部を有するものとしたが、一方の振動片部からなるよう振動片を構成することもできる。

発明の効果

0060

以上詳述したように請求項1記載の振動子では、振動子の振動片を励振手段により定常的な縦振動の状態におき、この縦振動とは異質な振動である横振動を検出信号して検出手段により検出する。或いは、振動片を定常的な横振動の状態におき、この横振動とは異質な振動である縦振動を検出振動して検出することとした。そして、縦振動方向に沿った振動子全体としての長さに依存する縦振動の共振周波数と、横振動方向に沿った振動子全体としての幅に依存して定まる横振動の共振周波数とを、振動子全体としての長さと振動子全体としての幅とを調整することで一致させることができる。この結果、請求項1記載の振動子によれば、溶融除去等による煩雑な質量調整を要しないので、励起振動の共振周波数と検出振動の共振周波数の調整作業を簡略化することができる。

0061

請求項2記載のヨーレイトセンサでは、振動片の縦振動の振動方向および横振動の振動方向とヨーレイト軸とが直交するようにして、振動子の回転に伴うコリオリの力の発生を可能とする。そして、このコリオリの力により、振動片に横振動を引き起こすことができる。このため、請求項1記載の振動子が励起振動たる縦振動の共振周波数と検出振動たる横振動の共振周波数の調整済みであることから、請求項2記載のヨーレイトセンサでは、振動片に横振動が引き起こされた際に縦振動との共振を可能として大きな振幅で横振動させることができる。この結果、請求項2記載のヨーレイトセンサによれば、横振動による振動片の撓み変位量の増大を通してヨーレイトの検出感度の向上を図ることができる。

図面の簡単な説明

0062

図1本発明にかかる第1実施例のヨーレイトセンサ10の概略構成図。
図2ヨーレイトセンサ10における振動子12の平面図。
図3ヨーレイトセンサ10から得られる出力の様子を説明する説明図。
図4第2実施例のヨーレイトセンサ50の要部の概略構成図。
図5ヨーレイトセンサ50における振動子52の側面図。

--

0063

10…ヨーレイトセンサ
12…振動子
14…固定体
18…振動片
18a…左方振動片部
18b…右方振動片部
20,22…励振子
24,26…検出子
30…励振回路
37…検出側回路
38…検出バランス調整回路
40…増幅回路
42…同期検波回路
44…積分回路
46…増幅出力回路
50…ヨーレイトセンサ
52…振動子
54…固定体
54a,54b…励振子
57a,57b…検出子
58…振動片
58a…左方振動片部
88b…右方振動片部

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