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技術 管内作業装置

出願人 四電エンジニアリング株式会社神戸メカトロニクス株式会社
発明者 徳永裕岡田優生白上望北村幹夫苔口丞
出願日 1995年3月15日 (26年1ヶ月経過) 出願番号 1995-055700
公開日 1996年4月9日 (25年1ヶ月経過) 公開番号 1996-091210
状態 特許登録済
技術分野 流し・廃水用設備 高架鉄道・ロープ鉄道 他の鉄道方式
主要キーワード 作業機材 円周距離 管内中心 縮小変位 幅方向軸線 延出状態 異物除去作業 自己復元性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年4月9日)のものです。
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図面 (15)

目的

直進性自己復元性に優れ安定した管内走行を実現するとともに、作業機材による点検精度の向上を図る。

構成

走行台車1を走行方向の一方側に位置する第1台車2と他方側に位置する第2台車3との分割構成とするとともに、該各台車2,3を連結部材4により連結し、該連結部材4の軸心回り相対回動自在とする一方、上記第1台車2と第2台車3には、共に、テーパー状の転動面11a,21aをもつ左右一対車輪11,11,21,21をその大径側を対向させた状態で管体Pの弦方向に延びる軸線上に配置し、且つ第1台車2と第2台車3の各一対の車輪11,11,21,21がそれぞれ管体Pの内周面接地した状態においては上記連結部材4の軸心が上記管体Pの管中心軸L0に略合致する如くし、さらに、上記各台車2,3の少なくともいずれか一方にはステアリング機構Xを備えるとともに、上記連結部材4にはその軸心回りに回転可能に作業機材7を装着する。

概要

背景

例えば、原子力発電所においては、炉心冷却用等に多量の冷却水(通常は海水)を必要とし、このための導水管多数設置されている。かかる導水管等の管体は、通常、鋼管製の管体の内周面塗装あるいはライニングにより被覆層を形成しており、長期の使用中においては定期的にこの被覆層の状態を点検し、例えばピンホール等の欠陥を早期に且つ確実に検知し且つ補修等の所定の措置を講ずることが不可欠となる。

かかる管体内部の作業装置としては、作業上の安全性あるいは作業性という点から、該管体内を自走する自走台車所要作業機材装備し、該自走台車を管外から遠隔操作によって操作制御し得るようにすることが望ましい。かかる管体内を走行する装置としては、導水管ではなくダクト内部点検を行う作業装置ではあるが、例えば特開平6−47361号公報に開示される如き自走式装置が知られている。この従来公知の装置は、一体構成走行台車の左右両側にそれぞれ前後方向に所定間隔をもって設けたベルト車間に丸ベルトを装着し、該丸ベルトをダクトの内周面に接地させた状態でこれを走行駆動することで走行台車がダクトの軸方向に走行できるように構成されている。

概要

直進性自己復元性に優れ安定した管内走行を実現するとともに、作業機材による点検精度の向上を図る。

走行台車1を走行方向の一方側に位置する第1台車2と他方側に位置する第2台車3との分割構成とするとともに、該各台車2,3を連結部材4により連結し、該連結部材4の軸心回り相対回動自在とする一方、上記第1台車2と第2台車3には、共に、テーパー状の転動面11a,21aをもつ左右一対車輪11,11,21,21をその大径側を対向させた状態で管体Pの弦方向に延びる軸線上に配置し、且つ第1台車2と第2台車3の各一対の車輪11,11,21,21がそれぞれ管体Pの内周面に接地した状態においては上記連結部材4の軸心が上記管体Pの管中心軸L0に略合致する如くし、さらに、上記各台車2,3の少なくともいずれか一方にはステアリング機構Xを備えるとともに、上記連結部材4にはその軸心回りに回転可能に作業機材7を装着する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

円形断面をもつ管体の内部をその管中心軸方向に向けて走行する走行台車に、該管体の内部において所要の作業を行う作業機材を設けてなる管内作業装置であって、上記走行台車は、その走行方向の一方側に位置する第1台車と他方側に位置する第2台車とを、これらの間に配置された連結部材により該連結部材の軸心回り相対回動自在に連結して構成されるとともに、上記第1台車と第2台車には、共に、テーパー状の転動面をもつ左右一対車輪がその大径側を対向させた状態で上記管体の弦方向に延びる軸線上に配置され、且つ第1台車と第2台車の各一対の車輪がそれぞれ管体の内周面接地した状態においては上記連結部材の軸心が上記管体の管中心軸に略合致せしめられ、さらに上記第1台車と第2台車の少なくともいずれか一方にはステアリング機構が備えられるとともに、上記連結部材には、該連結部材の軸心回りに回転駆動される回転部材に対してその径方向外方延出状態で設けられた作業機材支持機構を介して上記作業機材が装着されていることを特徴とする管内作業装置。

請求項2

請求項1において、上記作業機材支持機構が、上記管体の管中心軸を通る平面の面方向に沿って揺動可能なる如くその一端が上記回転部材に連結されるとともに該回転部材との間に配置した第1の付勢手段により揺動方向に弾性支持された第1アームと、その一端が上記第1アームの他端に対して該第1アームの揺動面に直交する方向に揺動可能に連結されるとともに上記第1アームとの間に配置した第2の付勢手段により該第1アームに対して常時所定の相対位置を維持する如くその揺動方向に付勢された第2アームと、上記管中心軸に平行な平面の面方向に沿って揺動可能なる如く上記第2アームの他端に連結されるとともに該第2アームとの間に跨がって配置した第3の付勢部材により該第2アームに対して常時所定の相対位置を維持する如くその揺動方向に付勢された揺動基台とを備えて構成される一方、上記作業機材が、上記作業機材支持機構の上記揺動基台に対して該揺動基台の揺動面と略平行な面に沿って揺動可能に連結されるとともに該揺動基台に対して常時一定の姿勢を維持する如く第4の付勢手段によりその揺動方向に付勢されていることを特徴とする管内作業装置。

技術分野

0001

本願発明は、例えば導水管等の円形断面をもつ管体の内部において点検作業等の種々の管内作業を行うための管内作業装置に関するものである。

背景技術

0002

例えば、原子力発電所においては、炉心冷却用等に多量の冷却水(通常は海水)を必要とし、このための導水管が多数設置されている。かかる導水管等の管体は、通常、鋼管製の管体の内周面塗装あるいはライニングにより被覆層を形成しており、長期の使用中においては定期的にこの被覆層の状態を点検し、例えばピンホール等の欠陥を早期に且つ確実に検知し且つ補修等の所定の措置を講ずることが不可欠となる。

0003

かかる管体内部の作業装置としては、作業上の安全性あるいは作業性という点から、該管体内を自走する自走台車所要作業機材装備し、該自走台車を管外から遠隔操作によって操作制御し得るようにすることが望ましい。かかる管体内を走行する装置としては、導水管ではなくダクト内部点検を行う作業装置ではあるが、例えば特開平6−47361号公報に開示される如き自走式装置が知られている。この従来公知の装置は、一体構成走行台車の左右両側にそれぞれ前後方向に所定間隔をもって設けたベルト車間に丸ベルトを装着し、該丸ベルトをダクトの内周面に接地させた状態でこれを走行駆動することで走行台車がダクトの軸方向に走行できるように構成されている。

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、かかる走行台車を使用した管内作業装置にあっては、管内の長い距離を走行台車が遠隔操作により走行するものであるため、該走行台車の直進性が確保されることが必要である。即ち、直進性が損なわれるということは、走行台車が管内中心を通る鉛直線から次第に左右方向へ移動して傾くということであって、極端な場合には走行台車の横転に至ることが考えられるからである。従って、走行台車には、その直進性が確保されることと、何らかの原因で走行台車が左右方向にズレた場合にはこれを迅速に復元させる自己復元作用が確保されることとが必要である。

0005

この場合、先ず、自己復元作用については、上掲公知例のものにおいても走行台車が鉛直線から左右方向へズレた場合には、走行台車の傾斜に伴って左右両輪(この公知例の場合には丸ベルト)の接地部にそれぞれ作用する自重による管内面の接線方向における分力の大きさの相違により自己復元作用が働く。

0006

ところが、この公知例の場合には、走行台車が一体構成であってその前後左右の四箇所に車輪がついたものと同じ状態となっている。このため、走行台車全体が管中心線に対して左右いずれか一方側へズレているような場合には走行台車の一端側と他端側とにおける復元作用の方向が同方向であるため迅速な復元が可能であるが、例えば走行台車の一端側と他端側とが管中心線を挟んでその両側へ別々にズレているような場合(即ち、走行台車の前後方向の軸線と管中心線とが交差している状態)には一端側と他端側とにおいて復元作用の方向が逆方向であるためお互いに影響し合って迅速な復元ができないということも考えられる。

0007

一方、上掲公知例のものにおいては左右一対の丸ベルトが管体の弦方向に延びる軸線回りに回転し、且つ該丸ベルトは管内周面と面接触するものの、その面接触は丸ベルトの撓みによるものであり、接触部における大径側と小径側との間での走行距離差に基づく走行抵抗は該丸ベルトの撓みによってほとんど吸収される。従って、いわゆる「車輪のトー角」による直進性の向上効果が弱く、走行台車が左右方向へズレ易いという問題もある。

0008

さらに、走行台車に所要の作業機材を装備するが、作業精度という点からすれば、この作業機材の管内における位置は走行台車の状態の如何にかかわらず常時一定に保持されることが望ましい。ところが、上掲公知例においては、作業機材が管中心に配置されていないことから、走行台車が左右方向にズレた場合にはそれに伴って作業機材の管中心に対する相対位置がズレ、点検精度が変動することにもなる。特に、作業機材がその機能達成上、管内周面に対してその全周で所定間隔を維持しあるいは所定の接触状態を維持しながら移動する必要のあるような場合には、特に問題となるものである。

0009

そこで本願発明は、直進性と自己復元性に優れ安定した管内走行を実現するとともに、作業機材による作業精度の向上を図るようにした管内作業装置を提供せんとしてなされたものである。

課題を解決するための手段

0010

本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。

0011

本願の第1の発明では、円形断面をもつ管体の内部をその管中心軸方向に向けて走行する走行台車に、該管体の内部において所要の作業を行う作業機材を設けてなる管内作業装置において、上記走行台車を、その走行方向の一方側に位置する第1台車と他方側に位置する第2台車とをこれらの間に配置された連結部材により該連結部材の軸心回り相対回動自在に連結して構成するとともに、上記第1台車と第2台車には、共に、テーパー状の転動面をもつ左右一対の車輪をその大径側を対向させた状態で上記管体の弦方向に延びる軸線上に配置し、且つ第1台車と第2台車の各一対の車輪がそれぞれ管体の内周面に接地した状態においては上記連結部材の軸心を上記管体の管中心軸に略合致せしめ、さらに上記第1台車と第2台車の少なくともいずれか一方にステアリング機構を備えるとともに、上記連結部材には、該連結部材の軸心回りに回転駆動される回転部材に対してその径方向外方延出状態で設けられた作業機材支持機構を介して上記作業機材を装着したことを特徴としている。

0012

本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる管内点検装置において、上記作業機材支持機構を、上記管体の管中心軸を通る平面の面方向に沿って揺動可能なる如くその一端が上記回転部材に連結されるとともに該回転部材との間に配置した第1の付勢手段により揺動方向に弾性支持された第1アームと、その一端が上記第1アームの他端に対して該第1アームの揺動面に直交する方向に揺動可能に連結されるとともに上記第1アームとの間に配置した第2の付勢手段により該第1アームに対して常時所定の相対位置を維持する如くその揺動方向に付勢された第2アームと、上記管中心軸に平行な平面の面方向に沿って揺動可能なる如く上記第2アームの他端に連結されるとともに該第2アームとの間に跨がって配置した第3の付勢部材により該第2アームに対して常時所定の相対位置を維持する如くその揺動方向に付勢された揺動基台とを備えて構成する一方、上記作業機材を、上記作業機材支持機構の上記揺動基台に対して該揺動基台の揺動面と略平行な面に沿って揺動可能に連結されるとともに該揺動基台に対して常時一定の姿勢を維持する如く第4の付勢手段によりその揺動方向に付勢したことを特徴としている。

0013

本願発明ではかかる構成とすることにより次のような作用・効果が得られる。

0014

本願の第1の発明にかかる管内作業装置によれば、走行台車は、その各台車の車輪をそれぞれ管体の内面に当接させた状態で該管体内に載置され、連結部材に設けた作業機材を回転させながら管体の管中心軸方向に向けて走行せしめられる。

0015

この場合、管体の直状部分の走行時には、第1台車と第2台車にそれぞれ設けた左右一対の車輪が、テーパー状の転動面をもち且つその大径側を対向させた状態で上記管体の弦方向に延びる軸線上に配置されていることから、各車輪はその転動面の大径側と小径側との円周距離の差によって共に外側(小径側)へ曲がるような力を受けながら走行することから、所謂トー角が与えられたと同じ状態となり、走行台車の各台車は強い直進性を生じることとなる。

0016

さらに、走行台車は、各台車の幅方向中心が管体の中心を通る鉛直線上に位置した状態において最も安定した走行状態となるが、当初はかかる安定走行状態にあったとしても走行開始後においては、管内の状態(例えば、内周面の凹凸)等の原因により左右方向へズレることが考えられる。この場合、走行台車等の走行部分全体の自重による管断面の接線方向の分力が左右両車輪において異なることで安定走行状態への復元力が発生し、走行台車は次第に安定走行状態に復帰せしめられる。また、この安定走行状態への復帰時においては、走行台車の第1台車と第2台車とが連結部材を介して相対回動可能とされていることから、これら各台車が共に同方向にズレを生じている場合は勿論のこと、これらが逆方向へズレを生じている場合においても各台車それぞれの安定走行状態への復元作用が他方側の復元作用により阻害されるということはなく、各台車はそれぞれ独立した復元作用によって迅速に安定走行状態に復帰せしめられることとなる。

0017

また、走行台車が一体型とされ且つその前後左右にそれぞれ車輪が配置されているような場合には、走行台車の両端が相互に逆方向へズレたような場合には、走行台車そのものに捩り力が作用するとともに、場合によっては全四輪のうち、対角位置の二輪が管体内面から浮き上がって不安定な状態となり、走行性も阻害されることになる。ところが、本願発明においては、上述のように走行台車の各台車が相対回転可能とされているため、例え各台車が逆方向へズレた場合においても該各台車の車輪は確実に管体内面に接触し、該走行台車の姿勢が安定するとともに走行性も良好状態に維持されることになる。

0018

かかる安定走行状態への迅速な復元作用と上記した高い直進性及び各車輪の安定した接地走行との相乗作用によって、直状部分における安定した走行が実現されるものである。

0019

一方、管体のコーナ部分の走行時には、第1台車と第2台車の少なくともいずれか一方にステアリング機構が備えられているため、該ステアリング機構により操舵操作を行うことで、各台車の左右方向へのズレを可及的に抑えた状態でコーナ走行が実現されるものである。

0020

さらに、走行台車の第1台車と第2台車とを相対回転可能に連結する連結部材に、該連結部材の軸心回りに回転可能に作業機材を装着しており、しかも上記連結部材の軸心が管体の管中心軸に合致せしめられていることから、例え各台車がいかなる方向へズレた場合であっても上記作業機材の回転中心は常時管体の管中心軸に合致していることから、該作業機材と管体の内面との相対距離が常時適正に保持されることとなり、特に該作業機材と管体内面との間隔が適正に維持されることが機能上要求されるような場合には、作業精度の向上という点において顕著な効果を奏することになる。

0021

本願の第2の発明にかかる管内作業装置によれば、上記に記載の作用効果が得られることは勿論のこと、これに加えて次のような特有の作用効果も得られるものである。

0022

即ち、この第2の発明にかかる管内作業装置においては、作業機材支持機構を、上記回転部材に連結され且つ第1の付勢手段により該回転部材に対して常時一定の姿勢を維持する如く付勢された第1アームと、該第1アームの他端に揺動可能に連結され且つ第2付勢手段により上記第1アームに対して常時一定の姿勢を維持する如く付勢された第2アームと、該第2アームの他端に連結され且つ第3の付勢手段により一定の姿勢を維持する如く付勢された揺動基台とで構成するとともに、作業機材を上記作業機材支持機構の上記揺動基台に揺動可能に連結し且つ第4の付勢手段により該揺動基台に対して常時一定の姿勢を維持する如く付勢しているので、例えば上記作業機材を管体内周面から所定の間隔をもたせた状態で該内周面に沿って回転させて所定の管内作業を行うような場合には、上記第1〜第4の付勢手段の初期状態作業条件に合わせて適宜に設定しておくことで、上記第1アームと第2アームと揺動基台及び作業機材相互間の相対関係が常時維持され、適正状態での作業が実現されるとともに、例えば管体内周面に局部的な突起物等が存在しているような場合には上記各付勢手段が適度に弾性変形して上記各部材の変位許容することで該突起物に対して上記作業機材が過度に接触するというような事態が確実に回避されるものである。

0023

また一方、上記作業機材を管体内周面に対して所定の押圧力をもって接触させた状態でこれを回転させて所定の管内作業を行うような場合には、上記各付勢部材の初期状態を、上記作業機材と管中心軸との間隔が管体の内周面の半径よりも適宜量だけ大きくなるように設定しておくことで、上記作業機材が上記内周面に接触した状態においては上記各付勢部材が適度に弾性変形し該各付勢部材の付勢力が上記作業機材の内周面に対する押圧力として常時作用し、適正な押圧力での作業が実現されるものである。また、例えば管体内周面に局部的な突起物等が存在しているような場合には上記各付勢手段のさらなる弾性変形によって上記作業機材が突起物に対して過度の押圧力をもって接触するというような事態が確実に回避されるものである。さらに、管体の直管部分と曲管部分とでは、上記作業機材の回転面上における管体内周面の曲率が変化するが、この場合には上記各付勢手段がそれぞれ適度に弾性変形して第1アームと第2アームと揺動基台と作業機材相互間の相対位置が変化することで上記作業機材は上記内周面への押圧力が適正に維持されたまま該内周面の曲率の変化に追従して回転し、これによって所要の作業が内周面の曲率の変化に拘わらず良好に遂行されるものである。

0024

以下、本願発明の管内作業装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。
第1実施例
図1には、原子力発電プラントの導水管等の管体Pの内面におけるピンホールの有無の点検作業に使用される管内作業装置Zを示している。

0025

管体Pは、図2及び図3に示すように、鋼管部P1の内面にライニング部P2を形成して構成されるものであって、このライニング部P2にピンホールがあると次第にこのピンホール部分から管体P内を流れる海水が鋼管部P1側に侵入してこれを腐食させるおそれがある。このため、このライニング部P2のピンホールの有無を後述の管内作業装置Zに設けたブラシ7によって点検しようとするもので、管体Pの内面に通電状態のブラシ7を接触させるとピンホールがある場合にはこのピンホールを介して該ブラシ7が鋼管部P1側と導通して電流値が変化することを利用し、この電流値の変化を監視することでピンホールの有無を判断するようにしている。

0026

この管内作業装置Zを使用して行われる点検作業の全体システム図1に示す通りである。即ち、管体P内を走行する後述の管内作業装置Zと、管外に配置した操作ユニット61と給電ユニット62とで構成され、マンホールPaを通して管体P内に引き入れられるケーブル63によって上記給電ユニット62と管内作業装置Zとを接続する。そして、操作ユニット61側における遠隔操作によって、上記管内作業装置Zを走行させるとともに、該管内作業装置Zの中間部に設けた回転部材5に作業機材支持機構Wを介して取り付けられたブラシ7を管体Pの内面に所定の押圧力で接触させながら所定速度で回転させることで、該内面におけるピンホールの有無を該管体Pの軸方向に向かって連続的に行うようになっている。以下、この管内作業装置Zの具体的構成を図2以下を参照して詳述する。

0027

上記管内作業装置Zは、図2図5に示すように、後述する第1台車2と第2台車3との二分割構造とされ、これら各台車2,3を後述する連結部材4により相対回転可能に連結して構成されている。

0028

上記第1台車2は、図2及び図5に示すように、床板2aと該床板2aの前後両端にそれぞれ立設固定された縦板2b,2cでなるフレーム体2Aをカバー2Bで覆うとともに、該床板2aの下面側には次述するステアリング機構Xを備えた車輪ユニット10が取り付けられている。

0029

上記車輪ユニット10は、図3に示すように、コ字形折曲形成された車輪支持アーム13の左右両端13a,13bに、テーパー状の転動面11aを有する車輪11,11をそれぞれ車輪ピン12,12により軸支して構成される。この場合、上記各車輪11,11の各車輪ピン12,12は管体Pの弦方向に向けて延び、且つ各車輪11,11の各転動面11a,11aは、これが管体Pの内面にそれぞれ当接した状態において該内面の曲率に合致するようにそのテーパー面の形状が設定されるとともにその取付方向が決定されている。

0030

さらに、上記車輪支持アーム13の中間部13cには、旋回軸15が突設されており、上記車輪ユニット10は、この旋回軸15をスラスト軸受14を介して上記床板2aの下面側から上面側に貫設してこれを固定することで該旋回軸15を中心として旋回可能とされるとともに、該旋回軸15にはステアリング機構Xが取り付けられている。このステアリング機構Xは、上記旋回軸15の上端に取り付けられた旋回ギヤ16とモータ18に取り付けられて上記旋回ギヤ16と噛合するピニオンギヤ17とで構成されている。従って、上記モータ18によって上記ピニオンギヤ17を所定方向に回転駆動することで、上記車輪ユニット10を左右方向にそれぞれ角度θの範囲内で任意に操舵することができるようになっている(図5参照)。

0031

尚、この第1台車2は、後述する連結部材4によって後述の第2台車3と連結されることで車輪ピン12回りの回転位置(前後方向の姿勢)が規定される。また、第1台車2には、各車輪11,11の軸線の水平線に対する傾斜角を検出する第1レベルセンサ56と制御ユニット64とが設けられている。さらに、第1台車2の上部には、ブラケット45を介してカメラ43と左右一対のライト44,44とが、第1台車2の前方へ指向し且つ上下方向に所定範囲内で起伏可能に取り付けられている(尚、このカメラ43とライト44の移動形態は、この実施例の如く起伏動作する形態の他に、作業の種類等によって任意に種々選択可能であり、例えばこれらを上下左右に移動するような移動形態とすることもできるものである)。

0032

上記第2台車3は、図2及び図5に示すように、床板3aと該床板3aの前後両端にそれぞれ立設固定された縦板3b,3cでなるフレーム体3Aをカバー3Bで覆うとともに、該床板3aの下面側には次述する車輪ユニット20を取り付けている。

0033

上記車輪ユニット20は、図4に示すように、上記床板3aの下面側に適宜離間して配置された左右一対のブラケット28,28に軸受29,29を介して回転自在に支承された車軸22の両端部にそれぞれテーパー状の転動面21a,21aを有する車輪21,21を取り付けて構成される。また、上記車軸22の中間位置にはディアレンシャユニット23が備えられるとともに、該ディフアレンシャルユニット23への入力部材としてスプロケット24が設けられている。このスプロケット24は、モータ26に取り付けられたスプロケット25に対してチェーン27を介して連結されている。従って、上記各車輪21,21は、上記モータ26により上記スプロケット25を回転させることで所定方向に回転駆動されるとともに、該各車輪21,21間に回転差が生じたときにはこれが上記ディフアレンシャルユニット23によって吸収されることとなる。

0034

さらに、この第2台車3は、次述の連結部材4によって上記第1台車2と連結されることで車軸22回りの回転位置(前後方向の姿勢)が規定される。即ち、連結部材4は、所定径の管体で構成され、その一端4aにはフランジ41が設けられており、該フランジ41を上記第2台車3の上記縦板3bに対して衝合締結することで該床板3aから前方へ延出状態で固定されている。そして、この連結部材4の他端4bは、上記第1台車2の縦板2bを貫通した状態で軸受(図示省略)により回転可能に支持されている。従って、この連結部材4を介して連結された上記第1台車2と第2台車3とは、該連結部材4の径方向へは相対変位できないが、その周方向には自由に相対回転可能となっており、該連結部材4により第1台車2と第2台車3の前後方向における相対的な姿勢が規定される。

0035

尚、この実施例では、図3図5に示すように、第1台車2の左右一対の車輪11,11、及び第2台車3の左右一対の車輪21,21が、共に管体Pの管中心軸L0を通る鉛直線L1を挟んでその左右両側の同一位置に位置する状態(以下、この状態を安定走行状態という)において、該第1台車2の床板2aと第2台車3の床板3aとがともに水平となるように両者の相対的な姿勢を設定している。また、図2図4に示すように、上記各台車2,3の各車輪11,11,21,21が共に管体Pの内面に当接した状態においては、上記連結部材4の軸心で規定される回転中心Qが管体Pの管中心軸L0と合致するように各車輪11,11,21,21の大きさ、取付位置等が設定されている。

0036

また、第2台車3には、各車輪21,21の軸線の水平線L2に対する傾斜角を検出する第2レベルセンサ57と走行台車1の走行速度を検出する速度センサ58と制御ユニット65とが設けられている。また、符号48は上記縦板3cに取り付けられた手動操作用ハンドルである。

0037

一方、上記第1台車2と第2台車3との間を所定間隔をもって相対回転可能に連結する上記連結部材4の外側には、軸受54を介して筒状の回転部材5が回転自在に装着されている。そして、この回転部材5の一端にはリングギヤ51が固着されるとともに、該リングギヤ51にはモータ53に取り付けられたピニオンギヤ52が噛合せしめられており、該回転部材5は上記モータ53により所定速度で回転駆動される。

0038

さらに、この回転部材5の外周の所定位置には、次述の作業機材支持機構Wを介してブラシ7が取り付けられている。上記作業機材支持機構Wは、上記回転部材5の外周面からその径方向外方へ向けて突設固定されるとともに給電ケーブル(図示省略)を内蔵したたアーム6と、該アーム6の先端側に進退可能に嵌挿されるとともにスプリング9により常時突出方向に付勢されたブラシ支持軸8とで構成されている。そして、この作業機材支持機構Wの上記ブラシ支持軸8の先端には、通電用のブラシ7(特許請求の範囲中の作業機材に該当する)が取り付けられている。この場合、上記ブラシ7が常時所定の接触圧で管体Pの内面、即ち、ライニング部P2の内面に摺接するように、上記アーム6とブラシ支持軸8の長さ寸法と上記スプリング9のバネ力とがそれぞれ適宜に設定されている。

0039

続いて、かかる構成の管内作業装置Zを使用して管体Pのライニング部P2におけるピンホールの有無の点検作業について説明すると、管内点検作業に際しては、先ず管内作業装置Zを管体P内にそのマンホールPa(図1参照)を通して搬入し、これを図2図4に示す如き安定走行状態にセットする。尚、この時、ケーブル63が接続された第2台車3を作業方向の後方側に、ライト44等を備えた第1台車2を作業方向の前方側に位置せしめる。また、管内作業装置Zが安定走行状態にセットされた状態においては、走行台車1の各車輪11,11,21,21が共にライニング部P2の内面に接触し、上記連結部材4の中心、即ち、上記回転部材5の回転中心Qは管体Pの管中心軸L0に合致している。

0040

しかる後、操作ユニット61側において管内作業装置Zを遠隔操作して所要の点検作業を行う。即ち、先ず、ライト44を点灯させるとともに、カメラ43により撮像した画像をモニター(図示省略)に表示させる。後は、作業者はモニターを注視しながら、ブラシ7に通電し且つこれを所定速度で連続的に回転させるとともに、モータ26を起動させて走行台車1を所定速度で前進走行させ、連続的なピンホール点検作業を行う。

0041

尚、走行台車1が前進走行しながらブラシ7がライニング部P2の内面に摺接状態で回転することにより、該ブラシ7はライニング部P2の内面の全域を順次スパイラル状に摺接する。そして、ブラシ7がピンホールがある位置に対応すると、該ピンホールを介して鋼管部P1との間が導通状態となり、その際の電流値の変化がモニターに表示される。従って、作業者はピンホールの存在及びその位置を的確に把握することができるものである。

0042

ところで、このような管内作業装置Zによる点検作業が常時的確に行われるためには、上記ブラシ7がライニング部P2の内面に常時所定の接触圧で摺接すること、換言すれば、走行台車1の各車輪11,11,21,21が確実にライニング部P2の内面に当接して回転部材5の回転中心Qが管体Pの管中心軸L0に合致した状態が持続されること、さらに換言すれば、走行台車1の各台車2,3の安定走行状態からのズレが所定範囲内に抑えられ、該各台車2,3の走行が安定していること、が必要である。しかも、かかる走行台車1の安定走行は管体Pの直状部のみならずコーナー部においても確保されることが必要である。

0043

かかる要求に対して、この実施例の管内作業装置Zにおいては、(a)走行台車1を第1台車2と第2台車3の二分割構造とし、且つこれらを連結部材4によって管中心軸L0の回りに相対回転自在とする、(b) 各台車2,3の各11,11,21,21の転動面11a,21aをテーパー状とし且つこれらを管体Pの弦方向に延びる軸心回りに回転支承する、(c) 各台車の車輪11,11,21,21がライニング部P2の内面に当接した状態において回転部材5の回転中心Qを管中心軸L0に合致させる、(d) 第1台車2の車輪ユニット10にステアリング機構Xを設ける、(e) 第2台車3の車輪ユニット20にディフアレンシャルユニット23を設ける、ことで対処している。

0044

先ず、直状部走行時においては、走行台車1の各台車2,3がライニング部P2の内面状態等の何らかの原因によって安定走行状態から側方へズレることが考えられるが(図6及び図7参照)、かかる台車2,3のズレそのものがその直進性によって可及的に抑制されるとともに、一端、ズレたとしてもそのズレは各台車2,3それぞれの自己復元作用によってより迅速に収束され、これらの結果、走行台車1の安定走行状態での走行が確保され、常時、ブラシ7が所定接触圧でライニング部P2に摺接し、より一層精度の高いピンホール点検が実現されるものである。

0045

即ち、上記(b)に記載のように、各台車2,3の各11,11,21,21の転動面11a,21aをテーパー状とし且つこれらを管体Pの弦方向に延びる軸心回りに回転支承することで、各車輪11,11,21,21は常時その車幅方向の外側へ向けて転動しようとする作用を受け、所謂トー角による直進性が確保されるものである。従って、安定走行状態が積極的に達成され、これからのズレが可及的に抑制されるものである。

0046

また、かかる直進性にも拘わらず何らかの原因で安定走行状態がズレた場合には、各台車2,3はその自重による自己復元作用によってより迅速に安定走行状態に復帰せしめられる。即ち、上記(a)に記載のように、走行台車1を第1台車2と第2台車3の二分割構造とし、且つこれらを連結部材4によって管中心軸L0の回りに相対回転自在とすると、各台車2,3がそれぞれ他方の影響を受けることなくそれぞれ独立して自己復元作用により安定走行状態に復帰することができる。

0047

例えば、図6に示すように、第1台車2と第2台車3とが逆方向へズレた場合には、第1台車2は矢印ロ方向に、第2台車3は矢印イ方向に、それぞれ独立した復元作用を受け、迅速に安定走行状態に復帰するものである。因に、従来のように走行台車が一体式である場合には、図6に示すように斜めにズレた時にはその両端側における復元作用の方向が逆方向となることから相互に影響を受け合い、迅速な安定走行状態への復帰は困難である。尚、図7に示すように、各台車2,3が同方向へズレた場合は、共に矢印イ方向に復元作用を受け、迅速に安定走行状態に復帰する。

0048

このように、直状部の点検作業においては、操作者が何らの操舵操作を行わずとも走行台車1はその高い直進性と自己復元作用とによって安定走行状態を可及的に維持するものであり、従って、上記(c)に記載の如く各台車の車輪11,11,21,21がライニング部P2の内面に当接した状態において回転部材5の回転中心Qを管中心軸L0に合致させる構成と相俟って、高いピンホール点検精度が確保されるものである。

0049

一方、コーナー部の点検作業であるが、この場合にも、各台車2,3には上述の如き直進性と自己復元作用とが働き、常時回転部材5の回転中心Qが管体Pの管中心軸L0に合致せしめられることは勿論であるが、コーナリングをより容易にするため、この実施例においては上記(d)及び(e)に記載のように、第1台車2の車輪ユニット10にステアリング機構Xを設けるとともに、第2台車3の車輪ユニット20にディフアレンシャルユニット23を設け、コーナー部の走行時には操作ユニット61での遠隔操作によって図8に示すように第1台車2の車輪ユニット10をその旋回中心Mが管体Pの曲率中心に合致するように操舵することで、車輪ユニット20側の差動機能と相俟って、スムーズなコーナリングが実現されるものである。

0050

尚、ここではステアリング機構Xを操作者が手動により遠隔操作するようにしているが、上述のように上記各台車2,3に第1レベルセンサ56と第2レベルセンサ57と速度センサ58とを備えることでこれを自動制御することも可能である。以下、その一例を図9に示すフローチャートに基づいて説明すると、ステアリング制御に際しては、先ず上記各センサ56〜58の出力を読み込む(ステップS1)。

0051

次に、進行方向の前側に位置するレベルセンサ、この実施例の場合には第1レベルセンサ56の出力Aが許容値aに対して、(−a<A<+a)の範囲内かどうかを判定する(ステップS2)。尚、ここで、第1レベルセンサ56の出力A(即ち、第1台車2の左右方向の傾斜角に対応)の大きさを判定したのは、走行台車1が直状部からコーナー部に移行すると、曲率の外側に位置する車輪は安定走行状態の時よりも曲率外側にズレを生じて次第に管体Pの管壁乗り上げ、第1台車2は次第に傾斜することになる。かかるズレによる傾斜は直状部の走行時に起こり得るが、この場合のズレ量は比較的小さく上述のように自己復元作用によって復帰されるものである。しかし、コーナー部の走行によるズレは大きく、自己復元作用にも拘わらず連続的に増大変化するものである。従って、このズレ量、即ち、上記出力Aの大きさを判定することで直状部走行でのズレであるのかコーナー部走行でのズレであるのかが判断できるからである。また、判断基準値を(+a),(−a)としたのは、右コーナーと左コーナーとを区別するためである。

0052

ステップS2での判定の結果、(−a<A<+a)である場合には、直状部走行であると判断し、この場合には操舵操作は行わない。これに対して、(−a<A<+a)ではない場合には、コーナー部走行への移行と判断し、先ずステップS3において傾斜角の変化率、即ち、上記出力Aの変化率を、該出力Aと第1レベルセンサ56により検出される走行台車1の走行速度とから演算にて求める。尚、この変化率は、コーナー部の曲率の大きさに対応する。

0053

次に、ステップS4において、予め上記変化率毎にステアリング操作量を定めたマップから、現在の変化率に対応するステアリング操作量を読み出すとともに、ステップS4においてはステアリング方向を判定する。即ち、上記出力Aが(A>+a)である場合には、右に上記のステアリング操作量だけ操舵し(ステップS7)、また上記出力Aが(A<−a)である場合には左に操舵する(ステップS6)。

0054

かかる操舵が行われることで、走行台車1のコーナー部での自動走行が可能となり、それだけ操作者の負担が軽減され作業性が良好ならしめられることとなるものである。尚、走行台車1の後退走行時には、第2レベルセンサ57の出力値に基づいてステアリング制御がなされることは言うまでもない。

0055

第2実施例
図10図12には、本願の第2の実施例にかかる管内作業装置Zを示している。この実施例の管内作業装置Zは、その基本構成を上記第1実施例のものと同様とするものであって、第1台車2と第2台車3とを連結部材4により相対回転自在に連結してなる走行台車1を備えるとともに、上記連結部材4の外側に装着されて回転駆動される回転部材5に、作業機材支持機構Wを介して二つのブラシ7A,7B(特許請求の範囲中の「作業機材」に該当する)を取り付けて構成される。そして、この実施例における管内作業装置Zの上記第1実施例の管内作業装置Zとの相違点は、上記作業機材支持機構Wの構造と該作業機材支持機構Wに対する上記ブラシ7A,7Bの取付構造であり、ここにこの実施例における管内作業装置Zの最大の特徴がある。従って、以下においては、この作業機材支持機構Wの具体的構造及び作動等についてのみ詳述し、その他の部材の説明は上記第1実施例における該当部分の記載を援用することとしてその説明を省略する。

0056

作業機材支持機構W
上記作業機材支持機構Wは、次述する第1アーム32と第2アーム33と枢支部材34と揺動基台35とを有している。尚、説明の便宜上、先ず枢支部材34の具体的構造を説明し、しかる後、該枢支部材34を介して相互に揺動可能に連結される第1アーム32と第2アーム33の具体的構造等について説明する。

0057

枢支部材34
枢支部材34は、その軸方向の両端部を小径部とした所定長さの連結軸72と、該連結軸72の各小径部の外側に同軸上に嵌挿され且つ相対回動可能とされた左右一対のスリーブ73,73と、該一対のスリーブ73,73を上記連結軸72の径方向外側において一体的に連結する連結ビーム74と、上記連結軸72の各小径部とこれらにそれぞれ対応する上記各スリーブ73,73との間に配置された左右一対の捩りスプリング75,75とで構成されている。そして、上記連結軸72と上記連結ビーム74とは、左右一対の捩りスプリング75,75のバネ力によって常時回動方向において一定の相対位置(即ち、初期位置)を維持する如く付勢されている。従って、上記連結軸72と連結ビーム74の間にこれらを相対回動させるべき外力が作用した場合には上記各捩りスプリング75,75が適度に撓み変位してその相対回動を許容する一方、当該外力が解除されると上記各捩りスプリング75,75のバネ力によって初期位置に復帰回動されることになる。尚、上記各捩りスプリング75,75は、特許請求の範囲中の「第2の付勢手段」に該当する。

0058

第1アーム32
上記第1アーム32は、所定長さのロッド体で一体構成され、上記回転部材5側に固着配置されたブラケット31に対して連結ピン71によりその一端32aが揺動可能に連結されている。そして、この第1アーム32の揺動方向は、上記管中心軸L0を通って管体Pの径方向に延びる仮想平面の面方向に平行な方向に設定されている。また、この第1アーム32は、上記ブラケット31との間に跨がって配置された圧縮スプリング36(特許請求の範囲中の「第1の付勢部材」に該当する)によって所定角度だけ上記第2台車3側に傾斜した状態で弾性支持されている。

0059

また、この第1アーム32の他端32bには、上記枢支部材34の一つの構成部材である上記連結軸72が固着されている。そして、この第1アーム32に対する上記連結軸72の相対的な取付位置は次のように設定されている。即ち、図13及び図14に示すように、後述する各ブラシ7A,7Bの先端部分が上記管体Pの内周面に所定の押圧力をもって接触せしめられ、その押圧力の反力を受けて上記圧縮スプリング36が適度に縮小変位し、これに伴って上記第1アーム32が上記圧縮スプリング36の自由状態時から所定角度だけ後傾した状態において、上記連結軸72の軸心L3がほぼ上記管中心軸L0と平行となるように適宜に設定されている。

0060

第2アーム33
第2アーム33は、所定長さのロッド体で一体構成されるものであって、その一端33aは上記枢支部材34の一つの構成部材となる上記連結ビーム74に固着される一方、その他端33bには連結ピン80によって後述の揺動基台35が揺動可能に連結されている。この第2アーム33の他端に対する上記連結ビーム74の相対的な取付位置は次のように設定されている。即ち、上述のように上記枢支部材34の連結軸72は上記第1アーム32に対して所定の角度をもって固着されているが、上記連結ビーム74に取り付けられる上記第2アーム33も、図14鎖線図示するように上記枢支部材34が初期位置に設定された状態において該第2アーム33が上記第1アーム32と同軸上に位置するように該連結ビーム74に対して所定の角度をもって固着されている。

0061

ここで、上記各ブラシ7A,7Bの先端と上記管中心軸L0との間の間隔寸法は後述のように該各ブラシ7A,7Bを所定の押圧力をもって上記内周面に接触させる必要から上記管体Pの内周面の半径寸法よりも小さな寸法に設定されるが、かかる寸法関係にある場合、上記第2アーム33は図14実線図示するように上記枢支部材34の捩りスプリング75の付勢力に抗して上記連結軸72を中心として側方へ適度に傾倒し、上記第1アーム32に対して所定の角度をもつことになる。尚、この第2アーム33の傾倒方向は、図12に示すように、上記回転部材5の回転方向(矢印A方向)後方側に設定される。

0062

揺動基台35
揺動基台35は、図13及び図14に示すように、所定の幅寸法をもつプレート体一体形成されるものであって、その下縁部の一端35aには連結ピン80を介して上記第2アーム33の他端33bが相対揺動可能に連結されている。尚、この連結ピン80を中心とする上記揺動基台35の揺動方向は、上記管中心軸L0に平行な平面の面方向に設定されている。

0063

また、上記揺動基台35の下縁部の他端35bと上記第2アーム33との間には、次述する複合スプリング37が配置されている。この複合スプリング37は、特許請求の範囲中の「第3の付勢手段」に該当するものであって、大径の第1圧縮スプリング78と小径の第2圧縮スプリング79の二つの圧縮スプリングを、上記第2アーム33側に連結されたスリーブ81と上記揺動基台35側に連結されたロッド82を用いて相互に逆方向に所定の付勢力を生じるように配置してなる。

0064

具体的には、上記第1圧縮スプリング78は、上記スリーブ81の一端81aとロッド82の一端82aとの間に跨がって装着されている。これに対して、上記第2圧縮スプリング79は、上記スリーブ81の他端81bと上記ロッド82の他端82bとの間に跨がって装着されている。この複合スプリング37は、上記二つの圧縮スプリング78,79のバネ力が釣り合った状態で保持され、その時の上記スリーブ81の一端81aとロッド82の一端82aとの間隔が初期長さとされる。そして、この複合スプリング37に圧縮力が作用する場合には上記第1圧縮スプリング78がこれに抗して所定の反力を発生し、逆に引張力が作用する場合には第2圧縮スプリング79がこれに抗して所定の反力を発生する。従って、この複合スプリング37の初期長さを上記第1アーム32あるいは第2アーム33の軸長等との関係において適宜に設定することで、上記揺動基台35は図10あるいは図13に示すように、その上縁部を上記管中心軸L0に対して略平行に維持することが可能となる。

0065

一方、上記揺動基台35の上縁部の左右両端部35c,35dには、それぞれ連結ピン77を介して前後一対のブラシ7A,7Bの各ブラシ基台39,39が該揺動基台35の面方向に沿って揺動可能に連結されている。また、この各ブラシ7A,7Bの各ブラシ基台39,39は、それぞれ上記連結ピン77を挟んだ左右両側にそれぞれ配置した左右一対の引張スプリング38,38によって常時上記揺動基台35と平行な姿勢を維持する如く付勢されている。尚、この各引張スプリング38,38,・・は、それぞれ特許請求の範囲中の「第4の付勢手段」に該当する。

0066

さらに、この実施例においては、図11に示すように、上記各ブラシ7A,7Bの幅方向軸線L4を管中心軸L0に対して角度αだけ傾斜させている。また、この各ブラシ7A,7Bの傾斜方向は、上記走行台車1の前進方向の前方側に位置する第2ブラシ7Bが上記管中心軸L0よりも上記回転部材5の回転方向の後方側に位置し、上記走行台車1の前進方向の後方側に位置する第1ブラシ7Aが上記管中心軸L0よりも上記回転部材5の回転方向の前方側に位置するように設定されている。

0067

また、このように各ブラシ7A,7Bを傾斜配置するための具体的方法としては、例えば上記揺動基台35の上記第2アーム33に対する取付方向をズラせるとか、該揺動基台35に対する上記各ブラシ7A,7Bの取付方向をズラせる等、種々の方法が考えられる。また、この実施例のように二つのブラシ7A,7Bを同一直線上に配置するのに変えて、これらをそれぞれ所定の角度αをもって段階状にズラせて配置することも可能である。

0068

各部材の相対的な寸法及び位置関係
ここで、上述した作業機材支持機構Wの各構成部材の相対的な寸法及び位置関係を簡単に説明する。この実施例においては、図10及び図12に示すように、上記第1アーム32に対して上記第2アーム33が角度βをもって傾斜した状態で上記各ブラシ7A,7Bが管体Pの内周面に接触するとともに、その状態においては上記第1アーム32がその初期位置よりも適度に後傾して上記枢支部材34の軸線L3がほぼ管中心軸L0と平行となり、また上記複合スプリング37が適度に変位して上記揺動基台35が管中心軸L0に対してほぼ平行な姿勢を維持し、上記各ブラシ7A,7Bがそれぞれその全長に亙って管体Pの内周面に均一的に接触するように、作業機材支持機構Wの各構成部材の寸法と位置関係及び上記各スプリングのバネ両側等を設定している。

0069

作動等
続いて、かかる構成の作業機材支持機構Wによって二つのブラシ7A,7Bを支持した管内作業装置Zを使用して管体Pの内部の点検作業を行う場合についてその作動等を説明すると、この管内作業装置Zにおいては図10図12に示すようにこれを管体Pの内部に搬入し、上記各ブラシ7A,7Bをその内周面に接触させた状態で、上記回転部材5を回転させて上記各ブラシ7A,7Bを上記内周面に摺接させるとともに、上記走行台車1を前進させて作業を行う。

0070

この場合、上記各ブラシ7A,7Bには、上記圧縮スプリング36のバネ力と枢支部材34の捩りスプリング75のバネ力と上記複合スプリング37のバネ力とがそれぞれ管体Pの内周面に対する押圧力として作用し、常時適正な押圧力での点検作業が実現されるものである。

0071

また、上記各ブラシ7A,7Bのそれぞれが、上記複合スプリング37の釣り合い作用により管中心軸L0に対してほぼ平行に姿勢保持される揺動基台35に取り付けられるとともにそれぞれ一対の引張スプリング38,38によってその姿勢が保持されていることから、該各ブラシ7A,7Bはその全長に亙って均一的に管体Pの内周面に接触することから、高水準検査精度が期待できるものである。この場合、上記複合スプリング37によって上記揺動基台35の姿勢が保持されるわけであるが、該複合スプリング37の作動状態は上記揺動基台35の回転位置によって異なる。

0072

即ち、上記揺動基台35が上記回転部材5の回転に伴って水平線L2よりも上方に位置している場合には、該揺動基台35及びこれに取り付けられた各ブラシ7A,7B等の自重及び該各ブラシ7A,7Bの押圧力が、上記連結ピン80を回転中心とするモーメント荷重として上記複合スプリング37に圧縮力として作用し、この圧縮力は複合スプリング37の第1圧縮スプリング78によって支持される。これに対して、上記揺動基台35が上記回転部材5の回転に伴って水平線L2よりも下方に位置している場合には、該揺動基台35及びこれに取り付けられた各ブラシ7A,7B等の自重と、該各ブラシ7A,7Bの押圧力の差分に相当する荷重が、上記連結ピン80を回転中心とするモーメント荷重として上記複合スプリング37に引張力として作用し、この引張力は複合スプリング37の第2圧縮スプリング79によって支持される。このように、複合スプリング37の各圧縮スプリング78,79が上記揺動基台35の回転位置に対応してそれぞれ交互に作動することで、該揺動基台35はその回転位置の如何に拘わらず常時所定姿勢に保持されるものである。

0073

さらに、管体Pの曲管部分では、上記各ブラシ7A,7Bの回転面方向における管体Pの内周面の曲率が変化するが、かかる場合には上記複合スプリング37が適度に変位することと、各ブラシ7A,7Bがそれぞれ独立して揺動変位することで、上記内周面の曲率の変化に対して上記各ブラシ7A,7Bがそれぞれ追従して摺接することができ、この結果、直管部分では勿論のこと曲管部分においても上記各ブラシ7A,7Bが管体Pの内周面に適正な接触状態で且つ適正な押圧力で接触することとなり、良好な検査精度が確保されるものである。

0074

一方、上記走行台車1が後退走行する場合には、上記作業機材支持機構Wの傾斜方向が後方側に設定されているので、上記各ブラシ7A,7Bと管体Pの内周面との接触抵抗によって該作業機材支持機構Wが引き起こされる状態となって上記各ブラシ7A,7Bの内周面に対する押圧力が過大となることも考えられる。ところが、この実施例のものにおいては、上記各ブラシ7A,7Bを管中心軸L0に対して所定角度αをもって傾斜配置しているため、該各ブラシ7A,7Bに作用する接触抵抗により該各ブラシ7A,7Bにはこれを回転方向後方側へ回転させる方向の力が発生し、この力を受けて上記枢支部材34が適度に回動して上記第2アーム33が傾斜方向に変位せしめられ、結果的に上記各ブラシ7A,7Bにおける過大な押圧力の作用が防止される。従って、上記管内作業装置Zによれば、その前進走行時のみならず、後退走行時においても、上記各ブラシ7A,7Bが管体Pの内周面に適正な押圧力で摺接するため、走行方向に影響されることなく、常時適正状態での点検作業が可能となるものである。

0075

その他
上記各実施例においては、第1台車2の車輪ユニット10側のみにステアリング機構Xを設けたが、本願発明の他の実施例においてはこれを第2台車3の車輪ユニット20側のみ、あるいは車輪ユニット10と車輪ユニット20の双方に設けることもできることは勿論である。

0076

また、上記各実施例においては、車輪ユニット20をモータ26によって駆動することで管内作業装置Zを自走式としているが、本願発明はかかる自走式に限定されるものではなく、例えばこれを牽引式とすることもできるものである。

0077

さらに、上記各実施例においては、管内作業装置Zを、作業機材としてブラシを用いた管体Pの内部検査作業に適用した例を説明しているが、本願発明の管内作業装置はかかる管内検査作業に限定されるものではなく、作業機材として上記ブラシに代えて種々の器具を装着することで、接触型あるいは非接触型を問わず管内における各種の作業、例えば作業機材として塗装ガンを使用した管内塗装作業装置、作業機材としてハツリ器具を使用した管内の異物除去作業装置あるいは作業機材として清掃器具を使用した管内清掃装置等の種々の作業装置として適用可能である。

0078

また、上記回転部材5に装着される作業機材の数は、作業の種類、作業条件等に応じて任意に設定し得ることは勿論である。

図面の簡単な説明

0079

図1本願発明の第1実施例にかかる管内作業装置の使用状態説明図である。
図2本願発明の第1実施例にかかる管内作業装置の側面図である。
図3図2のIII−III矢視図である。
図4図2のIV−IV矢視図である。
図5図2のV−V矢視図である。
図6管内作業装置の管体直線部における走行状態説明図である。
図7管内作業装置の管体直線部における走行状態説明図である。
図8管内作業装置の管体コーナ部における走行状態説明図である。
図9管内作業装置の走行を自動制御する場合の制御フローチャート図である。
図10本願発明の第2実施例にかかる管内作業装置の側面図である。
図11図10のXI−XI矢視図である。
図12図10のXII−XII矢視図である。
図13図10のXIII部分の拡大図である。
図14図13のXIV−XIV矢視図である。

--

0080

1は走行台車、2は第1台車、3は第2台車、4は連結部材、5は回転部材、6はアーム、7,7A,7Bはブラシ、8はブラシ支持軸、9はスプリング、10は車輪ユニット、11は車輪、12は車輪ピン、13は車輪支持アーム、14はスラスト軸受、15は旋回軸、16は旋回ギヤ、17はピニオンギヤ、18はモータ、20は車輪ユニット、21は車輪、22は車軸、23はディフアレンシャルユニット、24はスプロケット、25はスプロケット、26はモータ、27はチェーン、28はブラケット、29は軸受、31はブラケット、32は第1アーム、33は第2アーム、34は枢支部材、35は揺動基台、36は圧縮スプリング、37は複合スプリング、38は引張スプリング、39はブラシ基台、41はフランジ、43はカメラ、44はライト、45はブラケット、46は支点ピン、48はハンドル、51はリングギヤ、52はピニオンギヤ、53はモータ、54は軸受、56は第1レベルセンサ、57は第2レベルセンサ、58は速度センサ、61は操作ユニット、62は給電ユニット、63はケーブル、64は制御ユニット、65は制御ユニット、71は連結ピン、72は連結軸、73はスリーブ、74は連結ビーム、75は捩りスプリング、76は連結ピン、77は連結ピン、78は第1圧縮スプリング、79は第2圧縮スプリング、80は連結ピン、81はスリーブ、82はロッド、Mは旋回中心、L0は管中心軸、L1は鉛直線、L2は水平線、Pは管体、Qは回転中心、Wは作業機材支持機構、Xはステアリング機構、Zは管内作業装置である。

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    【課題】管内に異常が生じた場合、大掛かりな装置や器具を用いることなく、簡単に管内の状態を確認することができる排水集合継手を提供する。【解決手段】上部接続管11と、この上部接続管に接続された中間管15と... 詳細

  • 株式会社タイガーカワシマの「 食品洗浄システム」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題】作業者の洗浄負荷を軽減し、食品の適正な洗浄が可能な食品洗浄システムを提供すること。【解決手段】食品洗浄システム3は、食品を洗浄するための洗浄水を貯留可能な複数の洗浄槽13と、洗浄水を圧送可能な... 詳細

  • 日本ケーブル株式会社の「 索条牽引式輸送設備における保安装置の診断装置」が 公開されました。( 2021/03/18)

    【課題】保安装置の検査作業を簡略化でき、効率的に検査を行うことができる索条牽引式輸送設備における保安装置の診断装置を提供すること。【解決手段】設備の異常を検出する保安装置20と、保安装置20に接続回路... 詳細

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