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技術 純水又は超純水の製造方法及び製造装置

出願人 オルガノ株式会社
発明者 田辺円金子栄神藤郁夫
出願日 1994年10月4日 (26年2ヶ月経過) 出願番号 1994-240232
公開日 1996年4月2日 (24年8ヶ月経過) 公開番号 1996-084986
状態 特許登録済
技術分野 半透膜を用いた分離 イオン交換による水処理 イオン交換 物理的水処理
主要キーワード 配管径路 純水処理装置 前処理済 所定濃度値 樹脂充填量 追加充填 使用樹脂量 使用雰囲気
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年4月2日)のものです。
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図面 (18)

目的

ほう素濃度を低減した純水又は超純水の製造に有効な装置を提供する。

構成

膜処理手段等を備えて前処理装置1の処理水から純水を得る1次純水処理系と、この1次純水を貯水するタンク9と、イオン交換手段,膜処理手段等を備えて該タンク9を経た1次純水から超純水を得る2次純水処理系とからなり、上記ほう素選択性イオン交換樹脂を、1次純水処理系中の2床3イオン交換装置3のK塔内に強酸性陽イオン交換樹脂上流に位置するように積層して設ける。

概要

背景

本発明を電子産業分野において用いられる純水又は超純水と称される高純度水を例にして以下説明すると、該分野では、高集積度化された半導体デバイス製造歩留りの向上等を目的として、製造工程で用いられる生産機械ガス薬品等と共に、純水も大幅な高純度化が要求され、超純水(場合により超々純水とも称される)などの極めて高純度な用水も要求されている。この用水高純度化の要求は今後も一層高まる傾向にあると考えられ、このような過程で純水水質においてはこれまでは注目されることのなかった極微細微粒子コロイド状物質超微量不純物が新たな除去対象物質として注目されてきている。

例えばほう素は、超純水製造装置原水として利用される井水河川水等の工業用水中に一般に数十ppb程度しか含まれておらず、従来の要求水質では他の各種不純物と比較して微量であるため全く重要視されることがなく、超純水製造装置の水質保証値取入れられることもなかった。しかし超純水製造技術の発達により各種不純物がpptレベルまで除去されるようになった現在の技術においては、純水又は超純水製造装置における難除去性不純物の一つとしてこのほう素が注目されるようになってきている。

この問題を図17により一例的に示される従来の超純水製造装置に基づいて説明する。

この図17において、1は工業用水等の原水の懸濁物質有機物の一部を除去する前処理装置であり、前処理された処理水はろ過水槽2を経て、脱塩装置であるカチオン交換樹脂(K塔)31,脱炭酸塔32,アニオン交換樹脂塔(A塔)33からなる2床3塔(2B3T)式イオン交換装置3に送られ、前処理水中不純物イオンの除去が行なわれる。4は脱塩水貯槽である。

5は逆浸透膜からなるRO装置であり、上記2床3塔式イオン交換装置3によってイオンの除去が行われた処理水中の無機イオン、有機物、微粒子等の不純物の除去を行う。6はRO処理水を蓄えるRO透過水の貯槽である。

7は真空脱気装置で、RO装置5からの処理水中の溶存酸素炭酸ガス等の溶存ガスを除去する。8は再生型混床式イオン交換装置であり、高純度の1次純水を製造し、これを1次純水タンク9に供給する。

10は紫外線酸化装置であり、上記1次純水タンク9からの1次純水に紫外線照射し、純水中の有機物を酸化分解すると共に、バクテリアの殺菌を行う。11は非再生型混床式イオン交換装置であるカートリッジポリッシャであって、供給されるイオン負荷がほとんどない超純水に近い純水中のイオンをさらに除去する。

このカートリッジポリッシャllを出た水は、限外ろ過膜からなる限外ろ過膜装置12で微粒子等が除去されて超純水が製造され、使用場所13に供給される。

ところで以上のような超純水製造装置により製造された超純水の使用場所13における水質を測定すると、その分析例を示す下記表1からも分かるように、一桁あるいはそれ以下のpptレベルまで低減されている他の元素と比較してほう素(B)の濃度は小さくないことが分かった。

概要

ほう素濃度を低減した純水又は超純水の製造に有効な装置を提供する。

膜処理手段等を備えて前処理装置1の処理水から純水を得る1次純水処理系と、この1次純水を貯水するタンク9と、イオン交換手段,膜処理手段等を備えて該タンク9を経た1次純水から超純水を得る2次純水処理系とからなり、上記ほう素選択性イオン交換樹脂を、1次純水処理系中の2床3塔式イオン交換装置3のK塔内に強酸性陽イオン交換樹脂上流に位置するように積層して設ける。

目的

また本発明の別の目的は、再生型イオン交換装置再生サイクル非再生型イオン交換装置交換頻度を増加させることなく、常に安定してほう素濃度を低く保つことができる純水又は超純水の製造方法及びその装置を提供するところにある。

また本発明の更に別の目的は、特に半導体製造分野あるいはその関連分野に用いられる各種の用水として好適な、ほう素濃度を十分に低減した純水又は超純水の製造方法及び装置を提供するところにある。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
12件

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請求項1

原水に含まれる懸濁物質を除去する前処理に続き、該前処理済み処理水についてイオン及び非イオン性物質を除去する純水処理を行って純水又は超純水を製造する方法において、上記前処理済み処理水に含まれるほう素の除去のために上記純水処理をする工程中のいずれかの段階で該前処理済み処理水をほう素選択性イオン交換樹脂に接触させることを特徴とする純水又は超純水の製造方法。

請求項2

原水中に含まれる懸濁物質除去のための除濁手段を有する前処理装置と、この前処理装置からの処理水中に含まれるイオン及び非イオン性物質を除去するための脱塩手段及び膜処理手段を有する純水処理装置とを備えた純水又は超純水の製造装置において、上記前処理装置からの処理水流出路と上記純水処理装置からの処理水流出路の間の通水系の少なくともいずれか一の位置に、ほう素イオン除去手段としてほう素選択性イオン交換樹脂を単独に有するか又は他のイオン交換樹脂と積層又は混合して有するイオン交換塔を設けたことを特徴とする純水又は超純水の製造装置。

請求項3

請求項2において、上記純水処理装置は、膜処理手段等を備えて前処理装置の処理水から純水を得る1次純水処理系と、この1次純水を貯水するタンクと、イオン交換手段,膜処理手段等を備えて該タンクを経た1次純水から超純水を得る2次純水処理系とからなり、上記ほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔を、これらの1次純水処理系の途中、2次純水処理系の途中、あるいは1次純水処理系と2次純水処理系の間の少なくともいずれかの位置に設けたことを特徴とする超純水の製造装置。

請求項4

上記ほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔が、再生剤として酸水溶液又はアルカリ水溶液あるいはその双方を通薬する再生設備を有する再生型イオン交換塔であることを特徴とする請求項2又は3に記載した超純水の製造装置。

請求項5

請求項4において、再生型イオン交換塔が陽イオン交換樹脂を上記ほう素選択性イオン交換樹脂の下流側に積層させた一型イオン交換塔であり、再生設備が再生剤として酸水溶液を通薬するものであることを特徴とする超純水の製造装置。

請求項6

請求項4において、再生型イオン交換塔が陰イオン交換樹脂を上記ほう素選択性イオン交換樹脂の上流側に積層させた一塔型イオン交換塔であり、再生設備が再生剤としてアルカリ水溶液を通薬するものであることを特徴とする超純水の製造装置。

請求項7

請求項4において、再生型イオン交換塔が、上記ほう素選択性イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を混合して有するイオン交換塔であることを特徴とする超純水の製造装置。

請求項8

請求項3において、上記ほう素選択性イオン交換樹脂を有する非再生型のイオン交換塔を、1次純水を貯水するタンクから2次純水処理系と他の径路とに配管分岐接続した配管分岐路の2次純水処理系側の下流に設けたことを特徴とする超純水の製造装置。

請求項9

請求項2ないし8のいずれかにおいて、ほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔の下流に、紫外線酸化装置及び逆浸透膜装置の少なくともいずれかを設けたことを特徴とする超純水の製造装置。

技術分野

0001

本発明は、純水又は超純水の製造方法及び製造装置に関し、例えば半導体製造などの電子産業分野あるいはその関連分野等で用いられる、ほう素濃度を大幅に低減させた純水又は超純水の製造方法及び装置に関する。

背景技術

0002

本発明を電子産業分野において用いられる純水又は超純水と称される高純度水を例にして以下説明すると、該分野では、高集積度化された半導体デバイス製造歩留りの向上等を目的として、製造工程で用いられる生産機械ガス薬品等と共に、純水も大幅な高純度化が要求され、超純水(場合により超々純水とも称される)などの極めて高純度な用水も要求されている。この用水高純度化の要求は今後も一層高まる傾向にあると考えられ、このような過程で純水水質においてはこれまでは注目されることのなかった極微細微粒子コロイド状物質超微量不純物が新たな除去対象物質として注目されてきている。

0003

例えばほう素は、超純水製造装置原水として利用される井水河川水等の工業用水中に一般に数十ppb程度しか含まれておらず、従来の要求水質では他の各種不純物と比較して微量であるため全く重要視されることがなく、超純水製造装置の水質保証値取入れられることもなかった。しかし超純水製造技術の発達により各種不純物がpptレベルまで除去されるようになった現在の技術においては、純水又は超純水製造装置における難除去性不純物の一つとしてこのほう素が注目されるようになってきている。

0004

この問題を図17により一例的に示される従来の超純水製造装置に基づいて説明する。

0005

この図17において、1は工業用水等の原水の懸濁物質有機物の一部を除去する前処理装置であり、前処理された処理水はろ過水槽2を経て、脱塩装置であるカチオン交換樹脂(K塔)31,脱炭酸塔32,アニオン交換樹脂塔(A塔)33からなる2床3塔(2B3T)式イオン交換装置3に送られ、前処理水中不純物イオンの除去が行なわれる。4は脱塩水貯槽である。

0006

5は逆浸透膜からなるRO装置であり、上記2床3塔式イオン交換装置3によってイオンの除去が行われた処理水中の無機イオン、有機物、微粒子等の不純物の除去を行う。6はRO処理水を蓄えるRO透過水の貯槽である。

0007

7は真空脱気装置で、RO装置5からの処理水中の溶存酸素炭酸ガス等の溶存ガスを除去する。8は再生型混床式イオン交換装置であり、高純度の1次純水を製造し、これを1次純水タンク9に供給する。

0008

10は紫外線酸化装置であり、上記1次純水タンク9からの1次純水に紫外線照射し、純水中の有機物を酸化分解すると共に、バクテリアの殺菌を行う。11は非再生型混床式イオン交換装置であるカートリッジポリッシャであって、供給されるイオン負荷がほとんどない超純水に近い純水中のイオンをさらに除去する。

0009

このカートリッジポリッシャllを出た水は、限外ろ過膜からなる限外ろ過膜装置12で微粒子等が除去されて超純水が製造され、使用場所13に供給される。

0010

ところで以上のような超純水製造装置により製造された超純水の使用場所13における水質を測定すると、その分析例を示す下記表1からも分かるように、一桁あるいはそれ以下のpptレベルまで低減されている他の元素と比較してほう素(B)の濃度は小さくないことが分かった。

0011

0012

このようなほう素漏出の事実は、上記した従来の超純水製造装置にはほう素除去に寄与可能なユニットとして考えられる2床3塔式イオン交換装置3、RO装置5、再生型混床式イオン交換装置8、カートリッジポリッシャ11などが存在しているにも拘らず意外なことである。そこで本発明者等はほう素漏出のより詳細な検討のために、上記従来装置で製造される超純水のほう素濃度を、図17の使用場所13の位置で30日間連続監視した。その結果、ほう素は十分に除去されていないだけでなく、図16に示すようにほう素濃度は経時的に変動していることも分かった。また2床3塔式イオン交換装置の出口水のほう素濃度を、この装置のシリカ塩化物イオン等の不純物の漏出が始まる前に採水を停止する5日間定収量運転の後再生を行なうようにしながら測定したところ、図15に示すように処理水の導電率は良好な状態に維持されているのに比べて、ほう素は非常に早い時期から漏出していることが分かり、またその下流のイオン交換装置である再生型混床式イオン交換装置やカートリッジポリッシャにおいても同様のほう素イオンの漏出が起ることも分かった。

0013

これらの種々の知見は、強塩基性陰イオン交換樹脂吸着容量が大きく他の共存する陰イオンがない場合にはほう素イオンを有効に除去できると考えられていた従来の一般的技術理解とは矛盾した結果を示す新たな知見である。このような知見が従来見出されていなかったのは、上述の如く、従来ほう素は全く問題視されていなかったため超純水製造装置系内という微小量のほう素を含む処理水中のほう素の挙動については殆ど研究されていなかったためと思われる。事実、強塩基性陰イオン交換樹脂を有するイオン交換塔再生直後においては上記図15に示されるように、ほう素濃度は極めて微小濃度まで除去されており、このために本発明者等の上記した知見に至らなかったものと推定される。

発明が解決しようとする課題

0014

ほう素の除去は、上述のように従来の強塩基性陰イオン交換樹脂を用いた除去方式でも、再生直後の比較的短い期間においては有効であるから、当該強塩基性陰イオン交換樹脂の量を多く使用するとか、再生を頻繁にすることによって純水又は超純水中のほう素濃度を低い濃度に維持することも一応は可能である。しかしこのような方式は、工業的には不適当であって現実には到底採用できない。

0015

ところで、ほう素の除去が十分でない超純水を半導体デバイス製造用水として利用すると、例えば基盤上にnチャネルトランジスタを形成しようとした場合には、nチャネルトランジスタのしきい値電圧は基盤中のほう素濃度に依存するので製造工程における濃度管理が不安定となり製品である半導体デバイス特性を著しく損なう可能性があり、また、近時においては高集積度化が進んできたために特に微細なnチャネルMOSトランジスタを製造する必要が生じてきているが、その場合にはパンチスルー防止の観点から基盤の深さ方向のほう素濃度分布を精密に制御する必要があると考えられる。

0016

このため洗浄用水である超純水中のほう素が十分に低減されていることが重視される傾向は小さくない。

0017

本発明は上述した従来技術の状況の下で、ほう素濃度を低減した純水又は超純水の製造に有効な方法及び装置の提供を目的としてなされたものである。

0018

また本発明の別の目的は、再生型イオン交換装置再生サイクル非再生型イオン交換装置交換頻度を増加させることなく、常に安定してほう素濃度を低く保つことができる純水又は超純水の製造方法及びその装置を提供するところにある。

0019

また本発明の更に別の目的は、特に半導体製造分野あるいはその関連分野に用いられる各種の用水として好適な、ほう素濃度を十分に低減した純水又は超純水の製造方法及び装置を提供するところにある。

課題を解決するための手段

0020

上記目的を達成する本発明の特徴は、上記した特許請求の範囲の各請求項に記載したところにある。

0021

すなわち、請求項1に記載した本発明よりなる純水又は超純水の製造方法の特徴は、原水に含まれる懸濁物質を除去する前処理に続き、該前処理済み処理水についてイオン及び非イオン性物質を除去する純水処理を行って純水又は超純水を製造する方法において、上記前処理済み処理水に含まれるほう素の除去のために上記純水処理をする工程中のいずれかの段階で該前処理済み処理水をほう素選択性イオン交換樹脂に接触させるようにしたところにある。

0022

上記において用いられるほう素選択性イオン交換樹脂は、ほう素を選択的に吸着できるものであれば限定されないが、官能基として多価アルコール基を導入した例えばアンバーライト登録商標ロームアンドハウス社製)IRA−743T、ダイヤイオンCRB02(三菱化成社製)などを挙げることができる。本発明においてはこのほう素選択性イオン交換樹脂を用いることが必須であり、従来一般にほう素の吸着能力に優れ交換容量も大きいと考えられている強塩基性陰イオン交換樹脂を用いたのでは、上述したように早期に予想外のほう素の多量漏出が起ってしまうために本発明の目的は達成できない。

0023

上記において「前処理」とは、凝集沈澱濾過マイクロフロック濾過、活性炭濾過、除濁膜などのいずれの処理を行なうものであってもよい。

0024

また「純水処理」とは、イオン交換、逆浸透膜、電気再生式イオン交換などのいずれの処理を行なうものであってもよい。

0025

また上記において、前処理済み処理水をほう素選択性イオン交換樹脂に「接触させる」というのは、ほう素選択性イオン交換樹脂を充填したイオン交換塔に処理水を通水させることを言うが、このイオン交換塔には他のイオン交換樹脂と混合又は積層したものを用いることもできる。

0026

請求項2に記載の発明は、上記方法の実施に用いる純水又は超純水の製造装置をその要旨とするものである。すなわちその特徴は、原水中に含まれる懸濁物質除去のための除濁手段を有する前処理装置と、この前処理装置からの処理水中に含まれるイオン及び非イオン性物質を除去するための脱塩手段及び膜処理手段を有する純水処理装置とを備えた純水又は超純水の製造装置において、上記前処理装置からの処理水流出路と上記純水処理装置からの処理水流出路の間の通水系の少なくともいずれか一の位置に、ほう素イオン除去手段としてほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔を設けたという構成をなすところにある。

0027

上記において前処理装置における除濁装置は、上記請求項1の発明における前処理を行なうために凝集沈澱装置濾過装置、マイクロフロック濾過装置、活性炭濾過装置、除濁膜装置等の装置が用いられる。

0028

また純水処理装置におけるイオン及び非イオン性物質を除去する脱塩手段及び膜処理手段としては、上記請求項1の発明における純水処理を行なうためのイオン交換装置、電気再生式イオン交換装置逆浸透膜装置等の装置が用いられるが、特には請求項3に記載したように、膜処理手段等を備えて前処理装置の処理水から1次純水を得る1次純水処理系と、この1次純水を貯水するタンクと、イオン交換手段,膜処理手段等を備えて該タンクを経た1次純水から超純水を得る2次純水処理系とからなる純水処理装置を好ましいものとして挙げることができる。上記の1次純水処理系には脱炭酸真空脱気等の手段を含み得る。また2次純水処理系には紫外線酸化装置等を含み得る。

0029

なお、上記1次純水処理系と2次純水処理系とからなる超純水製造装置においては、超純水を使用場所(ユースポイント)で使用している時あるいは使用していない時でも、余剰の超純水を2次純水循環配管を通じて1次純水タンクに戻す構成、すなわち1次純水タンクに続いて2次純水処理系を形成する例えば紫外線酸化装置→カートリッジポリッシャ→限外ろ過膜装置→2次純水循環配管を通じて1次純水タンクに戻す閉ループの構成、によって常時超純水を循環させるように設けることが一般的であり、本発明においてもこの構成が好ましく採用される。超純水を常時循環させる理由は、使用場所における超純水の不使用時に運転を停止すると停止時に配管やシステムを構成する各ユニット中に水が滞留してバクテリアの増殖がおきたり、イオン成分や有機物が微量ながら溶出して超純水の水質を劣化させることや、停止時や再起動時のショックで各ユニットから微粒子が吐きだされたり、溶出が起こったりする虞れを避けるためである。

0030

また1次純水処理系でも、1次純水タンクが満水時でも前段の装置の運転を停止させずにl次純水循環系を構成させることができ、本発明においてもこの構成を採用するのが好ましい場合が多い。このような循環系としては、例えば1次純水タンクに取付けレベルスイッチにより液面低を検知した場合は自動切換え弁により1次純水タンクへ純水を補給し、反対に、液面高を検知した場合には自動切換え弁を切換えて1次純水循環系配管により例えばRO装置の後段に設けた透過水貯槽に純水を返送するという構成により、RO透過水の貯槽→真空脱気装置→再生型混床式脱塩装置→自動切換え弁→1次純水循環系配管→RO透過水の貯槽からなる閉ループの構成を例示できる。このl次純水循環系を設ける理由も上記2次純水循環系と同様に起動停止に伴う水質変動を避けるためである。

0031

ほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔の位置は、前処理装置から前処理済の処理水が流出される流出路の途中、あるいは純水処理装置中の各ユニットの間、純水処理装置からの純水の流出路(実質的には2次純水処理系の最終膜処理装置の前段)であればいずれの位置であってもよく、ほう素選択性イオン交換樹脂を単独に充填したイオン交換塔、他のイオン交換樹脂とほう素選択性イオン交換樹脂を混合,積層する形式であってもよい。これらは一あるいは二以上の位置に設けることもできるが、特には1次純水処理系の2床3塔式イオン交換装置のA塔から再生型混床式イオン交換装置内までのいずれかの位置に再生型として設け、更に1次系の処理水流出路から2次系への流入路あるいはカートリッジポリッシャ内に混合して非再生型として設けることが好ましい場合が多い。またこのほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔は、純水処理系のメイン径路に設けることに加えて、上述した循環系(例えば超純水を1次純水タンクに戻す系)の途中にも併せて設けることもできる。

0032

ほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔は、上述のようにほう素選択性イオン交換樹脂を単独に有するものであってもよいし、例えば強酸性陽イオン交換樹脂や強塩基性陰イオン交換樹脂等の他のイオン交換樹脂と積層又は混合して有するものであってもよく、ここで「積層」とは、二種以上のイオン交換樹脂を一塔内に充填して通水する際に、当該二種以上のイオン交換樹脂を混合状態で用いずに積層状態で用いることを言い、代表的には陽イオン交換樹脂を上記ほう素選択性イオン交換樹脂の下流側に積層させた一塔型イオン交換塔、陰イオン交換樹脂を上記ほう素選択性イオン交換樹脂の上流側に積層させた一塔型イオン交換塔などを例示することができる。これらの場合、陽イオン交換樹脂と積層して用いるイオン交換塔では再生剤として酸水溶液を通薬する再生設備を用い、陰イオン交換樹脂と積層して用いるイオン交換塔では再生剤としてアルカリ水溶液を通薬する再生設備を用いて、ほう素選択性イオン交換樹脂の再生を行なうことができる。ほう素選択性イオン交換樹脂は酸あるいはアルカリのいずれによっても再生することができる。

0033

また「混合」とは、二種以上のイオン交換樹脂を一塔内に充填して通水する際に、当該二種以上のイオン交換樹脂を混合状態で用いることを言い、代表的にはほう素選択性イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を混合した再生型混床式イオン交換装置を挙げることができる。この再生型混床式イオン交換装置においては、混合するほう素選択性イオン交換樹脂として陰イオン交換樹脂よりも比重の小さいものを用いれば、再生時に下から陽イオン交換樹脂−陰イオン交換樹脂−ほう素選択性イオン交換樹脂の順に分離できるので、酸水溶液及びアルカリ水溶液の双方を再生剤として用いる一般的な再生設備を用いることができる。

0034

なお再生剤として用いる酸としては、硫酸塩酸等の所定濃度の酸水溶液、アルカリとしては水酸化ナトリウム等の所定濃度のアルカリ水溶液を代表的なものとして挙げることができる。

0035

ほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔には、非再生型のものを用いることもでき、この場合には、上記した1次系−2次系を有する超純水処理装置の1次純水処理系の下流に設けることが好ましい場合が多い。

0036

更に、ほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔の下流には、該樹脂からの有機物の溶出を考慮して、紫外線酸化装置及び逆浸透膜装置の少なくともいずれか、特には双方を設けることが好ましい。

0037

本発明の純水又は超純水の製造装置を構成するイオン交換装置、膜分離装置等の各装置、機器等はそれ自体公知のものをそのまま用いることができ、また従来の純水装置超純水装置の基本的構成は、そのまま基本的に本発明に適用することができる。

0038

本発明のほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔を備えた純水又は超純水製造装置の運転は、ほう素選択性イオン交換樹脂については再生型、非再生型のいずれについても定収量方式あるいはほう素の漏出を監視して運転する方式のいずれを採用することもできる。ほう素の漏出を監視して運転する方式においては、監視のためのほう素計として、クロトローブ酸を用いてほう素錯体を生成させ該錯体の蛍光強度蛍光光度計によって測定する計器や、ほう素の直接測定高感度に行えるICP−MS分析計等を用いることができる。ほう素計の設置方法としては、測定場所インライン組込む方法や、ほう素計を純水又は超純水の製造装置と異なる場所に設置し、そこでほう素濃度を測定するようにしても良い。この監視方式では、ほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔からの処理水中のほう素濃度を測定、監視し、ほう素濃度が所定の値に達することで、イオン交換塔を交換ないし再生するが、その所定値は、必要とする純水又は超純水のほう素濃度の上限値を基準として目的に合わせて定めればよい。

0039

またほう素選択性イオン交換樹脂を有するイオン交換塔を複数直列に接続してこれらに順次通水することによってほう素の除去を行なうと共に、最前段のイオン交換塔のほう素選択性イオン交換樹脂が定収量に達する時点(あるいは最前段のイオン交換塔の処理水中のほう素濃度を監視してほう素濃度が所定値に達した時点)において、最前段のイオン交換塔を再生して最後段に配置するか、又は最前段のイオン交換塔を除きかつ最後段のイオン交換塔の後段に当該イオン交換樹脂を再生した又は新たなイオン交換塔を連結するいわゆるメリーゴーランド方式で装置を運転することもできる。このメリーゴーランド方式の操作は配管及び弁の切換えにより容易に行なうことができる。

0040

本発明方法及び装置により製造される純水、超純水は、ほう素濃度が低い高純度な用水が要求される用途として、限定されることなく利用されるが、特に上述した半導体製造分野に好ましく利用される。

0041

本発明が適用される分野,特に半導体製造装置並びにこれに関連する分野においては、装置の連続的な稼働を維持しつつ安定した用水を確保できることが、製品歩止まりの向上,生産性等の観点から重要であり、この点からして、純水又は超純水を製造する装置において該装置を構成しているイオン交換装置等の各ユニットの再生処理頻度、交換頻度は無視できないが、本発明によれば、再生,交換の頻度を著しく少なくできる。

0042

本発明によれば、多価アルコールを官能基として導入した陰イオン交換樹脂であるほう素選択性イオン交換樹脂にほう素を含む処理水を接触させることで、他のイオンから選択してほう素を確実に除去することができ、ほう素を極めて微小な量まで除去した純水又は超純水を工業的規模で初めて製造することができる。

0043

以下本発明を実施例に基づいて更に説明する。

0044

実施例1
図1は本発明の実施例1の超純水製造装置の構成概要ブロック図で示したものであり、この図において、1は工業用水等の原水の懸濁物質と有機物の一部を除去する前処理装置であり、この前処理が行なわれた処理水は、図示しないろ過水槽を経て、脱塩装置を構成している2床3塔(2B3T)式イオン交換装置3に、カチオン交換樹脂塔(K塔)311−脱炭酸塔32−アニオン交換樹脂塔(A塔)33の順に通水するように送られ、前処理水中の不純物イオンの除去が行なわれる。

0045

そして本例の特徴は、上記2床3塔(2B3T)式イオン交換装置3のカチオン交換樹脂塔(K塔)311が、上流側(塔の上部側)にほう素選択性イオン交換樹脂であるアンバーライトIRA−743T(前出)、下流側(塔の下部側)に強酸性陽イオン交換樹脂であるアンバーライトIR1−124(ロームアンドハウス社製)を積層して構成されているところにあり、その構成上の特徴と作用については後述する。

0046

5は逆浸透膜からなるRO装置であり、上記2床3塔式イオン交換装置3によってイオンの除去が行われた処理水中の無機イオン、有機物、微粒子等の不純物の除去を行う。

0047

7は真空脱気装置であり、RO装置5からの処理水中の溶存酸素,炭酸ガス等の溶存気体を除去する。8は再生型混床式イオン交換装置であり、おれらの装置により1次純水を製造してこれを1次純水タンク(純水貯槽)9に供給し貯水する。

0048

10は紫外線酸化装置であり、上記純水貯槽9からの1次純水に紫外線を照射し、該純水中の有機物を酸化分解すると共に、バクテリアの殺菌を行う。11は非再生型混床式のイオン交換装置としてのカートリッジポリッシャであり、供給されるイオン負荷がほとんどない純水中のイオンをさらに除去する。

0049

このカートリッジポリッシャllを出た水は、限外ろ過膜からなる限外ろ過膜装置12で微粒子等が除去されて超純水が製造され、使用場所(ユースポイント)13に供給される。

0050

以上の構成の超純水製造装置は、2床3塔(2B3T)式イオン交換装置3のカチオン交換樹脂塔(K塔)311を除いて、図17に示した従来の超純水製造装置の基本的構成をそのまま採用されている。

0051

そして本例の特徴は、上述したようにカチオン交換樹脂塔(K塔)311が、該イオン交換塔内の上流側に、N−メチルグルカミンを官能基として導入したほう素選択性イオン交換樹脂であるアンバーライトIRA−743Tを位置させ、下流側にアンバーライトIR−124を位置させた積層状態(本例では体積比2.5/4.0)で充填したところにある。ここでイオン交換塔内の上流側にほう素選択性イオン交換樹脂を位置させたのは、カチオン交換樹脂の処理水は一般にpH2以下の酸性水であって、IRA−743Tのほう素吸着能力を十分に発揮することができないためである。なおK塔は、アンバーライトIR−124を単独に充填した塔とし、その上流にアンバーライトIRA−743Tを充填したイオン交換塔を別塔として設けるようにしてもよい。

0052

このような構成により、ほう素選択性イオン交換樹脂(IRA−743T)により、他の共存イオンが多量に存在する前処理済の処理水中からほう素のみを選択的に除去することができ、残りの共存するイオンは、基本的には従来の構成を有する上記2床3塔式イオン交換装置3の脱塩作用により除去することができる。したがって本例の超純水製造装置においては、ほう素選択性イオン交換樹脂(IRA−743T)によりほう素を除去するので、後段の2床3塔式イオン交換装置3へのほう素の流入を低減でき、この2床3塔式イオン交換装置3の採水期間を短縮することなく長期間に渡り安定してほう素の漏出を防止できる。

0053

以上の装置を用い、以下の条件で超純水の製造を行ない、2床3塔式イオン交換装置3の出口水のほう素濃度をICP−MS分析計を用いて測定した。その結果を図2に示した。

0054

装置
(K塔)の樹脂充填量
IRA−743T 2500リットル
IR−124 4000リットル
(脱炭酸塔)テラレットパッキン充填型、直径0.6m、高さ2800mm,送風量400Nm3 /H
(A塔)樹脂充填量
IRA−400 6000リットル
処理原水
工業用水
ほう素濃度40ppb
通水量20m3 /H
運転期間5日間
なお、本例装置におけるK塔311の再生は次のようにして行なった。すなわち、K塔311を逆洗することにより上記各比重によって塔上部にIRA−743T層、下部にIR−124層が積層され、該K塔下部から4%塩酸をIR−124の体積の2.5倍量を、IR−124〜IRA−743Tの両層に通薬(なお通薬順序はいずれが先であってもよい)した後、純水で20分洗浄した。この塩酸の通薬量は、IRA−743Tを充填しない場合の量と同じであり、再生後のK塔311内のIR−124は水素イオン形、IRA−743Tは塩酸イオン形となっている。

0055

本例は、このように酸水溶液でほう素選択性イオン交換樹脂であるIRA−743Tを再生することも一つの特徴である。すなわち、ほう素選択性イオン交換樹脂は一般に水酸化物イオン形であり、したがって通常は酸水溶液で吸着しているほう素を溶離した後、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液で水酸化物イオン形に再生する方法を採用するのが普通であり、したがってこのために酸水溶液の通薬後、IRA−743Tにアルカリ水溶液を通薬して再生を行なう。

0056

しかし、酸水溶液で再生することのみによってもほう素吸着性能一定程度再生し、しかも本発明が対象とする純水又は超純水の製造に用いる工業用水等のほう素濃度は数10〜100ppb程度の微量であるため、酸水溶液のみによる再生によっても工業的に十分なほう素吸着容量をもつ状態に再生可能であることを本発明者知見した。そこで本例の構成においては、IR−124の再生に用いた酸水溶液をそのままIRA−743Tに通薬することで極めて簡易な再生を実現できるようにしたのである。

0057

またこのような酸水溶液のみを通薬する再生を行なう場合には、水酸化ナトリウムによる再生に比べて樹脂の劣化を低減させることができると共に、漏出TOC量を低減させることができるという利点も得られる。更に、再生後の採水(処理)時に流入水中の硬度成分水酸化物として層内に蓄積することを防止できるという利点も得られる。

0058

比較例1
上記実施例1の2床3塔式イオン交換装置3のK塔311を、アンバーライトIR−124のみを充填したイオン交換塔に代えた以外は、実施例1と同様にして装置を構成し、同じ条件で超純水の製造を行ない、2床3塔式イオン交換装置3の出口水のほう素濃度をICP−MS分析計を用いて測定した。その結果を図2中に併せて示した。

0059

この図2の結果から分かるように、実施例1ではほう素が確実に除去されて出口水のほう素濃度は常に安定して低い状態に維持されているが、比較例1においては、比較的短期間のうちにほう素の著しい漏出が起っていることが分かる。

0060

実施例2
図3に示した本例は、実施例1の2床3塔式イオン交換装置3のK塔を、アンバーライトIR−124を単独に充填したK塔31に代えると共に、A塔33を、該イオン交換塔内の下流側(塔の上部)に上記ほう素選択性イオン交換樹脂であるアンバーライトIRA−743Tを位置させ、上流側(塔の下部)にアンバーライトIRA−402BL(ロームアンドハウス社製)を位置させた積層状態(本例では体積比1/4)で充填したところにある。なおA塔33の通水は上昇流である。ここでイオン交換塔内の下流側にほう素選択性イオン交換樹脂を位置させたのは、アンバーライトIRA−402BLの上流側の水は酸性軟化水であるので一般にpH2以下であり、アンバーライトIRA−743Tのほう素吸着能力を十分に発揮できないが、IRA−402BLで処理後の水は中性ないし微アルカリ性であり、ほう素吸着能力を十分に発揮できるためである。他の構成は実施例1と同じである。

0061

以上の図3に示した構成の超純水製造装置を用いて、K塔31及びA塔331の充填イオン交換樹脂を下記のように変えた以外は実施例1と同じ条件で超純水の製造を行ない、2床3塔式イオン交換装置3の出口水のほう素濃度をICP−MS分析計を用いて測定した。その結果は図2に示した実施例1のほう素濃度と同じであった。

0062

(K塔)樹脂充填量
IR−124 4000リットル
(A塔)樹脂充填量
IRA−402BL6000リットル
IRA−743T 1500リットル
本例においては、A塔331に充填した各樹脂の再生は、アルカリ水溶液をこれらのIRA−402BL及びIRA−743Tに通薬して行なうことができ、再生剤がアルカリ水溶液であるため上記ほう素選択性イオン交換樹脂(IRA−743T)をその本来のイオン交換容量を利用できる状態に再生できるために、該イオン交換樹脂量を実施例1の場合に比べて低減することができるという利点が得られる。

0063

実施例3
図4に示した本例は、図17に示した従来の超純水製造装置とその基本的構成を同じくする装置(図1のK塔311を通常のカチオン交換樹脂のみを充填したK塔31に代えた装置に同じ)において、2床3塔式イオン交換装置3のA塔33と、RO装置5との間に、ほう素選択性イオン交換樹脂である上記アンバーライトIRA−743Tのみを充填したイオン交換塔300を設けた例を示すものであり、上記実施例2のA塔331をアンバーライトIRA−402BLの単独充填塔とし、その下流に別塔としてアンバーライトIRA−743Tを充填したイオン交換塔を設けた例に相当する。

0064

したがって条件を同じくすれば、実施例2と同じレベルでほう素の除去を行うことができ、同じ条件で試験した際に得られるこのイオン交換塔300の出口水のほう素濃度は実施例2と同様であることが確認された。

0065

しかしながら、実施例2に比べて、IRA−743Tを充填したイオン交換塔300がA塔331とは別塔であることによって、イオン交換塔300に限定した独自の再生設備を設けることが容易であり、具体的には、K塔再生のための酸水溶液をその通薬前又は後にこのイオン交換塔300にも通薬させてほう素の溶離を迅速に行わせ、その後、A塔に通薬するアルカリ水溶液を該イオン交換塔300にも通薬させるようにして、ほう素選択性イオン交換樹脂を理想的な状態に迅速に再生できるという利点が得られる。

0066

また、ほう素選択性イオン交換樹脂であるIRA−743Tを充填したイオン交換塔300をA塔331とは別塔に設けるものであるため、既設超純水製造装置の設備を実質的にそのまま利用して、A塔331の後段に配管して該イオン交換塔300を設置するだけで本発明の目的を実現できるため、既存設備改造に適しているという利点がある。この利点は、実施例1で説明した別塔タイプのものでも同様である。

0067

実施例4
図5は超純水製造装置の部分構成を示したものであり、本例は、上記実施例1のK塔311をカチオン交換樹脂のみを充填したK塔31に代えると共に、従来の超純水製造装置で陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂を充填した再生型混床式イオン交換装置(MB塔)8に代えて、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂に更に加えて、ほう素選択性イオン交換樹脂を充填混合した再生型混床式イオン交換装置800を用いる例を示すものである。

0068

本例の再生型混床式イオン交換装置800の基本的構成は、3樹脂混合の点を除けば従来の再生型混床式イオン交換装置8と同じであり、再生設備も、ほう素選択性イオン交換樹脂として比重が陰イオン交換樹脂よりも小さい(上記IRA−743TはIRA−402BLよりも比重が小さい)ものを用いることによって、逆洗操作により上部から順にほう素選択性イオン交換樹脂−強塩基性陰イオン交換樹脂−強酸性陽イオン交換樹脂の各樹脂の積層状態とさせることができ、塔上部からアルカリ水溶液、塔下部から酸水溶液の各再生剤を通薬し(いずれも点線で示した)、強塩基性陰イオン交換樹脂と強酸性陽イオン交換樹脂の中間部に設置したコレクタ801から排出する通常の再生設備をそのまま用いることができる。

0069

以上の図5に示した再生型混床式イオン交換装置800を備えた超純水製造装置を用いて、充填イオン交換樹脂を下記のようにした以外は実施例1と同じ条件(但し2床3塔式イオン交換装置3のK塔311はアンバーライトIR−124のみを充填)で超純水の製造を行ない、該再生型混床式イオン交換装置800の出口水のほう素濃度をICP−MS分析計を用いて測定した。その結果は図2に示した実施例1のほう素濃度と同じであった。

0070

(再生型混床式イオン交換装置800)樹脂充填量
IRA−743T 800リットル
IRA−402BL600リットル
IR−124 300リットル
本例の装置によれば、以下のような効果が奏される。

0071

:強塩基性陰イオン交換樹脂及び強酸性陽イオン交換樹脂と混合して用いるので、ほう素選択性イオン交換樹脂の好ましい使用雰囲気である中性付近イオン交換能を発揮させることができ、ひいては該樹脂の使用量を少なくできる。

0072

:イオン交換塔の装置あるいは再生設備の製作が容易である。

0073

:既設の再生型混床式イオン交換装置にほう素選択性イオン交換樹脂を追加充填するだけで、あるいは必要に応じて再生設備の簡単な変更を加えることで、従来設備をほう素除去機能をもつ純水又は超純水の製造装置に変更できる。

0074

実施例5
図6に示した本例は、図17に示した従来の超純水製造装置とその基本的構成を同じくする装置(図1のK塔311を通常のカチオン交換樹脂のみを充填したK塔31に代えた装置に同じ)において、再生型混床式イオン交換装置(MB塔)8と1次純水タンク9の間に、ほう素選択性イオン交換樹脂である上記アンバーライトIRA−743Tのみを充填した非再生型のイオン交換塔400を設けた例を示すものであり、他の構成は従来の超純水製造装置と同じである。

0075

本例装置について装置構成を上述のように変更した以外は実施例1と同じ条件で超純水の製造を30日間連続して行い、イオン交換塔400の出口水のほう素濃度をICP−MS分析計を用いて測定した。その結果を図7に示す。

0076

この結果からも分かるように該イオン交換塔400の出口水のほう素濃度は、実施例1の結果を示した図2の試験結果と略同じであった。

0077

比較例2
比較のために、実施例5のアンバーライトIRA−743Tのみを充填した非再生型のイオン交換塔400に代えて、アンバーライトIRA−402BLを充填した非再生型のイオン交換塔401を設けて、実施例5と同じ条件で超純水の製造を行い、イオン交換塔401の出口水のほう素濃度をICP−MS分析計を用いて測定し、その結果を図7に示した。この場合には、ほう素濃度が変動し、また13日後にほう素濃度の著しい漏出が生じた。

0078

これらの実施例5と比較例2の対比からも分かるように、実施例5の装置によれば、ほう素を有効に除去でき、しかも非再生型のイオン交換塔を用いることで再生に伴う水質変動がないという利点も得られる。

0079

実施例6
図8に示した本例は、図6に示した実施例5のアンバーライトIRA−743Tを充填した非再生型のイオン交換塔400と1次純水タンク9の間に、逆浸透膜からなるRO装置402を付加して設けた例を示すものであり、他の構成は実施例5と同じである。

0080

本例の場合には、実施例5の利点に加えて、ほう素選択性イオン交換樹脂から溶出する有機物をRO装置402で除去できるので、2次純水処理系でのTOCの増加を低減できる。

0081

実施例7
図9に示した本例は、図17に示した従来の超純水製造装置とその基本的構成を同じくする装置(図1のK塔311を通常のカチオン交換樹脂のみを充填したK塔31に代えた装置に同じ)において、1次純水タンク9から1次純水を2次純水処理系に供給するポンプ900の下流に配管の分岐路901を設け、1次純水の一部を2次純水処理系に供給すると共に、残りの1次純水を他の用途水として利用するように構成した純水又は超純水製造装置を示すものであり、上記分岐路901の下流、2次純水処理系の紫外線酸化装置10の前段(上流)に、ほう素選択性イオン交換樹脂である上記アンバーライトIRA−743Tを充填した非再生型のイオン交換塔500を設けたことを特徴する。なお実施例6に示したものと同様にイオン交換塔500の次段に逆浸透膜からなるRO装置(図示せず)を設けることもできる。

0082

本例の装置によれば、上記実施例5(あるいは実施例6)と同等のほう素除去が得られるという効果に加え、ほう素除去を必要としない他の用途水の配管径路への分岐路の下流位置に上記イオン交換塔500を配置しているので、ほう素選択性イオン交換樹脂に対するイオン負荷をその分低減できて使用樹脂量を削減できる利点がある。このような他の用途用に用いられる用水の量は、超純水に比べて2倍以上である場合が多いため、本例の利点は極めて大きい。

0083

実施例8
図10は超純水製造装置の部分構成を示したものであり、本例においては、図17における超純水製造装置のカートリッジポリッシャ11に代えて、図9に示すように、ほう素計120と、ほう素選択性イオン交換樹脂を充填し直列に接続された一対のカートリッジポリッシャ111a,111bとを設け、V1 〜V12の弁の切換えによりメリーゴーランド方式の運転を行なうように構成にした。

0084

この装置では、前段のカートリッジポリッシャ111a出口におけるほう素濃度が予め定めた所定濃度値となったらカートリッジ交換作業を行なう。すなわちこのメリーゴーランド方式の運転を図11図13を用いて説明すると、図11において、各弁の現在の状態はVl−開、V2−閉、V3−開、V4−開、V5−閉、V6−開、V7−開、V8−閉、V9−開、V10−開、V11−閉、V12−開であり、1次純水タンク9から供給される1次純水は、図11太線で示したごとく、紫外線酸化装置10→カートリッジポリッシャ111a→カートリッジポリッシャ111b→限外臆過膜装置12の順に通水されている。今、前段のカートリッジポリッシャ111aと後段のカートリッジポリッシャ111bの中間にはほう素計120が設置されており、前段のカートリッジポリッシャ111aの処理水質は、これにより常時監視されている。ほう素計120による測定値が所定の値となった場合には、カートリッジポリッシャ111aの寿命が来たものと判断され、各弁の状態をV1−閉、V2−開、V3−開、V4−閉、V5−閉、V6−開、V7−開、V8−閉、V9−閉、V10−閉、V11−閉、V12−閉として、図12に示す様に使用済みのカートリッジポリッシャ111aがとりはずされ、その間1次純水タンク9から供給される1次純水は図12に太線で示したごとくカートリッジポリッシャ111bのみで処理される。次いで、図13に示すように、取り外したカートリッジポリッシャ111aの代りに新しいカートリッジポリッシャ111cが取付けられた後、カートリッジポリッシャ111bが前段、新しいカートリッジポリッシャ111cが後段になる様に各弁が切換えられ、通水が開始される。図13に示される各弁は、V1−閉、V2−開、V3−開、V4−閉、V5−開、V6−開、V11−開、V12−開の状態にあり、1次純水は紫外線酸化装置10→カートリンポリッシャ111b→カートリンジポリッシャ111c→限外濾過膜装置12の順に通水される。

0085

この様な運転方法によれば、後段のカートリッジポリッシャ111bへのほう素の蓄積が生じないため、常時安定してほう素の漏出を防止できる。

0086

実施例9
図14は、図17の超純水製造装置における逆浸透膜からなるRO装置5と真空脱気装置7との間に紫外線酸化装置40を設置し、さらに再生型混床式脱塩装置8の代りにほう素選択性イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の積層イオン交換塔80a,80bを設置すると共に、図14に示すように、ほう素計20を含む構成とし、いわゆるメリーゴーランド方式で運転したものである。図14において、RO装置5で処理された水は、溶存するTOCが紫外線酸化装置40により有機酸炭酸に分解され、続いて真空脱気装置6によって溶存酸素および溶解している炭酸の一部が除去される。次いで、積層イオン交換塔80a,80bによって、微量に含まれている陰イオン及びほう素が除去される。積層イオン交換塔80a,80bは再生型イオン交換塔であって、採水工程の終了した前段のイオン交換塔は付属の再生設備によって再生された後、いままで後段に位置していたイオン交換塔の後段に組込まれて採水工程に入る。積層イオン交換塔80a,80bの処理水は1次純水タンク9へ送られる。紫外線酸化装置10以降は、実施例8と同じであり、ほう素選択性イオン交換樹脂を有するカートリッジポリッシャ111a,111bが、ほう素計120を介装して設けられ、いわゆるメリーゴーランド方式で運転される。更に限外臆過膜装置12を経て使用場所13へ超純水が供給される。

発明の効果

0087

請求項1〜請求項3に記載した本発明によれば、ほう素濃度を十分に低下させた純水や超純水を製造することができるという効果がある。

0088

また、再生型イオン交換装置の再生サイクルや非再生型イオン交換装置の交換頻度を増加させることなく、常に安定してほう素濃度を低く保つことができる純水又は超純水の製造方法及びその装置を提供できるという効果がある。

0089

また更に、半導体製造分野あるいはその関連分野に用いられる各種の用水として、ほう素濃度を十分に低減した純水又は超純水を提供できるという効果が得られる。

0090

更に、上記した各実施例の構成によれば、各実施例に記載した夫々の効果が奏される。

図面の簡単な説明

0091

図1本発明の実施例1の超純水製造装置の構成概要を示したブロック図。
図2実施例1及び比較例1の2床3塔式イオン交換装置の出口水のほう素濃度の変化を示した図。
図3本発明の実施例2の超純水製造装置の構成概要を示したブロック図。
図4本発明の実施例3の超純水製造装置の構成概要を示したブロック図。
図5本発明の実施例4の超純水製造装置の一部構成である再生型混床式イオン交換装置の構成概要を示した図。
図6本発明の実施例5の超純水製造装置の構成概要を示したブロック図。
図7実施例5及び比較例2のイオン交換塔の出口水のほう素濃度の変化を示した図。
図8本発明の実施例6の超純水製造装置の構成概要を示したブロック図。
図9本発明の実施例7の超純水製造装置の構成概要を示したブロック図。
図10本発明の実施例8の超純水製造装置の一部構成であるメリーゴーランド方式の運転を行なうカートリッジポリッシャの構成概要を示したブロック図。
図11実施例8のカートリッジポリッシャのメリーゴーランド操作を説明するための図。
図12実施例8のカートリッジポリッシャのメリーゴーランド操作を説明するための図。
図13実施例8のカートリッジポリッシャのメリーゴーランド操作を説明するための図。
図14本発明の実施例9の超純水製造装置の構成概要を示したブロック図。
図15従来の超純水製造装置における2床3塔式イオン交換装置の出口水のほう素濃度の経時変化を示した図。
図16従来の超純水製造装置における使用場所において測定したほう素濃度の経時的変化を示した図。
図17従来の超純水製造装置の一例の構成概要を示したブロック図。

--

0092

1・・・前処理装置、3・・・2床3塔式イオン交換装置、31・・・K塔、311・・・K塔、32・・・脱炭酸塔、33・・・A塔、331・・・A塔、5・・・RO装置、7・・・真空脱気装置、8・・・再生型混床式脱塩装置、9・・・1次純水タンク、10・・・紫外線酸化装置、11・・・カートリッジポリッシャ、12・・・限外濾過膜装置、13・・・使用場所、300・・・イオン交換塔、400・・・イオン交換塔、500・・・イオン交換塔、800・・・再生型混床式脱塩装置。

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