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技術 転写物の製造方法と転写材と転写装置

出願人 NISSHA株式会社
発明者 奥野至郎
出願日 1994年7月29日 (26年3ヶ月経過) 出願番号 1994-197877
公開日 1996年2月13日 (24年9ヶ月経過) 公開番号 1996-039922
状態 特許登録済
技術分野 特殊印刷 印刷方法 転写による装飾
主要キーワード 筋状パターン 熱風ブロワ 加圧回数 流れ作業的 アクリル系熱硬化性樹脂 二液硬化型樹脂 二液硬化性 側面用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(1996年2月13日)のものです。
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図面 (10)

目的

被転写物転写材を重ね合わせる前に接着剤層活性状態にしておいても、接着剤層の溶剤によって図柄が破壊されてしまうことのない転写物の製造方法と転写材と転写装置を提供する。

構成

基体シート10上に、剥離層図柄層耐溶剤層プライマー層が順次形成された転写層15を有する転写材1のプライマー層に接着剤層を形成し、接着剤層を活性状態とした後、転写材1の接着剤層を被転写物2に重ね合わせて加圧し、転写材1のプライマー層と被転写物2とを接着させた後、基体シート10を除去し、被転写物2表面に転写層15を形成する。

概要

背景

上記した建築用内外装材などを製造する従来方法の一例として、次のようなものがある。
(1)塩化ビニル樹脂や上質紙などからなる長尺基材フィルム上に、図柄層を形成した長尺のラミネート材を得、このラミネート材の図柄層とは反対側に接着剤層塗布形成し、接着剤層が粘着性のある状態(活性状態ともいう。)で、被絵付け送り装置に連続的に送り込まれてくる被絵付け物にラミネート材の接着剤層を重ね合わせ、プレスロール加圧して、ラミネート材と被絵付け物とを接着させ、ラミネート材の余分な部分を切断除去してラミネート物を得る製造方法があった。この製造方法では、被絵付け物が連続的に送り込まれてくるので、ラミネート材への接着剤層の形成工程、ラミネート材と被絵付け物との重ね合わせ工程、回転するプレスロールによる加圧工程、切断除去工程などの各工程は、被絵付け物を常時移動させながら流れ作業的に行なわれる。

この製造方法では、たとえば、上面と二側面との複数面にラミネートが必要な多面体が被絵付け物(以下、多面体被絵付け物という。)となった場合、板状多面体の上面と二側面とが加圧必要面となる。よって、多面体被絵付け物の上面に対して垂直に押圧する上面用プレスロールと、一方の側面に対して垂直に押圧する一側面用プレスロールと、他方の側面に対して垂直に押圧する他側面用プレスロールとの計3種類のプレスロールを別々に用意して多面体被絵付け物送り装置に固定設置し、各面用のプレスロールを対応する加圧必要面に押し当てている。

したがって、たとえば、被絵付け物として複数面にラミネートが必要な多面体が採用された場合は、加圧必要面数分のプレスロールを設置しなければならない。多面体被絵付け物の加圧必要面数が多くなればなるほど、被絵付け物送り装置に設置するプレスロールの数を増やして、加圧時間を長く採る必要がでてくる。しかし、被絵付け物送り装置の大きさには限度があるので、被絵付け物送り装置に設置できる各面用のプレスロールの数も制限されることになる。よって、多面体被絵付け物の加圧必要面数が多くなればなるほど、各加圧必要面への加圧回数が少なくなり、ラミネート材と多面体被絵付け物との接着力が弱くなる。

(1)の製造方法では、ラミネート材と多面体被絵付け物とを接着剤層が粘着性のある状態のまま接着させているので、前記接着力が弱くなるという不都合を補い、ラミネート材と多面体被絵付け物との接着力を十分にすることができる。

(2)前記(1)の製造方法において、長尺の基体シート上に、剥離層、図柄層が順次形成された転写層を有する転写材を用いる方法が考えられる。つまり、前記転写材の図柄層に接着剤層を形成し、ただちに乾燥して一旦粘着性をなくした後、被転写物送り装置に連続的に送り込まれてくる被転写物に転写材の接着剤層を重ね合わせた後、加熱されたプレスロールで加熱と加圧とを同時に行なって、接着剤層の粘着性を復活させて転写材と被転写物とを接着させ、その後、基体シートを剥離して、被転写物表面に転写層を形成して転写物を得る製造方法がある。

以上(1)と(2)とを比較すると、(2)のように、被転写物に転写材の接着剤層を重ね合わせた後に、接着剤層の粘着性を復活させる製造方法よりも、(1)のように、被絵付け物にラミネート材を重ね合わせる前に、接着剤層を粘着性のある状態としておく製造方法のほうが、一般的に接着力が強くなる。

概要

被転写物に転写材を重ね合わせる前に接着剤層を活性状態にしておいても、接着剤層の溶剤によって図柄が破壊されてしまうことのない転写物の製造方法と転写材と転写装置を提供する。

基体シート10上に、剥離層、図柄層、耐溶剤層プライマー層が順次形成された転写層15を有する転写材1のプライマー層に接着剤層を形成し、接着剤層を活性状態とした後、転写材1の接着剤層を被転写物2に重ね合わせて加圧し、転写材1のプライマー層と被転写物2とを接着させた後、基体シート10を除去し、被転写物2表面に転写層15を形成する。

目的

この発明の目的は、被転写物の素材そのものが持つ表面状態を活かした完成品を得ることができ、しかも、被転写物に転写材を重ね合わせる前に接着剤層を活性状態にしておいても、接着剤層の溶剤によって図柄が破壊されてしまうことのない転写物の製造方法と転写材と転写装置を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
4件

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請求項1

基体シート上に、剥離層図柄層耐溶剤層プライマー層が順次形成された転写層を有することを特徴とする転写材

請求項2

請求項1記載の転写材のプライマー層に接着剤層を形成し、接着剤層を活性状態とした後、転写材の接着剤層を被転写物に重ね合わせて加圧し、転写材のプライマー層と被転写物とを接着させた後、基体シートを除去し、被転写物表面に転写層を形成することを特徴とする転写物の製造方法。

請求項3

被転写物に接着剤層を形成し、接着剤層を活性状態とした後、請求項1記載の転写材のプライマー層を被転写物の接着剤層に重ね合わせて加圧し、転写材のプライマー層と被転写物とを接着させた後、基体シートを除去し、被転写物表面に転写層を形成することを特徴とする転写物の製造方法。

請求項4

請求項2の加圧時において、まず、転写材の接着剤層の一部分を多面体被転写物の一面に重ね合わせて一面用プレスロールで先加圧し、次いで、前記転写材の接着剤層の他部分を被転写物の他面に重ね合わせて他面用プレスロールで後加圧することを特徴とする請求項2記載の転写物の製造方法。

請求項5

多面体被転写物の複数面に接着剤層を形成し、請求項3の加圧時において、まず、転写材のプライマー層の一部分を多面体被転写物の一面に重ね合わせて一面用プレスロールで先加圧し、次いで、前記転写材のプライマー層の他部分を被転写物の他面に重ね合わせて他面用プレスロールで後加圧する請求項3記載の転写物の製造方法。

請求項6

転写材送り出し手段および転写材巻き取り手段を有する転写材送り手段と、接着剤塗布手段と、被転写物送り手段と、プレスロール手段とを備えたことを特徴とする転写装置

技術分野

0001

この発明は、建築用内外装材家具表面材キッチン用表面材、車のドア部材、およびそれらの縁材として用いる板状や棒状、短冊状などの材料に、図柄を形成するための転写材とこの転写材を用いた転写物の製造方法に関する。

背景技術

0002

上記した建築用内外装材などを製造する従来方法の一例として、次のようなものがある。
(1)塩化ビニル樹脂や上質紙などからなる長尺基材フィルム上に、図柄層を形成した長尺のラミネート材を得、このラミネート材の図柄層とは反対側に接着剤層塗布形成し、接着剤層が粘着性のある状態(活性状態ともいう。)で、被絵付け送り装置に連続的に送り込まれてくる被絵付け物にラミネート材の接着剤層を重ね合わせ、プレスロール加圧して、ラミネート材と被絵付け物とを接着させ、ラミネート材の余分な部分を切断除去してラミネート物を得る製造方法があった。この製造方法では、被絵付け物が連続的に送り込まれてくるので、ラミネート材への接着剤層の形成工程、ラミネート材と被絵付け物との重ね合わせ工程、回転するプレスロールによる加圧工程、切断除去工程などの各工程は、被絵付け物を常時移動させながら流れ作業的に行なわれる。

0003

この製造方法では、たとえば、上面と二側面との複数面にラミネートが必要な多面体が被絵付け物(以下、多面体被絵付け物という。)となった場合、板状多面体の上面と二側面とが加圧必要面となる。よって、多面体被絵付け物の上面に対して垂直に押圧する上面用プレスロールと、一方の側面に対して垂直に押圧する一側面用プレスロールと、他方の側面に対して垂直に押圧する他側面用プレスロールとの計3種類のプレスロールを別々に用意して多面体被絵付け物送り装置に固定設置し、各面用のプレスロールを対応する加圧必要面に押し当てている。

0004

したがって、たとえば、被絵付け物として複数面にラミネートが必要な多面体が採用された場合は、加圧必要面数分のプレスロールを設置しなければならない。多面体被絵付け物の加圧必要面数が多くなればなるほど、被絵付け物送り装置に設置するプレスロールの数を増やして、加圧時間を長く採る必要がでてくる。しかし、被絵付け物送り装置の大きさには限度があるので、被絵付け物送り装置に設置できる各面用のプレスロールの数も制限されることになる。よって、多面体被絵付け物の加圧必要面数が多くなればなるほど、各加圧必要面への加圧回数が少なくなり、ラミネート材と多面体被絵付け物との接着力が弱くなる。

0005

(1)の製造方法では、ラミネート材と多面体被絵付け物とを接着剤層が粘着性のある状態のまま接着させているので、前記接着力が弱くなるという不都合を補い、ラミネート材と多面体被絵付け物との接着力を十分にすることができる。

0006

(2)前記(1)の製造方法において、長尺の基体シート上に、剥離層、図柄層が順次形成された転写層を有する転写材を用いる方法が考えられる。つまり、前記転写材の図柄層に接着剤層を形成し、ただちに乾燥して一旦粘着性をなくした後、被転写物送り装置に連続的に送り込まれてくる被転写物に転写材の接着剤層を重ね合わせた後、加熱されたプレスロールで加熱と加圧とを同時に行なって、接着剤層の粘着性を復活させて転写材と被転写物とを接着させ、その後、基体シートを剥離して、被転写物表面に転写層を形成して転写物を得る製造方法がある。

0007

以上(1)と(2)とを比較すると、(2)のように、被転写物に転写材の接着剤層を重ね合わせた後に、接着剤層の粘着性を復活させる製造方法よりも、(1)のように、被絵付け物にラミネート材を重ね合わせる前に、接着剤層を粘着性のある状態としておく製造方法のほうが、一般的に接着力が強くなる。

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、(1)では、ラミネート材を被絵付け物にラミネートした後、基材フィルムは剥がされず、被絵付け物上に基材フィルムが残留したままの状態で完成品となる。このため、基材フィルムの持つ手触り表面状態のものだけが完成品となってしまい、被絵付け物の素材そのものが持つ表面状態を活かした完成品を得ることができなかった。また、(1)では、被絵付け物が火災遭遇した場合、塩化ビニル樹脂からなる基材フィルムが燃焼して有害な黒煙が発生するので、防災上問題とされている。また、(1)では、上質紙からなる基材フィルムを用いた場合、紙繊維どうしの剥離が紙内部で発生しやすくなる。

0009

また、(2)では、転写材と多面体被転写物との接着力が弱くなるという不都合を補うために、(1)の製造方法を適用して、被転写物に転写材を重ね合わせる前に、接着剤層を粘着性のある状態、たとえば、加熱して粘着性を復活した状態か、接着剤層を乾燥せずに粘着性を持続させた状態などにしておくことが考えられる。しかし、この場合は、接着剤層の溶剤によって、図柄層の樹脂が溶解され図柄が破壊されてしまい、被転写物表面にきれいな図柄を形成することができなかった。

0010

この発明の目的は、被転写物の素材そのものが持つ表面状態を活かした完成品を得ることができ、しかも、被転写物に転写材を重ね合わせる前に接着剤層を活性状態にしておいても、接着剤層の溶剤によって図柄が破壊されてしまうことのない転写物の製造方法と転写材と転写装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

この発明の転写物の製造方法と転写材と転写装置は、以上の目的を達成するために、つぎのように構成した。つまり、この発明の転写材は、基体シート上に、剥離層、図柄層、耐溶剤層プライマー層が順次形成された転写層を有するように構成した。

0012

この発明の転写物の製造方法は、前記転写材のプライマー層に接着剤層を形成し、接着剤層を活性状態とした後、転写材の接着剤層を被転写物に重ね合わせて加圧し、転写材のプライマー層と被転写物とを接着させた後、基体シートを除去し、被転写物表面に転写層を形成するように構成した。

0013

この発明の転写物の製造方法は、被転写物に接着剤層を形成し、接着剤層を活性状態とした後、前記転写材のプライマー層を被転写物の接着剤層に重ね合わせて加圧し、転写材のプライマー層と被転写物とを接着させた後、基体シートを除去し、被転写物表面に転写層を形成するよに構成した。

0014

この発明の転写物の製造方法は、前記加圧時において、まず、転写材の接着剤層の一部分を多面体被転写物の一面に重ね合わせて一面用プレスロールで先加圧し、次いで、前記転写材の接着剤層の他部分を被転写物の他面に重ね合わせて他面用プレスロールで後加圧するように構成した。

0015

この発明の転写物の製造方法は、多面体被転写物の複数面に接着剤層を形成し、前記製造方法の加圧時において、まず、転写材のプライマー層の一部分を多面体被転写物の一面に重ね合わせて一面用プレスロールで先加圧し、次いで、前記転写材のプライマー層の他部分を被転写物の他面に重ね合わせて他面用プレスロールで後加圧するように構成した。

0016

この発明の転写装置は、転写材送り出し手段および転写材巻き取り手段を有する転写材送り手段と、接着剤塗布手段と、被転写物送り手段と、プレスロール手段とを備えた構成とした。

0017

以下、この発明の転写物の製造方法と転写材と転写装置を、転写材、転写装置、転写物の製造方法の順で詳細に説明する。

0018

この発明の転写材1を説明する(図1参照)。

0019

転写材1は、基体シート10上に、剥離層11、図柄層12、耐溶剤層13、プライマー層14が順次形成された転写層15を有するものである。転写層15は、後述するように、印刷法コーティング法などで形成される薄い皮膜であるから、ラミネート材の基材フィルムのように、被転写物2の素材そのものが持つ表面状態を変えてしまうほど分厚かったり硬かったりするものではない。したがって、被転写物2の上に転写層が形成されても、被転写物2の素材そのものが持つ表面状態をほぼ保ったままとなる。また、転写層15は、ある程度の膜厚を有するものなので、被転写物2表面の余分な凹凸がそのまま転写物表面に現われないようにすることもできる。

0020

基体シート10は、ポリプロピレン系樹脂ポリエチレン系樹脂ポリアミド系樹脂ポリエステル系樹脂アクリル系樹脂ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シートアルミニウム箔銅箔などの金属箔グラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シート複合体など、通常の転写材の基体シート10として用いられるものを使用することができる。基体シート10の膜厚としては、15μm〜100μmのものを使用することができる。

0021

基体シート10からの転写層15の剥離性を改善するためには、基体シート10上に転写層15を設ける前に、離型層を全面的に形成してもよい。この場合は剥離層11はあってもなくてもよい。離型層を全面的に形成し、かつ、剥離層11を用いない場合は、図柄層12、耐溶剤層13、プライマー層14が順次形成されたものが転写層15となる。離型層は、転写後または成形同時転写後に基体シート10を剥離した際に、基体シート10とともに転写層15から離型するが、場合によっては層間離型を起こし、離型層の一部が転写層15の最外面に残存することもある。離型層の材質としては、メラミン樹脂離型剤シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤およびこれらの複合型離型剤などを用いることができる。離型層の形成方法としては、ロールコート法スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法スクリーン印刷法などの印刷法がある。離型層の乾燥膜厚は、0.5μm〜2μmとするのが一般的である。

0022

剥離層11は、基体シート10と転写層15とを剥離するための層である。剥離層11の材質としては、アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂ポリエチレンワックスとからなるものや、電子線硬化性樹脂紫外線硬化性樹脂などを用いて、印刷法などによって形成するとよい。電子線硬化性樹脂としては、重合二重結合を有するプレポリマーあるいはオリゴマー組成物、またはエポキシ基を有するプレポリマーあるいはオリゴマーの組成物に、反応性希釈剤を混ぜ合わせたものがある。紫外線硬化性樹脂としては、重合型二重結合を有するプレポリマーあるいはオリゴマーの組成物、またはエポキシ基を有するプレポリマーあるいはオリゴマーの組成物に、反応性希釈剤と光重合開始剤を混ぜ合わせたものがある。剥離層11の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。離型層の乾燥膜厚は、0.5μm〜3μmとするのが一般的である。

0023

図柄層12は、図柄を被転写物2の表面に形成するための層である、図柄層12の材質としては、着色された顔料染料などの着色材と、アクリルビニル樹脂などの樹脂バインダーと溶剤とからなるインキを用いて、印刷法などによって形成する。図柄層12の図柄は、木目模様網目模様ヘアライン模様などの模様絵画ロゴ文字記号、図形などがある。図柄層12は、全面ベタの着色からなっていてもよいし、部分的な着色からなっていてもよい。図柄層12は、透明性を有していてもよいし、隠蔽性を有していてもよい。図柄層12は、蒸着法などによって形成された金属光沢による図柄を有していてもよい。図柄層12は、部分柄インキ層と全面ベタインキ層との2層からなっていてもよい。部分柄インキ層と全面ベタインキ層とはこの順序で剥離層11上に形成される。全面ベタインキ層を色とし、部分柄インキ層を白色の筋状パターンとすると、木目調の図柄となる。図柄層12の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。図柄層12の乾燥膜厚は、1μm〜3μmとするのが一般的である。

0024

耐溶剤層13は、溶剤の浸透が抑制される耐溶剤性のある層である。耐溶剤層13の材質としては、たとえば、熱硬化性樹脂二液硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂などがあり、必要により溶剤が添加されたものでもよい。熱硬化性樹脂としてはアクリル系熱硬化性樹脂メラミン系熱硬化性樹脂などがある。二液硬化性樹脂としてはウレタン系二液硬化性樹脂やポリエステル系二液硬化性樹脂などがある。電離放射線硬化性樹脂としてはアクリル系紫外線硬化性樹脂、アクリル系電子線硬化性樹脂、アクリル系X線硬化性樹脂、アクリル系α線硬化性樹脂、アクリル系β線硬化性樹脂、アクリル系γ線硬化性樹脂などがある。溶剤としては、トルエンメチルエチルケトン酢酸エチルなどがある。耐溶剤層13の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。耐溶剤層13の溶剤が、前記図柄層12の樹脂を溶解し図柄を破壊してしまわないようにするために、耐溶剤層13の乾燥膜厚をコントロールして、図柄層12の樹脂を溶解する可能性のある溶剤の絶対量を減じる方法と、図柄層形成後、図柄層12の樹脂を溶解しないうちに乾燥状態にしてしまう方法とがある。前者を採用する場合は、耐溶剤層13の乾燥膜厚を、1μm〜3μmにするとよい。後者を採用する場合は、たとえば耐溶剤層13の膜厚が1μm〜3μmの場合は、耐溶剤層13の印刷後、約2秒〜30秒で乾燥状態にしてしまうとよい。

0025

プライマー層14は、接着剤層16と転写層15とを密着させるための層である。プライマー層14の材質としては、前記耐溶剤層13との密着力、および後述する接着剤層16との密着力がある層である。たとえば、アクリルビニル系樹脂セルロース系樹脂などがある。プライマー層14の形成方法としては、ロールコート法、スプレーコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。プライマー層14の乾燥膜厚は、0.5μm〜2μmとするのが一般的である。なお、プライマー層14も前記耐溶剤層13と同様に耐溶剤性があればよいが、必ずしも耐溶剤性があることを必要とはしない。

0026

この発明の転写装置を説明する(図2図4)。

0027

転写装置は、少なくとも、転写材送り出し手段および転写材巻き取り手段を有する転写材送り手段と、接着剤塗布手段と、被転写物送り手段と、プレスロール手段とを備えたものであり、必要により加熱手段を有していてもよい。

0028

被転写物送り手段は、被転写物2を送る手段である。一例として、図4に示すように、被転写物2を搬送する多数のピンチロール3と、ピンチロール3の軸受けをする軸受け凸部4を有する基台5とを有するものがある。ピンチロール3は2個を一組としてロール軸40によって平行につなげられており、ロール軸40が前記軸受け凸部4で貫通して軸受けされているものがある。ピンチロール3のかわりに、ベルトコンベアーで被転写物2を搬送する被転写物送り手段もある。送り速度は、数m〜数10m/分のものがある。

0029

プレスロール手段は、転写材1を被転写物2に加圧する手段である。一例として、図4に示すように、プレスロールと支持アーム6とを有するものがある。支持アーム6の先端にプレスロールの回転軸60の一端が取付けられている。支持アーム6は、被転写物送り手段の基台5上に設けられた複数本直立固定棒(図示せず)の、上端、中間、下端などの任意の箇所に、任意の取付け角度で取付けられる。この取付け角度を調節することによって、プレスロールの向きを変化させることができる。たとえば、多面体被転写物の表面のうち、上面と右側面と左側面に転写が必要な場合は、前記支持アーム6の前記取付け角度を調節し設定することによって、上面に対して垂直に押圧する上面用プレスロールと、一方の側面に対して垂直に押圧する一側面用プレスロールと、他方の側面に対して垂直に押圧する他側面用プレスロールとの計3種類のプレスロールを別々に用意することができる。プレスロールは、ゴム製、シリコン製、金属製、プラスチック製などがある。

0030

被転写物2の転写が必要な面が凹面のときは、プレスロール表面は該凹面に合致する凸面とするとよい。あるいは、加圧する面が凸面のときは、プレスロール表面は該凸面に合致する凹面とするとよい。

0031

転写材送り手段は、転写材送り出し手段および転写材巻き取り手段などからなり、被転写物2とプレスロールとの間に転写材1を送りかつ巻き取る手段である。一例として、図2に示すように、転写材送り出し手段としては、送り出しロールマガジン20がある。また、被転写物2への転写後に転写材1を巻き取る転写材巻き取り手段としては、巻き取りロールマガジン24がある。転写材送り手段は、さらに、送り出しロールマガジン20から送り出された転写材1の進行方向を適宜変えるための第1ターンロール21および第2ターンロール22および第3ターンロール23とを有する。送り出しロールマガジン20および巻き取りロールマガジン24には、プライマー層14が外側になるように転写材1が巻かれていてもよいし、プライマー層14が内側になるように転写材1が巻かれていてもよい。第2ターンロール22と第3ターンロール23の設置位置は、連続的に送られてくる転写材1の接着剤層16が被転写物2にほぼ接触するするような位置である。

0032

接着剤塗布手段は、前記プレスロールによって転写材1を加圧する前に、転写材1のプライマー層14に接着剤層16を形成する手段である(図2)。あるいは、接着剤塗布手段は、前記プレスロールによって転写材1を加圧する前に、被転写物2に接着剤層16を形成する手段である(図3)。一例として、接着剤17をためておく接着剤タンク30と、接着剤17の塗布口31、連続して送り込まれてくる転写材1の下敷きとなるプレート32とを有するものである。塗布口31はディスペンサータイプでもよいし、刷毛タイプでもよい。接着剤塗布手段は、塗布機印刷機でもよい。塗布機としてはナイフコーターローラーコーターグラビアコーターコンマコーターなどがある。印刷機としては、グラビア印刷機スクリーン印刷機平版印刷機などの印刷機などがある。

0033

加熱手段は、転写材1あるいは被転写物2に形成された接着剤層16を加熱して、接着剤層16の活性をさら強くして、接着剤層16と被転写物2との接着力をさらに高める手段である(図示せず)。あるいは、転写材1と被転写物2とが重ね合わされた状態での接着剤層16を加熱して、接着剤層16の活性をさら強くして、接着剤層16と被転写物2との接着剤層16の接着力をさらに高める手段でもよい。あるいは、転写材1あるいは被転写物2に形成された接着剤層16を加熱して、接着剤層16を後述する粘着性復活状態にするための手段でもよい。 加熱手段は、遠性外線式熱風ブロワー式などの加熱機などがある。加熱手段の設置の仕方は、図2に示した装置に組み込むとすると、接着剤タンク30と第1ターンロール21との間、あるいは、第1ターンロール21と第2ターンロール22との間、あるいは第2ターンロール22と一面用プレスロール7との間に設置する仕方がある。あるいは、プレスロール手段の上部に設置するか、一面用プレスロール7自体および他面用プレスロール8自体を加熱して、転写材1を被転写物2に加圧しながら同時に加熱することもできる。

0034

この発明の転写物の製造方法を説明する(図2図4)。

0035

前記転写材1と前記転写装置と被転写物2とを用意する。

0036

被転写物2としては、単位サイズ木片接合してなる集成材合板アルミニウムなどの無機材料プラスチック材などがあり、薄板立体物がある。合板としては、ファイバーボードパーティクルボード、積層特殊合板芯材特殊合板などがある。立体物としては、上面と下面と右側面と左側面を有する断面長方形板状物図4)、あるいは上面と下面と右斜面と左斜面と右側面と左側面を有する断面台形棒状物図5)、上面と右側面、上面と左側面が滑らかにカーブしてつながっている断面略台形の棒状物(図6)、上面が凹で下面が凸で厚みを有する断面略ブーメラン形の棒状物(図7)、上面および/または側面に凹凸を有する板状物(図9)、あるいは、平面および曲面を複数有する板状物などがある。被転写物2の材質としてアルミニウムなどの金属材料を用いた場合は、金属材料を筒状に成形したものや、縁を折り曲げたもの(図8)などがある。板状物は、短冊状や棒状、長尺板状などの形状のものがある。板状物のは数10cmから数mのものがあり、板状物の幅は数cmから数100cmのものなどがある。転写機によっては、適用できる板状物の幅が20cm、30cm、45cm、60cmなどと制限されているものもある。

0037

以下、転写物の製造方法の一例として、図1に示した転写材1と、図2および図4に示した転写装置と、図4に示した上面と下面と右側面と左側面とを有する断面長方形の板状物からなる多面体被転写物とを用いた場合を説明する。

0038

まず、転写材1のプライマー層14に、接着剤層16を形成する(図2)。

0039

つまり、プライマー層14が上向きになるように転写材1を送り出しロールマガジン20より送り出し、接着剤形成時の下敷きとなるプレート32上に移動し、一旦停止したりして移動しながら、塗布や印刷や刷毛塗りやディスペンサーなどによってプライマー層14上に接着剤17を形成する。接着剤層16は、転写材1のプライマー層14上全面に形成してもよいし、必要な一部分だけに形成してもよい。接着剤の材質は、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体ポリアミド樹脂や、エチレンブチルアルコール樹脂やウレタン樹脂二液硬化型樹脂などの樹脂と溶剤とからなるものがある。また、たとえば、熱硬化性樹脂や二液硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂などがあり、必要により溶剤が添加されたものでもよい。熱硬化性樹脂としてはアクリル系熱硬化性樹脂、メラミン系熱硬化性樹脂などがある。二液硬化性樹脂としてはウレタン系二液硬化性樹脂やポリエステル系二液硬化性樹脂などがある。電離放射線硬化性樹脂としてはアクリル系紫外線硬化性樹脂、アクリル系電子線硬化性樹脂、アクリル系X線硬化性樹脂、アクリル系α線硬化性樹脂、アクリル系β線硬化性樹脂、アクリル系γ線硬化性樹脂などがある。電子線硬化性樹脂としては、重合型二重結合を有するプレポリマーあるいはオリゴマーの組成物、またはエポキシ基を有するプレポリマーあるいはオリゴマーの組成物に、反応性希釈剤を混ぜ合わせたものがある。紫外線硬化性樹脂としては、重合型二重結合を有するプレポリマーあるいはオリゴマーの組成物、またはエポキシ基を有するプレポリマーあるいはオリゴマーの組成物に、反応性希釈剤と光重合開始剤を混ぜ合わせたものがある。溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどがある。

0040

接着剤層16の膜厚は、1μm〜80μmが適当である。被転写物2の材質がプラスチックや金属などの比較的平滑な表面状態のものであるときは、接着剤17が吸収されてしまうことが少ないので、膜厚は2μm〜20μmとするとよい。また、被転写物2の材質が木質部材などの比較的粗面であったり吸水性の表面状態のものであるときは、接着剤17が吸収されやすいので、膜厚は30μm〜80μmとするとよい。

0041

つぎに、接着剤層16を活性状態にする(図2)。

0042

接着剤層16を活性状態にするとは、たとえば、転写材1のプライマー層14に接着剤層16を形成してから、転写材1を被転写物2に重ね合わせるまでの間、接着剤層16の粘着性を持続させた粘着性持続状態にすることである。あるいは、転写材1のプライマー層14に接着剤層16を形成した後、一旦、自然乾燥などによって粘着性を無くし、強制加熱などによって粘着性を復活させた粘着性復活状態にすることである。

0043

粘着性持続状態にするための接着剤層16の材質としては、アクリル樹脂やエチレンビニルアセテート樹脂やウレタン樹脂などの樹脂に前記樹脂と同系のモノマーを添加させたものがある。こうすると、接着剤層16がプライマー層14に形成されてから被転写物2に重ね合わせられるまでの間つまり約十秒間〜数分間の間、どろどろとした溶液状態を維持でき、乾燥皮膜になってしまうことがない。あるいは、前記樹脂に石油樹脂などのタッキファイアーを添加したものもある。こうすると、接着剤層16がプライマー層14に形成されてから被転写物2に重ね合わせられるまでの間つまり約十秒間〜数分間の間、どろどろとした粘着性のある状態を維持することができる。

0044

粘着性復活状態にするための接着剤層16の材質としては、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂などの熱可塑性樹脂がある。強制加熱としては、遠赤外線熱風で乾燥状態の接着剤層16を溶融軟化させて粘着性を復活させた後、遠赤外線や熱風による雰囲気下で、接着剤層16が再び乾燥状態とならないように、被転写物2に重ね合わせるまで接着剤層16の粘着性を持続する。

0045

粘着性をさらに強くしておく場合、あるいは粘着性を復活させる場合は、遠赤外線や熱風などで行なうとよい。粘着性の復活は、第1ターンロール21と第2ターンロール22との間、あるいは第2ターンロール22と一面用プレスロール7との間で行なうとよい。

0046

つぎに、転写材1の接着剤層16を被転写物2に重ね合わせて加圧し、転写材1のプライマー層14と被転写物2とを接着させる(図2)。

0047

つまり、上面と下面と左側面と右側面とを有する長い短冊状の板状物である被転写物2が、多数のピンチロール3によって転写材1の下に搬送されてくる。被転写物2上に転写材1の粘着性のある状態の接着剤層16がほぼ接触し、つぎに、被転写物2の上面に対して垂直に押圧する上面用プレスロールが、一面用プレスロール7として、被転写物2の先端部の上面に転写材1を押し付けて先加圧する。一面用プレスロール7による上面の加圧状態のまま、被転写物2はピンチロール3上を移動し、つぎに、被転写物2の右側面を垂直に押圧する右側面用プレスロールおよび被転写物2の左側面を垂直に押圧する左側面用プレスロールが、他面用プレスロール8として、被転写物2の先端部の右側面および左側面に転写材1を押し付けて後加圧する。この後、一面用プレスロール7による被転写物2の上面の加圧状態と他面用プレスロール8による被転写物2の右側面と左側面との加圧状態とが同時に持続し、先に、一面用プレスロール7による被転写物2の後端部の上面の加圧状態が解除され、後に、他面用プレスロール8による被転写物2の後端部の右側面および左側面の加圧状態が解除される。

0048

この転写物の製造方法の例では、上面と下面と右側面と左側面とを有する長い短冊状の板状物を被転写物とし、上面を一面とし、右側面および左側面を他面としているが、プレスロールが加圧する順番によっては、被転写物の右側面および左側面のうち左側面を一面とし、右側面を他面としてもよい。あるいは、被転写物の下面を一面、左側面のみを他面としてもよい。あるいは、被転写物の右側面および左側面を一面、上面を他面としてもよい。

0049

加圧回数は、上面、側面の各面につき各1回だけの加圧回数でもよいし、各面につき各2回以上の加圧回数となってもよい。異なるプレスロールで各面を同時に加圧してもよい。

0050

つぎに、基体シート10を除去し、被転写物表面に転写層15を形成する。つまり、前記他面用プレスロール8による加圧状態が解除され次第、第3ターンロール23によって、基体シート10が被転写物2から引き離され除去される。その後、基体シート10は、巻き取りロールマガジン24に巻き取られる。

0051

以上、この発明では、転写材1のプライマー層14に接着剤層16を形成するかわりに、被転写物2に接着剤層16を形成してもよい。この場合の接着剤層16の材質、形成の仕方、転写材1を被転写物2に重ね合わせて加圧する仕方、基体シート10の除去の仕方などは、転写材1のプライマー層14に接着剤層16を形成する場合の説明と同じである。

0052

30g/m2上質紙にOPP(2軸延伸ポリプロピレンフィルム)をラミネートしたものを基体シートとし、6色グラビア印刷機を用いて、まず、基体シート上に、第1色目形成ユニットでポリエチレンワックスとアクリルビニル樹脂と溶剤とからなるインキを用いて膜厚2μmの剥離層を全面に印刷し、約2秒かけて剥離層を乾燥状態とし、剥離層の印刷から約4秒後に、第2色目形成ユニットで白色系の染料および顔料とアクリル樹脂と溶剤とからなるインキを用いて膜厚3μmの木目柄の骨部図柄層を部分的に印刷し、約2秒かけて骨部図柄層を乾燥状態とし、骨部図柄層の印刷から約4秒後に、第3色目形成ユニットで濃い茶色系の染料および顔料とアクリル樹脂と溶剤とからなるインキを用いて膜厚3μmの木目柄の主部(おもぶ)図柄層を部分的に印刷し、約2秒かけて主部図柄層を乾燥状態とし、主部図柄層の印刷から約4秒後に、第4色目形成ユニットで薄い茶色系の染料および顔料とアクリル樹脂と溶剤とからなるインキを用いて膜厚3μmの木目柄の下地図柄層を全面に印刷し、約2秒かけて下地図柄層を乾燥状態とし、下地図柄層の形成から約4秒後に、第5色目形成ユニットで2液硬化型ウレタンインキを用いて膜厚2μmの耐溶剤層を全面に印刷し、約2秒かけて耐溶剤層を乾燥状態とし、耐溶剤層の印刷から約4秒後に、第6色目形成ユニットでアクリルビニル共重合体樹脂を用いてグラビア印刷で膜厚1μmのプライマー層を印刷し、約2秒かけてプライマー層を乾燥状態として転写材を得た。この転写材では、骨部図柄層は木目柄の導管を表わす図柄層であり、主部図柄層は木目柄の年輪を表わす図柄層であり、下地図柄層は木質繊維を表わす図柄層である。この実施例では、骨部図柄層と主部図柄層と下地図柄層とを組み合わせて図柄層とする。

0053

この転写材のプライマー層上に2液硬化型ウレタンインキを用いてナイフコーターで膜厚50μmの接着剤層を形成し、乾燥状態とせずに、上面と下面と右側面と左側面を有する断面台形であり7m/分の送り速度で送られてくる木質棒状物(図4)のまず上面に転写材の接着剤層を重ね合わせ上面用プレスロールで加圧し、約1秒後に右側面と左側面の転写材の接着剤層を重ね合わせ右側面用プレスロールと左側面用プレスロールで加圧し、約1秒後に下面の転写材の接着剤層を重ね合わせ下面用プレスロールで加圧し、被転写物が転写材に包まれた状態となった後、約2秒後に基体シートを除去した。出来上がった転写物は、被転写物の素材そのものが持つ表面状態を活かしたものであり、しかも、接着剤層の溶剤によって図柄が破壊されていなかった。

0054

この発明の転写物の製造方法と転写材と転写装置では、転写材のプライマー層と被転写物とを接着させた後、基体シートを除去し、被転写物表面に転写層を形成する。よって、被転写物の表面を転写層だけが覆うことになる。転写層は印刷法やコーティング法によって形成されているので、ラミネート材の基材フィルムと比べて非常に薄い層である。

0055

この発明の転写物の製造方法と転写材と転写装置では、基体シート上に、剥離層、図柄層、耐溶剤層、プライマー層が順次形成された転写層を有する転写材を用いて、被転写物に転写材を重ね合わせる前に接着剤層を活性状態にしておく。よって、接着剤層の溶剤は、プライマー層を浸透して耐溶剤層に到達するが、耐溶剤層は接着剤層の溶剤を浸透させない。このため、接着剤の溶剤は、図柄層には決して到達しない。つまり、図柄層は、プライマー層と耐溶剤層とによって、接着剤層の溶剤から保護される。

0056

また、被転写物として複数面に転写が必要な多面体が採用された場合でも、転写材と多面体被転写物との接着力が弱くなることはない。つまり、被転写物送り装置に設置できる各面用のプレスロールの数が制限され、加圧回数の減少し、接着力が弱くなったとしても、被転写物に転写材を重ね合わせる前に、接着剤層を活性状態にしておくことができる。よって、加圧回数の減少による接着力の弱点カバーすることが可能となるからである。

発明の効果

0057

この発明の転写物の製造方法と転写材と転写装置は、以上のような構成および作用を有するので、つぎの効果を奏する。すなわち、この発明では、被転写物の表面を転写層だけが覆うことになるので、被転写物の素材そのものが持つ表面状態の完成品を得ることができる。また、火災の際に有害な黒煙が発生しないので、防災上問題がなくなる。また、表面が剥離したりしない。

0058

また、この発明では、被転写物に転写材を重ね合わされる前に接着剤層を活性状態にしても、図柄層は、プライマー層と耐溶剤層とによって、接着剤液の溶剤から保護され、図柄が破壊されてしまうことがないので、被転写物表面にきれいな図柄を形成することができる。

0059

また、この発明では、転写層と多面体被転写物との接着力が弱くなることはないので、多面体被転写物の各面と転写層との接着力を十分に強くすることができる。

図面の簡単な説明

0060

図1この発明の転写材の一例を示す断面図である。
図2この発明の転写物の製造方法の全工程と転写装置とを示す側面図である。
図3この発明の別の転写物の製造方法の全工程と転写装置とを示す側面図である。
図4この発明の転写物の製造方法の一工程と転写装置の一部とを示す斜視図である。
図5この発明の転写物の一例を示す斜視図である。
図6この発明の転写物の一例を示す斜視図である。
図7この発明の転写物の一例を示す斜視図である。
図8この発明の転写物の一例を示す斜視図である。
図9この発明の転写物の一例を示す斜視図である。

--

0061

1転写材
10基体シート
11剥離層
12図柄層
13耐溶剤層
14プライマー層
15転写層
16接着剤層
17接着剤
2被転写物
3ピンチロール
4軸受け凸部
5基台
6支持アーム
7 一面用プレスロール
8 他面用プレスロール
20送り出しロールマガジン
21 第1ターンロール
22 第2ターンロール
23 第3ターンロール
24巻き取りロールマガジン
30接着剤タンク
31塗布口
32プレート
40ロール軸
60 回転軸

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