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技術 窒化ケイ素質焼結体の製造方法

出願人 国立研究開発法人物質・材料研究機構日産自動車株式会社
発明者 三友護広崎尚登安藤元英
出願日 1994年7月26日 (26年5ヶ月経過) 出願番号 1994-174547
公開日 1996年2月6日 (24年10ヶ月経過) 公開番号 1996-034672
状態 拒絶査定
技術分野 セラミック製品
主要キーワード 軽量セラミックス 予亀裂 窒素ガス圧 窒化ケイ素質焼結体 宇宙航空機器 ボイド欠陥 窒化ケイ素原料 破壊起点
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目的

強度と靭性両立した機械的性質に優れた窒化ケイ素質焼結体を提供する。

構成

平均粒径0.1μm以上1.2μm以下でかつβ型Si3N4の含有率が80重量%以上である窒化ケイ素原料粉末、場合によってはさらに窒化ケイ素粉末粒度分布が、0.5μm以下の割合が70重量%以上95重量%以下であり、0.5μm超過2.0μm以下の割合が5重量%以上30重量%以下であるように粒度分布を制御した窒化ケイ素原料粉末に、焼結助剤として周期律表第IIIa族酸化物酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化ジルコニウム窒化アルミニウムのうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物あるいは窒化物を0.2重量%以上10.0重量%以下添加して混合粉末を作り、1気圧以上100気圧以下の窒素ガス圧下で1500℃以上1800℃以下の温度で50kg/cm2以上300kg/cm2以下の加圧力ホットプレスするようにした窒化ケイ素質焼結体の製造方法。

概要

背景

窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、常温および高温化学的に安定であり、高い機械的強度を有するため、軸受などの摺動部材ターボチャージャロータなどのエンジン部材として好適な材料である。

従来より、高強度な窒化ケイ素質焼結体を得るには、α型の窒化ケイ素を主成分とする原料粉末が必要といわれており、一般に、α型含有率が90重量%以上の市販粉末が使用されている。

高強度な窒化ケイ素質焼結体を得るに際してα型を主成分とする原料粉末を用いるのは、
1.α型は微粉末であり焼結性が高いこと、
2.焼結中にα型からβ型への相転移が起こり、柱状結晶発達した組織となることにより強度および靭性が向上すること、
等の理由からであった。

ところが、上述したα型を出発原料とする窒化ケイ素粉末は、α型の含有量を制御する必要があるため、原料粉末の合成過程が複雑になり、原料が高価なものになるという問題点があった。

一方、β型を主成分とする窒化ケイ素粉末としては、耐火物の原料として使用されている粉末が知られている。また、β型を主成分とする窒化ケイ素粉末を原料とする焼結体としては、ジャーナルオブアメリカセラミックソサイエティ第57巻第25頁(1974年)や、特開昭58−151371号公報等に記載されたものが知られている。

しかし、β型を主成分とする粉末は粒子が粗く、α相の含有率が低いため、柱状組織が得られず、高強度の焼結体は得られないことから、高強度の焼結体を製造するための原料粉末としては使用されていなかった。

本発明者の一人は、先に、高窒素ガス圧下で高温での焼結が可能となるガス圧焼結法を開発しこれを提案した(特許第1,247,183号明細書)。また、このガス圧焼結法によると、従来は焼結性が低いと考えられていたβ型窒化ケイ素粉末を用いても、高密度まで焼結できることを示した(ジャーナルオブマテリアルズサイエンス第11巻第1103頁〜第1107頁(1976年),特公昭58−151371号公報)。

さらに、別の特許出願(特開平2−255573号公報)で、高純度のβ型窒化ケイ素粉末の粒度分布を調整することにより、高強度な焼結体が得られることを示した。

また、別の特許出願(特願平3−245868号明細書)で、低純度の粉末を用いても適度な粒度調整により比較的高強度の焼結体が得られることを示した。

さらにまた、別の特許出願(特願平3−246113号明細書,特願平3−338844号明細書,特願平3−339008号明細書)で、焼結助剤焼成条件の最適化により焼結体の機械的特性が向上することを示した。

さらにまた、別の特許出願(特願平5−247073号明細書)で、Yb2O3を主成分とすることにより、さらに信頼性が向上することを示した。

さらにまた、別の特許出願(特願平5−247123号明細書)では、β型窒化ケイ素とβ型サイアロン複合組織とすることにより、靭性が向上して強度と靭性が両立することを示した。

概要

強度と靭性が両立した機械的性質に優れた窒化ケイ素質焼結体を提供する。

平均粒径0.1μm以上1.2μm以下でかつβ型Si3N4の含有率が80重量%以上である窒化ケイ素原料粉末、場合によってはさらに窒化ケイ素粉末の粒度分布が、0.5μm以下の割合が70重量%以上95重量%以下であり、0.5μm超過2.0μm以下の割合が5重量%以上30重量%以下であるように粒度分布を制御した窒化ケイ素原料粉末に、焼結助剤として周期律表第IIIa族酸化物酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化ジルコニウム窒化アルミニウムのうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物あるいは窒化物を0.2重量%以上10.0重量%以下添加して混合粉末を作り、1気圧以上100気圧以下の窒素ガス圧下で1500℃以上1800℃以下の温度で50kg/cm2以上300kg/cm2以下の加圧力ホットプレスするようにした窒化ケイ素質焼結体の製造方法。

目的

効果

実績

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請求項1

平均粒径0.1μm以上1.2μm以下でかつβ型Si3N4の含有率が80重量%以上である窒化ケイ素粉末に、焼結助剤として周期律表第IIIa族酸化物酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化ジルコニウム窒化アルミニウムのうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物あるいは窒化物を0.2重量%以上10.0重量%以下添加して混合粉末を作り、1気圧以上100気圧以下の窒素ガス圧下で1500℃以上1800℃以下の温度で50kg/cm2以上300kg/cm2以下の加圧力ホットプレスすることを特徴とする窒化ケイ素質焼結体の製造方法。

請求項2

窒化ケイ素粉末の粒度分布が、0.5μm以下の割合が70重量%以上95重量%以下であり、0.5μm超過2.0μm以下の割合が5重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素質焼結体の製造方法。

請求項3

焼結助剤が、酸化イットリウムと酸化アルミニウムの組み合わせであることを特徴とする請求項1または2に記載の窒化ケイ素質焼結体の製造方法。

請求項4

焼結助剤が、酸化イットリウムと酸化ネオジムの組み合わせであることを特徴とする請求項1または2に記載の窒化ケイ素質焼結体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、自動車機械装置化学装置宇宙航空機器などの幅広い分野において使用される各種構造部品素材として利用でき、β型窒化ケイ素粉末原料として用い、特に高い破壊靭性値と優れた強度を有する軽量なファインセラミックス材料である窒化ケイ素質焼結体を製造するのに好適な窒化ケイ素質焼結体の製造方法に関すものである。

背景技術

0002

窒化ケイ素を主成分とする焼結体は、常温および高温化学的に安定であり、高い機械的強度を有するため、軸受などの摺動部材ターボチャージャロータなどのエンジン部材として好適な材料である。

0003

従来より、高強度な窒化ケイ素質焼結体を得るには、α型の窒化ケイ素を主成分とする原料粉末が必要といわれており、一般に、α型含有率が90重量%以上の市販粉末が使用されている。

0004

高強度な窒化ケイ素質焼結体を得るに際してα型を主成分とする原料粉末を用いるのは、
1.α型は微粉末であり焼結性が高いこと、
2.焼結中にα型からβ型への相転移が起こり、柱状結晶発達した組織となることにより強度および靭性が向上すること、
等の理由からであった。

0005

ところが、上述したα型を出発原料とする窒化ケイ素粉末は、α型の含有量を制御する必要があるため、原料粉末の合成過程が複雑になり、原料が高価なものになるという問題点があった。

0006

一方、β型を主成分とする窒化ケイ素粉末としては、耐火物の原料として使用されている粉末が知られている。また、β型を主成分とする窒化ケイ素粉末を原料とする焼結体としては、ジャーナルオブアメリカセラミックソサイエティ第57巻第25頁(1974年)や、特開昭58−151371号公報等に記載されたものが知られている。

0007

しかし、β型を主成分とする粉末は粒子が粗く、α相の含有率が低いため、柱状組織が得られず、高強度の焼結体は得られないことから、高強度の焼結体を製造するための原料粉末としては使用されていなかった。

0008

本発明者の一人は、先に、高窒素ガス圧下で高温での焼結が可能となるガス圧焼結法を開発しこれを提案した(特許第1,247,183号明細書)。また、このガス圧焼結法によると、従来は焼結性が低いと考えられていたβ型窒化ケイ素粉末を用いても、高密度まで焼結できることを示した(ジャーナルオブマテリアルズサイエンス第11巻第1103頁〜第1107頁(1976年),特公昭58−151371号公報)。

0009

さらに、別の特許出願(特開平2−255573号公報)で、高純度のβ型窒化ケイ素粉末の粒度分布を調整することにより、高強度な焼結体が得られることを示した。

0010

また、別の特許出願(特願平3−245868号明細書)で、低純度の粉末を用いても適度な粒度調整により比較的高強度の焼結体が得られることを示した。

0011

さらにまた、別の特許出願(特願平3−246113号明細書,特願平3−338844号明細書,特願平3−339008号明細書)で、焼結助剤焼成条件の最適化により焼結体の機械的特性が向上することを示した。

0012

さらにまた、別の特許出願(特願平5−247073号明細書)で、Yb2O3を主成分とすることにより、さらに信頼性が向上することを示した。

0013

さらにまた、別の特許出願(特願平5−247123号明細書)では、β型窒化ケイ素とβ型サイアロン複合組織とすることにより、靭性が向上して強度と靭性が両立することを示した。

発明が解決しようとする課題

0014

しかしながら、上記した従来のβ型窒化ケイ素を原料として用いた焼結手法では、靭性向上のために数十μmの長さの柱状結晶を発達させるようにしており、したがって、焼結体は数μmの粒径をもつ窒化ケイ素微粒子と数十μmの粒径をもつ窒化ケイ素粗大粒子とからなる複合構造の組織をもつものとなっていて、破壊靭性の向上には有効であるものの、この柱状結晶の大きさが不揃いなため、粗大粒子が破壊の起点となる可能性があることから、強度の向上には限界があり、焼結体の強度は十分であるとはいえなかったという問題点があった。また、焼結に高温を必要とするため、生産性が悪いという問題点があった。したがって、強度および靭性に優れた窒化ケイ素質焼結体を生産性よく製造できるようにすることが課題であった。

0015

本発明は、上述した従来の課題にかんがみてなされたものであって、β型窒化ケイ素粉末を原料とし、原料の粒度分布と焼結助剤の種類および量を工夫し、適切なる条件でのホットプレスを用いて比較的低い温度で焼成し、焼結体中の柱状結晶の大きさ制御することにより、靭性に優れ強度が高い窒化ケイ素質焼結体を製造できるようにすることを目的としている。

課題を解決するための手段

0016

本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体の製造方法では、製造方法としてホットプレスを用いて従来よりも低温で焼成することにより、数μmの微細窒化ケイ素粒子のみからなる微構造を持たせることに成功したものである。そして、このような微構造をもつ焼結体では、微細でアスペクト比の高い組織を持ち、焼結欠陥がないものとなるため、粗大粒子がなくても優れた破壊靭性が得られ、また、破壊起点となる粗大粒子や焼結欠陥を含まないため、特に強度が高い特徴がある。

0017

一方、従来のガス圧焼結によって低温で焼成すると、微細粒子の組織は得られるものの粒子のアスペクト比が低く、焼結時にボイド欠陥が発生するため、低温焼成では強度と靭性が低かったのに対して、本発明では、焼成方法としてホットプレスを用いることにより、低温で焼成しても微細でアスペクト比が高く焼結欠陥が発生しないため、強度と靭性に優れる窒化ケイ素質焼結体を得ることができる。

0018

すなわち、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体の製造方法は、平均粒径0.1μm以上1.2μm以下でかつβ型Si3N4の含有率が80重量%以上である窒化ケイ素粉末に、焼結助剤として周期律表第IIIa族酸化物酸化アルミニウム酸化マグネシウム酸化カルシウム酸化ジルコニウム窒化アルミニウムのうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物あるいは窒化物を0.2重量%以上10.0重量%以下添加して混合粉末を作り、1気圧以上100気圧以下の窒素ガス圧下で1500℃以上1800℃以下の温度で50kg/cm2以上300kg/cm2以下の加圧力でホットプレスするようにしたことを特徴としている。

0019

そして、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体の製造方法の実施態様においては、平均粒径0.1μm以上1.2μm以下でかつβ型Si3N4の含有率が80重量%以上である窒化ケイ素粉末であって、この窒化ケイ素粉末の粒度分布が、0.5μm以下の割合が70重量%以上95重量%以下であり、0.5μm超過2.0μm以下の割合が5重量%以上30重量%以下であるものを用いることができる。

0020

また、同じく本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体の製造方法の実施態様においては、焼結助剤が酸化イットリウムと酸化アルミニウムの組み合わせであるものとしたり、焼結助剤が酸化イットリウムと酸化ネオジムの組み合わせであるものとしたりすることができる。

0021

本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体の製造方法は、上記した構成としたものであり、出発原料粉末は、平均粒径0.1μm以上1.2μm以下でかつβ型Si3N4の含有率が80重量%以上である窒化ケイ素粉末を用いる。本発明では、β型の窒化ケイ素の焼結特性に合わせた粒度分布および焼成条件を設定するので、α型の含有量が多くなると異常粒成長が起こり強度が低下するので、β型の含有量を80重量%以上としている。また、原料粉末の平均粒径が0.1μm未満となると成形性が悪くなり、焼結体に欠陥が生じて強度が低下するので好ましくなく、また、原料粉末の平均粒径が1.2μm超過となると、焼結体中の窒化ケイ素粒子が粗くなるため強度が低下するので好ましくない。

0022

そして、場合によっては、原料粉末に対し粉砕分級処理を行うことにより、窒化ケイ素粉末の粒度分布が、0.5μm以下の割合が70重量%以上95重量%以下であり、0.5μm超過2.0μm以下の割合が5重量%以上30重量%以下であるように制御することも望ましい。この場合、0.5μm以下の粉末(以下、細粒と呼ぶ)は緻密化を促進する作用を有するため、細粒の最大粒子径が0.5μm超過となると、焼結性が低下する。また、細粒の割合が70重量%未満であると焼結性が低下する。他方、細粒の割合が95重量%超過では、組織制御の粒成長の核となる0.5μm超過2.0μm以下の範囲の粒子(以下、粗粒と呼ぶ)の割合が少なくなるため、緻密化はするものの柱状の組織が発達せず強度および靭性値が低下する。ここで、粗粒の粒子径は0.5μm超過2.0μm以下とするのがよい。そして、0.5μm以下では柱状の粒成長の核となる作用が少なく柱状の組織が得られない。他方、2.0μm超過では柱状組織が大きくなりすぎるため強度が低下する。また、細粒の割合は5重量%以上30重量%が良く、5重量%未満では核が少ないため柱状結晶が発達せず、30重量%超過では細粒の割合が少なくなるために焼結性が低下する。

0023

このようにして粒度調整した窒化ケイ素粉末に、酸化物あるいは窒化物の焼結助剤を添加する。ここで、用いる焼結助剤は、周期律表第IIIa族の酸化物,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化カルシウム,酸化ジルコニウム,窒化アルミニウムのうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物あるいは窒化物である。この助剤系は、焼成温度等によって選ばれるが、特に、酸化イットリウムと酸化アルミニウムの組み合わせは低温での焼結性に優れるものとなる。また、酸化イットリウムと酸化ネオジムの組み合わせは高温での焼結性に優れるものとなる。そして、焼結助剤の添加量は0.2重量%以上10.0重量%以下とするのが良い。すなわち、0.2重量%未満では焼結性が損なわれ、10.0重量%超過では焼結時にボイド欠陥が発生して強度が低下するためである。

0024

窒化ケイ素粉末と焼結助剤との混合粉末に対する焼成は、1気圧以上100気圧以下の窒素ガス圧下で1500℃以上1800℃以下の温度で50kg/cm2以上300kg/cm2以下の加圧力でホットプレスすることにより行われる。この焼成において、窒素は窒化ケイ素の熱分解を防ぐために必要であり、高温で焼成するほど高圧窒素雰囲気を使用する。そして、窒素雰囲気が1気圧よりも低いと、窒化ケイ素は熱分解を起こし、窒素を放出してケイ素となるので好ましくない。また、100気圧よりも高くなると高圧ガスによる緻密化阻害が起こり、焼結性が低下する。

0025

さらに、焼成温度は、焼結手法と使用する焼結助剤の種類および量により異なるが、1500℃以上1800℃以下の温度が使用される。そして、1500℃未満では焼結性が低下して強度が低下し、1800℃超過では柱状結晶が大きくなりすぎて強度が低下する。

0026

さらにまた、加圧力は50kg/cm2以上300kg/cm2以下としてホットプレスされ、加圧力が50kg/cm2未満では焼結性が低下するので好ましくなく、300kg/cm2超過では生産性が低下するので好ましくない。

0027

次に、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体の製造方法の実施例を比較例とともに説明する。

0028

実施例1
表1の実施例1の欄に示すように、平均粒径0.5μm,最大粒径2μmでかつβ型含有量95重量%の窒化ケイ素粉末(粉末A)に、酸化イットリウム0.8重量%と酸化ネオジム1.2重量%を配合し、エタノールを添加した湿式ボールミルにより94時間混合粉砕した。

0029

次いで、空気中でスプレードライヤーを用いて乾燥した後、40mm×60mmの黒鉛型に入れて、黒鉛抵抗熱式ホットプレス装置を用いて、1気圧の窒素ガス圧下で250kg/cm2の加圧力で1750℃で1時間焼成した。

0030

次に、ここで得られた焼結体を切断した後、800メッシュダイヤモンドホイール平面研削して、3mm×4mm×40mmの形状に加工し、JIS−R1601に準じた室温3点曲げにより曲げ強さを求めると共に、JIS−R1607に準じたSEPB法(試験片の3×40mmの面にビッカース圧痕を加え、これから予亀裂を生成し、この予亀裂から破壊する手法)により破壊靭性値を求めた。

0031

この結果、同じく表1に示すように、この焼結体の気孔率は0.2%、室温3点曲げ強さは950MPaであり、破壊靭性値は6.5MPa√mであった。

0032

このように、β型原料粉末の粒度を調整してホットプレスすることにより、強度と靭性が両立したセラミックス材料が得られることが確かめられた。

0033

比較例1
表3の比較例1の欄に示すように、平均粒径0.5μm,最大粒径2μmでかつβ型含有量95重量%の窒化ケイ素粉末(粉末A)に、酸化イットリウム0.8重量%と酸化ネオジム1.2重量%を配合し、エタノールを添加した湿式ボールミルにより94時間混合粉砕した。

0034

次いで、空気中でスプレードライヤーを用いて乾燥した後、20MPaの圧力で金型成形し、その後、200MPaの圧力でラバープレスを施すことにより、6mm×6mm×50mmの成形体を得た。

0035

次に、この成形体を黒鉛抵抗加熱式のガス圧焼結炉を用いて、1気圧の窒素ガス圧下で1750℃で1時間焼成した。

0036

続いて、ここで得られた焼結体を切断した後、800メッシュのダイヤモンドホイールで平面研削して、3mm×4mm×40mmの形状に加工し、JIS−R1601に準じた室温3点曲げにより曲げ強さを求めると共に、JIS−R1607に準じたSEPB法により破壊靭性値を求めた。

0037

この結果、同じく表3に示すように、この焼結体の気孔率は4.2%、室温3点曲げ強さは490MPaであり、破壊靭性値は3.5MPa√mであった。

0038

このように、ガス圧焼結では、焼結温度が低いと、強度および靭性が低いセラミックス材料となることが確かめられた。

0039

実施例2
表1の実施例2の欄に示すように、平均粒径0.35μm,最大粒径2μmでかつ0.5μm以下の割合が70重量%で0.5μm超過2.0μm以下の割合が30重量%であるβ型含有量90重量%の窒化ケイ素粉末(粉末B)に、酸化イットリウム3.0重量%と酸化アルミニウム1.5重量%を配合し、エタノールを添加した湿式ボールミルにより94時間混合粉砕した。

0040

次いで、空気中でスプレードライヤーを用いて乾燥した後、40mm×60mmの黒鉛型に入れて、黒鉛抵抗加熱式のホットプレス装置を用いて、1気圧の窒素ガス圧下で150kg/cm2の加圧力で1650℃で30分間焼成した。

0041

次に、ここで得られた焼結体を切断した後、800メッシュのダイヤモンドホイールで平面研削して、3mm×4mm×40mmの形状に加工し、JIS−R1601に準じた室温3点曲げにより曲げ強さを求めると共に、JIS−R1607に準じたSEPB法により破壊靭性値を求めた。

0042

この結果、同じく表1に示すように、この焼結体の気孔率は0.3%、室温3点曲げ強さは1050MPaであり、破壊靭性値は7.5MPa√mであった。

0043

このように、β型原料粉末の粒度を調整してホットプレスすることにより、強度と靭性が両立したセラミックス材料が得られることが確かめられた。

0044

比較例2
表3の比較例2の欄に示すように、平均粒径0.35μm,最大粒径2μmでかつ0.5μm以下の割合が70重量%で0.5μm超過2.0μm以下の割合が30重量%であるβ型含有量90重量%の窒化ケイ素粉末(粉末B)に、酸化イットリウム3.0重量%と酸化アルミニウム1.5重量%を配合し、エタノールを添加した湿式ボールミルにより94時間混合粉砕した。

0045

次いで、空気中でスプレードライヤーを用いて乾燥した後、200MPaの圧力でラバープレスを施すことにより、6mm×6mm×50mmの成形体を得た。

0046

次に、この成形体を黒鉛抵抗加熱式のガス圧焼結炉を用いて、1気圧の窒素ガス圧下で1650℃で30分間焼成した。

0047

続いて、ここで得られた焼結体を切断した後、800メッシュのダイヤモンドホイールで平面研削して、3mm×4mm×40mmの形状に加工し、JIS−R1601に準じた室温3点曲げにより曲げ強さを求めると共に、JIS−R1607に準じたSEPB法により破壊靭性値を求めた。

0048

この結果、同じく表3に示すように、この焼結体の気孔率は8.5%、室温3点曲げ強さは420MPaであり、破壊靭性値は3.0MPa√mであった。

0049

このように、ガス圧焼結では、焼結温度が低いと、強度と靭性が低いセラミックス材料となることが確かめられた。

0050

実施例3〜10,比較例3〜10
表1および表2の実施例3〜10の欄、ならびに表3および表4の比較例3〜10の欄に示すように、平均粒径0.5μm,最大粒径2μmでかつβ型含有量95重量%の窒化ケイ素粉末(粉末A)と、平均粒径0.35μm,最大粒径2μmでかつ0.5μm以下の割合が70重量%で0.5μm超過2.0μm以下の割合が30重量%であるβ型含有量90重量%の窒化ケイ素粉末(粉末B)と、平均粒径1.2μm,最大粒径3μmでかつβ型含有量88重量%の窒化ケイ素粉末(粉末C)と、平均粒径1.5μm,最大粒径5μmでかつβ型含有量70重量%の窒化ケイ素粉末(粉末D)と、平均粒径1.0μm,最大粒径2.5μmでかつ0.5μm以下の割合が60重量%で0.5μm超過2.0μm以下の割合が40重量%であるβ型含有量90重量%の窒化ケイ素粉末(粉末E)と、平均粒径0.2μm,最大粒径1.5μmでかつ0.5μm以下の割合が98重量%で0.5μm超過2.0μm以下の割合が2重量%であるβ型含有量95重量%の窒化ケイ素粉末(粉末F)のうちから選んだ窒化ケイ素原料粉末に、同じく表1ないし表4に示す成分および量の焼結助剤を配合し、エタノールを添加した湿式ボールミルにより94時間混合粉砕した。

0051

次いで、空気中でスプレードライヤーを用いて乾燥した後、40mm×60mmの黒鉛型に入れて、黒鉛抵抗加熱式のホットプレス装置を用いて、同じく表1ないし表4に示す条件でホットプレス焼成した。

0052

次に、ここで得られた各焼結体を切断した後、800メッシュのダイヤモンドホイールで平面研削して、3mm×4mm×40mmの形状に加工し、JIS−R1601に準じた室温3点曲げにより曲げ強さを求めると共に、JIS−R1607に準じたSEPB法により破壊靭性値を求めた。

0053

この結果、各焼結体の気孔率,室温3点曲げ強さ,破壊靭性値は同じく表1ないし表4に示す値であった。

0054

表1および表2に示すように、本発明実施例3〜10では、β型原料粉末の粒度およびβ型含有率を適切なものに規制し、また、特定成分の焼結助剤を適切な量で配合して、特定の条件でホットプレスすることにより、強度と靭性が両立した機械的性質の優れたセラミックス材料を得ることが可能であることが確かめられた。これに対して、表3および表4に示すように、窒化ケイ素原料粉末が適切なものとなっていない比較例3〜5、焼結助剤量が適切なものとなっていない比較例6,7、ホットプレス条件が適切なものとなっていない比較例8〜10では、一部において靭性に優れたものはあるものの、すべてにおいて強度が劣るものとなっていた。

0055

0056

0057

0058

発明の効果

0059

本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体の製造方法では、平均粒径0.1μm以上1.2μm以下でかつβ型Si3N4の含有率が80重量%以上である窒化ケイ素粉末に、焼結助剤として周期律表第IIIa族の酸化物,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸化カルシウム,酸化ジルコニウム,窒化アルミニウムのうちから選ばれる1種または2種以上の酸化物あるいは窒化物を0.2重量%以上10.0重量%以下添加して混合粉末を作り、1気圧以上100気圧以下の窒素ガス圧下で1500℃以上1800℃以下の温度で50kg/cm2以上300kg/cm2以下の加圧力でホットプレスするようにしたから、比較的低い温度でホットプレスすることによって、焼結体中の柱状結晶の大きさを制御することが可能であり、靭性に優れ強度が高い、すなわち強度と靭性が両立した機械的性質に優れた軽量セラミックス材料を提供することが可能であるという著しく優れた効果がもたらされる。

0060

そして、本発明に係わる窒化ケイ素質焼結体の製造方法の実施態様においては、窒化ケイ素粉末の粒度分布が、0.5μm以下の割合が70重量%以上95重量%以下であり、0.5μm超過2.0μm以下の割合が5重量%以上30重量%以下であるものとすることにより、焼結性が向上して緻密化が促進されると共に、柱状の組織が発達することとなって、強度および靭性をより一層すぐれたものにすることが可能である。

0061

さらにまた、焼結助剤が酸化イットリウムと酸化アルミニウムの組み合わせであるものとすることによって、低温での焼結性をより一層優れたものとすることが可能であり、また、焼結助剤が酸化イットリウムと酸化ネオジムの組み合わせであるものとすることによって、高温での焼結性をより一層優れたものとすることが可能であるという効果がもたらされる。

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